JPH0614036Y2 - 多気筒ロ−タリピストンエンジンのマウント構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、複数のロータを備えた多気筒ロータリピスト
ンエンジンにおいて、該エンジンを支持するエンジンマ
ウント構造を関するものである。

（従来の技術） 従来より、多気筒ロータリピストンエンジンにおいて
は、そのエンジンマウントは重量バランスの点から中間
部のエンタメディエイトハウジングにエンジンマウント
ブラケットの取付部を設け、上記ブラケットおよび弾性
マウント部材を介して支持するようにしている（例え
ば、実開昭５９−１６５９３３号公報参照）。

（考案が解決しようとする問題点） しかして、上記のようにエンジンをその略中央部に取付
けたエンジンマウントブラケットで支持するようにした
場合には、例えばエンジンに接続されたミッションで大
きな荷重変動が生じたときに、シャフトの変形によりフ
ライホイールが偏心すると、その重量が大きいので大き
なアンバランス力が発生する。このアンバランス力は、
ベアリングを介してリヤハウジングに伝わりエンジンの
振動を引き起こす。このとき上記アンバランス力は、エ
ンジンマウント部を支点としてモーメントを発生させる
ため、さらに大きなエンジン振動を生じ、ミッションの
振動も大きくなり、騒音の問題を生起するものである。

そこで、本考案は上記事情に鑑み、エンジン、ミッショ
ンの振動を抑制するようにした多気筒ロータリピストン
エンジンのマウント構造を提供することを目的とするも
のである。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するため本考案のマウント構造は、気筒
数に応じたロータハウジング間にインタメディエイトハ
ウジングが、前端部にフロントハウジングが、後端部に
リヤハウジングがそれぞれ配設され、さらに、上記リヤ
ハウジングの後部にフライホイール、ミッション等を収
容するクラッチハウジングが連接された多気筒ロータリ
ピストンエンジンにおける前記リヤハウジングにエンジ
ンマウントブラケット取付部を設けるように構成したも
のである。

（作用） 上記のようなマウント構造によれば、例えば、フライホ
イールの偏心によるアンバランス力がリヤハウジングに
かかっても、このリヤハウジングがエンジンマウントブ
ラケットを介して支持されており、弾性体でアンバラン
ス力が直接吸収、減衰され、エンジンおよびミッション
の振動が抑制される。

（実施例） 以下、図面に沿って本考案の実施例を説明する。第１図
は一実施例のマウント構造を備えた多気筒ロータリピス
トンエンジンの概略側面を示し、第２図はその概略正面
を示している。

多気筒ロータリピストンエンジン１は、気筒数に応じた
ロータハウジング２を備え、ロータハウジング２間にイ
ンタメディエイトハウジング３が、前端部にフロントハ
ウジング４が、後端部にリヤハウジング５がそれぞれ配
設されてケーシング６が構成され、底部にはオイルパン
７が設けられている。また、上記ケーシング６の後部に
はフライホイール、ミッション等を収容するクラッチハ
ウジング８が連接されている。

そして、前記ケーシング６のリヤハウジング５の両側に
は、エンジンマウントブラケット１１を取り付けるボス
状の取付部１２，１３が設けられている。上記エンジン
マウントブラケット１１は所定角度に形成された連結部
１１ａ，１１ｂとリブ１１ｃとによって構成され、垂直
方向の縦板連結部１１ａがリヤハウジング５の取付部１
２，１３に固定ボルト１５の締結によって固着され、斜
め下方に傾斜形成された斜板連結部１１ｂが円盤状のマ
ウントラバーによる弾性体１４を介して固定部（図示せ
ず）に支持される。

また、エンジンケーシング６には吸気マニホールド１６
および排気マニホールド１７が同じ側の側面に取り付け
られ、反対側の側面には点火プラグ１８が装着されると
共に、スタータモータ１９が取り付けられる。このスタ
ータモータ１９はフレーム１９ａにモータ本体１９ｂ、
スイッチボックス１９ｃ、ピニオン軸（図示せず）など
を備え、フレーム１９ａがリヤハウジング５およびクラ
ッチハウジング８に取付ボルト２０によって固定されて
いる。

上記実施例においては、リヤハウジング５にエンジンマ
ウントブラケット１１の取付部１２，１３を設けるよう
にし、フライホイールの偏心などによって大きなアンバ
ランス力が発生した場合にも、このアンバランス力はシ
ャフトから軸受部を介してリヤハウジング５に伝わる
が、直ぐにエンジンマウントブラケット１１を介して弾
性体１４に伝わるため、エンジン１にモーメントは加わ
らず、エンジン全体の変形による振動を抑制することが
できる。また、スタータモータ１９を点火プラグ１８側
のリヤハウジング５に装着するようにし、他側方の吸気
および排気マニホールド１６，１７との重量バランスが
とれるとともに、エンジン周囲のデッドスペースを有効
利用している。

第３図には、他の実施例のエンジンの概略平面図を示
す。この例のケーシング６′では、エンジンマウントブ
ラケット２１をリヤハウジング５とその前方のインタメ
ディエイトハウジング３とに跨って両ハウジング３，５
にボルト２２で取り付けるようにしたものであり、エン
ジンマウントブラケット２１は前後方向に長く形成され
ている。

本例では、前例同様のエンジンおよびミッションの振動
抑制効果が得られると共に、エンジンマウントブラケッ
ト２１の剛性が高くなってハウジング間の締付け力が向
上し、各ハウジングを締結するテンションボルトの負担
荷重が軽減するものである。

（考案の効果） 上記のような本考案によれば、エンジンのリヤハウジン
グにエンジンマウントブラケット取付部を設けるように
したことにより、アンバランス力がリヤハウジングにか
かっても、このリヤハウジングがエンジンマウントブラ
ケットを介して支持されており、弾性体でアンバランス
力を直接吸収、減衰することができ、エンジンおよびミ
ッションの振動の抑制、騒音の低減が図れるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例におけるマウント構造を備え
た多気筒ロータリピストンエンジンの要部側面図、 第２図は同概略正面図、 第３図は他の実施例におけるロータリピストンエンジン
の要部概略平面図である。 １……ロータリピストンエンジン、５……リヤハウジン
グ、８……クラッチハウジング、１１，２１……エンジ
ンマウントブラケット、１２，１３……取付部、１４…
…弾性体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】気筒数に応じたロータハウジングを備え、
   該ロータハウジング間にインタメディエイトハウジング
   が、前端部にフロントハウジングが、後端部にリヤハウ
   ジングがそれぞれ配設され、さらに、上記リヤハウジン
   グの後部にフライホイール、ミッション等を収容するク
   ラッチハウジングが連接された多気筒ロータリピストン
   エンジンを支持するマウント構造であって、該エンジン
   のリヤハウジングにエンジンマウントブラケット取付部
   を設けたことを特徴とする多気筒ロータリピストンエン
   ジンのマウント構造。