JPH06151383A - 高誘電率を有する多元系酸化物膜のエッチング方法、高融点金属含有膜のエッチング方法、薄膜キャパシタ素子の製造方法およびその方法を実施するためのプラズマ処理装置 - Google Patents

高誘電率を有する多元系酸化物膜のエッチング方法、高融点金属含有膜のエッチング方法、薄膜キャパシタ素子の製造方法およびその方法を実施するためのプラズマ処理装置

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JPH06151383A
JPH06151383A JP4302703A JP30270392A JPH06151383A JP H06151383 A JPH06151383 A JP H06151383A JP 4302703 A JP4302703 A JP 4302703A JP 30270392 A JP30270392 A JP 30270392A JP H06151383 A JPH06151383 A JP H06151383A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高誘電率を有する多元系酸化物膜や、高融点
金属含有膜のエッチング方法として有機系レジスト膜を
使用し、そのマスクとの選択性の高い方法また、上記エ
ッチング後の被処理膜の表面の劣化を回復させる後処理
方法、さらに上記エッチング方法を用いた薄膜キャパシ
タ素子の製造方法、上記エッチング方法と後処理方法に
適したエッチング装置を提供する。 【構成】 揮発性有機金属を生成する有機ガスをエッチ
ングガスとして用いて高誘電率を有する多元系酸化物膜
や、高融点金属含有膜をエッチングする。エッチングガ
スとして炭化水素系ガス、アルコキシル基を生成するガ
ス、あるいはそれらの還元性ガスとハロゲン系ガス等と
の混合ガスが用いられる。多元系酸化物膜のエッチング
工程の終了後にその膜の表面を酸素等のガスで後処理を
行なう。上記のエッチング方法を用いて薄膜キャパシタ
が製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高誘電率を有する多元系
酸化物膜(以下、多元系酸化物高誘電率膜と称する)、
高融点金属膜または高融点金属化合物膜のエッチング方
法、エッチングの後処理方法及び薄膜キャパシタ素子の
製造方法、またそれらの方法を実施するための装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、DRAM等の薄膜キャパシタ素子
の誘電体としてはシリコン酸化膜(SiO2 )が、同素
子の電極としてはポリシリコンが多く用いられていた。
しかしながら、DRAM等の高集積化に伴い、キャパシ
タ面積が小さくなってきた。一方、例えばDRAMに必
要なセル容量(キャパシタの静電容量)は、集積化が進
んでもセンスアンプの感度、ビット線容量、耐放射線ソ
フトエラー対策等の観点から約30fFは必要である。
【0003】キャパシタの静電容量は、C=ε0 ε1
/tで表現できる。ここで、ε0 は真空の誘電率で定数
である。このためCを一定の大きさに保つには、キャパ
シタ(有効)面積Aを大きくするか、キャパシタ薄膜の
厚さtを薄くするか、キャパシタ材料の比誘電率ε1
大きくするかしなければならない。
【0004】これまでのDRAM等の集積化に対して
は、前二者の手法すなわちAを増加し、tを減少させる
方法が採用され、微小な基板表面積の何倍もの有効キャ
パシタ面積を得るために、種々の立体構造が提案されて
きた。しかしながら、キャパシタを立体構成にすると、
プロセスの複雑化による工程数の増加と段差の増大によ
る歩留りの低減が問題になり、これらの手法では今後の
DRAM等の高集積化の実現が困難であると考えられ
る。このため、残された方法としてはキャパシタ材料の
比誘電率ε1 を大きくすることであり、比誘電率の大き
な材料として以下、多元系酸化物材料について説明す
る。
【0005】多元系酸化物高誘電率材料として代表的な
強誘電体はABO3 なる化学式で表され、Aは2価また
は1価の金属原子、Bは4価または5価の金属原子であ
り、Oは酸素原子である。そしてその結晶構造の一例を
代表的なBaTiO3 を例に説明すると、この結晶は常
誘電相で立方晶系に属し、その単位胞は、体心にある小
さな陽イオンである(Ti4 + )が、面心の位置にある
6個の陰イオン(O2 - )によって正八面体的に囲ま
れ、立方体の角の位置に大きな陽イオン(Ba2 + )が
存在するペロブスカイト型構造をもつ。
【0006】これら多元系酸化物高誘電率材料をDRA
M等の半導体メモリのキャパシタ材料として使用するた
めには、その薄膜化と共に微細加工技術の開発が重要で
ある。これらの微細加工技術としては現在までに、ウエ
ットエッチングとして例えば特開昭50−122477
号公報、或いは特開昭57−123826号公報等に示
されている。また、イオンミーリング、イオンビームエ
ッチングとして例えば「アプライド オプティック
ス」,25巻、(1986年)1508頁から1510
頁、レーザエッチングとして例えば「ジャーナル オブ
アプライド フィジックス」、62巻、(1987
年)、1511頁から1514頁等が報告されている。
【0007】プラズマエッチングは放電により生成され
る活性な反応種を用い、揮発性のある反応生成物を形成
しエッチングが進行する。この技術は現在の半導体IC
の微細加工に多く使用され微細加工性、生産性にも優れ
ている。多元系酸化物高誘電率膜材料においても近年
「ジャーナル オブ アプライド フィジックス」70
巻、(1991年)、3385頁から3387頁にプラ
ズマエッチングの実験例が報告されており、その実験例
では、CF4 単体またはHClとの混合ガスを用い20
0℃以上の基板加熱を行なってエッチングが実施されて
いる。
【0008】次に上記多元系酸化物高誘電率膜に適した
キャパシタの電極材料について述べる。比誘電率の大き
な多元系酸化物を直接シリコン上に成膜すると界面にシ
リコン酸化物が生成し、合成誘電率の低下或いは抗電界
の増大が生じる。このため多元系酸化物高誘電率膜に適
したキャパシタの電極材料は次の条件を満たす必要があ
る。第一に耐酸化性に優れていること、第二に多元系酸
化物高誘電率膜との整合性が良いこと、第三にシリコン
や多元系酸化物高誘電率膜に対して相互拡散が無く、シ
リコン酸化膜との密着性が良いことである。
【0009】上記の条件を満たす材料として、白金、パ
ラジウム、イリジウム、金、ルテニウム、レニウム、オ
スミウム、ロジウム等の金属或いはリン化白金、酸化白
金、酸化パラジウム、酸化イリジウム、酸化金、酸化ル
テニウム、酸化レニウム、酸化オスミウム、酸化ロジウ
ム、白金シリサイド、パラジウムシリサイド、イリジウ
ムシリサイド、金シリサイド、ルテニウムシリサイド、
レニウムシリサイド、オスミウムシリサイド、ロジウム
シリサイド等の金属化合物がある。これらを多元系酸化
物高誘電率材料と同様にDRAM等の半導体メモリのキ
ャパシタ材料として使用するためには、その薄膜化と共
に微細加工技術の開発がやはり重要である。これらの微
細加工技術としては現在までに、白金のドライエッチン
グ方法としては、「ジャーナル オブ アプライド フ
ィジックス」68巻、(1990年)、2415頁から
2423頁にマイクロ波放電による酸素プラズマを用い
たエッチングの実験例が報告されており、また「第52
回応用物理学会学術講演会」(1991年)、講演ナン
バー「p−ZF−17」にECR放電を用いた塩素或い
は臭化水素のどちらか一つと酸素の混合ガスのプラズマ
を用いたエッチング例がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術による多元系酸化物高誘電率膜の微細加工では以下
のような欠点があった。ウエットエッチングでは2μm
以下の微細加工は困難であるため、集積化に限界があ
る。またイオンミーリング、イオンビームエッチングは
スループット(生産性)が低く、量産には向かないと共
に、薄膜或いは下地材料に損傷を与える可能性が高い。
またレーザエッチングはエッチング速度の制御性、均一
性また生産性に問題が多い。
【0011】ハロゲン系の反応ガスを用いたプラズマエ
ッチングでは、多元系酸化物高誘電率膜材料を構成する
金属元素のハロゲン化物の蒸気圧が極めて低いため、基
板加熱機構の無い通常の装置でエッチングを行なうと、
基板上にハロゲン系反応生成物が残り、エッチングが進
行しない、またはエッチング速度が低いという問題点が
ある。このため基板を200℃以上に加熱する、または
放電電力を高める、またはその組み合わせという手段で
ハロゲン系反応生成物の蒸発を促進する必要がある。
【0012】前者の技術では基板温度を200℃以上に
加熱するため、マスク材料として量産性に優れる有機系
レジストの使用ができないという欠点があり、後者の技
術では放電電力が高いため、プラズマ中のイオンのエネ
ルギが高くなり、同じく有機系レジストマスクでは被エ
ッチング加工物との選択比が低いという問題点があっ
た。また有機系レジストマスクを用いるためには、基板
温度を下げる、または放電電力を下げる必要が有り、こ
の条件では被加工物のエッチング速度が低いという問題
点もあった。
【0013】またエッチングの後処理に関しては、ハロ
ゲン系の反応ガスを用いたプラズマエッチング時に多元
系酸化物高誘電率膜において、プラズマからのイオン衝
撃により構成元素中の酸素原子が脱離し、金属原子とハ
ロゲンガスとが反応することによってエッチングが進行
する。このため、エッチング処理後の被加工物の表面は
酸素原子が一部欠損した状態となっている。その結果、
たとえば上記多元系酸化物高誘電率膜をDRAM等のキ
ャパシタとして使用する場合、側面部分の抵抗率が減少
し、よって漏れ電流が増加し、キャパシタとしての性能
が劣化するという問題点があった。
【0014】また従来技術による高融点金属または高融
点金属化合物の微細加工例では、酸素ガスを用いた白金
のプラズマエッチングでは、白金との反応生成物の蒸気
圧が極めて低いため、基板加熱機構の無い通常の装置で
エッチングを行なうと、基板上に反応生成物が残り、エ
ッチングが進行しない、またはエッチング速度が低いと
いう問題点がある。このため、基板を200℃以上に加
熱して生成物の蒸発を促進する必要がある。また基板温
度を200℃以上に加熱すると、マスク材料として量産
性に優れる有機系レジストの使用ができないという欠点
がある。
【0015】またハロゲン系ガスを用いた白金のプラズ
マエッチングの従来例では、白金との反応生成物の蒸気
圧が低いため、充分なエッチング速度を得るためには、
プラズマ中のイオンのエネルギを高める、或いは基板温
度を加熱する必要があった。プラズマ中のイオンエネル
ギを高めると、生産性の高い有機系レジストマスクでは
被エッチング加工物との選択比が低く、また同じ理由で
下地膜との選択比を充分に確保することも難しかった。
また基板温度を加熱すると耐熱性の無い有機系レジスト
マスクを使用できないという問題点があった。
【0016】また通常、多元系酸化物高誘電率膜のエッ
チングを行なうと、エッチング中に被処理膜の側面が反
応性のガス、荷電粒子等により劣化し、エッチング後の
当該膜を薄膜キャパシタ素子に用いることができないと
いう問題点があった。
【0017】また上記のように多元系酸化物高誘電率膜
及び電極材料を十分な速度で、かつマスクとの選択比が
高く、高い量産性でエッチングする方法が無いために薄
膜キャパシタ素子の製造及びそれに適したエッチング装
置の製造が困難であった。
【0018】本発明の第一の目的は、高速、高精度かつ
生産性の優れた有機系レジストマスクを使用し、当該マ
スクとの選択性の高い多元系酸化物高誘電率膜及び高融
点金属または高融点金属化合物の加工を行なうことので
きるエッチング方法を提供することであり、本発明の第
二の目的は上記エッチング後の被処理膜表面の劣化を回
復する後処理方法を提供することにある。また本発明の
第三の目的は、そのようなエッチング方法を用いた薄膜
キャパシタ素子の製造方法を提供することにあり、本発
明の第四の目的は本エッチング方法及び後処理方法に適
したエッチング装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の局面に
従って高誘電率を有する多元系酸化物膜をエッチングす
る方法は、揮発性有機金属を生成する有機ガスをエッチ
ングガスとして用いて多元系酸化物膜をエッチングする
方法である。
【0020】好ましくは、上記エッチング方法において
エッチングガスはメタン、エタン、プロパン、ブタン等
の炭化水素である。また、エッチングガスとしてメタノ
ール、エタノール、プロパノールなどのアルコールが用
いられてもよい。さらに、エッチングガスとしてアセト
ン、ブチルアセトンなどのケトンが用いられてもよい。
エッチングガスとしてテトラメチルヘプタジオン、アセ
チルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトンなどの
ジオン構造を有する化合物が用いられてもよい。
【0021】この発明の第2の局面に従って高誘電率を
有する多元系酸化物膜をエッチングする方法は、炭化水
素、アルコール、ケトン、一酸化炭素、二酸化炭素およ
び水素からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む第
1のガスと、ハロゲン、ハロゲン化合物および希ガスか
らなる群より選ばれた少なくとも1種を含む第2のガス
との混合ガスをエッチングガスとして用いて多元系酸化
物膜をエッチングする方法である。
【0022】上記エッチング方法において、ハロゲンは
フッ素、塩素、臭素および沃素からなる群より選ばれた
少なくとも1種を含むガスであり、ハロゲン化合物はH
F,BF3 ,CF4 ,C2 4 ,C2 6 ,C3 8
4 1 0 ,CHF3 ,COF2 ,NF3 、SiF4
SF6 ,S2 2 ,XeF2 、HCl,BCl3 ,CC
4 ,CFx Cl4 - x ,CHx Cl4 - x ,CHFC
2 ,COCl2 ,NOCl,SiCl4 ,S2
2 ,ClF3 ,PCl3 、HBr,BBr3 ,CBr
4 ,CFx Br4 - x ,CClx Br4 - x ,CHFB
2 ,S2 Br2 ,BrF3 ,BrF5 、HI、CF3
I,CHx 4 - x 、IBr(但しxは4以下の整数)
からなる群より選ばれた少なくとも1種を含むガスであ
る。
【0023】希ガスは、ヘリウム、ネオン、アルゴン、
クリプトンおよびキセノンからなる群より選ばれた少な
くとも1種を含むガスである。
【0024】また、上記エッチング方法において、第1
と第2のガスの混合比または圧力を時間とともに変化さ
せてもよい。さらに、上記のエッチング方法は、第1の
ガスを用いて多元系酸化物膜をエッチングする第1の工
程と、第2のガスを用いて多元系酸化物膜をエッチング
する第2の工程とを備え、第1と第2の工程を交互に繰
返してもよい。この場合、第1の工程における第1のガ
スの圧力が第2の工程における第2のガスの圧力よりも
高くなるように設定されてもよい。
【0025】この発明の第3の局面に従って高誘電率を
有する多元系酸化物膜をエッチングする方法は、炭化水
素、アルコール、ケトン、ハロゲン、一酸化炭素、二酸
化炭素、水素、窒素および希ガスからなる群より選ばれ
た少なくとも1種を含む第1のガスをエッチングガスと
して用いて多元系酸化物膜をエッチングする第1のエッ
チング工程と、ジオン構造を有する化合物を含む第2の
ガスをエッチングガスとして用いて多元系酸化物膜をエ
ッチングする第2のエッチング工程とを備え、第1と第
2のエッチング工程を交互に繰返すエッチング方法であ
る。
【0026】上記エッチング方法において、ジオン構造
を有する化合物は、テトラメチルヘプタジオン、アセチ
ルアセトンおよびヘキサフルオロアセチルアセトンから
なる群より選ばれた少なくとも1種である。
【0027】この発明のさらに別の局面に従って高誘電
率を有する多元系酸化物膜をエッチングする方法は、所
定のエッチングガスを用いて多元系酸化物膜をエッチン
グする工程と、そのエッチング工程の終了後に酸素、オ
ゾンおよび酸素を発生するガスのうち、いずれかのガス
で多元系酸化物膜の表面を酸化させる後処理工程とを備
える。
【0028】上述の各エッチング方法において、多元系
酸化物はABO3 なる化学式で表わされ、Aは鉛、バリ
ウム、ストロンチウム、カルシウム、ランタンおよびリ
チウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
Bはチタン、ジルコニウム、ニオブ、マグネシウム、亜
鉛およびタンタルからなる群より選ばれた少なくとも1
種の元素である。
【0029】この発明の第1の局面に従って高融点金属
含有膜をエッチングする方法は、揮発性有機金属を生成
する有機ガスをエッチングガスとして用いて高融点金属
含有膜をエッチングする方法である。
【0030】上記エッチング方法において、エッチング
ガスはメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン等
の炭化水素が用いられる。また、エッチングガスとして
メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール
が用いられる。さらに、エッチングガスとしてアセト
ン、ブチルアセトン等のケトンが用いられる。
【0031】この発明の第2の局面に従って高融点金属
含有膜をエッチングする方法は、炭化水素、アルコー
ル、ケトンおよび水素からなる群より選ばれた少なくと
も1種を含む第1のガスと、ハロゲンおよびハロゲン化
合物のうち少なくともいずれかを含む第2のガスとの混
合ガスをエッチングガスとして用いて高融点金属含有膜
をエッチングする方法である。
【0032】この発明の第3の局面に従って高融点金属
含有膜をエッチングする方法は、揮発性有機金属を生成
する有機ガスを第1のエッチングガスとして用いて高融
点金属含有膜をエッチングする第1のエッチング工程
と、ハロゲンおよびハロゲン化合物のうち少なくともい
ずれかのガスと、酸化性ガスとの混合ガスを第2のエッ
チングガスとして用いて高融点金属含有膜をエッチング
する第2のエッチング工程とを備え、第2のエッチング
工程が第1のエッチング工程の後に続けて行なわれる方
法である。
【0033】上記エッチング方法において、第1のエッ
チングガスとして、メタン、エタン、プロパン、ブタ
ン、ペンタン等の炭化水素、メタノール、エタノール、
プロパノール等のアルコール、アセトン、ブチルアセト
ン等のケトンが用いられてもよい。
【0034】この発明のさらに第4の局面に従って高融
点金属含有膜をエッチングする方法は、炭化水素、アル
コール、ケトンおよび水素からなる群より選ばれた少な
くとも1種を含む第1のガスと、ハロゲンおよびハロゲ
ン化合物のうち少なくともいずれかを含む第2のガスと
の混合ガスを第1のエッチングガスとして用いて高融点
金属含有膜をエッチングする第1のエッチング工程と、
ハロゲンおよびハロゲン化合物のうち少なくともいずれ
かのガスと、酸化性ガスとの混合ガスを第2のエッチン
グガスとして用いて高融点金属含有膜をエッチングする
第2のエッチング工程とを備え、第2のエッチング工程
が第1のエッチング工程の後に続けて行なわれる方法で
ある。
【0035】上記高融点金属含有膜のエッチング方法に
おいて、高融点金属含有膜は高融点金属および高融点金
属化合物のいずれかを含む。高融点金属は、白金、パラ
ジウム、イリジウム、金、ルテニウム、レニウム、オス
ミウム、ロジウム等の少なくとも1種であり、高融点金
属化合物は上記高融点金属のシリサイド、酸化物等の少
なくとも1種である。
【0036】この発明の第1の局面に従って高誘電率を
有する多元系酸化物膜と高融点金属含有膜とをエッチン
グする方法は、炭化水素、アルコールおよびケトンから
なる群より選ばれた少なくとも1種を含むガスをエッチ
ングガスとして用いて多元系酸化物膜と高融点金属含有
膜とを一括してエッチングする方法である。
【0037】また、この発明の第2の局面に従って高誘
電率を有する多元系酸化物膜と高融点金属含有膜とをエ
ッチングする方法は、炭化水素、アルコール、ケトンお
よび水素からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む
第1のガスと、ハロゲン、ハロゲン化合物、希ガスおよ
び窒素からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む第
2のガスとの混合ガスを用いて多元系酸化物膜と高融点
金属含有膜とを一括してエッチングする方法である。
【0038】この発明の第1の局面に従ったプラズマ処
理装置は、上記のいずれかのエッチング方法を行なうた
めのものであり、ガス導入口と真空排気口とを有する真
空容器と、被処理膜が形成された基板を搭載するために
真空容器内に配置された電極と、真空容器内にプラズマ
を生成するために電極に高周波電圧を印加する電圧印加
手段とを備える。
【0039】上記プラズマ処理装置においてマグネトロ
ン放電プラズマを生成するために真空容器内に磁場を印
加する磁場印加手段がさらに備えられてもよい。
【0040】この発明の第2の局面に従ったプラズマ処
理装置は、上述のいずれかのエッチング方法を行なうた
めのものであり、ガス導入口と真空排気口とを有する真
空容器と、被処理膜が形成された基板を搭載するために
真空容器内に配置された基板搭載台と、プラズマを生成
するために真空容器内にマイクロ波を印加するマイクロ
波印加手段とを備える。
【0041】上記プラズマ処理装置において、電子サイ
クロトロン共鳴放電プラズマを生成するために真空容器
内に磁場を印加する磁場印加手段がさらに備えられても
よい。さらに、上記プラズマ処理装置において基板搭載
台に高周波電圧を印加する電圧印加手段がさらに備えら
れてもよい。
【0042】この発明のさらに別の局面に従って高誘電
率を有する多元系酸化物膜をエッチングする方法は、炭
化水素、アルコール、ケトン、ハロゲン、一酸化炭素、
二酸化炭素、水素、窒素および希ガスからなる群より選
ばれた少なくとも1種を含む第1のガスをエッチングガ
スとして用いて多元系酸化物膜をエッチングする第1の
エッチング工程と、ジオン構造を有する化合物を含む第
2のガスをエッチングガスとして用いて多元系酸化物膜
をエッチングする第2のエッチング工程とを備え、第1
と第2のエッチング工程を交互に繰返し、第1と第2の
エッチング工程が上述のいずれかのプラズマ処理装置を
用いて行なわれ、第1のエッチング工程のみにおいて、
マイクロ波または高周波電圧が印加されることを特徴と
するエッチング方法である。
【0043】この発明の第1の局面に従って薄膜キャパ
シタを製造する方法は、半導体基板の上に高融点金属含
有膜からなる第1の電極層と、高誘電率を有する多元系
酸化物膜からなる誘電体層と、高融点金属含有膜からな
る第2の電極層とを順次積層して形成する工程と、上述
のいずれかのエッチング方法で第1と第2の電極層をエ
ッチングする電極層エッチング工程と、上述のいずれか
のエッチング方法で誘電体層をエッチングする誘電体層
エッチング工程とを備える。
【0044】この発明の第2の局面に従って薄膜キャパ
シタを製造する方法は、半導体基板の上に高融点金属含
有膜からなる第1の電極層と、高誘電率を有する多元系
酸化物膜からなる誘電体層と、高融点金属含有膜からな
る第2の電極層とを順次積層して形成する工程と、炭化
水素、アルコールおよびケトンからなる群より選ばれた
少なくとも1種を含むガスをエッチングガスとして用い
て誘電体層と第1と第2の電極層とを一括してエッチン
グする工程とを備える。
【0045】この発明の第3の局面に従って薄膜キャパ
シタを製造する方法は、半導体基板の上に高融点金属含
有膜からなる第1の電極層と、高誘電率を有する多元系
酸化物膜からなる誘電体層と、高融点金属含有膜からな
る第2の電極層とを順次積層して形成する工程と、炭化
水素、アルコール、ケトンおよび水素からなる群より選
ばれた少なくとも1種を含む第1のガスと、ハロゲン、
ハロゲン化合物、希ガスおよび窒素からなる群より選ば
れた少なくとも1種を含む第2のガスとの混合ガスを用
いて誘電体層と第1と第2の電極層とを一括してエッチ
ングする工程とを備える。
【0046】
【作用】DRAM等の微細加工に多く使用され、加工
性、生産性に優れるプラズマエッチングが、多元系酸化
物高誘電率膜のエッチング方法に用いられる。ハロゲン
系ガスを用いた際の多元系酸化物高誘電率膜のエッチン
グ機構としては、まず、プラズマ中のイオン等の荷電粒
子により、上記被化合物における金属原子と酸素原子と
の結合が切断される。次に、多元系酸化物高誘電率膜を
構成する金属元素とハロゲンガスとが化学反応し、揮発
性の反応生成物となってエッチングが進行する。または
プラズマ中のイオン等の荷電粒子による上記被化合物の
物理的スパッタによってエッチングが進行する。あるい
は両者の複合作用によってエッチングが進行するものと
考えられる。しかしながら、多元系酸化物高誘電率膜を
構成する元素のハロゲン系化合物の蒸気圧は非常に低
い。ここで、多元系酸化物高誘電率膜の構成元素として
バリウム(Ba)、鉛(Pb)の化合物の融点を表1に
示す。
【0047】
【表1】
【0048】両者のハロゲン化物は、それぞれの有機金
属に比べて融点が高いことがわかる。このため、両者の
ハロゲン化物の蒸気圧は、有機金属の蒸気圧に比べて低
いと考えられ、エッチング時にガス化しにくいと予想さ
れる。
【0049】したがって、ハロゲン系ガスを単独に用い
たエッチングにおいては、十分なエッチング速度を得よ
うとすると、ブラズマ中のイオン等の荷電粒子のエネル
ギを高めるか、あるいは被処理物の温度を上昇させる必
要がある。その結果、生産性に優れた有機系レジストマ
スクを用いると、被加工物との選択比が低下する、ある
いは被処理物の温度上昇によりレジストマスクの耐熱性
が低くなるという問題点があった。また、酸化物系マス
クを用いると、マスクの耐熱性は優れるが、生産性が低
下するという問題点があった。
【0050】ところが、本発明の第1の局面に従ったエ
ッチング方法においては、エッチング処理ガスとして炭
化水素系ガス、またはアルコールやケトン等のアルコキ
シド生成ガスを用いるプラズマエッチングが行なわれ
る。このプラズマエッチングでは、まず、還元性を有す
るこれらのガスにより多元系酸化物高誘電率膜中の酸素
原子が引き抜かれる。その後、上記被処理膜を構成する
元素とエッチング処理ガスとにより、蒸気圧の高い有機
金属が形成される。そのため、プラズマ中のイオン等の
荷電粒子のエネルギが低い条件で、かつ被処理物の温度
を上昇させずに被処理物のエッチングが可能である。こ
のようにして、高速、高精度、かつ有機系レジスト膜と
の選択比の高いエッチングを行なうことができる。
【0051】また、本発明の第2の局面に従ったエッチ
ング方法においては、エッチング処理ガスとして、炭化
水素系ガス、またはアルコールやケトン等のアルコキシ
ド生成ガス、あるいは、一酸化炭素、二酸化炭素、水素
等の少なくともいずれかの還元性ガスをハロゲン系ガス
等と混合したガス、または両者のガスを交互に使用する
プラズマエッチングが行なわれる。この場合、まず、還
元性ガスにより多元系酸化物高誘電率膜中の酸素原子が
引き抜かれる。そのため、プラズマ中のイオン等の荷電
粒子のエネルギが低い条件で、あるいは被処理物の温度
を上昇させずに被処理物のエッチングが可能である。し
たがって、生産性に優れた有機系レジストマスクを用い
て被加工物との選択比が高い状態でエッチングが可能と
なる。
【0052】また、本発明の第3の局面に従って、還元
性ガスが多元系酸化物高誘電率膜中の酸素原子を引き抜
いた後に、アルキル基、アルコキシル基、ジオン基を有
するガスで被プラズマ処理を行なうことにより、上記と
同様に多元系酸化物高誘電率膜を構成する元素とエッチ
ング処理ガスとにより、蒸気圧の高い有機金属が形成さ
れる。そのため、プラズマ中のイオン等の荷電粒子のエ
ネルギが低い条件で、かつ被処理物の温度を上昇させず
に被処理物のエッチングが可能である。その結果、高
速、高精度、かつ有機系レジスト膜との選択比の高いエ
ッチングを行なうことができる。また、ジオン基を有す
るガスは常温でも反応性を有するため、このガスを使用
する場合、プラズマの生成を必要としない。
【0053】上記エッチングの反応は、被処理物の温度
を変化させると大きく変化する。そのため、被処理物の
温度を制御することにより、エッチング特性を制御する
ことが可能となる。
【0054】次に、高融点金属または高融点金属化合物
のエッチングにおける本発明の作用について説明する。
この発明の第1の局面に従って、炭化水素系ガスをエッ
チングガスに用いることにより、炭化水素系ガスから生
成されるアルキル基が高融点金属または高融点金属化合
物と反応する。この反応生成物が離脱することによるエ
ッチングの進行と、上記アルキル基とにより、有機系樹
脂のレジストが保護される。炭化水素系ガスは堆積性ガ
スとして知られている。そのため、炭化水素系ガスから
生成されるアルキル基が有機系樹脂のレジストの表面に
保護膜を形成することにより、有機系樹脂のレジストの
エッチングが抑えられ得る。この作用のみでは、高融点
金属または高融点金属化合物の表面にも保護膜が形成さ
れてしまい、エッチングが進行しないと考えられる。と
ころが、本発明のエッチング方法によれば、有機系樹脂
のレジストがエッチングされていないのに対して、高融
点金属または高融点金属化合物に対しては十分なエッチ
ング速度が得られている。したがって、この結果から、
炭化水素系ガスから生成されるアルキル基が高融点金属
または高融点金属化合物と反応し、蒸気圧の高い有機金
属が生成されてエッチングが進行するものと考えられ
る。
【0055】エッチングガスとして、アルコールやケト
ン等のアルコキシル基を生成するガスを用いても、上記
アルキル基と同様の作用が得られる。
【0056】また、この発明の第2の局面に従って、エ
ッチングガスとして炭化水素系ガスとハロゲン系または
ハロゲン基を含むガスとの混合ガスを用いると、炭化水
素系ガスから生成されるアルキル基の作用により、有機
系樹脂のレジストの表面に保護膜が形成され、有機系樹
脂のレジストのエッチングが抑えられる。一方、高融点
金属または高融点金属化合物は、ハロゲン系ガスまたは
ハロゲン基を含むガスの作用と、上記炭化水素系ガスの
作用とによりエッチングされる。ハロゲン系ガスまたは
ハロゲン基を含むガスによる高融点金属または高融点金
属化合物のエッチング速度は、炭化水素系ガスのみによ
るエッチング速度の3〜5倍である。しかし、ハロゲン
系ガスやハロゲン基を含むガスに炭化水素系ガスを添加
してもエッチング速度の減少率は小さい。そのため、ハ
ロゲン系ガスまたはハロゲン基を含むガスに炭化水素系
ガスを混合してエッチングガスとして用いても、高融点
金属または高融点金属化合物のエッチング速度が大き
く、かつ対有機系樹脂レジスト選択比の大きなエッチン
グプロセスが可能となる。
【0057】同様にエッチングガスとしてアルコールや
ケトン等のアルコキシル基を生成するガスと、ハロゲン
系またはハロゲン基を含むガスとの混合ガスを用いるこ
とにより、高融点金属または高融点金属化合物のエッチ
ング速度が大きく、かつ対有機系樹脂レジスト選択比の
大きなエッチングプロセスが可能となる。
【0058】また、エッチングガスとして水素ガスとハ
ロゲン系ガスまたはハロゲン基を含むガスとの混合ガス
を用いると、水素ガスの作用により有機系樹脂のレジス
トのエッチングが抑えられる。一方、高融点金属または
高融点金属化合物は、ハロゲン系ガスまたはハロゲン基
を含むガスの作用と、水素ガスの作用とによりエッチン
グされる。このときの高融点金属または高融点金属化合
物のエッチング速度は、ハロゲン系ガスまたはハロゲン
基を含むガスのみによるエッチング速度とあまり変わら
ない。したがって、エッチングガスとして水素ガスとハ
ロゲン系ガスまたはハロゲン基を含むガスとの混合ガス
を用いると、ハロゲン系ガスまたはハロゲン基を含むガ
スのみによる高融点金属または高融点金属化合物のエッ
チングに比べて、対有機系樹脂レジストの選択比が向上
する。
【0059】さらに、この発明の第3または第4の局面
に従って、有機系樹脂のレジストを保護する作用を有す
るガスを含むエッチングガスで高融点金属または高融点
金属化合物をエッチングする第1の工程と、シリコン酸
化膜のエッチングを抑える作用を有する酸化性ガスを含
むエッチングガスで上記被処理物をエッチングする第2
の工程とを組合せて高融点金属含有膜をエッチングす
る。これにより、下地膜がシリコン酸化膜で、かつパタ
ーニングされた有機系樹脂のレジストを用いて高融点金
属または高融点金属化合物の膜を、対有機系樹脂レジス
ト選択比と対下地膜選択比をともに満足するようにエッ
チングすることができる。
【0060】さらに、被処理物の温度を制御することに
より、対有機系レジスト選択比と対下地膜選択比ととも
に向上させることができる。
【0061】また、従来からエッチング後の被加合物の
誘電特性を測定すると、しばしばエッチング結果(形
状)は良好であるが、リーク電流が通常より約3から6
桁も大きくなる現象が見られている。この現象の原因
は、多元系酸化物高誘電率膜の表面(とくにエッチング
ガスや荷電粒子にさらされる側面)がエッチング処理ガ
スにより還元されるか、あるいはプラズマ中のイオンの
衝撃により酸素結合が切断されるかのいずれかによる酸
素欠損にもとづくと考えられる。これにより、当該部分
の表面の抵抗率が大きく低下するものと考えられてい
る。この対策として、この発明の別の局面に従って、エ
ッチング後に酸素等のガス中で後処理を行ない、当該膜
の側面に酸素を付加することにより、上記問題点が解決
される。
【0062】上記のエッチング方法、後処理方法を用い
ることにより、薄膜キャパシタ素子に用いられる多元系
酸化物高誘電率膜と電極材料のパターニングを容易に行
なうことができる。したがって、薄膜キャパシタ素子を
容易にかつ再現性よく製造することができる。
【0063】
【実施例】
実施例1.本発明の一実施例について説明する。図1に
本実施例で用いたエッチング試料を示す。シリコン基板
(ウエハ)1の表面を酸化してシリコン酸化膜2を20
0nmの厚みで形成した後、その表面に白金などの高融
点金属膜(今回の実施例では白金膜)18をスパッタ法
により約50nmの厚みで形成し、その後、その上にゾ
ルゲル法により厚さ200nmの多元系酸化物高誘電率
膜のPbLaZrTiO3 (溶液組成;Pb:La:Z
r:Ti=95:5:52:48)膜3を形成した。比
誘電率は約1000である。加工用のマスクとしては有
機系レジスト膜4(厚さ1000nm)を用いた。この
エッチング試料を図2に示すエッチング装置で処理し
た。
【0064】図2において、処理室5には、エッチング
処理に用いるガスを供給するガス供給装置(図示せず)
と接続された少なくとも1個のガス導入口6を設け、ま
た処理室5の内部を所定の圧力に排気する真空排気装置
(図示せず)に接続された少なくとも1個の真空排気口
7が設置されている。この処理室5の内部には、被処理
膜3を形成したウエハ1を配置するために高周波(カソ
ード)電極8が設置されている。高周波電極8は処理室
5とは絶縁物21で絶縁されている。高周波(カソー
ド)電極8には整合回路9を介して高周波(RF)電源
10が接続されている。また処理室5の外部には磁界を
発生させるためにコイル11とコイル駆動電源(図示せ
ず)が配置されている。高周波電極8には、電極温度制
御用としてヒータ12とヒータ電源22、及び冷却水循
環装置(図示せず)に接続される少なくとも1個の冷却
水導入口13と少なくとも1個の冷却水排出口14が設
置され、高周波電極8及びウエハ1の温度を測定するた
めに蛍光体を塗布した光ファイバ式の温度計15が設置
されている。
【0065】またウエハ1の裏面と高周波電極8との間
には電極側より冷却ガスを冷却ガス導入口17から流
し、ウエハ1と電極8との間の熱伝達を改善している。
処理室5には放電観察用とエッチングの終了を検知する
ためのエッチング終点検出器(図示せず)取り付け用の
窓16が設けられている。
【0066】次にエッチング方法について説明する。処
理室5内に炭化水素系ガスであるメタン(CH4 )を毎
分50ccで供給し、ガス圧力を3mTorrとした。
高周波電源10より13.56MHzの高周波を100
0Wの電力で印加し、またコイル11に電流を流し20
0ガウスの磁界を発生させ、両者によりマグネトロン放
電を発生させてプラズマを形成した。当該プラズマによ
り多元系酸化物高誘電率膜のPbLaZrTiO3 (以
下PLZTと略す)膜3をエッチングした。この際、電
極温度は70℃の一定温度に制御し、ウエハ温度はエッ
チング終了直前で150℃であった。エッチング結果は
以下の通りである。
【0067】 PLZTエッチング速度:35nm/min 対レジスト選択比 :約10 エッチング終了後のPLZT膜3を走査型電子顕微鏡
(SEMと略す)で観察した結果を図3に示す。PLZ
T膜3はやや順テーパ形状に残渣無くエッチングされ、
レジスト膜4上には保護膜51の堆積が確認できた。こ
れらの結果は、「アプライド オプティクス」25巻
(1986年)1508頁から1510頁に示されたC
2 6 ガスを用いたPLZT膜の反応性イオンビームエ
ッチングの結果(エッチング速度:約35nm/mi
n、対レジスト選択比:約1.4)と比べるとエッチン
グ速度は同等であるが、ウエットエッチング等の他の方
式と比べると約10倍速く、対レジスト選択比が大きく
向上しており、生産性の高いレジストマスクで高精度の
微細加工が可能なエッチング方式であることがわかる。
【0068】以上の実施例に加え、エタン、プロパン、
もしくはブタンガスについても同様のPLZT膜3のエ
ッチングを行ない、いずれも対レジスト選択比が従来例
に比べ約10倍の向上が見られた。 実施例2.実施例1の実験結果からPLZT膜3は、メ
タンに代表される炭化水素系ガスを用いて対レジスト選
択比の高いエッチングが可能であることは判ったが、そ
のエッチングメカニズムを推定してみるため、以下の実
験を行なった。エッチング装置、エッチング試料は実施
例1と同じである。
【0069】図2を参照して、処理室5内に炭化水素系
ガスであるメタン(CH4 )を毎分50ccで供給し、
ガス圧力を15mTorrとした。高周波電源10より
13.56MHzの高周波を400Wの電力で印加し、
またコイル11に電流を流し150ガウスの磁界を発生
させ、両者によりマグネトロン放電を発生させてプラズ
マを形成し、当該プラズマにより多元系酸化物高誘電率
膜のPbLaZrTiO3 (以下PLZTと略す)膜3
をエッチングした。PLZT膜3はエッチングされず、
約20nmの保護膜51が形成されていた。また実施例
1の実験条件でもガス圧力を5mTorr以上にする、
または高周波電力を700W以下にすると保護膜51が
形成される。つまりPLZT膜3はメタンガスでエッチ
ングされるが、イオンのエネルギが小さい実験条件では
メタンガスの解離したハイドロカーボンが重合し、ポリ
マーを形成しPLZT膜3上に形成され、エッチングが
進行しないと考えられる。また、これらのハイドロカー
ボンポリマーはレジスト膜4上にも形成され、当該膜の
エッチングを抑えると考えられる。
【0070】また、PLZT膜3はイオンのエネルギの
高い条件ではエッチングが進行する。そのため、このエ
ッチングメカニズムとしては、まず、メタンガスの還元
作用によるPLZT膜3からの酸素の引き抜き、及びイ
オン衝撃による酸素結合の切断の両方或いは単独の作用
によりPLZT膜3表面に鉛、ランタン、ジルコニウ
ム、チタンのそれぞれの金属が露出する。その後、ハロ
ゲン化物と比べてメチル基に代表されるアルキル基等の
蒸気圧の高い有機金属が形成され、膜表面から離脱し、
それによって低温でも速度の速いエッチングが可能にな
るものと考えられる。これらのエッチング機構について
は他の実施例においても議論する。 実施例3.次にエッチング処理中にアルコキシル基を形
成するガスを用いた多元系酸化物高誘電率膜のPLZT
膜3のエッチング結果を示す。エッチング装置、エッチ
ング試料は実施例1と同じである。
【0071】図2を参照して、処理室5内にメタノール
(CH3 OH)を毎分50ccで供給し、ガス圧力を3
mTorrとした。高周波電源10より13.56MH
zの高周波を1000Wの電力で印加し、またコイル1
1に電流を流し200ガウスの磁界を発生させ、両者に
よりマグネトロン放電を発生させてプラズマを形成し、
当該プラズマによりPLZT膜3をエッチングした。エ
ッチング結果は以下の通りである。
【0072】 PLZTエッチング速度:58nm/min 対レジスト選択比 :約3.8 エッチング後の形状をSEMで観察した結果、図4のよ
うにPLZT膜3は異方的に加工されており残渣は見ら
れなかった。またレジスト膜4にも顕著な堆積物は観察
できなかった。これらの結果をメタンのエッチング結果
と比較すると、エッチング速度は大きくなり、対レジス
ト選択比は低下した。しかし、この選択比は微細加工を
行なうためには充分な値であり、エッチング速度の速
さ、異方性の加工形状等においてメタン等炭化水素系ガ
スと同等以上のエッチング性能をメタノールが備えてい
ると考えられる。
【0073】実施例1のメタンガスとのエッチング結果
の相違は、メタンと比べてメタノールは炭化水素系ポリ
マーの堆積効果が小さいと考えられ、PLZT膜3の表
面での堆積とエッチングの競合反応での堆積効果が小さ
くなりエッチング速度が上昇したものと考えられる。そ
の反面、レジスト膜4上では上記堆積物の形成が少な
く、そのため、対レジスト選択性が低下したものと考え
られる。また、このエッチング機構としては、まず、メ
タンの場合と同様にメタノールの還元作用によるPLZ
T膜3からの酸素の引き抜き、及びイオン衝撃による酸
素結合の切断の両方或いは単独の作用によりPLZT膜
3表面に鉛、ランタン、ジルコニウム、チタンのそれぞ
れの金属が露出する。その後、メタノールの場合はハロ
ゲン化物と比べて蒸気圧の高いアルコキシド等の有機金
属が形成され、膜表面から離脱し、低温でも速度の速い
エッチングが可能になるものと考えられる。また、以上
の実施例に加えエタノール、イソプロパノール、アセト
ン、n−ブチルアセトンを用いPLZT膜3のエッチン
グを行なった。いずれの例もメタンと比較して高いエッ
チング速度約65〜47nm/minと微細加工に充分
な対レジスト選択比4.6〜3.1を得た。
【0074】また、本実施例ではコイル11を用い磁場
を印加してマグネトロンプラズマを生成させたが、コイ
ル11に磁場を印加しない場合でもガス圧力を50mT
orrに設定し、エッチングを行なうことでPLZTエ
ッチング速度31nm/min、対レジスト選択比1.
8を得た。 実施例4.次に図2に示した装置と別の装置によるPL
ZT膜3のエッチング実施例を示す。図5において、処
理室5には、エッチング処理に用いるガスを供給するガ
ス供給装置(図示せず)と接続された少なくとも1個の
ガス導入口6を設け、また処理室5の内部を所定の圧力
に排気する真空排気装置(図示せず)に接続された少な
くとも1個の真空排気口7が設置されている。この処理
室5の壁面にマイクロ波導入窓18が設けられている。
また、処理室5の内部には、被処理膜3を形成したウエ
ハ1を配置するために高周波電極8が設置され、高周波
(カソード)電極8には整合回路9を介して高周波(R
F)電源10が接続されている。またマイクロ波導入窓
18にはマイクロ波導波管19が接続され、マイクロ波
導波管19の端部にはマイクロ波を発振するマグネトロ
ン20が設けられている。処理室5の外部には磁界を発
生させるためにコイル11とコイル駆動電源(図示せ
ず)が配置されており、マグネトロン20の発振周波数
に対応した電子サイクロトロン共鳴を起こすための磁場
を形成する。高周波電極8には、電極温度制御用にヒー
タ12と冷却水循環装置(図示せず)に接続される少な
くとも1個の冷却水導入口13と少なくとも1個の排出
口14が設置され、高周波電極8の温度を測定するため
に蛍光体を塗布した光ファイバ式の温度計15が設置さ
れている。また、ウエハ1の裏面と高周波電極8との間
には電極側より冷却ガスを冷却ガス導入口17から流
し、ウエハ1と電極8の間の熱伝達を改善している。処
理室5には放電観察用とエッチングの終了を検知するた
めのエッチング終点検出器(図示せず)取り付け用の窓
16が設けられている。
【0075】図5の装置を用い、実施例1と同じPLZ
T膜3のエッチングを行なった。処理室5内にメタノー
ル(CH3 OH)を毎分10ccで供給し、ガス圧力を
0.5mTorrとした。マグネトロン20からのマイ
クロ波出力は1000Wであり、高周波電源10より1
3.56MHzの高周波を300Wの電力で印加し、ま
たコイル11に電流を流し875ガウスの磁界を発生さ
せ、電子サイクロトロン共鳴放電を発生させてプラズマ
を形成し、当該プラズマによりPLZT膜3をエッチン
グした。エッチング結果は以下の通りである。
【0076】 PLZTエッチング速度:41nm/min 対レジスト選択比 :約8.5 エッチング後の形状をSEMで観察した結果、PLZT
膜3は異方的に残渣無くエッチングされていた。またレ
ジスト膜4にも顕著な堆積物は観察できなかった。これ
らの結果を実施例3のエッチング結果と比較すると、エ
ッチング速度は低下したが、対レジスト選択比は2倍以
上に向上し、本装置におけるエッチング方法では生産性
の高いレジストマスクで高速、高精度の微細加工が可能
であることがわかる。 実施例5.上記実施例4では、被処理膜を搭載する電極
8に13.56MHzの高周波(RF)電圧を印加した
例を説明したが、電極8に印加する電圧の周波数を2M
Hzから200kHzまで変化させて実施例4と同様の
条件で実験を行なった。電源出力は100Wで一定であ
った。PLZT膜のエッチング速度は電源の周波数を低
下させると共に上昇し,200kHzでは73nm/m
inとなった。しかし、対レジスト選択比は電源の周波
数を低下させると共に減少し、300kHz以下では
1.0以下となり微細加工には不適であった。微細加工
が可能な対レジスト選択比を2.0以上とすると、その
ときの電源の周波数は600kHzであり、PLZT膜
3のエッチング速度は54nm/minであった。 実施例6.上記実施例4では、被処理膜を搭載する電極
8に13.56MHzの高周波(RF)電圧を印加した
例を説明したが、図6に示す様に電極8に電圧を印加し
ない場合の実験結果を説明する。実験条件はガス圧力を
0.2mTorrとした以外は実施例4の場合と同様で
ある。 PLZTエッチング速度:23nm/min 対レジスト選択比 :約12 エッチング後の形状をSEMで観察した結果、図7に示
すようにPLZT膜3は異方的にエッチングされ、或い
はやや順テーパ形状に加工されたが、一部に微小なエッ
チング残渣23が観察された。またレジスト膜4には堆
積物51の形成が確認できた。これらの結果を実施例4
のエッチング結果と比較すると、エッチング速度が大き
く低下したが対レジスト選択比は2倍以上に向上し、本
装置におけるエッチング方法で生産性の高いレジストマ
スクで高精度の微細加工が可能であることがわかる。ま
た、本実施例以外にマイクロ波のみでプラズマを生成さ
せる図8に示す装置でもエッチング速度は低下するが、
生産性の高いレジストマスクで高精度の微細加工が可能
であることを確認した。 実施例7.上記実施例1から6で説明したエッチング方
法において、図9に示すようにエッチング後の被加工物
上のレジストを剥離した後、当該被加工物の上に白金等
の電極膜24を形成し、誘電特性を測定したところ、場
合によってはエッチング処理は良好であるが、リーク電
流が通常より約3から6桁も大きくなる現象が見られ
た。この現象の原因は、その後の実験の結果、エッチン
グした多元系酸化物高誘電率膜の表面(特に側面25)
がエッチング処理ガスにより還元されるか、或いはプラ
ズマ中のイオンの衝撃により酸素結合が切断される等の
原因から当該部分の表面の抵抗率が大きく低下したため
とわかった。この対策として上記実施例1を例に説明す
ると、PLZT膜3のエッチング終了後、上部白金電極
21を形成した時のリーク電流は5.2×10- 5 A/
cm2 と高かった。そこで当該試料を酸素ガス中で数分
間、200℃以上で後処理を行なったところ、リーク電
流は3.9×10- 8 A/cm2 に回復した。酸素ガス
の替わりにオゾンガスを用いても同様のリーク電流の回
復が見られた。
【0077】また図2,図5,図6,図8のプラズマ処
理装置で酸素ガス或いはオゾンガスを用いた後処理を行
なっても同様の効果を確認した。
【0078】上記実施例1から6で説明したエッチング
機構から容易に推測できるように、これらのエッチング
方法、及び装置は、A=(鉛,バリウム,ストロンチウ
ム,カルシウム,ランタン、リチウム),B=(チタ
ン,ジルコニウム,ニオブ,マグネシウム,亜鉛、タン
タル),C=(酸素)とした他の多元系酸化物(ABO
3 )の高誘電率膜に対しても有効であった。また上記実
施例1から6で説明した多元系酸化物高誘電率膜はゾル
ゲル法で生成したPLZT膜を例に説明したが、スパッ
タ法或いはCVD法等の他の薄膜生成法で形成した多元
系酸化物高誘電率膜においてもエッチング特性に変化は
無かった。 実施例8.次にエッチングガスとして炭化水素系ガス
(例としてメタン)とハロゲン系ガス(例として塩素)
を混合したガスを用いてPLZT膜をエッチングした実
験例について説明する。実験に使用した装置は図2の装
置である。次にエッチング方法について説明する。図2
を参照して、処理室5内に炭化水素系ガスであるメタン
(CH4 )を毎分10cc及び塩素ガスを毎分40cc
で供給し、ガス圧力を3mTorrとした。高周波電源
10より13.56MHzの高周波を1000Wの電力
で印加し、またコイル11に電流を流し200ガウスの
磁界を発生させ、両者によりマグネトロン放電を発生さ
せてプラズマを形成した。当該プラズマによりPLZT
膜3をエッチングした。この際、電極温度は50℃の一
定温度に制御し、ウエハ温度はエッチング終了直前で1
61℃であった。エッチング結果は以下の通りである。
【0079】 PLZTエッチング速度:130nm/min 対レジスト選択比 :約2.0 エッチング終了後のPLZT膜3をSEMで観察した結
果、PLZT膜3は異方的に残渣無くエッチングされ、
レジスト膜4上には保護膜51の堆積が見られなかっ
た。これらの結果は実施例1から7での炭化水素系ガス
単独によるエッチング結果と比べて、PLZT膜3のエ
ッチング速度は約2倍以上速く、高速エッチングが可能
である。また対レジスト選択比は低下するが、この値は
生産性の高いレジストマスクで高精度の微細加工が可能
な値である。同様の条件で塩素ガス(毎分50cc)の
みでエッチングを行なうと、PLZTエッチングは11
0nm/min、対レジスト選択比は1.2であった。
またエッチング後のシリコン酸化膜の表面には微小な残
渣が見られ、それは、オージェ電子分光の結果、ランタ
ンの塩化物を主成分とする物質であることが判明した。
【0080】本実施例では炭化水素系ガスの例としてメ
タンガスを用い、またハロゲンガスまたはハロゲン基を
含むガスの例として塩素ガスを用いてエッチング方法の
説明を行なったが、上記実施例8に加え、炭化水素系ガ
スの例としてエタン、プロパン、ペンタン、またハロゲ
ンまたはハロゲン基を含むガスの例としてハロゲン系ガ
スとしては、フッ素、臭素、沃素、またハロゲン基を含
むガスとしては、以下のフッ素系ガス、塩素系ガス、臭
素系ガス、沃素系ガスが挙げられる。フッ素系ガスとし
ては、HF,BF3 ,CF4 ,C2 4 ,C2 6 ,C
3 8 ,C4 1 0 ,CHF3 ,COF2 ,NF3 、S
iF4 ,SF6 ,S2 2 ,XeF2 、塩素系ガスとし
ては、HCl,BCl3 ,CCl4 ,CFx
4 - x ,CHxCl4 - x ,CHFCl2 ,COCl
2 ,NOCl,SiCl4 ,S2 Cl2 ,ClF3 ,P
Cl3 (但しxは4迄の整数)、臭素系ガスとしては、
HBr,BBr3 ,CBr4 ,CFx Br4 - x ,CC
x Br4 - x ,CHFBr2 ,S 2 Br2 ,Br
3 ,BrF5 、(但しxは4迄の整数)、沃素系ガス
としては、HI、CF3 I,CHx 4 - x 、IBr
(但しxは4迄の整数)等が用いられる。いずれの組み
合わせの混合ガスを用いる場合も、PLZTのエッチン
グ速度は炭化水素系単独の場合に比べ上昇し、対レジス
ト選択比は減少するが、この値は生産性の高いレジスト
マスクで高精度の微細加工が可能な値である。
【0081】また本実施例ではコイル11を用いて磁場
を印加してマグネトロンプラズマを生成させたが、コイ
ル11のない装置においてもガス圧力50mTorrで
エッチングを実施することにより実用的に充分なエッチ
ング方法であることを確認した。
【0082】以下にこれらの実施例のうち1例を記す。 実施例9.炭化水素系ガスの例としてメタンと、ハロゲ
ン基を含むガスの例として臭化水素とを混合したガスを
用いてPLZTをエッチングした実施例について説明す
る。実験装置、実験条件は実施例8と同じである。エッ
チングガスはメタン(CH 4 )を毎分10cc及び臭化
水素ガスを毎分40ccで供給した。エッチング結果は
以下の通りである。
【0083】 PLZTエッチング速度:108nm/min 対レジスト選択比 :約2.5 エッチング終了後の被処理膜をSEMで観察した結果、
PLZT膜3は異方的に残渣無くエッチングされ、レジ
スト膜4上には保護膜51の堆積が見られなかった。
【0084】これまでの実施例は多元系酸化物高誘電率
膜の例としてPLZT膜(PbLaZrTiO3 )をエ
ッチングした例を示したが、次にSrTiO3 (以下S
TOと略す)をエッチングした例を示す。STO膜はス
パッタ法で形成し、膜の厚さは60nmである。比誘電
率は約250である。エッチング試料の構成はPLZT
膜と同様であり、シリコン基板(ウエハ)の表面を酸化
して酸化膜を200nmの厚みで形成した後、その表面
に白金膜をスパッタ法により約500nmの厚みで形成
し、その上にSTO膜を形成した。加工用のマスクとし
ては有機系レジスト膜(厚さ1000nm)を用いた。 実施例10.炭化水素系ガスの例としてメタンとハロゲ
ン基を含むガスの例として臭化水素を混合したガスを用
いてSTO膜をエッチングした実施例について説明す
る。実験装置、実験条件は実施例8と同じである。エッ
チングガスはメタン(CH4 )を毎分10cc及び臭化
水素ガスを毎分40ccで供給した。エッチング結果は
以下の通りである。
【0085】 STOエッチング速度:102nm/min 対レジスト選択比 :約2.5 エッチング終了後の被処理膜をSEMで観察した結果、
STO膜は異方的に残渣無くエッチングされ、レジスト
膜4上には保護膜51の堆積が見られなかった。またエ
ッチング速度、対レジスト選択比もPLZT膜の場合と
同様であった。 実施例11.炭化水素系ガスの例としてメタンとハロゲ
ン基を含むガスの例として塩素とを混合したガスを用い
てSTO膜をエッチングした実施例について説明する。
実験装置、実験条件は実施例8と同じである。エッチン
グガスはメタン(CH4 )を毎分10cc及び塩素ガス
を毎分40ccで供給した。エッチング結果は以下の通
りである。
【0086】 STOエッチング速度:116nm/min 対レジスト選択比 :約1.9 エッチング終了後の被処理膜をSEMで観察した結果、
STO膜は異方的に残渣無くエッチングされ、レジスト
膜4上には保護膜51の堆積が見られなかった。またエ
ッチング速度、対レジスト選択比もほぼPLZT膜の場
合と同様であった。 実施例12.次にエッチング処理中にアルコキシル基を
生成するガスの例としてエタノール、ハロゲンまたはハ
ロゲン基を含むガスの例として塩素を用いてPLZT膜
をエッチングした実施例を示す。実験に用いた装置は図
5に示したもので実験条件は実施例4と同じである。エ
ッチングガス流量はエタノールガスが毎分2cc、塩素
ガスが毎分8ccである。エッチング結果は以下の通り
である。
【0087】 PLZTエッチング速度:102nm/min 対レジスト選択比 :約3.1 エッチング終了後の被処理膜をSEMで観察した結果、
PLZT膜は異方的に残渣無くエッチングされ、レジス
ト膜4上には保護膜51の堆積が見られなかった。実施
例8と比べエッチング速度はやや低下するが、対レジス
ト選択比は約50%上昇した。
【0088】以上の実施例に加え、エッチング処理中に
アルコキシル基を生成するガスの例としてメタノール、
イソプロパノール、アセトン、n−ブチルアセトン、ハ
ロゲンまたはハロゲン基を含むガスの例としてハロゲン
系ガスとしては、フッ素、臭素、沃素、ハロゲン基を含
むガスとしては、以下のフッ素系ガス、塩素系ガス、臭
素系ガス、沃素系ガスが挙げられる。フッ素系ガスとし
ては、HF,BF3 ,CF4 ,C2 4 ,C2 6 ,C
3 8 ,C4 1 0 ,CHF3 ,COF2 ,NF3 、S
iF4 ,SF6 ,S2 2 ,XeF2 、塩素系ガスとし
ては、HCl,BCl3 ,CCl4 ,CFx
4 - x ,CHx Cl4 - x ,CHFCl2 ,COCl
2 ,NOCl,SiCl4 ,S2 Cl2 ,ClF3 ,P
Cl3 (但しxは4迄の整数)、臭素系ガスとしては、
HBr,BBr3 ,CBr4 ,CFx Br 4 - x ,CC
x Br4 - x ,CHFBr2 ,S2 Br2 ,Br
3 ,BrF5、(但しxは4迄の整数)、沃素系ガス
としては、HI、CF3 I,CHx 4 - x 、IBr
(但しxは4迄の整数)等が用いられる。いずれの組み
合わせの混合ガスを用いる場合も、PLZTのエッチン
グ速度は炭化水素系単独の場合に比べ上昇し、対レジス
ト選択比は減少するが、実用的に生産性の高いレジスト
マスクで高精度の微細加工が可能なエッチング方法が提
供される。 実施例13.上記実施例12では被処理膜を搭載する電
極8に13.56MHzの高周波(RF)電圧を印加し
た例を説明したが、図6に示す様に電極8に電圧を印加
しない場合の実験結果を説明する。その他の実験条件は
ガス圧力を0.2mTorrとした以外は実施例12の
場合と同様である。エッチング結果は以下のとおりであ
る。 PLZTエッチング速度:57nm/min 対レジスト選択比 :約6.3 エッチング後の形状をSEMで観察した結果、PLZT
膜は異方的にエッチングされたが一部に微小なエッチン
グ残渣が観察された。またレジスト上には堆積物の形成
が確認できた。これらの結果を実施例12のエッチング
結果と比較すると、エッチング速度が大きく低下した
が、対レジスト選択比は2倍以上に向上し、本装置にお
けるエッチング方法で生産性の高いレジストマスクで高
精度の微細加工が可能であることがわかる。また本実施
例以外にマイクロ波のみでプラズマを生成させる図8に
示す装置でも上記と同様にエッチング速度は低下する
が、生産性の高いレジストマスクで高精度の微細加工が
可能であることを確認した。 実施例14.本実施例は水素ガスとハロゲンまたはハロ
ゲン基を含むガスの例として塩素とを用いてPLZT膜
をエッチングした実施例を示す。実験に用いた装置、実
験条件は実施例8と同じである。エッチングガスの流量
は水素ガスが毎分20cc、塩素ガスが毎分30ccで
ある。エッチング結果は以下の通りである。
【0089】 PLZTエッチング速度:115nm/min 対レジスト選択比 :約2.0 エッチング終了後の被処理膜をSEMで観察した結果、
PLZT膜は異方的に残渣無くエッチングされ、レジス
ト膜4上には保護膜51の堆積が見られなかった。実施
例8と比べエッチング速度はやや低下するが、対レジス
ト選択比は同等であった。また水素含有量(全ガス流量
は毎分50cc一定)を5%から70%まで変化させて
も上記実施例14の傾向に変化はなく、水素含有量50
%の時にPLZTエッチング速度は変化せず、対レジス
ト選択比2.2を得た。また以上の実施例に加え、水素
の替わりに一酸化炭素、二酸化炭素を用いても上記実施
例14と同様の結果を得た。 実施例15.本実施例は炭化水素系ガスの例としてメタ
ンガスと希ガスの例としてアルゴンを用いてPLZT膜
をエッチングした実施例を示す。実験に用いた装置、実
験条件は実施例8と同じである。エッチングガスの流量
はメタンガスが毎分10cc、アルゴンガスが毎分40
ccである。エッチング結果は以下の通りである。
【0090】 PLZTエッチング速度:42nm/min 対レジスト選択比 :約1.0 エッチング終了後の被処理膜をSEMで観察した結果、
PLZT膜は異方的に残渣無くエッチングされ、レジス
ト膜4上には保護膜51の堆積が見られなかった。また
アルゴン単独で同様の実験を行なうとエッチング速度は
27nmであり、実施例1のメタン単独のエッチング速
度は35nmであることから、PLZTのエッチングは
単なる物理的スパッタで進行するのではなく、メタンと
の反応、つまり還元反応、有機金属の生成が寄与してい
ると推定できる。またメタン単独よりもアルゴンを添加
した方がエッチング速度が上昇し、メタンからの堆積物
がアルゴンイオンのスパッタ作用で除去されていること
が推定できる。
【0091】このエッチング結果によれば、対レジスト
選択比が低いが、腐食性や安全性に問題のあるハロゲン
系のガスを用いず、また堆積性も小さいためにマイクロ
ローディング効果の小さなエッチング特性が得られ、今
後の微細加工のためのエッチング方法として有用と考え
られる。また以上の実施例に加え、メタンの替わりに水
素、エタン、プロパンを用い、アルゴンの替わりにヘリ
ウムを用いても上記実施例15と同様の結果を得た。
【0092】実施例8から14までのエッチング結果か
らPLZT等の多元系酸化物高誘電率膜のエッチング機
構を推定する。
【0093】実施例1から7までの炭化水素系ガスによ
るエッチングでは、まず、炭化水素系ガスの還元作用に
よる被加工膜からの酸素の引き抜き、及びイオン衝撃に
よる酸素結合の切断の両方或いは単独の作用により被加
工膜の表面にそれぞれの構成金属が露出する。その後、
メチル基に代表されるアルキル基等の蒸気圧の高い有機
金属が形成され、膜の表面から離脱し低温でもエッチン
グが進行するものと考えられる。
【0094】しかしながら、炭化水素系ガスでは堆積効
果も大きく、上記反応との競合でエッチングが進行する
ため、エッチング速度には限界があると推定される。と
ころが、ハロゲンまたはハロゲン基を含むガスのプラズ
マは堆積性を有しないか、或いは炭化水素系ガスと比べ
堆積性が小さい。このため、炭化水素系ガスの還元作用
による被加工膜からの酸素の引き抜き、及びイオン衝撃
による酸素結合の切断の両方或いは単独の作用により被
加工膜の表面にそれぞれの構成金属が露出し、蒸気圧の
高い有機金属が形成されエッチングが進行する作用に加
え、ハロゲンまたはハロゲン基を含むガスのプラズマに
よる物理的スパッタ作用、ハロゲン化合物の生成等によ
り炭化水素系ガスに比べ高いエッチング速度が得られる
ものと考えられる。しかしながら、堆積性が小さくなる
ため、実用的に問題はない範囲ではあるが、対レジスト
選択比は低下すると考えられる。
【0095】また、ハロゲンまたはハロゲン基を含むガ
スのプラズマのみでは、エッチング速度が比較的高くな
る条件を選択できるが、対レジスト選択比が低下し、蒸
気圧の低いハロゲン化物のなかでも特に蒸気圧の低いラ
ンタン、ストロンチウム等のハロゲン化物が残渣として
残るという問題が生じる。これに対し、実施例8から1
4のエッチング方法は高いエッチング速度、充分な対レ
ジスト選択比を有し、エッチング残渣のない実用性の高
いエッチング方法といえる。 実施例16.上記実施例8から15で説明したエッチン
グ方法において、実施例7と同様の方法でエッチング後
の多元系酸化物高誘電率膜の誘電特性を測定したとこ
ろ、エッチング処理は良好であるが、場合によってはリ
ーク電流が増加しショートする現象が見られた。この現
象の原因は、実施例7と同じく被加工物の表面の抵抗率
が大きく低下したためとわかった。
【0096】この現象を実際に実施例で説明すると、実
施例8のPLZT膜3のエッチング終了後、上部白金電
極を形成した後のリーク電流は非常に大きく、ショート
状態であった。そこで当該試料を酸素ガス中で数分間、
200℃以上で後処理を行なったところ、リーク電流は
8.7×10- 7 A/cm2 に回復した。酸素ガスの替
わりにオゾンガスを用いても同様のリーク電流の回復が
見られた。
【0097】また図2,図5,図6,図8のプラズマ処
理装置で酸素ガス或いはオゾンガスを用いた後処理を行
なっても同様の効果を確認した。
【0098】上記実施例8から15で説明したエッチン
グ機構から容易に推測できるようにこれらのエッチング
方法、及び装置は、A=(鉛,バリウム,ストロンチウ
ム,カルシウム,ランタン、リチウム),B=(チタ
ン,ジルコニウム,ニオブ,マグネシウム,亜鉛、タン
タル),C=(酸素)とする他の多元系酸化物(ABO
3 )の高誘電率膜に対しても有効であった。また上記実
施例8から15で説明した多元系酸化物高誘電率膜はゾ
ルゲル法で生成したPLZT膜、スパッタ法で生成した
STO膜を例に説明したが、CVD法等の他の薄膜生成
法で形成した多元系酸化物高誘電率膜においてもエッチ
ング特性に大きな変化は無かった。 実施例17.次に炭素、水素或いは酸素の少なくとも1
種を含む非ハロゲン系ガスの例としてメタンを第一のエ
ッチング処理ガスとし、ハロゲンまたはハロゲン基を含
むガスの例として塩素を第二のエッチング処理ガスとし
た場合のPLZTエッチングの実験例について説明す
る。実験に使用した装置は図2の装置である。
【0099】次にエッチング方法について説明する。図
2を参照して、処理室5内にメタンを毎分50ccで供
給し、ガス圧力を3mTorrとした。高周波電源10
より13.56MHzの高周波を1000Wの電力で印
加し、またコイル11に電流を流し200ガウスの磁界
を発生させ、両者によりマグネトロン放電を発生させて
プラズマを形成した。当該プラズマによりPLZT膜3
に第一の工程のエッチング処理を施した。次にメタンガ
スの供給を停止し、替わりに塩素ガスを毎分50ccで
供給し、メタンと同一条件で第二の工程のエッチングを
行なった。この際、電極温度は70℃の一定温度に制御
し、ウエハ温度は第二工程のエッチング終了直前で15
2℃であった。上記エッチングをそれぞれ30秒間ずつ
交互に2回(合計4回)行なった場合のエッチング結果
は以下の通りである。
【0100】 PLZTエッチング速度:66nm/min 対レジスト選択比 :約2.8 エッチング終了後の被処理膜をSEMで観察した結果、
PLZT膜3は異方的に残渣無くエッチングされ、レジ
スト膜4上には保護膜51の堆積が見られなかった。こ
れらの結果は、実施例1のメタンガス単独によるエッチ
ング結果と実施例8のメタンガスに塩素ガスを混合した
場合のエッチング結果のほぼ平均値的な値となった。こ
の値は生産性の高いレジストマスクで高精度の微細加工
が可能な値である。 実施例18.また実施例17と同一の実験条件で第一の
工程のエッチング時間と第二の工程のエッチング時間の
比を3:1にしてエッチングを行なうと、PLZTエッ
チングは50nm/min、対レジスト選択比は3.9
であった。エッチング終了後の被処理膜をSEMで観察
した結果、PLZT膜3は異方的に残渣無くエッチング
され、レジスト膜4上には保護膜51の堆積が見られ
た。この様に第一のエッチング工程と第二のエッチング
工程の処理時間の比を変化させることにより、エッチン
グ速度と対レジスト選択比を制御することが可能である
ことがわかった。
【0101】また上記実施例17,18はガスの供給、
停止を空圧動作バルブで行なっていたが、ピエゾ素子或
いは電磁弁を用いた高速動作バルブを使用し、高周波電
力のオン、オフと同期させてガスを導入、停止すること
により、ミリ秒単位の制御が可能となり、より正確にエ
ッチング速度と対レジスト選択比を制御することが可能
であることがわかった。また各ステップの時間を短く
し、各ステップの回数を増加させると総エッチング時間
が同じでもエッチング速度が増加傾向を示すこともわか
った。また、この際、高周波電力の振幅、または周波数
を制御するとPLZTのエッチング速度が制御可能であ
ることもわかった。
【0102】また第一工程のエッチング処理圧力を第二
工程のエッチング処理圧力よりも高くすることにより、
対レジスト選択比を向上させることがてきることも判明
した。
【0103】本実施例では炭素、水素或いは酸素の少な
くとも1種を含む非ハロゲン系ガスの例としてメタンを
第一のエッチング処理ガスとした例を示したが、上記実
施例17,18に加え、エタン、プロパン、ペンタン、
一酸化炭素、二酸化炭素、水素、メタノール、エタノー
ル、アセトン、n−ブチルアセトンを用いてもよい。ま
た、ハロゲンまたはハロゲン基を含むガスの例として塩
素を第二のエッチング処理ガスとした場合の例を示した
が、上記実施例17.18に加え、ハロゲン系ガスとし
ては、フッ素、臭素、沃素、またハロゲン基を含むガス
としては、以下のフッ素系ガス、塩素系ガス、臭素系ガ
ス、沃素系ガスを用いてもよい。フッ素系ガスとして
は、HF,BF3 ,CF4 ,C2 4 ,C2 6 ,C3
8 ,C41 0 ,CHF3 ,COF2 ,NF3 、Si
4 ,SF6 ,S2 2 ,XeF2、塩素系ガスとして
は、HCl,BCl3 ,CCl4 ,CFx Cl4 - x
CH x Cl4 - x ,CHFCl2 ,COCl2 ,NOC
l,SiCl4 ,S2 Cl2,ClF3 ,PCl3 (但
しxは4迄の整数)、臭素系ガスとしては、HBr,B
Br3 ,CBr4 ,CFx Br4 - x ,CClx Br
4 - x ,CHFBr2 ,S2 Br2 ,BrF3 ,BrF
5 、(但しxは4迄の整数)、沃素系ガスとしては、H
I、CF3 I,CHx 4 - x 、IBr(但しxは4迄
の整数)等が挙げられる。いずれの組合せの混合ガスを
用いても、第一のエッチング工程と第二のエッチング工
程の処理時間の比を変化させることにより、エッチング
速度と対レジスト選択比を制御することが可能であるこ
とがわかった。その一例を実施例19に示す。
【0104】また本実施例17ではコイル11を用いて
磁場を印加してマグネトロンプラズマを生成させたが、
コイル11のない装置においてもガス圧力80mTor
rでエッチングを実施することにより実用的に充分なエ
ッチング方法が得られることを確認した。 実施例19.エッチング方法について説明する。図2を
参照して、処理室5内にメタノールガスを毎分50cc
で供給し、ガス圧力を3mTorrとした。高周波電源
10より13.56MHzの高周波を1000Wの電力
で印加し、またコイル11に電流を流し200ガウスの
磁界を発生させ、両者によりマグネトロン放電を発生さ
せてプラズマを形成した。当該プラズマによりPLZT
膜3に第一の工程のエッチング処理を施した。次にメタ
ンガスの供給を停止し、替わりに臭化水素ガスを毎分5
0ccで供給しメタンと同一条件で第二の工程のエッチ
ングを行なった。この際、電極温度は70℃の一定温度
に制御し、ウエハ温度は第二工程のエッチング終了直前
で156℃であった。第一工程のエッチングを45秒
間、第二工程のエッチングを15秒間、互いに2回(合
計4回)行なった場合のエッチング結果は以下の通りで
ある。
【0105】 PLZTエッチング速度:53nm/min 対レジスト選択比 :約4.7 エッチング終了後の被処理膜をSEMで観察した結果、
PLZT膜3は異方的に残渣無くエッチングされ、レジ
スト膜4上には保護膜51の堆積が見られなかった。
【0106】上記実施例17から19は図2に示す装置
を用いてエッチング処理を行なったものであるが、図
5、図6または図8に示す装置を用いて上記エッチング
を行なってもエッチング速度は約20から50%減少す
るが、対レジスト選択比は2倍以上向上し、レジストマ
スクで高精度の微細加工が可能であることを確認した。
【0107】実施例1から7までのエッチング方法は、
対レジスト選択比は比較的高いが、エッチング速度が小
さく、また実施例8から16までのエッチング方法はエ
ッチング速度は大きいが、対レジスト選択比は比較的低
かった。本実施例17から19は両者のエッチング特性
の長所をコントロールすることが可能であり、このエッ
チング方法で、生産性の高いレジストマスクで高速、高
精度の微細加工が可能である。 実施例20.上記実施例17から19で説明したエッチ
ング方法において、実施例7と同様の方法でエッチング
後の多元系酸化物高誘電率膜の誘電特性を測定したとこ
ろ、エッチング処理は良好であるが、場合によってはリ
ーク電流が増加しショートする現象が見られた。この現
象の原因は、実施例7と同じく被加工物の表面の抵抗率
が大きく低下したためとわかった。
【0108】この現象を実際に実施例で説明すると、実
施例17のPLZT膜3のエッチング終了後、上部白金
電極を形成した後のリーク電流は非常に大きくショート
状態であった。そこで当該試料を酸素ガス中で数分間、
200℃以上で後処理を行なったところ、リーク電流は
4.8×10- 8 A/cm2 に回復した。酸素ガスの替
わりにオゾンガスを用いても同様のリーク電流の回復が
見られた。
【0109】また図2,図5,図6,図8のプラズマ処
理装置で酸素ガス或いはオゾンガスを用いた後処理を行
なっても同様の効果を確認した。
【0110】上記実施例17から19で説明したエッチ
ング機構から容易に推測できるようにこれらのエッチン
グ方法、及び装置は、ABO3 で表わされ、Aは鉛(P
b),バリウム(Ba),ストロンチウム(Sr),カ
ルシウム(Ca),ランタン(La)、リチウム(L
i)のうち少なくとも1種以上、またBはチタン(T
i),ジルコニウム(Zr),ニオブ(Nb),マグネ
シウム(Mg),亜鉛(Zn)、タンタル(Ta)のう
ち少なくとも1種以上の元素で構成される他の多元系酸
化物高誘電率膜に対しても有効であった。また上記実施
例17から19で説明した多元系酸化物高誘電率膜はゾ
ルゲル法で生成したPLZT膜を例に説明したが、スパ
ッタ法、CVD法等の他の薄膜生成法で形成した多元系
酸化物高誘電率膜においてもエッチング特性に大きな変
化は無かった。 実施例21.次に炭素、水素或いは酸素の少なくとも1
種を含む非ハロゲン系ガスの例としてメタンを第一のエ
ッチング処理ガスとし、ジオン構造を有するガスの例と
してアセチルアセトン((CH3 CO)2 CH2 )を第
二のエッチング処理ガスとした場合のPLZTエッチン
グの実験例について説明する。実験に使用した装置は図
2の装置である。
【0111】次にエッチング方法について説明する。図
2を参照して、処理室5内にメタンを毎分50ccで供
給し、ガス圧力を3mTorrとした。高周波電源10
より13.56MHzの高周波を1000Wの電力で印
加し、またコイル11に電流を流し200ガウスの磁界
を発生させ、両者によりマグネトロン放電を発生させて
プラズマを形成した。当該プラズマによりPLZT膜3
に第一の工程のエッチング処理を施した。次にメタンガ
スの供給を停止し、替わりにアセチルアセトンガスを毎
分300ccで供給し、ガス圧力を10Torrとし、
プラズマは生成せずに第二の工程のエッチングを行なっ
た。この際、電極温度は70℃の一定温度に制御し、ウ
エハ温度は第二工程のエッチング終了直前で82℃であ
った。上記エッチング処理をそれぞれ30秒間ずつ交互
に2回(合計4回)行なった場合のエッチング結果は以
下の通りである。
【0112】 PLZTエッチング速度:38nm/min 対レジスト選択比 :約12 エッチング終了後の被処理膜をSEMで観察した結果、
PLZT膜3は異方的形状からやや順テーパ形状にエッ
チングされ、エッチング表面に僅かな残渣があった。ま
たレジスト膜4上には保護膜51の堆積が見られた。こ
の結果は、これまでの実施例の中で対レジスト選択比が
約12と非常に高く、生産性の高いレジストマスクで高
精度の微細加工が可能な値である。 実施例22.上記実施例21では第一のエッチング工程
と第二のエッチング工程の時間比が1:1であるが、こ
の比を1:2にしてエッチングを実施した。他の実験条
件は実施例21と同じである。エッチング結果は以下の
通りである。
【0113】 PLZTエッチング速度:45nm/min 対レジスト選択比 :約13 エッチング終了後の被処理膜をSEMで観察した結果、
PLZT膜3は異方的形状からやや順テーパ形状にエッ
チングされているが、エッチング表面に微小残渣が多数
あった。またレジスト膜4上には保護膜51の堆積が見
られた。
【0114】逆にこの比を2:1とすると、エッチング
結果は以下の通りである。 PLZTエッチング速度:39nm/min 対レジスト選択比 :約13 エッチング終了後の被処理膜をSEMで観察した結果、
PLZT膜3は異方的形状から順テーパ形状にエッチン
グされているが、エッチング表面に顕著な残渣は見られ
なかった。またレジスト膜4上には保護膜51の堆積が
見られた。
【0115】また本実施例22ではコイル11を用いて
磁場を印加してマグネトロンプラズマを生成させたが、
コイル11のない装置においても第一工程のエッチング
時のガス圧力を50mTorrにしてエッチングを実施
することにより実用的に充分なエッチング方法が得られ
ることを確認した。
【0116】これらの実施例21,22からエッチング
の機構を推定すると、先ず第一のエッチング工程に於い
て、メタンプラズマによる被加工物表面の還元効果、イ
オンによる酸素結合の切断により、被加工物表面に金属
元素が露出する。当該金属元素とジオン構造を有するガ
ス、今回の実施例ではアセチルアセトンとが反応し、た
とえばジルコニウムでは、アセチルアセトンジルコニウ
ム(Zr( C5 7 2 3 )が生成し、この物質は昇
華温度が低く、77℃から102℃(1mmHg)であ
るため容易にガス化しエッチングが進行すると考えられ
る。
【0117】また本実施例のエッチング方法は第二のエ
ッチング工程でプラズマを生成しないために、レジスト
がスパッタされず、対レジスト選択比が向上したものと
考えられる。
【0118】このため、第一の工程の時間比を小さくす
ると、還元効果等が不十分で酸素原子と結合したままの
金属(金属酸化物)が残り、その部分のエッチングが進
行せず、残渣となると考えられる。また第二の工程の時
間比が小さい場合は、金属が残りエッチングの進行が妨
げられる。今回の3例の実験条件の中では約2:1が比
較的良い条件であった。
【0119】また上記実施例のエッチング方法では、第
二工程ではプラズマは生成させないが、この理由はプラ
ズマを生成すると、アセチルアセトンのジオン構造がプ
ラズマ中で分解してしまうことがプラズマ生成物の質量
分析の結果、判明したためである。
【0120】また上記実施例21,22はガスの供給、
停止を空圧動作バルブで行なっていたが、ピエゾ素子或
いは電磁弁を用いた高速動作バルブを使用し、高周波電
力のオン、オフと同期させてガスを導入、停止すること
により、ミリ秒単位の制御が可能となり、より正確にエ
ッチング特性を制御することが可能であることがわかっ
た。また各ステップの時間を短くし、各ステップの回数
を増加させると総エッチング時間が同じでもエッチング
速度が増加傾向を示すこともわかった。また、この際、
第一のエッチング工程の高周波電力の振幅、または周波
数を制御するとPLZTのエッチング速度が制御可能で
あることもわかった。
【0121】また上記高速動作バルブを用いたエッチン
グに於いて、第二工程のエッチング処理圧力を第一工程
のエッチング処理圧力よりも高くすることにより、エッ
チング速度と対レジスト選択比を向上させることが可能
であることも判明した。この第二工程のエッチング処理
圧力は上記実施例21,22では10Torrである
が、760Torrでもエッチングが進行し、エッチン
グ速度の増大が見られた。またガス状態ではなく、液体
状態で被加工物に供給してもエッチングが進行すること
を確認した。
【0122】また図10の様に装置の外部から窓27を
通じてランプ26等で第一工程のエッチング終了後、次
の第二工程のエッチング工程の開始までの間、被加工物
を照射し、被加工物の温度を上昇させることによりエッ
チング速度が増大することも確認した。
【0123】本実施例では、炭素、水素或いは酸素の少
なくとも1種を含む非ハロゲン系ガスの例としてメタン
を第一のエッチング処理ガスとしたが、上記実施例2
1,22に加え、エタン、プロパン、ペンタン、一酸化
炭素、二酸化炭素、水素、メタノール、エタノール、ア
セトン、n−ブチルアセトンを用い、またジオン構造を
有するガスの例としてアセチルアセトンを第二のエッチ
ング処理ガスとしたが、テトラメチルヘプタジオン
(((CH3 3 CO)2 CH2 )、或いはヘキサフル
オロアセチルアセトン((CF3 CO)2 CH2 )を用
いても上記実施例21,22と同様の効果が得られた。
その一例を以下に示す。 実施例23.炭素、水素或いは酸素の少なくとも1種を
含む非ハロゲン系ガスの例としてメタノールを第一工程
のエッチング処理ガスとし、ジオン構造を有するガスの
例としてテトラメチルヘプタジオン(((CH3 3
O)2 CH2 )(以下DPMと略す)を第二工程のエッ
チング処理ガスとした場合のPLZTエッチングの実験
例について説明する。実験に用いた装置は図5に示した
ものである。
【0124】図5を参照して、処理室5内にメタノール
(CH3 OH)を毎分10ccで供給し、ガス圧力を
0.5mTorrとした。マグネトロン20からのマイ
クロ波出力は1000Wであり、高周波電源10より1
3.56MHzの高周波を300Wの電力で印加し、ま
たコイル11に電流を流し875ガウスの磁界を発生さ
せ、電子サイクロトロン共鳴放電を発生させてプラズマ
を形成し、当該プラズマによりPLZT膜3に第一工程
のエッチング処理を施した。次にメタノールの供給を停
止し、替わりにDPMガスを毎分300ccで供給し、
ガス圧力を10Torrとし、プラズマは生成せずに第
二の工程のエッチングを行なった。この際、電極温度は
70℃の一定温度に制御し、ウエハ温度は第二工程のエ
ッチング終了直前で91℃であった。上記エッチング処
理をそれぞれ30秒間ずつ交互に2回(合計4回)行な
った場合のエッチング結果は以下の通りである。
【0125】 PLZTエッチング速度:69nm/min 対レジスト選択比 :約5.3 エッチング終了後の被処理膜をSEMで観察した結果、
PLZT膜3は異方的形状からやや順テーパ形状にエッ
チングされ、エッチング表面に僅かな残渣があった。ま
たレジスト膜4上には保護膜51の堆積が見られた。実
施例21,22と比べ、エッチング速度も速く、対レジ
スト選択比も実用上充分な値であり、本実施例のエッチ
ング方法は、生産性の高いレジストマスクで高速、高精
度の微細加工が可能なエッチング方法と考えられる。
【0126】実施例23では第一工程のエッチングガス
と第二工程のエッチングガスを同一のガス導入口から導
入していたが、第二工程のエッチングガス導入口を被加
工物の近傍に配置することにより、エッチング速度が約
20%上昇することがわかった。 実施例24.上記実施例23では被処理膜を搭載する電
極8に13.56MHzの高周波(RF)電圧を印加し
た例を説明したが、図6に示すように電極8に電圧を印
加しない場合の実験結果を説明する。実験条件は第一工
程のエッチング時のガス圧力を0.2mTorrとした
以外は実施例23の場合と同様である。 PLZTエッチング速度:28nm/min 対レジスト選択比 :約13 エッチング後の形状をSEMで観察した結果、PLZT
膜3は異方的形状から、やや順テーパ形状であったが微
小なエッチング残渣が観察された。またレジスト膜4に
は堆積物51の形成が確認できた。このエッチング方法
もレジストマスクの使用が可能であり、対レジスト選択
比の高い微細加工が可能であることがわかる。また本実
施例以外にマイクロ波のみでプラズマを生成させる図8
に示す装置を用いても、エッチング速度は低下するが、
生産性の高いレジストマスクで高精度の微細加工が可能
であることを確認した。 実施例25.次にハロゲン系或いはハロゲン基を含むガ
スの例として臭化水素を第一のエッチング処理ガスと
し、ジオン構造を有するガスの例としてアセチルアセト
ン((CH3 CO)2 CH2 )を第二のエッチング処理
ガスとした場合のPLZTエッチングの実験例について
説明する。実験に使用した装置は図2の装置である。
【0127】次にエッチング方法について説明する。図
2を参照して、処理室5内に臭化水素を毎分50ccで
供給し、ガス圧力を3mTorrとした。高周波電源1
0より13.56MHzの高周波を1000Wの電力で
印加し、またコイル11に電流を流し200ガウスの磁
界を発生させ、両者によりマグネトロン放電を発生させ
てプラズマを形成した。当該プラズマによりPLZT膜
3に第一の工程のエッチング処理を施した。次にメタン
ガスの供給を停止し、替わりにアセチルアセトンガスを
毎分300ccで供給し、ガス圧力を10Torrと
し、プラズマは生成せずに第二の工程のエッチングを行
なった。この際、電極温度は70℃の一定温度に制御
し、ウエハ温度は第二工程のエッチング終了直前で80
℃であった。上記エッチング処理をそれぞれ30秒間ず
つ交互に2回(合計4回)行なった場合のエッチング結
果は以下の通りである。
【0128】 PLZTエッチング速度:114nm/min 対レジスト選択比 :約3.3 エッチング終了後の被処理膜をSEMで観察した結果、
PLZT膜3は異方的にエッチングされ、エッチング表
面に僅かな残渣があった。またレジスト膜4上には保護
膜51の堆積が見られなかった。この結果はこれまでの
実施例の中でエッチング速度が速く、対レジスト選択比
も実用上充分な値であり、本エッチング方法は、生産性
の高いレジストマスクで高精度の微細加工が可能なエッ
チング手法であることがわかる。
【0129】本実施例ではハロゲン系或いはハロゲン基
を含むガスの例として臭化水素を第一のエッチング処理
ガスとしたが、ハロゲン系ガスとしては、フッ素、臭
素、沃素、またハロゲン基を含むガスとしては、フッ素
系ガス、塩素系ガス、臭素系ガス、沃素系ガスを用いて
も上記実施例25と同様の効果が得られた。フッ素系ガ
スとしては、HF,BF3 ,CF4 ,C2 4 ,C2
6 ,C3 8 ,C4 1 0 ,CHF3 ,COF2 ,NF
3 、SiF4 ,SF6 ,S2 2 ,XeF2 、塩素系ガ
スとしては、HCl,BCl3 ,CCl4 ,CFx Cl
4 - x ,CHx Cl4 - x ,CHFCl2 ,COC
2 ,NOCl,SiCl4 ,S2 Cl2 ,ClF3
PCl3 (但しxは4迄の整数)、臭素系ガスとして
は、HBr,BBr3 ,CBr4 ,CFx Br4 - x
CClx Br4 - x ,CHFBr2 ,S2Br2 ,Br
3 ,BrF5 、(但しxは4迄の整数)、沃素系ガス
としては、HI、CF3 I,CHx 4 - x 、IBr
(但しxは4迄の整数)等があげられる。また、ジオン
構造を有するガスの例としてアセチルアセトンを第二の
エッチング処理ガスとしたが、テトラメチルヘプタジオ
ン(((CH3 3 CO)2 CH2 )、或いはヘキサフ
ルオロアセチルアセトン((CF3 CO)2 CH2 )を
用いても上記実施例25と同様の効果が得られた。 実施例26.次にアルゴンガスを第一のエッチング処理
ガスとし、ジオン構造を有するガスの例としてアセチル
アセトン((CH3 CO)2 CH2 )を第二のエッチン
グ処理ガスとした場合のPLZTエッチングの実験例に
ついて説明する。実験に使用した装置は図2の装置であ
る。
【0130】次にエッチング方法について説明する。図
2を参照して、処理室5内にアルゴンを毎分50ccで
供給し、ガス圧力を3mTorrとした。高周波電源1
0より13.56MHzの高周波を1000Wの電力で
印加し、またコイル11に電流を流し200ガウスの磁
界を発生させ、両者によりマグネトロン放電を発生させ
てプラズマを形成した。当該プラズマによりPLZT膜
3に第一の工程のエッチング処理を施した。次にメタン
ガスの供給を停止し、替わりにアセチルアセトンガスを
毎分300ccで供給し、ガス圧力を10Torrとし
プラズマは生成せずに第二の工程のエッチングを行なっ
た。この際、電極温度は70℃の一定温度に制御し、ウ
エハ温度は第二工程のエッチング終了直前で80℃であ
った。上記エッチング処理をそれぞれ30秒間ずつ交互
に2回(合計4回)行なった場合のエッチング結果は以
下の通りである。
【0131】 PLZTエッチング速度:35nm/min 対レジスト選択比 :約1.9 エッチング終了後の被処理膜をSEMで観察した結果、
PLZT膜3は異方的にエッチングされ、エッチング表
面に残渣が存在していた。またレジスト膜4上には保護
膜51の堆積が見られなかった。このエッチング結果に
よれば、対レジスト選択比がやや低いが、腐食性や安全
性に問題のあるハロゲン系のガスを用いず、また堆積性
も小さいためにマイクロローディング効果の小さなエッ
チング特性が得られ、本実施例のエッチング方法は、今
後の微細加工のためのエッチング方法として有用と考え
られる。また以上の実施例に加え、アルゴンの替わりに
ヘリウム、窒素を用いても上記実施例26と同様の結果
を得た。
【0132】上記実施例25,26のエッチング機構を
推定すると、ハロゲン系或いはハロゲン基含有ガス、或
いは窒素、アルゴン、ヘリウム等のプラズマからのイオ
ン衝撃による酸素結合の切断により被加工物表面に金属
が露出し、当該金属とジオン構造を有するガス、今回の
実施例ではアセチルアセトンとが反応し、たとえばジル
コニウムでは、アセチルアセトンジルコニウム(Zr(
5 7 2 3 )が生成する。この物質は、昇華温度
が低く、77℃から102℃(1mmHg)であるた
め、容易にガス化するので、エッチングが進行するもの
と考えられる。但し、実施例21,22と比べてエッチ
ング後の表面にやや残渣が多い原因は、上記実施例2
5,26のガスに還元性が無いためと考えられる。 実施例27.上記実施例21から26で説明したエッチ
ング方法において、実施例7と同様の方法でエッチング
後の多元系酸化物高誘電率膜の誘電特性を測定したとこ
ろ、エッチング処理は良好であるが、場合によってはリ
ーク電流が増加しショートする現象が見られた。この現
象の原因は、実施例7と同じく被加工物表面の抵抗率が
大きく低下したためとわかった。
【0133】この現象を実際に実施例で説明すると、実
施例21のPLZT膜3のエッチング終了後、上部白金
電極を形成した後のリーク電流は非常に大きくショート
状態であった。そこで当該試料を酸素ガス中で数分間、
200℃以上で後処理を行なったところ、リーク電流は
1.3×10- 7 A/cm2 に回復した。酸素ガスの替
わりにオゾンガスを用いても同様のリーク電流の回復が
見られた。
【0134】また図2,図5,図6,図8のプラズマ処
理装置で酸素ガス或いはオゾンガスを用いた後処理を行
なっても同様の効果を確認した。
【0135】上記実施例21から26で説明したエッチ
ング機構から容易に推測できるようにこれらのエッチン
グ方法、及び装置は、ABO3 で表わされ、Aは鉛(P
b),バリウム(Ba),ストロンチウム(Sr),カ
ルシウム(Ca),ランタン(La)、リチウム(L
i)のうち少なくとも1種以上、またBはチタン(T
i),ジルコニウム(Zr),ニオブ(Nb),マグネ
シウム(Mg),亜鉛(Zn)、タンタル(Ta)のう
ち少なくとも1種以上の元素で構成される他の多元系酸
化物高誘電率膜に対しても有効であった。また上記実施
例21から26で説明した多元系酸化物高誘電率膜はゾ
ルゲル法で生成したPLZT膜を例に説明したが、スパ
ッタ法、CVD法等の他の薄膜生成法で形成した多元系
酸化物高誘電率膜においてもエッチング特性に大きな変
化は無かった。 実施例28.以下、高融点金属または高融点金属化合物
のエッチングの実施例について図11を参照して説明す
る。図11は、エッチング用処理ガスとして炭化水素系
ガス(例えばメタン)を用い、該処理ガスをプラズマ化
して、パターニングされた有機系樹脂(例えばノボラッ
ク型)レジストを用いて高融点金属または高融点金属化
合物(例えば白金)の薄膜をエッチング処理していると
きの様子を示す。この場合の被処理物としては、シリコ
ン基板1上に絶縁膜であるシリコン酸化膜2を形成し、
その上に白金膜3を形成し、白金膜3の上で有機系樹脂
レジスト4をパターニングしたものである。
【0136】このような被処理物のエッチング中には、
有機系樹脂レジスト4の表面に保護膜51が付着する。
一方、白金膜3の表面ではメチル基が2個、4個または
6個結合した白金が生成され、離脱することにより白金
膜3のエッチングが進行する。これは、エッチング途中
の被処理物表面のSEM観察で、白金膜3の表面上には
保護膜51が確認されずにエッチングが進行しているこ
とからも裏付けられる。
【0137】次に、このようにエッチングを行なう装置
の例を図12に示す。図12において、処理室5には、
エッチング処理に用いるガスを供給するガス供給装置
(図示せず)と接続された少なくとも1個のガス導入口
6を設け、また処理室5の内部を所定の圧力に排気する
真空排気装置(図示せず)に接続された少なくとも1個
の真空排気口7が設置されている。この処理室5の内部
には、被処理膜3が形成されたウエハ1を配置するため
に高周波(カソード)電極8が設置されている。高周波
電極8は、処理室5とは絶縁物21で絶縁されている。
高周波(カソード)電極8には整合回路9を介して高周
波(RF)電源10が接続されている。高周波電極8に
は、電極温度制御用としてヒータ12とヒータ電源2
2、及び冷却水循環装置(図示せず)に接続される少な
くとも1個の冷却水導入口13と少なくとも1個の冷却
水排出口14が設置され、高周波電極8及びウエハ1の
温度を測定するために蛍光体を塗布した光ファイバ式の
温度計15が設置されている。またウエハ1の裏面と高
周波電極8との間には電極側より冷却ガスを冷却ガス導
入口17から流し、ウエハ1と電極8との間の熱伝達を
改善している。処理室5には放電観察用とエッチングの
終了を検知するためのエッチング終点検出器(図示せ
ず)取り付け用の窓16が設けられている。
【0138】図12に示す装置を用いて、上記の被処理
物のエッチングを行なったときの実験条件と結果を表2
に示す。この結果から、白金膜はエッチングされている
のに対して、有機系樹脂レジストは逆に膜厚が増えてい
る。これは、図11で示したように有機系樹脂レジスト
4の表面に保護膜51が付着する反面、白金膜3はメチ
ル基の作用によりエッチングされていると考えられる。
また、図2や図5に示す装置を用いても同様の効果が得
られる。
【0139】
【表2】
【0140】以上の実施例28では、炭化水素系ガスと
してメタンを用いたが、ガスはメタンに限るものではな
く、他の炭化水素系ガス、例えば、エタン、プロパン、
ブタン、ペンタン等あるいは、メチル基、エチル基など
のアルキル基をエッチング処理中に生成するガスを用い
ても同等の効果が得られる。高融点金属または高融点金
属化合物として、白金を用いたが、パラジウム、イリジ
ウム、金、ルテニウム、レニウム、オスミウム、ロジウ
ム等の金属或いはリン化白金、酸化白金、酸化パラジウ
ム、酸化イリジウム、酸化金、酸化ルテニウム、酸化レ
ニウム、酸化オスミウム、酸化ロジウム、白金シリサイ
ド、パラジウムシリサイド、イリジウムシリサイド、金
シリサイド、ルテニウムシリサイド、レニウムシリサイ
ド、オスミウムシリサイド、ロジウムシリサイド等の金
属化合物に対しても同様の効果が得られる。 実施例29.図13は、エッチング用処理ガスとしてエ
ッチング処理中にアルコキシル基を生成するガス(例え
ばエタノール)を用い、該処理ガスをプラズマ化して、
実施例28と同じ被処理物をエッチング処理していると
きの様子を示す。
【0141】このような被処理物のエッチング中には、
有機系樹脂レジスト4の表面に保護膜51が付着する。
一方、白金膜3の表面では白金のメチル化合物や白金の
水酸化物などが生成され、離脱することにより白金膜3
のエッチングが進行する。これは、エッチング途中の被
処理物表面のSEM観察で、白金膜3の表面上には保護
膜51が確認されずにエッチングが進行していることか
らも裏付けられる。
【0142】上記実施例28と同様に図12、図2、図
5に示す装置を用いて、このようなエッチングを行なう
ことができる。また、エッチング処理中にアルコキシル
基を生成するガスとしてエタノールを用いたが、ガスは
エタノールに限るものではなく、他のエッチング処理中
にアルコキシル基を生成するガス、例えば、メタノール
(CH3 OH),プロパノール(C3 7 OH),アセ
トン(CH3 COCH 3 )、ブチルアセトン(CH3
OO( CH2 3 CH3 )等を用いても同等の効果が得
られる。 実施例30.炭化水素系ガスとしてメタンと、ハロゲン
系ガスまたはハロゲン基を含むガスとして臭化水素との
混合ガスをエッチング用処理ガスに用い、実施例28と
同じ被処理物のエッチングを図2に示す装置で、表3に
示す実験条件で行なった。そのときのエッチング特性は
図14、図15のようになった。図14においてメタン
の流量比を増加させると有機系樹脂レジストのエッチン
グ速度は単調に減少する。一方、白金のエッチング速度
はメタンの流量比が50%を越えると減少し始めるが、
減少の割合は有機系樹脂レジストの場合より小さい。そ
のため、図15のように、白金の対有機系樹脂レジスト
選択比は飛躍的に向上する。また、図12や図5に示す
装置を用いても同様の効果が得られる。
【0143】
【表3】
【0144】以上の実施例30に加え、ハロゲン系ガス
またはハロゲン基を含むガスのうち、ハロゲン系ガスと
しては、フッ素、臭素、沃素、またハロゲン基を含むガ
スとしては、フッ素系ガス、塩素系ガス、臭素系ガス、
沃素系ガスを用いても同様の効果が得られる。フッ素系
ガスとしては、HF,BF3 ,CF4 ,C2 4 ,C 2
6 ,C3 8 ,C4 1 0 ,CHF3 ,COF2 ,N
3 、SiF4 ,SF 6 ,S2 2 ,XeF2 、塩素
系ガスとしては、HCl,BCl3 ,CCl4,CFx
Cl4 - x ,CHx Cl4 - x ,CHFCl2 ,COC
2 ,NOCl,SiCl4 ,S2 Cl2 ,ClF3
PCl3 (但しxは4迄の整数)、臭素系ガスとして
は、HBr,BBr3 ,CBr4 ,CFx Br4 - x
CClx Br4 - x ,CHFBr2 ,S2 Br2 ,Br
3 ,BrF5 、(但しxは4迄の整数)、沃素系ガス
としては、HI、CF3 I,CHx 4 - x 、IBr
(但しxは4迄の整数)等が用いられる。また、炭化水
素系ガスとしてメタンを用いたが、ガスはメタンに限る
ものではなく、他の炭化水素系ガス、例えば、エタン、
プロパン、ブタン、ペンタン等あるいは、メチル基、エ
チル基などのアルキル基をエッチング処理中に生成する
ガスを用いても同等の効果が得られる。高融点金属また
は高融点金属化合物として、白金を用いたが、パラジウ
ム、イリジウム、金、ルテニウム、レニウム、オスミウ
ム、ロジウム等の金属或いはリン化白金、酸化白金、酸
化パラジウム、酸化イリジウム、酸化金、酸化ルテニウ
ム、酸化レニウム、酸化オスミウム、酸化ロジウム、白
金シリサイド、パラジウムシリサイド、イリジウムシリ
サイド、金シリサイド、ルテニウムシリサイド、レニウ
ムシリサイド、オスミウムシリサイド、ロジウムシリサ
イド等の金属化合物に対しても同様の効果が得られる。 実施例31.エッチング処理中にアルコキシル基を生成
するガスとしてエタノールと、ハロゲン系ガスまたはハ
ロゲン基を含むガスとして臭化水素との混合ガスをエッ
チング用処理ガスに用いて、実施例28と同じ被処理物
を、図2に示す装置を用い、表4に示す実験条件でエッ
チングした。その結果、エタノールの流量比が50%の
とき、白金のエッチング速度は1250Å/min、有
機系樹脂レジストのエッチング速度は950Å/min
であり、白金の対有機系樹脂レジスト選択比の向上がみ
られた。図12や図5に示す装置を用いても同様の効果
が得られる。
【0145】
【表4】
【0146】以上の実施例31に加え、ハロゲン系ガス
またはハロゲン基を含むガスとしてフッ素、フッ化水
素、塩素、塩化水素、四フッ化炭素、臭素、ヨウ化水素
等を用いても同様の効果が得られる。また、エッチング
処理中にアルコキシル基を生成するガスとしてエタノー
ルを用いたが、ガスはエタノールに限るものではなく、
他のエッチング処理中にアルコキシル基を生成するガ
ス、例えば、メタノール(CH3 OH),プロパノール
(C3 7 OH),アセトン(CH3 COCH3 )、ブ
チルアセトン(CH3 COO( CH2 3 CH3 )等を
用いても同等の効果が得られる。高融点金属または高融
点金属化合物として、白金を用いたが、パラジウム、イ
リジウム、金、ルテニウム、レニウム、オスミウム、ロ
ジウム等の金属或いはリン化白金、酸化白金、酸化パラ
ジウム、酸化イリジウム、酸化金、酸化ルテニウム、酸
化レニウム、酸化オスミウム、酸化ロジウム、白金シリ
サイド、パラジウムシリサイド、イリジウムシリサイ
ド、金シリサイド、ルテニウムシリサイド、レニウムシ
リサイド、オスミウムシリサイド、ロジウムシリサイド
等の金属化合物に対しても同様の効果が得られる。 実施例32.エッチング用処理ガスとして、水素と臭化
水素の混合ガスを用いて、実施例28と同じ被処理物
を、図2に示す装置を用い、表5に示す実験条件でエッ
チングした。エッチング特性は、図16、図17のよう
になった。図16において水素の流量比を増加させると
有機系樹脂レジストのエッチング速度は単調に減少す
る。一方、白金のエッチング速度は水素の流量比が50
%を越えると減少し始めるが、50%まではむしろわず
かに増加傾向にある。このため、図17のように、白金
の対有機系樹脂レジスト選択比は水素の流量比が50%
までは向上する。また、図12や図5に示す装置を用い
ても同様の効果が得られる。
【0147】
【表5】
【0148】以上の実施例32に加え、ハロゲン系ガス
またはハロゲン基を含むガスのうち、ハロゲン系ガスと
しては、フッ素、臭素、沃素、またハロゲン基を含むガ
スとしては、フッ素系ガス、塩素系ガス、臭素系ガス、
沃素系ガスを用いても同様の効果が得られる。フッ素系
ガスとしては、HF,BF3 ,CF4 ,C2 4 ,C 2
6 ,C3 8 ,C4 1 0 ,CHF3 ,COF2 ,N
3 、SiF4 ,SF 6 ,S2 2 ,XeF2 、塩素系
ガスとしては、HCl,BCl3 ,CCl4 ,CFx
4 - x ,CHx Cl4 - x ,CHFCl2 ,COCl
2 ,NOCl,SiCl4 ,S2 Cl2 ,ClF3 ,P
Cl3 (但しxは4迄の整数)、臭素系ガスとしては、
HBr,BBr3 ,CBr4 ,CFx Br4 - x ,CC
x Br 4 - x ,CHFBr2 ,S2 Br2 ,Br
3 ,BrF5 、(但しxは4迄の整数)、沃素系ガス
としては、HI、CF3 I,CHx 4 - x 、IBr
(但しxは4迄の整数)等が用いられる。高融点金属ま
たは高融点金属化合物として、白金を用いたが、パラジ
ウム、イリジウム、金、ルテニウム、レニウム、オスミ
ウム、ロジウム等の金属或いはリン化白金、酸化白金、
酸化パラジウム、酸化イリジウム、酸化金、酸化ルテニ
ウム、酸化レニウム、酸化オスミウム、酸化ロジウム、
白金シリサイド、パラジウムシリサイド、イリジウムシ
リサイド、金シリサイド、ルテニウムシリサイド、レニ
ウムシリサイド、オスミウムシリサイド、ロジウムシリ
サイド等の金属化合物に対しても同様の効果が得られ
る。 実施例33.有機系樹脂レジストを保護する作用のある
ガスを含むエッチング用処理ガスでエッチングする第1
の工程と、シリコン酸化膜のエッチングを抑える作用の
ある酸化性ガスを含むエッチング用処理ガスでエッチン
グする第2の工程からなるエッチング方法について図1
8を用いて説明する。第1の工程では、エッチング用処
理ガスとして、炭化水素系ガス(例えばメタン)とハロ
ゲン系またはハロゲン基を含むガス(たとえば臭化水
素)の混合ガスを用いる。このガスをプラズマ化して被
処理物(図18(a)参照)を下地のシリコン酸化膜2
の表面がまだ露出していないところまでエッチングする
(図18(b)参照)。次にエッチング処理用ガスを酸
化性ガス(例えば酸素)とハロゲン系またはハロゲン基
を含むガス(たとえば塩素)の混合ガスに変更して、該
ガスをプラズマ化して被処理物をエッチングし、オーバ
ーエッチングするまで行なう(図18(c)参照)。図
2に示す装置を用いて表6の条件で該エッチングを行な
うと、第1の工程では、白金膜3のエッチングレートは
741Å/minで、対有機系樹脂レジスト選択比は
2.31、対シリコン酸化膜選択比は1.0である。第
1の工程では対有機系樹脂レジスト選択比が大きいた
め、有機系樹脂レジスト4はあまりエッチングされるこ
となく白金膜3のエッチングが進行する。また、この時
は、下地のシリコン酸化膜2の表面は露出していないの
で対シリコン酸化膜選択比が小さくても問題はない。下
地のシリコン酸化膜2が露出する直前で第2の工程に切
り替える。この第2の工程における白金膜3のエッチン
グレートは600Å/min、対有機系樹脂レジスト選
択比は0.5、対シリコン酸化膜選択比は2.7であ
る。第2の工程で残りの白金膜3のエッチング、及びオ
ーバーエッチングを行なっても下地のシリコン酸化膜2
はあまりエッチングされない。また、第1の工程で有機
系樹脂レジスト4はあまりエッチングされないので、こ
の第2の工程に必要な有機系樹脂レジスト4の膜厚は充
分に確保される。
【0149】第1の工程に用いるエッチング方法は上記
実施例28〜31のいずれのエッチング方法を用いても
かまわない。また第2の工程で用いる酸化性ガスは酸素
に限るものではなく、オゾン等を用いても同様の効果が
得られる。また、図12や図5に示す装置を用いても同
様の効果が得られる。以上の実施例33に加え、ハロゲ
ン系ガスまたはハロゲン基を含むガスのうち、ハロゲン
系ガスとしては、フッ素、臭素、沃素、またハロゲン基
を含むガスとしては、フッ素系ガス、塩素系ガス、臭素
系ガス、沃素系ガスを用いても同様の効果が得られる。
フッ素系ガスとしては、HF,BF3 ,CF4 ,C2
4 ,C2 6 ,C3 8 ,C4 1 0 ,CHF3 ,CO
2 ,NF3 、SiF4 ,SF6 ,S2 2 ,Xe
2 、塩素系ガスとしては、HCl,BCl3 ,CCl
4 ,CFx Cl4 - x ,CHx Cl4 - x ,CHFCl
2 ,COCl2 ,NOCl,SiCl4 ,S2 Cl2
ClF 3 ,PCl3 (但しxは4迄の整数)、臭素系ガ
スとしては、HBr,BBr3,CBr4 ,CFx Br
4 - x ,CClx Br4 - x ,CHFBr2 ,S2 Br
2 ,BrF3 ,BrF5 、(但しxは4迄の整数)、沃
素系ガスとしては、HI、CF3 I,CHx 4 - x
IBr(但しxは4迄の整数)等が用いられる。高融点
金属または高融点金属化合物として、白金を用いたが、
パラジウム、イリジウム、金、ルテニウム、レニウム、
オスミウム、ロジウム等の金属、或いはリン化白金、酸
化白金、酸化パラジウム、酸化イリジウム、酸化金、酸
化ルテニウム、酸化レニウム、酸化オスミウム、酸化ロ
ジウム、白金シリサイド、パラジウムシリサイド、イリ
ジウムシリサイド、金シリサイド、ルテニウムシリサイ
ド、レニウムシリサイド、オスミウムシリサイド、ロジ
ウムシリサイド等の金属化合物に対しても同様の効果が
得られる。
【0150】
【表6】
【0151】実施例34.上記実施例28〜33におい
てエッチング処理中の被処理物の温度制御を行なうこと
により、効果をより大きくすることができる。例えば実
施例30において、図2の装置の高周波電極8をエッチ
ング中、0℃の温度に保持した場合、温度制御しない場
合に比べて、白金の対有機系樹脂レジスト選択比は約3
0%向上することが確認された。また、図12や図5に
示す装置を用いても同様の効果が得られる。 実施例35.図2に示す装置を用いて、エッチングガス
として炭化水素系ガスとしてメタンと、ハロゲン系ガス
として臭化水素ガスとの混合ガスを用い、高融点金属ま
たは高融点金属化合物として白金膜と、多元系酸化物高
誘電率膜として厚み60nmのスパッタSTO膜と、更
に白金膜とからなる三層構造の膜をエッチングした結果
を示す。白金膜の厚さは両者とも70nmである。また
加工用マスクとしては有機系レジスト膜(厚さ1500
nm)をパターニングして用いた。
【0152】図2を参照して、処理室5内にメタンガス
を毎分10cc及び臭化水素ガスを毎分40ccで供給
し、ガス圧力を3mTorrとした。高周波電源10よ
り13.56MHzの高周波を1000Wの電力で印加
し、またコイル11に電流を流し200ガウスの磁界を
発生させ、両者によりマグネトロン放電を発生させてプ
ラズマを形成し、当該プラズマにより上記三層膜をエッ
チングした。エッチング時間は約2.4分であり、エッ
チング後の形状をSEMで観察した結果、異方的に加工
されており残渣は見られなかった。またレジスト膜4に
も顕著な保護膜は見られなかった。このように本発明の
エッチング方法を用いることにより、従来から公知例の
無い上記三層膜の連続エッチングが可能となった。また
エッチング後の膜の誘電特性を測定したところ、場合に
よっては、リーク電流が通常より約4から6桁も大きく
なる現象が見られた。この現象の原因は、その後の実験
の結果、エッチングした多元系酸化物高誘電率膜の表面
(特に図9に示す側面25)がエッチング処理ガスによ
り還元されるか、或いはプラズマ中のイオンの衝撃によ
り酸素結合が切断される等の原因から当該部分の表面の
抵抗率が大きく低下したためとわかった。この対策とし
て当該エッチング後の試料を酸素ガス中で数分間、20
0℃以上で後処理を行なったところ、リーク電流は回復
した。酸素ガスの替わりにオゾンガスを用いても同様の
リーク電流の回復が見られた。また図2,図5,図6,
図8、図12のプラズマ処理装置で酸素ガス或いはオゾ
ンガスを用いた後処理を行なっても同様の効果を確認し
た。
【0153】上記の実施例35では、炭化水素系ガスの
例としてメタンを用いたが、エタン、プロパン、ブタ
ン、ペンタン等あるいは、メチル基、エチル基などのア
ルキル基をエッチング処理中に生成するガスや水素を用
いても同等の効果が得られる。
【0154】また、エッチング処理中にアルコキシル基
を生成するガス、例えば、メタノール(CH3 OH),
エタノール(C2 5 OH),プロパノール(C3 7
OH),アセトン(CH3 COCH3 )、ブチルアセト
ン(CH3 COO( CH2 3 CH3 )等を用いても同
等の効果が得られる。
【0155】以上の実施例35に加え、ハロゲン系ガス
またはハロゲン基を含むガスのうち、ハロゲン系ガスと
しては、フッ素、臭素、沃素、またハロゲン基を含むガ
スとしては、フッ素ガス、塩素系ガス、臭素系ガス、沃
素系ガスが用いられても同様の効果が得られる。フッ素
系ガスとしては、HF,BF3 ,CF4 ,C2 4 ,C
2 6 ,C3 8 ,C4 1 0 ,CHF3 ,COF2
NF3 、SiF4 ,SF6 ,S2 2 ,XeF2 、塩素
系ガスとしては、HCl,BCl3 ,CCl4,CFx
Cl4 - x ,CHx Cl4 - x ,CHFCl2 ,COC
2 ,NOCl,SiCl4 ,S2 Cl2 ,ClF3
PCl3 (但しxは4迄の整数)、臭素系ガスとして
は、HBr,BBr3 ,CBr4 ,CFx Br4 - x
CClx Br4 - x ,CHFBr2 ,S2 Br2 ,Br
3 ,BrF5 、(但しxは4迄の整数)、沃素系ガス
としては、HI、CF3 I,CHx 4 - x 、IBr
(但しxは4迄の整数)等が用いられる。また希ガスあ
るいは窒素ガスを用いても同様の効果が得られる。高融
点金属または高融点金属化合物として、白金を用いた
が、パラジウム、イリジウム、金、ルテニウム、レニウ
ム、オスミウム、ロジウム等の金属、或いはリン化白
金、酸化白金、酸化パラジウム、酸化イリジウム、酸化
金、酸化ルテニウム、酸化レニウム、酸化オスミウム、
酸化ロジウム、白金シリサイド、パラジウムシリサイ
ド、イリジウムシリサイド、金シリサイド、ルテニウム
シリサイド、レニウムシリサイド、オスミウムシリサイ
ド、ロジウムシリサイド等の金属化合物に対しても同様
の効果が得られる。
【0156】上記実施例35で説明したエッチング方
法、及び装置は、ABO3 で表わされ、Aは鉛(P
b),バリウム(Ba),ストロンチウム(Sr),カ
ルシウム(Ca),ランタン(La)、リチウム(L
i)のうち少なくとも1種以上、またBはチタン(T
i),ジルコニウム(Zr),ニオブ(Nb),マグネ
シウム(Mg),亜鉛(Zn)、タンタル(Ta)のう
ち少なくとも1種以上の元素で構成される他の多元系酸
化物高誘電率膜に対しても有効であった。また上記多元
系酸化物高誘電率膜はスパッタ法で生成したSTO膜を
例に説明したが、ゾルゲル法或いはCVD法等の他の薄
膜生成法で形成した多元系酸化物高誘電率膜においても
エッチング特性に変化は無かった。
【0157】また上記実施例35で用いた装置の他に図
5、図6、図8、図12の装置を用いても上記と同様の
結果を得ることができた。 実施例36.図2に示す装置を用いて、エッチングガス
としてエッチング処理中にアルコキシル基を生成するメ
チルアルコールを用い、高融点金属または高融点金属化
合物として白金膜と、多元系酸化物高誘電率膜として厚
み100nmのPLZT膜と、更に白金膜とからなる三
層構造の膜をエッチングした結果を示す。白金膜の厚さ
は両者とも70nmである。また加工用マスクとしては
有機系レジスト膜(厚さ1500nm)をパターニング
して用いた。
【0158】図2を参照して、処理室5内にメタノール
(CH3 OH)を毎分50ccで供給し、ガス圧力を3
mTorrとした。高周波電源10より13.56MH
zの高周波を1000Wの電圧で印加し、またコイル1
1に電流を流し200ガウスの磁界を発生させ、両者に
よりマグネトロン放電を発生させてプラズマを形成し、
当該プラズマにより上記三層膜をエッチングした。エッ
チング時間は約3.8分であり、エッチング後の形状を
SEMで観察した結果、異方的に加工されており残渣は
見られなかった。またレジスト膜4にも顕著な保護膜は
見られなかった。このように本発明のエッチング方法を
用いることにより、従来から公知例の無い上記三層膜の
連続エッチングが可能となった。またエッチング後の膜
の誘電特性を測定したところ、場合によっては、リーク
電流が通常より約3から6桁も大きくなる現象が見られ
た。この現象の原因は、その後の実験の結果、エッチン
グした多元系酸化物高誘電率膜の表面(特に図9に示す
側面25)がエッチング処理ガスにより還元されるか、
或いはプラズマ中のイオンの衝撃により酸素結合が切断
される等の原因から当該部分の表面の抵抗率が大きく低
下したためとわかった。この対策として当該エッチング
後の試料を酸素ガス中で数分間、200℃以上で後処理
を行なったところ、リーク電流は回復した。酸素ガスの
替わりにオゾンガスを用いても同様のリーク電流の回復
が見られた。
【0159】また図2,図5,図6,図8、図12のプ
ラズマ処理装置で酸素ガス或いはオゾンガスを用いた後
処理を行なっても同様の効果を確認した。
【0160】上記の実施例36では、エッチング処理中
にアルコキシル基を生成するガスとしてエタノールを用
いたが、ガスはエタノールに限るものではなく、他のエ
ッチング処理中にアルコキシル基を生成するガス、例え
ば、メタノール(CH3 OH),プロパノール(C3
7 OH),アセトン(CH3 COCH3 )、ブチルアセ
トン(CH3 COO( CH2 3 CH3 )等を用いても
同等の効果が得られる。
【0161】また上記の実施例36では、エッチング処
理中にアルコキシル基を生成するガスとしてエタノール
を用いたが、ガスはこれらに限るものではなく、炭化水
素系ガス、例えば、エタン、プロパン、ブタン、ペンタ
ン等あるいは、メチル基、エチル基などのアルキル基を
エッチング処理中に生成するガスを用いても同等の効果
が得られる。
【0162】また高融点金属または高融点金属化合物と
して、白金を用いたが、パラジウム、イリジウム、金、
ルテニウム、レニウム、オスミウム、ロジウム等の金
属、或いはリン化白金、酸化白金、酸化パラジウム、酸
化イリジウム、酸化金、酸化ルテニウム、酸化レニウ
ム、酸化オスミウム、酸化ロジウム、白金シリサイド、
パラジウムシリサイド、イリジウムシリサイド、金シリ
サイド、ルテニウムシリサイド、レニウムシリサイド、
オスミウムシリサイド、ロジウムシリサイド等の金属化
合物に対しても同様の効果が得られる。
【0163】上記実施例36で説明したエッチング方
法、及び装置は、ABO3 で表わされ、Aは鉛(P
b),バリウム(Ba),ストロンチウム(Sr),カ
ルシウム(Ca),ランタン(La)、リチウム(L
i)のうち少なくとも1種以上、またBはチタン(T
i),ジルコニウム(Zr),ニオブ(Nb),マグネ
シウム(Mg),亜鉛(Zn)、タンタル(Ta)のう
ち少なくとも1種以上の元素で構成される他の多元系酸
化物高誘電率膜に対しても有効であった。また上記多元
系酸化物高誘電率膜はゾルゲル法で生成したPLZT膜
を例に説明したが、スパッタ法或いはCVD法等の他の
薄膜生成法で形成した多元系酸化物高誘電率膜において
もエッチング特性に変化は無かった。
【0164】また上記実施例36で用いた装置の他に図
5、図6、図8、図12の装置を用いても上記と同様の
結果を得ることができた。
【0165】
【発明の効果】以上の様に多元系酸化物高誘電率膜のエ
ッチングに本発明のエッチング方法を用いれば、反応生
成物が蒸気圧の高い化合物となるため、エッチング速度
が従来の方法に比べ高速で、しかも被加工物の温度を上
げる必要が無いため、生産性の優れた有機系のレジスト
マスクを使用することが可能となる。また本発明のエッ
チング後処理法を用いれば、エッチング後の被加工物表
面の酸素欠陥を無くし、被加工膜の誘電特性、特にリー
ク電流の低下に顕著な効果を表し、IC等の薄膜キャパ
シタ膜として利用できる。このため上記エッチング方
法、後処理方法を用いることにより、薄膜キャパシタ素
子を容易に且つ再現性良く製造することが可能となる。
また、上記エッチング特性の実現は、本発明のエッチン
グ装置を用いることによりはじめて可能となる。
【0166】また有機系樹脂レジストでパターニングさ
れた高融点金属または高融点金属化合物を主成分とする
薄膜のエッチングにおいて、対有機系樹脂レジスト選択
比を向上させるという効果がある。同様に下地膜がシリ
コン酸化膜でかつ有機系樹脂のレジストでパターニング
された高融点金属または高融点金属化合物を主成分とす
る薄膜のエッチングにおいて、対有機系樹脂レジスト選
択比と対下地膜選択比をともに向上させるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】エッチングに使用する試料の断面図である。
【図2】本発明の実施例で用いたマグネトロンプラズマ
処理装置の概略構成図である。
【図3】実施例1のエッチング処理後の試料の断面図で
ある。
【図4】実施例3のエッチング処理後の試料の断面図で
ある。
【図5】本発明の実施例で用いた有磁場マイクロ波プラ
ズマ処理装置(RF電圧印加型)の概略構成図である。
【図6】本発明の実施例で用いた有磁場マイクロ波プラ
ズマ処理装置の概略構成図である。
【図7】実施例6のエッチング処理後の試料の断面図で
ある。
【図8】本発明の実施例で用いたマイクロ波プラズマ処
理装置の概略構成図である。
【図9】誘電特性測定用試料の断面図である。
【図10】実施例22で用いたプラズマ処理装置の概略
構成図である。
【図11】本発明の実施例28のエッチング方法による
処理中の試料の断面図である。
【図12】本発明を実施するための装置の一例であるR
F放電プラズマ処理装置を示す縦断面図である。
【図13】本発明の実施例29のエッチング方法による
処理中の試料の断面図である。
【図14】本発明の実施例30のエッチング方法におい
てエッチング用処理ガス中のメタンの流量比を変化させ
たときの白金と有機系樹脂レジスト各々のエッチング速
度を示す図である。
【図15】本発明の実施例30のエッチング方法におい
てエッチング用処理ガス中のメタンの流量比を変化させ
たときの白金の対有機系樹脂レジスト選択比を示す図で
ある。
【図16】本発明の実施例32のエッチング方法におい
てエッチング用処理ガス中の水素の流量比を変化させた
ときの白金と有機系樹脂レジスト各々のエッチング速度
を示す図である。
【図17】本発明の実施例32のエッチング方法におい
てエッチング用処理ガス中の水素の流量比を変化させた
ときの白金の対有機系樹脂レジスト選択比を示す図であ
る。
【図18】本発明の実施例33のエッチング方法におい
てエッチング前および第1の工程終了後および第2の工
程終了後の試料の断面図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板(ウエハ) 2 シリコン酸化膜 3 被処理膜 4 有機系レジスト膜 5 処理室 6 ガス導入口 7 真空排気口 8 高周波電極 9 整合回路 10 高周波電源 11 コイル 12 ヒータ 13 冷却水導入口 14 冷却水排出口 15 光ファイバ式温度計 16 窓 17 冷却ガス導入口 18 白金膜 19 マイクロ波導波管 20 マグネトロン 21 絶縁物 22 ヒータ電源 23 残渣 24 白金電極 25 側面 51 保護膜(堆積物)
フロントページの続き (72)発明者 藤原 伸夫 兵庫県伊丹市瑞原4丁目1番地 三菱電機 株式会社エル・エス・アイ研究所内 (72)発明者 奥平 智仁 兵庫県伊丹市瑞原4丁目1番地 三菱電機 株式会社エル・エス・アイ研究所内 (72)発明者 伊藤 博巳 兵庫県伊丹市瑞原4丁目1番地 三菱電機 株式会社エル・エス・アイ研究所内

Claims (46)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揮発性有機金属を生成する有機ガスをエ
    ッチングガスとして用いて高誘電率を有する多元系酸化
    物膜をエッチングする方法。
  2. 【請求項2】 前記エッチングガスは、メタン、エタ
    ン、プロパン、ブタンからなる群より選ばれた炭化水素
    である、請求項1に記載のエッチング方法。
  3. 【請求項3】 前記エッチングガスは、メタノール、エ
    タノール、プロパノールからなる群より選ばれたアルコ
    ールである、請求項1に記載のエッチング方法。
  4. 【請求項4】 前記エッチングガスは、アセトン、ブチ
    ルアセトンからなる群より選ばれたケトンである、請求
    項1に記載のエッチング方法。
  5. 【請求項5】 前記エッチングガスは、テトラメチルヘ
    プタジオン、アセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチ
    ルアセトンからなる群より選ばれたジオン構造を有する
    化合物である、請求項1に記載のエッチング方法。
  6. 【請求項6】 前記多元系酸化物はABO3 なる化学式
    で表わされ、Aは鉛、バリウム、ストロンチウム、カル
    シウム、ランタンおよびリチウムからなる群より選ばれ
    た少なくとも1種の元素、Bはチタン、ジルコニウム、
    ニオブ、マグネシウム、亜鉛およびタンタルからなる群
    より選ばれた少なくとも1種の元素である、請求項1に
    記載のエッチング方法。
  7. 【請求項7】 炭化水素、アルコール、ケトン、一酸化
    炭素、二酸化炭素および水素からなる群より選ばれた少
    なくとも1種を含む第1のガスと、ハロゲン、ハロゲン
    化合物および希ガスからなる群より選ばれた少なくとも
    1種を含む第2のガスとの混合ガスをエッチングガスと
    して用いて高誘電率を有する多元系酸化物膜をエッチン
    グする方法。
  8. 【請求項8】 前記ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素お
    よび沃素からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む
    ガスであり、前記ハロゲン化合物は、HF,BF3 ,C
    4 ,C2 4 ,C2 6 ,C3 8 ,C4 1 0 ,C
    HF3 ,COF2 ,NF3 、SiF4 ,SF6 ,S2
    2 ,XeF2 、HCl,BCl3 ,CCl4 ,CFx
    4 - x ,CHx Cl4 - x ,CHFCl2 ,COCl
    2 ,NOCl,SiCl4 ,S2 Cl2 ,ClF3 ,P
    Cl3 、HBr,BBr3 ,CBr4 ,CFx Br
    4 - x ,CClx Br4 - x ,CHFBr2 ,S2 Br
    2 ,BrF3 ,BrF5 、HI、CF3 I,CHx
    4 - x 、IBr(但しxは4以下の整数)からなる群よ
    り選ばれた少なくとも1種を含むガスである、請求項7
    に記載のエッチング方法。
  9. 【請求項9】 前記希ガスは、ヘリウム、ネオン、アル
    ゴン、クリプトンおよびキセノンからなる群より選ばれ
    た少なくとも1種を含む、請求項7に記載のエッチング
    方法。
  10. 【請求項10】 前記第1および第2のガスの混合比ま
    たは圧力を時間とともに変化させることを含む、請求項
    7ないし9のいずれかに記載のエッチング方法。
  11. 【請求項11】 前記第1のガスを用いて前記多元系酸
    化物膜をエッチングする第1の工程と、前記第2のガス
    を用いて前記多元系酸化物膜をエッチングする第2の工
    程とを含み、前記第1と第2の工程を交互に繰返す、請
    求項7ないし9のいずれかに記載のエッチング方法。
  12. 【請求項12】 前記第1の工程における前記第1のガ
    スの圧力が前記第2の工程における前記第2のガスの圧
    力よりも高い、請求項11に記載のエッチング方法。
  13. 【請求項13】 炭化水素、アルコール、ケトン、ハロ
    ゲン、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、窒素および希ガ
    スからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む第1の
    ガスをエッチングガスとして用いて高誘電率を有する多
    元系酸化物膜をエッチングする第1のエッチング工程
    と、 ジオン構造を有する化合物を含む第2のガスをエッチン
    グガスとして用いて前記多元系酸化物膜をエッチングす
    る第2のエッチング工程とを備え、 前記第1と第2のエッチング工程を交互に繰返す、高誘
    電率を有する多元系酸化物膜のエッチング方法。
  14. 【請求項14】 前記ジオン構造を有する化合物は、テ
    トラメチルヘプタジオン、アセチルアセトンおよびヘキ
    サフルオロアセチルアセトンからなる群より選ばれた少
    なくとも1種である、請求項13に記載のエッチング方
    法。
  15. 【請求項15】 所定のエッチングガスを用いて高誘電
    率を有する多元系酸化物膜をエッチングする工程と、 前記エッチング工程の終了後に酸素、オゾンおよび酸素
    を発生するガスのうち、いずれかのガスで前記多元系酸
    化物膜の表面を酸化させる後処理工程とを備えた、高誘
    電率を有する多元系酸化物膜のエッチング方法。
  16. 【請求項16】 前記多元系酸化物はABO3 なる化学
    式で表わされ、Aは鉛、バリウム、ストロンチウム、カ
    ルシウム、ランタンおよびリチウムからなる群より選ば
    れた少なくとも1種の元素、Bはチタン、ジルコニウ
    ム、ニオブ、マグネシウム、亜鉛およびタンタルからな
    る群より選ばれた少なくとも1種の元素である、請求項
    7ないし15のいずれかに記載のエッチング方法。
  17. 【請求項17】 揮発性有機金属を生成する有機ガスを
    エッチングガスとして用いて高融点金属含有膜をエッチ
    ングする方法。
  18. 【請求項18】 前記エッチングガスは、メタン、エタ
    ン、プロパン、ブタン、ペンタンからなる群より選ばれ
    た炭化水素である、請求項17に記載のエッチング方
    法。
  19. 【請求項19】 前記エッチングガスは、メタノール、
    エタノール、プロパノールからなる群より選ばれたアル
    コールである、請求項17に記載のエッチング方法。
  20. 【請求項20】 前記エッチングガスは、アセトン、ブ
    チルアセトンからなる群より選ばれたケトンである、請
    求項17に記載のエッチング方法。
  21. 【請求項21】 炭化水素、アルコール、ケトンおよび
    水素からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む第1
    のガスと、ハロゲンおよびハロゲン化合物のうち少なく
    ともいずれかを含む第2のガスとの混合ガスをエッチン
    グガスとして用いて高融点金属含有膜をエッチングする
    方法。
  22. 【請求項22】 揮発性有機金属を生成する有機ガスを
    第1のエッチングガスとして用いて高融点金属含有膜を
    エッチングする第1のエッチング工程と、 ハロゲンおよびハロゲン化合物のうち少なくともいずれ
    かのガスと、酸化性ガスとの混合ガスを第2のエッチン
    グガスとして用いて前記高融点金属含有膜をエッチング
    する第2のエッチング工程とを備え、 前記第2のエッチング工程は前記第1のエッチング工程
    の後に続けて行なわれる、高融点金属含有膜のエッチン
    グ方法。
  23. 【請求項23】 前記第1のエッチングガスは、メタ
    ン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタンからなる群よ
    り選ばれた炭化水素である、請求項22に記載のエッチ
    ング方法。
  24. 【請求項24】 前記第1のエッチングガスは、メタノ
    ール、エタノール、プロパノールからなる群より選ばれ
    たアルコールである、請求項22に記載のエッチング方
    法。
  25. 【請求項25】 前記第1のエッチングガスは、アセト
    ン、ブチルアセトンからなる群より選ばれたケトンであ
    る、請求項22に記載のエッチング方法。
  26. 【請求項26】 炭化水素、アルコール、ケトンおよび
    水素からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む第1
    のガスと、ハロゲンおよびハロゲン化合物のうち少なく
    ともいずれかを含む第2のガスとの混合ガスを第1のエ
    ッチングガスとして用いて高融点金属含有膜をエッチン
    グする第1のエッチング工程と、 ハロゲンおよびハロゲン化合物のうち少なくともいずれ
    かのガスと、酸化性ガスとの混合ガスを第2のエッチン
    グガスとして用いて前記高融点金属含有膜をエッチング
    する第2のエッチング工程とを備え、 前記第2のエッチング工程は前記第1のエッチング工程
    の後に続けて行なわれる、高融点金属含有膜のエッチン
    グ方法。
  27. 【請求項27】 前記高融点金属含有膜は、高融点金属
    および高融点金属化合物のいずれかを含み、前記高融点
    金属は、白金、パラジウム、イリジウム、金、ルテニウ
    ム、レニウム、オスミウム、ロジウムからなる群より選
    ばれた少なくとも1種であり、前記高融点金属化合物
    は、前記高融点金属のシリサイドおよび酸化物のうち少
    なくともいずれかである、請求項17ないし26のいず
    れかに記載のエッチング方法。
  28. 【請求項28】 炭化水素、アルコールおよびケトンか
    らなる群より選ばれた少なくとも1種を含むガスをエッ
    チングガスとして用いて高誘電率を有する多元系酸化物
    膜と高融点金属含有膜とをエッチングする方法。
  29. 【請求項29】 炭化水素、アルコール、ケトンおよび
    水素からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む第1
    のガスと、ハロゲン、ハロゲン化合物、希ガスおよび窒
    素からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む第2の
    ガスとの混合ガスを用いて高誘電率を有する多元系酸化
    物膜と高融点金属含有膜とをエッチングする方法。
  30. 【請求項30】 ガス導入口と真空排気口とを有する真
    空容器と、 被処理膜が形成された基板を搭載するために前記真空容
    器内に配置された電極と、 前記真空容器内にプラズマを生成するために前記電極に
    高周波電圧を印加する電圧印加手段とを備え、 請求項1ないし29のいずれかに記載のエッチング方法
    を行なうためのプラズマ処理装置。
  31. 【請求項31】 マグネトロン放電プラズマを生成する
    ために前記真空容器内に磁場を印加する磁場印加手段を
    さらに備える、請求項30に記載のプラズマ処理装置。
  32. 【請求項32】 ガス導入口と真空排気口とを有する真
    空容器と、 被処理膜が形成された基板を搭載するために前記真空容
    器内に配置された基板搭載台と、 プラズマを生成するために前記真空容器内にマイクロ波
    を印加するマイクロ波印加手段とを備え、 請求項1ないし29のいずれかに記載のエッチング方法
    を行なうためのプラズマ処理装置。
  33. 【請求項33】 電子サイクロトロン共鳴放電プラズマ
    を生成するために前記真空容器内に磁場を印加する磁場
    印加手段をさらに備える、請求項32に記載のプラズマ
    処理装置。
  34. 【請求項34】 前記基板搭載台に高周波電圧を印加す
    る電圧印加手段をさらに備える、請求項32に記載のプ
    ラズマ処理装置。
  35. 【請求項35】 炭化水素、アルコール、ケトン、ハロ
    ゲン、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、窒素および希ガ
    スからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む第1の
    ガスをエッチングガスとして用いて高誘電率を有する多
    元系酸化物膜をエッチングする第1のエッチング工程
    と、 ジオン構造を有する化合物を含む第2のガスをエッチン
    グガスとして用いて前記多元系酸化物膜をエッチングす
    る第2のエッチング工程とを備え、 前記第1と第2のエッチング工程を交互に繰返し、 前記第1と第2のエッチング工程は、請求項30ないし
    34のいずれかに記載のプラズマ処理装置を用いて行な
    われ、 前記第1のエッチング工程のみにおいて、マイクロ波ま
    たは高周波電圧が印加される、高誘電率を有する多元系
    酸化物膜のエッチング方法。
  36. 【請求項36】 半導体基板の上に高融点金属含有膜か
    らなる第1の電極層と、高誘電率を有する多元系酸化物
    膜からなる誘電体層と、高融点金属含有膜からなる第2
    の電極層とを順次積層して形成する工程と、 請求項17ないし27のいずれかに記載のエッチング方
    法で前記第1と第2の電極層をエッチングする電極層エ
    ッチング工程と、 揮発性有機金属を生成する有機ガスをエッチングガスと
    して用いて前記誘電体層をエッチングする誘電体層エッ
    チング工程とを備えた、薄膜キャパシタ素子の製造方
    法。
  37. 【請求項37】 前記誘電体層のエッチング工程は、請
    求項2ないし6のいずれかに記載のエッチング方法を用
    いて行なわれる、請求項36に記載の薄膜キャパシタ素
    子の製造方法。
  38. 【請求項38】 半導体基板の上に高融点金属含有膜か
    らなる第1の電極層と、高誘電率を有する多元系酸化物
    膜からなる誘電体層と、高融点金属含有膜からなる第2
    の電極層とを順次積層して形成する工程と、 請求項17ないし27のいずれかに記載のエッチング方
    法で前記第1と第2の電極層をエッチングする電極層エ
    ッチング工程と、 炭化水素、アルコール、ケトン、一酸化炭素、二酸化炭
    素および水素からなる群より選ばれた少なくとも1種を
    含む第1のガスと、ハロゲン、ハロゲン化合物および希
    ガスからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む第2
    のガスとの混合ガスをエッチングガスとして用いて前記
    誘電体層をエッチングする誘電体層エッチング工程とを
    備えた、薄膜キャパシタ素子の製造方法。
  39. 【請求項39】 前記誘電体層エッチング工程は請求項
    8ないし12のいずれかに記載のエッチング方法を用い
    て行なわれる、請求項38に記載の薄膜キャパシタ素子
    の製造方法。
  40. 【請求項40】 半導体基板の上に高融点金属含有膜か
    らなる第1の電極層と、高誘電率を有する多元系酸化物
    膜からなる誘電体層と、高融点金属含有膜からなる第2
    の電極層とを順次積層して形成する工程と、 請求項17ないし27のいずれかに記載のエッチング方
    法で前記第1と第2の電極層をエッチングする電極層エ
    ッチング工程と、 炭化水素、アルコール、ケトン、ハロゲン、一酸化炭
    素、二酸化炭素、水素、窒素および希ガスからなる群よ
    り選ばれた少なくとも1種を含む第1のガスをエッチン
    グガスとして用いて前記誘電体層をエッチングする第1
    の誘電体層エッチング工程と、 ジオン構造を有する化合物を含む第2のガスをエッチン
    グガスとして用いて前記誘電体層をエッチングする第2
    の誘電体層エッチング工程とを備え、 前記第1と第2の誘電体層エッチング工程を交互に繰返
    す、薄膜キャパシタ素子の製造方法。
  41. 【請求項41】 前記第2の誘電体層エッチング工程
    は、請求項14に記載のエッチング方法を用いて行なわ
    れる、請求項40に記載の薄膜キャパシタ素子の製造方
    法。
  42. 【請求項42】 半導体基板の上に高融点金属含有膜か
    らなる第1の電極層と、高誘電率を有する多元系酸化物
    膜からなる誘電体層と、高融点金属含有膜からなる第2
    の電極層とを順次積層して形成する工程と、 請求項17ないし27のいずれかに記載のエッチング方
    法で前記第1と第2の電極層をエッチングする電極層エ
    ッチング工程と、 所定のエッチングガスを用いて前記誘電体層をエッチン
    グする誘電体層エッチング工程と、 前記誘電体層エッチング工程の終了後に酸素、オゾンお
    よび酸素を発生するガスのうち、いずれかのガスで前記
    誘電体層の表面を酸化させる後処理工程とを備えた、薄
    膜キャパシタ素子の製造方法。
  43. 【請求項43】 前記多元系酸化物はABO3 なる化学
    式で表わされ、Aは鉛、バリウム、ストロンチウム、カ
    ルシウム、ランタンおよびリチウムからなる群より選ば
    れた少なくとも1種の元素、Bはチタン、ジルコニウ
    ム、ニオブ、マグネシムウム、亜鉛およびタンタルから
    なる群より選ばれた少なくとも1種の元素である、請求
    項38ないし42のいずれかに記載の薄膜キャパシタ素
    子の製造方法。
  44. 【請求項44】 半導体基板の上に高融点金属含有膜か
    らなる第1の電極層と、高誘電率を有する多元系酸化物
    膜からなる誘電体層と、高融点金属含有膜からなる第2
    の電極層とを順次積層して形成する工程と、 請求項17ないし27のいずれかに記載のエッチング方
    法で前記第1と第2の電極層をエッチングする電極層エ
    ッチング工程と、 炭化水素、アルコール、ケトン、ハロゲン、一酸化炭
    素、二酸化炭素、水素、窒素および希ガスからなる群よ
    り選ばれた少なくとも1種を含む第1のガスをエッチン
    グガスとして用いて前記誘電体層をエッチングする第1
    の誘電体層エッチング工程と、 ジオン構造を有する化合物を含む第2のガスをエッチン
    グガスとして用いて前記誘電体層をエッチングする第2
    の誘電体層エッチング工程とを備え、 前記第1と第2の誘電体層エッチング工程を交互に繰返
    し、 前記第1と第2の誘電体層エッチング工程は、請求項3
    0ないし34のいずれかに記載のプラズマ処理装置を用
    いて行なわれ、 前記第1の誘電体層エッチング工程のみにおいて、マイ
    クロ波または高周波電圧が印加される、薄膜キャパシタ
    素子の製造方法。
  45. 【請求項45】 半導体基板の上に高融点金属含有膜か
    らなる第1の電極層と、高誘電率を有する多元系酸化物
    膜からなる誘電体層と、高融点金属含有膜からなる第2
    の電極層とを順次積層して形成する工程と、 炭化水素、アルコールおよびケトンからなる群より選ば
    れた少なくとも1種を含むガスをエッチングガスとして
    用いて前記誘電体層と前記第1と第2の電極層とをエッ
    チングする工程とを備えた、薄膜キャパシタ素子の製造
    方法。
  46. 【請求項46】 半導体基板の上に高融点金属含有膜か
    らなる第1の電極層と、高誘電率を有する多元系酸化物
    膜からなる誘電体層と、高融点金属含有膜からなる第2
    の電極層とを順次積層して形成する工程と、 炭化水素、アルコール、ケトンおよび水素からなる群よ
    り選ばれた少なくとも1種を含む第1のガスと、ハロゲ
    ン、ハロゲン化合物、希ガスおよび窒素からなる群より
    選ばれた少なくとも1種を含む第2のガスとの混合ガス
    を用いて前記誘電体層と前記第1と第2の電極層とをエ
    ッチングする工程とを備えた、薄膜キャパシタ素子の製
    造方法。
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