JPH06161006A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JPH06161006A
JPH06161006A JP30556792A JP30556792A JPH06161006A JP H06161006 A JPH06161006 A JP H06161006A JP 30556792 A JP30556792 A JP 30556792A JP 30556792 A JP30556792 A JP 30556792A JP H06161006 A JPH06161006 A JP H06161006A
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JP
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silver halide
silver
emulsion
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gelatin
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JP30556792A
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Sadayasu Ishikawa
貞康 石川
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度で、粒状性に優れ、圧力減感が改良さ
れたハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供する。 【構成】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳
剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料におい
て、該乳剤層の少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層に
含まれる全ハロゲン化銀粒子の全投影面積の少なくとも
50%以上が、ハロゲン化銀粒子の中心から外表面までの
距離Lに対して、中心から0.67L未満の距離L1に沃化
銀含有率が最高となる点を有し、又、前記Lに対し0.58
Lより外側の距離L2に沃化銀含有率が最低となる点を
有し、更に前記L1からL2に至るまで沃化銀含有率が実
質的に単調減少し、かつ(L2−L1)/L≧0.20である
ハロゲン化銀粒子からなり、該粒子が1粒子当たり有す
る転位線の数が10本以上である粒子が、前記ハロゲン化
銀粒子の50%(個数)以上であるハロゲン化銀カラー写
真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀カラー写真
感光材料に関し、詳しくは、高感度で粒状性に優れ,圧
力減感が改良されたハロゲン化銀カラー写真感光材料に
関する。
【0002】
【従来技術】近年、写真用ハロゲン化銀乳剤に対する性
能上の要請は益々厳しく、高感度、低カブリ、高画質化
等の写真特性に対して、一層高水準の要求が生じてい
る。
【0003】こうした高感度化、高画質化の流れに関連
して、ハロゲン化銀写真感光材料における圧力耐性の向
上に対する要請も従来以上に高まってきている。以前か
ら様々な手段により圧力特性を改良することが検討され
てきたが、可塑剤を添加する等の添加剤を用いる技術よ
りも、ハロゲン化銀粒子自体の耐応力特性を向上させる
技術の方が実用上好ましく、又、効果も大きいという見
方が有力である。
【0004】これらの要望に対して、沃化銀含有率の高
い沃臭化銀層を有するコア/シェル型のハロゲン化銀粒
子から成る乳剤が盛んに研究されてきた。特に、粒子内
部に10モル%以上の高沃化銀含有率相を有するコア/シ
ェル型粒子含有の沃臭化銀乳剤は、例えばカラーネガフ
ィルム用の乳剤として大変注目されてきた。
【0005】コア/シェル型粒子で圧力特性を改良した
技術としては、例えば特開昭59-99433号、同60-35726
号、同60-147727号に開示の技術が知られている。又、
特開昭63-220238号号及び特開平1-201649号には、ハロ
ゲン化銀粒子に転位を導入することにより、高感度で粒
状性、圧力特性、露光照度依存性の改良技術が開示され
ている。
【0006】しかしながら、これらの従来技術において
は、高感度で、粒状性に優れ、圧力減感が改良されたハ
ロゲン化銀乳剤として未だ満足できるものではなかっ
た。
【0007】
【発明の目的】本発明の目的は、上記問題点を改良し
て、高感度で、粒状性に優れ、圧力減感が改良されたハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料を提供することにある。
【0008】
【発明の構成】本発明者らは、鋭意研究の結果、本発明
の上記目的は以下の構成により達成しうることを見い出
した。即ち、支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀
乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料におい
て、該乳剤層の少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層に
含まれる全ハロゲン化銀粒子の全投影面積の少なくとも
50%以上が、ハロゲン化銀粒子の中心から外表面までの
距離Lに対して、中心から0.67L未満の距離L1に沃化
銀含有率が最高となる点を有し、又、前記Lに対し0.58
Lより外側の距離L2に沃化銀含有率が最低となる点を
有し、更に前記L1からL2に至るまで沃化銀含有率が実
質的に単調減少し、かつ(L2−L1)/L≧0.20である
ハロゲン化銀粒子からなり、該粒子が1粒子当たり有す
る転位線の数が10本以上である粒子が、前記ハロゲン化
銀粒子の50%(個数)以上であるハロゲン化銀カラー写
真感光材料。
【0009】以下、本発明について詳細に述べる。
【0010】本発明においてハロゲン化銀粒子の中心と
は、日本写真学会講演要旨集、46〜48頁掲載の井上等の
要旨に示す方法と同様に、ハロゲン化銀微結晶をメタク
リル樹脂中に分散して固化し、ミクロトームにて超薄切
片とし、断面積が最大となったもの〜それより90%以上
の断面積を有する切片試料に着目し、断面に対して最小
となる外接円を描いたときの円の中心である。
【0011】本発明において中心から外表面までの距離
Lは、前記円の中心から外に向けて直線を引いたとき粒
子の外周と交わる点と円の中心との距離と定義する。
又、沃化銀含有率が最高となる点及び最低となる点の検
出方法と、中心からの距離L1及びL2の測定は、前記円
の中心から外周に引いた直線上をXMA法により沃化銀含
有率及び位置を測定することにより求められる。
【0012】なお、前記外接円の中心からいずれの方向
に向けて引いた直線上に定義されるL、L1及びL2に対
しても、本発明の関係式が成り立つ時、本発明のハロゲ
ン化銀粒子であるものとする。本発明におけるハロゲン
化銀粒子内部構造の測定方法において、最高沃化銀含有
率の特定点又は最低沃化銀含有率の特定点が、それぞれ
複数存在する場合には、最高沃化銀含有率の特定点につ
いては中心より遠い点を、最低沃化銀含有率の特定点に
ついては中心に近い点を選択するものとする。
【0013】又、本発明に係るハロゲン化銀粒子におい
て、沃化銀含有率が最高となる点の沃化銀含有率(Ima
x)と沃化銀含有率が最低となる点の沃化銀含有率(Im
in)の差(Imax−Imin)は、5〜40モル%であること
が好ましく、15〜35モル%が更に好ましい。
【0014】本発明に係るハロゲン化銀粒子は、平均沃
化銀含有率が1〜20モル%である沃臭化銀から成ること
が好ましく、特に好ましくは3〜15モル%である。又、
本発明の効果を損なわない範囲で塩化銀を含有させるこ
とができる。
【0015】本発明に係るハロゲン化銀粒子において、
沃化銀含有率が実質的に単調減少する粒子内部構造と
は、沃化銀含有率が最高となる特定点L1から、沃化銀
含有率が最低となる特定点L2に向かって、(1)直線的
に、或は(2)極大・極小を有しない曲線を辿って減少す
る構造である。本発明の効果を有効に引き出すために
は、前記(1)の形態が好ましい。本発明に係るハロゲン
化銀粒子においては、前記特定点L1より内側に向かっ
ては沃化銀含有率は単調に減少してもよいし、又、単調
に増加してもよく、あるいは一定であってもよい。
【0016】なお、沃化銀含有率が最高となる特定点L
1は、中心から0.67L未満であるが、0.62L以下である
ことが好ましい。又、沃化銀含有率が最低となる特定点
2から粒子最表面までは、沃化銀最低含有率から最高
含有率までの任意の沃化銀含有率の分布を取り得る。
【0017】又、前記沃化銀含有率が最低となる特定点
2は、粒子中心から0.58L以上であるが、0.80L以上
が好ましい。
【0018】本発明において、個々のハロゲン化銀粒子
の沃化銀含有率及び平均沃化銀含有率は、EPMA法(Elect
ron Probe Micro Analyzer法)を用いることにより求め
ることが可能である。この方法は、乳剤粒子を互いに接
触しないように良く分散したサンプルを作成し、電子ビ
ームを照射する電子線励起によるX線分析より極微小な
部分の元素分析が行える。
【0019】この方法により、各粒子から放射される銀
及び沃度の特性X線強度を求めることにより、個々の粒
子のハロゲン組成が決定できる。少なくとも50個の粒子
についてEPMA法により沃化銀含有率を求めれば、それら
の平均から平均沃化銀含有率が求められる。
【0020】本発明に係るハロゲン化銀粒子は、粒子間
の沃度含有量がより均一になっていることが好ましい。
EPMA法により粒子間の沃度含有量の分布を測定した時
に、相対標準偏差が35%以下、更に20%以下であること
が好ましい。
【0021】又、ハロゲン化銀乳剤の表面層の沃化銀含
有率はX線光電子分光法によって測定することができ
る。
【0022】X線光電子分光法では、その測定に先立っ
て、乳剤を以下のように前処理する。まず、乳剤約1cc
に0.01wt%プロナーゼ水溶液10ccを加え、40℃で1時間
撹拌してゼラチン分解を行なう。次に遠心分離して乳剤
粒子を沈降させ、上澄み液を除去したあと、プロナーゼ
水溶液10ccを加え、上記の条件で再度ゼラチン分解を行
う。この試料を再び遠心分離し、上澄み液を除去した
後、蒸留水10ccを加えて乳剤粒子を蒸留水中に再分散さ
せ、遠心分離し、上澄み液を除去する。この水洗操作を
3回繰り返した後、乳剤粒子をエタノール中に再分散さ
せる(ここまでの作業は暗室で行う)。薄暗い明室中で
これを鏡面研摩したシリコンウェハ上に薄く塗布して測
定試料とする。シリコンウェハ上に塗布された試料は、
24時間以内にX線光電子分光法にて測定する。
【0023】X線光電子分光法による測定には、装置と
してPHI社製ESCA/SAM560型を使用する。試料は60度傾
斜ホルダに固定し、試料予備排気室においてターボ分子
ポンプを用い10分間真空排気を行った後、測定室に導入
する。試料導入後1分以内に、励起用X線(Mg-Kα線)
の照射を開始し、直ちに測定を開始する。測定はX線源
電圧15kV、X線源電流40mA、パスエネルギー50eVの条件
で行う。
【0024】表面ハライド組成を求めるために、Ag 3
d、 Br 3d、 I 3d3/2電子を検出する。Ag 3d電子の検出
には、結合エネルギー381eV〜361eVの範囲をスキャンス
テップ0.2eV、各ステップ100msecずつ1回測定し、Br 3d
電子の検出には、総合エネルギー79eV〜59eVの範囲をス
キャンステップ0.2eV、各ステップ100msecずつ5回測定
し、I 3d3/2電子の検出には、総合エネルギー644eV〜62
4eVの範囲をスキャンステップ0.2eV、各ステップ100mse
cずつ40回測定する。データは、前記操作を2回繰返し
積算したものとする。
【0025】組成比の算出には各ピークの積分強度を用
いる。Ag 3dピークの積分強度は、Ag 3d3/2ピークが極
大値を示す総合エネルギーに4eV加えたエネルギー値の
強度と、 Ag 3d5/2ピークが最大値を示す結合エネルギ
ーに4eV加えたエネルギー値の強度を結ぶ直線をベース
ラインとしcps・eVを単位として求め、Br 3dピークの積
分強度は、Br 3d5/2ピークが最大値を示す総合エネルギ
ーに4eV加えたエネルギー値の強度と、Br 3d5/2ピーク
が最大値を示す総合エネルギーから3eV減じたエネルギ
ー値の強度を結ぶ直線をベースラインとしcps・eVを単
位として求め、I 3d3/2ピークの積分強度は、I 3d3/2ピ
ークが最大値を示す総合エネルギーに4eV加えたエネル
ギー値の強度と、I 3d3/2ピークが最大値を示す総合エ
ネルギーから4eV減じたエネルギー値の強度を結ぶ直線
をベースラインとしcps・eVを単位として求める。
【0026】各ピークの積分強度から組成比を算出する
場合には、相対感度係数法が用いられAg 3d、Br 3d、I
3d3/2の相対度系数として、それぞれ5.10、0.81、4.592
を使用することにより組成比は原子パーセントを単位と
して与えられる。又、Iモルパーセントは、(Iの原子
パーセント値)/(Brの原子パーセント値+Iの原子パ
ーセント値)より求められる。
【0027】本発明に係るハロゲン化銀粒子の転位は、
例えばJ.F.Hamilton,Phot.Sci.Eng.,vol11,57(1967)
や、T.Shiozawa,J.Soc.Phot.Sci.Japan,vol35,213(1
972)に記載の、低温での透過型電子顕微鏡を用いた直接
的な方法により観察することができる。即ち、乳剤から
粒子に転位が発生する程の圧力を掛けないよう注意して
取り出したハロゲン化銀粒子を電子顕微鏡観察用のメッ
シュに載せ、電子線による損傷(プリントアウト等)を防
ぐように試料を冷却した状態で透過法により観察を行
う。この時、粒子の厚みが厚い程、電子線が透過し難く
なるので、高圧型(0.25μmの厚さの粒子に対し200KV以
上)の電子顕微鏡を用いた方がより鮮明に観察すること
ができる。
【0028】このような方法により得られた粒子の写真
より、主平面に対して垂直な方向から見た場合の各粒子
についての転位の位置及び数を求めることができる。
【0029】本発明に係るハロゲン化銀粒子の転位の位
置は、ハロゲン化銀粒子の中心から外表面に向けて0.58
L〜Lまでの領域に発生しているが、好ましくは0.80L
〜0.98Lの領域に発生しているものである。転位線の方
向は、おおよそ中心から外表面に向かう方向であるが、
しばしば蛇行している。
【0030】本発明に係るハロゲン化銀粒子の転位の数
については、10本以上の転位を含む粒子が50%(個数)
以上存在することが好ましい。更に好ましくは10本以上
の転位を含む粒子が80%(個数)以上、特に好ましくは
20本以上の転位を含む粒子が80%(個数)以上存在する
ものが良い。
【0031】本発明に係るハロゲン化銀粒子の形状とし
ては、立方体、8面体、14面体などの正常晶でもよく、
平板状の双晶でもよい。平板状ハロゲン化銀粒子を使用
する際には、アスペクト比(平均粒径/粒子厚み比)は
1.3〜20であることが好ましく、特に3〜12であることが
好ましい。
【0032】本発明に係るハロゲン化銀粒子は、粒子サ
イズ分布の広い多分散乳剤、粒子サイズ分布の狭い単分
散乳剤など任意であってもよく、それぞれが単独の乳剤
であっても、これらの乳剤を数種類混合したものであっ
てもよい。本発明のハロゲン化銀粒子を用いて感光材料
を作成する際には、単分散乳剤であることが好ましい。
ここで単分散のハロゲン化銀乳剤としては、平均粒径r
を中心に±20%の粒径範囲内に含まれるハロゲン化銀重
量が、全ハロゲン化銀粒子重量の60%以上であるものが
好ましく、より好ましくは70%以上、更に好ましくは80
%以上である。ここに、平均粒径rは、粒径riを有す
る粒子の頻度niとri3との積ni×ri3が最大となる時
の粒径riと定義する(有効数字3桁、最小桁数字は4
捨5入する)。
【0033】ここでいう粒径とは、球状のハロゲン化銀
粒子の場合は、その直径、又、球状以外の形状の粒子の
場合は、その投影像を同面積の円像に換算した時の直径
である。粒径は、例えば該粒子を電子顕微鏡で1万倍〜
5万倍に拡大して撮影し、そのプリント上の粒子直径又
は投影時の面積を実測することによって得ることができ
る(測定粒子個数は無差別に1000個以上あることとす
る)。
【0034】本発明の特に好ましい高度の単分散乳剤
は、 (標準偏差)/(平均粒径)× 100 = 分布の広さ
[%] によって分布の広さを定義した時20%以下のものであ
り、更に好ましくは15%以下のものである。ここに平均
粒径及び標準偏差は、上記で定義した粒径riから求め
るものとする。
【0035】単分散乳剤を得る方法としては、種粒子を
含むゼラチン溶液中に、水溶性銀塩溶液と水溶性ハライ
ド溶液及びハロゲン化銀微粒子の中から任意に選ばれた
2種以上の反応要素を、pAg及びpHの制御下に添加する
ことによって得ることができる。添加速度の決定に当た
っては、特開昭54-48521号、同58-49938号を参考にでき
る。更に高度な単分散乳剤を得る方法として、特開昭60
-122935号に開示されたテトラザインデン存在下の成長
方法が適用できる。
【0036】本発明に係るハロゲン化銀粒子の製造時
に、アンモニア、チオエーテル、チオ尿素等の公知のハ
ロゲン化銀溶剤を存在させることもできるし、溶剤を使
用しなくてもよい。
【0037】本発明に係るハロゲン化銀粒子は、分散媒
の存在下に即ち、分散媒を含む溶液中で製造される。こ
こで、分散媒を含む水溶液とは、ゼラチンその他の親水
性コロイドを構成し得る物質(バインダーとなり得る物
質など)により保護コロイドが水溶液中に形成されてい
るものをいい、好ましくはコロイド状の保護ゼラチンを
含有する水溶液である。
【0038】本発明を実施する際、上記保護コロイドと
してゼラチンを用いる場合は、ゼラチンは石灰処理され
たものでも、酸を使用して処理されたもの、どちらでも
よい。ゼラチンの製法の詳細はアーサー・グアイス著,
ザ・マクロモレキュラー・ケミストリー・オブ・ゼラチ
ン(アカデミック・プレス,1964年発行)に記載があ
る。
【0039】保護コロイドとして用いることができるゼ
ラチン以外の親水性コロイドとしては、例えばゼラチン
誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、
アルブミン、カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫
酸エステル類等の如きセルロース誘導体、アルギン酸ナ
トリウム、澱粉誘導体などの糖誘導体;ポリビニルアル
コール、ポリビニルアルコール部分アセタール、ポリ-N
-ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポ
リビニルピラゾール等の単一あるいは共重合体の如き多
種の合成親水性高分子物質がある。
【0040】ゼラチンの場合は、パギー法によるゼリー
強度200以上のものを用いることが好ましい。
【0041】本発明に係るハロゲン化銀粒子は、粒子を
形成する過程及び/又は 成長させる過程で、カドミウ
ム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩(錯塩
を含む)から選ばれる少なくとも1種を用いて金属イオ
ンを添加し、粒子内部及び/又は粒子表面にこれらの金
属元素を含有させることができ、又、適当な還元雰囲気
に置くことにより、粒子内部及び/又は粒子表面に還元
増感核を付与できる。又、ハロゲン化銀粒子は、潜像が
主として表面に形成される粒子あるいは主として粒子内
部に形成される粒子いずれであってもよく、ハロゲン化
銀のサイズとしては、0.05〜5.0μm、好ましくは0.1〜
3.0μmのものである。
【0042】本発明に係るハロゲン化銀粒子は、ハロゲ
ン化銀粒子の成長終了後に不要な可溶性塩類を除去した
ものであってもよいし、あるいは含有させたままのもの
でもよい。又、特開昭60-138538号記載の方法のよう
に、ハロゲン化銀成長の任意の点で脱塩を行うことも可
能である。該塩類を除去する場合には、リサーチ・ディ
スクロージャ(Research Disclosure、以下RDと略す)1
7643号II項に記載の方法に基づいて行うことができる。
更に詳しくは、沈澱形成後あるいは物理熟成後の乳剤か
ら可溶性塩を除去するために、ゼラチンをゲル化させて
行うヌーデル水洗法を用いてもよく、又、無機塩類、ア
ニオン性界面活性剤、アニオン性ポリマー(例えばポリ
スチレンスルホン酸)あるいはゼラチン誘導体(例えば
アシル化ゼラチン、カルバモイル化ゼラチン等)を利用
した沈澱法(フロキュレーション)を用いてもよい。
【0043】ハロゲン化銀粒子は常法により化学増感す
ることができる。即ち、硫黄増感、セレン増感、還元増
感法、金その他の貴金属化合物を用いる貴金属増感法な
どを単独で又は組み合わせて用いることができる。
又、写真業界において増感色素として知られている色素
を用いて所望の波長域に光学的に増感できる。増感色素
は、単独で用いてもよいが2種類以上を組み合わせて用
いてもよい。増感色素と共に、それ自身分光増感作用を
持たない色素、あるいは可視光を実質的に吸収しない化
合物であって、増感色素の増感作用を強める強色増感剤
を乳剤中に含有させてもよい。
【0044】ハロゲン化銀粒子には、カブリ防止剤、安
定剤などを加えることができる。
【0045】バインダーとしては、ゼラチンを用いるの
が有利である。乳剤層、その他の親水性コロイド層は、
硬膜することができ、又、可塑剤、水不溶性又は可溶性
合成ポリマーの分散物(ラテックス)を含有させること
ができる。
【0046】カラー感光材料の乳剤層にはカプラーが用
いられる。更に色補正の効果を有している競合カプラー
及び現像主薬の酸化体とのカップリングによって現像促
進剤、現像剤、ハロゲン化銀溶剤、調色剤、硬膜剤、カ
ブリ剤、カブリ防止剤、化学増感剤、分光増感剤及び減
感剤のような写真的に有用なフラグメントを放出する化
合物を用いることができる。
【0047】感光材料には、フィルター層、ハレーショ
ン防止層、イラジエーション防止層等の補助層を設ける
ことができる。これらの層中及び/又は乳剤層中には現
像処理中に感光材料から流出するか、もしくは漂白され
る染料が含有されてもよい。又、マット剤、滑剤、画像
安定剤、ホルマリンスカベンジャー、紫外線吸収剤、蛍
光増白剤、界面活性剤、現像促進剤や現像遅延剤を添加
できる。
【0048】支持体としては、ポリエチレン等をラミネ
ートした紙、ポリエチレンテレフタレートフィルム、バ
ライタ紙、三酢酸セルロース等を用いることができる。
【0049】
【実施例】次に、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 (双晶種乳剤T−1の調製)以下に示す方法によって、
2枚の平行な双晶面を有した種乳剤T−1を調製した。
【0050】 (A)オセインゼラチン 80.0g 臭化カリウム 47.4g ポリイソプロピレン-ポリエチレンオキシ-ジ琥珀酸 エステルナトリウム塩10%メタノール溶液 0.48cc 水で 8000.0cc (B)硝酸銀 1200.0g 水で 1600.0cc (C)オセインゼラチン 32.2g 臭化カリウム 790.0g 沃化カリウム 70.34g 水で 1600.0cc (D)アンモニア水 470.0cc 40℃で激しく攪拌したA液に、B液とC液をダブルジェ
ット法により7.7分間で添加し、核の生成を行った。こ
の間pBrは1.60に保った。
【0051】その後、30分間かけて温度を20℃に下げ
た。更に、D液を1分間で添加し、次いで3.5Nの臭化カ
リウム水溶液を追加添加して、引き続き5分間の熟成を
行った。熟成時のKBr濃度は0.10mol/リットル、アンモ
ニア濃度は0.66mol/リットルであった。
【0052】熟成終了後、pHを6.0に調整し、常法に従
って脱塩を行った。この種乳剤粒子を電子顕微鏡観察し
たところ、平均粒径は0.238μm、厚さ0.12μm、互いに
平行な2枚の双晶面を有する6角平板状粒子であった
(2枚平行双晶面比率は全粒子中の個数比で75%)。
【0053】(連続的な沃化銀組成を有する乳剤の調
製、及びその乳剤への転位線の導入)以下に示す7種類
の溶液を用いて、本発明の八面体双晶単分散乳剤EM−
1を調製した。 (溶液A) オセインゼラチン 61.0g 蒸留水 1963.0cc ポリイソプロピレン-ポリエチレンオキシ-ジ琥珀酸 エステルナトリウム塩10%メタノール溶液 2.5cc 種乳剤(T−1) 0.345モル 28重量%アンモニア水溶液 308.0cc 56重量%酢酸水溶液 358.0cc 蒸留水で20リットルにする。
【0054】(溶液B)3.5Nアンモニア性硝酸銀水溶液 (但し、硝酸アンモニウムによってpHを9.0に調整) (溶液C)3.5N臭化カリウム水溶液 (溶液D) 3重量%のゼラチンと、沃化銀粒子(平均粒径0.05μm)から成る 微粒子乳剤(*) 1.4モル *0.06モルの沃化カリウムを含む6.0重量%のゼラチン
溶液5リットルに、7.06モルの硝酸銀と、7.06モルの沃
化カリウムを含む水溶液各々2リットルを、10分間かけ
て添加した。微粒子形成中のpHは硝酸を用いて2.0に、
温度は40℃に制御した。粒子形成後に、炭酸ナトリウム
水溶液を用いてpHを6.0に調整した。
【0055】 (溶液E) 溶液Dで記述した沃化銀微粒子乳剤と同様にして調製された、 2モル%の沃化銀を含有する沃臭化銀粒子(平均粒径0.04μm) から成る微粒子乳剤 3.68 モル (但し、微粒子形成中の温度は30℃に制御した) (溶液F)臭化カリウム1.75N水溶液 (溶液G)56重量%酢酸水溶液 反応容器内で溶液Aを激しく攪拌しながら70℃に保ち、
そこに溶液B、溶液C及び溶液Dを同時混合法によって
117分の時間を要して添加した後、引き続いて溶液Eを
7分を要して単独に定速添加し、種結晶を成長させた。
【0056】ここで、溶液B及び溶液Cの添加速度は臨
界成長速度に見合ったように時間に対して 関数様に変
化させ、成長している種結晶以外の小粒子の発生及びオ
ストワルド熟成によ り多分散化しないように適切な添
加速度で添加した。溶液D即ち沃化銀微粒子乳剤の供給
は、アンモニア性硝酸銀水溶液との速度比(モル比)を表
1に示すように粒径(添加時間)に対して変化させるこ
とによって、連続的な沃化銀組成を有した沃臭化銀乳剤
EM−1を作成した。
【0057】又、溶液F、Gを用いることによって、結
晶成長中のpAg及びpHを表1に示すように制御した。な
お、pAg、pHの測定は、常法に従い硫化銀電極及びガラ
ス電極を用いて行った。
【0058】粒子形成後に、特願平3-41314号に記載の
方法に従い脱塩処理を施し、その後ゼラチンを加えて再
分散し、40℃にてpHを5.80、pAgを8.06に調整した。得
られた乳剤粒子の走査型電子顕微鏡写真から、平均粒径
1.26μm、厚さ0.22μm(アスペクト比5.7)、分布の広さ
が13.6%の平板状単分散乳剤であることが確認された。
【0059】更に、乳剤EM−1と同様の調製方法で種
乳剤T−1から結晶成長を行い、溶液Dまでの添加が終
了した時点で沃化カリウム29.3gを含む水溶液100ccを1
分間かけて定速添加し、その後5分間熟成した後、乳剤
EM−1と同様に溶液Eを添加して乳剤EM−2を作成
した。
【0060】更に、沃化カリウム水溶液中の沃化カリウ
ム量を2.93gとした以外は乳剤EM−2と 同様にして乳
剤EM−3を作成した。
【0061】
【表1】
【0062】(連続的な沃化銀組成を有さない乳剤の調
製、及びその乳剤への転位線の導入)乳剤EM−1の製
造方法において、溶液D即ち沃化銀微粒子乳剤の供給
を、アンモニア性硝酸銀水溶液(溶液B)との速度比
(モル比)を表2に示すように粒径(添加時間)に対し
て変化させ、それ以外は乳剤EM−1と同様の製造方法
により乳剤EM−4を調製した。得られた乳剤粒子の走
査型電子顕微鏡写真から、平均粒径1.27μm、厚さ0.22
μm(アスペクト比5.8)、分布の広さが21.3%の平板状
乳剤であることが確認された。
【0063】
【表2】
【0064】更に、乳剤EM−4と同様の調製方法で種
乳剤T−1から結晶成長を行い、溶液Dまでの添加が終
了した時点で沃化カリウム29.3gを含む水溶液100ccを1
分間かけて定速添加し、その後5分間熟成した後、乳剤
EM−4と同様に溶液Eを添加して乳剤EM−5を 作
成した。
【0065】更に、沃化カリウム水溶液中の沃化カリウ
ム量を2.93gとした以外は乳剤EM−5と同様にして乳
剤EM−6を作成した。乳剤EM−1〜EM−6につい
て透過型電子顕微鏡を用い、転位の直接観察を行った。
電子顕微鏡は日本電子(株)製JEM-2000FXを用い、加速電
圧200KV、温度−120℃で観察した。
【0066】乳剤EM−1〜EM−6の調製条件及び得
られた結果を表3にまとめた。
【0067】
【表3】
【0068】表3からわかるように、ハロゲン化銀粒子
の成長途中に沃化カリウム処理をした乳剤は、転位線の
発生が認められている。本発明の乳剤EM−2は、0.93
L〜0.97Lの領域に20本以上の転位線が発生している。
又、本発明の乳剤EM−3は、0.93L〜0.95Lの領域に
10本以上の転位線が認められている。比較乳剤において
も、EM−5とEM−6は、沃度組成は連続的な変化を
有していないが、上述の如く転位線の発生が認められ
た。
【0069】又、沃度組成を連続的な構造に設計するこ
とによって粒径分布が向上していることがわかる。
【0070】実施例2 (感光材料試料の作成)乳剤EM−1〜EM−6に、金
・硫黄増感を最適に施し、これらの乳剤を用いてトリア
セチルセルロースフィルム支持体上に、下記に示すよう
な組成の各層を順次支持体側から形成して、多層カラー
感光材料を作成した。
【0071】以下の記載において、感光材料中の添加量
は、特に記載のない限り1m2当たりのグラム数を示す。
又、ハロゲン化銀及びコロイド銀は銀に換算して示し、
増感色素はハロゲン化銀1モル当たりのモル数で示し
た。
【0072】 多層カラー感光材料試料−1(本発明の乳剤EM−1を使用) 第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.16 紫外線吸収剤 (UV−1) 0.30 ゼラチン 1.70 第2層:中間層(IL−1) ゼラチン 0.80 第3層:低感度赤感性層(RL) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.30μm) 0.40 増感色素(S−1) 1.2×10-4 増感色素(S−2) 0.2×10-4 増感色素(S−3) 2.0×10-4 増感色素(S−4) 1.2×10-4 シアンカプラー(C−1) 0.33 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.05 高沸点溶媒 (Oil−1) 0.30 ゼラチン 0.55 第4層:中感度赤感性層(RM) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.4μm) 0.48 増感色素(S−1) 1.5×10-4 増感色素(S−2) 0.2×10-4 増感色素(S−3) 2.5×10−4 増感色素(S−4) 1.5×10-4 シアンカプラー(C−1) 0.30 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.05 高沸点溶媒 (Oil−1) 0.40 ゼラチン 0.60 第5層:高感度赤感性層(RH) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.55μm) 0.66 増感色素(S−1) 1.0×10-4 増感色素(S−2) 0.2×10-4 増感色素(S−3) 1.7×10-4 増感色素(S−4) 1.0×10-4 シアンカプラー(C−2) 0.10 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.01 DIR化合物(D−1) 0.02 高沸点溶媒 (Oil−1) 0.15 ゼラチン 0.53 第6層:中間層(IL−2) ゼラチン 0.80 第7層:低感度緑感性層(GL) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.40μm) 0.60 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.30μm) 0.40 増感色素(S−1) 0.6×10-4 増感色素(S−5) 5.1×10-4 マゼンタカプラー(M−1) 0.55 カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.17 DIR化合物(D−2) 0.03 高沸点溶媒 (Oil−2) 0.70 ゼラチン 1.56 第8層:高感度緑感性層(GH) 沃臭化銀乳剤(本発明乳剤EM−1) 0.60 増感色素(S−6) 1.5×10-4 増感色素(S−7) 1.5×10-4 増感色素(S−8) 1.5×10-4 マゼンタカプラー(M−1) 0.06 マゼンタカプラー(M−2) 0.02 カラードマゼンタカプラー(CM−2) 0.02 DIR化合物 (D−3) 0.002 高沸点溶媒 (Oil−2) 0.15 ゼラチン 0.45 第9層:イエローフィルター層(YC) 黄色コロイド銀 0.12 HS−1 0.20 HS−2 0.14 高沸点溶媒(Oil−2) 0.18 ゼラチン 0.80 第10層:低感度青感性層(BL) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.4μm) 0.18 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.3μm) 0.35 増感色素(S−9) 5.1×10-4 増感色素(S−10) 2.0×10-4 イエローカプラー(Y−1) 0.58 イエローカプラー(Y−2) 0.30 高沸点溶媒 (Oil−2) 0.15 ゼラチン 1.20 第11層:高感度青感性層(BH) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.65μm) 0.45 増感色素(S−9) 2.8×10-4 増感色素(S−10) 1.0×10-4 イエローカプラー(Y−1) 0.10 高沸点溶媒 (Oil−2) 0.04 ゼラチン 0.50 第12層:第1保護層(Pro−1) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.07μm) 0.30 紫外線吸収剤(UV−1) 0.07 紫外線吸収剤(UV−2) 0.10 高沸点溶媒 (Oil−2) 0.07 高沸点溶媒 (Oil−3) 0.07 HS−1 0.25 ゼラチン 0.80 第13層:第2保護層(Pro−2) アルカリ可溶性マット剤 (平均粒径2μm) 0.13 ポリメチルメタクリレート(平均粒径3μm) 0.02 ゼラチン 0.50 なお、上記組成物の他に塗布助剤SU−1、分散助剤S
U−2、硬膜剤H−1,H−2、イラジエーション防止
染料AI−1,AI−2を適宜添加した。
【0073】上記試料−1作成に用いた化合物の構造を
以下に示す。
【0074】Oil−1:ジオクチルフタレート Oil−2:トリクリジルホスフェート Oil−3:ジブチルフタレート SU−1:スルホ琥珀酸ジオクチル・ナトリウム SU−2:トリ-i-プロピルナフタレンスルホン酸ナト
リウム H−1:2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-s-トリアジン・ナ
トリウム塩 HS−2:2-sec-オクタデシル-5-メチルハイドロキノ
【0075】
【化1】
【0076】
【化2】
【0077】
【化3】
【0078】
【化4】
【0079】
【化5】
【0080】
【化6】
【0081】
【化7】
【0082】試料−1の乳剤EM−1に変えて、乳剤E
M−2〜EM−6を用いることにより、試料−2〜6を
作成した。
【0083】得られた各試料について、通常のウェッジ
露光を与え、下記の処理工程に従って現像処理を行っ
た。
【0084】 処理工程 1.発色現像 3分15秒 38.0±0.1℃ 2.漂 白 6分30秒 38.0±3.0℃ 3.水 洗 3分15秒 24〜41℃ 4.定 着 6分30秒 38.0±3.0℃ 5.水 洗 3分15秒 24〜41℃ 6.安 定 3分15秒 38.0±3.0℃ 7.乾 燥 50℃以下 各処理工程において使用した処理液組成は下記の通りで
ある。
【0085】 〈発色現像液〉 4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-(β-ヒドロキシエチル) アニリン・硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン・1/2硫酸塩 2.0 g 無水炭酸カリウム 37.5g 臭化ナトリウム 1.3 g ニトリロ三酢酸・三ナトリウム塩(一水塩) 2.5 g 水酸化カリウム 1.0 g 水を加えて1リットルとし、pH=10.1に調整する。
【0086】 〈漂白液〉 エチレンジアミン四酢酸鉄アンモニウム塩 100.0g エチレンジアミン四酢酸二アンモニウム塩 10.0g 臭化アンモニウム 150.0g 氷酢酸 10.0g 水を加えて1リットルとし、アンモニア水を用いてpH=
6.0に調整する。
【0087】 〈定着液〉 チオ硫酸アンモニウム 175.0g 無水亜硫酸ナトリウム 8.5g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3g 水を加えて1リットルとし、酢酸を用いてpH=6.0に調
整する。
【0088】 〈安定液〉 ホルマリン(37%水溶液) 1.5cc. コニダックス(コニカ〔株〕製) 7.5cc. 水を加えて1リットルとする。
【0089】処理済み試料は、緑色光を用いて相対感度
(SG)、粒状性及び圧力減感の評価を、試料作成直後
に行った。結果を以下に示す。
【0090】 試 料 No. 相対感度 粒状性 圧力減感 1(比較例) 100 100 100 2(本発明) 136 102 22 3(本発明) 125 100 57 4(比較例) 98 180 204 5(比較例) 105 198 147 6(比較例) 101 190 162 相対感度は、Dmin(最小濃度)+0.15の濃度を与える露
光量の逆数の相対値であり、試料−1の感度を100とす
る値で示した(100に対して、値が大きいほど高感度であ
ることを示す)。粒状性は、Dmin+0.5の濃度を開口走
査面積250μm2のマイクロデンシトメータで走査した時
に生じる濃度値の変動の標準偏差(RMS値)の相対値で
示した。RMS値は、小さいほど粒状性が良く、効果が
あることを示す。試料−1のRMS値を100とする値で
示した(100に対して値が小さいほど改良していることを
示す)。
【0091】圧力減感は、23℃・55%(相対湿度)の条件
下で、引掻強度試験機(新東科学製)を用い、先端の曲率
半径が0.025μmの針に5gの荷重をかけて定速で走査した
後、露光、現像処理を行い、Dmin+0.4の濃度において
荷重がかけられた部分の濃度変化(ΔDp)を求め、試料
−1のΔDpを100とする値で示した(100に対して値が小
さいほど改良していることを示す)。
【0092】上記結果から明らかなように、本発明に係
る乳剤EM−2、EM−3を含む本発明の試料−2及び
試料−3は、高感度で粒状性が改良され、かつ圧力減感
が向上している。これらの中でも、本発明のベストの組
合せを満たす乳剤EM−2を用いた試料−2が特に優れ
ている。
【0093】本発明における転位線の効果は、上記に見
られるように、圧力減感及び感度に現れている。一方、
沃度組成の連続的な変化は、粒状性及び圧力減感に現れ
ていることがわかる。
【0094】
【発明の効果】本発明によれば、感度、粒状性及び圧力
耐性に優れるハロゲン化銀カラー写真感光材料を得るこ
とができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】(連続的な沃化銀組成を有する乳剤の調
製、及びその乳剤への転位線の導入)以下に示す7種類
の溶液を用いて、比較用の平板状単分散乳剤EM−1を
調製した。 (溶液A) オセインゼラチン 61.0g 蒸留水 1963.0cc ポリイソプロピレン-ポリエチレンオキシ-ジ琥珀酸 エステルナトリウム塩10%メタノール溶液 2.5cc 種乳剤(T−1) 0.345モル 28重量%アンモニア水溶液 308.0cc 56重量%酢酸水溶液 358.0cc 蒸留水で20リットルにする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】
【表1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正内容】
【0063】
【表2】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0091
【補正方法】変更
【補正内容】
【0091】圧力減感は、23℃・55%(相対湿度)の条
件下で、引掻強度試験機(新東科学製)を用い、先端の
曲率半径が0.025mmの針に5gの荷重をかけて定速で走査
した後、露光、現像処理を行い、Dmin+0.4の濃度にお
いて荷重がかけられた部分の濃度変化(ΔDp)を求
め、試料−1のΔDpを100とする値で示した(100に対し
て値が小さいほど改良していることを示す)。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料にお
    いて、該乳剤層の少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層
    に含まれる全ハロゲン化銀粒子の全投影面積の少なくと
    も50%以上が、ハロゲン化銀粒子の中心から外表面まで
    の距離Lに対して、中心から0.67L未満の距離L1に沃
    化銀含有率が最高となる点を有し、又、前記Lに対し0.
    58Lより外側の距離L2に沃化銀含有率が最低となる点
    を有し、更に前記L1からL2に至るまで沃化銀含有率が
    実質的に単調減少し、かつ(L2−L1)/L≧0.20であ
    るハロゲン化銀粒子からなり、該粒子が1粒子当たり有
    する転位線の数が10本以上である粒子が、前記ハロゲン
    化銀粒子の50%(個数)以上であることを特徴とするハ
    ロゲン化銀カラー写真感光材料。
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