JPH0615577B2 - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法

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JPH0615577B2
JPH0615577B2 JP13702088A JP13702088A JPH0615577B2 JP H0615577 B2 JPH0615577 B2 JP H0615577B2 JP 13702088 A JP13702088 A JP 13702088A JP 13702088 A JP13702088 A JP 13702088A JP H0615577 B2 JPH0615577 B2 JP H0615577B2
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vinyl chloride
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、塩化ビニル系重合体の製造方法に関し、特に
高品質の塩化ビニル系重合体を、高い生産性で製造する
ことができる塩化ビニル系重合体の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
塩化ビニル系重合体の製造時、重合開始剤を仕込み用配
管及び重合器の仕込み口を通じて重合器内に供給した
後、配管及び仕込み口に重合開始剤が付着、残留し、重
合中に単量体と反応して重合体スケールを生成させるこ
とがある。
そこで、配管及び仕込み口に付着、残留した重合開始剤
を除去し、重合体スケールの生成を防止する方法とし
て、配管及び仕込み口を有機溶剤で洗浄する方法、さら
に洗浄後、仕込み口を閉じて単量体の侵入を阻止する方
法などが提案されている。しかし、これらの方法では、
洗浄に使用した有機溶剤が製品である重合体中に残留し
て成形加工時の悪臭発生の原因となる。
このような問題を解決するために、重合開始剤を水性エ
マルジョン化して仕込み、洗浄用の有機溶剤を使用しな
い方法が提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上記水性エマルジョン化した重合開始剤を使用
する方法においても、やはり重合開始剤が配管及び仕込
み口に付着、残留することがあり、長期間にわたって重
合を行うと重合体スケールが生成してしまう問題があっ
た。
そこで本発明の目的は、仕込み後、配管等に残留した重
合開始剤を効果的に除去できるため、重合体スケールの
生成を防止することができ、しかも有機溶剤を使用しな
いため高品質の製品重合体を得ることができる塩化ビニ
ル系重合体の製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記課題を解決するものとして、塩化ビニル
又は塩化ビニルを含むビニル系単量体を水性媒体中にお
いて重合する塩化ビニル系重合体の製造方法において、
重合開始剤を水性エマルジョン化して重合器内に導入
後、重合器内に通ずる仕込み用配管及び重合器の仕込み
口を、外部から加熱することを特徴とする塩化ビニル系
重合体の製造方法を提供するものである。
本発明の方法において、重合器内に通ずる仕込み用配管
及び重合器の仕込み口とは、主として重合開始剤を重合
器内へ供給する配管及び該配管が連結された重合器の開
始剤仕込み口をいうが、必要に応じて他の配管及び仕込
み口、例えば単量体又はその他の添加剤の供給用配管及
び仕込み口を外部から加熱する場合も含む。
本発明の方法は、水性エマルジョン化した重合開始剤を
仕込んだ後、配管及び仕込み口を外部から加熱し、該配
管及び仕込み口に付着、残留する重合開始剤を分解して
除去する。配管及び仕込み口を外部から加熱する方法と
しては、配管及び仕込み口の外側周囲に接置した加熱用
ジャッケット又は二重管構造にした配管の外側管と内側
管の間等に水蒸気、温水、加熱した溶剤又は油等の加熱
された流体を通じて加熱する方法によって行うことがで
きる。水蒸気を使用する場合、用いられる水蒸気は、工
場内の他工程で使用又は発生する水蒸気を利用すること
ができる。
加熱の温度は、使用される重合開始剤が分解する温度で
あればよく、通常、好ましくは80℃以上、さらに好まし
くは100℃以上であり、100℃以上で加熱すると重合開始
剤の分解を迅速に行わせることができる。
本発明において水性エマルジョン化されて用いられる重
合開始剤は、特に限定されず、従来の塩化ビニル系重合
体の製造に用いられるもの、例えば、ジイソプロピルパ
ーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパー
オキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジ
カーボネートなどのパーカーボネート化合粉;t−ブチ
ルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシピ
バレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、α−ク
ミルパーオキシネオデカネートなどのパーエステル化合
物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド、
2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェ
ノキシアセテート、3,5,5−トリメチルヘキサノイ
ルパーオキシドなどの過酸化物;アゾビス−2,4−ジ
メチルバレロニトリル、アゾビス(4−メトキシ−2,
4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;過硫
酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等が挙げ
られる。これらは1種単独でも2種以上でも用いること
ができる。
本発明においては、上記重合開始剤を分散剤を用いて水
性エマルジョンとし、通常、粘度を調整してから重合器
内に仕込んで重合を開始させる。上記分散剤は、一般の
塩化ビニルの懸濁重合、乳化重合等に用いられるもので
よく、例えば、部分けん化ポリビニルアルコール、セル
ロースエーテル類、水溶性でんぷん系エーテル類、ポリ
アクリル酸、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレ
ート等を挙げることができる。
本発明の方法は、従来公知の塩化ビニル又は塩化ビニル
を含むビニル系重合体混合物のいずれの重合にも適用す
ることができる。重合形式も限定されず、例えば懸濁重
合、乳化重合が挙げられる。
塩化ビニル以外のビニル系単量体としては、例えば、エ
チレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−
ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、
1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリ
デセン、1−テトラデセン等のα−オレフィン、アクリ
ル酸及びそのエステル類、メタクリル酸及びそのエステ
ル類、マレイン酸及びそのエステル類、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、アルキルビニルエーテル等のビニル
化合物;無水マレイン酸;アクリロニトリル;スチレ
ン;塩化ビニリデン;その他塩化ビニルと共重合可能な
単量体及びこれらの混合物が挙げられる。
この重合に際して分散剤を使用する場合は、使用される
分散剤は、特に限定されず、従来一般に使用されている
ものでよい。例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
などの水溶性セルロースエーテル;部分けん化ポリビニ
ルアルコール;アクリル酸重合体;ゼラチンなどの水溶
性ポリマー;ソルビタンモノラウレート、ソルビタント
リオレート、グリセリントリステアレート、エチレンオ
キシドプロピレンオキシドブロックコポリマーなどの油
溶性乳化剤;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレ
ート、ポリオキシエチレングリセリンオレート、ラウリ
ン酸ナトリウムなどの水溶性乳化剤などが挙げられる。
これらは1種単独でも2種以上でも用いることができ
る。
本発明の方法における重合に際しての他の条件、例えば
重合器への水性媒体、塩化ビニルその他のビニル系単量
体、分散剤などの仕込み方法は、従来と同様にして行え
ばよく、特に限定されない。またこれらの仕込み割合、
重合温度などの重合条件も同様である。
さらに必要に応じて、塩化ビニル系重合体の製造に通常
使用される重合調整剤、連鎖移動剤、pH調整剤、ゲル化
改良剤、帯電防止剤、スケール防止剤などを添加するこ
とも任意である。
〔実施例〕
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。
実施例1 内容積2000のステンレス製重合器に、脱イオン水980k
g、部分けん化ポリビニルアルコール382g及び水溶性メ
チルセルロース143gを仕込み、重合器内を脱気した
後、塩化ビニル700kgを仕込んだ。次にジ−2−エチル
ヘキシルパーオキシジカーボネートの50%水性エマルジ
ョン580gを定量ポンプを用いて重合器内に導入後、重
合開始剤が流通した配管及び仕込み口の外側に設けた加
熱用ジャッケットに水蒸気(120℃)を3分間通じて配
管及び仕込み口を100℃に加熱した。
重合器内を撹拌しながら、60℃まで昇温して重合を開始
させ、重合器の内圧が6.0kg/cm2に低下したところで重
合を停止し、未反応単量体を回収し、脱水、乾燥して塩
化ビニル重合体を得た。
重合後、重合開始剤の仕込み用配管及び仕込み口を分解
して、これらの箇所の重合体スケールの付着状態を観察
し、下記の基準で評価するとともに、重合体中の残存有
機溶剤量を下記の方法で測定した。結果を表1に示す。
(スケールの付着状態の評価方法) A……スケールの付着なし。
B……スケールが少々付着した。
C……スケールが多量に付着し、仕込み口を閉塞した。
(残存有機溶剤量の測定方法) 得られた重合体5gをバイアル瓶に入れ、130℃で30分
間加熱処理を行い、バイアル瓶気相部のガスクロマトグ
ラフィーによる分析を行い、測定した残存溶剤量をppm
で示した。
実施例2〜3 各例において、実施例1と同様の重合を100回(実施例
2)又は1000回(実施例3)繰り返した後、同様に重合
体スケールの付着状態の観察及び得られた重合体中の残
存有機溶剤量を測定した。結果を表1に示す。
比較例1〜2 仕込み用配管及び仕込み口を加熱せず、トルエン300cc
(比較例1)又はn−ヘキサン300cc(比較例2)で洗
浄した以外はは、実施例1と同様の重合を100回繰り返
した後、同様に重合体スケールの付着状態の観察及び得
られた重合体中の残存有機溶剤量を測定した。結果を表
1に示す。
比較例3 仕込み用配管及び仕込み口を加熱せず、かつ洗浄を行わ
なかった以外は実施例1と同様にして重合を行い、同様
に重合体スケールの付着状態の観察及び得られた重合体
中の残存有機溶剤量を測定した。結果を表1に示す。
〔発明の効果〕 発明の塩化ビニル系重合体の製造方法は、重合体スケー
ルの生成を防止することができるため重合体スケールの
除去作業が不要であり、高い生産性で塩化ビニル系重合
体を製造することができる。しかも、製品重合体中に残
存する有機溶剤がないため、品質の優れた塩化ビニル系
重合体を得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル又は塩化ビニルを含むビニル系
    単量体を水性媒体中において重合する塩化ビニル系重合
    体の製造方法において、重合開始剤を水性エマルジョン
    化して重合器内に導入後、重合器内に通ずる仕込み用配
    管及び重合器の仕込み口を、外部から加熱することを特
    徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法。
JP13702088A 1988-05-19 1988-06-03 塩化ビニル系重合体の製造方法 Expired - Lifetime JPH0615577B2 (ja)

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ES8901678A ES2012001A6 (es) 1988-05-19 1989-05-18 Un procedimiento de preparacion de un polimero de cloruro de vinilo.
PT90606A PT90606B (pt) 1988-05-19 1989-05-18 Processo para a preparacao de polimeros de cloreto de vinilo
US07/353,766 US4985524A (en) 1988-05-19 1989-05-18 Process of polymerizing vinyl chloride with post-heating of charging passage

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