JPH06159342A - 植込みボルト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 建築物の構造部材である母材Ａと接合材Ｂと
を一側方向から容易に締付固定することのできるボルト
１とナット２を構成することを目的とする。 【構成】 ボルト１先端側を左ネジ部１ａとして母材Ａ
に螺着し、他側を右ネジ部１ｂとして先端にピンテール
４を設けて接合材Ｂに挿入し、前記母材Ａに接合材Ｂを
ナット２にて締付固定すべく構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建築物の構造部材であ
る母材と接合材とを締付固定する植込みボルトに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、建築物の構造部材である母材と接
合材の結合は、図７に示す如く、母材Ａの裏面側（施工
方向）から、ネジ部１１ａの先端部にピンテール１４
を有するボルト１１を連通位置にある母材Ａの孔部Ａａ
と接合材Ｂの孔部Ｂａに挿入し、母材Ａの表面側（施工
方向）から前記ボルト１１のネジ部１１ａに座金１３
を介してナット１２を螺合し、前記ナット１２をナット
締付具Ｎ’のアウターソケット５’にて締め付け、その
逆方向に前記ピンテール１４を介してボルト１１をナッ
ト締付具Ｎ’のインナーソケット６’にて締め付けるこ
とにより、母材Ａに接合材Ｂを締付固定するように構成
されている。前記ボルト１１とナット１２による結合構
造は、例えば、図８に示す如く、鉄骨の母材Ａである柱
１７の接合部１７ａに鉄骨の接合材Ｂである梁１８を結
合する構造や、図９に示す如く、柱２７の接合部２７ａ
に梁２８を連結部材２９・２９・・・を介して結合する
構造等のブラケット方式の結合構造において用いられて
いるのである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来技術
において、ボルト１１とナット１２による母材Ａと接合
材Ｂの結合構造は、ボルト１１の挿入方向（施工方向
）とナット１２の螺合方向（施工方向）との施工方
向が二方向であるので、容易にボルト１１を挿入してナ
ット１２を螺合し、母材Ａと接合材Ｂを締付固定するこ
とができないのである。そこで、本発明は、一側方向か
ら母材と接合材を締付固定することのできるボルトとナ
ットを構成することを目的とするのである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するため
の手段を説明する。即ち、本発明は、建築物の構造部材
である母材と接合材とを締付固定する構成において、ボ
ルト先端側を逆ネジとして母材に螺着し、他側を右ネジ
として先端にピンテールを設けて接合材に挿入し、前記
母材に接合材をナットにて締付固定すべく構成したもの
である。

【０００５】

【作用】次に、作用について説明する。左方向に雄ネジ
が切られている左ネジ部１ａと右方向に雄ネジが切られ
ている右ネジ部１ｂからなるネジ部及びピンテール４を
有する頭部１ｃにより構成されているボルト１と、前記
右ネジ部１ｂに螺合されるナット２と、座金３にて植込
みボルトＵを構成し、前記ボルト１の左ネジ部１ａが表
面側（施工方向）から構造部材である母材Ａの雌ネジ
が切られている孔部Ａａに螺着され、該螺着されたボル
ト１の右ネジ部１ｂに構造部材である接合材Ｂの孔部Ｂ
ａが係合され、ナット２が前記ボルト１の右ネジ部１ｂ
に螺合され、前記ナット２がナット締付具Ｎのアウター
ソケット５に締め付けられ、その逆方向に前記ピンテー
ル４を介してボルト１がナット締付具Ｎのインナーソケ
ット６に締め付けられることにより、一側方向（施工方
向）から母材Ａに接合材Ｂが締付固定されるのであ
る。

【０００６】

【実施例】次に、添付の図面に示した実施例について説
明する。図１は、本発明の植込みボルトの斜視図、図２
は、同じく側面断面図、図３は、植込みボルトＵの締付
工程を示す側面断面図、図４は、本発明の第一の使用例
を示す側面断面図、図５は、同じく第二の使用例を示す
側面断面図、図６は、同じく第三の使用例を示す平面断
面図である。

【０００７】図１・図２において、本発明の植込みボル
トの構成について説明すると、植込みボルトＵは、ボル
ト１とナット２と座金３が一組とされており、前記ボル
ト１は、左方向に雄ネジが切られている左ネジ部１ａと
右方向に雄ネジが切られている右ネジ部１ｂからなるネ
ジ部と、ピンテール４を有する頭部１ｃにより構成され
ている。そして、前記左ネジ１ａ部は、構造部材である
母材Ａの雌ネジが切られている孔部Ａａに螺着され植込
みされるのであり、前記右ネジ１ｂ部には、座金３を介
してナット２が螺合されるのである。

【０００８】図３において、前記植込みボルトＵの締付
工程について説明すると、前記ボルト１の左ネジ部１ａ
が表面側（施工方向）から前記母材Ａの雌ネジが切ら
れている孔部Ａａに螺着され、該螺着されたボルト１の
右ネジ部１ｂに構造部材である接合材Ｂの孔部Ｂａが挿
入され、ナット２が前記ボルト１の右ネジ部１ｂに螺合
され、前記ナット２とピンテール４を介してボルト１と
が互いに逆方向にナット締付具Ｎにて締め付けられるの
である。

【０００９】すなわち、該ナット締付具Ｎには、アウタ
ーソケット５とインナーソケット６が構成されており、
前記アウターソケット５がナット２を締め付け、その逆
方向にインナーソケット６がピンテール４を介してボル
ト１を締め付けることにより、植込みボルトＵにて一側
方向（施工方向）から母材Ａに接合材Ｂが締付固定さ
れるのである。なお、前記ピンテール４は、植込みボル
トＵの締付トルクが一定となるように所定のボルト張力
がかかると捩じ切れるように構成されている。

【００１０】このように構成することにより、図４に示
す如く、構造部材の母材Ａである鉄骨の柱７に接合材Ｂ
である梁８を結合する場合には、前記柱７の表面側の一
方向から植込みボルトＵ・Ｕ・・・を締付固定すること
によって、柱７に梁８を直接面付け固定することができ
るのであり、また、図５に示す如く、構造部材の母材Ａ
である鉄骨の梁８に構造二次部材の接合材Ｂである根太
９（または、たる木）や野縁１０を結合する場合には、
前記梁８の上面側や下面側それぞれの一方向から植込み
ボルトＵ・Ｕを締付固定することによって、梁８に根太
９や野縁１０を直接面付け固定することができるのであ
る。さらに、図６に示す如く、前記鉄骨の柱７に構造二
次部材の接合材Ｂである胴縁２０を結合する場合には、
前記柱７の表面側の一方向から植込みボルトＵを締付固
定することによって、柱７に胴縁２０を直接面付け固定
することができるのである。

【００１１】なお、本実施例において、柱７や梁８等の
構造部材である母材Ａにおいて、根太９や胴縁２０等の
接合部材Ｂを結合する部位には、植込みボルトＵのボル
ト１の左ネジ部１ａを螺着する為の孔部Ａａが開口さ
れ、該孔部Ａａには、雌ネジが切られているのである
が、他に前記孔部Ａａに雌ネジを切らずに孔部Ａａに相
対する母材Ａの裏面側に前記ボルト１の左ネジ部１ａを
螺着する為のナットを溶接等により固定する構造とする
ことも可能である。

【００１２】

【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するのである。即ち、一側方向から建築
物の構造部材である母材に接合材を直接面付け固定する
ことができることにより、容易に結合作業を行うことが
でき、作業能率の向上を図ることができるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の植込みボルトの斜視図である。

【図２】同じく側面断面図である。

【図３】植込みボルトＵの締付工程を示す側面断面図で
ある。

【図４】本発明の第一の使用例を示す側面断面図であ
る。

【図５】同じく第二の使用例を示す側面断面図である。

【図６】同じく第三の使用例を示す平面断面図である。

【図７】従来のボルト１１とナット１２の締付工程を示
す側面断面図である。

【図８】従来の第一の使用例を示す側面断面図である。

【図９】同じく第二の使用例を示す側面断面図である。

【符号の説明】

１ ボルト １ａ 左ネジ部 １ｂ 右ネジ部 ２ ナット ３ 座金 ４ ピンテール Ａ 母材 Ｂ 接合材 Ｎ ナット締付具 Ｕ 植込みボルト

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 建築物の構造部材である母材と接合材と
   を締付固定する構成において、ボルト先端側を逆ネジと
   して母材に螺着し、他側を右ネジとして先端にピンテー
   ルを設けて接合材に挿入し、前記母材に接合材をナット
   にて締付固定すべく構成したことを特徴とする植込みボ
   ルト。