JPH11163662A - 弾性表面波フィルタ - Google Patents

弾性表面波フィルタ

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JPH11163662A
JPH11163662A JP9326799A JP32679997A JPH11163662A JP H11163662 A JPH11163662 A JP H11163662A JP 9326799 A JP9326799 A JP 9326799A JP 32679997 A JP32679997 A JP 32679997A JP H11163662 A JPH11163662 A JP H11163662A
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JP
Japan
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surface acoustic
acoustic wave
metal layer
wave filter
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JP9326799A
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Yoshihide Ikegami
佳秀 池上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 励振電極の形成時に所望の中心周波数に微調
整が可能で、しかも励振電極の形成時における不良を皆
無とし、これにより製造効率が高くしかも信頼性に非常
に優れた弾性表面波フィルタを提供すること。 【解決手段】 圧電基板3上に、下部金属層6、該下部
金属層6の腐食を防止する中間層7、及び少なくともア
ルカリ性溶液に可溶な上部金属層8の3層以上から成る
励振電極4を設けて成る弾性表面波フィルタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧電基板上に弾性表
面波を発生させる励振電極を設けた弾性表面波フィルタ
に関し、特に所望の周波数に高精度に微調整が可能な弾
性表面波フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、セルラー電話、PHS等の移
動体通信機器に使用される、例えば800MHz以上の
中心周波数に対応したバンドパスフィルタとして、タン
タル酸リチウム(LiTaO3 )やニオブ酸リチウム
(LiNbO3 )等の単結晶から成る圧電基板上に、弾
性表面波を発生させる励振電極を設けた弾性表面波フィ
ルタが一般に用いられている。
【0003】このような弾性表面波フィルタでは、励振
電極材料に主として純アルミニウム(Al)が用いられ
る。しかし、デュプレクサ等に用いられる弾性表面波フ
ィルタにおいて、純Alの励振電極に高電力が印加され
ると、ストレスマイグレーションもしくはエレクトロマ
イグレーションにより励振電極の断線や短絡が生じるこ
とがある。そこで、励振電極材料に耐圧性のあるAl−
Cu合金を用い耐電力の向上を図っている。
【0004】また、従来より弾性表面波フィルタの中心
周波数は製品毎にばらつくことがあり、信頼性の点で問
題であった。これは、最終的に出来上がった励振電極の
線幅や膜厚がばらついたり、励振電極を構成する金属層
の結晶構造の不均質性に基づく弾性表面波の音速のばら
つき等が大きな要因であると考えられている。
【0005】このため、励振電極を形成した後、このよ
うな中心周波数のばらつきを極力補正するために、励振
電極上の保護膜の膜厚を変化させることによって、所望
の中心周波数に調整を可能とする弾性表面波フィルタが
提案されている(例えば、特開昭61−77407号公
報を参照) 。
【0006】また、中心周波数を高い方へシフトして所
望の中心周波数を得るために、ある程度の厚さの励振電
極を形成した後にエッチング工程を付加し、このエッチ
ング工程により励振電極を薄くして周波数調整を行う方
法が提案されている(例えば、特開平03-242012 号公報
を参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の周波数調整法は、保護膜の質量効果により弾性表面
波の音速が変化することを利用したものであり、中心周
波数を高くするためには保護膜の膜厚を薄くする必要が
あるが、保護膜が薄過ぎれば、励振電極を導電性異物や
湿気等から保護できなくなり、保護膜としての本来の役
割を果たせないという問題があり、所望の中心周波数に
正確に調整することはできなかった。
【0008】また、励振電極をエッチングする方法の場
合、エッチング工程には一般的に水による洗浄作業が含
まれ、励振電極が例えば耐圧性に優れたAl−Cu合金
等のアルミニウムを主体とする各種合金を使用している
場合、水と接触すると局部電池効果と呼ばれる現象によ
り励振電極が腐食し、これによりフィルタ特性が著しく
劣化することがあるので問題である。
【0009】すなわち、Cu等のAl以外の合金元素は
母相であるAl相内に、1μm 以下の粒子となって析出
しており、Alと他の合金元素との接触電位が大きい
と、局部電池効果により、Cu粒子等の粒子が析出され
ている近傍のAl原子がイオン化して水中に溶け出すこ
とで電極が腐食し、ひいては耐電力性が低下してしまう
のである。
【0010】なお、例えばAl−Cu合金から成る励振
電極が直接水に接触するのを防ぐために、Al−Cu合
金層上に純Al層を形成し、このAl層をエッチングす
ることにより周波数調整を行うことも可能であるが、こ
の場合でもAl−Cu層と純Al層との界面に析出した
Cu粒子とその周辺部のAl母相との接触電位差の影響
によりAl−Cu層及び純Al層共にやはり腐食が起こ
ることが、発明者等により確認されている。
【0011】なおまた、基板及び励振電極上に導電性の
異物が製造工程中などで付着し、これにより特性劣化が
生じることがある。これは、特に高周波帯域の周波数を
利用する弾性表面波フィルタでは、励振電極の電極指間
の距離が非常に狭く微細なため、このような異物の付着
が、完成品の特性のばらつきや特性不良の発生を誘発す
ることがある。このため、励振電極上にSiO2 等の絶
縁膜だけを被覆して励振電極を異物から保護する方法が
提案されているが(例えば、特開昭59−210708
号公報等を参照)、このような絶縁膜だけを焦電性の有
る圧電基板に形成された励振電極上に形成させると、製
造工程中での温度変化が原因となって絶縁破壊が生じ、
これにより励振電極が短絡するなどして問題である。
【0012】そこで、本発明は上述の従来の諸問題を解
決し、励振電極の形成時に所望の中心周波数に微調整が
可能で、しかも励振電極の形成時における不良を皆無と
し、これにより製造効率が高くしかも信頼性に非常に優
れた弾性表面波フィルタを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の弾性表面波フィルタは、圧電基板上に弾性
表面波を発生させる励振電極を設けて成る弾性表面波フ
ィルタであって、励振電極は、下部金属層、該下部金属
層の腐食を防止する中間層、及び上部金属層の少なくと
も3層から成るとともに、該上部金属層がアルカリ性溶
液に可溶であることを特徴とする。
【0014】また、下部金属層がアルミニウムを主成分
とする合金から成ることを特徴とする。また、上部金属
層上に比抵抗値が102 〜107 Ω・cmである半導電
層が設けられており、かつ該半導電層が前記圧電基板に
対し電気的に接していることを特徴とする。
【0015】なお、上部金属層は純アルミニウムが好適
に使用できる。また、中間層は特にシリコン又は珪化物
とするとよい。すなわち、シリコンや珪化物が塩素等の
エッチングガスや水酸化イオンを含むエッチング液等か
ら下部金属層を保護する上で好適であり、また、例えば
シリコン等は作製が容易である点で最も好適である。ま
た、この中間層の厚みが50〜1000Å程度であれ
ば、保護膜としての機能を維持できる上、フィルタ特性
を劣化させることがない。
【0016】また、半導電層はシリコン又は珪化物でも
よいが、例えば樹脂又はガラス等に炭素や金属材料など
の導電材料を含有させた複合材料等であってもよい。ま
た、この半導電層を有することで、圧電基板の焦電性に
より生じた電荷の不均一な分布を極力抑えることが可能
となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態に
ついて図面に基づき詳細に説明する。本発明の弾性表面
波フィルタSは、例えば図1にその簡単化された等価回
路で示すように、直列接続された複数の弾性表面波共振
器1と並列接続された複数の弾性表面波共振器2とから
構成され、いわゆるバランス型フィルタなどの弾性表面
波フィルタを指すが、特にこれに限定されるものではな
く、ラティス型回路等を有した上記以外の各種フィルタ
や、各種接続態様のSAWフィルタであってもよい。
【0018】この弾性表面波フィルタSは、複数の直列
接続された弾性表面波共振器1でローパスフィルタを構
成し、並列接続された弾性表面波共振器2でハイパスフ
ィルタを構成して所望の特性を得るものである。
【0019】また、上記弾性表面波共振器の一例を示す
概略平面図である図2、及びそのA−A線断面図である
図3に示すように、弾性表面波共振器1又は2は、それ
ぞれタンタル酸リチウム単結晶、ニオブ酸リチウム単結
晶、又は四ホウ酸リチウム単結晶などの圧電基板(以
下、単に基板ともいう)3上に、下部金属層6、下部金
属層6の腐食を防止する半導電性の中間層7、及び中心
周波数を微調整するための上部金属層8の少なくとも3
層から成る励振電極4,反射器電極5が形成されてい
る。
【0020】ここで、下部金属層6は、例えばAlを主
成分とする合金から成り、AlにLi、Mg、Si、T
i、V、Cr、Co、Ni、Zn、Ge、Zr、Nb、
Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、Pt、Auから選
択される1種以上の元素を添加した合金とする。
【0021】中間層7は、シリコンや各種珪化物で構成
するとよいが樹脂やガラス等でもよく、下部金属層6を
腐食等から保護することが可能なものとするが、50Å
〜1000Åの厚みに形成される。すなわち、50Åよ
り小さいと保護膜としての効果がなく、また1000Å
より大であると挿入損失が増大したり、通過帯域幅が狭
くなるからである。
【0022】上部金属層8は、純Al等の少なくとも塩
基性溶液(アルカリ性溶液)に可溶な金属材料から成
る。これにより、後記する製造工程において、有機アル
カリ系現像液(例えば、TMAH(トリメチルアンモニ
ウムハイドロオキサイド)を主成分とする溶液)や各種
エッチング液(H3 PO4 −HNO3 −CH3 COO
H,KOH−K3 〔Fe(CN)4 〕,HCl,H3
4 等)でもって所定厚みだけ精度よくエッチングする
ことができ、所望の中心周波数に制御することができ
る。
【0023】IDT電極4の両端には、IDT電極4と
同様な材質から成る反射器5をそれぞれ配置している。
【0024】IDT電極4上にはシリコンや酸化シリコ
ン等の半導電層である保護層9を形成している。この保
護層は、シリコン(比抵抗が約4×105 Ω・cm)や
各種珪化物、樹脂又はガラス等に炭素や金属材料などの
導電材料を含有させた複合材料等の半導電性の材料から
成り、その比抵抗値は102 〜107 Ω・cmとする。
なぜなら、これより比抵抗値が小さいと特性が劣化し、
逆に大きいと絶縁破壊が生じやすくなるからである。
【0025】なお、図3において10は電極パッドであ
る。
【0026】このようにして構成された基板3には、図
2に示すように波長λの弾性表面波をX方向に伝搬させ
るようにしている。
【0027】なお、弾性表面波フィルタは上記の形態に
限定されるものではなく、圧電基板、励振電極、半導体
層等の材質についても上記のものに限定されず、要旨を
逸脱しない範囲で適宜変更し実施が可能である。
【0028】次に、本発明の弾性表面波フィルタの製造
方法の一例について、図4に基づき説明する。図4
(a)に示すように、例えば36°±3°〜42°±3
°Yカット−X伝搬のLiTaO3 単結晶から成る圧電
基板3上に、フォトレジスト層11を主に励振電極形成
部11や電極パッド形成部12を除く領域に所定のパタ
ーン形状に形成する。すなわち、純水やアセトンで洗浄
した圧電基板3上に例えばノボラック系樹脂等のフォト
レジストを1μm の厚みに塗布形成し、その後、露光・
現像等を行うことにより、所定形状にパターニングす
る。
【0029】次に、図4(b)に示すように、圧電基板
3上及びフォトレジスト層13上に、下部金属層6,中
間層7,上部金属層8を順次積層する。すなわち、まず
例えばAl−Cu合金膜から成る下部金属層6を300
0Å〜5000Å程度の膜厚で成膜する。この膜厚は弾
性表面波フィルタの最適な設計に合わせて適宜設定すれ
ばよい。ここで、Cuの含有量は0.2〜3.0wt%
が好ましい。なぜなら、0.2wt%より少ないとCu
を添加した効果が現れず、高い電力に対する耐性が生じ
ないからであり、3.0wt%より多いと膜の導電率が
低下し好ましくないからである。
【0030】この下部金属層6の成膜方法としてはスパ
ッタ法,蒸着法など各種薄膜形成法を採用するが、Cu
の含有量を制御するにはスパッタ法が最も好ましい。次
に、例えばシリコンから成る中間層7を真空蒸着法によ
り50Å〜1000Åの膜厚で形成する。なお、下部金
属層6がAl−Cu合金の場合で、中間層7がシリコン
の場合、最も好ましくは200〜500Å程度とする。
なぜなら、200Å未満であると保護膜としての機能を
果たさなくなるからである。
【0031】また、上部金属層8は例えばAl膜を中心
周波数を微調整するのに好適でかつ中間層7と上部金属
層8との総和がワイヤーボンディング工程においてワイ
ヤーで打ち抜ける程度の膜厚(例えば500Å以下)で
下部電極層6と同様な方法で形成する。
【0032】次に、図4(c)に示すように、リフトオ
フ法によりフォトレジスト層11を除去して、所望のパ
ターンに形成された励振電極及び電極パッドを形成す
る。
【0033】次に、図4(d)に示すように、図4
(a)の工程に使用したものと同様なフォトレジスト1
2を圧電基板3上、上部金属層8上に0.5μm 程度の
膜厚で塗布形成する。
【0034】そして、図4(e)に示すように、所定の
フォトマスクを用いて紫外光による露光を行い、現像と
同時に上部金属層8をエッチングして所定厚みだけ薄く
する。ここで、現像及びエッチングは、エッチング液槽
にウエハごとに液漬して行う。すなわち、上記フォトレ
ジスト12の塗布形成前に、中心周波数をウエハプロー
ビング装置により測定し、しかる後に、フォトレジスト
12の塗布形成、及び露光を行い、予め実験的に得られ
た周波数変化量とエッチング時間との関係から最適エッ
チング時間を算定する。
【0035】ここで、中心周波数の制御性を向上させる
ために、エッチングレートが適当となるように(例えば
1Å/秒程度となるように)、エッチング液の温度及び
濃度を設定する。そして、所定の時間だけエッチング液
に浸漬して上部金属層8を薄くする。その後、純水で所
定時間洗浄する。
【0036】そして、図3に示すように、励振電極3上
にシリコン等の半導電層である保護層9を真空蒸着法に
より圧電基板3に接するように形成して、しかる後にワ
イヤーボンディング等を施すことにより弾性表面波フィ
ルタSを完成させる。
【0037】このようにして、特に、800MHz以上
の中心周波数に対応した弾性表面波フィルタにおいて、
中心周波数の±0.01%以下、例えば中心周波数が9
00MHzの場合は±0. 1MHz以下の精度で制御が
可能となる。
【0038】また、完成した弾性表面波フィルタのチッ
プをウェハから切り出すダイシング工程において、電極
パッド部が水に侵され腐食するという問題があったが、
下部金属層に対して中間層が水との接触を遮断するた
め、下部金属層の腐食を極力防止することができる。
【0039】さらに、上部金属層が塩基性溶液に可溶な
ので、フォトリソグラフィ法の現像工程で保護用フォト
レジストパターンを現像によって得るとともに、この現
像液により上部電極層のアルカリエッチングを行うこと
ができるので、新たなエッチングのための工程を増設す
ることなく、非常に簡便に中心周波数の制御を行うこと
ができ、ひいては製造コストの低減を図ることができ
る。
【0040】なお、上述したように励振電極を3層の場
合について説明したが、これに限定されるものではな
く、4層以上であってもよい。また、半導電層である保
護層は圧電基板と電気的に接していればよく、その接続
の態様は間接的,直接的であることを問わない。
【0041】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について説明
する。図1に示すように、直列及び並列の弾性表面波共
振器の数はそれぞれ4以下のものを用意した。また、圧
電基板の材料として42°回転Yカット−X伝搬のタン
タル酸リチウム単結晶を用いた。
【0042】まず、図4(a)に示すように、上記圧電
基板上に、ノボラック系樹脂のフォトレジスト層を主に
励振電極形成部や電極パッド部を除く領域に塗布形成し
た。次に、図4(b)に示すように、圧電基板上及びフ
ォトレジスト層上に、下部金属層であるAl−Cu合金
(2.0wt%)を厚さ約3500Åに真空蒸着法で形
成し、中間層であるシリコンを約350Åに真空蒸着法
で形成し、さらに、上部金属層である純Alを厚さ約1
00Åに真空蒸着法で形成した。
【0043】次に、図4(c)に示すように、リフトオ
フ法によりフォトレジスト層を除去して、所望のパター
ンに形成された励振電極及び電極パッドを形成し、図4
(d)に示すように、フォトレジストを圧電基板上、上
部金属層上に塗布形成した。そして、図4(e)に示す
ように、所定のフォトマスクを用いて紫外光による露光
を行い、現像と同時に上部金属層を有機アルカリ系現像
液(TMAHを主成分とする現像液)でエッチングして
所定厚み30Åだけ薄くした。
【0044】ここで、上部金属層のエッチングは、予め
実験的に得られた周波数変化量とエッチング時間との関
係から最適エッチング時間を算定した。すなわち、中心
周波数の制御性を向上させるために、エッチングレート
が1Å/秒程度となるように、エッチング液の温度及び
濃度を設定し、所定時間だけエッチング液に浸漬して上
部金属層8を70Å程度に薄くした。その後、純水で1
分程度洗浄し、さらに、図3に示すように、励振電極上
にシリコンの保護層を真空蒸着法により厚さ250Å程
度に形成してワイヤーボンディング等を施し、弾性表面
波フィルタを完成させた。
【0045】このようにして、中心周波数が0.01%
以下の高精度で信頼性のよい弾性表面波フィルタを提供
することができた。また、製造工程中における絶縁破壊
の問題も皆無であった。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の弾性表面
波フィルタによれば、下部金属層と上部金属層との間に
介在させた中間層により、下部電極層の少なくとも上面
に対して、例えばエッチングの洗浄工程で使用される水
等の液体や腐食性の気体等に接触させることがないの
で、下部金属層を腐食から極力防止させることができ、
ひいては特性の劣化がない優れた弾性表面波フィルタを
提供することができる。
【0047】また、上部金属層をフォトレジストの現像
で一般的な有機アルカリ系現像液等でエッチングを簡便
に行うことができ、エッチング液とその浸漬時間とが線
形関係であるので、非常高精度な厚みの制御が実現さ
れ、これによりばらつきのほとんどない優れた弾性表面
波フィルタを提供することができる。
【0048】さらに、圧電基板に接するように設けた半
導電層により、製造工程中での温度変化においても絶縁
破壊が全くない優れた弾性表面波フィルタを提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施例の弾性表面波フィルタの
等価回路図である。
【図2】本発明に係る弾性表面波フィルタを構成する弾
性表面波共振器を示す平面図である。
【図3】本発明に係る弾性表面波フィルタのIDT電極
を説明する図であり、図2におけるA−A線一部断面図
である。
【図4】(a)〜(e)は、それぞれ本発明に係る弾性
表面波フィルタの製造工程を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 ・・・ 弾性表面波共振器(直列用) 2 ・・・ 弾性表面波共振器(並列用) 3 ・・・ 基板 4 ・・・ IDT電極(励振電極) 5 ・・・ 反射器 6 ・・・ 下部金属層 7 ・・・ 中間層 8 ・・・ 上部金属層 9 ・・・ 保護層(半導電層) 10 ・・・ 電極パッド 11 ・・・ 励振電極形成部 12 ・・・ 電極パッド形成部 13,14 ・・・ フォトレジスト層 S ・・・ 弾性表面波フィルタ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板上に弾性表面波を発生させる励
    振電極を設けて成る弾性表面波フィルタであって、前記
    励振電極は、下部金属層、該下部金属層の腐食を防止す
    る中間層、及び上部金属層の少なくとも3層から成ると
    ともに、該上部金属層がアルカリ性溶液に可溶であるこ
    とを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  2. 【請求項2】 前記下部金属層がアルミニウムを主成分
    とする合金から成ることを特徴とする請求項1に記載の
    弾性表面波フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記上部金属層上に比抵抗値が102
    107 Ω・cmである半導電層が設けられており、かつ
    該半導電層が前記圧電基板に対し電気的に接しているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波フィルタ。
JP9326799A 1997-11-27 1997-11-27 弾性表面波フィルタ Pending JPH11163662A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002217672A (ja) * 2001-01-12 2002-08-02 Murata Mfg Co Ltd 弾性表面波装置およびそれを用いた通信機装置
KR20030048917A (ko) * 2001-12-13 2003-06-25 엘지이노텍 주식회사 박막용적 탄성공진기 필터 듀플렉서
JP2022028566A (ja) * 2020-08-03 2022-02-16 三安ジャパンテクノロジー株式会社 弾性波デバイス

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