JP3132078B2 - 弾性表面波素子及びその製造方法 - Google Patents

弾性表面波素子及びその製造方法

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JP3132078B2
JP3132078B2 JP03239189A JP23918991A JP3132078B2 JP 3132078 B2 JP3132078 B2 JP 3132078B2 JP 03239189 A JP03239189 A JP 03239189A JP 23918991 A JP23918991 A JP 23918991A JP 3132078 B2 JP3132078 B2 JP 3132078B2
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acoustic wave
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昭広 八郷
英章 中幡
真一 鹿田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は数百MHzから数GH
zに動作周波数を持ち、特に高い動作周波数を選択的に
使用できる弾性表面波素子に関する。
【0002】
【従来の技術】固体表面にエネルギーが集中して伝搬す
る弾性表面波を利用した弾性表面波素子は、小型で作製
しやすく温度特性等が安定である為、TV受信用フィル
ター等として利用されている。一般に弾性表面波素子
は、圧電体の表面に櫛形の電極を形成して構成されてい
る。
【0003】近年、伝送情報量が増大し、伝送信号がマ
イクロ波領域に拡大しつつあり、GHz帯で使用できる
素子の需要が高まっている。一般に弾性表面波素子の動
作周波数は弾性表面波の伝搬速度及び波長で決定され、
波長は櫛形電極の周期長で決定される。同じ周期長の電
極を用いた場合、即ち同じ波長で弾性表面波素子を使用
する場合、弾性表面波素子素材中の波の伝搬速度が大き
い方が、高い周波数まで扱える。そこで物質中最高の音
速を持つダイヤモンド(横波の速度:13000m/
s、縦波の速度:16000m/s)を基材として用い
る方法が考案されている。(例えば特公昭64ー629
11号公報)
【0004】一般に弾性表面波素子は、その電気機械結
合係数(電気的エネルギーが機械的エネルギーに変換さ
れる際の変換効率の指標)が大きい方が高い効率で動作
する。特に電気機械結合係数は≧0.5が望ましい。さ
らに高い動作周波数で使用するためには、伝搬速度が高
い事が必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】基板の上に形成された
圧電体薄膜を用いる場合には、伝搬速度及び電気機械結
合係数は、圧電体薄膜及び基板材料のみならず圧電体薄
膜の膜厚にも依存する。また基材の上に形成された薄膜
基板では、薄膜基板の膜厚にも依存する。しかしなが
ら、ZnO層の膜厚、ダイヤモンドの膜厚と伝搬速度、
電気機械結合係数との関係については従来全くわかって
いなかった。そのために、高い周波数で動作する高効率
の弾性表面波素子を的確に設計することが出来なかっ
た。
【0006】本発明は、数百MHzから数GHzに動作
周波数を持ち、特に高い動作周波数を選択的に使用でき
る高効率の、ダイヤモンドを用いた弾性表面波素子を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はダイヤモンド層
あるいは基板層とダイヤモンド層と、ZnO圧電体膜層
とダブルスプリット電極及び表面短絡用電極からなる弾
性表面波素子において、ZnOの膜厚の範囲を波長との
関係で規定し、同時に弾性表面波のモードを指定するこ
とにより、大きい弾性表面波伝搬速度(V≧5500m
/s)と大きい電気機械結合係数(K2≧0.5%)を
有し、特に高い周波数で動作する弾性表面波素子を実現
する。
【0008】
【作用】本発明の弾性表面波素子では、櫛形電極として
ダブルスプリット電極を用いた。ダブルスプリット電極
は、図1に示す様に幅dの電極片が間隔dを置いて2つ
ずつ並び、これが5dの間隔をもって繰り返すように形
成されている。この電極構造が向き合った形で形成され
ている。波長λはλ=8dであるが、この電極に電界を
加えると、波長λの3倍の高調波を選択的に発生する。
従ってこの電極を用いた際、得られる波長λ′はλ′=
8d/3が強く励振されることが知られている。さら
に、弾性表面波素子として装荷した際、電極部と圧電体
部との物質の不整合による散乱の影響を軽減出来ること
も知られている。
【0009】以下に12の異なる条件、構造のものを説
明する。以下、ZnOの膜厚をHと書き、膜厚の表現は
これを伝搬する弾性表面波の波長で割って、2πを乗じ
た(2π・H/λ)によって表現する。同様にダイヤモ
ンド基板の膜厚をHDと書き、膜厚の表現はこれを波長
で割って、2πを乗じた(2π・HD/λ)によって表
現する。これらは無次元のパラメータである。
【0010】本発明者らの実験によれば、膜厚H、HD
は、その波長に対する比率が伝搬速度V、電気機械結合
係数K2に影響するということがわかっている。従って
上記のパラメータにより条件を分類することが有用であ
る。図2〜図5に本発明の弾性表面波素子の断面図を示
す。それぞれ簡単のために、I、II、III、IV型と略称
する。
【0011】図2はI型のものを示す。これはSi基板
1の上に、ダイヤモンド層2を形成し、ダブルスプリッ
ト電極4をその上に設けたものである。この上にさらに
ZnO層3を形成する。これは次に述べるタイプ(1)
〜(3)に対応するものである。
【0012】図3はII型のものを示す。これはSi基板
1の上に、ダイヤモンド層2を形成し、ダブルスプリッ
ト電極4を形成し、ZnO層3を設けたものである。こ
こまでは前例と同じであるが、さらにZnO層3の上に
短絡用電極5を形成する。これは次に述べるタイプ
(4)〜(6)に対応するものである。
【0013】図4はIII型のものを示す。これはSi基
板1の上に、ダイヤモンド層2を形成し、その上にZn
O層3を設け、この上にダブルスプリット電極4を形成
したものである。これは次に述べるタイプ(7)〜
(9)に対応するものである。
【0014】図5はIV型のものを示す。これはSi基板
1の上に、ダイヤモンド層2を形成し、この上に短絡用
電極5を設ける。さらにZnO層3を形成し、この上に
ダブルスプリット電極4を形成したものである。これは
次に述べるタイプ(10)〜(12)に対応するもので
ある。以下タイプ(1)〜(12)について実験結果と
対照しながら説明する。以下、弾性表面波の波長λは各
モードの基本波についての波長を意味する。3倍高調波
の波長についてはλ’とし、λ’=λ/3を意味するも
のとする。
【0015】図6は、ダイヤモンド層の厚みHDを(2
π・HD/λ)=1.0とし、ZnO層の厚みHを変化
させて位相速度(伝搬速度)を測定した結果を示すグラ
フである。横軸は2π・H/λ及び2π・H/λ’であ
る。縦軸は位相速度(m/s)である。この結果よりZ
nO層が薄い方が、音速が大きいダイヤモンドの影響を
受けやすく、位相速度が速くなる。丸は0次モード、三
角は1次モード、四角は2次モード、ペケは3次モード
を示す。また白ぬきは基本波、黒く塗りつぶしたものが
3倍高調波である。当然高次モードの方が位相速度は大
きい。
【0016】ここでλは図1に示すようなダブルスプリ
ット電極の1周期に於ける波長であり、ダブルスプリッ
トの電極片の幅をdとすると、波長λはλ=8dであ
る。またダブルスプリット電極を用いることにより励起
される3倍高調波は、波長がλの1/3倍になる為、横
軸で2π・H/λの3倍の位置に対応する。しかし図6
より明らかなように、高次モードの位相速度は単純な倍
数関係にはない。(2π・HD/λ)を2.0、3.0
および4.0とした場合も同様の結果になる。位相速度
については構造による違い(I、II、III、IV型の違
い)はない。
【0017】図7はZnO層の厚みHを(2π・H/
λ)=1.0とし、ダイヤモンド層の厚みHDを変化さ
せて位相速度Vを測定した結果を示すグラフである。ダ
イヤモンド層の厚みが大きい方が位相速度Vが大きくな
る傾向にあるが、ダイヤモンド層の厚みにはあまり依存
しないといえる。(2π・H/λ)を2.0、3.0お
よび4.0とした場合もほぼ同様の結果になる。
【0018】図8および図9は、I型の構造についての
電気機械結合係数K2の測定結果を示すグラフである。
2次モードの電気機械結合係数K2はいずれの場合につ
いても小さかったので、グラフには図示していない。図
8はダイヤモンド層の厚み(2π・HD/λ)が2.0
の場合、図9はダイヤモンド層の厚み(2π・HD/
λ)が4.0の場合について測定した。横軸はZnOの
厚み(2π・H/λ)及び(2π・H/λ’)である。
ZnO層が薄いときは1次モードの電気機械結合係数K
2が大きくZnO層が厚いときは0次モードの電気機械
結合係数K2が大きくなる。
【0019】図10および図11は、II型の構造につい
ての電気機械結合係数K2の測定結果を示すグラフであ
る。図10はダイヤモンド層の厚み(2π・HD/λ)
が2.0の場合、図11はダイヤモンド層の厚み(2π
・HD/λ)が4.0の場合について測定した。横軸は
ZnO層の厚み(2π・H/λ)及び(2π・H/
λ’)である。ZnO層が薄いときは1次モードの電気
機械結合係数K2が大きくなり、ZnO層が厚くなると
0次モードの電気機械結合係数K2が大きくなる。
【0020】II型とI型は表面短絡用電極の有無におい
てのみ異なる。II型の方がZnO層の膜厚が薄い場合、
1次モードの電気機械結合係数K2がより大きくなる。
【0021】図12および図13は、III型の構造につ
いての電気機械結合係数K2の測定結果を示すグラフ
で、ダイヤモンド層の厚み(2π・HD/λ)が2.0
(図12)と4.0(図13)の場合について測定し
た。横軸はZnO層の厚み(2π・H/λ)及び(2π
・H/λ’)である。ZnO層が薄いと電気機械結合係
数K2が小さい。(2π・HD/λ)=2.0の時には
ZnO層が厚い時に1次モードが有望である。ダイヤモ
ンド層が厚い{(2π・HD/λ)=4.0}と、Zn
O層が薄いとき0次モードも電気機械結合係数K2
0.5%を越える。
【0021】図14および図15は、IV型の構造につい
ての電気機械結合係数K2の測定結果を示すグラフで、
ダイヤモンド層の厚み(2π・HD/λ)が2.0およ
び4.0の場合について測定した。横軸はZnO層の厚
み(2π・H/λ)及び(2π・H/λ’)である。図
16はZnO層の厚み(2π・H/λ)が2.0の場合
について測定した。横軸はダイヤモンド層の厚み(2π
・HD/λ)及び(2π・HD/λ’)である。
【0022】この構造はIII型に表面短絡用電極を設け
たものである。広い範囲にわたって、1次モードの電気
機械結合係数K2が大きくなっている。ZnO層の膜厚
が厚くなるほど、1次モードの電気機械結合係数K2
大きくなる。0次及び3次についても、電気機械結合係
数K2が0.5%を越える範囲が広い。例えば、ダイヤ
モンド層の厚み(2π・HD/λ)=4.0のときは0
次モードが、(2π・H/λ)= 0.5〜2.2で、
電気機械結合係数K2が0.5%を越える。0次の3倍
高調波については(2π・H/λ)=0.17〜0.7
3で電気機械結合係数K2が0.5%を越える。
【0023】[タイプ1からタイプ12までの説明] I型・・・・・タイプ1、2、3 (タイプ1) ダイヤモンド層あるいは基板層とダイヤ
モンド層からなる誘電体層の上にダブルスプリット電極
を配置し、その上にZnO層を積層して成る弾性表面波
素子において、ZnO層の厚みをH、弾性表面波の波長
をλとして、(2π・H/λ)の値が、(2π・H/
λ)=0.15〜0.5を満たす構造で励起される、弾
性表面波の0次モードの3倍高調波を利用する事を特徴
とする。
【0024】位相速度Vに関しては、(2π・H/λ)
は小さいほど位相速度Vは大きくなり望ましいが(2π
・H/λ)=0.5でV=7000〜8000m/s、
電気機械結合係数K2に関しては(2π・H/λ)=
1.3〜1.5においてK2=1〜3%と大きくなり望
ましい。櫛形電極として3倍高調波を選択的に励起する
ダブルスプリット電極を用いているため、波長はλの1
/3倍になり、(2π・H/λ)=0.4〜0.5とす
れば3倍高調波に対し、K2=1〜3%の高い電気機械
結合係数を得る事が出来る。さらにこの範囲内では、0
次モードの電気機械結合係数は0.5%以下になり、0
次モードの3倍高調波のみが取り出される。
【0025】ダイヤモンド膜を用いる場合には、(2π
・HD/λ)≧3.0であることが望ましい。但し、H
D:ダイヤモンド膜の膜厚、λ:弾性表面波の波長であ
る。(2π・HD/λ)が大きくなるほど位相速度Vは
大きくなり、(2π・HD/λ)が0.3より小さいと
位相速度Vが5500m/sより小さくなる場合があ
る。また電気機械結合係数K2は0.5%より小さくな
る場合がある。
【0026】(タイプ2) (2π・H/λ)の値が、
(2π・H/λ)=0.1〜0.7を満たす構造で励起
される、弾性表面波の1次モードの3倍高調波を利用
る事を特徴とする。位相速度Vに関しては、(2π・H
/λ)は小さいほど位相速度Vは大きくなり望ましいが
(2π・H/λ)=0.3〜0.5でV=10000〜
12000m/s、電気機械結合係数K2に関しては
(2π・H/λ)=0.75〜1.25においてK2
1〜3%と大きくなり望ましい。
【0027】櫛形電極として3倍高調波を選択的に励起
するダブルスプリット電極を用いているため、波長はλ
の1/3倍になり、V=10000〜12000m/s
を得るためには、(2π・H/λ)=0.1〜0.2、
3倍高調波で高い電気機械結合係数K2=1〜3%を得
るためには、(2π・H/λ)=0.25〜0.4とす
れば良い。この時、1次モードの基本波は電気機械結合
係数が約1/3になり基本波は抑制される。
【0028】ダイヤモンド膜を用いる場合には、(2π
・HD/λ)≧0.5であることが望ましい。(2π・
HD/λ)が大きくなるほど位相速度Vは大きくなり、
(2π・HD/λ)が0.5より小さいと位相速度Vが
5500m/sより小さくなる場合がある。また電気機
械結合係数K2は0.5%より小さくなる場合がある。
【0029】(タイプ3) (2π・H/λ)の値が、
(2π・H/λ)≧0.8を満たす構造で励起される、
弾性表面波の3次モードの3倍高調波を利用する事を特
徴とする。位相速度Vに関しては、(2π・H/λ)は
小さいほど位相速度Vは大きくなり望ましいが(2π・
H/λ)=2.5でV=9000〜10000m/s、
電気機械結合係数K2に関しては(2π・H/λ)=
2.55→4.0と大きくなるほどK2=0.5〜1%
と大きくなり望ましい。
【0030】櫛形電極として3倍高調波を選択的に励起
するダブルスプリット電極を用いているため、波長はλ
の1/3倍になり、V=9000〜10000m/sを
得るためには、(2π・H/λ)=0.8、3倍高調波
で高い電気機械結合係数K2=0.5〜1%を得るため
には、(2π・H/λ)=0.85〜1.33とすれば
良い。この時、3次モードの基本波は存在しないので、
基本波は抑制され、高い周波数のみを選択的に取り出す
ことが出来る。
【0031】ダイヤモンド膜を用いる場合には、(2π
・HD/λ)≧0.5であることが望ましい。(2π・
HD/λ)が大きくなるほど位相速度Vは大きくなり、
(2π・HD/λ)が0.8より小さいと位相速度Vが
5500m/sより小さくなる場合がある。また電気機
械結合係数K2は0.5%より小さくなる場合がある。
【0032】II型・・・・・タイプ4、5、6 (タイプ4) ダイヤモンド層あるいは基板層とダイヤ
モンド層からなる誘電体層の上にダブルスプリット電極
を配置し、その上にZnO層を積層し、その上に表面短
絡用電極を積層して成る弾性表面波素子において、(2
π・H/λ)の値が、(2π・H/λ)=0.15〜
0.5を満たす構造で励起される、弾性表面波の0次モ
ードの3倍高調波を利用する事を特徴とする。
【0033】位相速度Vに関しては、(2π・H/λ)
は小さいほど位相速度Vは大きくなり望ましいが(2π
・H/λ)=0.5でV=7000〜8000m/s、
電気機械結合係数K2に関しては(2π・H/λ)=
0.5〜1.2及び、1.3〜1.5においてK2=1
〜5%と大きくなり望ましい。櫛形電極として3倍高調
波を選択的に励起するダブルスプリット電極を用いてい
るため、波長はλの1/3倍になり、V=7000〜8
000m/sを得るためには、(2π・H/λ)=0.
16、3倍高調波で高い結合係数K2=1〜5%を得る
ためには、(2π・H/λ)=0.16〜0.4とすれ
ば良い。この時、0次モードの基本波の電気機械結合係
数は0.5%以下になり、基本波は抑制され、高い周波
数のみを選択的に取り出すことが出来る。
【0034】ダイヤモンド膜を用いる場合には、(2π
・HD/λ)≧0.5であることが望ましい。(2π・
HD/λ)が大きくなるほど位相速度Vは大きくなり、
(2π・HD/λ)が0.3より小さいと位相速度Vが
5500m/sより小さくなる場合がある。また電気機
械結合係数K2は0.5%より小さくなる場合がある。
【0035】(タイプ5) (2π・H/λ)の値が、
(2π・H/λ)=0.1〜0.8を満たす構造で励起
される、弾性表面波の1次モードの3倍高調波を利用
る事を特徴とする。位相速度Vに関しては、(2π・H
/λ)は小さいほど位相速度Vは大きくなり望ましいが
(2π・H/λ)=0.3〜0.5でV=10000〜
12000m/s、電気機械結合係数K2に関しては
(2π・H/λ)=0.5〜1.5においてK2=2〜
5%と大きくなり望ましい。
【0036】櫛形電極として3倍高調波を選択的に励起
するダブルスプリット電極を用いているため、波長はλ
の1/3倍になり、V=10000〜12000m/s
を得るためには、(2π・H/λ)=0.1〜0.1
6、3倍高調波で高い電気機械結合係数K2=2〜5%
を得るためには、(2π・H/λ)=0.16〜0.5
とすれば良い。この時、(2π・H/λ)が0.3以下
では1次モードの基本波は存在しない。また(2π・H
/λ)が0.5%であっても、基本波の電気機械結合係
数は高調波の1/3であり、基本波は抑制され、高い周
波数のみを選択的に取り出すことが出来る。
【0037】ダイヤモンド膜を用いる場合には、(2π
・HD/λ)≧0.5であることが望ましい。(2π・
HD/λ)が大きくなるほど位相速度Vは大きくなり、
(2π・HD/λ)が0.3より小さいと位相速度Vが
5500m/sより小さくなる場合がある。また電気機
械結合係数K2は0.5%より小さくなる場合がある。
【0038】(タイプ6) (2π・H/λ)の値が、
(2π・H/λ)≧0.8を満たす構造で励起される、
弾性表面波の3次モードの3倍高調波を利用する事を特
徴とする。位相速度Vに関しては、(2π・H/λ)は
小さいほど位相速度Vは大きくなり望ましいが(2π・
H/λ)=2.5でV=約10000m/s、電気機械
結合係数K2に関しては(2π・H/λ)=2.5→
4.0と大きくなるほどK2=0.5〜1%と大きくな
り望ましい。
【0039】櫛形電極として3倍高調波を選択的に励起
するダブルスプリット電極を用いているため、波長はλ
の1/3倍になり、V=約10000m/sを得るため
には、(2π・H/λ)=0.8、3倍高調波で高い電
気機械結合係数K2=0.5〜1%を得るためには、
(2π・H/λ)≧0.8とすれば良い。この時、3次
モードの基本波は存在しないので、高い周波数のみを選
択的に取り出すことが出来る。
【0040】ダイヤモンド膜を用いる場合には、(2π
・HD/λ)≧0.5であることが望ましい。(2π・
HD/λ)が大きくなるほど位相速度Vは大きくなり、
(2π・HD/λ)が0.8より小さいと位相速度Vが
5500m/sより小さくなる場合がある。また電気機
械結合係数K2は0.5%より小さくなる場合がある。
【0041】III型・・・・・タイプ7、8、9 (タイプ7) ダイヤモンド層あるいは基板層とダイヤ
モンド層からなる誘電体層の上にZnO層を積層し、そ
の上にダブルスプリット電極を配置して成る弾性表面波
素子において、(2π・H/λ)の値が、(2π・H/
λ)=0.25〜0.5を満たす機造で励起される、弾
性表面波の0次モードの3倍高調波を利用する事を特徴
とする弾性表面波素子である。位相速度Vに関しては、
(2π・H/λ)は小さいほど位相速度Vは大きくなり
望ましいが(2π・H/λ)=0.5でV=7000〜
8000m/s、電気機械結合係数K2に関しては(2
π・H/λ)=1.0〜1.25において、K2=約1
%と大きくなり望ましい。
【0042】櫛形電極として3倍高調波を選択的に励起
するダブルスプリット電極を用いているため、波長はλ
の1/3倍になり、V=7000〜8000m/sを得
るためには、(2π・H/λ)=0.15、3倍高調波
で高い電気機械結合係数K2=約1%を得るためには、
(2π・H/λ)=0.15〜0.4とすれば良い。こ
の時0次モードの基本波は電気機械結合係数が非常に小
さいため、基本波は励起されず、高い周波数のみを選択
的に取り出すことが出来る。
【0043】ダイヤモンド膜を用いる場合には、(2π
・HD/λ)≧0.5であることが望ましい。(2π・
HD/λ)が大きくなるほど位相速度Vは大きくなり、
(2π・HD/λ)が0.9より小さいと位相速度Vが
5500m/sより小さくなる場合がある。また電気機
械結合係数K2は0.5%より小さくなる場合がある。
【0044】(タイプ8) (2π・H/λ)の値が、
(2π・H/λ)=0.3〜1.2を満たす構造で励起
される、弾性表面波の1次モードの3倍高調波を利用
る事を特徴とする。位相速度Vに関しては、(2π・H
/λ)は小さいほど位相速度Vは大きくなり望ましいが
(2π・H/λ)=1.0でV=7000〜8000m
/s、電気機械結合係数K2に関しては(2π・H/
λ)=1.0→3.5と大きくなるほど、K2=0.5
〜3%と大きくなり望ましい。
【0045】櫛形電極として3倍高調波を選択的に励起
するダブルスプリット電極を用いているため、波長はλ
の1/3倍になり、V=7000〜8000m/sを得
るためには、(2π・H/λ)=0.33、3倍高調波
で高い電気機械結合係数K2=約1%を得るためには、
(2π・H/λ)≧0.33とすれば良い。この時、1
次モードの基本波は電気機械結合係数が非常に小さいた
め励起されず、高い周波数にみ選択的に取り出すことが
出来る。
【0046】ダイヤモンド膜を用いる場合には、(2π
・HD/λ)≧0.5であることが望ましい。(2π・
HD/λ)が大きくなるほど位相速度Vは大きくなり、
(2π・HD/λ)が0.5より小さいと位相速度Vが
5500m/sより小さくなる場合がある。また電気機
械結合係数K2は0.5%より小さくなる場合がある。
【0047】(タイプ9) (2π・H/λ)の値が、
(2π・H/λ)=0.4〜1.0を満たす構造で励起
される、弾性表面波の3次モードの3倍高調波を利用
る事を特徴とする。位相速度Vに関しては、(2π・H
/λ)は小さいほど位相速度Vは大きくなり望ましいが
(2π・H/λ)=1.5でV=約12000m/s、
電気機械結合係数K2に関しては(2π・H/λ)=
1.8〜2.5において、K2=0.5%となり望まし
い。
【0048】櫛形電極として3倍高調波を選択的に励起
するダブルスプリット電極を用いているため、波長はλ
の1/3倍になり、V=12000m/sを得るために
は、(2π・H/λ)=0.5、3倍高調波で高い電気
機械結合係数K2=0.5%を得るためには、(2π・
H/λ)=0.6〜0.8とすれば良い。この時、3次
モードの基本波は励起されないため、高い周波数のみ選
択的に取り出すことが出来る。
【0049】ダイヤモンド膜を用いる場合には、(2π
・HD/λ)≧0.5であることが望ましい。(2π・
HD/λ)が大きくなるほど位相速度Vは大きくなり、
(2π・HD/λ)が0.8より小さいと位相速度Vが
5500m/sより小さくなる場合がある。また電気機
械結合係数K2は0.5%より小さくなる場合がある。
【0050】IV型・・・・・タイプ10、11、12 (タイプ10) ダイヤモンド層あるいは基板層とダイ
ヤモンド層からなる誘電体層の上に表面短絡用電極を積
層し、その上にZnO層を積層し、その上にダブルスプ
リット電極を配置して成る弾性表面波素子において、
(2π・H/λ)の値が、(2π・H/λ)=0.15
〜0.5を満たす構造で励起される、弾性表面波の0次
モードの3倍高調波を利用する事を特徴とする弾性表面
波素子である。位相速度Vに関しては、(2π・H/
λ)は小さいほど位相速度Vは大きくなり望ましいが
(2π・H/λ)=0.5でV=7000〜8000m
/s、電気機械結合係数K2に関しては(2π・H/
λ)=0.50→1.5と大きくなるほど、K2=0.
5〜3%と大きくなり望ましい。
【0051】櫛形電極として3倍高調波を選択的に励起
するダブルスプリット電極を用いているため、波長はλ
の1/3倍になり、V=7000〜8000m/sを得
るためには、(2π・H/λ)=0.15、3倍高調波
で高い電気機械結合係数K2=0.5〜3%を得るため
には、(2π・H/λ)≧0.15とすれば良い。この
時、(2π・H/λ)が0.45以下では0次モードの
基本波は励起されず、またそれ以上の膜厚でも、3倍高
調波の電気機械結合係数の1/2以下であり、高い周波
数のみ選択的に取り出すことが出来る。
【0052】ダイヤモンド膜を用いる場合には、(2π
・HD/λ)≧0.5であることが望ましい。(2π・
HD/λ)が大きくなるほど位相速度Vは大きくなり、
(2π・HD/λ)が0.3より小さいと位相速度Vが
5500m/sより小さくなる場合がある。また電気機
械結合係数K2は0.5%より小さくなる場合がある。
【0053】(タイプ11) (2π・H/λ)=0.
15〜1.2を満たす構造で励起される、弾性表面波の
1次モードの3倍高調波を利用する事を特徴とする。位
相速度Vに関しては、(2π・H/λ)は小さいほど位
相速度Vは大きくなり望ましいが(2π・H/λ)=
0.5でV=約10000m/s、電気機械結合係数K
2に関しては(2π・H/λ)=0.5→3.5と大き
くなるほど、K2=0.5〜3%と大きくなり望まし
い。
【0054】櫛形電極として3倍高調波を選択的に励起
するダブルスプリット電極を用いているため、波長はλ
の1/3倍になり、V=7000〜8000m/sを得
るためには、(2π・H/λ)=0.15、3倍高調波
で高い電気機械結合係数K2=約1%を得るためには、
(2π・H/λ)=0.15〜1.2とすれば良い。こ
の時、1次モードの基本波は、3倍高調波の電気機械結
合係数より小さいので選択的に高周波を取り出すことが
出来る。
【0055】ダイヤモンド膜を用いる場合には、(2π
・HD/λ)≧0.5であることが望ましい。(2π・
HD/λ)が大きくなるほど位相速度Vは大きくなり、
(2π・HD/λ)が0.5より小さいと位相速度Vが
5500m/sより小さくなる場合がある。また電気機
械結合係数K2は0.5%より小さくなる場合がある。
【0056】(タイプ12) (2π・H/λ)の値
が、(2π・H/λ)=0.5〜1.0を満たす構造で
励起される、弾性表面波の3次モードの3倍高調波を利
する事を特徴とする。位相速度Vに関しては、(2π
・H/λ)は小さいほど位相速度Vは大きくなり望まし
いが(2π・H/λ)=1.5でV=約12000m/
s、電気機械結合係数K 2 に関しては(2π・H/λ)
=1.5〜2.5において、K 2 =0.5%となり望ま
しい。
【0057】櫛形電極として3倍高調波を選択的に励起
するダブルスプリット電極を用いているため、波長はλ
の1/3倍になり、V=約12000m/sを得るため
には、(2π・H/λ)=0.5、とすれば良い。
【0058】上記のタイプ1〜12の全ての場合におい
て、(2π・HD/λ)≧4.0の場合、位相速度V及
び電気機械結合係数K2は(2π・HD/λ)の値に依
存せず、ほとんど一定になる。ダイヤモンド層として単
結晶ダイヤモンドを使用したときには、この領域に含ま
れる。
【0059】
【実施例】図2から図5に示した4種類の弾性表面波フ
ィルターをZnO膜及びダイヤモンド膜の膜厚を変化さ
せて作製した。そのフィルター特性を測定し、その動作
周波数fより弾性表面波の位相速度V=f・λを求め、
櫛形電極の放射インピーダンスの測定より、電気機械結
合係数K2を求めた。
【0060】10mm×10mm×0.3mmのSi基
板上にマイクロ波プラズマCVD法を用いてダイヤモン
ドを50μm成膜したのち、ダイヤモンド表面をダイヤ
モンドコート研磨機を用いて種々の膜厚1〜30μmま
で研磨した。多結晶ダイヤモンドの原料にはCH4をH2
で100倍に希釈したガスを用いた。単結晶ダイヤモン
ドは、超高圧合成法による人工Ib型ダイヤモンドの
(100)面を研磨したものである。これらの膜はいず
れも109Ω・cm以上の抵抗率を有していた。
【0061】研磨したダイヤモンド表面に抵抗加熱法に
よりAlを50nm蒸着し、フォトリソグラフィー法を
用いて電極幅及び電極間幅が2μmのダブルスプリット
電極を作製した。電極の作製はウェットエッチング法を
用いた。その上に圧電体としてZnO薄膜を形成した。
ZnO薄膜は、ZnO多結晶をArと酸素の混合ガスで
スパッタする方法で得た。スパッタの条件は基板温度:
400℃、RFパワー:160W、圧力:2.7Paで
あった。
【0062】スパッタリングの時間を変えることにより
ZnOの膜厚を変更することができ、ZnOの膜厚を
0.1〜4μmのものを作製した。これらのZnO薄膜
はX線ロッキングカーブでσの値が1.3〜2.2とc
軸配向性の良い膜が出来ていることを確認した。位相速
度V及び電気機械結合係数K2の測定結果は図6から図
16に示している。
【0063】ダイヤモンド層は基板の一部であってもよ
いが、基板の全部であってもよい。ダイヤモンド層は、
その全部が絶縁性であってもよいが、その一部又は全部
が半導電性であってもよい。またダイヤモンドを成膜す
るための基板としては、Si、Mo、W等の無機材料、
金属、あるいはガラス、セラミクス、酸化物、窒化物等
を使用できる。ダイヤモンド膜を成膜させる基材がSi
等の半導体、金属、ガラス、セラミクス、酸化物、窒化
物等のいずれであっても良い。いずれの基材でも最適な
(2π・H/λ)は同じである。しかしながらダイヤモ
ンドの膜厚HDが非常に薄く、弾性表面波の波長より非
常に小さい場合、特に、(2π・H/λ)≦0.5の場
合には基材の影響が現れる。
【0064】ダイヤモンド薄膜の形成方法はCVD法、
プラズマCVD法、PVD法、熱フィラメント法等、公
知の方法で行うことができる。反応室内のガスをプラズ
マ化するための方法としては、高周波、低周波等によ
る、グロー放電法、アーク放電法等の各種放電法等を用
いることができる。ダイヤモンドを形成する方法として
は、水素原子を含む化合物を用いて成膜出来る。またハ
ロゲン原子を供給し得るガスと水素原子を含む化合物を
用いて成膜出来る。
【0065】ハロゲン原子を供給し得るガスとは、ハロ
ゲン分子はもちろん、ハロゲン化有機化合物、ハロゲン
化無機化合物等のハロゲン原子を分子内に含む化合物を
全て含有する。例えば、フッ化メタン、フッ化エタン、
トリフッ化メタン、フッ化エチレン等のパラフィン系、
オレフィン系、脂環式、芳香族等の有機化合物、ハロゲ
ン化シランの様な無機化合物等である。ハロゲンガスを
成膜室内に導入することにより基板温度を下げることが
でき、200℃〜900℃でダイヤモンドが成膜でき
る。
【0066】ハロゲンガスは水素元素との結合力が大き
く原子半径の小さい方が好ましい。特に低圧で安定な膜
を成膜するためには、フッ素化合物が好ましい。また水
素原子を含む化合物としては、例えばメタン、エタン、
プロパン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、ナフタレン等
の芳香族炭化水素の他、エチレン、プロピレン等の不飽
和炭化水素、アンモニア、ビドラジン等のヘテロ原子を
有する有機化合物などである。
【0067】ダイヤモンドの高純度のものは誘電率の低
い絶縁体である。しかしB,Al、P、S等の不純物を
導入したり、イオン注入や電子線照射により格子欠陥を
導入すると、半導電性ダイヤモンドを形成出来る。Bを
含む半導電性のダイヤモンド単結晶は天然にも稀に産出
し、超高圧法により人工的に産出することも可能であ
る。
【0068】タイプ1〜6のようにダイヤモンド層ある
いは基板層の上にダイヤモンド層を形成した誘電体上に
ダブルスプリット電極を配置する場合、ダイヤモンド層
は絶縁体であることが必要である。抵抗率は107Ω・
cm以上、さらに好ましくは109Ω・cm以上が必要
である。またダイヤモンド層あるいは、成膜したダイヤ
モンド薄膜の表面は、弾性表面波の散乱その他の損失を
軽減するために、平坦であることが好ましく、必要に応
じて表面を研磨する必要がある。
【0069】またエピタキシャル法による単結晶ダイヤ
モンド薄膜も使用できる。ZnO膜はスパッタ法やCV
D法の気相合成法を用いることによって、大きな圧電体
を有するc軸配向性の優れたものを成長することが出来
る。c軸配向性がσ値(X線ロッキングカーブから求め
た配向性)で3°以下であり、抵抗率は105Ω・cm
以上であることが好ましい。
【0070】櫛形電極及び表面短絡用電極用材料として
はエッチングによる電極の作製が可能で、抵抗率が小さ
い金属であり、Au、Al、Cu等の低温で蒸着可能な
金属、Ti、Mo、W等の高温で成膜される金属、また
Tiの上にAlを蒸着した様な2種類以上の金属を用い
ることも可能である。特に、電極の作製の容易さよりA
l、Tiを用いることが、好ましい。
【0071】櫛形電極の作製方法は、電極用金属成膜
後、レジストを電極用金属表面に均一に塗布し、ガラス
等の透明平板に櫛形電極パターンを有するマスクをのせ
た後、水銀ランプ等を用いて露光、あるいは電子ビーム
により電極を直接形成することも可能である。その後現
像してレジストによる櫛形電極を形成する。ダブルスプ
リット電極を使用することにより、弾性表面波の波長の
1/3倍の波長が得られるので、一般の櫛形電極と比較
し、同じ動作周波数を得るのに、電極幅を大きくでき
る。
【0072】例えば、線幅を1μmとすると、一般の櫛
形電極では波長λはλ=4μmであり、位相速度V=1
0000m/sで設計すると、動作周波数f=2.5G
Hzの高周波を実現できる。ダブルスプリット電極を用
いて設計すると、波長は8μmであるが、3倍高調波を
励起するので、波長は8/3μmになる。位相速度を1
0000m/sとすると、3.75GHzとなり一般の
電極以上の高周波が得られることになる。
【0073】電極のエッチング方法は、例えば、Al等
の低融点金属としては水酸化ナトリウム溶液等のアルカ
リ性溶液、硝酸等の酸性溶液によるウェットエッチング
法でエッチング可能である。高融点金属もフッ酸と硝酸
の混合溶液を用いてエッチング可能である。またBCl
3等のガスを用いて、反応性イオンエッチング法により
電極を作製することも可能である。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、スプリアスが小さく、
電極における弾性表面波の散乱が小さく、伝搬速度及び
電気機械結合係数が大きい弾性表面波素子が得らるの
で、数100MHzから数GHz帯の高周波領域で動作
する弾性表面波素子を容易に提供することが出来る。弾
性表面波素子の用途としては帯域通過フィルター、共振
器、発振器、コンボルバー等が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いたダブルスプリット電極
の平面図である。
【図2】本発明のI型の弾性表面波素子の例を示す断面
図である。
【図3】本発明のII型の弾性表面波素子の例を示す断面
図である。
【図4】本発明のIII型の弾性表面波素子の例を示す断
面図である。
【図5】本発明のIV型の弾性表面波素子の例を示す断面
図である。
【図6】本発明の実施例においてダイヤモンド層の厚み
を(2π・HD/λ)=1.0としたとき、ZnOの厚
みと弾性表面波の位相速度Vの関係の測定結果を示すグ
ラ フである。白丸が0次モード、三角が1次モード、
四角が2次モード、ペケが3次モードである。
【図7】本発明の実施例においてZnO層の厚みを(2
π・H/λ)=1.0としたとき、ダイヤモンド層の厚
みと弾性表面波の位相速度Vの関係の測定結果を示すグ
ラフである。
【図8】本発明の実施例によるI型の弾性表面波素子に
おいて、ダイヤモンド層の厚みを(2π・HD/λ)=
2.0としたとき、ZnO層の厚みと各モードにおける
電気機械結合係数K2の測定結果を示すグラフである。
【図9】本発明の実施例によるI型の弾性表面波素子に
おいて、ダイヤモンド層の厚みを(2π・HD/λ)=
4.0としたとき、ZnO層の厚みと各モードにおける
電気機械結合係数K2の測定結果を示すグラフである。
【図10】本発明の実施例によるII型の弾性表面波素子
において、ダイヤモンド層の厚みを(2π・HD/λ)
=2.0としたとき、ZnO層の厚みと各モードにおけ
る電気機械結合係数K2の測定結果を示すグラフであ
る。
【図11】本発明の実施例によるII型の弾性表面波素子
において、ダイヤモンド層の厚みを(2π・HD/λ)
=4.0としたとき、ZnO層の厚みと各モードにおけ
る電気機械結合係数K2の測定結果を示すグラフであ
る。
【図12】本発明の実施例によるIII型の弾性表面波素
子において、ダイヤモンド層の厚みを(2π・HD/
λ)=2.0としたとき、ZnO層の厚みと各モードに
おける電気機械結合係数K2の測定結果を示すグラフで
ある。
【図13】本発明の実施例によるIII型の弾性表面波素
子において、ダイヤモンド層の厚みを(2π・HD/
λ)=4.0としたとき、ZnO層の厚みと各モードに
おける電気機械結合係数K2の測定結果を示すグラフで
ある。
【図14】本発明の実施例によるIV型の弾性表面波素子
において、ダイヤモンド層の厚みを(2π・HD/λ)
=2.0としたとき、ZnO層の厚みと各モードにおけ
る電気機械結合係数K2の測定結果を示すグラフであ
る。
【図15】本発明の実施例によるIV型の弾性表面波素子
において、ダイヤモンド層の厚みを(2π・HD/λ)
=4.0としたとき、ZnO層の厚みと各モードにおけ
る電気機械結合係数K2の測定結果を示すグラフであ
る。
【図16】本発明の実施例によるIV型の弾性表面波素子
において、ZnO層の厚みを(2π・H/λ)=2.0
としたとき、ダイヤモンド層の厚みと各モードにおける
電気機械結合係数K2の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・基板 2・・・ダイヤモンド層 3・・・ZnO層 4・・・ダブルスプリット電極 5・・・短絡用電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤森 直治 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住 友電気工業株式会社伊丹製作所内 (56)参考文献 特開 平3−198412(JP,A) 1989年電子情報通信学会春季全国大会 講演論文集[分冊1]、1989年゜3月、 p.1−386〜1−387(SA−5−8) 信学技報US86−21p.61〜68(表 7、表8) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/145 H03H 3/08

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイヤモンド層あるいは基板上に形成し
    たダイヤモンド層からなる誘電体層の上にダブルスプリ
    ット電極を配置し、その上にZnO層を積層して成る弾
    性表面波素子において、ZnO層の厚みをH、弾性表面
    波の波長をλとして、(2π・H/λ)の値が、(2π
    ・H/λ)=0.15〜0.5を満たす構造で励起され
    る、弾性表面波の0次モードの3倍高調波を利用する事
    を特徴とする弾性表面波素子。
  2. 【請求項2】 ダイヤモンド層あるいは基板層とダイヤ
    モンド層からなる誘電体層の上にダブルスプリット電極
    を配置し、その上にZnO層を積層して成る弾性表面波
    素子において、ZnO層の厚みをH、弾性表面波の波長
    をλとして、(2π・H/λ)の値が、(2π・H/
    λ)=0.1〜0.7を満たす構造で励起される、弾性
    表面波の1次モードの3倍高調波を利用する事を特徴と
    する弾性表面波素子。
  3. 【請求項3】 ダイヤモンド層あるいは基板層とダイヤ
    モンド層からなる誘電体層の上にダブルスプリット電極
    を配置し、その上にZnO層を積層して成る弾性表面波
    素子において、ZnO層の厚みをH、弾性表面波の波長
    をλとして、(2π・H/λ)の値が、(2π・H/
    λ)≧0.8を満たす構造で励起される、弾性表面波の
    3次モードの3倍高調波を利用する事を特徴とする弾性
    表面波素子。
  4. 【請求項4】 ダイヤモンド層あるいは基板層とダイヤ
    モンド層からなる誘電体層の上にダブルスプリット電極
    を配置し、その上にZnO層を積層し、その上に表面短
    絡用電極を積層して成る弾性表面波素子において、Zn
    O層の厚みをH、弾性表面波の波長をλとして、(2π
    ・H/λ)の値が、(2π・H/λ)=0.15〜0.
    5を満たす構造で励起される、弾性表面波の0次モード
    の3倍高調波を利用する事を特徴とする弾性表面波素
    子。
  5. 【請求項5】 ダイヤモンド層あるいは基板層とダイヤ
    モンド層からなる誘電体層の上にダブルスプリット電極
    を配置し、その上にZnO層を積層し、その上に表面短
    絡用電極を積層して成る弾性表面波素子において、Zn
    O層の厚みをH、弾性表面波の波長をλとして、(2π
    ・H/λ)の値が、(2π・H/λ)=0.1〜0.8
    を満たす構造で励起される、弾性表面波の1次モードの
    3倍高調波を利用する事を特徴とする弾性表面波素子。
  6. 【請求項6】 ダイヤモンド層あるいは基板層とダイヤ
    モンド層からなる誘電体層の上にダブルスプリット電極
    を配置し、その上にZnO層を積層し、その上に表面短
    路用電極を積層して成る弾性表面波素子において、Zn
    O層の厚みをH、弾性表面波の波長をλとして、(2π
    ・H/λ)の値が、(2π・H/λ)≧0.8を満たす
    構造で励起される、弾性表面波の3次モードの3倍高調
    波を利用する事を特徴とする弾性表面波素子。
  7. 【請求項7】 ダイヤモンド層あるいは基板層とダイヤ
    モンド層からなる誘電体層の上にZnO層を積層し、そ
    の上にダブルスプリット電極を配置して成る弾性表面波
    素子において、ZnO層の厚みをH、弾性表面波の波長
    をλとして、(2π・H/λ)の値が、(2π・H/
    λ)=0.25〜0.5を満たす構造で励起される、弾
    性表面波の0次モードの3倍高調波を利用する事を特徴
    とする弾性表面波素子。
  8. 【請求項8】 ダイヤモンド層あるいは基板層とダイヤ
    モンド層からなる誘電体層の上にZnO層を積層し、そ
    の上にダブルスプリット電極を配置して成る弾性表面波
    素子において、ZnO層の厚みをH、弾性表面波の波長
    をλとして、(2π・H/λ)の値が、(2π・H/
    λ)=0.3〜1.2を満たす構造で励起される、弾性
    表面波の1次モードの3倍高調波を利用する事を特徴と
    する弾性表面波素子。
  9. 【請求項9】 ダイヤモンド層あるいは基板層とダイヤ
    モンド層からなる誘電体層の上にZnO層を積層し、そ
    の上にダブルスプリット電極を配置して成る弾性表面波
    素子において、ZnO層の厚みをH、弾性表面波の波長
    をλとして、(2π・H/λ)の値が、(2π・H/
    λ)=0.4〜1.0を満たす構造で励起される、弾性
    表面波の3次モードの3倍高調波を利用する事を特徴と
    する弾性表面波素子。
  10. 【請求項10】 ダイヤモンド層あるいは基板層とダイ
    ヤモンド層からなる誘電体層の上に表面短絡用電極を積
    層し、その上にZnO層を積層し、その上にダブルスプ
    リット電極を配置して成る弾性表面波素子において、Z
    nO層の厚みをH、弾性表面波の波長をλとして、(2
    π・H/λ)の値が、(2π・H/λ)=0.15〜
    0.5を満たす構造で励起される、弾性表面波の0次モ
    ードの3倍高調波を利用する事を特徴とする弾性表面波
    素子。
  11. 【請求項11】 ダイヤモンド層あるいは基板層とダイ
    ヤモンド層からなる誘電体層の上に表面短絡用電極を積
    層し、その上にZnO層を積層し、その上にダブルスプ
    リット電極を配置して成る弾性表面波素子において、Z
    nO層の厚みをH、弾性表面波の波長をλとして、(2
    π・H/λ)の値が、(2π・H/λ)=0.15〜
    1.2を満たす構造で励起される、弾性表面波の1次モ
    ードの3倍高調波を利用する事を特徴とする弾性表面波
    素子。
  12. 【請求項12】 ダイヤモンド層あるいは基板層とダイ
    ヤモンド層からなる誘電体層の上に表面短絡用電極を積
    層し、その上にZnO層を積層し、その上にダブルスプ
    リット電極を配置して成る弾性表面波素子において、Z
    nO層の厚みをH、弾性表面波の波長をλとして、(2
    π・H/λ)の値が、(2π・H/λ)=0.5〜1.
    0を満たす構造で励起される、弾性表面波の3次モード
    の3倍高調波を利用する事を特徴とする弾性表面波素
    子。
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1989年電子情報通信学会春季全国大会講演論文集[分冊1]、1989年゜3月、p.1−386〜1−387(SA−5−8)
信学技報US86−21p.61〜68(表7、表8)

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