JP2811065B2 - ベンジルアミンの製造法 - Google Patents
ベンジルアミンの製造法Info
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- JP2811065B2 JP2811065B2 JP60269412A JP26941285A JP2811065B2 JP 2811065 B2 JP2811065 B2 JP 2811065B2 JP 60269412 A JP60269412 A JP 60269412A JP 26941285 A JP26941285 A JP 26941285A JP 2811065 B2 JP2811065 B2 JP 2811065B2
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Description
【発明の詳細な説明】
<産業上の利用分野>
本発明は、ベンゾニトリルを接触水素添加し、収率よ
くベンジルアミンを製造する方法に関する。 ベンジルアミンは、工業原料として有用な化合物であ
り、医薬・染料・界面活性剤・化学薬品等多方面にわた
って使用されている。 <従来技術及び問題点> 従来、ベンゾニトリルを接触水素添加してベンジルア
ミンを合成する方法は公知である。例えば、特開昭51−
101930ではベンゾニトリルと水素を連続的に触媒床上で
交流接触させ、ベンジルアミンを得ているが、この場合
同時に副生物としてジベンジルアミンが生成している。 又、米国特許4254059ではルテニウム−ホスフィン錯
体触媒を用いてベンゾニトリルを水素添加しているが、
この場合ルテニウムは貴金属の一種であり、同触媒はか
なり高価なものになり、経済的とは決して言えない。 <問題点を解決するための手段> そこで、本発明者は鋭意検討を重ねた結果、発明を完
成するに到った。すなわち、本発明は、アンモニアの共
存下で、ベンゾニトリルを非還元性の極性溶媒中にラネ
ーニッケルまたはラネーコバルト触媒を懸濁させた不均
一系で水素添加せしめることを特徴とするジベンジルア
ミン含有量の少ないベンジルアミンの製造法である。 ところで、該反応機構は第1図の通り、出発原料が広
範囲の触媒によって接触的に還元され、各中間体を経て
目的物あるいは副生物に到るものと推察される。 以下に本発明をより詳しく説明する。本発明において
原料に用いるベンゾニトリルは一般的に工業原料として
容易に入手可能であり、特別の精製等を要しない。 アンモニアの添加量はベンゾニトリルに対して0.2〜
2.0モル倍、好ましくは0.5〜1.5モル倍の範囲で使用さ
れる。同数値より少ないとジベンジルアミンの副生率が
増加し、それより多いと反応後のアンモニア回収工程で
のアンモニアロスが増加するので不都合である。 触媒は、一般的な水素添加用触媒のうち、安価なラネ
ーニッケルあるいはラネーコバルトが使用されることが
必須である。その使用量はベンゾニトリルに対して2〜
12wt%、好ましくは5〜10wt%の範囲である。 又、通常、反応溶媒として非還元性の極性溶媒、例え
ば、水、メタノール、エタノール等が利用されることが
必須であり、その使用量はベンゾニトリルに対して、1.
0〜5.0重量倍の範囲にするのが必須である。この範囲に
することにより高い収率を達成することができる。 本発明における反応温度は50〜150℃の範囲で実施可
能であるが、反応速度等を考慮すれば80〜120℃の範囲
が望ましい。又、反応圧力(水素分圧)は50〜150kg/cm
2Gの範囲なら任意であるが、反応装置の設計上の問題点
及び該反応性等から80〜120kg/cm2Gの範囲が好ましい。 このようにして得られた反応粗液は通常、触媒を別
した後、アンモニア−メタノールを常圧で留去させる。
留去したアンモニアはスクラバーにて冷却されたメタノ
ールに吸収され、反応系へリサイクルされる。一方、脱
溶媒後の粗ベンジルアミンは、一般に用いられる蒸溜設
備によって容易に精製される。 <発明の効果) 本発明の方法によれば、前記した従来技術の欠点を排
除し、例えばラネーニッケルあるいはラネーコバルトの
如き安価な触媒が使用でき、ジベンジルアミンの副生を
抑制する等、しかも収率よく、容易に目的物を得ること
ができる。 <実施例> 次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説
明する。 実施例1. 1の電磁撹拌式オートクレーブを使用して、ベンゾ
ニトリル110gを、アンモニア性メタノール(アンモニア
濃度12.9wt%)2879に溶解し(アンモニア/出発原料=
2.06モル倍)、ラネーニツケル触媒10gを添加した後、
反応温度100℃に加熱し、水素圧力100kg/cm2Gで反応さ
せた。 結果、2時間後の反応粗液のガスクロマトグラフ分析
注1)によると、ベンゾニトリルは完全に消失し、生成
物としてはベンジルアミン92.9%、ジベンジルアミン1.
78%、その他5.32%であった。 注1) 数値はメタノールを除いた百分率を表わす。以
下同じ。 次いで、20段の多孔板塔を使用して、触媒を別した反
応粗液350gを常圧で脱メタノール(脱アンモニア)した
後、得られた缶液を、100Torrの減圧下、還流比5で精
溜し、ベンジルアミン105gを得た(主留分108〜114℃/1
00Torr)(純度99.2%)。全収率は91.9%であった。 比較例 実施例1と同じ条件でアンモニアを添加せずに反応を
行なった。 結果、2時間後の反応粗液のガスクロマトグラフ分析
ではベンジルアミン61.1%、ジベンジルアミン20.4%で
あった(ベンゾニトリル転化率99.2%)。 実施例2. 触媒濃度(対出発原料)を5.0w%及びアンモニア/出
発原料を第1表に示した数値に変更し、実施例1と同じ
条件で反応を行なった。 結果、2時間後の反応粗液のガスクロマトグラフ分析
は第1表の通り。 実施例3. 触媒をラネーコバルト10gに変更し、実施例1と同じ
条件で反応を行なった。 結果、2時間後の反応粗液のガスクロマトグラフ分析
ではベンジルアミン92.7%、ジベンジルアミン2.26%で
あった(ベンゾニトリル転化率100%)。
くベンジルアミンを製造する方法に関する。 ベンジルアミンは、工業原料として有用な化合物であ
り、医薬・染料・界面活性剤・化学薬品等多方面にわた
って使用されている。 <従来技術及び問題点> 従来、ベンゾニトリルを接触水素添加してベンジルア
ミンを合成する方法は公知である。例えば、特開昭51−
101930ではベンゾニトリルと水素を連続的に触媒床上で
交流接触させ、ベンジルアミンを得ているが、この場合
同時に副生物としてジベンジルアミンが生成している。 又、米国特許4254059ではルテニウム−ホスフィン錯
体触媒を用いてベンゾニトリルを水素添加しているが、
この場合ルテニウムは貴金属の一種であり、同触媒はか
なり高価なものになり、経済的とは決して言えない。 <問題点を解決するための手段> そこで、本発明者は鋭意検討を重ねた結果、発明を完
成するに到った。すなわち、本発明は、アンモニアの共
存下で、ベンゾニトリルを非還元性の極性溶媒中にラネ
ーニッケルまたはラネーコバルト触媒を懸濁させた不均
一系で水素添加せしめることを特徴とするジベンジルア
ミン含有量の少ないベンジルアミンの製造法である。 ところで、該反応機構は第1図の通り、出発原料が広
範囲の触媒によって接触的に還元され、各中間体を経て
目的物あるいは副生物に到るものと推察される。 以下に本発明をより詳しく説明する。本発明において
原料に用いるベンゾニトリルは一般的に工業原料として
容易に入手可能であり、特別の精製等を要しない。 アンモニアの添加量はベンゾニトリルに対して0.2〜
2.0モル倍、好ましくは0.5〜1.5モル倍の範囲で使用さ
れる。同数値より少ないとジベンジルアミンの副生率が
増加し、それより多いと反応後のアンモニア回収工程で
のアンモニアロスが増加するので不都合である。 触媒は、一般的な水素添加用触媒のうち、安価なラネ
ーニッケルあるいはラネーコバルトが使用されることが
必須である。その使用量はベンゾニトリルに対して2〜
12wt%、好ましくは5〜10wt%の範囲である。 又、通常、反応溶媒として非還元性の極性溶媒、例え
ば、水、メタノール、エタノール等が利用されることが
必須であり、その使用量はベンゾニトリルに対して、1.
0〜5.0重量倍の範囲にするのが必須である。この範囲に
することにより高い収率を達成することができる。 本発明における反応温度は50〜150℃の範囲で実施可
能であるが、反応速度等を考慮すれば80〜120℃の範囲
が望ましい。又、反応圧力(水素分圧)は50〜150kg/cm
2Gの範囲なら任意であるが、反応装置の設計上の問題点
及び該反応性等から80〜120kg/cm2Gの範囲が好ましい。 このようにして得られた反応粗液は通常、触媒を別
した後、アンモニア−メタノールを常圧で留去させる。
留去したアンモニアはスクラバーにて冷却されたメタノ
ールに吸収され、反応系へリサイクルされる。一方、脱
溶媒後の粗ベンジルアミンは、一般に用いられる蒸溜設
備によって容易に精製される。 <発明の効果) 本発明の方法によれば、前記した従来技術の欠点を排
除し、例えばラネーニッケルあるいはラネーコバルトの
如き安価な触媒が使用でき、ジベンジルアミンの副生を
抑制する等、しかも収率よく、容易に目的物を得ること
ができる。 <実施例> 次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説
明する。 実施例1. 1の電磁撹拌式オートクレーブを使用して、ベンゾ
ニトリル110gを、アンモニア性メタノール(アンモニア
濃度12.9wt%)2879に溶解し(アンモニア/出発原料=
2.06モル倍)、ラネーニツケル触媒10gを添加した後、
反応温度100℃に加熱し、水素圧力100kg/cm2Gで反応さ
せた。 結果、2時間後の反応粗液のガスクロマトグラフ分析
注1)によると、ベンゾニトリルは完全に消失し、生成
物としてはベンジルアミン92.9%、ジベンジルアミン1.
78%、その他5.32%であった。 注1) 数値はメタノールを除いた百分率を表わす。以
下同じ。 次いで、20段の多孔板塔を使用して、触媒を別した反
応粗液350gを常圧で脱メタノール(脱アンモニア)した
後、得られた缶液を、100Torrの減圧下、還流比5で精
溜し、ベンジルアミン105gを得た(主留分108〜114℃/1
00Torr)(純度99.2%)。全収率は91.9%であった。 比較例 実施例1と同じ条件でアンモニアを添加せずに反応を
行なった。 結果、2時間後の反応粗液のガスクロマトグラフ分析
ではベンジルアミン61.1%、ジベンジルアミン20.4%で
あった(ベンゾニトリル転化率99.2%)。 実施例2. 触媒濃度(対出発原料)を5.0w%及びアンモニア/出
発原料を第1表に示した数値に変更し、実施例1と同じ
条件で反応を行なった。 結果、2時間後の反応粗液のガスクロマトグラフ分析
は第1表の通り。 実施例3. 触媒をラネーコバルト10gに変更し、実施例1と同じ
条件で反応を行なった。 結果、2時間後の反応粗液のガスクロマトグラフ分析
ではベンジルアミン92.7%、ジベンジルアミン2.26%で
あった(ベンゾニトリル転化率100%)。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.アンモニアの共存下で、ベンゾニトリルをベンゾニ
トリルに対して1〜5重量倍の非還元性の水酸基を有す
る極性溶媒中にラネーニッケルまたはラネーコバルト触
媒を懸濁させた不均一系で水素添加せしめることを特徴
とするジベンジルアミン含有量の少ないベンジルアミン
の製造方法。 2.水酸基を有する極性溶媒が水、メタノール、エタノ
ールから選ばれるいずれか一つである特許請求の範囲第
(1)項記載のベンジルアミンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60269412A JP2811065B2 (ja) | 1985-12-02 | 1985-12-02 | ベンジルアミンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60269412A JP2811065B2 (ja) | 1985-12-02 | 1985-12-02 | ベンジルアミンの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62129257A JPS62129257A (ja) | 1987-06-11 |
JP2811065B2 true JP2811065B2 (ja) | 1998-10-15 |
Family
ID=17472053
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60269412A Expired - Lifetime JP2811065B2 (ja) | 1985-12-02 | 1985-12-02 | ベンジルアミンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2811065B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020152711A1 (en) * | 2019-01-25 | 2020-07-30 | Srf Limited | Process for preparation of halogenated benzylamine and intermediates therof |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19908943A1 (de) * | 1999-03-02 | 2000-09-07 | Bayer Ag | Verfahren zur Herstellung von Bistrifluormethylbenzylaminen |
DE10235312A1 (de) * | 2002-08-01 | 2004-02-12 | Basf Ag | Verfahren zur Herstellung von Aminoalkoxybenzylaminen und Aminoalkoxybenzonitrilen als Zwischenprodukte |
TWI306092B (en) | 2003-03-11 | 2009-02-11 | Wyeth Corp | Process for preparation of phenethylamine derivatives |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4163025A (en) * | 1975-01-16 | 1979-07-31 | Miles Laboratories, Inc. | Process for the production of benzylamine and dibenzylamine |
US4186146A (en) * | 1979-02-01 | 1980-01-29 | Suntech, Inc. | Hydrogenation of aromatic nitriles to primary amines |
JPS6056790B2 (ja) * | 1982-07-28 | 1985-12-11 | 川崎製鉄株式会社 | 片面のみ合金化処理した溶融亜鉛めつき鋼板の製造方法 |
-
1985
- 1985-12-02 JP JP60269412A patent/JP2811065B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020152711A1 (en) * | 2019-01-25 | 2020-07-30 | Srf Limited | Process for preparation of halogenated benzylamine and intermediates therof |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62129257A (ja) | 1987-06-11 |
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