JPH0613775Y2 - メタルソー切断機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はメタルソー切断機に係り、更に詳細にはメタル
ソー切断機の切断荷重を調整する機構に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

一般にメタルソー切断機は、ターンテーブル上にメタル
ソーをメタルソー駆動部（モータ、ギヤ等）と共に揺動
可能に軸支し、このメタルソーを揺動支点を中心に下方
に揺動させることで、ターンテーブル上に載置される被
加工部材の切断が行なわれる。また、従来のこの種切断
機は、メタルソーを反ターンテーブル側に引上げるため
の引張ばねが固定配置され、この引張りばねの力でメタ
ルソーの切断荷重を調整していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、前述した従来の切断荷重調整方式は、引張ば
ねの取付位置が決まっているため、切断荷重を任意に変
えることはできなかった。そのため、各種材料に適した
切断荷重の調整は、操作者がメタルソーを下方へ揺動さ
せるときの力のかけ具合を変えることで行なっていた
が、切断荷重の調整装置が難しく、作業における肉体
的、精神的負担が大きくなる傾向があった。

本考案は以上の点に鑑みてなされたものであり、その目
的とするところは、切断荷重の調整を無段階に調整可能
とし、且つ切断荷重の調整を容易な操作で行ない得るメ
タルソー切断機を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的はメタルソーをターンテーブル上にアームを介
して揺動可能に軸支し、このメタルソーを反ターンテー
ブル側に引上げるための引張ばねを装着し、前記メタル
ソーの切断荷重を前記引張ばねの力で調整する方式のメ
タルソー切断機において、前記引張ばねの一端を支持す
るためのばね係止部材を昇降機構を介して前記メタルソ
ーの揺動支点方向に上下動可能となるように配すると共
に、前記アーム或いは該アームと一体に揺動する部材と
前記ばね係止部材とを前記引張ばねを介して連結し、前
記揺動支点と前記引張ばねの中心線との距離を前記ばね
係止部材と上下方向の位置調整により無段階に可変調整
できるように設定してなることで達成される。

〔作用〕

このような構成よりなる本考案によれば、ばね係止部材
を昇降機構を介してメタルソーの揺動支点方向の上下動
させることにより、このばね係止部材の上下方向の位置
決めを任意に行ない得る。そして、このばね係止部材の
上下方向の位置決め調整により、メタルソーの揺動支点
と引張ばねの中心線との距離を無段階に可変調整するこ
とができる。この距離は、メタルソーの揺動支点を中心
とする引張ばねのモーメントとなるもので、この引張ば
ねのモーメントは、メタルソーの切断荷重を変化させる
特性を有する。従って、本考案によれば、ばね係止部材
の上下方向の位置決めを任意に行なうことにより、引張
ばねのモーメントひいては切断荷重を可変調整すること
ができる。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面に基づき説明する。

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２図は本考
案の動作を示す説明図、第３図は第２図のＡ−Ａ線断面
図である。

図中、１はモータ、２はモータ出力を伝達するギヤを内
蔵するギヤケース、３はメタルソー、４はペデスタル、
５はベース、６はベース５に回転可能に嵌合したターン
テーブルである。

ターンテーブル６の一端にはアーム８がシャフト９を介
して揺動可能に軸支され、アーム８の先端にモータ１、
ギヤケース２及びメタルソー３が配設されている。メタ
ルソー３は、このアーム８を介してターンテーブル６上
に揺動可能に支持される。

７は後述する摺動子１２を上下方向に昇降案内させるた
めのガイドで、ガイド７はターンテーブル６上のシャフ
ト（揺動支点部）９と直交する方向に立設されている。
このガイド７は案内溝７ａを有し、案内溝７ａにスクリ
ューシャフト１３が回転可能に貫通支持されている。ス
クリューシャフト１３は摺動子１２が螺合し、スクリュ
ーシャフト１３の上部に設けたハンドル１４を操作し
て、スクリューシャフト１３を回転させると、回転に対
応して摺動子１２が溝７ａに沿って上下動する。

１１は摺動子１２の一部に配設したフック（ばね係止部
材）で、フック１１とギヤケース２とが引張ばね１０を
介して連結されている。引張ばね１０は、そのばね力に
よりアーム８に配したメタルソー３を所定位置に引上げ
る機能を有する。そして、このメタルソー３を引張ばね
１０の力に抗して下方へ揺動させることにより、ターン
テーブル６上の被加工部材を切断加工するものである。
また、この引張ばね１０のばね力により、メタルソー３
の切断荷重が調整される。

本実施例では、第２図に示すように、ハンドル１４を回
転させることにより、スクリューシャフト１３が回転
し、摺動子１２がメタルソーの揺動支点部９方向に上下
移動する。そして、摺動子１２と共に動作するフック１
１の上下移動により、引張ばね１０の中心線と揺動支点
部９の中心との距離Ｌ（Ｌ_１＜Ｌ_２＜Ｌ_３）が変化す
る。この距離Ｌは引張ばね１０のモーメントとなるもの
で、このモーメントを変化させることによりメタルソー
３の切断荷重が変化する。そして、本実施例によれば、
引張ばね１０の一端を支持しているフック１１の上下方
向の位置をハンドル１４の操作で任意に変化させること
により、揺動支点部９まわりの引張ばね１０によるモー
メントを変化させることができるようにしたので、引張
ばねの引張力の変動を抑えた状態で切断荷重を無段階に
且つ容易に調整することができる。

なお、本実施例では、フック（引張ばね係止部材）１１
を上下移動させる昇降機構を、スクリューシャフト１
３、ハンドル１４、摺動子１２等で構成するが、その他
の種々の昇降機構を介しても同様の効果を奏し得る。

〔考案の効果〕

以上のように本考案によれば、メタルソーの切断荷重の
調整を無段階に調整可能とし、且つ切断荷重を調整する
操作も容易に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２図は本考
案の動作を示す説明図、第３図は第２図のＡ−Ａ線断面
図である。 １はモータ、３はメタルソー、６はターンテーブル、７
はガイド、８はアーム、９は揺動支点部、１０は引張ば
ね、１１はばね係止部材、１２，１３，１４は昇降機構
（摺動子、スクリューシャフト、ハンドル）、Ｌ_１〜Ｌ
_３は揺動支点と引張ばねの中心線との距離。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】メタルソーをターンテーブル上にアームを
   介して揺動可能に軸支し、このメタルソーを反ターンテ
   ーブル側に引上げるための引張ばねを装着し、前記メタ
   ルソーの切断荷重を前記引張ばねの力で調整する方式の
   メタルソー切断機において、前記引張ばねの一端を支持
   するためのばね係止部材を昇降機構を介して前記メタル
   ソーの揺動支点方向に上下動可能となるように配すると
   共に、前記アーム或いは、該アームと一体に揺動する部
   材と前記ばね係止部材とを前記引張ばねを介して連結
   し、前記揺動支点と前記引張ばねの中心線との距離を前
   記ばね係止部材の上下方向の位置調整により無段階に可
   変調整できるように設定してなることを特徴とするメタ
   ルソー切断機。
2. 【請求項２】実用新案登録請求の範囲第１項において、
   前記昇降機構は、前記ターンテーブル上に回転可能に立
   設されたスクリューシャフトと、前記スクリューシャフ
   トを操作するハンドルと、前記スクリューシャフトに嵌
   合して該スクリューシャフトの回転に対応して上下動す
   る摺動子と、この摺動子の上下動を案内するガイドとで
   構成されるメタルソー切断機。