JPH0590860A - 表面弾性波素子の製造方法 - Google Patents

表面弾性波素子の製造方法

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JPH0590860A
JPH0590860A JP24974591A JP24974591A JPH0590860A JP H0590860 A JPH0590860 A JP H0590860A JP 24974591 A JP24974591 A JP 24974591A JP 24974591 A JP24974591 A JP 24974591A JP H0590860 A JPH0590860 A JP H0590860A
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JP
Japan
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acoustic wave
surface acoustic
layer
diamond
piezoelectric
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JP24974591A
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English (en)
Inventor
Akihiro Yagou
昭広 八郷
Hideaki Nakahata
英章 中幡
Shinichi Shikada
真一 鹿田
Naoharu Fujimori
直治 藤森
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 弾性波の伝播速度がより大きい材料と圧電体
を組合わせることにより、より高い周波数帯で使用でき
る表面弾性波素子について、優れた性能を有し、かつ信
頼性の高い素子を生産することができる方法を提供す
る。 【構成】 基板1上に電極層3a、3b、圧電体層4お
よび圧電体層4より弾性波の伝播速度が大きい絶縁層2
を積層する素子の製造方法において、圧電体層4がスパ
ッタ堆積により形成され、かつ絶縁層2が気相合成によ
り形成されることを特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高周波フィルタなど
に用いられる表面弾性波素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】表面
弾性波素子は、弾性体表面を伝播する表面波を利用した
電気−機械変換素子であり、たとえば、図2に示すよう
な一般的構造を有する。表面弾性波素子60において、
表面波の励振には圧電体61による圧電現象が利用され
る。圧電体61に設けられた一方のくし型電極62に電
気信号を印加すると、圧電体61に歪が生じ、これが表
面弾性波となって圧電体61を伝播し、もう一方のくし
型電極63で電気信号として取出される。この素子の周
波数特性は、図に示すように、くし型電極における電極
の間隔をλ0 、表面弾性波の速度をνとすれば、f0
ν/λ0 で定められる周波数f0 を中心とした帯域通過
特性となる。
【0003】表面弾性波素子は部品点数が少なく、小型
にすることができ、しかも表面波の伝播径路上において
信号の出入れが容易である。この素子は、フィルタ、遅
延線、発振器、共振器、コンボルバおよび相関器等に応
用することができる。特に、表面弾性波フィルタは、早
くからテレビの中間周波数フィルタとして実用化され、
さらにVTRおよび各種の通信機器用フィルタに応用さ
れてきている。
【0004】この表面弾性波素子は、LiNbO3 やL
iTaO3 等の圧電体単結晶上にくし型電極を形成する
ことによって製造されてきたが、近年、ZnO等の圧電
体薄膜をガラス等の基板上にスパッタ等の技術で成膜し
たものが用いられるようになってきている。しかしなが
ら、ガラス上ZnO等の圧電体薄膜を形成した素子は、
表面弾性波の伝播速度が3000m/sと小さいため、
フォトリソグラフィで作製が可能な電極間隔(約0.3
μm)によって動作周波数の上限が決まってしまい、1
00MHz以上の高周波帯で使用するには適していなか
った。
【0005】一方、上記表面弾性波素子に関して、たと
えば、移動通信等の分野に用いられる表面弾性波フィル
タなどは、より高い周波数域で使用できる素子が望まれ
ている。上式で示されるように、電極間距離λ0 がより
小さくなるか、または表面波の速度νがより大きくなれ
ば、素子の周波数特性はより高い中心周波数f0 を有す
るようになる。そこで、弾性波がより早く伝播される材
料(たとえばサファイアおよびダイヤモンド等)上に圧
電体膜を積層させた表面弾性波素子が開発されてきてい
る(たとえば、特開昭54−38874および特開昭6
4−62911)。
【0006】この発明の目的は、弾性波の伝播速度がよ
り大きい材料と圧電体とを組合わせることにより、より
高い周波数帯で使用できる表面弾性波素子について、優
れた性能を有し、かつ信頼性の高い素子を生産すること
ができる方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に従う表面弾性
波素子の製造方法は、基板上に圧電体層、電極層および
圧電体層より弾性波の伝播速度が大きい絶縁層を積層す
る方法において、圧電体層がスパッタ堆積により形成さ
れ、かつ絶縁層が気相合成により形成されることを特徴
とする。
【0008】この発明に従う圧電体層に関して、たとえ
ば、ZnO、SiO2 、AlN等がスパッタリングによ
り堆積させることができる。特にZnOは、スパッタ堆
積により圧電体層を形成するのにより好ましい材料であ
る。
【0009】スパッタ堆積においては、たとえば、マグ
ネトロンスパッタリング、高周波スパッタリング、EC
Rスパッタリング、直流スパッタリングおよびこれらの
組み合わせ等が好ましい方法として用いられる。特に、
ZnOを堆積させる場合、高周波スパッタリング、マグ
ネトロンスパッタリングおよびECRスパッタリングが
より好ましい。また、ZnOに関して、良好なc軸配向
性を有し、圧電体として高い性能を備える膜をスパッタ
堆積により形成させるには、たとえば高周波マグネトロ
ンスパッタにおいて、基板温度を200℃〜450℃の
範囲に設定し、50W〜250Wのスパッタ出力で、A
rガスまたはArとO2の混合ガスを用いてスパッタリ
ングを行なえばよい。このとき、スパッタ堆積を行なう
反応室は0.1〜0.001Torr程度のガス圧力で
堆積を行なうことが望ましい。この条件に関して、基板
温度が200℃以下では形成されたZnO膜はc軸配向
せず、基板の温度が450℃以上では形成されるZnO
膜の表面が荒れてしまう。膜表面の荒れは表面弾性波の
散乱の原因となる。また、基板温度が高い程、圧電体膜
の密着性が高く、成膜速度も大きくなる一方、粒径が大
きくなり、散乱の原因となる。さらに、スパッタ出力5
0W以下では、形成されるZnO膜はc軸配向せず、2
50W以上ではZnO膜の剥離および電極の損傷が生じ
る。
【0010】一方、この発明に従って気相合成法によ
り、たとえば、窒化ホウ素、ダイヤモンドおよびダイヤ
モンド状炭素の少なくともいずれかから本質的になる絶
縁層を形成することができる。なお、ダイヤモンド状炭
素は微量の水素を含有する非晶質構造の炭素であり、ダ
イヤモンドに類似の結合様式を有するものである。これ
らの材料中における弾性波の速度は、圧電体中の速度に
比べて大きい。これらは、素子をより高い周波数帯で作
動できるものとするため適切な材料であるが、表面弾性
波の速度をより大きくする点ではダイヤモンドおよびダ
イヤモンド状炭素がより好ましい。
【0011】また、気相合成には、たとえば、プラズマ
CVD、光CVD、レーザCVDおよび熱分解CVD等
を用いることができる。たとえば、ダイヤモンドまたは
ダイヤモンド状炭素は、炭化水素等のガスを原料として
気相合成することができるが、その方法として、電子放
射材を加熱して原料ガスを活性化させる方法、プラズマ
により原料ガスを励起させる方法、光(特にレーザ)に
より原料ガスを励起させる方法およびイオン衝撃による
成長法等を挙げることができる。
【0012】一方、ダイヤモンドまたはダイヤモンド状
炭素を気相合成して絶縁層とする場合、気相合成直後の
層はしばしば表面抵抗が低く、103 Ω・cm〜106
Ω・cm程度となる。このような層をそのまま使用し
て、その上に電極や圧電体を形成すると、電極または圧
電体に印加される電圧に損失が生じる。そこで、気相合
成直後の層を酸化処理することによって高抵抗化させる
ことが望ましい。酸化処理は、たとえばダイヤモンドま
たはダイヤモンド状炭素の層を0.01Torr以上、
特に好ましくは10Torr以上の酸素含有雰囲気中で
150℃以上に加熱する方法、または上記層を酸素分圧
が1×10-5Torr以上の酸素含有プラズマにさらす
方法等により達成することができる。このような酸化処
理を行なうことによって、抵抗値を105 〜1010倍上
げることができる。また、酸化処理は不純物を含まない
層だけでなく、N、B、Al、P、As、S、Se、お
よびCl等の不純物を含有した層に対しても有効であ
る。
【0013】また、電極層は、通常、上述したようなく
し型電極とされ、集積回路等の製造で一般に用いられる
方法に従って作製することができる。
【0014】以上示してきた方法に従って形成される素
子は、たとえば図1に示すような構造とすることができ
る。
【0015】図1(a)に示す表面弾性波素子10は、
成膜用基板1上にダイヤモンド層2が形成され、その上
にくし型電極3aおよび3bが形成されている。そし
て、ダイヤモンド層2およびくし型電極3a、3bは、
圧電体薄膜4によって被覆されている。
【0016】図1(b)に示す表面弾性波素子20は、
成膜用基板1上にダイヤモンド層2および圧電体薄膜4
が順次堆積され、圧電体薄膜4上にくし型電極3aおよ
び3bが形成されている。
【0017】図1(c)に示す表面弾性波素子30は、
図1(a)に示す素子において、圧電体薄膜4上に短絡
用電極5aおよび5bが形成されたものである。
【0018】図1(d)に示す表面弾性波素子40は、
図1(b)に示す素子において、ダイヤモンド層2と圧
電体薄膜4の間に短絡用電極5aおよび5bが形成され
たものである。
【0019】図1(e)に示す表面弾性波素子50は、
ダイヤモンド基板6上にくし型電極3aおよび3bを挟
んで圧電体薄膜4を堆積させたものである。
【0020】
【実施例】実施例1 10×10×1mmのSi基板を準備し、これをプラズ
マCVD装置に設置した。反応室を排気するとともに、
反応室内にCH4 :H2 =1:100の混合ガスを約2
00sccmで導入した。反応室内の圧力を約25To
rrに維持し、基板温度を950℃に設定して放電を行
なうことによりプラズマ状態とし、ダイヤモンド薄膜を
成長させた。
【0021】次いで、大気中に450℃で10分間放置
してダイヤモンド薄膜の抵抗値を高めた。次に、ダイヤ
モンド薄膜の表面を研磨した後、厚さ500ÅのAl層
を抵抗加熱法により蒸着した。次いでAl層からフォト
リソグラフィ法を用いて2μmの電極幅を有するくし型
電極を形成した。
【0022】次に、スパッタ出力150W、基板温度3
80℃の条件下、ZnO多結晶体をAr:O2 =1:1
の混合ガスでスパッタするマグネトロンスパッタリング
により厚み0.93μmのZnO膜を堆積させた。以上
の工程から得られた素子の構造は、図1(a)に示すも
のと同様である。
【0023】一方、ダイヤモンド層形成後、酸化処理を
行なわず、そのまま研磨した後、同様にして電極および
ZnO膜を堆積させて素子を形成した。
【0024】以上のようにして形成させた2つの素子に
ついて特性を調べた。その結果、これらの素子はともに
中心周波数f0 が約1GHzである一方、ダイヤモンド
層について酸化処理を行なった素子は、挿入損失−17
dB、信号ピークレベル37dB、酸化処理を行なわな
かった素子は、挿入損失−42dB、信号ピークレベル
11dBであった。このようにダイヤモンド層を酸化処
理することによって、素子の特性が顕著に向上すること
が明らかとなった。
【0025】実施例2 実施例1と同様にしてSi基板上にダイヤモンド薄膜お
よびくし型電極を形成した後、ZnO多結晶体をAr:
2 =1:1の混合ガスでスパッタするマグネトロンス
パッタリングにより厚さ0.91μmのZnO膜を堆積
させた。ZnO膜の堆積は、表1に示すとおりスパッタ
出力、ガス圧および基板温度をそれぞれ変えた7通りの
条件で行なった。
【0026】
【表1】
【0027】それぞれの条件で得られた膜をX線回折法
によりc軸配向性について評価した。c軸配向性の指標
としては、X線ロッキングカーブのσ値を用いた。σ値
<5であれば、c軸配向されていると評価した。その結
果を表1の右欄に示す。また、表1の条件において、ス
パッタ出力が250Wの場合、ZnO膜が剥離するおそ
れがあった。この実験より、スパッタ出力は50W〜2
50Wの間が好ましく、また基板温度は、200℃とな
ると良好な配向性が得られず、200℃〜400℃の間
で適当な温度を選択すればよいことがわかった。
【0028】
【発明の効果】以上述べてきた方法に従えば、集積回路
の製造と同様に表面弾性波素子を連続的な工程によって
大量生産することができる。また、スパッタ堆積による
電極層の形成および気相合成による絶縁層の形成におい
て、それぞれの方法を上述した適切な条件下で行なうこ
とにより、所望の層を堆積していき、すぐれた性能およ
び高い信頼性を有する素子を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従って形成される表面弾性波素子に
ついて、その概略を示す断面図である。
【図2】表面弾性波素子の一般的構造を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 成膜用基板 2 ダイヤモンド層 3a、3b くし型電極 4 圧電体薄膜 5a、5b 短絡用電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤森 直治 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に圧電体層、電極層および前記圧
    電体層より弾性波の伝播速度が大きい絶縁層を積層する
    表面弾性波素子の製造方法において、 前記圧電体層がスパッタ堆積により形成され、かつ前記
    絶縁層が気相合成により形成されることを特徴とする、
    表面弾性波素子の製造方法。
JP24974591A 1991-09-27 1991-09-27 表面弾性波素子の製造方法 Pending JPH0590860A (ja)

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