JPH06151183A - セラミック電子部品 - Google Patents

セラミック電子部品

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JPH06151183A
JPH06151183A JP4294959A JP29495992A JPH06151183A JP H06151183 A JPH06151183 A JP H06151183A JP 4294959 A JP4294959 A JP 4294959A JP 29495992 A JP29495992 A JP 29495992A JP H06151183 A JPH06151183 A JP H06151183A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、はんだ付け性に優れ、しかも接着
強度の良好な外部電極を有するセラミック電子部品を提
供する 【構成】 本発明は、セラミック素体1と、このセラミ
ック素体1の上の外部電極4とを有するセラミック電子
部品において、前記外部電極4は、セラミック素体2の
上に形成した金属,ガラスを主成分とする第一層5と、
この第一層5の上に形成した表面に銀と銅の合金層を有
する金属粉末を主成分とする第二層6とから構成したも
のである。この構成により、外部電極4ははんだ付け性
に優れ、しかもセラミック素体2との接着強度も良好と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層チップインダク
タ,積層チップコンデンサ等の各種セラミック電子部品
に関し、より詳しくはその外部電極の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のセラミック電子部品の外部電極
は、その多くが銀又は銀パラジウム合金粉末にガラスフ
リットを混合し、ペースト化して焼き付けたものであ
り、必ずしもはんだ付け性に優れているとは言えず、そ
のため近年の小型化に伴って多用されてきたチップ型の
電子部品の場合は、殆どがその焼付け電極の上に、ニッ
ケル及び錫等のめっきを行っていた。
【0003】しかし、かかるセラミック電子部品の場
合、電気めっきを施した際にセラミック素体中にめっき
液が浸入し、内部に残存することから時に電子部品の特
性劣化を生じさせるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このため、最近接着型
の導電ペーストを外部電極として使用するという内容の
提案がされるようになってきたが、このような導電ペー
ストを用いた場合、セラミック素体との接着性が不十分
であり、また内部電極のある積層形セラミック電子部品
の場合には内部電極と外部電極との接触性も良好でな
く、実用上問題がある。
【0005】そこで本発明は、はんだ付け性に優れ、し
かも接着強度の良好な外部電極を有するセラミック電子
部品を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明は、セラミック素体と、このセラ
ミック素体の上の外部電極とを有するセラミック電子部
品において、前記外部電極は、セラミック素体の上に形
成した金属,ガラスを主成分とする第一層と、この第一
層の上に形成した表面に銀と銅の合金層を有する金属粉
末を主成分とする第二層とから構成したものである。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記第一層を銀,銀パラジウム合金,銅,
ニッケルから選ばれるものとした。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記第一層は、金属とガラスを主成分とす
る層と、この層の上に形成した金属を主成分としガラス
を含有しない層との二層構造としたものである。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3記
載の発明において、前記第二層は、表面に銀と銅の合金
層を有する金属粉末を主成分とする層と、この層の上に
形成したはんだまたは錫から成る層との二層構造とした
ものである。
【0010】
【作用】請求項1記載のセラミック電子部品によれば、
セラミック素体の上に形成した外部電極の第一層は、金
属,ガラスを主成分とする層であり、この第一層の上に
形成した第二層は、表面に銀と銅の合金層を有する金属
粉末を主成分とする層であるため、第一層によりセラミ
ック素体との密着性が良好となるとともに、第二層によ
りはんだ付け性が良好となり、このような第一層,第二
層の役割分担によりセラミック素体との接着強度が良好
で、はんだ付け性にも優れたものとなる。
【0011】請求項2記載のセラミク電子部品によれ
ば、第一層の主成分を銀,銀パラジウム合金,銅,ニッ
ケルから選ばれる金属としたので、この第一層の焼結性
が容易になる。
【0012】請求項3記載のセラミック電子部品によれ
ば、第一層を、金属とガラスを主成分とする層と、この
層の上に形成した金属を主成分としガラスを含有しない
層との二層構造としたので、この第一層の第二層との接
合面はガラスを含有しない層になり、表面に銀と銅の合
金層を有する金属粉末を主成分とする第二層の構造と相
俟って外部電極のはんだ付け性が良好となる。
【0013】請求項4記載のセラミック電子部品によれ
ば、外部電極の第二層を、表面に銀と銅の合金層を有す
る金属粉末を主成分とする層と、この層の上に形成した
はんだまたは錫から成る層との二層構造としたので、は
んだ付け性がより良好になる。
【0014】
【実施例】以下に本発明の実施例を詳細に説明する。
【0015】図1,図2はセラミック電子部品の一例で
ある積層チップインダクタ1を示すものである。
【0016】この積層チップインダクタ1は、Cu−Z
n−Co系のフェライト材料等から成るセラミック素体
2と、このセラミック素体2の内部に積層した銀等から
成る内部電極3と、この内部電極3への通電用のセラミ
ック素体2の両端部に形成した一対の外部電極4から構
成されている。
【0017】前記外部電極4は、図1に示すように、セ
ラミック素体2の両端部に形成した金属,ガラスを主成
分とする第一層5と、この第一層5の外側に形成した表
面に銀と銅の合金層を有する金属粉末を主成分とする第
二層6とから構成されている。
【0018】前記第一層5は、銀粉末とガラスを主成分
とする導電ペーストをセラミック素体2の両端部に塗布
し、ガラスの軟化点以上の温度で焼付けて形成する。
【0019】前記第二層6は、表面に銀と銅の合金層を
有する金属粉末を主成分とする導電ペーストを塗布し、
低温で焼付けて形成する。
【0020】尚、第二層6の金属粉末の粒径は、ペース
トとして使用するのに都合のよい大きさ、例えば1乃至
20μmとすることが望ましい。
【0021】次に、外部電極4の形成方法についてさら
に説明する。
【0022】セラミック素体2を形成するCu−Zn−
Co系のフェライト材料と、内部電極3を形成する銀と
からなる素地(例えば2.0×1.2×0.9mm)を
用意して、これに外部電極4の第一層5として銀粉末、
ほう硅酸鉛系のガラスフリット、有機ビヒクルから成る
導電ペーストを塗布して650℃で1時間焼き付ける。
【0023】次に第二層6として銀が70重量部、銅が
30重量部である銀と銅の合金粉,有機ビヒクルから成
る導電ペーストを塗布して580℃で30分焼き付け
る。
【0024】このように形成された積層チップインダク
タ1によれば、第二層6の金属粉末は表面が銀と銅の合
金なのではんだ濡れ性は215℃で1秒以内であり、ま
た銅を含有した合金であるため、はんだ耐熱性も280
℃で10秒以上となり、良好なはんだ付け性が得られ
た。
【0025】また、第二層6の金属粉末は低温で焼付け
られているため、金属粉末間に空隙が多く、はんだ付け
を行う際に、はんだが第二層6の金属粉末の空隙部を埋
めつつ第一層5まで到達し、第一層5の金属成分と密着
する。この結果、引張り強度は5Kg以上、撓み強度も
3mm以上となって、外部電極4とセラミック素体2と
の良好な密着性が得られた。
【0026】上述したように、本実施例によれば、はん
だ付け性に優れしかもセラミク素体2との密着強度の良
好な外部電極4を具備する実用価値の高い積層チップイ
ンダクタ1を提供することができる。
【0027】次に、図3,図4を参照して本発明の他の
実施例を説明する。
【0028】図4はセラミック電子部品の他実施例とし
ての積層チップコンデンサ10を示すものである。
【0029】同図に示す積層チップコンデンサ10は、
チタン酸バリウム系のセラミック材料等からなるセラミ
ック素体12と、このセラミック素体12の内部に積層
したパラジウム等からなる内部電極13と、この内部電
極13への通電用のセラミック素体12の両端部に形成
した一対の外部電極14から構成されている。
【0030】前記外部電極14は、セラミック素体12
の両端部に形成した金属,ガラスを主成分とする第一層
15と、この第一層15の外側に形成した表面に銀と銅
の合金層を有する金属粉を主成分とする第二層16とか
ら構成されている。
【0031】前記第一層15は、図3に示すように、銀
粉末とガラスを主成分とする導電ペーストを塗布した層
15aと、この層15a上に更に銀粉末を主成分とする
ガラスを含有しない導電ペーストを塗布した層15bと
の二層構造にして、ガラスの軟化点以上の温度で焼き付
けて形成する。
【0032】銀粉末は、パラジウムを含有したもので
も、また銅粉末でも良く、ガラスは主にほう硅酸系のガ
ラスフリットが用いられるが、これに限らない。
【0033】前記第二層16は、銅粉の表面に銀と銅の
合金層を形成した金属粉を主成分とする導電ペーストを
前記層15bの上に塗布し、低温で焼き付けた層16a
と、この層16aの上にはんだのディップにより形成し
た層16bとで構成する。
【0034】尚、第二層16の金属粉末の粒径は、ペー
ストとして使用するのに都合のよい大きさ、例えば1乃
至20μmとすることが望ましい。
【0035】次に、外部電極14の形成方法についてさ
らに説明する。
【0036】セラミック素体12を形成するチタン酸バ
リウム系のセラミック材料と、内部電極13を形成する
パラジウムとからなる素地(例えば2.0×1.2×
0.9mm)を用意して、このセラミック素体12に対
し、図3に示すように、外部電極14の第一層15の内
側の層15aとして銀粉末、ほう硅酸鉛系のガラスフリ
ット、有機ビヒクルからなる導電ペーストを塗布し、乾
燥させる。
【0037】次に、第一層15の外側の層15bとし
て、層15aの上に銀粉末、有機ビヒクルからなるガラ
スを含有しない導電ペーストを塗布し、650℃で1時
間焼付ける。
【0038】次に、第二層16の内側の層16aとし
て、層15bの上に銅粉の表面に銀と銅の合金層を形成
した金属粉、有機ビヒクルからなる導電ペーストを塗布
し、580℃で30分焼付ける。
【0039】更に、第二層16の外側の層16bとして
層16aにフラックスを付けて、230℃のはんだ槽に
ディップする。
【0040】このようにして、セラミック素体12の両
端部に外部電極14が形成される。
【0041】図5,図6は、前記外部電極14を拡大し
た状態及び第二層16の内側の層16aを拡大した状態
を示すものである。
【0042】図5,図6から明らかなように、第二層1
6の内側の層16aにおける金属粉末間の空隙部を層1
6bのはんだが埋めていき、部分的に第一層15の外側
の層15bまで到達しており、このような第二層16と
第一層15が直接結合することで高い密着強度が得られ
る。
【0043】上述したようなはんだの浸透は、第二層1
6の内側の層16aの金属粉が表面の銀と銅の合金同士
の焼結による表面だけの結合であるために金属粉末間の
空隙部が大きいことに起因する。
【0044】このように構成された外部電極14は、最
初の実施例の外部電極4の場合よりも良好なはんだ付け
性及び良好な密着性が得られることが確認できた。
【0045】従って、本実施例により、はんだ付け性に
優れ、しかも密着強度の良好な外部電極14を有し、十
分に実用的な積層チップコンデンサ10を提供すること
ができる。
【0046】本発明は上記実施例に限定されず、その要
旨を変更しない範囲内で種々に変形実施可能である。
【0047】例えば、第2の実施例で挙げたように、第
二層の金属粉は表面が銀と銅との合金であれば、複数の
金属層を形成した金属粉でも良い。
【0048】また、第二層の金属粉の結合を強化するた
めに、銀粉やガラスを配合しても良い。
【0049】本発明は、表面に銀と銅の合金層を有する
金属粉末同士の焼結による表面だけの結合を行うことが
特徴になっているが、銀と銅の合金は共晶組成を作るた
めに融点が低くなり、そのため、銀単独の導電ペースト
等より低い温度で焼き付けることが可能となるので、経
済的にも優れている。
【0050】また、本発明は積層チップインダクタ,積
層チップコンデンサのみならず、他のセラミック電子部
品における外部電極についても同様に適用可能である。
【0051】
【発明の効果】以上詳述した請求項1記載の発明によれ
ば、セラミック素体上に形成される金属とガラスを主成
分とする第一層と、この第一層の上に形成される表面に
銀と銅の合金層を形成した金属粉末を主成分とする第二
層とから外部電極を構成しているので、はんだ付け性に
優れ、しかもセラミック素体との密着強度の良好な外部
電極を有するセラミック電子部品を提供することができ
る。
【0052】請求項2記載の発明によれば、第一層の金
属粉として銀,銀パラジウム合金,銅,ニッケルから選
ばれるものを用いることにより、焼結性が良好な外部電
極を有するセラミック電子部品を提供することができ
る。
【0053】請求項3記載の発明によれば、第一層が金
属とガラスを主成分とする層と、その上に金属を主成分
とするガラスを含有しない層との二層構造であることに
より、はんだ付け性が良好な外部電極を有するセラミッ
ク電子部品を提供することができる。
【0054】請求項4記載の発明によれば、第二層を表
面に銀と銅の合金層を形成した金属粉末を主成分とする
層と、はんだ又は錫からなる層とにより形成したので、
はんだ付け性がより良好な外部電極を有するセラミック
電子部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である積層チップインダクタを
示す断面図
【図2】本発明の実施例である積層チップインダクタを
示す正面図
【図3】本発明の他の実施例である積層チップコンデン
サの製造工程を示す断面図
【図4】本発明の他の実施例である積層チップコンデン
サを示す断面図
【図5】図4に示す積層チップコンデンサの外部電極の
拡大図
【図6】図5の円印部分の拡大図
【符号の説明】
1 積層チップインダクタ 2 セラミック素体 4 外部電極 5 第一層 6 第二層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック素体と、このセラミック素体
    の上の外部電極とを有するセラミック電子部品におい
    て、前記外部電極は、セラミック素体の上に形成した金
    属,ガラスを主成分とする第一層と、この第一層の上に
    形成した表面に銀と銅の合金層を有する金属粉末を主成
    分とする第二層とから構成したことを特徴とするセラミ
    ック電子部品。
  2. 【請求項2】 前記第一層の金属は、銀,銀パラジウム
    合金,銅,ニッケルから選ばれるものである請求項1記
    載のセラミック電子部品。
  3. 【請求項3】 前記第一層は、金属とガラスを主成分と
    する層と、この層の上に形成した金属を主成分としガラ
    スを含有しない層との二層構造である請求項1または2
    記載のセラミック電子部品。
  4. 【請求項4】 前記第二層は、表面に銀と銅の合金層を
    有する金属粉末を主成分とする層と、この層の上に形成
    したはんだ又は錫からなる層との二層構造である請求項
    1乃至3記載のセラミック電子部品。
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