JP3385498B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JP3385498B2 JP30589595A JP30589595A JP3385498B2 JP 3385498 B2 JP3385498 B2 JP 3385498B2 JP 30589595 A JP30589595 A JP 30589595A JP 30589595 A JP30589595 A JP 30589595A JP 3385498 B2 JP3385498 B2 JP 3385498B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、写真分野において
有用なハロゲン化銀乳剤、及び該乳剤を使用したハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料に関する。更に詳しくは、高
感度で粒状性に優れ、圧力減感が改良され、更に高照度
不軌特性が改良されたハロゲン化銀カラー写真感光材料
に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、写真用のハロゲン化銀乳剤に対す
る性能上の要請は益々厳しく、高感度、低カブリ、高画
質化等の写真特性に対して、より一層の水準が要望され
ている。 【0003】こうした高感度化、高画質化の流れに関連
して、ハロゲン化銀写真感光材料における圧力特性の向
上に対する要請も、従来以上に高まってきている。以前
から様々な手段により圧力特性を改良することが検討さ
れてきたが、可塑剤を添加する等の添加剤使用技術より
も、ハロゲン化銀粒子自体の耐応力特性を向上させる技
術の方が実用上好ましく、又効果も大きいという見方が
有力である。 【0004】これらの要望に対して、沃化銀含有率の高
い沃臭化銀層を有するコア/シェル型のハロゲン化銀粒
子から成る乳剤が盛んに研究されてきた。特に、粒子内
部に10モル%以上の高沃化銀含有率相を有するコア/
シェル型粒子含有の沃臭化銀乳剤は、例えばカラーネガ
フィルム用の乳剤として大変注目されてきた。 【0005】コア/シェル型粒子で圧力特性を改良した
技術としては、例えば特開昭59−99433号、特開
昭60−35726号、特開昭60−147727号に
開示の技術が知られている。 【0006】又、特開昭63−220238号、及び特
開平1−201649号にはハロゲン化銀粒子に転位を
導入することにより、高感度で粒状性、圧力特性、露光
照度依存性の改良技術が開示されている。 【0007】更に、自由電子や正孔などの、ハロゲン化
銀粒子中の電荷担体(キャリア)をコントロールする技
術として、メタルドーピング技術が知られている。例え
ば、イリジウム錯体をハロゲン化銀にドープすると電子
トラップ性を示すことはLeubnerによって報告さ
れている(The Journal of Photo
graphic Science Vol.31,93
(1983))。又、例えば特開平3−15040号に
は、粒子表面上にイリジウムイオンが存在しないイリジ
ウムイオン含有乳剤とその製造法が開示されている。 【0008】又、例えば特開平6−175251号には
ハロゲン化銀粒子製造工程中にイリジウム化合物を添加
した面内エピタキシー型粒子により、1/100秒露光
での感度、及び相反則不軌特性を両立させた技術が開示
されている。 【0009】しかしながら、これらの従来技術において
はいまだ高感度かつ粒状性に優れ、圧力減感が改良さ
れ、更に高照度不軌特性に優れたハロゲン化銀カラー写
真感光材料として満足できるものではなかった。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
事情に鑑みてなされたものであり、高感度で粒状性に優
れ、圧力減感が改良され、しかも高照度不軌特性が改善
されたハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供すること
にある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明の目的は、以下の
構成により達成された。 【0012】(1)支持体上に少なくとも1層のハロゲ
ン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料
において、前記乳剤層の少なくともいずれか1層に含ま
れる全ハロゲン化銀粒子の粒径の変動係数が30%以下
であり、かつ全ハロゲン化銀粒子の全投影面積の少なく
とも50%以上が、主平面に平行な双晶面を偶数枚有す
るアスペクト比3以上の平板状ハロゲン化銀粒子であ
り、該粒子が、粒子の中心から外表面までの距離Lに対
して中心から0.58Lより外側に1粒子当たり3本以
上の転位線を有し、かつ転位線導入部に1種類以上の多
価金属化合物を含有し、かつX線光電子分光法により測
定した粒子表面の沃化銀含有率が6モル%以上であり、
更にシェル領域の平均沃化銀含有率がコア領域の同含有
率の1.2〜50倍であることを特徴とするハロゲン化
銀カラー写真感光材料。 【0013】本発明は、かねてから要望されていたハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料の上記緒特性に対して、ハ
ロゲン化銀粒子自体に着目して種々の改良を加えること
により解決したものである。すなわち本発明は上記構成
により、高感度かつ優れた粒状性を示し、圧力減感の改
良、更には高照度不軌特性の改善をことごとく達成可能
ならしめたものである。 【0014】以下、本発明について詳細に説明する。 【0015】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を
有するハロゲン化銀カラー写真感光材料において、 前記乳剤層の少なくともいずれか1層に含まれる全ハ
ロゲン化銀粒子の粒径の変動係数が30%以下 前記乳剤層の全ハロゲン化銀粒子の全投影面積の少な
くとも50%以上が、主平面に平行な双晶面を偶数枚有
するアスペクト比3以上の平板状ハロゲン化銀粒子であ
り、該粒子が、 粒子の中心から外表面までの距離Lに対して中心から
0.58Lより外側に、1粒子当たり有する転位線の数
が3本以上 前記転位線の導入部に1種類以上の多価金属化合物を
含有 X線光電子分光法により測定した粒子表面の沃化銀含
有率が6モル%以上 シェル領域の平均沃化銀含有率がコア領域の同含有率
の1.2〜50倍 の〜を満足することを特徴とするものである。 【0016】本発明に係るハロゲン化銀粒子は転位線を
有し、転位線は例えば、J.F.Hamilton,P
hot.Sci.Eng.,vol.11,57(19
67)や、T.Shiozawa,J.Soc.Pho
t.Sci.Japan,vol.35,213(19
72)に記載の、低温での透過型電子顕微鏡を用いた直
接的な方法により観察することができる。すなわち、乳
剤から粒子に転位が発生するほどの圧力をかけないよう
注意して取り出したハロゲン化銀粒子を電子顕微鏡観察
用のメッシュにのせ、電子線による損傷(プリントアウ
ト等)を防ぐように試料を冷却した状態で透過法により
観察を行なう。 【0017】この時、粒子の厚みが厚い程、電子線が透
過しにくくなるので高圧型(0.25μmの厚さの粒子
に対し200kV以上)の電子顕微鏡を用いた方がより
鮮明に観察することができる。 【0018】このような方法により得られた粒子の写真
より、主平面に対して垂直な方向から見た場合の各粒子
についての転位の位置及び数を求めることができる。 【0019】本発明においてハロゲン化銀粒子の中心と
は、日本写真学会講演要旨集p46〜48掲載の井上等
の要旨集に示す方法と同様にハロゲン化銀微結晶をメタ
クリル樹脂中に分散して固化し、ミクロトームにて超薄
切片とし断面積が最大となったもの及至それより90%
以上の断面積を有する切片試料に着目し、断面に対して
最小となる外接円を描いたときの円の中心である。 【0020】本発明において中心から外表面までの距離
Lは、前記円の中心から外に向けて直線を引いたとき粒
子の外周と交わる点と円の中心との距離と定義する。 【0021】本発明におけるハロゲン化銀粒子の転位線
は、1粒子当たり該粒子の中心から外表面までの距離L
に対して中心から0.58Lより外側(0.58L以上
の領域)に3本以上存在するものである。好ましくはハ
ロゲン化銀粒子の全投影面積の少なくとも60%以上
が、1粒子当たり該粒子の中心から外表面までの距離L
に対して中心から0.70Lより外側に5本以上存在す
るものであり、更に好ましくは全投影面積の少なくとも
70%以上が、1粒子当たり該粒子の中心から外表面ま
での距離Lに対して中心から0.80Lより外側に10
本以上存在するものである。 【0022】転位線の方向は、おおよそ中心から外表面
に向かう方向であるがしばしば蛇行している。 【0023】上記ハロゲン化銀粒子は、少なくともコア
領域、中間領域及びシェル領域を有しており、コア領域
とシェル領域はハロゲン組成、特に沃化銀含有率を異に
する。 【0024】平板状ハロゲン化銀粒子(以下、平板状粒
子)においては対向する2枚の(111)主平面の中心
から同心円状に半径方向に変位してコア領域及びシェル
領域を形成することが可能で、この場合、主平面の最も
中心の領域をコア領域、主平面の周囲を形成する領域を
シェル領域という。従って、この場合、コア領域、中間
領域及びシェル領域はいずれも表面を形成し得る。又、
これら平板状粒子においては対向する2枚の(111)
主平面の中心から横方向に変位してコア領域、中間領
域、及びシェル領域を形成することも可能である。この
場合はサンドイッチ状の最も中心の領域をコア領域とい
う。更に、対向する2枚の(111)主平面の中心から
横方向に変位してコア領域、中間領域及びシェル領域を
形成すると同時に垂直方向に変位してサンドイッチ状の
コア領域、中間領域、及びシェル領域を形成し、中間領
域とシェル領域が連続相となることにより内部の相を覆
う形態も可能であり、同様にコア領域、中間領域、シェ
ル領域という。コア領域は沃臭化銀、塩沃臭化銀、塩臭
化銀又は臭化銀からなる。 【0025】コア領域の平均沃化銀含有率は0〜15モ
ル%が好ましく、より好ましくは10モル%以下の沃化
銀を含む沃臭化銀からなる。中間領域は1層以上のハロ
ゲン化銀の相である。中間領域は塩沃臭化銀、沃臭化銀
又は臭化銀からなることが好ましく、平均沃化銀含有率
は0〜40モル%が好ましい。より好ましくは30モル
%以下、更に好ましくは20モル%以下である。シェル
領域は該コア領域及び中間領域よりも平均沃化銀含有率
が高い塩沃臭化銀、沃臭化銀又は臭化銀からなる。又、
シェル領域の平均沃化銀含有率はコア領域のそれの1.
2〜50倍、好ましくは1.4〜40倍、より好ましく
は1.7〜20倍である。シェル領域の好ましい平均沃
化銀含有率は2〜40モル%が好ましく更に好ましくは
6〜25モル%である。粒子全体としての平均沃化銀含
有率はコア、中間及びシェル領域の割合と各平均沃化銀
含有率により調整することができるが粒子全体としての
好ましい平均沃化銀含有率は2モル%以上であり、より
好ましくは2〜25モル%である。 【0026】個々のハロゲン化銀粒子の沃化銀含有率及
び平均沃化銀含有率は、EPMA法(Electron
Probe Micro Analyzer法)を用
いることにより求めることが可能となる。この方法は,
乳剤粒子を互いに接触しないように良く分散したサンプ
ルを作製し、電子ビームを照射する電子線励起によるX
線分析より極微小な部分の元素分析が行なえる。 【0027】この方法により、各粒子から放射される銀
及び沃度の特性X線強度を求めることにより、個々の粒
子のハロゲン組成が決定できる。少なくとも50個の粒
子についてEPMA法により沃化銀含有率を求めれば、
それらの平均から平均沃化銀含有率が求められる。 【0028】ハロゲン化銀粒子は粒子間の沃度含有量が
より均一になっていることが好ましい。EPMA法によ
り粒子間の沃度含有量の分布を測定した時に、相対標準
偏差が35%以下、更に20%以下であることが好まし
い。 【0029】又、ハロゲン化銀粒子の表面の沃化銀含有
率はX線光電子分光法によって測定することができる。 【0030】X線光電子分光法では、その測定に先立っ
て、乳剤を以下のように前処理する。まず、乳剤約1m
lに0.01wt%プロナーゼ水溶液10mlを加え、
40℃で1時間撹拌してゼラチン分解を行なう。次に遠
心分離して乳剤粒子を沈降させ、上澄み液を除去した後
プロナーゼ水溶液10mlを加え、上記の条件で再度ゼ
ラチン分解を行なう。この試料を再び遠心分離し、上澄
み液を除去した後、蒸留水10mlを加えて乳剤粒子を
蒸留水中に再分散させ、遠心分離し、上澄み液を除去す
る。この水洗操作を3回繰り返した後、乳剤粒子をエタ
ノール中に再分散させる(ここまでの作業は暗室で行な
う)。薄暗い明室中でこれを鏡面研摩したシリコンウェ
ハ上に薄く塗布して測定試料とする。シリコンウェハ上
に塗布された試料は、24時間以内にX線光電子分光法
にて測定する。 【0031】X線光電子分光法による測定には、装置と
してPHI社製ESCA/SAM560型を使用する。
試料は60度傾斜ホルダに固定し、試料予備排気室にお
いてターボ分子ポンプを用い10分間真空排気を行なっ
た後、測定室に導入する。試料導入後1分以内に、励起
用X線(Mg−Kα線)の照射を開始し、ただちに測定
を開始する。測定は、X線源電圧15kV、X線源電流
40mA、パスエネルギー50eVの条件で行なう。 【0032】表面ハライド組成を求めるためにAg 3
d、Br 3d、I 3d3/2電子を検出する。Ag
3d電子の検出には結合エネルギー381eVから3
61eVの範囲をスキャンステップ0.2eV、各ステ
ップ100msecずつ1回測定し、Br 3d電子の
検出には総合エネルギー79eVから59eVの範囲を
スキャンステップ0.2eV、各ステップ100mse
cずつ5回測定し、I3d3/2電子の検出には総合エ
ネルギー644eVから624eVの範囲をスキャンス
テップ0.2eV、各ステップ100msecずつ40
回測定する。 【0033】データは前記操作を2回繰返し積算したも
のとする。 【0034】組成比の算出には各ピークの積分強度を用
いる。Ag 3dピークの積分強度はAg 3d3/2
ピークが極大値を示す総合エネルギーに4eV加えたエ
ネルギー値の強度と、Ag 3d 5/2ピークが最大
値を示す結合エネルギーに4eV加えたエネルギー値の
強度を結ぶ直線をベースラインとしcps・eVを単位
として求め、Br 3dピークの積分強度はBr 3d
5/2ピークが最大値を示す総合エネルギーに4eV加
えたエネルギー値の強度と、Br 3d5/2ピークが
最大値を示す総合エネルギーから3eV減じたエネルギ
ー値の強度を結ぶ直線をベースラインとしcps・eV
を単位として求め、I 3d3/2ピークの積分強度は
I 3d3/2ピークが最大値を示す総合エネルギーに
4eV加えたエネルギー値の強度と、I 3d3/2ピ
ークが最大値を示す総合エネルギーから4eV減じたエ
ネルギー値の強度を結ぶ直線をベースラインとしcps
・eVを単位として求める。 【0035】各ピークの積分強度から組成比を算出する
場合には、相対感度係数法が用いられAg 3d、Br
3d、I 3d3/2の相対度系数としてそれぞれ
5.10、0.81、4.592を使用することにより
組成比は原子パーセントを単位として与えられる。又I
モルパーセントはIの原子パーセント値をBrの原子パ
ーセント値とIの原子パーセント値の和で除することに
より求められる。 【0036】X線光電子分光法による測定の結果、ハロ
ゲン化銀粒子表面の沃化銀含有率は6モル%以上であ
り、好ましくは6〜25モル%である。 【0037】ハロゲン化銀乳剤層の何れか1層に含まれ
る全ハロゲン化銀粒子の全投影面積の少なくとも50%
以上が、主平面に平行な双晶面を偶数枚有するアスペク
ト比(平均粒径/粒子厚み比)3以上の平板状粒子であ
り、好ましくは5〜100、特に8〜40が好ましく、
かつ全ハロゲン化銀粒子の粒径の変動係数が30%以下
であり、該ハロゲン化銀粒子は単分散乳剤を形成するこ
とが好ましい。 【0038】ここで、単分散のハロゲン化銀乳剤として
は、平均粒径rを中心に±20%の粒径範囲内に含まれ
るハロゲン化銀重量が、全ハロゲン化銀粒子重量の60
%以上であるものが好ましく、より好ましくは70%以
上、更に好ましくは80%以上である。 【0039】ここに、平均粒径rは、粒径riを有する
粒子の頻度niとri3との積ni×ri3が最大となる
ときの粒径riと定義する(有効数字3桁、最小桁数字
は4捨5入する)。 【0040】ここでいう粒径とは、平板状ハロゲン化銀
粒子の投影像を同面積の円像に換算したときの直径であ
る。粒径は、例えば該粒子を電子顕微鏡で1万倍から5
万倍に拡大して撮影し、そのプリント上の粒子直径又は
投影時の面積を実測することによって得ることができる
(測定粒子個数は無差別に1000個以上あることとす
る)。 【0041】本発明において、ハロゲン化銀粒子の粒径
の変動係数は単分散乳剤の分布の広さ(%)により表す
ことができる。 【0042】 分布の広さ(%)=(標準偏差/平均粒径)×100 によって分布の広さを定義したとき、上記変動係数は単
分散乳剤の分布の広さが30%以下のものであり、更に
好ましくは20%以下のものである。ここに平均粒径及
び標準偏差は、上記定義した粒径riから求めるものと
する。 【0043】単分散乳剤を得る方法としては、種粒子を
含むゼラチン溶液中に、水溶性銀塩溶液と水溶性ハライ
ド溶液、及びハロゲン化銀微粒子の中から任意に選ばれ
た2種以上の反応要素を、pAg及びpHの制御下に添
加することによって得ることができる。添加速度の決定
に当たっては、特開昭54−48521号、特開昭58
−49938号を参考にできる。 【0044】更に高度な単分散乳剤を得る方法として、
特開昭60−122935号に開示されたテトラザイン
デン存在下の成長方法が適用できる。 【0045】上記ハロゲン化銀粒子は、前記転位線導入
部に1種類以上の多価金属化合物を含有している。 【0046】ここで、用語の定義をしておくが、『ドー
ピング』、あるいは『ドープ』はハロゲン化銀粒子中に
銀イオン又はハロゲン化物イオン以外の物質を含有させ
ることを指す。 【0047】用語『ドーパント』はハロゲン化銀粒子に
ドープする化合物を指す。用語『メタルドーパント』は
ハロゲン化銀粒子にドープする多価金属化合物を指す。 【0048】ハロゲン化銀粒子のメタルドーパントの好
ましい含有量はハロゲン化銀1モル当たり10-9〜10
-4モルであり、更に好ましくは10-8〜10-5モルであ
る。 【0049】メタルドーパントとしては、Mg、Al、
Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、C
u、Zn、Ga、Ge、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、
Tc、Ru、Rh、Pd、Cd、Sn、Ba、Ce、E
u、W、Re、Os、Ir、Pt、Hg、Tl、Pb、
Bi、In等の金属化合物を好ましく用いることができ
る。 【0050】又、メタルドーパントは、単塩又は金属錯
体から選択することが好ましい。金属錯体から選択する
場合、6配位、5配位、4配位、2配位錯体が好まし
く、八面体6配位、平面4配位錯体がより好ましい。又
錯体は単核錯体であっても多核錯体であってもよい。又
錯体を構成する配位子としては、CN-、CO、N
2 -、1,10−フェナントロリン、2,2′−ビピリ
ジン、SO3 -、エチレンジアミン、NH3、ピリジン、
2O、NCS-、NCO-、O3-、SO4 -、OH-
3-、S2-、F-、Cl-、Br-、I-などを用いること
ができる。 【0051】特に好ましいメタルドーパントとして、K
4Fe(CN)6、K3Fe(CN)6、Pb(NO32
2IrCl6、K3IrCl6、2IrBr6、InCl3
が挙げられる。ハロゲン化銀粒子内のメタルドーパント
の分布は、粒子を表面から内部へ少しずつ溶解し、各部
分のドーパント含有量を測定することにより求められ
る。 【0052】具体例として以下に述べる方法が挙げられ
る。 【0053】メタルの定量に先立ち、ハロゲン化銀乳剤
を以下のように前処理する。まず、乳剤約30mlに
0.2%アクチナーゼ水溶液50mlを加え、40℃で
30分間撹拌してゼラチン分解を行なう。この操作を5
回繰り返す。遠心分離後、メタノール50mlで5回、
1N硝酸50mlで2回、超純水で5回洗浄を繰り返
し、遠心分離後ハロゲン化銀のみを分離する。得られた
ハロゲン化銀の粒子表面部分をアンモニア水溶液あるい
はpH調整したアンモニア(アンモニア濃度及びpHは
ハロゲン化銀の種類及び溶解量に応じて変化させる)に
より溶解する。ハロゲン化銀のうち臭化銀粒子の極表面
を溶解する方法としては、2gに対し約10%アンモニ
ア水溶液20mlを用いて粒子表面より約3%程度の溶
解をすることができる。この時ハロゲン化銀の溶解量は
ハロゲン化銀の溶解を行なった後のアンモニア水溶液と
ハロゲン化銀を遠心分離し、得られた上澄み液に存在し
ている銀量を高周波誘導プラズマ質量分析装置(ICP
−MS)高周波誘プラズマ発光分析装置(ICP−AE
S)、あるいは原子吸光にて定量できる。表面溶解後の
ハロゲン化銀に含まれるメタル量と溶解を行なわないト
ータルのハロゲン化銀のメタル量の差から、粒子表面約
3%に存在するハロゲン化銀1モル当たりのメタル量を
求めることができる。メタルの定量方法としては、チオ
硫酸アンモニウム水液、チオ硫酸ナトリウム水溶液、あ
るいはシアン化カリウム水溶液に溶解し、マトリックス
マッチングしたICP−MS法、ICP−AES法、あ
るいは原子吸光法が挙げられる。このうち溶剤としてシ
アン化カリウム、分析装置としてICP−MS(FIS
ON Elemental Analysis社)を用
いる場合は、ハロゲン化銀約40mgを5mlの0.2
Nシアン化カリウムに溶解後、10ppbになるように
内標準元素Cs溶液を添加し、超純水にて100mlに
定容したものを測定試料とする。 【0054】そしてメタルフリーのハロゲン化銀を用い
てマトリックスを合わせた検量線を用いてICP−MS
により測定試料中のメタルの定量を行なう。この時、測
定試料中の正確な銀量は超純水で100倍稀釈した測定
試料をICP−AES、あるいは原子吸光にて定量でき
る。なお、このような粒子表面の溶解を行なった後、ハ
ロゲン化銀粒子を超純水にて洗浄後、上記と同様な方法
で粒子表面の溶解を繰り返すことにより、ハロゲン化銀
粒子内部方向のメタル量の定量を行なうことができる。 【0055】ハロゲン化銀粒子の転位線導入部に含有さ
れる多価金属化合物は、中心から外表面に向けて0.8
0L〜1.0Lの領域、更に0.9〜0.99Lの領域
に存在していることが好ましい。 【0056】ハロゲン化銀粒子の製造時に、アンモニ
ア、チオエーテル、チオ尿素等の公知のハロゲン化銀溶
剤を存在させることもできるし、ハロゲン化銀溶剤を使
用しなくても良い。ハロゲン化銀粒子は、分散媒の存在
下即ち、分散媒を含む溶液中で製造される。ここで、分
散媒を含む水溶液とは、ゼラチンその他の親水性コロイ
ドを構成し得る物質(バインダーとなり得る物質など)
により保護コロイドが水溶液中に形成されているものを
いい、好ましくはコロイド状の保護ゼラチンを含有する
水溶液である。 【0057】本発明を実施する際、上記保護コロイドと
してゼラチンを用いる場合は、ゼラチンは石灰処理され
たものでも、酸を使用して処理されたものでもどちらで
もよい。ゼラチンの製法の詳細はアーサー・グアイス
著、ザ・マクロモレキュラー・ケミストリー・オブ・ゼ
ラチン、(アカデミック・プレス、1964年発行)に
記載がある。 【0058】保護コロイドとして用いることができるゼ
ラチン以外の親水性コロイドとしては、例えばゼラチン
誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、
アルブミン、カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫
酸エステル類等の如きセルロース誘導体、アルギン酸ソ
ーダ、澱粉誘導体などの糖誘導体;ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルアルコール部分アセタール、ポリ−N−
ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポ
リビニルピラゾール等の単一あるいは共重合体の如き多
種の合成親水性高分子物質がある。 【0059】ゼラチンの場合は、パギー法においてゼリ
ー強度200以上のものを用いることが好ましい。 【0060】ハロゲン化銀粒子は、粒子を形成する過程
及び/又は成長させる過程で、カドミウム塩、亜鉛塩、
鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩(錯塩を含む)から選
ばれる少なくとも1種を用いて金属イオンを添加し、粒
子内部及び/又は粒子表面にこれらの金属元素を含有
し、又適当な還元雰囲気におくことにより、粒子内部及
び/又は粒子表面に還元増感核を付与できる。 【0061】ハロゲン化銀粒子は、潜像が主として表面
に形成される粒子あるいは主として粒子内部に形成され
る粒子いずれであっても良く、ハロゲン化銀のサイズと
しては、0.05〜5.0μm、好ましくは0.1〜
3.0μmのものである。 【0062】又、ハロゲン化銀粒子は、ハロゲン化銀粒
子の成長終了後に、不要な可溶性塩類を除去したもので
あってもよいし、あるいは含有させたままのものでも良
い。更に特開昭60−138538号記載の方法のよう
に、ハロゲン化銀成長の任意の点で脱塩を行なう事も可
能である。該塩類を除去する場合には、リサーチ・ディ
スクロージャー(Research Disclosu
re、以下RDと略す)17643号II項に記載の方
法に基づいて行なうことができる。 【0063】更に詳しくは、沈澱形成後、あるいは物理
熟成後の乳剤から可溶性塩を除去するためには、ゼラチ
ンをゲル化させて行なうヌーデル水洗法を用いても良
く、又無機塩類、アニオン性界面活性剤、アニオン性ポ
リマー(例えばポリスチレンスルホン酸)、あるいはゼ
ラチン誘導体(例えばアシル化ゼラチン、カルバモイル
化ゼラチンなど)を利用した沈澱法(フロキュレーショ
ン)を用いても良い。 【0064】ハロゲン化銀粒子は、常法により化学増感
することができる。すなわち、硫黄増感、セレン増感、
還元増感法、金その他の貴金属化合物を用いる貴金属増
感法などを単独で又は組み合わせて用いることができ
る。 【0065】ハロゲン化銀粒子は、写真業界において増
感色素として知られている色素を用いて所望の波長域に
光学的に増感できる。増感色素は、単独で用いてもよい
が2種類以上を組み合わせて用いても良い。増感色素と
共にそれ自身分光増感作用をもたない色素、あるいは可
視光を実質的に吸収しない化合物であって、増感色素の
増感作用を強める強色増感剤を乳剤中に含有させても良
い。 【0066】ハロゲン化銀粒子には、カブリ防止剤、安
定剤などを加えることができる。 【0067】バインダーとしては、ゼラチンを用いるの
が有利である。乳剤層、その他の親水性コロイド層は、
硬膜することができ、又、可塑剤、水不溶性又は可溶性
合成ポリマーの分散物(ラテックス)を含有させること
ができる。 【0068】カラー感光材料の乳剤層にはカプラーが用
いられる。更に色補正の効果を有している競合カプラー
及び現像主薬の酸化体とのカップリングによって現像促
進剤、現像剤、ハロゲン化銀溶剤、調色剤、硬膜剤、カ
ブリ剤、カブリ防止剤、化学増感剤、分光増感剤及び減
感剤のような写真的に有用なフラグメントを放出する化
合物を用いることができる。 【0069】感光材料には、フィルター層、ハレーショ
ン防止層、イラジュエーション防止層等の補助層を設け
ることができる。これらの層中及び/又は乳剤層中には
現像処理中に感光材料から流出するか、もしくは漂白さ
れる染料が含有されても良い。 【0070】感光材料には、マット剤、滑剤、画像安定
剤、ホルマリンスカベンジャー、紫外線吸収剤、蛍光増
白剤、界面活性剤、現像促進剤や現像遅延剤を添加でき
る。 【0071】支持体としては、ポリエチレン等をラミネ
ートした紙、ポリエチレンテレフタレートフィルム、バ
ライタ紙、三酢酸セルロース等を用いることができる。 【0072】 【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。 【0073】〈双晶種乳剤T−1の調製〉以下に示す方
法によって、2枚の平行な双晶面を有した種乳剤を調製
した。 【0074】 A オセインゼラチン 80.0g 臭化カリウム 47.4g HO(CH2CH2O)m(CH(CH3)CH2O)19.8(CH2CH2O)nHの 10重量%メタノール溶液(m+n=9.77) 0.48ml 蒸留水で8000.0mlに仕上げる。 【0075】 B 硝酸銀 1200.0g 蒸留水で1600.0mlに仕上げる。 【0076】 C 臭化カリウム 823.8g 沃化カリウム 23.45g 蒸留水で1600.0mlに仕上げる。 【0077】 D アンモニア水 470.0ml 40℃で激しく攪拌したA液に、B液とC液をダブルジ
ェット法により7.7分間で添加し核の生成を行なっ
た。この間、pBrは1.60に保った。 【0078】その後、30分間かけて、温度を20℃に
下げた。更に、D液を1分間で添加し、引き続き5分間
の熟成を行なった。熟成時のKBr濃度は0.03mo
l/l、アンモニア濃度は0.66mol/lであっ
た。 【0079】熟成終了後、pHを6.0に調整し、常法
に従って脱塩を行なった。脱塩後の乳剤に、10重量%
のゼラチン水溶液を加え、60℃で30分間撹拌分散さ
せた後、蒸留水を加えて5360gの乳剤として仕上げ
た。 【0080】この種乳剤粒子を電子顕微鏡観察したとこ
ろ、互いに平行な2枚の双晶面を有する平板状粒子であ
った。この種乳剤粒子の平均粒径は0.445μm、平
均アスペクト比5.0、2枚の平行な双晶面を有する粒
子は、全粒子の80%(個数比)であった。 【0081】〈乳剤EM−1の作製〉以下に示す8種類
の溶液を用いて、平板状ハロゲン化銀乳剤EM−1を調
製した。 【0082】 溶液A1 オセインゼラチン 163.4g 蒸留水 3120ml HO(CH2CH2O)m(CH(CH3)CH2O)19.8(CH2CH2O)nHの 10重量%メタノール溶液(m+n=9.77) 2.50ml 種乳剤(T−1) 674.5g 蒸留水で4100mlに仕上げる。 【0083】 溶液B1 3.5N硝酸銀水溶液 4316ml 溶液C 3.5N臭化カリウム水溶液 4316ml 溶液D 3重量%のゼラチンと、沃化銀粒子 (平均粒径0.05μm)から成る微粒子乳剤(*) 2510g (*)調製法を以下に示す。 【0084】0.06モルの沃化カリウムを含む6.0
重量%のゼラチン溶液5000mlに、7.06モルの
硝酸銀と、7.06モルの沃化カリウムを含む水溶液各
々2000mlを、10分間かけて添加した。微粒子形
成中のpHは硝酸を用いて2.0に、温度は40℃に制
御した。粒子形成後に、炭酸ナトリウム水溶液を用いて
pHを6.0に調整した。仕上がり重量は12.53k
gであった。 【0085】 溶液E1 1.75N臭化カリウム水溶液 溶液F12IrCl6 0.829mg 硝酸(比重1.38) 0.50ml 25重量%のNaCl水溶液で50.0mlに仕上げる。 【0086】反応容器に溶液A1を添加し、激しく撹拌
しながら、溶液B1、C1及びD1を同時混合法により添
加を行ない、種結晶を成長させ、コア/シェル型ハロゲ
ン化銀乳剤を調製した。ここで、溶液B1、溶液C1及び
溶液D1の添加速度は、それぞれハロゲン化銀粒子の臨
界成長速度に見合ったように時間に対して関数様に変化
させ、成長している種結晶以外に小粒子の発生及びオス
トワルド熟成により多分散化しないように適切な添加速
度にコントロールした。 【0087】成長粒径1.287μmの時点で、溶液B
1、C1の添加を中断し、溶液D1を2分間かけて定速添
加した。その後、溶液D1の添加を止め、2分間熟成し
た後、溶液B1、C1及びD1の添加を再び開始した。
又、成長粒径1.488μmの時点で、溶液F1をラッ
シュ添加した(この時、溶液B1、C1及びD1の添加は
続けたまま)。更に、結晶成長の全域に渡って、反応容
器内の溶液温度を75℃、pAgを9.2にコントロー
ルした。pAgコントロールのために、必要に応じて溶
液Eを添加した。成長粒径1.567μmの時点で溶液
1、C1及びD1の添加を終了し、特開平5−7265
8号に記載の方法に従い脱塩処理を施し、その後ゼラチ
ンを加え50℃で30分間再分散を続けた。その後、4
0℃に降温してpHを5.80、pAgを8.06に調
整した。得られた乳剤粒子の電子顕微鏡写真から、平均
粒径1.567μm、平均アスペクト比11.0、粒径
分布18.0%の平板粒子であることが確認された。 【0088】〈乳剤EM−2の作製〉更に、乳剤EM−
1の調製方法において、成長粒径1.287μmの時点
で、溶液B1、C1の添加を中断し、溶液D1を2分間か
けて定速添加し、2分間熟成した後の溶液B1、C1及び
1の添加速度を調整した以外は、EM−1と同様の方
法で乳剤EM−2を作製した。 【0089】〈乳剤EM−3の作製〉更に、乳剤EM−
1の調製方法において、成長時のpAgを8.9に制御
し、成長粒径1.007μmの時点で、溶液B1、C1
添加を中断し、溶液D1を2分間かけて定速添加し、2
分間熟成した後、溶液B1、C1及びD1の添加を再開
し、成長粒径1.292μmの時点で溶液F1をラッシ
ュ添加した以外は乳剤EM−1と同様の調製方法によっ
て乳剤EM−3を作製した。 【0090】〈乳剤EM−4の作製〉更に、乳剤EM−
3の調製方法において、成長粒径1.214μmの時点
で、溶液B1、C1の添加を中断し、溶液D1を2分間か
けて定速添加し、2分間熟成した後、溶液B1、C1及び
1の添加を再開した以外は乳剤EM−3と同様の調製
方法によって乳剤EM−4を作製した。 【0091】〈乳剤EM−5の作製〉更に、乳剤EM−
2の調製方法において、成長粒径1.287μmの時点
で、溶液B1、C1の添加を中断し、溶液D1を2分間か
けて定速添加し、2分間熟成した後の溶液B1、C1及び
1の添加の際に溶液D1の添加速度のみをEM−2の調
製時よりも遅くなるよう調整して、溶液B1、C1及びD
1の添加終了後はEM−1と同様の調製方法によって乳
剤EM−5を作製した。 【0092】〈乳剤EM−6の作製〉更に、乳剤EM−
1の調製方法において、成長時のpAgを9.6に、温
度を60℃に調節し、溶液B1、C1及びD1の添加速度
を上げ、その他はEM−1と同様の調製方法によって乳
剤EM−6を作製した。 【0093】〈乳剤EM−7の作製〉更に、乳剤EM−
4の調製方法において、成長粒径1.214μmの時点
までは溶液B1、C1及びD1を添加するがこのとき溶液
1の添加速度だけEM−4よりも速くなるよう調節し
た。成長粒径1.214μm以降は溶液B1及びC1のみ
添加して、その他はEM−1と同様の調製方法によって
乳剤EM−7を作製した。 【0094】〈乳剤EM−8の作製〉更に、EM−2の
調製方法において、成長粒径0.784μmの時点で溶
液B1、C1の添加を中断し、溶液D1を2分間定速添加
し2分間熟成した後、溶液B1、C1及びD1の添加を再
開した以外はEM−2と同様の調製方法によって乳剤E
M−8を作製した。 【0095】〈乳剤EM−9の作製〉更に、乳剤EM−
1の調製方法において、成長粒径1.254μmの時点
で溶液F1をラッシュ添加した以外はEM−1と同様の
調製方法によって乳剤EM−9を作製した。 【0096】〈乳剤EM−10の作製〉更に、乳剤EM
−1の調製方法において、成長時のpAgを8.2に制
御し、成長粒径0.818μmの時点で、溶液B1、C1
の添加を中断し、溶液D1を2分間かけて定速添加し、
2分間熟成した後、溶液B1、C1及びD1を添加を再開
し、成長粒径0.883μmの時点で溶液F1をラッシ
ュ添加した以外は乳剤EM−1と同様の調製方法によっ
て乳剤EM−10を作製した。 【0097】得られた乳剤EM−1〜EM−10の調製
条件及び得られた結果を以下の表1にまとめた。 【0098】 【表1】【0099】表1から明らかなように、ハロゲン化銀粒
子の成長途中に溶液D1を単独で添加した乳剤EM−1
〜6、8〜10は3本以上の転位線の発生が認められて
いる。又、粒子の表面沃化銀含有率は、シェル領域の成
長時の沃化銀量に依存して変化していることがわかる。 【0100】〈感光材料試料の作製〉得られた乳剤EM
−1〜EM−10に、金硫黄増感を最適に施し、これら
の乳剤を用いてトリアセチルセルロースフィルム支持体
上に下記に示すような組成の各層を順次支持体側から形
成して、多層カラー写真感光材料を作製した。 【0101】以下の全ての記載において、ハロゲン化銀
写真感光材料中の添加量は、特に記載のない限り1m2
当たりのグラム数を示す。又、ハロゲン化銀及びコロイ
ド銀は銀に換算して示し、増感色素はハロゲン化銀1モ
ル当たりのモル数で示した。 【0102】多層カラー写真感光材料試料1(乳剤EM
−1を使用)の構成は以下の通りである。 【0103】 試料1 第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.16 紫外線吸収剤(UV−1) 0.20 高沸点溶媒(OIL−1) 0.16 ゼラチン 1.60 第2層:中間層 化合物(SC−1) 0.14 高沸点溶媒(OIL−2) 0.17 ゼラチン 0.80 第3層:低感度赤感性層 沃臭化銀乳剤A 0.15 沃臭化銀乳剤B 0.35 増感色素(SD−1) 2.0×10-4 増感色素(SD−2) 1.4×10-4 増感色素(SD−3) 1.4×10-5 増感色素(SD−4) 0.7×10-4 シアンカプラー(C−1) 0.53 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.04 DIR化合物(D−1) 0.025 高沸点溶媒(OIL−3) 0.48 ゼラチン 1.09 第4層:中感度赤感性層 沃臭化銀乳剤B 0.30 沃臭化銀乳剤C 0.34 増感色素(SD−1) 1.7×10-4 増感色素(SD−2) 0.86×10-4 増感色素(SD−3) 1.15×10-5 増感色素(SD−4) 0.86×10-4 シアンカプラー(C−1) 0.33 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.013 DIR化合物(D−1) 0.02 高沸点溶媒(OIL−1) 0.16 ゼラチン 0.79 第5層:高感度赤感性層 乳剤EM−1 0.95 増感色素(SD−1) 1.0×10-4 増感色素(SD−2) 1.0×10-4 増感色素(SD−3) 1.2×10-5 シアンカプラー(C−2) 0.14 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.016 高沸点溶媒(OIL−1) 0.16 ゼラチン 0.79 第6層:中間層 化合物(SC−1) 0.09 高沸点溶媒(OIL−2) 0.11 ゼラチン 0.80 第7層:低感度緑感性層 沃臭化銀乳剤A 0.12 沃臭化銀乳剤B 0.38 増感色素(SD−4) 4.6×10-5 増感色素(SD−5) 4.1×10-4 マゼンタカプラー(M−1) 0.14 マゼンタカプラー(M−2) 0.14 カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.06 高沸点溶媒(OIL−5) 0.34 ゼラチン 0.70 第8層:中間層 ゼラチン 0.41 第9層:中感度緑感性層 沃臭化銀乳剤B 0.30 沃臭化銀乳剤C 0.34 増感色素(SD−6) 1.2×10-4 増感色素(SD−7) 1.2×10-4 増感色素(SD−8) 1.2×10-4 マゼンタカプラー(M−1) 0.04 マゼンタカプラー(M−2) 0.04 カラードマゼンタカプラー(CM−2) 0.017 DIR化合物(D−2) 0.025 DIR化合物(D−3) 0.002 高沸点溶媒(OIL−4) 0.12 ゼラチン 0.50 第10層:高感度緑感性層 沃臭化銀乳剤D 0.95 増感色素(SD−6) 7.1×10-5 増感色素(SD−7) 7.1×10-5 増感色素(SD−8) 7.1×10-5 マゼンタカプラー(M−1) 0.09 カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.011 高沸点溶媒(OIL−4) 0.11 ゼラチン 0.79 第11層:イエローフィルター層 黄色コロイド銀 0.08 化合物(SC−1) 0.15 高沸点溶媒(OIL−2) 0.19 ゼラチン 1.10 第12層:低感度青感性層 沃臭化銀乳剤A 0.12 沃臭化銀乳剤B 0.24 沃臭化銀乳剤C 0.12 増感色素(SD−9) 6.3×10-5 増感色素(SD−10) 1.0×10-5 イエローカプラー(Y−1) 0.50 イエローカプラー(Y−2) 0.50 DIR化合物(D−4) 0.04 DIR化合物(D−5) 0.02 高沸点溶媒(OIL−2) 0.42 ゼラチン 1.40 第13層:高感度青感性層 沃臭化銀乳剤C 0.15 沃臭化銀乳剤E 0.80 増感色素(SD−9) 8.0×10-5 増感色素(SD−11) 3.1×10-5 イエローカプラー(Y−1) 0.12 DIR化合物(D−6) 0.02 高沸点溶媒(OIL−2) 0.05 ゼラチン 0.79 第14層:第1保護層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.08μm、 沃化銀含有率1.0モル%) 0.40 紫外線吸収剤(UV−1) 0.065 高沸点溶媒(OIL−1) 0.07 高沸点溶媒(OIL−3) 0.07 ゼラチン 0.65 第15層:第2保護層 アルカリ可溶性マット剤(平均粒径2μm) 0.15 ポリメチルメタクリレート(平均粒径3μm) 0.04 滑り剤(WAX−1) 0.04 ゼラチン 0.55 尚上記組成物の他に、塗布助剤Su−1、分散助剤Su
−2、粘度調整剤、硬膜剤H−1、H−2、安定剤ST
−1、かぶり防止剤AF−1、平均分子量:10,00
0及び平均分子量:1,100,000の2種のAF−
2及び防腐剤DI−1を添加した。 【0104】上記試料に用いた乳剤は、下記のとおりで
ある。各乳剤は、金−硫黄増感を最適に施した。 【0105】 【表2】【0106】表中の直径及び厚みは各ハロゲン化銀粒子
の直径及び厚みである。 【0107】 【化1】 【0108】 【化2】【0109】 【化3】【0110】 【化4】【0111】 【化5】【0112】 【化6】【0113】 【化7】【0114】 【化8】【0115】 【化9】【0116】 【化10】【0117】 【化11】【0118】乳剤EM−2〜EM−10についても、試
料1の乳剤EM−1に変えてこれらの各乳剤を用いて、
同様に多層カラー写真感光材料試料−2〜10を作製し
た。 【0119】得られた各試料について、それぞれの評価
に対したセンシトメトリー用ウエッジ露光を施し、下記
の処理工程に従って現像処理を行った。 【0120】 処理工程 1.発色現像 3分15秒 38.0±0.1℃ 2.漂 白 6分30秒 38.0±3.0℃ 3.水 洗 3分15秒 24〜41℃ 4.定 着 6分30秒 38.0±3.0℃ 5.水 洗 3分15秒 24〜41℃ 6.安 定 3分15秒 38.0±3.0℃ 7.乾 燥 50℃以下 各処理工程において使用した処理液組成は下記の通りで
ある。 【0121】 〈発色現像液〉 4−アミノ−3−メチル−N−エチル −N−(β−ヒドロキシエチル)アニリン・硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン・1/2硫酸塩 2.0g 無水炭酸カリウム 37.5g 臭化ナトリウム 1.3g ニトリロ三酢酸・三ナトリウム塩(一水塩) 2.5g 水酸化カリウム 1.0g 水を加えて1lとし、pH=10.1に調整する。 【0122】 〈漂白液〉 エチレンジアミン四酢酸鉄アンモニウム塩 100.0g エチレンジアミン四酢酸二アンモニウム塩 10.0g 臭化アンモニウム 150.0g 氷酢酸 10.0g 水を加えて1lとし、アンモニア水を用いてpH=6.0に調整する。 【0123】 〈定着液〉 チオ硫酸アンモニウム 175.0g 無水亜硫酸ナトリウム 8.5g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3g 水を加えて1lとし、酢酸を用いてpH=6.0に調整する。 【0124】 〈安定液〉 ホルマリン(37%水溶液) 1.5ml コニダックス(コニカ〔株〕製) 7.5ml 水を加えて1lとする。 【0125】その後赤感性層の相対感度、圧力減感特
性、高照度不軌特性及び粒状性の評価を行なった。 【0126】(評価) −相対感度− 感光材料試料作製後、23℃、相対湿度55%で24時
間保存した試料を1/100秒露光後にカラー現像処理
を開始し、Dmin(最小濃度)+0.15の濃度を与
える露光量の逆数の相対値として求め、試料101の感
度を100とする値で示した(100に対して、値が小
さいほど低感度であることを示す)。 【0127】−圧力減感− 23℃、55%(相対湿度)の条件下で、引掻強度試験
機(新東科学製)を用い、先端の曲率半径が0.025
mmの針に5gの荷重をかけて定速で走査した後、露
光、現像処理を行ない、Dmin+0.4の濃度におい
て荷重がかけられた部分の濃度変化(ΔDp)を求め、
試料101のΔDpを100とする値で示した(100
に対して値が小さいほど改良していることを示す)。 【0128】−高照度感度− 感光材料試料作製後、23℃、相対湿度55%で24時
間保存した試料を1/1万秒露光後にカラー現像処理を
開始し、試料1の相対感度を100とする値に対して各
試料の相対感度を求めた。 【0129】−RMS粒状度− 試料の濃度を開口走査面積1800μm2(スリット巾
10μm、スリット長180μm)のマイクロデンシト
メーターで走査し、濃度測定サンプリング数1000以
上の濃度値の変動の標準偏差の1000倍値を求め、試
料1を100とした相対値で示した。数値が小さいほど
粒状度が優れていることを示している。 【0130】結果を以下の表3に示す。 【0131】 【表3】 【0132】表3に示す結果から明らかなように、本発
明の試料1〜4、6及び8は、高感度で、粒状性に優
れ、高照度不軌、及び圧力減感が改良されていることが
わかる。 【0133】これらの中でも、本発明のベストの組み合
わせを満たす乳剤EM−1を用いた試料1が特に優れて
いる。 【0134】一方、表面の沃化銀含有率が低く、コア領
域とシェル領域で平均沃化銀含有率の変化の無い乳剤E
M−5を使用した試料5は粒状性が大きく劣化してい
る。又、転位線を導入していない乳剤EM−7を使用し
た試料7は圧力減感特性が大きく劣化している。又、I
rイオンが極度に粒子内部に導入された乳剤EM−9を
使用した試料9は高照度不軌特性が大きく劣化してい
る。又、アスペクト比の低い乳剤EM−10を使用した
試料10は、1/100秒露光での感度が乏しい。 【0135】上述のごとく、本発明によれば高感度で、
粒状性に優れ、高照度不軌特性が改善され、更に圧力減
感特性に優れるハロゲン化銀カラー写真感光材料を得る
ことができる。 【0136】 【発明の効果】本発明により、高感度で、粒状性に優
れ、高照度不軌不軌特性が改善され、更に圧力減感特性
に優れるハロゲン化銀カラー写真感光材料を得ることが
できるという顕著に優れた効果を奏する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03C 1/09 G03C 1/09 7/00 510 7/00 510 520 520 // G01N 23/227 G01N 23/227 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 1/035 G03C 7/00 510 G03C 7/00 520

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料にお
    いて、前記乳剤層の少なくともいずれか1層に含まれる
    全ハロゲン化銀粒子の粒径の変動係数が30%以下であ
    り、かつ全ハロゲン化銀粒子の全投影面積の少なくとも
    50%以上が、主平面に平行な双晶面を偶数枚有するア
    スペクト比3以上の平板状ハロゲン化銀粒子であり、該
    粒子が、粒子の中心から外表面までの距離Lに対して中
    心から0.58Lより外側に1粒子当たり3本以上の転
    位線を有し、かつ転位線導入部に1種類以上の多価金属
    化合物を含有し、かつX線光電子分光法により測定した
    粒子表面の沃化銀含有率が6モル%以上であり、更にシ
    ェル領域の平均沃化銀含有率がコア領域の同含有率の
    1.2〜50倍であることを特徴とするハロゲン化銀カ
    ラー写真感光材料。
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