JPH06146832A - 内燃機関の吸・排気弁作動装置 - Google Patents

内燃機関の吸・排気弁作動装置

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JPH06146832A
JPH06146832A JP29350892A JP29350892A JPH06146832A JP H06146832 A JPH06146832 A JP H06146832A JP 29350892 A JP29350892 A JP 29350892A JP 29350892 A JP29350892 A JP 29350892A JP H06146832 A JPH06146832 A JP H06146832A
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JP
Japan
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rocker arm
cam
sub
lost motion
sliding piece
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Application number
JP29350892A
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English (en)
Inventor
Tetsuaki Goto
徹朗 後藤
Shinichi Takemura
信一 竹村
Toru Yoshimura
亨 吉村
Makoto Nakamura
信 中村
Yoshihiko Yamada
吉彦 山田
Yukio Yamakawa
幸夫 山川
Shoji Morita
正二 盛田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Unisia Automotive Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】低速運転に適した弁のリフト特性と、高速運転
に適した弁のリフト特性との切換を行う際の、応答性の
良好な内燃機関の吸・排気弁作動装置を提供すること。 【構成】高速用カム36に摺接してメインロッカアーム11
に対して相対回転可能に揺動するサブロッカアーム31を
備え、メインロッカアーム11内に設けられたシリンダ孔
22には、摺動部42と当接部44とよりなる摺動片46が配設
される。摺動片46は平坦面13からの突出量eだけ突出し
ている閉塞端面61aのみに当接する場合と閉塞端面61a
及び平坦面13に当接する場合とに切換られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低速運転時と高速運転
時とで吸気弁や排気弁の開度及びタイミングを切換える
ための、内燃機関の吸・排気弁作動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から低中速運転時のトルクと高速運
転時の出力向上を両立する目的で、運転状態に応じて吸
気弁または排気弁のリフト特性を異ならせ、これによっ
て吸排気のタイミングあるいは吸排気量を制御すること
が知られている(特開昭63−167013号公報等参
照)。
【0003】このような弁作動タイミングの制御装置
は、吸気弁及び排気弁の駆動系統に、機関の中低速運転
時に適したカムプロフィルを有する低速用カムに摺接す
るロッカアームと、前記ロッカアームと互いに変位可能
に摺接し、かつ機関の高速運転時に適合したカムプロフ
ィルを有する高速用カムと摺接する他のロッカアームと
を、備えている。そして各々のロッカアームの作動を切
換制御することにより、高速用カムと低速用カムとの切
換を行っている。そして、図8に示すように、高回転時
に排気行程と吸気行程とのオーバーラップが大きくなる
ようにしていた。
【0004】ここで、前記ロッカアームの作動を切換制
御する装置として、例えば特開平3−111610号公
報に開示される装置がある。ここで、高速用カムと低速
用カムとの切換について図9及び図10を参照しつつ簡単
に説明する。サブロッカアーム142 にはプランジャ155
を摺動自在に嵌合させる孔156 が形成され、メインロッ
カアーム141 にはプランジャ157 ,158 を摺動自在に嵌
合させる孔159 ,160 がそれぞれ形成され、プランジャ
157 の背後に油室161 が画成される一方、プランジャ15
8 の背後にリターンスプリング162 が介装される。
【0005】各孔156 ,159 ,160 は所定位置で互いに
同軸方向に連続し、かつ同一径で形成される。そして、
油室161 にオイルポンプより導入路170 を通って導入さ
れる作動油が、図示しないカム切換弁を介して高速運転
時に導かれ、低速用カム149と高速用カム153 との切換
を円滑に行うようになっている。そして、図9に示すよ
うに、リターンスプリング162 の付勢力によりプランジ
ャ157 が孔159 の端壁に当接した状態では、各プランジ
ャ155 ,157 ,158 が各孔156 ,159 ,160 にそれぞれ
収まって、メインロッカアーム141 の揺動を拘束しない
ようになっている。もって、サブロッカアーム142 はメ
インロッカアーム141 に何ら影響を与えることがない。
この結果、サブロッカアーム142 は低速カム149 のカム
形状に応じて揺動させられる。
【0006】次に高速運転時になると、図10に示すよう
に、油室161 に導かれる作動油圧によりプランジャ157
が孔159 ,156 に、プランジャ155 が孔156 ,160 に渡
ってそれぞれ嵌合することにより、メインロッカアーム
141 とサブロッカアーム142が一体化する。この結果、
サブロッカアーム142 とメインロッカアーム141 とは係
合されることとなる。即ち、メインロッカアーム141 は
低速カム149 より揺動幅の大きい高速カム153 のカム形
状に応じて揺動させられる。これによって、図示しない
吸気弁等の移動ストロークが大きくなって、吸入空気流
量や排気空気量が増加する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の内燃機関の吸・排気弁の切換制御を行う装置
にあっては、各孔156 ,159 ,160 にそれぞれ収まって
いた各プランジャ155 ,157 が、プランジャ157 が孔15
9 ,156 に、プランジャ155 が孔156 ,160 に渡ってそ
れぞれ嵌合することにより、メインロッカアーム141 と
サブロッカアーム142 とを係合する構成であるので、次
に述べるような不具合がある。
【0008】即ち、例えばメインロッカアーム141 に設
けられた孔159 ,160 等のメインロッカシャフト145 か
らの距離がばらつくことにより、メインロッカアーム14
1 に設けられた各孔159 ,160 の中心位置とサブロッカ
アーム142 に設けられた孔156 の中心位置とがずれた場
合には、プランジャ155 ,157 が嵌合しにくくなり、係
合動作に係る応答性が悪化したり、また嵌合している状
態からプランジャ155,157 を離脱させる際の離脱動作
に係る応答性も悪化することとなる。
【0009】また、嵌合時にプランジャ155 ,157 の動
きが「しぶい」と、カム切換時の揺動動作が不安定とな
り、カムの切換が狙っていたタイミングよりずれ、「プ
ランジャはじかれ不具合」や「トルクショック」が発生
する惧れがあり、切換タイミングをロスする惧れもあ
る。また上記不具合を解決するために各プランジャ155
,157 を各孔156 ,159 ,160 に対して細く形成し
て、嵌合し易くすると、嵌合時にガタが発生し、騒音発
生等の不具合がでてくる。また、嵌合時のガタにより弁
の開閉特性にばらつきを生じることとなり、運転性も悪
化する惧れがある。
【0010】また、プランジャ155 ,157 が各孔156 ,
159 ,160 に確実に嵌合するようにずれを最小限に納め
るために、各部品の寸法公差を小さくとり、寸法精度を
厳しくする必要があり、もって生産性が悪化することと
なる。本発明は上記のような実情に鑑みなされたもので
あり、サブロッカアームとメインロッカアームとの係合
・離脱を切り換える係合離脱手段の構成を改良すること
により、低速運転に適した弁のリフト特性と、高速運転
に適した弁のリフト特性との切換を行う際の、応答性の
向上を図った内燃機関の吸・排気弁作動装置を提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、第1
のカムと、第1のカムより大きなリフト量あるいは広い
開弁期間で弁を作動させる第2のカムと、シリンダヘッ
ドに支持されたメインロッカシャフトと、メインロッカ
シャフトに揺動自在に支持されて第1のカムに摺接して
弁を開弁させるメインロッカアームと、前記第2のカム
に摺接して前記メインロッカアームに対して相対回転可
能に支持されるサブロッカアームと、前記サブロッカア
ームの相対回転動作時に該サブロッカアームを常時第2
のカムに押圧付勢するロストモーション機構と、前記サ
ブロッカアームとメインロッカアームとの間に介装され
て両ロッカアーム相互を係合或いは離脱して相対回転を
停止或いは許容する係合離脱手段と、を備えてなる内燃
機関の吸・排気弁作動装置において、前記相対回転方向
と直交する方向に前記サブロッカアーム内に設けたシリ
ンダ孔と、前記ロストモーション機構に隣接して前記メ
インロッカアームに設けた当接面と、前記シリンダ孔を
軸方向に摺動可能な摺動部と該摺動部から前記当接面に
向かって突設した当接部とからなる摺動片と、前記摺動
片を前記軸方向に往復動させることにより前記当接部が
当接面に当接して前記サブロッカアームとメインロッカ
アームとを係合する位置と、前記当接部が前記ロストモ
ーション機構の端面のみに当接して前記サブロッカアー
ムをロストモーションさせる位置とを選択的に切り換え
る油圧プランジャ及びリターンスプリングと、を含んで
前記係合離脱手段を構成すると共に、前記ロストモーシ
ョン機構の端面が前記当接面よりも摺動片側に突出して
いる構成とした。
【0012】また、前記ロストモーション機構の端面の
前記当接面に対する突出量を第2のカムのランプ高さに
係る摺動片のリフト量より小さくしてもよい。また、前
記第2のカムのベースサークルとサブロッカアームとの
間にクリアランスを設けてもよい。
【0013】
【作用】メインロッカアームは第1のカムに摺接して揺
動し、サブロッカアームは第1のカムより大きなリフト
量あるいは広い開弁期間で弁を作動させる第2のカムに
摺接して、前記メインロッカアームに対して相対回転可
能に支持されているが、その際ロストモーション機構に
より当該サブロッカアームは常時第2のカムに押圧付勢
される。
【0014】また、前記相対回転方向と直交する方向に
前記サブロッカアーム内にはシリンダ孔が設けられてお
り、該シリンダ孔を前記ロストモーション機構に隣接し
て前記メインロッカアームに設けられた当接面に向かっ
て突出した当接部を有する摺動片の摺動部が軸方向に摺
動する。ここで、前記サブロッカアームがロストモーシ
ョンする位置にあっては、係合離脱手段を構成するリタ
ーンスプリングにより、前記当接部が前記ロストモーシ
ョン機構の端面のみに当接するように付勢され、前記サ
ブロッカアームをロストモーションさせる。もってメイ
ンロッカアームは第1のカムに摺接して揺動し、サブロ
ッカアームは第2のカムに摺接してメインロッカアーム
に対して相対回転動作する。
【0015】また、前記サブロッカアームとメインロッ
カアームとを係合する位置にあっては、前記係合離脱手
段を構成する油圧プランジャにより、前記当接部が当接
面に当接するように移動されて、該サブロッカアームと
メインロッカアームとが係合される。もって、第2のカ
ムによるサブロッカアームのメインロッカアームに対す
る相対回転動作が停止され、第2のカムによるサブロッ
カアームの回転動作は係合離脱手段を介してメインロッ
カアームに伝達され、もって、第2のカムによりメイン
ロッカアーム及びサブロッカアームがメインロッカシャ
フトを揺動中心として揺動する。
【0016】さらに、前記ロストモーション機構の端面
が前記当接面よりも摺動片側に突出しているので、リタ
ーンスプリングによる付勢によって前記ロストモーショ
ン機構の端面のみに当接していた摺動片が、油圧プラン
ジャにより、当接面にも当接するように移動する場合
も、当該摺動片が前記当接面に引っ掛かることがなく、
確実に移動が行われ、もって、確実にメインロッカアー
ムを押圧するようになる。
【0017】また第1のカムによる揺動と第2のカムに
よる揺動との切換においては、前記摺動片を前記軸方向
に往復動することにより、前記当接部が当接面に当接し
て前記サブロッカアームとメインロッカアームとを係合
する位置と、前記当接部が前記ロストモーション機構の
端面のみに当接して前記サブロッカアームをロストモー
ションさせる位置とに切り換えられるが、該摺動片は常
にロストモーション機構の端面に接触している。ここ
で、該端面が前記当接面よりも摺動片側に突出している
ので、当該カムの切換途中においては、サブロッカアー
ムの高さ方向の位置には変化がなく、もって、サブロッ
カアームのカムフォロア部が第2カムを押し上げること
も無く、カムフォロア部と第2カムとの間のフリクショ
ンを低減することが可能となる。
【0018】もって、第1のカムによるメインロッカア
ームの揺動運動と、第2のカムによるメインロッカアー
ム及びサブロッカアームの揺動運動との切換を行う際
の、該摺動片の摺動がよりスムーズになり、確実な応答
性を確保できる。次に、前記ロストモーション機構の端
面の前記当接面に対する突出量を第2のカムのランプ高
さに係る摺動片のリフト量より小さくした場合の作用に
ついて説明する。
【0019】カムのランプ高さとは、バルブが開く時に
バルブ軸端部において発生する衝突やバルブが閉じる時
のバルフシートへの衝突に起因する衝撃や騒音を防止す
るために設けられた衝突速度の小さい部分である。従っ
て、衝突速度の小さい部分において、前記当接部が当接
面に当接して前記サブロッカアームとメインロッカアー
ムとを係合する位置と、前記当接部が前記ロストモーシ
ョン機構の端面のみに当接して前記サブロッカアームを
ロストモーションさせる位置との切り換えが行われるこ
ととなり、切換時のバルブの突き上げが防止できる。
【0020】次に、前記第2のカムのベースサークルと
サブロッカアームとの間にクリアランスを設けた場合の
作用について説明する。摺動片が往復動することによ
り、前記当接部が当接面に当接して前記サブロッカアー
ムとメインロッカアームとを係合する位置と、前記当接
部が前記ロストモーション機構の端面のみに当接して前
記サブロッカアームをロストモーションさせる位置とを
選択的に切り換えているので、該往復動に係りサブロッ
カアームの高さ方向の位置に変化があった場合に、前記
クリアランスが設けられていると、高さ方向の位置変化
を吸収することが可能となり、カムフォロア部と第2カ
ムとの間のフリクションをさらに低減することができ
る。
【0021】
【実施例】図1〜図5には、1つの気筒について同一の
機能を有する2つの弁(吸気弁、排気弁のいずれでも良
く、図示のものは吸気弁5,5とする)を備えた内燃機
関1に対して、本発明を適用した場合の実施例を示して
いる。各気筒には2本の吸気弁5,5に対応して単一の
メインロッカアーム11が設けられる。メインロッカアー
ム11の基端は各気筒に共通なメインロッカシャフト12を
介して図示しないシリンダヘッドに揺動自在に支持さ
れ、メインロッカアーム11の先端には吸気弁5,5のス
テム頂部が当接する。
【0022】メインロッカアーム11にはシャフト16にニ
ードルベアリング17を介してローラフォロア18が回転自
在に連結され、このローラフォロア18に第1のカムとし
ての低速用カム19を転接させるようになっている。メイ
ンロッカアーム11は平面図上ほぼ矩形に形成され、メイ
ンロッカアーム11にはローラフォロア18と並んで単一の
サブロッカアーム31が設けられる。このサブロッカアー
ム31の基端にはサブロッカシャフト32が嵌着されてお
り、メインロッカアーム11に対して相対回転可能(図3
において矢印方向)に支持される。
【0023】サブロッカアーム31のカムフォロア部35に
は、高速用カム36が転接するようになっているが、サブ
ロッカアーム31は吸気弁5に当接する部を持たない。こ
こで、前記カムフォロア部35の下面37に相対するメイン
ロッカアーム11には、ロストモーション機構としてロス
トモーションプランジャ60が配設される。ロストモーシ
ョンプランジャ60は一端61が閉塞され、他端62が開口さ
れた略円筒状に構成され、内部にロストモーションスプ
リング63が介装される。ロストモーションスプリング63
はEリング等により固定されるスプリング押64によりメ
インロッカアーム11に対して位置決めされ、前記ロスト
モーションプランジャ60の閉塞端61を前記下面37方向に
付勢している。
【0024】従って、前記ロストモーションプランジャ
60により、サブロッカアーム31のカムフォロア部35は常
に高速カム36に押圧付勢されており、サブロッカアーム
31は前記サブロッカシャフト32の周りに前記高速用カム
36に応じて前記メインロッカアーム11に対して相対回転
である。ここで、前記サブロッカアーム31とメインロッ
カアーム11との間に介装されて両ロッカアーム相互を係
合或いは離脱して相対回転を停止或いは許容する係合離
脱手段の構成について説明する。
【0025】本実施例においては、サブロッカアーム31
には、前記相対回転方向と直交する方向に、即ち、メイ
ンロッカアーム11との摺接面20に直交する方向にシリン
ダ孔22が設けられる。また、メインロッカアーム11に
は、前記カムフォロア部35の下面37に相対して、前記ロ
ストモーションプランジャ60が配設されるプランジャ用
孔12が設けられると共に、また、前記ロストモーション
プランジャ60に隣接して、前記当接部44が当接する当接
面としての平坦面13が設けられている。
【0026】そして、該シリンダ孔22の内部には軸方向
に摺動可能な摺動片46が配設される。ここで、該摺動片
46は、一端47が閉塞され、他端48が開口された筒状に形
成されて概略前記シリンダ孔22の内径と一致した摺動部
42と、該摺動部42の円周上の一部より突出し、前記当接
面13に当接可能な当接部44とにより構成されている。ま
た、摺動片46の内部には、当該摺動片46を閉塞端47側に
押圧付勢するリターンスプリング50が内装されている。
【0027】尚、前記ロストモーションプランジャ60の
閉塞端面61aは前記平坦面13よりも前記カムフォロア部
35の下面37側に突出して形成されており(突出量e)、
該ロストモーションプランジャ60の閉塞端面61aの高さ
位置は、サブロッカアーム31に高速カム36のベースサー
クルが摺接しているときに、リターンスプリング50によ
り付勢された摺動片46の当接部44が載置される高さ位置
に設けられている。
【0028】一方、メインロッカアーム11の前記閉塞端
47に対向した位置には、一端が盲栓78により閉塞された
プランジャ孔72が設けられる。そして、該プランジャ孔
72の内部には、円柱状のプランジャ70が該プランジャ孔
72を軸方向に摺動可能に配設されている。また、プラン
ジャ70の先端部の外径φd70は摺動部42の外径φd42
り充分小さいものである。
【0029】そして、該プランジャ70の先端部は前記前
記閉塞端47に当接している。ここで、摺動片46,プラン
ジャ70及び盲栓78の位置関係は、前記摺動片46がリター
ンスプリング50により付勢されて、摺動片46、プランジ
ャ70及び盲栓78が当接したときに、摺動片46の当接部44
が前記ロストモーションプランジャ60の閉塞端面61aの
みに当接する位置関係となっている。
【0030】またプランジャ70は油圧により作動する構
成となっている。即ち、前記プランジャ孔72には、プラ
ンジャ70の背面74に油室75が画成される。そして、高速
運転時には図示しないオイルポンプより導入される作動
油が、メイン通路及びプランジャ用給油通路76を介して
当該油室75に導かれる。そして作動油が油室75に導かれ
ると、摺動片46の閉塞端47がプランジャ70により押圧さ
れる。そして、該摺動片46は開口端48がスプリング押さ
え51に当接するまで移動する。そのとき、摺動片46の当
接部44はロストモーションプランジャ60の閉塞端面61a
及び平坦面13上に位置するようになり、サブロッカアー
ム31とメインロッカアーム11とが係合される。
【0031】即ち、プランジャ70及びリターンスプリン
グ50により、前記摺動片46をシリンダ孔22の軸方向に往
復動させ、前記当接部44が平坦面13に当接して前記サブ
ロッカアーム31とメインロッカアーム11とを係合する位
置と、前記当接部44がロストモーションプランジャ60の
閉塞端面61aのみに当接して前記サブロッカアーム31を
ロストモーションさせる位置とに選択的に切り換える。
【0032】低速用カム19とこれに隣接する高速用カム
36は、それぞれ共通のカムシャフト(図示せず)に一体
に形成され、エンジンの低回転時と高回転時において要
求される弁リフト特性を満足するように、異なる形状
(大きさが異なる相似形も含む)に形成されている。こ
こで、高速用カム36は低速用カム19と比べ、弁リフト量
を大きくするプロフィールを有している。即ち、高速用
カム36が第2のカムである。
【0033】また、本実施例においては、前記閉塞端面
61aの平坦面13からの突出量eを高速用カム36のランプ
高さに係る摺動片のリフト量hより小さく設定してい
る。次に、以上の構成による作用を説明する。エンジン
が所定低速運転状態の場合に、メインロッカアーム11は
低速用カム19のプロフィールに従って揺動し、各吸気弁
及び排気弁を開閉駆動する。このとき、前記摺動片46
は、当接部44がロストモーションプランジャ60の閉塞端
61の閉塞端面61aのみに当接するように、リターンスプ
リング50により付勢されている。
【0034】従って、サブロッカアーム31は高速用カム
36によって揺動されるものの、サブロッカアーム31は摺
動片46を介してロストモーションプランジャ60のロスト
モーションスプリング63を押圧しながら、メインロッカ
アーム11に対して相対回転運動をするだけで、メインロ
ッカアーム11の動きを妨げることはない。また、この時
のサブロッカアーム31の動きはロストモーションスプリ
ング63によりそのエネルギが吸収される構成となってい
る。
【0035】これに対して、前記低速用カム19から高速
用カム36への切換を行う際は、作動油圧が油室75に導か
れることにより、摺動片46の閉塞端47がプランジャ70に
より押圧される。そして、該摺動片46は開口端48がスプ
リング押さえ51に当接するまで移動する。そのとき、摺
動片46の当接部44はロストモーションプランジャ60の閉
塞端面61a及び平坦面13上に位置するようになり、サブ
ロッカアーム31とメインロッカアーム11とが係合され
る。
【0036】ここに、高速用カム36は低速用カム19に比
較して、リフト量が大きくなるように形成されているか
ら、サブロッカアーム31と一体化した揺動時は、高速カ
ム36によるサブロッカアーム31の揺動運動は、シリンダ
孔22、摺動片46、当接部44及び平坦面13を介してメイン
ロッカアーム11に伝達され、もって、高速カム36により
メインロッカアーム11及びサブロッカアーム31がメイン
ロッカシャフト12を揺動中心として揺動する。従って、
メインロッカアーム11のローラ18が低速用カム19から浮
き上がり、各吸気弁及び排気弁は高速用カム36のプロフ
ィールに従って開閉駆動され、リフト量が大きくなる。
【0037】また、前記低速用カム19から高速用カム36
への切換、或いは高速用カム36から低速用カム19への切
換を行う際には、摺動片46はサブロッカアーム31に設け
られたシリンダ孔22内部のみを摺動し、プランジャ70は
プランジャ孔72内部のみを摺動する。さらに、プランジ
ャ70の外径φd70は摺動部42の外径φd42より充分小さ
く形成されているので、プランジャ70の摺動中心と摺動
部42の摺動中心とを高い精度で一致させる必要が無く、
もって製作コストの低減が図れる。
【0038】もって、プランジャ70の摺動中心と摺動部
42の摺動中心とが一致しないことに起因するプランジャ
70や摺動部42の嵌合不具合は発生することが無く、係合
・離脱動作に係る応答性が悪化することを防止できる。
また本実施例においては、前記ロストモーションプラン
ジャ60の閉塞端面61aは前記平坦面13よりも前記カムフ
ォロア部35の下面37側に突出量eだけ突出して形成され
ている。従って、リターンスプリング50による付勢によ
って前記ロストモーションプランジャ60の閉塞端61の閉
塞端面61aのみに当接していた摺動片46が、油圧プラン
ジャ70により、平坦面13にも当接するように移動する場
合も、当該摺動片46は前記平坦面13の角部13bに引っ掛
かることがなく、確実に移動が行われ、確実にメインロ
ッカアーム11を押圧するようになる。
【0039】従って、摺動片46と、摺動片46が摺動する
シリンダ孔22と、平坦面13との位置関係を高精度で加工
する必要が無く、製造コストの低減に繋がる。また前記
摺動片46の当接部44は、常にロストモーションプランジ
ャ60の閉塞端面61aに接触しており、さらに、該閉塞端
面61aが前記平坦面13よりも摺動片46側に突出している
ので、低速カム19と高速カム36との切換途中において
は、サブロッカアーム31の高さ方向の位置には変化がな
く、もって、サブロッカアーム31のカムフォロア部35が
高速カム36押し上げることも無く、カムフォロア部35と
高速カム36の間のフリクションを低減することが可能と
なる。
【0040】もって、低速カム19によるメインロッカア
ーム11の揺動運動と、高速カム36によるメインロッカア
ーム11及びサブロッカアーム31の揺動運動との切換を行
う際の、該摺動片46の摺動がよりスムーズになり、確実
な応答性を確保できる。もって、切換応答性不良により
カムの切換が狙っていたタイミングよりずれ、「プラン
ジャはじかれ不具合」や「トルクショック」が発生する
ことを防止することができる。
【0041】また、本実施例においては、前記突出量e
を高速用カム36のランプ高さに係る摺動片のリフト量h
より小さく設定している。ここで、図6を参照しつつ、
カムのバルブリフト特性について説明する。即ち、カム
によるバルブリフト曲線において、バルブが開く時にバ
ルブ軸端部において発生する衝突やバルブが閉じる時の
バルフシートへの衝突に起因する衝撃や騒音を防止する
ために、カム回転角θに対してリフト量yの変化の小さ
い,即ち衝突速度の小さい「ランプ高さ」を設けてい
る。
【0042】即ち、本実施例においては、衝突速度の小
さい「ランプ高さ」の部分において、摺動片46がロスト
モーションプランジャ60の閉塞端面61aのみに当接して
いる状態と、該閉塞端面61a及び平坦面13に当接してい
る状態とに切り換えられることとなり、切換時のカムフ
ォロア部35におけるバルブの突き上げが防止でき、確実
な応答性を確保できる。
【0043】また、図7に本発明に係る他の実施例を示
す。尚、前述の実施例と同一の構成要素については、説
明を省略する。この実施例においては、高速用カム36が
転接するサブロッカアーム31のカムフォロア部35と当該
高速用カム36のベースサークルとの間にクリアランスC
を設けている。
【0044】摺動片46が往復動することにより、該摺動
片46がロストモーションプランジャ60の閉塞端面61aの
みに当接している状態と、閉塞端面61aと平坦面13とに
当接している状態とに切り換えられるが、該往復動に係
りサブロッカアーム31の高さ方向の位置に変化が発生す
る可能性がある。ここで、本実施例においては、高速用
カム36が転接するサブロッカアーム31のカムフォロア部
35と当該高速用カム36のベースサークルとの間にクリア
ランスCを設けているので、前記高さ方向の位置変化を
吸収することが可能となり、カムフォロア部35と高速カ
ム36の間のフリクションをさらに低減することが可能と
なる。
【0045】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、メインロッカシャフトに揺動自在に支持されて第1
のカムに摺接して弁を開弁させるメインロッカアーム
と、第2のカムに摺接して前記メインロッカアームに対
して相対運動可能に揺動するサブロッカアームと、前記
サブロッカアームの揺動時に該サブロッカアームを常時
第2のカムに押圧付勢するロストモーション機構と、前
記サブロッカアームとメインロッカアームとの間に介装
されて両ロッカアーム相互を係合或いは離脱して相対回
転を停止或いは許容する係合離脱手段と、を備えてなる
内燃機関の吸・排気弁作動装置において、前記係合離脱
手段を、シリンダ孔を摺動する摺動片と、前記摺動片を
往復動させることによりサブロッカアームとメインロッ
カアームとを係合する位置と、サブロッカアームをロス
トモーションさせる位置とを選択的に切り換える油圧プ
ランジャ及びリターンスプリングと、を含んで構成し、
前記ロストモーション機構の端面を前記摺動片が当接す
る面よりも摺動片側に突出するようにしたので、摺動片
が当接面にも当接するように移動する場合も、当該摺動
片は前記当接面に引っ掛かることがなく、確実に往復動
が行われ、もって確実にメインロッカアームを押圧する
ようになる。従って、該摺動片のスムーズな往復動が可
能となって、確実な切換応答性を確保することが可能と
なるという効果がある。
【0046】また、ロストモーション機構の端面の前記
当接面に対する突出量を第2のカムのランプ高さに係る
摺動片のリフト量より小さくすることにより、衝突速度
の小さい部分において、摺動片が切り換えられることと
なり、切換時のバルブの突き上げが防止できるという効
果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す動弁系の平面図
【図2】図1中A−A線に沿う縦断面図
【図3】図1中C−C線に沿う縦断面図
【図4】同上実施例の作用を説明する図1中A−A線に
沿う縦断面図
【図5】同上実施例の作用を説明する図1中A−A線に
沿う縦断面図
【図6】カム回転角に対するリフト量の変化を示す特性
【図7】本発明の他の実施例を示す動弁系の縦断面図
【図8】従来の弁作動タイミングの制御装置における弁
の切換タイミングを示す特性図
【図9】従来例を示す動弁系の横断面図
【図10】従来例を示す動弁系の横断面図
【符号の説明】
5 吸気弁 11 メインロッカアーム 13 平坦面 19 低速用カム 22 シリンダ孔 31 サブロッカアーム 35 カムフォロア部 36 高速用カム 42 摺動部 44 当接部 46 摺動片 50 リターンスプリング 60 ロストモーションプランジャ 61a 閉塞端面 70 プランジャ e 突出量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉村 亨 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 中村 信 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 山田 吉彦 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ア ツギユニシア内 (72)発明者 山川 幸夫 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ア ツギユニシア内 (72)発明者 盛田 正二 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ア ツギユニシア内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1のカムと、第1のカムより大きなリフ
    ト量あるいは広い開弁期間で弁を作動させる第2のカム
    と、シリンダヘッドに支持されたメインロッカシャフト
    と、メインロッカシャフトに揺動自在に支持されて第1
    のカムに摺接して弁を開弁させるメインロッカアーム
    と、前記第2のカムに摺接して前記メインロッカアーム
    に対して相対回転可能に支持されるサブロッカアーム
    と、前記サブロッカアームの相対回転動作時に該サブロ
    ッカアームを常時第2のカムに押圧付勢するロストモー
    ション機構と、前記サブロッカアームとメインロッカア
    ームとの間に介装されて両ロッカアーム相互を係合或い
    は離脱して相対回転を停止或いは許容する係合離脱手段
    と、を備えてなる内燃機関の吸・排気弁作動装置におい
    て、 前記相対回転方向と直交する方向に前記サブロッカアー
    ム内に設けたシリンダ孔と、前記ロストモーション機構
    に隣接して前記メインロッカアームに設けた当接面と、
    前記シリンダ孔を軸方向に摺動可能な摺動部と該摺動部
    から前記当接面に向かって突設した当接部とからなる摺
    動片と、前記摺動片を前記軸方向に往復動させることに
    より前記当接部が当接面に当接して前記サブロッカアー
    ムとメインロッカアームとを係合する位置と、前記当接
    部が前記ロストモーション機構の端面のみに当接して前
    記サブロッカアームをロストモーションさせる位置とを
    選択的に切り換える油圧プランジャ及びリターンスプリ
    ングと、を含んで前記係合離脱手段を構成すると共に、
    前記ロストモーション機構の端面が前記当接面よりも摺
    動片側に突出していることを特徴とする内燃機関の吸・
    排気弁作動装置。
  2. 【請求項2】前記ロストモーション機構の端面の前記当
    接面に対する突出量を第2のカムのランプ高さに係る摺
    動片のリフト量より小さくしたことを特徴とする請求項
    1記載の内燃機関の吸・排気弁作動装置。
  3. 【請求項3】前記第2のカムのベースサークルとサブロ
    ッカアームとの間にクリアランスを設けたことを特徴と
    する請求項2記載の内燃機関の吸・排気弁作動装置。
JP29350892A 1992-10-30 1992-10-30 内燃機関の吸・排気弁作動装置 Pending JPH06146832A (ja)

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