JPH0614232U - アンカーボルト挟持装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】アンカーボルトに加工を施すことなくアンカー
打込み機のアダプタにアンカーボルトを取付けることが
でき、且つ、アンカーボルトの設置後、そのアンカーボ
ルトに直接締付け用ナツトを螺着して作業性を向上す
る。 【構成】外周面を中心線方向のテーパーになし基部が閉
塞して外周面がねじのアンカーボルト（１０）の基部が
着脱可能に嵌合する有底円筒体（１）の両側壁に中心線
方向の切溝（２）を形成し、該有底円筒体（１）の基端
面中心にアンカー打込機のアダプタ（５）への取付軸
（４）を設けたテーパー挟みシヤンク（３）と、上記テ
ーパー挟みシヤンク（３）の有底円筒体（１）の外周面
のテーパーに合致するテーパー孔（６）を設けてその有
底円筒体（１）に摺動可能に嵌合する締め環（７）とに
よりアンカーボルト挟持装置を構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、アンカー打込み機のアダプタに外周面がねじのアンカーボルトを着 脱可能に取付けるアンカーボルト挟持装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

コンクリート、岩盤等の穿孔内に合成樹脂、硬化促進剤、骨材等を充填したレ ジンカプセルを挿入してアンカーボルトをアンカー打込み機により打込むとき、 そのアンカーボルトを回転、衝撃させて打込むとアンカーボルトの固着が安定し て効果的である。

【０００３】 従来のこの種のアンカー打込み機へのアンカーボルト取付装置は、

【０００４】 （ａ） 図８に示すように、異形鉄筋より成るアンカーボルト（イａ）の基部 にねじ軸（図示してない。）を加工形成し、そのねじ軸にナツト（ロ）を螺合し てそれらを溶接（ハ）する。

【０００５】 （ｂ） または、図９に示すように、異形鉄筋より成るアンカーボルト（イｂ ）の基部にねじ軸（ニ）を加工形成し、そのねじ軸（ニ）に座金（ホ）を挟んで ダブルナツト（ヘ）、（へ）を螺合し締付けてそのねじ軸（ニ）に座金（ホ）お よびダブルナツト（へ）、（へ）を固定する。

【０００６】 （ｃ） または、図１０に示すように、異形鉄筋より成るアンカーボルト（イ ｃ）の基端に六角頭（ト）をアプセツト加工により形成する。

【０００７】 そして、アンカー打込み機のアダプタのボツクスを上記アンカーボルト（イａ ）のナツト（ロ）、アンカーボルト（イｂ）のナツト（ヘ）またはアンカーボル ト（イｃ）の六角頭（ト）に係合してアンカー打込み機にアンカーボルト（イａ ）、（イｂ）または（イｃ）を取付け、アンカー打込み機を操作してアンカーボ ルトの打込み作業を行つている。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来のアンカー打込み機へのアンカーボルト取付装置においては、（ａ） 、（ｂ）、（ｃ）の何れも、アンカーボルトに工場での加工が必要で、手間が掛 る上にコストが高くなり、且つ、工場での加工を必要とするために、現場の急な 要請に対応でき難い点に問題がある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案は、アンカーボルトに加工を施すことなくアンカー打込み機のアダプタ にアンカーボルトを取付けることができ、且つ、アンカーボルトの設置後、その アンカーボルトに直接締付け用ナツトを螺着して作業性を向上するために、外周 面を中心線方向のテーパーになして基部が閉塞する有底円筒体（１）の両側壁に 中心線方向の切溝（２）を形成したテーパー挟みシヤンク（３）の基端の取付軸 （４）をアンカー打込み機のアダプタ（５）に取付け、有底円筒体（１）にはそ の有底円筒体（１）の外周面のテーパーに合致するテーパー孔（６）を設けた締 め環（７）を摺動可能に嵌合し、アンカーボルトに加工を施すことなくアンカー 打込み機のアダプタにアンカーボルトを取付け、且つ、アンカーボルトの設置後 、そのアンカーボルトに締付け用ナツトを螺着して作業性を向上する目的を、外 周面がねじのアンカーボルトの基部をテーパー挟みシヤンクの有底円筒体の上下 片により挟持してアンカー打込み機にアンカーボルトを取付け、アンカーボルト の設置後は、アンカーボルトの基部に座金を嵌合してナツトを螺着することによ り実現した。

【００１０】

【実施例】

図１乃至図４は、本考案の第一実施例を示し、その構成を図面について説明す れば、（３）はテーパー挟みシヤンクで、外周面を先端側が小径のテーパーにな して基部が閉塞する有底円筒体（１）の両側壁に中心線方向の切溝（２）を形成 し、該有底円筒体（１）の基端面中心にテーパー取付軸（４）を突設して構成す る。

【００１１】 （７）は締め環で、その孔は有底円筒体（１）の外周面のテーパーに合致する テーパー孔（６）になして有底円筒体（１）に摺動可能に嵌合する。（８）はテ ーパー挟みシヤンク（３）と締め環（７）を連繋するくさりである。

【００１２】 （５）はアンカー打込み機のアダプタのテーパーシヤンクで、その先端面中心 にテーパー孔（９）を設ける。（１０）はアンカーボルトで、ねじ鉄筋を所定寸 法に切断し、そのねじ鉄筋片の先端部を４５°の角度に切断し尖らせて作製する 。

【００１３】 （Ａ）は岩盤、（１１）は岩盤（Ａ）にドリルで穿つた穿孔、（１２）はレジ ンカプセルが破砕、混合されて穿孔（１１）内に充填された接着剤、（１３）、 （１４）はアンカーボルト（１０）の基部に取付ける座金および締付け用ナツト である。

【００１４】 その作用を説明する。アンカー打込み機にテーパーシヤンク（５）を挿着し、 図２に示すようにテーパーシヤンク（５）のテーパー孔（９）内にテーパー挟み シヤンク（３）のテーパー取付軸（４）を挿着し、そのテーパー挟みシヤンク（ ３）の有底円筒体（１）に締め環（７）を嵌合する。

【００１５】 そこで、図２に示すように有底円筒体（１）内にアンカーボルト（１０）の基 部を挿入して締め環（７）を有底円筒体（１）の基端方向へ叩き込めば、その締 め環（７）により有底円筒体（１）の上下片を対向方向へ押圧し、該有底円筒体 （１）の上下片によりアンカーボルト（１０）を押圧挟持してアンカーボルト（ １０）は有底円筒体（１）に固定する。

【００１６】 その後は、従来と同様に、岩盤（Ａ）の穿孔（１１）内にレジンカプセルを挿 入しアンカー打込み機を操作してアンカーボルト（１０）を打込めば、図４に示 すように上記レジンカプセルの接着剤（１２）が穿孔（１１）内のアンカーボル ト（１０）との間隙内に充填される。

【００１７】 その後、締め環（７）を有底円筒体（１）の先端方向へ叩き出すと、その有底 円筒体（１）の上下片によるアンカーボルト（１０）の挟持が解除されるから、 アンカー打込み機を後退させてそのテーパー挟みシヤンク（３）の締め環（７） 付き有底円筒体（１）をアンカーボルト（１０）より抜き出す。

【００１８】 接着剤（１２）が固結した後、図４に示すようにアンカーボルト（１０）の突 出基部に座金（１３）を嵌合してナツト（１４）を螺着すると、アンカーボルト （１０）により岩盤（Ａ）を締付け支持する。

【００１９】 図５は、本考案の第二実施例を示し、その構成は、第一実施例のテーパー挟み シヤンク（３）の有底円筒体（１）の外周面および締め環（７）のテーパー孔（ ６）のテーパーを反対方向に形成したものである。

【００２０】 すなわち、（３ａ）はテーパー挟みシヤンクで、外周面を基端側が小径のテー パーになして基部が閉塞する有底円筒体（１ａ）の両側壁に中心線方向の切溝（ ２）を形成し、該有底円筒体（１ａ）の基端面中心にテーパー取付軸（４）を突 設して構成する。

【００２１】 （７ａ）は締め環で、その孔は有底円筒体（１ａ）の外周面のテーパーに合致 するテーパー孔（６ａ）になして有底円筒体（１ａ）に摺動可能に嵌合する。そ の他の符号は、図１乃至図４におけると同一部分を示す。

【００２２】 この構成のものにおいても、図５に示すようにテーパー挟みシヤンク（３ａ） の有底円筒体（１ａ）内にアンカーボルト（１０）の基部を挿入して締め環（７ ａ）を有底円筒体（１ａ）の先端方向へ叩き込めば、上記と同様に作用し、有底 円筒体（１ａ）の上下片によりアンカーボルト（１０）を押圧挟持してアンカー ボルト（１０）は有底円筒体（１ａ）に固定するから、その後、上記と同様に作 業することができる。

【００２３】 図６は、本考案の第三実施例を示し、その構成は、第一実施例のテーパー挟み シヤンク（３）の一体に形成したテーパー取付軸（４）に代えて別個の取付軸を 設けたものであり、（３ｂ）はテーパー挟みシヤンクで、第一実施例の有底円筒 体（１）と同様に形成した有底円筒体（１ｂ）の基端面中心にねじ孔（１５）を 設け、先端部に六角頭（１６）を形成する取付軸（４ｂ）の先端面中心に突設し たねじ軸（１７）を有底円筒体（１ｂ）のねじ孔（１５）に螺着してテーパー挟 みシヤンク（３ｂ）を構成する。

【００２４】 図７は、本考案の第四実施例を示し、その構成は、第一実施例のテーパー挟み シヤンク（３）の一体に形成したテーパー取付軸（４）に代えて別個の取付軸を 設けたものであり、（３ｃ）はテーパー挟みシヤンクで、第一実施例の有底円筒 体（１）と同様に形成した有底円筒体（１ｃ）の基端面中心に両側が平坦面のテ ーパー孔（１８）を穿ち、両側が平坦面（１９）で先端部をテーパーになしたテ ーパー取付軸（４ｃ）の先端テーパー部を有底円筒体（１ｃ）のテーパー孔（１ ８）内に挿着してテーパー挟みシヤンク（３ｃ）を構成する。

【００２５】 上記テーパー挟みシヤンク（３ｂ）、（３ｃ）においても、上記と同様に作用 する。

【００２６】 また、上記のねじ鉄筋により作製したアンカーボルト（１０）に代え、丸棒の 外周面にねじを加工形成して成るアンカーボルトを使用する場合も、上記と同様 に作用する。

【００２７】

【考案の効果】

本考案のアンカーボルト挟持装置は、下記のような利点がある。

【００２８】 （１） 外周面がねじで所定寸法のボルトの先端部を尖らせて作製したアンカ ーボルトをそのままアンカー打込み機のアンカー挟みシヤンクにより挟持して打 込むから、アンカーボルトにナツトを取付けるためのねじ切りや六角頭形成等の 加工を施す必要が無い。従って、

【００２９】 （イ） アンカーボルトが簡単で、容易安価に作製できる。

【００３０】 （ロ） 現場の急な要請にも対応することができて作業上有益である。

【００３１】 （ハ） アンカーボルトの設置後、そのアンカーボルトの突出基部に直接座金 を嵌合しナツトを螺着して岩盤を支持することができる。

【００３２】 （２） テーパー挟みシヤンクの有底円筒体内にアンカーボルトの基部を嵌合 し、その有底円筒体のテーパー外周面に嵌合する締め環の移動によつてアンカー ボルトの固定および解除を行うから、

【００３３】 （イ） テーパー挟みシヤンクへのアンカーボルトの着脱操作が容易で、作業 性が良い。

【００３４】 （ロ） 締め環の作動は軽快円滑である。

【００３５】 （ハ） アンカーボルトの太さに多少の変化があつても、テーパー挟みシヤン クの有底円筒体によるアンカーボルトの挟持は常に確実堅固である。

【００３６】 （３） 構造は極めて簡単で、容易安価に作製できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第一実施例に係るアンカーボルト挟持
装置によりアンカーボルトを挟持した状態の正面図であ
る。

【図２】同上要部の拡大正断面図で、一部を切欠して示
す。

【図３】同上分解斜面図である。

【図４】そのアンカーボルトを設置した状態の正断面図
である。

【図５】本考案の第二実施例に係るアンカーボルト挟持
装置によりアンカーボルトを挟持した状態の要部の正断
面図で、一部を切欠して示す。

【図６】本考案の第三実施例に係るアンカーボルト挟持
装置によりアンカーボルトを挟持した状態の正断面図
で、一部を切欠して示す。

【図７】本考案の第四実施例に係るアンカーボルト挟持
装置によりアンカーボルトを挟持した状態の正断面図
で、一部を切欠して示す。

【図８】従来の第一実例のアンカーボルトの正面図であ
る。

【図９】従来の第二例のアンカーボルトの正面図であ
る。

【図１０】従来の第三例のアンカーボルトの正面図であ
る。

【符号の説明】

Ａ 岩盤 １ 有底円筒体 ２ 切溝 ３ テーパー挟みシヤンク ４ 取付軸 ５ アダプタ ６ テーパー孔 ７ 締め環 ８ くさり ９ テーパー孔 １０ アンカーボルト １１ 穿孔 １２ 接着剤 １３ 座金 １４ 締付け用ナツト １５ ねじ孔 １６ 六角頭 １７ ねじ軸 １８ テーパー孔 １９ 平坦面 イ アンカーボルト ロ ナツト ハ 溶接 ニ ねじ軸 ホ 座金 ヘ ナツト ト 六角頭

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外周面を中心線方向のテーパーになし基
   部が閉塞して外周面がねじのアンカーボルトの基部が着
   脱可能に嵌合する有底円筒体の両側壁に中心線方向の切
   溝を形成し、該有底円筒体の基端面中心にアンカー打込
   み機のアダプタヘの取付軸を設けたテーパー挟みシヤン
   クと、上記テーパー挟みシヤンクの有底円筒体の外周面
   のテーパーに合致するテーパー孔を設けてその有底円筒
   体に摺動可能に嵌合する締め環とより成るアンカーボル
   ト挟持装置。