JPH06157378A - 1,3−プロパンジオールの製造方法 - Google Patents
1,3−プロパンジオールの製造方法Info
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- JPH06157378A JPH06157378A JP5170155A JP17015593A JPH06157378A JP H06157378 A JPH06157378 A JP H06157378A JP 5170155 A JP5170155 A JP 5170155A JP 17015593 A JP17015593 A JP 17015593A JP H06157378 A JPH06157378 A JP H06157378A
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Abstract
ピオンアルデヒドを製造し、次いで接触水素添加するこ
とによる1,3−プロパンジオール(PD)の新規製造
方法を提供する。 【構成】 該方法は、PDと収率を低下させる副生成物
として生じる4−オキサ−1,7−ヘプタンジオール
(OD)とを含有する反応混合物を後処理する際に、蒸
留的に分離したODを水溶液中で100〜300℃で酸
性の固体触媒を用いて処理し、該触媒を除去した、PD
及びODを含有する反応混合物を後処理工程に戻すこと
よりなる。 【効果】 1,3−プロパンジオールが容易に高い収率
で得られ、かつ副生成物は低い収率で得られる。
Description
て3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド(HPA)に
し、引続き、接触水素添加することを基礎とする1,3
−プロパンジオール(PD)の製造方法に関する。本発
明によれば、該方法から副生成物として生じる4−オキ
サ−1,7−ヘプタンジオール(OD)から、同様に
1,3−プロパンジオールが得られる。
テル及びポリウレタンのためのモノマー成分として、並
びに環式化合物を合成するための出発物質として多種多
様の適用性を有する。
は、C2及びC1基本単位からなる分子構造から、又は有
利にはC3−基本単位、例えば特にアクロレインから直
接出発する種々の方法が公知である。1,3−プロパン
ジオールを製造するためにアクロレインから出発する方
法は、2反応工程、すなわち(a)アクロレインの酸性
水加触媒の存在下での水加及び(b)3−ヒドロキシプ
ロピオンアルデヒドを含有する、未反応アクロレインを
除去した工程(a)の反応混合物の接触水素添加を基礎
とする。1,3−プロパンジオールの他に、水及び4−
オキサ−1,7−ヘプタンジオールを含む1,3−プロ
パンジオールより高沸点の副生成物をも含有する工程
(b)の反応混合物を蒸留後処理することにより純粋な
1,3−プロパンジオールが得られる。
に示す。
あるように、水加は、高温で、アクロレインの5〜30
重量%水溶液を使用して、酸、例えば硫酸、燐酸又はこ
れらの酸の酸性塩の存在下で水加する、その際、3−ヒ
ドロキシプロピオンアルデヒドが生じる。未反応アクロ
レインを除去した反応混合物の水素添加は、1種以上の
水素添加作用する金属、例えばFe、Co、Ni、C
u、Ag、Mo、W、V、Cr、Rh、Pd、Os、I
r、Ptを含有する常用の水素添加触媒を用いて行うこ
とができる。1,3−プロパンジオールの収率は、決定
的に水加工程の選択性に影響される。従って、水加を高
い選択性を持って工業的規模で簡単に実施可能にするた
めに、種々の触媒系が開示された。例えば、水加触媒と
しては、ホスホン酸基を有するカチオン交換樹脂(ドイ
ツ国特許出願公開第3926136号明細書)、キレー
ト形成イオン交換体、例えばメチレンイミノ二酢酸−ア
ンカー基を有するもの(ドイツ国特許出願公開第403
8192号明細書)、反応混合物中で2〜5のpH値を
生ぜしめる、有機カルボン酸又は燐酸及びこれらの酸の
塩からなる酸/塩基緩衝剤(ドイツ特許出願番号P.4
138981.6)並びに部分的に1価の酸で、水によ
り溶離不可能な形で被覆されている塩基性活性中心を有
する無機担体物質(ドイツ国特許出願番号P.4138
982.4)が開示された。通常は、水加するためにア
クロレイン/水混合物を1:2〜1:20の重量比で使
用し、該反応は30〜120℃で1〜20バールの圧力
でバッチ式に又は連続的に行われる。
合物の接触水素添加は、一般的に2.5〜6.0の範囲
のpH値、及び30〜180℃の範囲の温度で行う。好
ましくは、反応率が50〜95%の範囲内では30〜8
0℃で水素添加を行い、引続き反応率が100%になる
まで100〜180℃で水素添加を行う。ドイツ国特許
出願番号4132663.5の方法によれば、二酸化チ
タンとその上の微細に分散した形で存在する白金とから
なる担体触媒は、高い反能率並びに高い選択性を達成す
るのに非常に良好な水素添加触媒である。
ロピオンアルデヒド(HPA)の接触水素添加により
1,3−プロパンジオールを製造するための、これまで
に公知となったすべての方法の重要な欠点は、特に水加
工程の際の種々の副反応により1,3−プロパンジオー
ルの全体収率が低下するということにある。接触水素添
加からの反応混合物の後処理において、高沸点成分(そ
れぞれ1,3−プロパンジオールより高い沸点)から主
生成物として4−オキサ−1,7−ヘプタンジオール及
び4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−テトラヒド
ロピランが検出された。
は、アクロレインから1,3−プロパンジオールを製造
する冒頭に記載した形式の方法において、1,3−プロ
パンジオールの収率を簡単に高め、かつ廃棄処理すべき
高沸点副生成物の割合を低下させる方法を提供すること
であった。
し、(b)工程(a)の反応混合物を含有する、未反応
アクロレインを除去した3−ヒドロキシプロピオンアル
デヒドを接触水素添加し、かつ(c)水、1,3−プロ
パンジオール及び1,3−プロパンジオールより高沸点
の副生成物を含有する工程(b)の反応混合物を蒸留後
処理する、からなる1,3−プロパンジオールを製造す
る方法において、1,3−プロパンジオールより高沸点
の副生成物から4−オキサ−1,7−ヘプタンジオール
を蒸留により分離し、該4−オキサ−1,7−ヘプタン
ジオールをエーテル分解するために水溶液中で、100
〜300℃で酸性固体触媒を用いて処理し、該固体触媒
を除去した反応混合物を工程(c)に戻すことにより解
決される。
ち水加及び接触水素添加は、自体公知の方法で、例えば
冒頭に記載した文献に記載の方法に基づき行う。本発明
の要旨は、水素添加工程の反応混合物を蒸留後処理
(c)する際に、水及びそれに次いで1,3−プロパン
ジオールを蒸留により取り出すだけではなく、高沸点成
分から4−オキサ−1,7−ヘプタンジオールを蒸留に
より取り出し、引続きエーテル分解に供給することであ
る。全ての高沸点成分をエーテル分解する限り、その際
にはエーテル分解からの全反応混合物を戻す場合に、蒸
留後処理工程(c)において、類似した沸点に起因して
純粋な1,3−プロパンジオールの取得を妨げるような
副生成物、特に3−ヒドロキシメチル−テトラヒドロピ
ランも生成する。
は、それ自体公知の方法で水溶液中で鉱酸の存在下で分
解して1,3−プロパンジオールにすることができる。
しかしながら、このような手段は、エーテル分解の反応
混合物を蒸留後処理工程(c)に戻すことができないの
で好ましくない。鉱酸を使用してエーテル分解の反応混
合物を分離して後処理しても、高い割合の廃水が生ぜし
める。
−ヘプタンジオールをエーテル分解するために酸性の固
体触媒を使用することにより、固体触媒を除去した反応
混合物を、次の後処理手段を全く用いずに蒸留後処理工
程に戻すことができる。このことは本発明による方法の
重要な利点である。本発明による方法のエーテル分解の
ためには、種々の酸性固体触媒、例えばγ−酸化アルミ
ニウム、酸性イオン交換体、天然及び合成ゼオライト及
び酸で水により溶離不可能な形で被覆された無機担体、
例えば燐酸で処理し、引続き焼成した二酸化チタン(ド
イツ特許出願番号P.4138982.4参照)を使用
することができる。種々の酸性固体触媒で得られる、著
しく異なる反応率及び選択性に起因して、固体触媒とし
ては2より大きく約100まで、特に10より大きく4
0までのSi/Al原子比を有する酸性ゼオライトが有
利である。特にZSM5タイプのゼオライトが適してい
る。Yタイプの脱アルミニウム化ゼオライトは同様にエ
ーテル分解を触媒するが、従来の認識によればZSM5
ゼオライトよりも低い長時間安定性を有する。
タンジオールのエーテル分解は希釈又は濃縮水溶液で可
能であるが、4−オキサ−1,7−ヘプタンジオール5
〜40重量%、特に10〜30重量%を含有する溶液を
使用するのが有利である。反応温度により、エーテル分
解の反応率及び選択性は影響される。エーテル分解は1
50〜250℃の温度範囲内で行うのが有利である。エ
ーテル分解の際の水の損失を回避するために、一般的に
は密閉した装置内で反応温度で生じる圧力又はそれより
高い圧力で作業する。
解は、固体触媒が存在する反応に適した常用の反応器中
でバッチ式又は連続的に行うことができる。固体触媒を
固床反応器内に配置し、4−オキサ−1,7−ヘプタン
ジオールの水溶液を所望の反応温度で、所望の反応率が
達成されるような空間速度LHSV(liquid hourlyspa
ce veloursity)で固床上誘導するのが特に好ましい。以
下の実施例から明らかなように、問題なく60〜約75
%の範囲内での反応率及び選択性が達成される。従って
本発明による方法により、水加及びそれに次ぐ接触水素
添加の際に副生成物として形成される4−オキサ−1,
7−ヘプタンジオールの大部分を簡単な方法で1,3−
プロパンジオールに転化することが可能である。同時に
廃棄処理すべき高沸点の副生成物の生成は収率増加に相
応する割合で減少する。
明する。
テル分解するための固床触媒の効果を確認するために、
それぞれ10mlスチールフラスコに触媒7mlを充填
し、触媒がちょうど覆われるまで水を加えた。付加的に
水相中の所望のOD濃度に調整するためにODを加え
た。
反応時間振盪した。次いで該試料を噴射水中で急冷し分
析した(c=濃度;PD=1,3−プロパンジオール;
E及びP指数=装入物及び生成物;U=反応率;S=選
択性)。
を有する固床反応器が設けられた実験装置内で、ODの
加水分解を連続的に長時間にわたり行った。反応率及び
選択性を、生成溶液の分析により測定した。該装置は、
OD溶液のための受け器、搬送用HPLCポンプ、前加
熱部分並びに反応管(160×15mm内径)が備え付
けられた熱風炉からなる。反応器を出た後で液体を室温
に冷却した。装置全体を、水の蒸発を回避するために5
0バールの圧力に維持した。生成溶液を規則的時間間隔
で分析した。
であった。温度は、反応率を一定に保つために実験経過
の過程で240℃から250℃に上げた。反応の選択性
は70±3%であった。
2O2kgをアクロレイン400gと混合した。次いで
アクロレインの水加を、イオン交換体 Lewatit TP 208
(H形)を充填した反応管中で行った。反応温度は45
℃;LHSV=0.5h-1であった。引続き、未反応ア
クロレインを減圧(350ミリバール)でHPA水溶液
から分離した。
Aに対する選択性は85%であった(アクロレイン分離
後、HPA濃度=10.4%)。
添加オートクレーブ中で水素添加した。H2圧力は13
5バールであり、反応温度は60℃であった。触媒とし
てラネーニッケル20gを使用した。1,3−プロパン
ジオール(PD)の収率は、使用した3−ヒドロキシプ
ロピオンアルデヒド(HPA)に対して99.8%であ
った。
く2つに分割した。半量に分割した一方から蒸留カラム
中50ミリバールで水を留去した。PD134.1g及
び高沸点物が塔底に残留した。塔底温度を134℃に上
げた後、PD115.1gを蒸留により取り出した。従
って、全工程に及ぶPD収率は83%であった。塔底に
は、高沸点物18.7gが残留した。塔底から20ミリ
バール及び155℃でOD13.1gを蒸留により取り
出した。この13.1gにH2O52.4gを加え、例
7によりZSM5ゼオライト上で反応させた。該生成物
溶液は、未反応OD6.2%及びPD9.6%を含有し
ていた。該溶液を水素添加溶液の他方の半量と一緒にし
た。H2Oの分離後、PD120.4g及びOD16.
5gを留出した。
して、4.6%多いPDが単離された。未反応OD成分
(3.4g)を連続的な方法で再循環させ、選択性約7
0%で反応させたので、PD収率は更に2.4%増加し
た、従って、結果として7%の全体収率増加を生じた。
Claims (6)
- 【請求項1】 工程: (a)アクロレインを酸性水加触媒の存在下で水加し、 (b)3−ヒドロキシプロピオンアルデヒドを含有す
る、未反応アクロレインを除去した工程(a)の反応混
合物を接触水素添加し、かつ (c)水、1,3−プロパンジオール及び1,3−プロ
パンジオールより高沸点の副生成物を含有する工程
(b)の反応混合物を蒸留後処理する、 からなる1,3−プロパンジオールを製造する方法にお
いて、1,3−プロパンジオールより高沸点の副生成物
から4−オキサ−1,7−ヘプタンジオールを蒸留によ
り分離し、4−オキサ−1,7−ヘプタンジオールをエ
ーテル分解するために水溶液中で、100〜300℃で
酸性固体触媒を用いて処理し、該固体触媒を除去した反
応混合物を工程(c)に戻すことを特徴とする、1,3
−プロパンジオールの製造方法。 - 【請求項2】 4−オキサ−1,7−ヘオプタンジオー
ルを5〜40重量%の水溶液の形でエーテル分解する、
請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 エーテル分解のための酸性固体触媒とし
て酸性ゼオライトを使用する、請求項1又は2記載の方
法。 - 【請求項4】 ZSM5タイプのゼオライトを使用す
る、請求項3記載の方法。 - 【請求項5】 エーテル分解を150〜250℃で実施
する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。 - 【請求項6】 4−オキサ−1,7−ヘオプタンジオー
ルの水溶液を、固床反応器中に配置された酸性固体触媒
上を誘導することによりエーテル分解を連続的に実施す
る、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
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