JPH06133626A - コンバインの刈取穀稈移送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】刈取穀稈を移送中に起立姿勢から倒伏姿勢へ順
次変更しようとするものである。 【構成】刈取穀稈を順次移送する根元移送チエン２、フ
ロントフィードチエン５及びフィードチエン４で移送す
る穀稈を起立姿勢から倒伏姿勢へと順次変更するため
に、これらチエン２，５，４の装着角度を変更した。 【効果】穀稈の移送姿勢がいっきょに変ることがなくな
り、このため脱穀性能が安定した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、コンバインの刈取穀
稈移送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】コンバインの前部の刈刃装置で刈取られ
た穀稈は、根元移送チエンで移送され、フロントフィー
ドチエンに引継がれて移送され、フィードチエンに引継
ぎされ、このフィードチエンで脱穀室内を前部から後部
へ向けて供給移送され、この脱穀室内の扱胴で移送中の
穀稈は脱穀される。

【０００３】前記根元移送チエンから該フロントフィー
ドチエンを経て該フィードチエンへと移送する刈取穀稈
の移送姿勢を起立姿勢から倒伏姿勢へと変更すべく該根
元移送チエンと該フロントフィードチエンとの両者の取
付姿勢は、所定の同じ垂平姿勢とし、又該フィードチエ
ンの取付姿勢は、所定の垂直姿勢に構成した刈取穀稈移
送装置であった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】コンバインの前部の刈
刃装置で刈取られた穀稈は、根元移送チエンで、この穀
稈は所定の垂直姿勢で移送され、フロントフィードチエ
ンで該根元移送チエンでの移送と同じ姿勢の所定の垂直
姿勢に引継ぎされ、このフロントフィードチエンで移送
され、フィードチエンで所定の垂平姿勢に引継ぎされ、
このフィードチエンで脱穀室内を前部から後部へ向けて
供給移送され、この脱穀室内の扱胴で移送中の穀稈は脱
穀される。

【０００５】この脱穀のときに、穀稈の移送姿勢は、該
フロントフィードチエンで所定の垂直姿勢から該フィー
ドチエンに引継ぎされるときに、所定の垂平姿勢にいっ
きょに姿勢変更されることにより、この穀稈がく字状に
曲げられることとなり、このためこの穀稈に折れが発生
して、該脱穀室内へ折れた穀稈が引き抜かれることとな
り、脱穀室内での藁屑の発生が多くなって、脱穀性能及
び能率が低下することが発生していたが、これらを解消
しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明は、前部の刈刃
装置１で刈取された穀稈の株元側を根元移送チエン２で
挾持移送して脱穀室３内へ供給された穀稈の株元側を挾
持移送するフィードチエン４の始端部に、該根元移送チ
エン２から穀稈を引継ぎ該フィードチエン４へ穀稈を送
り込むフロントフィードチエン５を平行状にして設けた
コンバインにおいて、該根元移送チエン２から該フロン
トフィードチエン５を経て該フィードチエン４へと引継
ぎ移送する穀稈の移送姿勢を起立姿勢から倒伏姿勢へと
順次変更すべく該根元移送チエン２、該フロントフィー
ドチエン５、及びフィードチエン４の取付姿勢を所定の
垂平姿勢から所定の垂直姿勢へと順次変更構成したこと
を特徴とする刈取穀稈移送装置の構成とする。

【０００７】

【発明の作用】コンバインの前部の刈刃装置１で刈取ら
れた穀稈は、根元移送チエン２で所定の垂直姿勢で移送
され、フロントフィードチエン５に該根元移送チエン２
で移送の垂直姿勢より所定量水平姿勢に変更されて引継
ぎされ、このフロントフィードチエン５で移送され、フ
ィードチエン４に該フロントフィードチエン５で移送の
所定の水平姿勢より更に所定量水平姿勢に変更されて引
継ぎされ、このフィードチエン４で脱穀室３内を前部か
ら後部へ向けて供給移送され、この脱穀室３内の扱胴で
移送中の穀稈は脱穀される。

【０００８】

【発明の効果】この発明により、穀稈は、脱穀室３への
供給のときにいっきょに姿勢が変更されずに、根元移送
チエン２、フロントフィードチエン５及びフィードチエ
ン４へと引継ぎされる毎に、所定の垂直姿勢から所定の
垂平姿勢へと順次姿勢が変更されることにより、穀稈が
く字状に曲げられることがなくなり、このために穀稈が
折れることがなくなって、脱穀室３内へ折れた穀稈が引
き抜かれることがなくなり、このため脱穀性能及び能率
が低下することもなくなった。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図例のコンバイン６は、走行装置７、刈取装置
８及び脱穀装置９等よりなる構成を示すものである。脱
穀装置９は、下方に該走行装置７を有する車台上に搭載
されて、前方の該刈取装置８の刈刃装置１で刈取られる
穀稈の供給を根元移送チエン２で受けて移送して脱穀す
る。扱胴１０の扱胴軸１１を脱穀室３及び車台の前後方
向に沿わせるようにして、この一側の穀稈の株元部側の
移送される移送口１２の外側に沿ってフィードチエン
４、フロントフィードチエン５及び挾扼杆２３等を設け
る。該フィードチエン４は、ほぼ該扱胴１０の長さに亘
って設けているが、該フロントフィードチエン５は、こ
の脱穀室３前側の穀稈供給口１３前方に亘って設けてい
る。穀稈供給漏斗１４の外側に沿って設けられ、前方の
該根元移送チエン２で移送される刈取穀稈の株元部を挾
持受継して移送する構成としている。

【００１０】穀稈移送装置２′は、下部の前記根元移送
チエン２、上部の穂先移送ラグ３′及び挾持杆４′より
なり、この根元移送チエン２から該フロントフィードチ
エン５を経て該フィードチエン４へと刈取穀稈を順次受
継移送するこの刈取穀稈の移送姿勢を始端部での起立姿
勢から終端部での倒伏姿勢へと順次変更すべく、例えば
該根元移送チエン２の両側のチエンプレートは、上下方
向で内側へ向けて傾斜させるが、ほぼ垂平状態に近い姿
勢に設け、該フィードチエン４の両側のチエンプレート
は、左右方向でほぼ垂直状態に近い姿勢に設け、これら
根元移送チエン２とフィードチエン４との中間の該フロ
ントフィードチエン５のチエンプレートは、両者の中間
的な傾斜状態の姿勢に設けている。移送する刈取穀稈
は、該根元移送チエン２部では起立姿勢で移送され、該
フロントフィードチエン５部では起立姿勢と倒伏姿勢と
の中間的な姿勢で移送され、又該フィードチエン４部で
は倒伏姿勢で移送される構成としている。該脱穀室３内
を前部から後部へと穀稈が通過するときは、倒伏姿勢状
態で通過して脱穀される構成としている。

【００１１】前記脱穀室３は、下側に脱穀網１５を張設
して、この下方に揺動選別棚１６を設け、該脱穀室３か
ら漏下乃至落下する脱穀物を受けて揺動移送しながら選
別する。１７は唐箕でこの選別物を風選する。該脱穀室
３の上側には奥側のヒンジ１８を中心に上方へ回動して
開放できる脱穀カバー１９を設け、この脱穀カバー１９
の手前側移送口１２に沿って、ばね２０によって下方へ
張圧する断面二又状の挾扼縁２１，２２を形成した挾扼
杆２３を取付けている。従って、この挾扼杆２３は該脱
穀カバー１９と共に上方開放位置に上昇できる。又挾扼
杆２３は該穀稈供給口１３から前方の該フロントフィー
ドチエン５部上に延出した状態にあって、該内側の挾扼
縁２１が、該フロントフィードチエン５の上面に対向し
て押圧され、該フィードチエン４の回転対向面から前方
へ突出する該挾扼縁２２は、該フロントフィードチエン
５の株元部側に位置して、上側から株元部を案内する構
成としている。

【００１２】前記フィードチエン４は、前記移送口１２
の前端部下側の脱穀側壁２４部にスプロケット２５，２
６等によって張設している。又前記フロントフィードチ
エン５は、このフィードチエン４と平行状で、このフィ
ードチエン４の内側に所定角度で内側へ向けて傾斜して
張設され、該スプロケット２５の軸２７と所定の角度を
設けて接合する軸３０には回転自在のスプロケット２８
と、これより前方のスプロケット２９等との間に張設さ
れ、該フィードチエン４と伝動回転は独立的に行わせ
る。該軸３０を回動中心として該フロントフィードチエ
ン５は、該軸３０を回動中心として始端部が上下に回動
自在な構成であり、この回動は前記根元移送チエン２の
上下回動に連動回動する構成としている。

【００１３】前記挾扼杆２３は、内側の前記挾扼縁２１
を、前記フロントフィードチエン５上側に対向させると
共に、外側の前記挾扼縁２２を、前記フィードチエン４
の上側に対向させて、各々穀稈の株元を挾持しながら移
送する構成とし、このフロントフィードチエン５から該
フィードチエン４へ穀稈を受継しながら移送する。前記
フィードチエン４及び前記フロントフィードチエン５の
伝動構成については、エンジンＥから回転される軸３１
から前記扱胴軸１１を経て排稈チエン３２を伝動する扱
胴系と、前記唐箕１７、前記揺動選別棚１６、吸引排塵
機３３等を経て該フィードチエン４の前記スプロケット
２６へ伝動するフィードチエン系と、ベルト形態の無段
変速装置３４を経て前記刈取装置８及び該フロントフィ
ードチエン５等へ伝動する刈取搬送系とに各々分岐伝動
する。このためフィードチエン系の該フィードチエン４
の速度と、刈取搬送系の該フロントフィードチエン５の
速度とは、各々独立設定でき、変速比も該無段変速装置
３４によって変更できる。なお、この無段変速装置３４
は、エンジンＥから駆動される前記走行装置７への伝動
に対して伝動比を変更することができる。

【００１４】前記刈取装置８は、穀稈引起装置３５で引
起案内した穀稈を前記刈刃装置１で刈取って、集送装置
３６、前記根元移送チエン２で後方上方へ移送し、この
根元移送チエン２の終端部から前記フロントフィードチ
エン５へ送込んで受継する構成であり、この根元移送チ
エン２まで穀稈は、ほぼ起立姿勢で移送され、受継後に
起立と倒伏との中間姿勢となって移送され、このときの
穀稈の穂先部は、前記穀稈供給漏斗１４上に載せられ
て、穂先移送装置３７のラグによって移送される構成で
あり、この穂先移送装置３７は該穀稈供給漏斗１４の下
側に設け、該ラグのみがこの穀稈供給漏斗１４から所定
の間は、突出して穀稈の穂先部を移送する構成であり、
其の他の個所ではケース内へ収納される構成としてい
る。

【００１５】前記穂先移送装置３７は、前記刈取装置８
を上下回動する回動ケース３８を回動中心として上下回
動自在に構成し、又この穂先移送装置３７には前記穀稈
供給漏斗１４を装着し、この穀稈供給漏斗１４は該穂先
移送装置３７と同時に、上下回動自在な構成である。該
穀稈供給漏斗１４始端縁と前記根元移送チエン２との間
には弾性部材よりなる補助案内板３９を設けて穀稈の受
継を良好にした構成としている。

【００１６】刈取作業時は、前記根元移送チエン２から
前記フロントフィードチエン５に送込まれる穀稈は、前
記挾扼杆２３との間に挾持され、株元部側が前記フィー
ドチエン４の始端部に受継される。このとき穀稈の挾持
位置は、前記挾扼縁２１から２２へ変るが、同じ挾扼杆
２３でこの受継部では両該フィードチエン４，５間に亘
って挾持するばね２０によって張圧されているものであ
るから、速度の異なるフロントフィードチエン５から４
への挾持変更があっても、この受継を円滑に、しかも正
確に行わせることができる。又該フィードチエン４の始
端部よりも該フロントフィードチエン５の始端部が前記
穀稈供給口１３の穂先部側に位置し、更に前記穂先移送
装置３７で穂先部は、前記脱穀室３内への送込まれるこ
とにより、穂先遅れを生じることもない。

【００１７】前記刈取装置８は、刈取る穀稈の稈長によ
り、前記回動ケース３８を回動中心として上下に回動さ
れる。この回動によって前記根元移送チエン２と前記フ
ロントフィードチエン５とを接触させないために、該根
元移送チエン２の上下回動に連動して、このフロントフ
ィードチエン５を前記軸３０を回動中心として、このフ
ロントフィードチエン５の始端部を上下に回動させる構
成としている。

【００１８】排稈カッタ３２′は、前記排稈チエン３２
から移送される排稈を受けて短く切断処理する構成であ
る。図１０及び図１１の他の実施例の如く、前記穀稈供
給漏斗１４を前記回動ケース３８を回動中心とし回動自
在に設け、又この穀稈供給漏斗１４上側には、前記穂先
移送装置３７を設け、この穂先移送装置３７の回転駆動
は、扱胴ギヤケース４０内の軸４１から駆動する構成で
あり、又回動はこの軸４１を回動中心として上下に回動
自在な構成であり、前記扱胴１０部は奥側のヒンジ４２
を中心に左右方向に回動自在な構成であり、又前記フィ
ードチエン４は始端部のチエンヒンジ４３を中心に左右
方向に回動自在な構成であり、このフィードチエン４、
該穂先移送装置３７及び該穀稈供給漏斗１４の順に回動
操作後に、該扱胴１０を回動操作する構成であり、この
構成のときは前記フロントフィードチエン５を設けない
構成としている。

【００１９】上記により、前記穂先移送装置３７と前記
扱胴１０とは同時に回動することにより、位置関係の変
動がなく、伝動が簡単であり、又該扱胴１０の開度を大
きくすることができて、清掃及び点検等が容易な構成と
している。図１２の他の実施例の如く、前記フィードチ
エン４のチエンレールに、前後ステー４４，４５を設
け、これらステー４４，４５に前記穂先移送装置３７の
前記ケースを装着した構成であり、この穂先移送装置３
７の回転駆動は、前記フィードチエン４のテンションス
プロケット４６を軸支するスプロケット軸４７を介して
回転駆動する構成であり、該フィードチエン４と該穂先
移送装置３７とは、該フィードチエン４の始端部の前記
チエンヒンジ４３を中心として、同時に一体で左右方向
に回動自在な構成であり、又前記穀稈供給漏斗１４の支
持杆４８，４８は前記回動ケース３８を回動中心として
上下に回動する構成であり、この穀稈供給漏斗１４回動
操作後に、該フィードチエン４を回動する構成であり、
前記扱胴１０は図１１と同じように左右方向へ回動する
構成であり、この構成のときには前記フロントフィード
チエン５を設けない構成としている。

【００２０】上記により、前記穂先移送装置３７と前記
フィードチエン４とが、同時に回動することにより、前
記扱胴１０前方部に障害物となるものがなくなり、この
ため前記扱胴１０の開度を大きくすることができて、清
掃及び点検等が容易な構成としている。以下、上記実施
例の作用について説明する。

【００２１】コンバイン６が歩行することにより、穀稈
引起装置３５で引起された穀稈は、刈刃装置１で刈取ら
れて、集送装置３６で集送されて穀粒移送移送装置２′
で受継され、この穀稈移送装置２′の根元移送チエン２
と穂先移送ラグ３′とによってこの穀稈は起立姿勢で移
送され、フロントフィードチエン５に受継され、このフ
ロントフィードチエン５で起立姿勢と倒伏姿勢との中間
姿勢で株元が移送され、穂先は穂先移送装置３７で移送
され、フィードチエン４に受継され、このフィードチエ
ン４で倒伏姿勢で脱穀装置９の脱穀室３内へ供給され、
この脱穀室３内を前側から後側へ移送されて扱胴１０で
脱穀され、脱穀物は脱穀網１５から漏下し、揺動選別棚
１６と唐箕１７とで選別され、選別済穀粒は機外へ排出
され、藁屑及び塵埃は機外へ吸引排出され、排稈は排稈
チエン３２で移送されて排稈カッタ３２′で切断されて
機外へ排出される。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の一実施例を示す。

【図１】脱穀装置の一部の斜視図。

【図２】図３の正断面図。

【図３】コンバインの一部の側面図。

【図４】コンバインの一部の側面図。

【図５】脱穀装置の一部の平面図。

【図６】その正断面図。

【図７】コンバインの平面図。

【図８】コンバインの一部の側面図。

【図９】コンバインの一部の側面図。

【図１０】他の実施例を示すコンバインの一部の側面
図。

【図１１】他の実施例を示すコンバインの一部の平面
図。

【図１２】他の実施例を示すコンバインの一部の平面
図。

【符号の説明】

１ 刈取装置 ２ 根元移送チエン ３ 脱穀室 ４ フィードチエン ５ フロントフィードチエン

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前部の刈刃装置１で刈取された穀稈の株
   元側を根元移送チエン２で挾持移送して脱穀室３内へ供
   給された穀稈の株元側を挾持移送するフィードチエン４
   の始端部に、該根元移送チエン２から穀稈を引継ぎ該フ
   ィードチエン４へ穀稈を送り込むフロントフィードチエ
   ン５を平行状にして設けたコンバインにおいて、該根元
   移送チエン２から該フロントフィードチエン５を経て該
   フィードチエン４へと引継ぎ移送する穀稈の移送姿勢を
   起立姿勢から倒伏姿勢へと順次変更すべく該根元移送チ
   エン２、該フロントフィードチエン５、及びフィードチ
   エン４の取付姿勢を所定の垂平姿勢から所定の垂直姿勢
   へと順次変更構成したことを特徴とする刈取穀稈移送装
   置。