JP2000287530A - コンバイン - Google Patents

コンバイン

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JP2000287530A
JP2000287530A JP11095820A JP9582099A JP2000287530A JP 2000287530 A JP2000287530 A JP 2000287530A JP 11095820 A JP11095820 A JP 11095820A JP 9582099 A JP9582099 A JP 9582099A JP 2000287530 A JP2000287530 A JP 2000287530A
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JP11095820A
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English (en)
Inventor
Hisayuki Satoji
久幸 里路
Yasushi Ihara
靖 井原
Tatsuya Miyake
達也 三宅
Kiyoshi Iiizumi
清 飯泉
Toshihiko Okada
利彦 岡田
Koji Okumoto
康治 奥本
Shoji Ochi
昌次 越智
Hakuro Takahashi
伯郎 高橋
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Original Assignee
Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 刈取前処理装置と脱穀装置との間に設ける穀
稈供給搬送装置における引継ぎ性能を向上させ、稈こぼ
れを防止して引継搬送時の株の乱れをなくしたコンバイ
ンを提供すること。 【解決手段】 刈取装置に設ける穀稈の搬送手段(株元
側引継搬送装置)と脱穀装置へ穀稈を供給搬送する主供
給搬送装置25との間に、上下に揺動可能な補助搬送装
置(外)33を設け、該補助搬送装置(外)33の前端
側に刈取装置側へ傾斜する部分(チェン38(外))を
前下がりに構成して、補助搬送装置(外)33の始端位
置を低くしたので、引継の際に落下しようとする穀稈を
低い位置から引き上げることができ、穀稈の引継が確実
であり、稈こぼれを防止し、かつ引継時の株の乱れを防
いで株揃えを向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圃場において穀類
の収穫作業を行う農業用のコンバインに関する。
【従来の技術】コンバイン1は、図20に示すように機
体フレーム2aの下部側に土壌面を走行する左右一対の
走行クローラを有する走行装置2bを配設し、機体フレ
ーム2aの前端側に分草具5、引起ケース6、植立穀稈
を刈り取る刈刃9、該刈刃9にて刈取られた穀稈を挟持
して後方に搬送する株元側搬送装置10、穂先側搬送装
置11、扱深さ調節装置17、株元引継搬送装置19な
どからなる刈取前処理装置4が設けられている。機体フ
レーム2aの上方には、脱穀装置3が載置され、該脱穀
装置3には刈取前処理装置4から搬送されてくる穀稈を
引継いで供給搬送するフィードチェン28をもつ穀稈供
給搬送装置18が設けられる。機体フレーム2には、さ
らに脱穀装置3で脱穀選別された穀粒を一時貯留するグ
レンタンク2cが載置される。
【0002】脱穀装置3は回転する扱胴を持ち、扱胴の
扱歯によりフィードチェン28で供給搬送された穀稈か
ら穀粒を脱穀し、枝梗、塵埃などを分離し、扱胴の下部
に設けた揺動棚、唐箕送風機、シーブなどの作用により
穀粒の選別を行い、選別された穀粒をグレンタンク2c
に一時貯留する。
【0003】グレンタンク2cの後部に縦オーガと横オ
ーガとからなる排出オーガ2dを設けており、グレンタ
ンク2c内に一時貯留してある穀粒をコンバイン1の外
部に排出できる構成としている。コンバイン1の走行、
刈取、脱穀、穀粒排出運転などは、コンバイン1の機体
フレーム2a上の運転席2eに搭乗するオペレータが運
転席2eの操作装置を操作して行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】圃場に植立する穀稈
は、品種、生育状況などにより背丈すなわち穀稈長さが
変化する。したがって、オペレータが刈取前処理装置4
を上下に操作して一定高さで刈取するようにしても、脱
穀装置3に供給搬送される穀稈の長さは変化することに
なる。また、コンバイン1は平坦な圃場の穀稈を一定高
さで刈り取るだけでなく、畦際など平面よりも上昇した
枕地では、分草具5を畦などの枕地に衝突させないよう
に、刈取前処理装置4を上昇して、いわゆる高刈りをす
る。高刈りした穀稈の長さは、通常の刈取穀稈よりも短
いものとなる。
【0005】刈取した穀稈から高回収率で穀粒を脱穀し
て収穫するために、脱穀装置3の扱胴に対して適切な位
置になるように穀稈を供給搬送することが必要であり、
このため刈取前処理装置4には扱深さ調節装置17を設
けている。扱深さ調節装置17は、刈取した穀稈を刈取
前処理装置4内で搬送中に穀稈の長さ方向位置の調節移
動を行い、穀稈供給搬送装置18のフィードチェン28
が、穀稈を適切位置で把持して脱穀装置3へ供給搬送
し、扱残しの少ない、最適な脱穀が行われるようにして
いる。
【0006】脱穀能率の向上のためには、上記の適切な
位置に把持した穀稈供給を行うことのほかに、刈取前処
理装置4から脱穀装置3へ穀稈を引継搬送する際に、引
継を失敗して穀稈が落下するいわゆる稈こぼれの防止を
図ることも必要である。稈こぼれは、収穫穀粒の損失と
なるだけでなく、こぼれた穀稈により刈取前処理装置
4、主供給搬送装置25、補助搬送装置26、脱穀装置
3などに詰まりを発生させ、コンバイン1の故障の原因
ともなる。また、穀稈の供給搬送中の稈こぼれに到らな
い株の乱れも、株の乱れによりフィイードチェン28の
穀稈把持位置が変化して、脱穀能率の低下を招くので、
できるだけ株の乱れのない供給搬送を行う必要がある。
【0007】本発明の課題は、刈取前処理装置と脱穀装
置との間に設ける穀稈供給搬送装置における引継ぎ性能
を向上させ、稈こぼれを防止して引継搬送時の株の乱れ
をなくしたコンバインを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は刈取
装置(刈取前処理装置4)に設ける穀稈の搬送手段(株
元引継搬送装置19など)と脱穀装置(脱穀装置3)へ
穀稈を供給搬送する手段(主供給搬送装置25と補助搬
送装置26からなる穀稈供給装置18)との間に、上下
に揺動可能であり、かつ刈取速度に同調して変速する補
助搬送手段(補助搬送装置(外)33)を設け、該補助
搬送手段の前端側に刈取装置側へ傾斜する部分(チェン
(外)38)を前下がりに構成したコンバインにより解
決できる。 本発明によれば、刈取穀稈を刈取装置(刈
取前処理装置4)の株元引継搬送装置19から引継ぐ、
補助搬送手段(補助搬送装置(外)33)のチェン38
(外)を前下がりに構成して、補助搬送手段(補助搬送
装置(外)33)の始端位置を低くしたので、引継の際
に落下しようとする穀稈を低い位置から引き上げること
ができるので、穀稈の引継が確実であり、稈こぼれを防
止し、かつ引継時の株の乱れを防いで株揃えを向上す
る。
【0009】また、コンバインの走行速度と同調して穀
稈の搬送手段(株元引継搬送装置19)により円滑に搬
送された穀稈の株元は、引き続き同じ搬送速度の補助搬
送手段(補助搬送装置(外)33)にのみ引継がれて搬
送され、次に、補助搬送手段(補助搬送装置(外)3
3)に株元が挟持搬送されている状態で、これよりやや
穂先側が補助搬送装置(内)34に同じ搬送速度で引継
がれる。こうして、搬送姿勢が搬送手段(株元引継搬送
装置19)から変化する状態でも供給搬送する手段(主
供給搬送装置25と補助搬送装置26からなる穀稈供給
装置18)は補助搬送装置(外)33と補助搬送装置
(内)34により確実に搬送する。
【0010】走行速度と同調して株元引継搬送装置19
により円滑に搬送された穀稈の株元は、引き続き同じ搬
送速度の補助搬送装置(外)33にのみ引継がれて搬送
され、次に、補助搬送装置(外)33に株元が挟持搬送
されている状態で、これよりやや穂先側が補助搬送装置
(内)34に同じ搬送速度で引継がれる。
【0011】こうして、株元引継搬送装置19から送ら
れて来る穀稈の搬送姿勢が変化する状態でも補助搬送装
置26の補助搬送装置(外)33と補助搬送装置(内)
34により確実に穀稈は搬送され、脱穀装置への穀稈の
引継搬送供給を良くし、従来技術に比較して脱穀装置に
おける脱穀性能を著しく向上させることができる。
【0012】なお、上記かっこ内は本発明の一実施の形
態の例を記載したものであり、本発明はこれに限定され
るものではない。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1ないし
図11により説明する。図1は本発明の実施の形態の刈
取前処理装置、穀稈供給搬送装置および脱穀装置におけ
る搬送手段と穀稈の流れを示すブロック図であり、図2
は刈取前処理装置の側面図であり、図3は刈取前処理装
置の平面図であり、図4は刈取前処理装置と穀稈供給搬
送装置の側面図であり、図5は補助搬送装置の展開状態
の概略平面図であり、図6は穂先側搬送装置、株元引継
搬送装置、補助搬送装置の配置の展開状態概略平面図で
あり、図7は穂先側搬送装置、株元引継搬送装置、補助
搬送装置(外)の配置の展開状態の概略背面図であり、
図8は補助搬送装置とギヤボックスの展開状態の一部断
面概略平面図であり、図9は脱穀装置の一部断面概略正
面図であり、図10は刈取前処理装置と補助搬送装置の
側面図であり、図11は補助搬送装置付近の一部断面概
略平面図である。
【0014】本発明の実施の形態は従来例を改良したも
のであり、図面中の従来例と同じ部分には同一の符号を
付している。コンバイン1は機体フレーム2aの下方に
走行装置2bを配設し、走行装置2bの上方位置に脱穀
装置3を設け、前記脱穀装置3の前方位置に刈取前処理
装置4を設け、刈取前処理装置4の最前方部に分草具5
を配し、分草した穀稈を引起ケース6で引起し、スター
ホイル7および掻き込み装置8で刈取前処理装置4に掻
き込み、刈刃9で穀稈の根元付近を刈取、刈取した穀稈
は株元側搬送装置10、および穂先側搬送装置11、1
1aで刈取前処理装置4内を搬送する。
【0015】これらの刈取前処理装置4は刈取フレーム
12に取付けられ、刈取フレーム12は縦支持フレーム
13の先端に取付け、縦支持フレーム13の基部には横
伝動筒14を設け、横伝動筒14を機体フレーム2a側
に設けた支持架台15に回動自在に取付ける。したがっ
て、刈取前処理装置4は、横伝動筒14を中心に刈取上
下シリンダ16により上下する(図2ないし図4)。
【0016】前記各搬送装置により搬送される搬送路の
終端には扱深さ調節装置17の始端部を臨ませ、扱深さ
調節装置17の終端部は前記脱穀装置3に穀稈を供給す
る穀稈供給搬送装置18に引継ぐ株元引継搬送装置19
の始端部下方位置に臨ませ、扱深さ調節装置17は前記
株元引継搬送装置19へ穀稈を引継ぐ位置を、穀稈の稈
身方向に変更し、脱穀装置3の脱穀室に供給するときの
扱深さを調節する。扱深さは扱深さ調節用アクチュエー
タ20により調節し、扱深さ調節用アクチュエータ20
には扱深さ位置検出用のポテンショメータ17a,19
aを設ける。また、該ポテンショメータ17a,19a
は前記扱深さ調節装置17の取付部に設けてもよい(図
2)。
【0017】また、扱深さ調節装置17により扱深さが
調節されるだけでなく、更に、前記株元引継搬送装置1
9は、その引継搬送チェンの案内ローラ23が前記穀稈
供給搬送装置18に対して稈身方向の離れる側に移動す
ることにより、扱深さ調節装置17と共同して扱深さを
調節して脱穀装置3に供給することができる。株元引継
搬送装置19は引継搬送用アクチュエータ24により調
節する。
【0018】前記穀稈供給搬送装置18は、前記脱穀装
置3の側部に位置する主供給搬送装置25と該主供給搬
送装置25の始端部と前記株元引継搬送装置19の終端
側との間に設けた補助搬送装置26とに分割して構成す
る。この場合、前記主供給搬送装置25は、所謂挟扼杆
27とフィードチェン28により穀稈を挟持搬送するよ
うに構成し、前記挟扼杆27は脱穀装置3の上部カバー
29に設け、上部カバー29の上方回動によりフィード
チェン28より退避する。前記フィードチェン28は前
後方向のチェン案内レール30の前後に設けた前側受動
輪体31および後側受動輪体32に掛け回す(図4)。
【0019】前記補助搬送装置26は、更に前記株元引
継搬送装置19の終端部近傍に臨み、かつ、平面視前記
主供給搬送装置25と同一直線上で該主供給搬送装置2
5の前方に位置する補助搬送装置(外)33と、前記主
供給搬送装置25と平行であるが同一直線上になく、か
つ上記補助搬送装置(外)33の終端側部と前記主供給
搬送装置25の始端側部との夫々に臨んで重合する補助
搬送装置(内)34とにより構成する(図4ないし図
6)。
【0020】補助搬送装置26は前記株元引継搬送装置
19と同一搬送速度にするとともに、走行速度と同調し
て変速するように構成している。即ち、刈取前処理装置
4に伝達する回転は前記走行装置2bによる走行速度の
変化に同調(シンクロ)させ、株元引継搬送装置19も
刈取前処理装置4に伝達する回転と同調(シンクロ)さ
せ、その結果、刈取前処理装置4と株元引継搬送装置1
9と補助搬送装置26の穀稈搬送速度は略同じになる。
【0021】前記補助搬送装置(外)33は、案内レー
ル(外)35の前側に前側歯車(外)36を設け、案内
レール(外)35の後側に後側歯車(外)37を設け、
前側歯車(外)36と後側歯車(外)37にチェン
(外)38を掛け回して構成する。前記後側歯車(外)
37の取付軸39の内側部分には前記補助搬送装置
(内)34の前側歯車(内)40を固定し、該前側歯車
(内)40と前側歯車(内)40の後方に設けた後側歯
車(内)41との間にチェン(内)42を掛け回して前
記補助搬送装置(内)34を構成する(図4、図5、図
8)。
【0022】補助搬送装置(外)33を長く形成し、補
助搬送装置(内)34を短く形成し、補助搬送装置
(内)34を補助搬送装置(外)33より内側に位置さ
せ、補助搬送装置(外)33は主供給搬送装置25の前
方に直線状に配置する。また、補助搬送装置(内)34
の終端と前記主供給搬送装置25の始端部は側面視略重
合させる。
【0023】穀稈供給搬送装置18は前記したように主
供給搬送装置25と補助搬送装置26により2分割して
構成する(図4)が、そのうち後側の主供給搬送装置2
5を、前後側の何れか一方に設けた回動軸44(図5)
を中心に回動軸回動自在に設け、前記脱穀装置3の側部
が開放できるようにする。
【0024】コンバイン1の走行速度と同調して刈取前
処理装置4の回転(作業速度)が変速され、これに合わ
せて前記株元引継搬送装置19も変速され、さらに、こ
れに合わせて補助搬送装置26も変速されるように構成
しているので、この補助搬送装置26は機体側に残し
て、主供給搬送装置25を脱穀装置3の側部が開放する
ように移動させて、脱穀装置3の側部開放を容易にする
構成とする。このとき、図11に示すようにチェン案内
レール30(フィードチェン28)の終端(後側)を側
方に回動させるように構成する。
【0025】図5および図8に示すように、前記後側歯
車(内)41の回転軸48はギヤボックス50に軸装
し、回転軸48はギヤボックス50の出力軸となる。ギ
ヤボックス50内には減速用の歯車群51を設け、該歯
車群51には入力軸52の入力歯車53を噛み合わせ
る。前記ギヤボックス50より突出する入力軸52には
入力プーリ54を設ける。入力プーリ54は横伝動筒1
4の出力プーリ55に巻回されたベルト56により駆動
され、駆動力は脱穀クラッチ56aによりON,OFF
できる構成である。
【0026】前記出力プーリ55は前記横伝動筒14の
一端に設けた刈取部入力プーリ57と同軸に設けられ、
刈取部入力プーリ57に走行速度と同調して伝達される
回転が出力プーリ55により前記補助搬送装置(外)3
3と補助搬送装置(内)34に伝達される。前記ギヤボ
ックス50は図4に示す取付部材58の上部に固定さ
れ、取付部材58はその下部を前記支持架台15に固定
されている。
【0027】図8に示すように前記ギヤボックス50の
上部には筒部材60の基部を片持状態に取付け、該筒部
材60に前記回転軸48を軸装し、回転軸48の内端の
ギヤボックス50内の部分の歯車61は小径に形成し、
前記ギヤボックス50の高さを低くし、図9に示すよう
にギヤボックス50を脱穀装置3の穀稈供給口63に穀
稈を案内する入口漏斗(ジョウゴ)62の下方に位置さ
せる。また、図8に示すように前記筒部材60の外周に
はボス64を嵌合させ、ボス64と筒部材60の重合部
分にはブリーザ孔65を設け、筒部材60内の潤滑油が
ブリーザ孔65より漏出してボス64と筒部材60の間
に滲むようにしている。
【0028】図9と図11に示すように、前記ギヤボク
ス50の入力プーリ54は、前記筒部材60の下方に位
置させ、該入力プーリ54と横伝動筒14の左端の出力
プーリ55とベルト56は平面視ギヤボックス50と前
記補助搬送装置26との間の空間内に配置する。図8に
示すように前記ボス64には回動アーム66の基部を固
定し、回動アーム66には縦杆67をボルト68を緩め
ることで長さ方向に移動調節自在となるように取付け
る。縦杆67の中間部には前記取付軸39を固定し、取
付軸39に軸受け39aを介して前記後側歯車(外)3
7と補助搬送装置(内)34の前側歯車(内)40を回
転のみ自在に取付ける。
【0029】また、縦杆67の先端側には横杆69の内
端を固定し、横杆69の外端は取付体70を固定し、取
付体70には前記補助搬送装置(外)33の案内レール
(外)35をボルト71を緩めることで長さ方向に移動
調節自在に取り付ける。回動アーム66に対して縦杆6
7を、取付体70に対して案内レール(外)35を夫々
移動させることによりテンション機構とする。
【0030】前記横杆69にはロッド72の上端を取付
け、ロッド72の下端はアクチュエータ73のアーム7
4に軸着する。アクチュエータ73はアーム74を回動
させてロッド72を上下させ、ロッド72の上下により
横杆69を上下動させ、横杆69の上下動により回動ア
ーム66をボス64中心に回動させ、補助搬送装置
(外)33の前側歯車(外)36の高さを上下調節す
る。したがって、アクチュエータ73は、作動しないと
き回動アーム66の荷重を支受している(図8、図1
0)。
【0031】上記構成からなるコンバインにおいて、走
行装置2bによりコンバイン1を前進させて分草具5に
より分草し、分草具5により分草された穀稈は引起ケー
ス6により引起こされ、スターホイル7により後方に掻
込まれ、刈刃9により切断され、切断された穀稈は株元
側搬送装置10と穂先側搬送装置11、11aにより搬
送され、搬送された穀稈は扱深さ調節装置17に挟持搬
送されて株元引継搬送装置19に引継がれ、株元引継搬
送装置19により穀稈供給搬送装置18に穀稈を引継
ぐ。
【0032】この場合、株元引継搬送装置19の始端部
に対して扱深さ調節装置17の終端部は穀稈の稈身方向
に遠近調節自在であるから、図示しない株元側センサや
穂先側センサ等の信号により、扱深さ調節装置17の終
端部位置を調節することにより穀稈の挟持位置を変更し
て、脱穀装置3の扱室に供給する穀稈の扱深さが略一定
になるように調節する。
【0033】そして、前記穀稈供給搬送装置18は前記
脱穀装置3の側部に位置する主供給搬送装置25と該主
供給搬送装置25の始端部と前記株元引継搬送装置19
の終端側との間に設けた補助搬送装置26とにより構成
し、補助搬送装置26は、更に、前記株元引継搬送装置
19の終端部近傍に臨み、かつ、平面視で前記主供給搬
送装置25と同一直線状に主供給搬送装置25の前方に
位置する補助搬送装置(外)33と前記主供給搬送装置
25の始端部の側方に臨んで側面視で重なり合う補助搬
送装置(内)34とにより構成され、該補助搬送装置2
6は前記株元引継搬送装置19と同一搬送速度にすると
ともに、コンバイン1の走行速度と同調して変速するよ
うに構成している。
【0034】従って、まず、コンバイン1の特に、ま
た、コンバインの走行速度と同調して株元引継搬送装置
19により円滑に搬送された穀稈の株元は、引き続き同
じ搬送速度の補助搬送装置(外)33にのみ引継がれて
搬送され、次に、補助搬送装置(外)33に株元が挟持
搬送されている状態で、これよりやや穂先側が補助搬送
装置(内)34に同じ搬送速度で引継がれる。こうし
て、搬送姿勢が株元引継搬送装置19から変化する状態
でも、主供給搬送装置25と補助搬送装置26からなる
穀稈供給装置18は補助搬送装置(外)33と補助搬送
装置(内)34により確実に搬送する。主供給搬送装置
25の前側に補助搬送装置26の補助搬送装置(外)3
3を設けているから、株元引継搬送装置19からの引継
が良好になる。
【0035】前述のように株元引継搬送装置19と補助
搬送装置26の搬送速度は刈取装置3すなわちコンバイ
ン1の走行速度に同調してそれぞれほぼ等しいが、主供
給搬送装置25の搬送速度は脱穀装置3の運転速度に同
調していて、脱穀装置3は前記走行速度に無関係に、常
に脱穀に最適なほぼ一定速度で運転されるので、株元引
継搬送装置19の搬送速度と主供給搬送装置25の搬送
速度とは等しくないことがある。
【0036】そこで、補助搬送装置26を設けることに
より搬送速度の相違する株元引継搬送装置19から主供
給搬送装置25に直接引継ぐことによる不具合を防止す
る。また、補助搬送装置26の補助搬送装置(内)34
と主供給搬送装置25とでは搬送速度が相違するが、既
に搬送姿勢は横向きになっており、主供給搬送装置25
は補助搬送装置(内)34により搬送されたものをその
まま引継ぐことになるので、搬送乱れは生じない。
【0037】また、補助搬送装置(外)33は相対的に
長く形成し、補助搬送装置(内)34は相対的に短く形
成し、補助搬送装置(外)33を補助搬送装置(内)3
4より外側に位置させているから、株元引継搬送装置1
9から穀稈が引継がれるとき、より穀稈の株元が補助搬
送装置(外)33に引継がれて、稈こぼれ等を防止でき
る。また、補助搬送装置(外)33は主供給搬送装置2
5の前方にほぼ直線状に配置されているから、補助搬送
装置(外)33と主供給搬送装置25の夫々の挟持位置
も変化せず、この点も引継を円滑に、確実にする。
【0038】また、図4の1点鎖線Xと図7に示すよう
に、前記穂先側搬送装置11のうち前記終端が前記株元
引継搬送装置19の終端部と略重合する穂先側搬送装置
11aの搬送ラグ43の終端部分の作用終了域と、前記
株元引継搬送装置19の案内ローラ23の位置と、前記
補助搬送装置(外)33の前側歯車(外)36の位置
は、穀稈搬送姿勢と略一致するように配置しているか
ら、穀稈は同時に3カ所挟持搬送されて稈こぼれを防止
でき、しかも、配置の工夫であるから、コストを上昇さ
せずに、コンパクトに無駄のない合理的な構成にでき
る。また、補助搬送装置26の補助搬送装置(内)34
の高さと主供給搬送装置25の高さとを同じにしている
から、補助搬送装置(内)34から主供給搬送装置25
への引継も良好になる。
【0039】また、図9に示すようにギヤボックス50
の上部には筒部材60の基部を片持状態に取付け、筒部
材60に後側歯車(内)41の回転軸48を軸装してい
るから、ギヤボックス50は補助搬送装置26に対して
内側にオフセットさせることができる。したがって、ギ
ヤボックス50と補助搬送装置26の間に空間を形成す
ることができ、この空間内にギヤボックス50の入力プ
ーリ54と、刈取前処理装置4の縦支持フレーム13の
基部の横伝動筒14の左端に設けた出力プーリ55とを
配置することができ、搬送穀稈とベルト56との干渉を
防止でき、ベルト56に藁屑が巻き付くのを防ぐことが
できる。
【0040】また、ギヤボックス50内の回転軸48に
固定の歯車61は小径に形成しているから、ギヤボック
ス50の高さを低くでき、それゆえ、ギヤボックス50
を入口漏斗62の下方に位置させることができ、空間を
有効利用でき、機体全体をコンパクトにできる。
【0041】また、図8に示すように筒部材60の外周
にはボス64を嵌合させ、ボス64と筒部材60の重合
部分にはブリーザ孔65(図8)を設け、筒部材60内
の潤滑油がブリーザ孔65より漏出してボス64と筒部
材60の間に滲むようにしているから、筒部材60に対
するボス64の回転を良好にし、後述する補助搬送装置
26の傾斜変更を円滑にする。また、ブリーザ孔65は
ボス64により外気と遮断されているので、油の吹き出
しあるいは異物混入を防止できる。
【0042】さらに、図8、図10に示すようにアクチ
ュエータ73を作動させると、アーム74を回動させて
ロッド72の上下動と横杆69の上下動によりボス64
を中心に回動アーム66を回動させ、補助搬送装置
(外)33の前側歯車(外)36の高さを上下方向に調
節できる。したがって、補助搬送装置26は筒部材60
の軸心を中心に上下方向に回動して傾斜角度を変更でき
る。
【0043】この場合、回動アーム66の回動中心を筒
部材60に嵌合させたボス64の軸心としたので、別途
回動支点部材を設けなくてすみ、コンパクトで強固な支
点にすることができる。
【0044】また、ギヤボックス50の入力プーリ54
は筒部材60の下方に位置させ、刈取前処理装置4の横
伝動筒14に出力プーリ55を設け、出力プーリ55と
前記入力プーリ54とベルト56は平面視ギヤボックス
50と前記補助搬送装置26との間の空間内に配置して
いるから、穀稈供給搬送装置18の補助搬送装置26を
筒部材60中心に上下させるときにも入力プーリ54と
ベルト56は干渉せず、上下動の範囲を広くすることが
でき、また、ベルト56のメンテナンスが容易になる。
【0045】また、前記出力プーリ55と前記入力プー
リ54とベルト56の一部または全部は、株元引継搬送
装置19の下方(これより内側)に位置させているか
ら、株元引継搬送装置19のフレームやチェン案内レー
ル等の各部材が、これらの上方を覆うので、カバーの作
用を奏し、藁屑、塵埃の付着を防止でき、特に、穀稈供
給搬送装置18の補助搬送装置26を筒部材60中心に
下げたとき搬送穀稈ベルト56の干渉を防止でき、ベル
ト56に藁屑が巻き付くのを防止する。
【0046】また、アクチュエータ73のアーム74が
ロッド72を上下動させることに基づく、前述の一連の
動きで回動アーム66をボス64中心に回動させると補
助搬送装置26の始端部は上下動するから、補助搬送装
置26の始端部は、株元引継搬送装置19の終端(案内
ローラ23)に対して距離(間隔)を遠近させることが
でき、一層、穀稈の挟持位置の変更し得る範囲を広げる
ことができる。即ち、株元引継搬送装置19と補助搬送
装置26とは相互に遠近自在に構成されることになっ
て、調節範囲を広げることができる。
【0047】図7に示すように補助搬送装置26(チェ
ン38:実線)を上動させると、株元引継搬送装置19
とチェン38の距離が短くなる。穀稈の挟持距離L
長稈と短稈で変わることが無いので、短稈の場合には、
株元引継搬送装置19の挟持位置から株元端間での長さ
は短くなる。したがって補助搬送装置26を上動さ
せることにより、短稈でも穀稈の株元を挟持搬送でき
る。
【0048】また、一方、補助搬送装置26(チェン3
8:点線)を下動させると、株元引継搬送装置19とチ
ェン38の距離が長くなる。長稈の場合、株元引継搬送
装置19の挟持位置から株元端までの長さLは長くな
る。したがって補助搬送装置26を下動させることによ
り、穀稈のより株元を挟持搬送でき、搬送姿勢の乱れが
無く、安定した搬送ができる。
【0049】また、補助搬送装置26の回動を扱深さ調
節装置17の扱深さ調節と連動して行う場合は、前記ポ
テンショメータ17a,19a(図3)により扱深さ調
節装置17の角度を検出してアクチュエータ73を連動
させると、部品点数を増加させることなく、連動構成に
することができる。また、扱深さ調節装置17の扱深さ
調節用の扱深さセンサ77(図3、図4)によりアクチ
ュエータ73(図10)を連動させても、同様の作用が
ある。
【0050】また、図8に示すように取付体70に対し
て補助搬送装置(外)33の案内レール(外)35を前
側移動させて補助搬送装置(外)33のチェン(外)3
8を緊張させ、この状態で縦杆67を回動アーム66に
対して前側に移動させると、補助搬送装置(内)34の
チェン(内)42を緊張させる個とができる。したがっ
て、補助搬送装置26の補助搬送装置(外)33及び補
助搬送装置(内)34の夫々のチェン38、42を独立
して調節可能となる。
【0051】また、本発明の実施の形態によれば、穀稈
供給搬送装置18を刈取前処理装置4側に設けた株元引
継搬送装置19から刈取穀稈を受取る補助搬送装置26
と、該補助搬送装置26から前記刈取穀稈を受け取って
機体後方に搬送する主供給搬送装置25とに分割形成し
た。
【0052】また、前記補助搬送装置26はその始端部
を前記株元引継搬送装置19の終端部近傍に臨ませ、か
つ前記主供給搬送装置25と略同一直線状であって該主
供給搬送装置25の前方に位置する補助搬送装置(外)
33と、該補助搬送装置(外)33の終端側部と前記主
供給搬送装置25の始端側部の夫々に臨んで重合する補
助搬送装置(内)34とにより構成した。
【0053】そして、該補助搬送装置26(補助搬送装
置(外)33と補助搬送装置(内)34)は前記株元引
継搬送装置19と同一搬送速度にするとともに、走行速
度と同調して変速するように構成したので、株元引継搬
送装置19は走行速度と同調して搬送して、引き続き同
じ搬送速度の補助搬送装置(外)33にのみ引継ぐの
で、引継ぎが円滑、かつ確実である。次に、補助搬送装
置(外)33に株元が挟持搬送されている状態で、これ
よりやや穂先側が補助搬送装置(内)34に同じ搬送速
度で引継がれるので、ここでも引継は円滑、かつ確実で
ある。次に補助搬送装置(内)34が挟持搬送している
状態で主供給搬送装置25に引継ぐので、搬送速度が相
違にするにもかかわらず円滑、かつ確実に引継がれ、搬
送乱れは生じない。
【0054】本発明の図10に示す補助搬送装置26と
は構成の異なる補助搬送装置26の側面図を図12に示
すが、本例によれば株元引継搬送装置19から補助搬送
装置(外)33への穀稈の引継性能を一層向上させるこ
とができることに特徴がある。すなわち、補助搬送装置
(外)33のチェン(外)38を巻回する2個の歯車、
前側歯車(外)36および後側歯車(外)37のほか
に、前側歯車(外)36の前方で下側に前下側歯車
(外)36aを設け、チェン(外)38の走行経路を前
下側歯車(外)36a、前側歯車(外)36、後側歯車
(外)37、前下側歯車(外)36aとする側面視不等
辺三角形状にして、扱深さ調節装置17側を前下がりに
構成することを特徴とする。
【0055】補助搬送装置26は補助搬送装置(内)3
4の後側歯車(内)41の軸心を中心に上下に揺動でき
る。また、補助搬送装置26が上下に揺動しても、補助
搬送装置(外)33の終端部の高さと補助搬送装置
(内)34の始端部の高さとは同一であり、補助搬送装
置(内)34の終端部の高さとフィードチェン28の始
端部の高さは同一である。
【0056】図12に示す構成により株元引継搬送装置
19から穀稈を引継ぐ補助搬送装置(外)33のチェン
(外)38の始端位置を低くできるので、引継時に落下
しようとする穀稈を引き上げ、稈こぼれを防止すること
ができ、かつ穀稈の引継が確実であり、引継時の株の乱
れを防いで株揃えが良くできる。
【0057】また、補助搬送装置(外)33から補助搬
送装置(内)34への引継、補助搬送装置(内)からフ
ィードチェン28への引継は、前述の通り、いずれも高
さの変化がない状態で行われるので、引継性能が良好と
なる。
【0058】図13、図14および図15には本発明の
別の実施の形態を示す。図13は図10で示す補助搬送
装置26とは形状が異なる補助搬送装置26付近の側面
図であり、図14は図13の補助搬送装置26を下方に
揺動させた場合の側面図であり、図15は図13の補助
搬送装置26付近の平面図である。本例によればコンバ
イン1が上下に揺動した場合においても補助搬送装置2
6における搬送穀稈の挟持を一層確実にすることができ
る。
【0059】補助搬送装置26の補助搬送装置(外)3
3および補助搬送装置(内)34は、いずれも穀稈を確
実に挟持しながら搬送することが必要で、このためにチ
ェン(外)38およびチェン(内)42の上方にそれぞ
れ挟持ガイド(外)38aおよび挟持ガイド(内)42
aを設ける。
【0060】前述のように補助搬送装置26は、補助搬
送装置(内)34の後側歯車(内)41の軸心を中心に
上下に揺動するので、補助搬送装置(外)33および補
助搬送装置(内)34は、上下に揺動した場合でも、搬
送穀稈を確実に挟持しながら搬送することが必要であ
る。すなわち挟持ガイド(外)38aおよび挟持ガイド
(内)42aは、補助搬送装置(外)33および補助搬
送装置(内)34が上下に揺動しても、挟持ガイド
(外)38aとチェン(外)38との挟持間隔、および
挟持ガイド(内)42aとチェン(内)42との挟持間
隔がいずれも所定値に維持できるように構成する必要が
ある。
【0061】図13〜A15に示す例では、主供給搬送
装置25の挟扼杆27をフィードチェン28の前端より
も若干前方に延長して設け、該挟扼杆27の前端部分に
リンク支点ブラケット(外)27aを水平方向で、挟扼
杆27の長手方向に対して垂直外側向きに突出して固着
し、該リンク支点ブラケット(外)27aの中心にリン
ク支点(外)27bを穿設し、挟持ガイド(外)38a
を上下回動自在に遊嵌する。挟持ガイド(外)38aは
平面視ほぼL字形をなし、L字の一辺を上記リンク支点
27bに遊嵌挿入するが、L字の他の一辺は補助搬送装
置(外)33のチェン(外)38の上面に沿って前方に
延在して補助搬送装置(外)33の前端部よりも若干突
出し、側面視で最前端部は部分円弧状に上方に湾曲し、
中央部分はチェン(外)38に接近して平行し、補助搬
送装置(外)33の終端部ではチェン(外)38の上面
よりも離隔するように屈曲上昇する形状とする。
【0062】補助搬送装置(外)33の挟持ガイド
(外)38aのほぼ中央部で補助搬送装置(内)の前端
よりも若干前方にリンク支点ブラケット(内)38bを
上方に突出して固着し、該リンク支点ブラケット(内)
38bの上部を水平方向で、補助搬送装置(内)34の
長手方向に対し直交する内側向きに折り曲げた形状と
し、この折り曲げ部分の中心にリンク支点(内)38c
を穿設し、該リンク支点(内)38cに挟持ガイド
(内)42aを上下回動自在に遊嵌する。
【0063】挟持ガイド(内)42aは平面視ほぼL字
形をなし、L字の一辺を上記リンク支点38cに遊嵌挿
入するが、L字の他の一辺は補助搬送装置(内)34の
チェン(内)42の上面に沿って後方に延在させて補助
搬送装置(内)34の後端部よりも若干突出し、側面視
前端部はリンク支点(内)38cから部分円弧状に下方
に湾曲してチェン(内)42の上面に接近し、補助搬送
装置(内)34の終端部ではチェン(内)42の上面よ
りも離隔するように屈曲上昇する形状とする。
【0064】こうして、穂先側搬送装置11aおよび株
元引継搬送装置19により搬送された穀稈は、補助搬送
装置(外)33の前端部よりも若干突出し、側面視部分
円弧状に上方に湾曲した挟持ガイド(外)38aにより
補助搬送装置(外)33に取り込まれ、該挟持ガイド
(外)38aとチェン(外)38により穀稈の株元付近
を挟持されながら搬送され、ついで、側面視部分円弧状
に湾曲した挟持ガイド(内)42aにより補助搬送装置
(内)34に取り込まれ、該挟持ガイド(内)42aと
チェン(内)42により穀稈のやや穂先寄りの株元付近
を挟持されながら搬送され、さらに、前方に延長された
挟扼杆27により主供給搬送装置25に取り込まれ、該
挟扼杆27とフィードチェン28により穀稈の株元付近
を挟持されながら脱穀装置3に供給搬送される。
【0065】補助搬送装置(外)33の挟持ガイド
(外)38aは、チェン(外)38の前端よりも前方に
突出して大きく開口し、かつ側面視で部分円弧状に湾曲
してチェン(外)38に接近するから、株元引継搬送装
置19から搬送されてくる穀稈を円滑に取り込むことが
できる。
【0066】また、挟持ガイド(外)38aは、補助搬
送装置26の上下揺動の回動中心の後側歯車(内)41
に近接した挟扼杆27に設けたリンク支点(外)27b
を中心に上下に揺動するから、補助搬送装置26の上下
揺動があっても、挟持ガイド(外)38aとチェン
(外)38との相対位置はほとんど変化せずにチェン
(外)38の上面に接近して位置するから、補助搬送装
置(外)33の穀稈挟持状態は上下揺動にかかわらずほ
とんど変化せず、したがって常に良好な搬送作用を行う
ことができる。
【0067】また、挟持ガイド(内)42aは挟持ガイ
ド(外)38aから立設するリンク支点(内)38cを
中心に揺動するから、補助搬送装置26の上下の揺動が
あっても、挟持ガイド(内)42aとチェン(内)42
との相対位置はほとんど変化せず、チェン(内)42の
上面に位置するから、補助搬送装置(内)34の穀稈挟
持状態は上下方向の揺動により変化しない。補助搬送装
置(内)34の挟持ガイド(内)42aのリンク支点
(内)38cは、補助搬送装置(内)34の始端よりも
前方に設けてあり、かつ側面視で部分円弧状に湾曲して
拡開しているので、搬送されてくる穀稈を抵抗なく円滑
に取り込むことができ、また、補助搬送装置(外)33
の挟持ガイド(外)38aが上昇しても挟持ガイド
(内)42aの作用部は下がったままであり、補助搬送
装置(内)34の搬送作用を損なうことはない。
【0068】また、主供給搬送装置25の挟扼杆27は
フィードチェン28の前端部よりも前側に延在して入り
口部を拡開する構成としているので、補助搬送装置26
から搬送されてくる穀稈の受け入れ、取り込みが良好で
あり、早期に穀稈を下方に押さえて挟持するために、補
助搬送装置26から主供給搬送装置25への引継部での
稈こぼれ、株の乱れを発生させることなく、穀稈の供給
搬送を安定化させることができる。
【0069】上記構成によれば、補助搬送装置26およ
び主供給搬送装置25における穀稈の取り込みと搬送が
良好になり、稈こぼれを防止し、株の乱れを極小にする
など、コンバインの脱穀、穀粒回収能率向上効果があ
る。
【0070】なお、挟持ガイド(外)38aおよび挟持
ガイド(内)42aの挟持力は、それぞれの挟持ガイド
38a、42a自身に作用する重力により発生するが、
リンク支点(外)27bおよび/またはリンク支点
(内)38cにねじりスプリングなどによる機械的付勢
手段を設けて挟持ガイド(外)38aおよび挟持ガイド
(内)42aを下向きに付勢し、挟持力を発生させる構
成としてもよい。
【0071】前記図13〜図15の変形例を図16およ
び図17に示す。図16は補助搬送装置34付近の平面
図であり、図17は図16のS−S線矢視の断面図であ
る。本例によれば補助搬送装置34から主供給搬送装置
25の挟扼杆27などへの穀稈の搬送をより円滑にし、
かつ補助搬送装置34を軽量化するという課題を解決す
ることができる。図16に示すように補助搬送装置
(内)34の終端部と主供給搬送装置25の始端部とは
平面視で重ね合わさっており、図17に示すように補助
搬送装置(内)34の終端部のチェン42の上面位置
を、主供給搬送装置25の始端部のフィードチェン28
の上面位置と略同じ高さにしていることに特徴がある。
【0072】このように構成することにより、補助搬送
装置(内)34から主供給搬送装置25へ搬送穀稈を引
継ぐ際に、穀稈が上下に波打つことなく補助搬送装置
(内)34から主搬送装置25に一直線に搬送されて引
き継ぎ時の乱れ、詰まりがなく、安定して扱胴に供給で
きる。
【0073】なお、図16に示すように補助搬送装置
(内)34の幅を、補助搬送装置(外)33の幅よりも
狭くすることにより、穀稈は主として補助搬送装置
(外)33および主供給搬送装置25で搬送されるので
搬送能力を低下させることなく、かつ狭幅であっても補
助搬送装置(内)34が存在するので引継搬送性能を低
下させることなく、補助搬送装置26全体を軽量化する
ことができる。
【0074】図18の主供給搬送装置25および補助搬
送装置26付近の側面図と図19の主供給搬送装置25
および補助搬送装置26付近の平面図に示す例では、脱
穀装置3の内部に不具合が発生した場合などに、脱穀装
置3の内部を点検し、清掃し、不具合部品等を交換する
などのメンテナンス作業を簡易に行うことができるよう
にするためのフィードチェン28を含む穀稈供給搬送装
置18の回動操作を容易にすることができる。
【0075】脱穀装置3のメンテナンスのために脱穀装
置3の側部を開放するのに、穀稈供給搬送装置18全体
を回動させるのではなく、主供給搬送装置25のフィー
ドチェン28の前端付近を中心として横方向に回動させ
るが、それでもフィードチェン28はかなり長尺の重量
物であり、かつ縦方向の回動軸44をフィードチェン2
8の長尺の一端部に設けて片持ち梁状態で軸支させる
と、フィードチェン28の回動支点から離れた他端部が
下方へ垂れ下がり不安定となることがある。また、重量
物であるフィードチェン28を回動軸44の回りに回動
させるにはかなり大きな力が必要であり、かつ回動完了
後に安定に回動完了状態に保持することも必要である。
【0076】図18に示すようにコンバイン1の機体フ
レーム2aに支持体45を強固に立設し、該支持体45
に回動軸44を回動自在に支承する支持部材46を取り
付ける。回動軸44の軸心の方向は側面視前方に傾斜す
る構成である。回動軸44はほぼL字型の回動アーム4
7の一辺に取り付けられ、回動アーム47の他の一辺に
回動アーム取付ブラケット30aを介してチェン案内レ
ール30の前端近くを固着する。フィードチェン案内レ
ール30には、脱穀装置3の一側の前後方向で、後方向
に向けて緩い上昇勾配を持つ主供給搬送装置25のフィ
ードチェン28を張設する。
【0077】前記フィードチェン案内レール30の終端
部側には係止機構30bを設け、この係止機構30bを
脱穀装置3から突出する係止ピン3aに係止することに
より、脱穀運転中は主供給搬送装置25を脱穀装置3の
一側面に係着する。
【0078】脱穀装置3の側面を開放するときには、係
止機構30bを開操作して、係止ピン3aの係合を解除
したのちに、フィードチェン28を手動で外側方向へ押
す操作を行う。このとき主供給搬送装置25の挟扼杆2
7は脱穀装置3側に取り付けたままとする。フィードチ
ェン28は、該フィードチェン28の前端側で、斜め前
方に傾斜した回動アーム47の回動軸44を回動中心と
して、外側方向へ向けて回動し、脱穀装置3の左側部が
開放状態になる構成である。フィードチェン28の後端
側の端部は、回動アーム47の回動軸44が斜め前方に
傾斜しているので、外側方向へ向けて回動するに伴い高
さが低下し、遂に圃場などの地面に接触する直前まで回
動する。脱穀装置3の左側部の回動完了点はストッパワ
イヤ49が作用する点とする。
【0079】上記構成によれば、脱穀装置3の点検、修
理などのために脱穀装置3の側面を開放するためにフィ
ードチェン28を回動すると、フィードチェン28の端
部が地面に接触するまでの広い角度に回動することがで
き、脱穀装置3の点検、修理が容易になると共に、フィ
ードチェン28は端部が地面に接触して極めて安定に支
持された状態となり、フィードチェン28自身の点検、
修理もフィードチェン28の高さが低下していて極めて
容易になり、かつフィイードチェン28の回動に際し必
要な力も少なくて済む。
【0080】また、穀稈供給搬送装置18全体を側方回
動させるのに比して補助搬送装置26の長さ分だけ短い
主供給搬送装置25を側方回動させるので、回動半径を
小さく、回動スペースを狭くして、狭いスペースでも回
動させて開放することができるし、その短い分だけフィ
ードチェン案内レール30の長さを短くすることができ
る。
【0081】また、補助搬送装置26は、走行速度と同
調して変速される刈取前処理装置4の回転(作業速度)
に合わせるように構成しているが、この補助搬送装置2
6を機体側に残して、主供給搬送装置25を回動させる
から、脱穀装置3の側部の穀稈供給搬送装置18の開放
を簡単に行うことができる。
【0082】また、フィードチェン28を大きく回動し
て脱穀装置3の側方を広く解放することにより脱穀装置
3の揺動棚部や、懸架部の点検、清掃、修理が容易にな
るとともに、補助搬送装置26の前端部を降下させるこ
とにより脱穀装置3の入り口漏斗62部の点検、清掃、
修理が容易になる。
【0083】また、上述した構成によれば、回動アーム
47に設けた回動軸44を介してフィードチェン28を
支持する支持体45と、揺動アクチュエータ73を介し
て補助搬送装置26を支持する支持体75は、機体フレ
ーム2a上の相互に接近した位置に立設されるので、機
体フレーム2aの補強を一個所に集中して行うことがで
きるという、機体フレーム2aの構成を簡略化できると
いう効果もえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の刈取前処理装置、穀稈
供給搬送装置および脱穀装置における搬送手段と穀稈の
流れを示すブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態の刈取前処理装置の側面
図である。
【図3】 本発明の実施の形態の刈取前処理装置の平面
図である。
【図4】 本発明の実施の形態の刈取前処理装置と穀稈
供給搬送装置の側面図である。
【図5】 本発明の実施の形態の補助搬送装置の展開状
態の概略平面図である。
【図6】 本発明の実施の形態の穂先側搬送装置、株元
引継搬送装置、補助搬送装置の配置の展開状態概略平面
図である。
【図7】 本発明の実施の形態の穂先側搬送装置、株元
引継搬送装置、補助搬送装置(外)の配置の展開状態の
概略背面図である。
【図8】 本発明の実施の形態の補助搬送装置とギヤボ
ックスの展開状態の一部断面概略平面図である。
【図9】 本発明の実施の形態の脱穀装置の一部断面概
略正面図である。
【図10】 本発明の実施の形態の刈取前処理装置と補
助搬送装置の側面図である。
【図11】 本発明の実施の形態の補助搬送装置付近の
一部断面概略平面図である。
【図12】 本発明の実施の形態の補助搬送装置付近の
側面図である。
【図13】 本発明の実施の形態の補助搬送装置付近の
側面図である。
【図14】 本発明の実施の形態の補助搬送装置を下方
に揺動させた場合の側面図である。
【図15】 本発明の実施の形態の補助搬送装置付近の
平面図である。
【図16】 変形例の補助搬送装置付近の平面図であ
る。
【図17】 図16のS−S線矢視の断面図である。
【図18】 本発明の実施の形態の主供給搬送装置およ
び補助搬送装置付近の側面図である。
【図19】 本発明の実施の形態の主供給搬送装置およ
び補助搬送装置付近の平面図である。
【図20】 従来例のコンバインの側面図である。
【符号の説明】
1 コンバイン 3 脱穀装置 4 刈取前処理装置 5 分草具 6 引起ケース 7 スターホイ
ル 8 掻き込み装置 9 刈刃 10 株元側搬送装置 11 穂先側搬
送装置 11a 穂先側搬送装置 12 刈取フレ
ーム 13 縦支持フレーム 14 横伝動筒 15 支持架台 16 刈取上下
シリンダ 17 扱深さ調節装置 18 穀稈供給搬
送装置(25+26) 19 株元引継搬送装置 20 扱深さ調
節用アクチュエータ 17a,19a ポテンショメータ 23 案内ロー
ラ 24 引継搬送用アクチュエータ 25 主供給搬
送装置 26 補助搬送装置 27 挟扼杆 27a リンク支点ブラケット(外) 27b リンク
支点(外) 28 フィードチェン 29 上部カバ
ー 30 フィードチェン案内レール 30a 回動ア
ーム取付ブラケット 30b 係止機構 31 前側受動
輪体 32 後側受動輪体 33 補助搬送
装置(外) 34 補助搬送装置(内) 35 案内レー
ル(外) 36 前側歯車(外) 36a 前下側
歯車(外) 37 後側歯車(外) 38 チェン
(外) 38a 挟持ガイド(外) 38b リンク支点ブラケット(内) 38c リンク
支点(内) 39 取付軸 40 前側歯車
(内) 40a 案内レール(内) 41 後側歯車
(内) 42 チェン(内) 42a 挟持ガ
イド(内) 43 搬送ラグ 44 回動軸 45 支持体 46 支持部材 47 回動アーム 48 回転軸 50 ギヤボックス 51 歯車群 52 入力軸 53 入力歯車 54 入力プーリ 55 出力プー
リ 56 ベルト 56a 脱穀ク
ラッチ 57 刈取部入力プーリ 58 取付部材 60 筒部材 61 歯車 62 入口漏斗 63 穀稈供給
口 64 ボス 65 ブリーザ
孔 66 回動アーム 67 縦杆 68 ボルト 69 横杆 70 取付体 71 ボルト 72 ロッド 73 アクチュ
エータ 74 アーム 75 支持体 77 扱深さセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 達也 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 飯泉 清 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 岡田 利彦 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 奥本 康治 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 越智 昌次 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 高橋 伯郎 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内 Fターム(参考) 2B076 AA03 CA12 CB01 2B084 AA01 AC05 BD05 BD19 BD26

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 刈取装置に設ける穀稈の搬送手段と脱穀
    装置へ穀稈を供給搬送する手段との間に、上下に揺動可
    能であり、かつ刈取速度に同調して変速し、かつ刈取速
    度に同調して変速する補助搬送手段置を設け、該補助搬
    送手段の前端側に刈取装置側へ前下がり傾斜する部分を
    設けたことを特徴とするコンバイン。
JP11095820A 1999-04-02 1999-04-02 コンバイン Pending JP2000287530A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002176836A (ja) * 2000-12-18 2002-06-25 Yanmar Agricult Equip Co Ltd コンバイン
JP2014068556A (ja) * 2012-09-27 2014-04-21 Iseki & Co Ltd コンバイン

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