以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
コンバイン1の走行車台2の前方部には、刈取機3を設け、この刈取機3は、前部より、順次立毛穀稈を分離するナローガイド4a、及び各分草体4bと、穀稈を引起す各引起装置6と、穀稈を掻込み移送する左右両側の各掻込スターホイル28、各掻込ラグ付ベルト28b、及び左・右掻込移送チェン16a,16b等よりなる掻込移送装置7と、中央部の中掻込移送装置11と、掻込移送中の穀稈を刈取る刈刃装置8と、刈取り穀稈を後方上部へ移送する供給移送装置9の根元移送装置と、右駆動移送スターホイル17bと、この右駆動移送スターホイル17bで回転駆動する左従動移送スターホイル20aと、左・右穂先移送装置18,19の左・右穂先移送チェン18a,19aへ所定間隔で装着した、左・右穂先移送ラグ18b,19b等とを設けた構成である。右穂先移送装置19の右穂先移送ラグ19bの上下位置より、左穂先移送装置18の左穂先移送ラグ18bの上下位置を所定高さ(H1)低い位置へ設けた構成である。これら根元移送装置17と、左・右穂先移送装置18,19と、右駆動移送スターホイル17bと、左従動移送スターホイル20a等を主に図示して説明する。
前記コンバイン1の走行車台2の下側には、図12〜図14で示す如く特に図12で示す如く土壌面を走行する左右一対の走行クローラ13aを張設した走行装置13を配設し、走行車台2の上側には、脱穀機12を載置した構成である。走行車台2の前側の刈取機3で立毛穀稈を刈取りし、この刈取り穀稈は、この刈取機3で後方上部へ移送され、脱穀機12のフィードチェン14aと、挾持杆14bとで引継ぎされて、挾持移送されながら脱穀される。脱穀済で選別済み穀粒は、脱穀機12の右横側に配設した穀粒貯留タンク15内へ一時貯留される。
前記走行車台2の前方部には、刈取機3を設け、この刈取機3は、三乗刈取り型を図示して説明する。この刈取機3は、図12〜図14で示す如く特に図12で示す如く前端位置から立毛穀稈を分離するナローガイド4a、及び左右両端部と、この左右両側部間に二個と、合計四個の各分草体4bと、立毛穀稈を引起す三個の各引起装置6と、引起された穀稈を掻込みする左右両側の各掻込移送装置7と、中央部の中掻込移送装置11とにより、掻込された穀稈を刈取る刈刃装置8と、刈取りされた穀稈を挾持移送する各掻込移送装置7の左掻込移送チェン16aと、右掻込移送チェン16bとを設け、これら左・右掻込移送チェン16a,16bにより、移送終端部へ移送された刈取り穀稈を引継ぎ後方上部へ移送する供給移送装置9から、脱穀機12のフィードチェン14aと、挾持杆14bとへ受渡しする構成である。各掻込移送装置7、中掻込移送装置11、供給移送装置9の根元移送装置17と、左・右穂先移送装置18,19よりなる。この供給移送装置9の左側の掻込支持装置20に左従動移送スターホイル20aを設け、この左従動移送スターホイル20aと、根元移送装置17の移送始端上部に設けた右駆動移送スターホイル17bとは、噛合して左従動移送スターホイル20aは回転駆動される。これらの各部品等によりなる刈取機3を設けている。該刈取機3は、油圧駆動による伸縮シリンダ21により、土壌面に対して、昇降自在に移動する構成である。
前記刈取機3には、図12〜図14、及び図10で示す如く、前方下部から後方上部へ傾斜する伝動機構22aを回転自在に内装した支持杆22の上端部には、左右方向に伝動機構23aを回転自在に内装した上支持パイプ杆23を設け、この上支持パイプ杆23を走行車台2の上側面に設けた支持装置24で回転自在に支持させて、伸縮シリンダ21の作動により、刈取機3は、上支持パイプ杆23を回動中心(イ)として、上下に回動する構成である。走行車台2の上側へ設けたエンジン40の回転動力は、上支持パイプ杆23の伝動機構23aへ入力されて、刈取機3の各部が回転駆動される構成である。
前記刈取機3の供給移送装置9の右穂先移送装置19によって形成される穀稈移送経路中には、刈取られて移送される穀稈に接触作用することにより、脱穀機12へ穀稈の供給の有無を検出する穀稈センサ3aを設けた構成である。
前記刈取機3は、図10、及び図12で示す如く特に図10で示す如く支持杆22の下端部の左右方向には、伝動機構25aを回転自在に内装した下支持パイプ杆25を設けた構成である。この下支持パイプ杆25の上側面には、左右側端部と、略中央部とに、左右両側の各引起装置6を回転駆動する伝動機構26cを回転自在に内装した各引起パイプ杆26aと、略中央部の引起装置6を回転駆動する伝動機構26dを回転自在に内装した中引起パイプ杆26bを設けた構成である。各引起パイプ杆26aの下方部側の上下方向略中央部には、左右両側の各掻込移送装置7を回転駆動する伝動機構27aを回転自在に内装した各掻込駆動ケース27を設けた構成である。
前記刈取機3のナローガイド4a、及び各分草体4bで分離された穀稈は、各引起装置6で引起され、この引起された穀稈は、左右両側の各掻込移送装置7と、中央部の中掻込移送装置11とにより、掻込されながら、刈刃装置8で刈取され、刈取り穀稈は、各掻込移送装置7の左掻込移送チェン16aと、右掻込移送チェン16bとにより、移送終端部へ移送される構成である。
前記左側の掻込移送装置7は、図10、及び図11で示す如く左側の掻込駆動ケース27の伝動機構27aの内側部には、掻込軸27bを回転自在に軸支して設け、掻込駆動ケース27の下側で、掻込軸27bの下端部には、穀稈を掻込する掻込スターホイル28を軸支して設けると共に、掻込駆動ケース27の上側で、掻込軸27bの上端部に設けた掻込ケース28aには、所定間隔で掻込ラグ28cを設けた掻込ラグ付きベルト28bを回転自在に張設して、内装した構成である。又、掻込駆動ケース27の下側で、掻込スターホイル28の上側には、掻込み移送中に刈取りされた刈取り穀稈を移送する左掻込移送チェン16aを張設した構成である。
又、右側の掻込移送装置7は、図10、及び図11で示す如く右側の掻込駆動ケース27の伝動機構27aの内側部には、掻込軸27bを回転自在に軸支して設け、掻込駆動ケース27の下側で、掻込軸27bの下端部には、穀稈を掻込する掻込スターホイル28を軸支して設けると共に、掻込駆動ケース27の上側で、掻込軸27bの上端部に設けた掻込ケース28aには、所定間隔で掻込ラグ28cを設けた掻込ラグ付ベルト28bを回転自在に張設して、内装した構成である。又、掻込駆動ケース27の下側で、掻込スターホイル28の上側には、掻込み移送中に刈取りされた刈取り穀稈を移送する右掻込移送チェン16bを張設した構成である。
前記中央部の中掻込移送装置11は、図11で示す如く掻込ケース28aに掻込軸27bを回転自在に軸支して設け、この掻込軸27bの下端部には、掻込スターホイル28を軸支して設けると共に、掻込ケース28aには、所定間隔で掻込ラグ28cを設けた掻込ラグ付ベルト28bを回転自在に張設して、内装した構成である。中掻込移送装置11の掻込スターホイル28と、左側の掻込移送装置7の掻込スターホイル28とは、噛合した構成である。中掻込移送装置11の掻込スターホイル28と、掻込ラグ付ベルト28bとは、左側の掻込移送装置7の掻込スターホイル28により、回転駆動される構成である。
前記左右両側の各掻込移送装置7と、中掻込移送装置11と、左掻込移送チェン16aと、右掻込移送チェン16b等とにより、掻込移送中の穀稈は、刈刃装置8で刈取りされ、刈取り穀稈は、これらにより、後方上部へ移送され、供給移送装置9へ供給されて引継ぎされ、この供給移送装置9の根元側を移送する根元移送装置17と、穂先側を移送する左・右穂先移送装置18,19等とに引継ぎされ、後方上部の移送終端部へ向けて移送され、脱穀機12のフィードチェン14aと、挟持杆14bとへ供給されて、引継ぎされる構成である。
前記供給移送装置9は、図1、及び図2で示す如く穀稈の根元側を挾持移送する根元移送装置17の根元移送チェン17aと、穂先側を挾持移送する左・右穂先移送装置18,19と、根元移送装置17の移送始端上部の右駆動移送スターホイル17bと、この供給移送装置9の左側部に、回動自在な掻込支持装置20に設けて、右駆動移送スターホイル17bで回転駆動される左従動移送スターホイル20aとよりなる構成である。これら左従動・右駆動移送スターホイル20a、17bは、穀稈の穂先部の近傍部を掻込み移送する構成である。
前記供給移送装置9の左側部には、図1、及び図7で示す如く掻込支持装置20を設け、この掻込支持装置20の支持具30の支持板31aに設けた支持杆30aの前端部に固着した支持メタル30bで軸支したスターホイル軸30cの下端部には、回転自在に左従動移送スターホイル20aを軸支した構成である。この左従動移送スターホイル20aは、詳細後述する供給移送装置9の根元移送装置17の移送始端上部に回転自在に設けた右駆動移送スターホイル17bと噛合した構成であり、これにより、左従動移送スターホイル20aは、右駆動移送スターホイル17bにより、回転駆動される構成である。
左右両側から合流部(ロ)へ移送する刈取り穀稈を、右側の前記供給移送装置9の根元移送装置178の移送始端上部に設けた右駆動移送スターホイル17bと、左側の掻込支持装置20に設けた左従動移送スターホイル20aとへの移送は、図1、及び図7で示す如く右側部を掻込みして、移送する刈取り穀稈は、右側の掻込移送装置7の右掻込移送チェン16bから根元移送装置17の根元移送チェン17aへ引継ぎされ、この右根元移送チェン17aと、スプリング部材で、弾発効果の向上を図るために、前後方向の略中間部に円形状を形成して、基部を中掻込移送装置11へボルト、及びナット等により、装着して設けると共に、上下位置は、掻込スターホイル28と、掻込ラグ付ベルト28bとの間へ位置させて設けた右挾持ガイド杆5bとにより、挾持されて、右駆動・左従動移送スターホイル17b,20a部へと案内移送する構成である。
又、左側を掻込みして、移送する刈取り穀稈は、左側の掻込移送装置7の掻込スターホイル28と、中央部の中掻込移送装置11の掻込スターホイル28,28とのこれら両者と、スプリング部材で、弾発効果の向上を図るために、中間部に円形状を形成して、其部を中掻込移送装置11へボルト、及びナット等により、装着して設けると共に、上下位置は、掻込スターホイル28と、掻込ラグ付ベルト28bとの間へ位置させて設けた左挾持ガイド杆5aとにより、挾持されて、右駆動・左従動移送スターホイル17b,20a部へと案内移送する構成である。
前記左・右挾持ガイド杆5a、5bの移送終端部(後端部)は、右駆動・左従動移送スターホイル17b,20aの外周部の近傍部へ位置させて設け、穀稈の引継ぎを良好にした構成である。
前記右駆動・左従動移送スターホイル17b,20a部へ案内移送された穀稈は、これら右駆動・左従動移送スターホイル17b,20aで掻込み移送され、供給移送装置9の根元移送装置17の根元移送チェン17aと、左・右穂先移送装置18,19の左・右穂先移送チェン18a,19aとにより、後方上部へ移送され、脱穀機12のフィードチェン14aと、挾持杆14bとへ供給する構成である。
前記右駆動・左従動移送スターホイル17b,20aへ穀稈を案内移送して、供給する前側(下手側)には、左・右挾持ガイド5a、5bを設けると共に、移送終端部(後端部)は、右駆動・左従動移送スターホイル17b,20aの外周部の近傍部へ位置させて設けたことにより、右側の根元移送装置17の根元移送チェン17aと、右挾持ガイド杆5bとからと、左側の各掻込スターホイル28,28と、左挾持ガイド杆5aとからの両者より、右駆動・左従動移送スターホイル17b,20aへの刈取り穀稈の引継ぎがスムーズになり、このために、移送姿勢が安定すると共に、脱穀機12への供給姿勢も安定して、脱穀性能が安定する構成である。
前記左側の掻込移送装置7の掻込スターホイル28の下側には、図11で示す如く藁屑移送ガイド板10は、ボルト等により、装着して設け、移送中の穀稈から落下して、堆積する藁屑を除去する構成である。又、この藁屑移送ガイド板10は、右側の掻込移送装置7の掻込スターホイル28、及び中掻込移送装置11の掻込スターホイル28へ設けた構成とするもよい。
前記左側の掻込移送装置7の掻込スターホイル28の下側には、藁屑移送ガイド板10を設けたことにより、掻込スターホイル28の下部から刈取ギャーケース3b部への藁屑等の巻付きの防止、及び刈刃装置8の駆動クランクの摺動部へ堆積する藁屑等を除去することができる構成である。
前記供給移送装置9の穀稈の根元側を移送する根元移送装置17の根元移送チェン17aの移送始端部の上側へ設けた右駆動移送スターホイル17bの所定距離上部位置には、図1で示す如く右穂先移送装置19を設けた構成である。この右穂先移送装置19の右移送チェンケース19c内には、穀稈の穂先側を後方上部へ移送する所定間隔で、先端を右移送チェンケース19cより突出させた。右穂先移送ラグ19bを装着した右穂先移送チェン19aを張設した構成である。この右穂先移送装置19の移送始端部は、右駆動移送スターホイル17bの中心位置により、所定距離前方へ突出させて設けた構成である。
又、前記掻込移送装置7の左掻込移送チェン16aの移送終端部の上側へ掻込支持装置20の支持杆30a先端部の支持メタル30bで軸支したスターホイル軸30cへ軸支して、右駆動移送スターホイル17bで回転駆動される左従動移送スターホイル20aの所定距離上部位置には、図1で示す如く左穂先移送装置18を設けた構成である。この左穂先移送装置18の左移送チェンケース18c内には、穀稈の穂先側を後方上部へ移送する所定間隔で、先端を左移送チェンケース18cより突出させた。左穂先移送ラグ18bを装着した左穂先移送チェン18aを張設した構成である。この左穂先移送装置18の移送始端部は、右穂先移送装置19の移送始端部より、所定距離後方部へ位置させて設けた構成である。
前記左右両側の前記掻込移送装置7,7と、中掻込移送装置11の各掻込スターホイル28と、各掻込ラグ付ベルト28bと、左・右掻込移送チェン16a,16b等とにより、掻込み移送中の穀稈は、刈刃装置8で刈取りされ、刈取りされた穀稈は、これら各部品28,28b,16a,16b等により、後方上部の移送終端部へ移送され、穀稈の根元側は、供給移送装置9の根元移送装置17の根元移送チェン17aと、又、刈取り穀稈の穂先側は、左・右穂先移送装置18,19の左・右穂先移送チェン18a,19aの左・右穂先移送ラグ18b,19bとにより、後方上部へ移送され、脱穀機12のフィードチェン14aと、挟持杆14bとへ供給されて引継ぎされ、脱穀機12内を挟持移送中に脱穀される構成である。
前記右穂先移送装置19の右穂先移送チェン19aへ所定間隔に装着して設けた各右穂先移送ラグ19bの上下方向の上下位置は、図1、及び図2で示す如く左穂先移送装置18の左穂先移送チェン18aへ所定間隔に装着して設けた各左穂先移送ラグ18bの上下方向の上下位置を、所定高さ(H)低い位置へ設けた構成である。これら左・右穂先移送ラグ18b,19bで刈取り穀稈の穂先側を後方上部へ移送する構成である。
前記刈刃装置8で刈取りされた刈取り穀稈の穂先側を移送する右穂先移送装置19の右穂先移送チェン19aへ所定間隔に装着した、各右穂先移送ラグ19bの上下位置より、左穂先移送装置18の左穂先移送チェン18aへ所定間隔に装着した、各左穂先移送ラグ18bの上下位置を、所定高さ(H)低い位置へ設けたことにより、移送される穀稈は、穂首より、下を挟持することになり、挟持ミスの発生が減少すると共に、移送性能の向上を図ることができる。
図1で示す如く根元移送装置17の根元移送チェン17aのチェン速度(V1)と、左穂先移送装置18の左穂先移送チェン18aへ所定間隔で装着した、各左穂先移送ラグ18bの先端部の周速(V2)とは、略同じ速度にして設定して設けた構成である。
前記根元移送装置17の根元移送チェン17aのチェン速度(V1)と、左穂先移送装置18の左穂先移送チェン18aの各左穂先移送ラグ18bの先端部周速(V2)とは、略同じ速度にして設けたことにより、穀稈は供給部に対して、略直角に穀稈が送られることにより、良好な穀稈姿勢で脱穀機12へ供給されることにより、稈切等の発生が減少し、脱穀性能、及び選別性能の向上を図ることができる。
前記根元移送装置17の根元移送チェン17aは、図3、及び図4で示す如くを前根元移送チェン17cと、後根元移送チェン17dとに、二分割して設けた構成である。又、前根元移送チェン17cを上側へ設け、後根元移送チェン17dを下側へ設けると供に、前根元移送チェン17cの移送終端部の軸心部と、後根元移送チェン17dの移送始端部の軸心部とは、重合させて設け、同軸で両者を回転駆動させた構成である。
前記根元移送装置17の根元移送チェン17aを前後に、前根元移送チェン17cと、後根元移送チェン17dとに、二分割して設けたことにより、短稈に対する適応性が向上する。供給調節量をアップさせることができる。長稈に対する挟持支持性能が向上する。又、穀稈の株揃えが向上する。
前記根元移送装置17の根元移送チェン17aを、前根元移送チェン17cと、後根元移送チェン17dとに、二分割した構成において、図15で示す如く前根元移送チェン17cの巾(L1)より、後根元移送チェン17dの巾(L2)を所定巾広に形成して設けた構成である。
これにより、穀稈の株元側を確実に搬送することができ、脱穀機3へ引継ぎが良好になる。
前記根元移送装置17の根元移送チェン17aを、前根元移送チェン17cと、後根元移送チェン17dとに、二分割した構成において、図3で示す如く前根元移送チェン17cの移送始端部の軸心から、移送終端部の軸心までの距離(M1)と、後根元移送チェン17dの移送始端部の軸心から、移送終端部の軸心までの距離(M2)とは、略同じ距離に形成して設けた構成である。
これにより、前記前・後根元移送チェン17c,17dを共用することができる。又、同じ移送距離としたことにより、穀稈の移送性能が安定する。
前記根元移送装置17の根元移送チェン17aを、前根元移送チェン17cと、後根元移送チェン17dとに、二分割した構成において、図16、及び図17で示す如く前根元移送チェン17cの上側の上チェンプレート49aの山部の高さ(H2)は、下側の下チェンプレート49bの山部の高さ(H3)より、所定高さ(H4)高く形成して設けた構成である。
これにより、前記前根元移送チェン17cの移送始端部で穀稈のキャッチング状態が向上すると共に、移送終端部での穀稈の巻き込み防止の向上を図ることができる。
前記根元移送装置17の根元移送チェン17aを、前根元移送チェン17cと、後根元移送チェン17dとに、二分割した構成において、図18、及び図19で示す如く前根元移送チェン17cの上側の上チェンプレート49aの山部の高さ(H2)は、下側の下チェンプレート49bの山部の高さ(H3)より、所定高さ(H5)低く形成して設けた構成である。
これにより、前記前根元移送チェン17cの移送始端部で穀稈のキャッチング状態が向上すると共に、穀稈を脱穀機3へ供給する供給部を下降操作し、下降状態になったときには、前根元移送チェン17cの各チェンプレート49a,49bの山部が、穀稈へ均等に作用することとなり、穀稈の移送性能の向上を図ることができる。
前記供給移送装置9の左側には、掻込支持装置20を設け、この掻込支持装置20の支持杆30aの前端部には、図5、及び図7で示す如く左従動移動スターホイル20aを軸支して設けた構成である。
前記供給移送装置9の根元移送装置17と、右穂先移送装置19とは、図5、及び図7で示す如く一体に形成した構成である。又、掻込支持装置20と、左穂先移送装置18等とは、一体に形成した構成である。これら18,20等は、一体に形成した右側の根元移送装置17と、右穂先移送装置19とから、外側へワンタッチで取り外し自在な構成であると共に、掻込支持装置20と、左穂先移送装置18等の外側へ取り外し操作に連動して、この掻込支持装置20に設けた左従動移送スターホイル20a等も、同時に外側へ取り外しできる構成である。
前記供給移送装置9の掻込支持装置20は、図5、及び図7で示す如く支持具30のコ字形状の支持板31aの上側面には、支持杆30aを固着して設け、この支持杆30aの前端部には、左従動移動スターホイル20aを軸支して設けると共に、後端部には、支持パイプ30dを設け、この支持パイプ30dには、引継ぎガイド30eを挿入して設けると共に、抜け止めを施した構成である。
前記支持杆30aには、図7、及び図8で示す如く支持パイプ32aを設け、この支持パイプ32aには、略コ字形状の支持板32bを固着して設け、この支持板32bの上下方向には、所定の間隔を設けて、穂先挾持杆32、32を固着して設けた構成である。又、支持板31aの前後両側には、支持杆31bを挿入すると共に、外周部で支持板31a内には、個別スプリング31cを設け、各支持杆31bの内側端部には、根元挾持杆31を固着して設けた構成である。又、支持板31aの上側面には、受板33bを固着して設けると共に、この受け板33bの前後両側の上部には、所定間隔を設けて、L字形状の受杆33a、33aを挿入して、固着して設けた構成である。
前記受杆33a、33aには、図7、及び図8で示す如く右穂先移送装置19に設けた略山形状の支持杆35の一方側の下端部に設けた支持板35aへボルト、及びナット等により、装着して設けた受板35bには、コ字形状の開閉レバー35cを回動軸35dで回動自在に軸支して設けた構成である。又、開閉レバー35cには、トルクスプリング35eを設けると共に、この開閉レバー35cの側板部には、結合溝35fを左右両側に設けた構成である。この各結合溝35fを、掻込支持装置20の受け板33bに設けた各受杆33aへ挿入して、供給移送装置9の根元移送装置17、及び右穂先移送装置19と、掻込支持装置20と、左穂先移送装置18とは、一体的に組付けした構成になる。
又、前記掻込支持装置20を取外しするときには、右穂先移送装置19側に設けた開閉レバー35cを回動操作し、この開閉レバー35cの各結合溝35fを、掻込支持装置20の受け板33bに設けた各受杆33aより、結合を外すと、この掻込支持装置20部を簡単に、ワンタッチで取り外しできる構成である。
前記供給移送装置9の根元・右穂先移送装置17,19の左側部には、掻込支持装置20と、左穂先移送装置18とを設け、これら掻込支持装置20と、左穂先移送装置18とを、ワンタッチ取り外し操作すると、この操作に連動して、この掻込支持装置20の移送始端部に設けた左従動移動スターホイル20aも、同時に取外しすることができ、これにより、操作が簡単であると共に、供給移送装置9の根元・左・右穂先移送装置16,18,19等へ藁屑、及び雑草等の詰り、巻き付き、及び引掛った、これら藁屑、及び雑草等を容易に除去して、清掃することができる構成である。
前記供給移送装置9の根元移送装置17は、図1、図2、及び図6で示す如く右穂先移送装置19の下側に設けた構成である。根元移送装置17は、前後両側に軸支した前・後スプロケット36a、36bには、根元移送チェン17aを掛け渡した構成であると共に、この根元移送チェン17aは、チェン摺し17eで支持した構成である。又、前スプロケット36aを軸支する前支持軸36cの上端部には、右駆動移送スターホイル17bをボルト、及びナット等により、装着した構成である。この右駆動移送スターホイル17bの歯部は、図9で示す如く下部へ所定角度で傾斜させて設けると共に、掻込支持装置20の左従動移送スターホイル20aと噛合した構成であり、この左従動移送スターホイル20aを回転駆動する構成である。
前記供給移送装置9の右穂先移送装置19は、図1、図2、及び図5で示す如く根元移送装置17の上側に設けた構成である。右穂先移送装置19は、上下両側の右移送チェンケース19cには、右穂先ラグ19bを所定間隔に設けた右穂先移送チェン19aを張設して、内装した構成である。又、上側の右穂先移送チェンケース19cの上側面には、移送する穀稈の穂先を案内する略三角形状の案内板19dを装着した構成である。
前記左掻込移送チェン16aと、右掻込移送チェン16bと、左・右挾持ガイド杆5a、5b等とにより、移送終端部へ移送された穀稈の根元部は、供給移送装置9の根元移送装置17の根元移送チェン17aと、根元挾持杆31とにより、図7で示す如く引継ぎされて挾持され、後方上部へ移送される。又、穂先部は、左従動移送スターホイル20aと、右駆動移送スターホイル17bとにより、引継ぎされて掻込されると共に、左・右穂先移送装置18,19の各左・右穂先移送ラグ18b,19bと、穂先挾持杆32、32とにより、引継ぎされて挾持され、後方上部へ移送される。後方上部へ移送された穀稈は、脱穀機12のフィードチェン14aと、挾持杆14bとへ供給されて引継ぎされ、これらフィードチェン14aと、挾持杆14bとにより、挾持されて脱穀機12内を挾持移送され、脱穀される。
前記根元・左・右穂先移送装置17,18,19の回転駆動は、図9で示す如く伝動ケース37へ内装した伝動機構37aで回転駆動する構成である。
前記掻込支持装置20の左従動移送スターホイル20aは、図9で示す如く移送する穀稈に対して、右上がり傾斜状態に配設した構成である。
前記左従動移送スターホイル20aと、右駆動移送スターホイル17bとには、所定の角度を設けたことにより、穀稈を掻込み時は、穀稈が押付けられた状態になって移送されることにより、スムーズな穀稈の移送ができる。又、機構の簡素化ができる構成である。
前記穀粒貯留タンク15側の前部には、図12、及び図13で示す如くコンバイン1を始動、停止、及び各部を調節等の操作を行う操作装置38と、これら操作を行う作業者が搭乗する操縦席39とを設け、この操縦席39の下側で、走行車台2の上側面には、エンジン40を載置すると共に、後方部には、穀粒貯留タンク15を配設する。これら走行装置2と、刈取機3と、脱穀機12と、エンジン40等により、コンバイン1の機体1aを形成した構成である。
前記走行車台2の前端部に装架した走行用のミッションケース41内の伝動機構41aの伝動経路中には、その出力に基づいて、走行車速を検出するポテンションメータ方式の車速センサ41bを設けた構成である。
前記穀粒貯留タンク15内に貯留した穀粒を機外へ排出するこの穀粒貯留タンク15の後ろ側には、縦移送螺旋42aを内装した排出支持筒42を略垂直姿勢で旋回自在に装着して設け、この排出支持筒42の上端部には、その全長がコンバイン1の前後長に亘る機外へ穀粒を排出する排出螺旋43aを伸縮自在に内装した排出オーガ43を伸縮自在、上下回動自在、及び左右旋回自在に前後方向に配設した構成である。
前記根元移送装置17の根元移送チェン17aは、図20、及び図21で示す如く移送終端部に設けた後スプロケット36bを軸支する後支持軸36dを装着して軸支する支持アーム36eには、前後方向、及び左右方向へ取付位置が調節可能に各左・右取付孔36f,36hを設け、これら各左取付孔36f、又は各右取付孔36h位置をボルト、及びナット等により、根元移送チェン17aを支持するチェン摺し17eへ取付けする構成である。
刈取りする穀稈の稈長が標準稈長以下のときは、各左取付孔36f部をチェン摺し17eへボルト、及びナット等で装着し、根元移送チェン17aの移送終端部を、フィードチェン14aの内側へ位置させて設ける構成である。又、刈取りする穀稈の稈長が長稈のときには、各右取付孔36h部をチェン摺し17eへボルト、及びナット等で装着し、根元移送チェン17aの移送終端部を、フィードチェン14a外側へ位置させて設ける構成である。これら調節を行うときは、根元移送チェン17aのチェンプレートを増減調節操作する構成である。
これにより、穀稈の長稈対応が容易である。又、簡単な構成で可能である。
前記フィードチェン14aの外側には、チェンカバー44を設けると共に、フィードチェン14a上側で略中央部には、チェンガイド14cを設け、このチェンガイド14cには、チェンガイド杆14dを設けている。このチェンカバー44の移送始端部の外側面には、図22〜図25で示す如く前後方向に所定間隔を設けて前・後支持軸44b,44cを設けた支持メタル44aを、ボルト、及びナット等により、装着して設けると共に、略L字形状の下側面部には、前後方向にと所定間隔を設けて、前・後支持ボス45a,45bを有する株元ガイド45を設け、この株元ガイド45の前・後支持ボス45a,45bの中央部に設けた各挿入孔45c部を、支持メタル44aの前・後支持軸44b,44cへ挿入して、調節ボルト45dで所定位置へ装着して設けた構成である。
前記株元ガイド45の上下方向の外側面部は、移送始端部より、移送終端部へ向けて、順次フィードチェン14aへ接近させて設け、短稈の穀稈を脱穀するときには、株元ガイド45の装着位置を左右方向へ調節して、短稈の株元側を押して、深扱ぎ側へ調節して、扱ぎ残粒を防止する構成である。
これにより、前記株元ガイド45を左右へ調節可能としたことにより、短稈を脱穀するときは、株元側をこの株元ガイド45で押す状態に調節することにより、短稈は深扱ぎ側へ調節されることにより、短稈の扱ぎ残り粒を防止することができる。
前記チェンガイド14cには、図26〜図28で示す如く複数個の固定用孔46bを有する取付ピン46aを前後所定間隔に固着して設け、この各取付ピン46aには、コ字形状の取付具47の各挿入孔47aと、この取付具47内へ設けた、各スプリング47bと、株元ガイド45の取付孔45e部を挿入し、これら取付具47、各スプリング47b、各取付孔45e部を、各取付ピン46aで支持すると共に、この各取付ピン46aの各固定用孔46bへ各支持ピン47cを挿入して、これら取付具47、各スプリング47b、株元ガイド45等を装着した構成である。又、各支持ピン47cの挿入位置により、株元ガイド45の取付位置が調節できる構成であり、この取付位置により、この株元ガイド45で穀稈の株元を押す位置が変更でき、穀稈の扱ぎ残り粒を防止することができる。
これにより、穀稈の根元を押す位置が変更できることにより、扱ぎ深さが変更でき、扱ぎ残り粒を防止することができる。
前記コンバイン1で作業者が枕刈取りした穀稈を、手動で脱穀作業を行うときは、フィードチェン14aの上側へ上下回動自在なチェンガイド杆14dを設けたチェンガイド14cを作業者が手動で上方へ回動操作すると、図29〜図31で示す如くこの回動操作により、脱穀機12の入口側へ設けたON−OFFスイッチ方式の手扱スイッチ12aがチェンガイド14cに設けた凸部14eで押されて、「ON」状態に操作され、この「ON」状態が操作装置38へ内装した制御装置38aへ入力され、この入力に連動して、刈取機3は、操作装置38の制御装置38aにより、自動停止制御されると共に、この刈取機3の穀稈の供給部である根元移送装置17、及び左・右穂先移送装置18,19等が最下降位置へ自動下降制御される。更にナローガイド4aが最閉状態へ自動閉作動制御される構成である。これにより、手動での穀稈の脱穀作業を容易にした構成である。
これにより、手扱スイッチ12aの「ON」により、前記コンバイン1の刈取機3は、自動停止、及び供給部が最下降、又、ナローガイド4aが閉状態への作動制御されることにより、手動での脱穀作業が安全で、又、容易に行うことができる。
右ナローガイド4cは、図32〜図35で示す如く右端部の分草体4bの後端部に設けた取付板4dへ右外側へ回動自在に設けた構成である。この右ナローガイド4cは、略垂直状態へ回動可能に、平面視後方部の突出部を略へ字形状に形成して設けた構成であり、上方へ回動操作したときでも、フロントカバー3cへ当接しない構成である。又、図34、及び図35で示す如く回動操作により、刈取り作業状態、及び圃場状態に対する適応範囲の拡大を図った構成である。
これにより、刈取り作業状態、及び圃場状態の適応範囲を図ることができる。
前記引起装置6の引起ケース6aには、図36〜図38で示す如く刈取る穀稈を引起しする引起ラグ6eを所定間隔に装着した引起チェン6fを掛け渡しする下引起プーリ6cを軸支すると共に、引起ラグ6eを案内するL字形状の案内ガイド6d、及び藁屑のたまりを防止するゴム材等よりなる防止板48を装着する支持板6bを固着して設けた構成である。
前記防止板48は、図36で示す如く注油ノズル48dを挿入するノズル用孔48cと、防止板48を装着用の取付孔48bと、引起ラグ6eが通過する溝48aとを設け、この防止板48の取付孔48b部を、支持板6bへボルト、及びナットで装着すると、この防止板48は、案内ガイド6dへ折り曲がり状態になって当接する構成である。これにより、落下する藁屑、及び塵埃等は、防止板48を流下して、この案内ガイド6dの下部と、下引起プーリ6cとの間には、溜まらない構成である。又、防止板48の上側のノズル用孔48cには、注油ノズル48dを挿入し、引起チェン6fへ注油する構成である。
これにより、前記防止板48は、案内ガイド6dへ折り曲げ状態で当接させて設けたことにより、この案内ガイド6dの下部と、下引起プーリ6cとの間へ溜まる藁屑、及び塵埃等は確実に防止することができる。又、コスト低減が可能である。