JP3394752B2 - 弾性表面波素子の製造方法 - Google Patents

弾性表面波素子の製造方法

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JP3394752B2
JP3394752B2 JP2000342927A JP2000342927A JP3394752B2 JP 3394752 B2 JP3394752 B2 JP 3394752B2 JP 2000342927 A JP2000342927 A JP 2000342927A JP 2000342927 A JP2000342927 A JP 2000342927A JP 3394752 B2 JP3394752 B2 JP 3394752B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体表面を伝搬す
る弾性波を利用した弾性表面波素子の製造方法に関し、
特に、IDT(interdigital transducer)と称される
電極のパッドに改良が施された弾性表面波素子の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】弾性表面波(SAW:surface acoustic
wave)を利用した従来の弾性表面波素子1は、図5に
示されているように、圧電材料からなる基板2上に、相
互に間隔をおいて配置される例えば一対の電極3(図に
は、その一方のみが示されている。)を備える。電極3
を保護するために、該電極および基板2の表面が保護膜
4により覆われ、この保護膜4には、電極3を部分的に
露出させるための開口5が形成されている。この開口5
には、図示しないリード線を電極3に接続するためのパ
ッド6が形成されている。
【0003】前記弾性表面波素子1は、例えば前記リー
ド線を経て前記両電極3間に印加される電気信号を基板
2の表面を伝搬する弾性波に変換する。代表的な弾性表
面波素子としては、帯域フィルタ、分散形遅延線コンボ
ルバ等が挙げられる。
【0004】ところで、前記したようなパッド6は、電
極3上で、該電極の縁部の近傍に設けられることから、
このパッド6のための開口5の形成により、電極3に加
えて、基板2の表面が前記開口5から部分的に露出する
ことがある。前記開口5内で基板2が、たとえ、部分的
に露出しても、開口5に形成されるパッド6は、開口5
内で露出する電極3に電気的に結合されることから、前
記リード線は、パッド6を経て電極3に電気的に確実に
接続される。また、パッド6は、その下面が、電極3に
結合されると共に、基板2の前記露出部分に結合される
ことから、パッド6の剥離に対する強度が損なわれるこ
とはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記弾
性表面波素子1の製造工程で、保護膜4の形成後、この
保護膜上にフォトレジストにより開口5を形成するため
のエッチングマスクを用いた選択エッチング処理を施す
とき、例えば前記エッチングマスクの配置誤差により、
開口5の位置にずれが生じ、このために前記したよう
に、形成された開口5から基板2の一部が露出すると、
この選択エッチング処理に引き続いて、前記エッチング
マスクを除去するときの酸素プラズマを用いたアッシン
グ処理により基板2が高温に晒されたとき、基板2の前
記露出部分に電極分離が生じることから、その表面が帯
電する。この帯電は、前記アッシング処理雰囲気中のラ
ジカル、イオンあるいはレジスト成分から成る粒子7を
前記露出面上に吸着させる。
【0006】このような粒子7が吸着された露出面上に
前記パッド6が形成されると、パッド6と基板2との密
着性が弱まることから、パッドの結合力が弱まり、その
結果、パッド6の剥離に対する機械的強度が低下する。
そこで、本発明の目的は、剥離に対する機械的強度が優
れたパッドを有する弾性表面波素子を提供することにあ
る。
【0007】
【0008】
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る前記弾性表
面波素子は、弾性表面波を伝搬させるための基板上に、
電気信号と弾性表面波との間でエネルギー変換を行うた
めの電極を形成し、該電極および前記基板を覆う保護膜
を形成し、前記電極のためのパッドを形成するための開
口を前記保護膜に形成するためのエッチングマスクをフ
ォトレジストを用いて形成し、該フォトレジストを用い
たエッチング処理により前記保護膜に前記開口を形成し
た後、前記フォトレジストをアッシング処理により除去
し、前記電極の前記開口を経て露出された部分の上にリ
ード線の接続のためのパッドを形成する製造方法におい
て、前記保護膜に形成される前記開口を、前記基板上に
開口させることなく前記電極上に開放させることによ
り、比較的容易に形成することが可能となる。
【0010】前記基板上の電極を覆う前記保護膜に開口
を形成するための前記エッチングマスクを用いたエッチ
ング処理により、前記開口が形成され、この開口の形成
後に前記エッチングマスクはアッシング処理により除去
され、このアッシング処理中に前記基板は従来における
と同様な高温環境下におかれるが、前記基板は、前記開
口の開放領域で導電性の電極により覆われることから、
分極を生じる程の高温環境下に露出されることはなく、
また導電性を示す電極には分極が生じないことから、前
記パッドとの結合面となる前記開口の開放領域に従来の
ような帯電による粒子の付着が生じることはない。
【0011】従って、パッドをその下面で前記電極およ
び前記保護膜に強固に結合させることができ、これによ
り剥離に対する抗力に優れた弾性表面波素子を比較的容
易に形成することができる。
【0012】前記フォトレジストを前記アッシング処理
により除去した後、前記保護膜上に該保護膜の被覆作用
を補助するための前記フォトレジストからなるレジスト
膜層を前記保護膜上に形成し、該レジスト膜層に前記保
護膜の前記開口および該開口縁部を露出させる開口を形
成し、該開口が形成された前記レジスト膜層上および前
記開口から露出する領域にパッドのための金属層を成長
させるに先立って、前記フォトレジスト膜層に該層中の
溶剤の気化を促進するための気化促進処理を施すことが
できる。
【0013】前記保護膜は、前記パッドのための前記金
属層に選択エッチング処理を施してパッドを形成すると
きに前記電極の保護膜としても機能するが、電極のエッ
ジを含む段差部を確実に保護するために、被覆作用を補
助するためのいわゆるステップカバレッジとして前記レ
ジスト膜層が用いられる。
【0014】しかしながら、このレジスト膜層は、その
溶剤成分が気化し易く、その上に前記金属層が形成され
ると、該金属層と前記レジスト膜層との間に該レジスト
膜層からのガス成分が溜まると、金属層の剥離あるいは
変形を生じ易く、この金属層の剥離あるいは変形は、該
金属層に選択エッチング処理を施してパッドを形成する
ために用いられるパターニング用エッチングマスクの正
確かつ容易な配置の妨げとなる。
【0015】そこで、前記ステップカバレッジとして用
いられる前記レジスト膜層の形成後、該レジスト膜層に
気化促進処理を施すことにより、予め該レジスト膜層か
ら前記溶剤成分の低減を図り、その後に前記金属層を成
長させることにより、該金属層と前記レジスト膜層との
間への前記ガス成分の滞留を防止することができ、これ
により、前記金属層上への前記パターニング用エッチン
グマスクの正確な配置が容易に可能となる。
【0016】前記気化促進処理のために、加熱炉を用い
ることができ、この加熱炉を用いた真空加熱処理によ
り、ステップカバレッジとして用いられる前記レジスト
膜層から、その表面に形成される硬化層を通して、前記
レジスト膜層から溶剤を効果的に気化させることができ
る。また、前記気化促進処理として、酸素プラズマアッ
シング処理を採用することができる。このアッシング処
理により、前記レジスト膜層の表面に形成される前記硬
化層の除去および前記レジスト膜層の加熱が同時的にな
されることから、前記した溶剤の気化の促進を一層効果
的に行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
について詳細に説明する。 〈具体例〉図1は、本発明に係る弾性表面波素子の具体
例を示す。弾性表面波素子10は、従来よく知られてい
るように、圧電材料である例えばLiTaO3からなる
基板11と、該基板上に形成されたIDTと称されるす
だれ状電極12とを備える。基板11として、その他の
圧電材料あるいは磁気歪み材料からなる基板を用いるこ
とができる。また、すだれ状電極12は、従来よく知ら
れているように、対をなして(図1にはその一方のみが
示されている。)相互に間隔をおいて基板11上に形成
されている。すだれ状電極12は、例えばアルミニゥム
を主成分とするAL−Cuのような金属材料で形成する
ことができる。
【0018】基板11上のすだれ状電極12および該す
だれ状電極から露出する基板11の表面は、例えばシリ
コン酸化膜からなる保護膜13により、覆われている。
保護膜13には、すだれ状電極12を保護膜13から部
分的に露出させるための開口14が、すだれ状電極12
の縁部の近傍部分に設けられている。開口14による開
放領域では、すだれ状電極12が基板11の表面を覆う
ことから、基板11は開口14に露出することなく、基
板11を覆うすだれ状電極12が露出する。
【0019】保護膜13は、弾性表面波素子10の取扱
あるいはその製造工程中でのすだれ状電極12への損傷
を防止し、また後述するパッド形成時のエッチングマス
クとして機能する酸化膜であり、シリコン酸化膜に代え
て、アルミナ等の電気絶縁膜層を用いることができる。
【0020】前記開口14には、該開口を経てすだれ状
電極12に電気的に接続されるパッド15が設けられて
いる。図1に示す例では、クロム(Cr)から成る下層
部分15aと金(Au)からなる上層部分15bとから
成る従来よく知られた積層構造を有するパッド15が用
いられている。
【0021】パッド15は、その下面の中央部分16a
が開口14内に露出するすだれ状電極12を覆って形成
され、またその下面の周縁部16bが保護膜13の開口
14を取り巻く縁部13aを覆って形成されている。パ
ッド15は、その中央部分16aですだれ状電極12に
結合され、また周縁部16bで保護膜13の前記縁部1
3aに結合されている。従って、パッド15は、その中
央部分16aですだれ状電極12に電気的に結合され、
中央部分16aおよび周縁部16bですだれ状電極12
および保護膜13にそれぞれ密着して機械的に結合され
ている。
【0022】各すだれ状電極12の前記パッド15に
は、図示しないリード線が接続され、例えばこのリード
線を経て両すだれ状電極12間に電気信号電圧が印加さ
れると、その電気エネルギーが両すだれ状電極12を経
て該電極下の基板11に伝えられると、該基板表面を伝
搬する弾性表面波に変換される。弾性表面波素子10
は、このエネルギー変換を利用して、前記した種々の振
動、音響部品に応用されている。
【0023】本発明に係る前記弾性表面波素子では、前
記したように、前記基板11上の導電性すだれ状電極1
2は、これらの基板11およびすだれ状電極12を覆う
前記保護膜13の開口14による開放領域で、前記基板
11を覆うことから、前記開口14による前記開放領域
で前記基板11が保護膜13から露出することはない。
従って、前記開口14に関連して形成される前記パッド
15は、その下面で、開口14内に位置する中央部分1
6aが前記電極12に結合され、前記中央部分16aを
取り巻く周縁部16bが前記保護膜13の前記開口14
の縁部に密着して形成される。これにより、前記パッド
15は、前記開口14による前記開放領域で、結合の妨
げの原因となる前記基板11に接することなく、前記電
極12および前記保護膜13に強固に結合されることか
ら、パッド15の剥離に対する抗力が高められ、該パッ
ドの機械的強度が高められる。
【0024】図1に示した弾性表面波素子10は、図2
および図3に沿って説明する方法により、容易に製造す
ることができる。図2(a)に示されているように前記
基板11上に例えば蒸着法あるいはスパッタ法を用いて
前記電極12のための金属層12′が形成される。金属
層12′上には、フォトリソグラフィ技術を用いて所望
のパターンを有するフォトレジスト17が形成される。
このフォトレジスト17をエッチングマスクとして、金
属層12′が例えばウエットエッチング処理を受ける。
このエッチング処理により、金属層12′の不要部が除
去され、必要に応じて、前記基板11の前記不要部が除
去された表面が洗浄を受ける。前記フォトレジスト17
の除去により、前記基板11上に、図2(b)に示され
ているように、前記電極12が形成される。
【0025】前記電極12の形成後、図2(b)に示さ
れているように、前記電極12および該電極から露出す
る基板11の表面が保護膜13により、覆われる。保護
膜13は、例えばスパッタ法により前記電極12および
前記基板11の前記表面上に堆積されるシリコン酸化膜
で形成することができる。また、保護膜13は、シリコ
ン酸化膜に代えて、例えばアルミナ等の絶縁膜で形成す
ることができる。
【0026】保護膜13には、該保護膜から前記電極1
2を部分的に露出させるための前記開口14を形成する
ためのエッチングマスク18が、フォトレジストによ
り、形成される。フォトレジストからなる前記エッチン
グマスク18を用いた保護膜13へのエッチング処理に
より、該保護膜には、図2(b)に示されているよう
に、開口部18aが形成される。開口部18aが形成さ
れたエッチングマスク18を用いて保護膜13にエッチ
ング処理が施され、これにより、図2(c)に示されて
いるように、保護膜13には開口部18aに対応した開
口14が形成される。この開口14は、その開放領域
で、基板11を露出させることはなく、該基板上の前記
電極12が開口14の全ての開放領域で基板11を覆
う。
【0027】開口14の形成後、エッチングマスク18
が酸素プラズマを用いたアッシング処理により除去され
る。このとき、前記したとおり、前記基板11の表面
は、前記電極12および保護膜13に覆われており、該
保護膜の開口14から露出することはない。そのため、
前記基板11の表面が高温のプラズマ雰囲気に直接的に
晒されることはなく、前記基板11の表面が高温に晒さ
れることによる分極が防止され、これにより前記基板1
1の帯電が防止される。また、前記保護膜13の開口1
4による前記開放領域で前記基板11を覆う前記電極1
2は、導電性を示すことから、前記基板11におけるよ
うな分極を生じることはない。
【0028】そのため、前記電極12が前記開口14中
に露出しても、前記基板11におけるような前記アッシ
ング処理中での前記粒子(7)の前記露出部分への付着
現象が生じることはない。
【0029】従って、保護膜13に図2(c)に示され
ているような開口14を形成し、該開口の形成に使用さ
れたエッチングマスク18を除去した後、後述するパッ
ド15のための金属層15a(図3(b)参照)を堆積
し、堆積された金属層にパターニングを施すことによ
り、図1に示したとおり、パッド15の中央部分16a
で前記電極12に強固に結合されかつ周縁部16bで保
護膜13の縁部13aに強固に結合されたパッド15を
形成することができる。しかしながら、このパッド15
のパターニングのためのウエットエッチング処理から前
記電極12を確実に保護する上で、前記金属層の堆積に
先立ち、図3(a)に示されているように、例えばフォ
トレジスト膜層から成る補助用保護膜19を形成するこ
とが望ましい。
【0030】すなわち、前記電極12を覆う保護膜13
は、前記電極12の厚さ寸法が比較的大きいとき、前記
基板11上から急激に立ち上がる前記電極12のエッジ
すなわち立ち上がり縁部を充分に覆うことはできず、こ
の縁部を確実に覆うためのいわゆるステップカバレッジ
として前記補助用保護膜19が形成される。
【0031】前記補助用保護膜19は、図3(a)に示
されているように、保護膜13上および該保護膜の開口
14を覆うように、フォトレジスト膜層(19)を形成
した後、該フォトレジスト膜層から開口14および保護
膜13の縁部13aを露出させるべく、開口19aを形
成することにより、得られる。
【0032】前記補助用保護膜19の形成後、図3
(b)に示されているように、パッド15のための金属
層(15)が堆積される。この金属層(15)は、前記
した例えばクロムおよび金からなる積層構造を採用する
ことができる。
【0033】前記金属層(15)上には、図3(c)に
示されているように、パッド15のパターニングのため
のフォトレジスト20が形成される。このフォトレジス
ト20をエッチングマスクとするウエットエッチング処
理により、前記金属層(15)のフォトレジスト20か
ら露出する不要部分が除去され、パッド15が形成され
る。
【0034】前記した補助用保護膜19は、前記金属層
(15)の不要部分を除去するための前記したウエット
エッチング処理から前記電極12を確実に保護する。
【0035】前記パッド15の形成後、補助用保護膜1
9およびフォトレジスト20は、例えば酸素を用いたア
ッシング処理により除去され、これにより、図1に示し
たと同様な弾性表面波素子10が比較的容易に得られ
る。
【0036】ところで、図3(b)に沿って説明した金
属層(15)の堆積によって該金属層に一時的に埋設さ
れる補助用保護膜19は、揮発性溶剤を含むフォトレジ
スト膜層からなる。そのため、補助用保護膜19に含ま
れる揮発性溶剤成分が前記金属層(15)の堆積後に補
助用保護膜19からガスとして放出されると、前記金属
層(15)に覆われた補助用保護膜19の表面からの放
出ガスにより、平滑な前記補助用保護膜19の表面に凹
凸が形成され、荒れた状態になる。
【0037】前記補助用保護膜19の前記表面の荒れ
は、前記金属層(15)の不要部分を除去してパッド1
5を形成するためのエッチング処理に使用するフォトレ
ジスト20のマスクパターンの配置を決める際の透光性
の妨げとなることから、正確かつ容易なマスクアライメ
ントを困難にする。
【0038】そのため、補助用保護膜19の形成後、図
3(a)に示されているように、前記金属層(15)の
堆積にさせる前の状態で、補助用保護膜19であるフォ
トレジスト膜層(19)から該フォトレジスト膜層中の
溶剤の気化を促進させるための気化促進処理を施すこと
が望ましい。
【0039】前記した気化促進処理に、図4に示すよう
な加熱炉を用いることができる。加熱炉21は、真空チ
ャンバ22を規定するための例えば石英から成るハウジ
ング23と、前記チャンバ22に接続された例えば真空
ポンプからなる負圧源24と、ハウジング23を取り巻
く例えば遠赤外線ランプヒータからなる加熱源25とを
備える。
【0040】前記負圧源24により、前記チャンバ22
内の圧力は例えば1×10−5Torrに保持され、前記加
熱源25により、前記チャンバ22内の温度は、例えば
100℃に保持される。
【0041】前記チャンバ22内には、例えば石英製の
ボート26により、図3(a)に示した製造工程にある
多数の前記素子10が相互に上下方向に間隔をおいて保
持され、前記した加熱条件でこれらの前記素子10は、
例えば約60分間の真空加熱処理を受ける。
【0042】この加熱炉21を用いた真空加熱処理によ
り、補助用保護膜19の表面には、溶剤成分の気化に伴
い硬化膜層が形成されるが、該硬化膜層を通して前記溶
剤の気化が促進される。そのため、前記真空加熱処理
後、図3(b)に示したように、補助用保護膜19上に
前記金属層(15)が堆積されても、補助用保護膜19
から多量のガスが放出されることはなく、このガス放出
による補助用保護膜19の前記表面の荒れが防止され
る。
【0043】従って、前記パッド15を形成するための
前記フォトレジスト20のマスクパターンの正確なアラ
イメントが容易となり、パッド15を高精度で容易に形
成することができる。
【0044】前記した気化促進処理に、酸素プラズマを
用いたアッシング処理を採用することができる。アッシ
ング処理は、バッチ式アッシング装置を用いることがで
き、例えば酸素流量が700sccm、圧力が1Torr、高周
波パワー500Wの運転条件で、図3(a)に示された
補助用保護膜19の表面に約15分間のアッシング処理
を施すことができる。
【0045】前記したアッシング処理によれば、前記溶
剤の気化の促進に伴って補助用保護膜19の表面に形成
される硬化膜層を削除することができることから、より
効果的に補助用保護膜19からの溶剤の気化促進を図る
ことが可能となる。
【0046】前記したところでは、基板11、電極12
および保護膜13等の材料を例示的に述べて説明した
が、これら構成要素に種々の材料を適用することができ
る。
【0047】
【発明の効果】本発明に係る前記弾性表面波素子によれ
ば、前記したとおり、基板および該基板上の電極を覆う
保護膜の開口を経て前記電極に接続されるパッドは、該
パッドの下面で、前記電極および前記保護膜の前記開口
縁部に密着して形成されることから、パッドの剥離に対
する抗力が高められ、これによりパッドの機械的強度を
従来に比較して高めることができる。
【0048】また、本発明に係る前記製造方法によれ
ば、前記したとおり、前記基板上の電極を覆う前記保護
膜に形成され、前記電極に接続されるパッドのための開
口は、前記基板上に開口することなく前記基板上に開口
し、前記開口の形成のための前記エッチングマスクの除
去時には、前記基板が前記開口から露出することなく前
記電極に覆われていることから、前記パッドを前記基板
に接触させることなく前記電極および前記保護膜に密着
させてこれらに強固に結合させることができ、これによ
り、パッドの剥離に対する抗力が高められた弾性表面波
素子を比較的容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る弾性表面波素子を部分的に示す断
面図である。
【図2】図1に示した弾性表面波素子の製造方法を示す
工程図(その1)である。
【図3】図1に示した弾性表面波素子の製造方法を示す
工程図(その2)である。
【図4】本発明に係る弾性表面波素子の製造方法に使用
される加熱炉を概略的に示す断面図である。
【図5】従来の弾性表面波素子を部分的に示す断面図で
ある。
【符号の説明】
10 弾性表面波素子 11 基板 12 電極 13 保護膜 13a 保護膜の縁部 14 開口 15 パッド 19 補助用保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−261285(JP,A) 特開 平5−275693(JP,A) 特開 平11−112273(JP,A) 特開 平11−234082(JP,A) 特開 平8−64931(JP,A) 特開 平9−199967(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/145 H03H 3/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性表面波を伝搬させるための基板上
    に、電気信号と弾性表面波との間でエネルギー変換を行
    うための電極を形成すること、該電極および前記基板を
    覆う保護膜を形成すること、前記電極のためのパッドを
    形成するための開口を前記保護膜に形成するためのエッ
    チングマスクをフォトレジストを用いて形成すること、
    該フォトレジストを用いたエッチング処理により前記保
    護膜に前記開口を形成した後、前記フォトレジストをア
    ッシング処理により除去すること、前記電極の前記開口
    を経て露出された部分の上にリード線の接続のためのパ
    ッドを形成することを含む弾性表面波素子の製造方法で
    あって、 前記保護膜に形成される前記開口を、前記基板上に開口
    させることなく前記電極上に開放させること、 前記フォトレジストを前記アッシング処理により除去し
    た後前記保護膜上に該保護膜の被覆作用を補助するため
    の前記フォトレジストからなるレジスト膜層を前記保護
    膜上に形成すること、該レジスト膜層に前記保護膜の前
    記開口および該開口縁部を露出させる開口を形成するこ
    と、該開口が形成された前記レジスト膜層上および前記
    開口から露出する領域にパッドのための金属層を成長さ
    せるに先立って、前記フォトレジスト膜層に該層中の溶
    剤の気化を促進するための気化促進処理を施すことを含
    む弾性表面波素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記気化促進処理は、加熱炉を用いた真
    空加熱処理である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記気化促進処理は、前記フォトレジス
    ト膜層の表面硬化層を除去する酸素プラズマアッシング
    処理である請求項1記載の製造方法。
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