JPH061281B2 - 光学用樹脂レンズの製造方法 - Google Patents

光学用樹脂レンズの製造方法

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JPH061281B2
JPH061281B2 JP59186450A JP18645084A JPH061281B2 JP H061281 B2 JPH061281 B2 JP H061281B2 JP 59186450 A JP59186450 A JP 59186450A JP 18645084 A JP18645084 A JP 18645084A JP H061281 B2 JPH061281 B2 JP H061281B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、眼鏡用レンズ等の光学素子に適した光学用樹
脂レンズの製造方法に関するものである。
眼鏡用レンズ等の光学素子に適した光学用樹脂としてジ
エチレングリコービスアリルカーボネートの重合体が広
く使用されている。この重合体は光学用樹脂として種々
の優れた特性を有しているが、屈折率が低いことが難点
となっている。高屈折率の光学用樹脂を開発するために
種々の検討が行なわれており、特にポリハロゲン化芳香
核を有する(メタ)アクリレートなどの付加重合性の不
飽和化合物の重合体が比較的高い屈折率を達成しうるこ
とが知られている。
しかし、この重合体は耐衝撃性などの機械的特性が充分
ではなく、また変色し易いことも問題となっている。機
械的特性や変色の問題を解決する光学用樹脂として不飽
和ウレタン系化合物の付加重合体が提案されている(特
開昭57−136602号公報参照)。この重合体は屈
折率が上記ジエチレングリコールビスアリルカーボネー
トの重合体よりも多少高いものの充分なる高い屈折率を
達成するまでには至っていない。なお、不飽和ウレタン
系化合物の原料化合物として黄変性の芳香族ポリイソシ
アネート化合物を使用したものは高屈折率となるが変色
が著るしく特殊な用途を除いては実用的価値はあまりな
い。屈折率をさらに向上させるために、不飽和ウレタン
系化合物を形成しうる反応性の原料化合物と高屈折率を
付与しうるビニル単量体との混合物を付加重合させてプ
ラスチックレンズ用の樹脂を製造することが提案されて
いる(特開昭58−168614号公報参照)。しか
し、高屈折率を付与するために多量のビニル単量体を使
用すると樹脂の機械的特性や耐溶剤性が低下し易いとい
う問題がある。
本発明者は不飽和ウレタン系化合物の重合体の屈折率を
高めるための検討を行なった。高屈折率を付与しうる不
飽和ウレタン化合物を使用すれば、その重合体が高屈折
率となるばかるでなく、高屈折率を付与しうるビニル単
量体を共重合させるとしても少量の使用量ですみ、上記
重合体の機械的物性や耐溶剤性の低下の問題を回避でき
ると考えられる。勿論、高屈折率を付与しうるビニル単
量体以外のビニル単量体を少量使用して高屈折率を維持
しつつ他の物性を付与することも可能となる。高屈折率
を付与しうる不飽和ウレタン系化合物を得るべく種々の
原料化合物について検討を行った結果、多臭素化ビスフ
ェノール類の残基を有する不飽和ウレタン系化合物が目
的に合うことが考えられた。しかし、前記公知例に記載
されているテトラブロムビスフェーノールAなどのフェ
ノール性水酸基を有する化合物を使用して得られる不飽
和ウレタン系化合物は芳香核に直接係合したウレタン基
の特性として耐熱性が不充分であり、実用性に問題を生
じ易い。そこで多臭素化ビスフェノール類の残基を有す
る原料化合物としてはアルコール性水酸基を有する化合
物である必要上、多臭素化ビスフェノール類のモノエポ
キシド付加物が適当と考えた。しかし、この臭素化芳香
核を有する化合物の使用は前記変色の問題を生じる虞れ
があり、その対策を必要とする。臭素化芳香核の変色の
原因は臭素原子の脱離にあると考えられる。臭素原子の
脱離の促進は熱および付加重合開始剤やその残基の残留
にあると考えられる。従って、重合体の形成は比較的低
温で行うことが必要であり、また付加重合開始剤の使用
量は可及的に少量であることが好ましい。一方、ジアリ
ルフタレートやアリルアルコール残基などのアリル基を
有する化合物の付加重合には比較的多量の付加重合開始
剤が必要である。従って、比較的低温で付加重合しうる
化合物、特にアクリル酸あるいはメタクリル酸系の化合
物を使用し、かつアリル基を有する化合物を実質的に使
用しないことにより変色の問題は解決しうると考えられ
た。本発明者は上記多臭素化ビスフェノール類のモノエ
ポキシド付加物の使用による屈折率の向上に加えて、光
学用樹脂に必要な他の光学特性であるアッベ数の向上に
ついても検討した結果、上記アクリル酸あるいはメタク
リル酸系化合物の使用割合も特定の範囲内にあることが
必要であることを見い出した。
本発明は上記特性の不飽和ウレタン系化合物の原料を使
用して光学用樹脂レンズを製造する方法に関するもので
あり、即ち、 ヒドロキシ基含有アクリレートおよび/またはヒドロキ
シ基含有メタクリレート(a),多臭素化ビスフェノール
類のモノエポキシド付加物(b),無黄変性ポリイソシア
ネート化合物(c)およびアリル基含有化合物を実質的に
使用せず、かつ所望によりアリル基以外の付加重合性不
飽和基を有する不飽和化合物(d)を、(a)/(b)のモル比が
2〜6、イソシアネート基/ヒドロキシ基の数の比が0.
8〜1.3、および全原料化合物に対する(d)の割合が0〜
30重量%の条件で使用し、(a),(b),(c),および場合
により(d)の混合物、または(a)と(b)と全使用量の50
重量%以下の(c)とを予め反応させて得られた反応生成
物、残余の(c)、および場合により(d)の混合物を付加重
合開始剤の存在下に加熱し、ウレタン形成反応および付
加重合反応を行って重合体を形成することを特徴とする
光学用樹脂レンズの製造方法、 である。
本発明における(a)はヒドロキシ基を有するアクリレー
トおよびメタクリレートである。以下、アクリレートと
メタクリレートの両者を意味する言葉として(メタ)ア
クリレートを使用する。(メタ)アクリル酸等について
も同様である。ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート
におけるヒドロキシ基はアルコール性ヒドロキシ基であ
る必要がある。好ましいヒドロキシ基含有(メタ)アク
リレートは(メタ)アクリル酸に炭素数2〜4のアルキ
レンオキシドを1分子以上付加して得られるようなヒド
ロキシ基含有(メタ)アクリレートであり、特に炭素数
2〜4のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリ
レートである。具体的なヒドロキシ基含有(メタ)アク
リレートとしては2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート,2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト,2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが
あり、特に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
が好ましい。
多臭素化ビスフェノール類のモヲエポキシド付加物(b)
としては、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
Y:-C(CH3)2-,-CH2-,-SO2-,あるいは-S- R:炭素数2〜4のアルキレン基 m,n:それぞれ1以上の整数でm+n≦8 p,q:それぞれ1以上の整数でp+q≦4 好ましいYは-C(CH3)2-または-SO2-であり、Rは2〜3
のアルキレン基であり、m+nは2〜4であり、p+qは4で
ある。特に好ましい式(1)で表わされる化合物はテトラ
ブロムビスフェノールAのエチレンオキシド2〜4モル
付加物、テトラブロムビスフェノールAのプロピレンオ
キシド2〜4モル付加物、テトラブロムビスフェノール
Sのエチレンオキシド2〜4モル付加物、およびテトラ
ブロムビスフェノールSのプロピレンオキシド2〜4モ
ル付加物であり、テトラブロムビスフェノールAのエチ
レンオキシド2モル付加物(即ち、2,2−ビス[3,5-ジ
ブロム-4-(2-ヒドロキシエチル)フエニル]プロパン)
が最も好ましい。
無黄変性ポリイソシアネート化合物(c)としては、芳香
核に結合したイソシアネート基を有しないかつ2以上の
イソシアネート基を含む化合物であり、脂肪族ポリイソ
シアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイ
ソシアネート(ただし、イソシアネート基が芳香核に直
接結合していないもの)、およびこれらの変性体があ
る。具体的には、たとえば以下の化合物がある。
脂肪族ポリイソシアネート:ヘキサメチレンジイソシア
ネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、
テトラメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネ
ート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート。
脂環族ポリイソシアネート:イソホロンジイソシアネー
ト、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ビ
ス(イソシアネートシクロヘキシル)メタン、シクロヘ
キサンジイソシアネート。
芳香族ポリイソシアネート:キシリレンジイソシアネー
ト、α,α,α′,α′,−テトラメチルキシレンジイソシ
アネート、α,α,α′,α′,α″,α″,−ヘキサメチル
メシチレントリイソシアネート。
変性体としてはプレポリマー型変性体,カルボジイミド
変性体,ウレア変性体,ビューレット変性体,二量体,
三量体などがあり、トリメチロールプロパンなどの多価
アルコールで変性したプレポリマー型変性体などが適当
である。好ましい無黄変性ポリイソシアネート化合物は
上記のような脂肪族のあるいは芳香族のホリイソシアネ
ート、およびその変性体であり、屈折率をより高めるた
めには芳香族ポリイソシアネートが好ましい。
アリル基含有化合物以外の付加重合性の不飽和化合物
(d)としてはヒドロキシ基を含まない不飽和化合物であ
り、たとえばスチレン,α−メチルスチレン,ジビニル
ベンゼン、その他のスチレ系モノマー、アルキル(メ
タ)アクリレート、ハロゲン化アルキル(メタ)アクリ
レート,フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート、多価アルコールのポリ(メタ)アク
リレート、その他の(メタ)アクリレートなどが適当で
あり、特に(メタ)アクリレートが好ましい。
上記(a)〜(d)の化合物以外に任意に少量の他の化合物を
原料として使用しうる。その代表例は付加重合性の不飽
和基を有しないポリオールである。ポリオールとして
は、多価アルコール,ポリエーテルポリオール,ポリエ
ステルポリオールなどがあり、たとえば、ポリ(あるい
はモノ)エチレングリコール,ポリ(あるいはモノ)プ
ロピレングリコール,1,4−ブタンジオール,グリセリ
ン,トリメチロールプロパン,これらのアルキレンオキ
シド付加物,臭素を含まないビスフェノール類のアルキ
レンオキシド付加物,多価アルコール残基と多価カルボ
ン酸残基を有するポリエステルポリオールなどがある。
さらに、任意に非反応性の化合物を使用でき、非反応性
の化合物としては、たとえば安定剤,着色剤,内部離型
剤,ウレタン化触媒などがある。たとえば安定剤として
はベンゾトリアゾール系化合物などの紫外線吸収剤,ヒ
ンダートピペリジン系化合物などの安定剤,ヒンダート
フェノール系化合物などの酸化防止剤などがある。ま
た、使用が必須ではないが、使用することが好ましい化
合物としては付加重合開始剤、たとえばポーオキシド系
化合物やアゾビス系化合物がある。また、光重合を行う
場合はベンゾイン系化合物などの光増感剤を使用するこ
とができる。なお、前記(a)〜(d)の化合物、および上記
副原料はそれぞれ2種以上併用することができるもので
ある。
上記原料を使用して重合体を製造する場合、(a)/(b)の
モル比は2〜6であることが必要である。このモル比が
2未満であるいは6を越えると重合体の機械的性質およ
び光学的性質が不充分となる。また(a)および(b)、さら
に任意の原料であるポリオールを使用した場合はそれを
加えた全ヒドロキシ基含有化合物に対する(c)の化合物
の割合は、イソシアネート基/ヒドロキシ基の数で表わ
して0.8〜1.3であることが必要であり、特に約0.9〜1.2
であることが好ましい。この範囲該であると重合体の機
械的物性が低下し、また気泡の発生等の虞れが大きくな
る。付加重合性の不飽和化合物(d)の使用量は全原料化
合物に対して0〜30重量%が必要で、特に約0〜15重量%
が好ましい。この化合物の割合が高いと重合体の光学的
物性が向上する場合があるにしても、通常は機械的物性
が低下する。本発明においては高屈折率等の光学的特性
は他の化合物により付与するものであるから、この不飽
和化合物(d)の使用は必須ではなく、機械的物性の面か
らは使用しない方が好ましい。従って、本発明において
この不飽和化合物(d)は実質的に使用しないことが最も
好ましい。同様に前記任意に使用しうるポリオールも全
原料に対して30重量%以下が適当で、実質的に使用し
ないことが好ましい。
本発明における重合体は(a)および(b)の化合物と(c)の
化合物の反応による不飽和ウレタン系化合物の生成とそ
の不飽和基の付加重合とが別々に区別されることなく同
じ反応系内で順次あるいはほぼ同時に進行することによ
り形成される。この2つの反応を行う方法は特に限定さ
れるものっではないが、特に(b)の化合物の特性上自づ
からある程度の制約がある。以下、この制約に対する対
策とともに好ましい製造方法について説明する。
多臭素化ビスフェノール類のモノエポキシド付加物(b)
は溶解性の低い化合物であり、単に(a)(b)(c)の化合物
を混合しても均一な反応が起らない。(a)と(b)の化合物
の混合物は60℃以上、通常は約70〜100℃で均一な溶液
とすることができるが、冷却すると比較的速やかに(b)
が析出する。従って、(c)は(a)と(b)の両者と反応する
ものであるから、まず(a)と(b)とを加熱下に混合して均
一な混合物とした後、その温度下で、またはその温度以
下で(b)が析出するまでに(c)を加える必要がある。一
方、(b)と(c)をまず反応させた後(a)を反応させる方法
は、(b)と(c)の反応を著るしく高温で行なわれなければ
ならないため臭素原子が離脱し易くなり、また(b)と(c)
の反応生成物は(a)に極めて溶解し難くなるために使用
することが困難である。また、付加重合を行うためには
通常付加重合開始剤が使用されるが、この付加重合開始
剤は上記60℃以上の温度で反応系に加えることは困難で
ある。高温で分解する付加重合開始剤の使用は付加重合
に高温を要し、変色等の虞れが生じる。従って、(a),
(b),(c)の3者の反応は、常温付近に冷却しても(b)析出
しない程度に(b)が(c)と反応しており、かつ常温付近で
液状を程する反応生成物あるいはそれを含む未反応物と
の混合物である必要がある。本発明者の検討におれば、
(c)の使用量の少なくとも約10重量%を(a)と(b)の均一
混合物に反応させれば、冷却してももはや(b)は析出し
ないことがわかった。
上記検討の結果、本発明における好ましい製造方法は60
℃以上、好ましくは約70〜100℃の温度下で(a)と(b)の
均一な混合物を製造した後、均一な混合物である状態下
で(c)をその使用量の少なくとも10重量%を反応させる
工程を経由する方法である。(a)と(b)の均一な混合物に
(c)の全量を加えてその少なくとも10重量%以上を反応
させた後冷却し、付加重合開始剤を加えた後、付加重合
を行うことができる。しかし、多量に製造を行う場合
は、上記(c)の全量を加えて製造される反応生成物はポ
ットライフが短いため、制約を受けやすい。従って、こ
の場合には(a)と(b)の均一な混合物に(c)の使用量の10
〜50重量%、好ましくは約10〜30重量%を加えて反応さ
せて反応生成物を製造し(以下この反応生成物をプレポ
リマーという)、使用時にこのプレポリマーに残りの
(c)と重合開始剤とを加えて付加重合を行うことが好ま
しい。このプレポリマーは低粘度で(b)が析出すること
はなく、かつ約1ケ月以上のポットライフを有するもの
である。
付加重合は熱重合によって行われる。(a),(b),(c)の混
合物または上記プレポリマーと残余の(c)の混合物に付
加重合開始剤を配合し、加熱することにより付加重合が
起る。この混合物中ではほぼ同時にウレタン化反応が起
る。この混合物を最初比較的低温に加熱しその後高温に
加熱することにより(実施例参照)、ウレタン化反応を
前段の主反応とし、付加重合反応を後段の主反応とする
こともできる。本発明における付加重合する不飽和基は
(メタ)アクリレートを主とするものであるから、比較
的温和な条件で付加重合を行うことができる。付加重合
開始剤の使用量はその種類により変化しうるものである
が、通常は全原料化合物に対して約0.5重量%以下、特
に約0.1重量%以下が適当である。付加重合温度は付加
重合開始剤の種類によるが、付加重合の初期においては
約常温〜80℃程度が適当である付加重合の後期において
はさらに高温を採用しうるが、上限は約150℃程度が好
ましい。なお、前記(d)の化合物は付加重合開始前の任
意の段階で反応系に添加することができる。
光学用樹脂レンズの成形は注型法で行なわれることが好
ましい。即ち、上記付加重合開始剤等を添加した場合を
過、脱泡等を行なって成形型に注入し、成形型中で付
加重合を完結した後成形物を成形型より取り出す方法で
ある。成形物は眼鏡用レンズなどの無色透明あるいは着
色透明のレンズであることが好ましい。レンズ成形用の
成形型は通常2枚のガラス製成形型が使用されるが、こ
れに限られるものではない。成形型内面には所望により
離型剤を塗布しておくことができる。
本発明により製造された光学用樹脂レンズとしては眼鏡
用レンズが最も適当であるが、これに限られるものでは
ない。得られた光学用樹脂レンズは高い屈折率とアッベ
数を有し透明性に優れ、かつ変色の虞れが極めて少ない
ものである。加えて、耐衝撃性等の機械的物性が優れ、
屈折率以外の特性も前記ジエチレングリコールビスアリ
ルカーボネートの重合体に勝るとも劣らないものであ
る。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明
はこれら実施例に限られるものではない。
なお、測定方法は以下の方法により行った。
屈折率:アッベ屈折率計による589nmにおける屈折率。
耐溶剤性:80℃のジメチルホルムアミドに2時間浸漬 した後の重合増加率(重量%)。
落球試験:FDA規格に準じて測定(ただし、レンズ 中心厚1.5mmの高さは127cmと254cmで測
定)。
着 色 :スガ試験器製カラーコンピューターによる イエロー・インデックス測定値(厚さ1.5m
m)。
実施例1 撹拌翼、冷却管を備えた反応器に、テトラブロムビスフ
ェノールAのエチレンオキシ2モル付加物368部(重量
部:以下同じ)と、ヒドロキシエチルメタクリレート30
3部とを窒素雰囲気下、75℃に1時間加熱して均一な溶
液を得た。この溶液を45℃にまで放冷後、キシリレンジ
イソシアネート49.4部(当量の15%に相当)を加えてよ
く撹拌した後室温にまで冷却して、25℃における粘度が
100センチポイズの無色透明の液体(以下この液体をプ
レポリマーと呼ぶ)を得た。
上記プレポリマーを室温下で保存した時の粘度変化及び
一定日数保存後該プレポリマーに所要量(プレポリマー
720.4部に対し279.6部)のキシリレンジイソシアネート
を加えた時の粘度を測定した。結果を表1に示す。
プレポリマーの粘度は60日間にわたって610センチポイ
ズ以下であり、又該プレポリマーに所要量のキシリレン
ジイソシアネートを加えた時の粘度も、50センチポイズ
以下と極めて安定しており、過・脱泡・注入を行なう
のに好適であった。
保存日数7日の上記プレポリマー720.4部と、キシリレ
ンジイソシアネート279.6部を混合し、この混合液100部
に対し、ジ−tert−ブチルパーオキサイド0.2部を加え
て溶解したところ25℃における粘度が45センチポイズの
無色透明液体が得られた。この溶液を孔径1μmのメン
プランフィルターで過した後、真空圧2mmHgで減圧脱
泡した。かくして得られた液体を2枚の球面ガラスモー
ルドと軟質ポリプロピレンからなるモールドに注入し、
40℃で2時間、40℃から120℃まで直線的に昇温しつつ1
8時間、120℃で40時間加熱したところ、無色透明の強靱
なレンズが得られた。このレンズの特性を表2に示す。
実施例 2 実施例2のプレポリマー(調整後15日間保存のもの。)
720.4部とキシリレンジイソシアネート279.6部とシクロ
ヘキシルメタクリレート70部とパーヘキサ3M(日本油
脂製(株)商品名)1部とを撹拌混合したところ25℃に
おける粘度が40センチポイズの無色透明液体が得られ
た。
この溶液を用いて実施例1と同様にして得たレンズの特
性を表2に示す。
比較例1 ジアリルフタレート200部,テトラブロムビスフェノー
ルAエチレンオキシド2モル付加物184部,ヒドロキシ
エチルメタクリレート151.5部とを混合溶解した後、キ
シリレンジイソシアネート164.5部を加えて、50℃で3
時間反応させ無色透明の液体を得た。
この液体を室温下で一定日数保存し、粘度変化を測定し
た。結果を表3に示す。
調整直後の上記液体100部と重合開始剤(ジ−tert−ブ
チルパーオキサイド)0.5,1,3部とを各々混合し、実施
例1と同様にモールドに注入し、70℃で10時間、さらに
100℃で10時間加熱しレンズを得た。
各レンズの特性を表4に示す。アリルモノマーを含有し
ている本比較例では、少量のラジカル開始剤を使用した
場合は脆い硬化体しか得られない。一方多量のラジカル
開始剤を使用すればかなり強靱な硬化体は得られるもの
の着色が著しく、レンズとして使用するには不適当であ
った。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒドロキシ基含有アクリレートおよび/ま
    たはヒドロキシ基含有メタクリレート(a)、多臭素化ビ
    スフェノール類のモノエポキシド付加物(b)、無黄変性
    ポリイソシアネート化合物(c)、およびアリル基含有化
    合物を実質的に使用せず、かつ所望によりアリル基以外
    の付加重合性不飽和基を有する不飽和化合物(d)を、(a)
    /(b)のモル比が2〜6、イソシアネート基/ヒドロキシ
    基の数の比が0.8〜1.3、および全原料化合物に対する
    (d)の割合が0〜30重量%の条件で使用し、(a),(b),
    (c),および場合により(d)の混合物、または(a)と(b)と
    全使用量の50重量%以下の(c)とを予め反応させて得
    られた反応生成物、残余の(c)、および場合により(d)の
    混合物を付加重合開始剤の存在下に加熱し、ウレタン形
    成反応および付加重合反応を行って重合体を形成するこ
    とを特徴とする光学用樹脂レンズの製造方法。
  2. 【請求項2】60℃以上の温度下で(a)と(b)の化合物の
    均一混合物を製造し、該均一混合物が均一状態にある間
    に(c)の使用量の10〜50重量%を反応させてプレポ
    リマーとし、次いで該プレポリマーに残余の(c)と付加
    重合開始剤を配合して加熱する、特許請求の範囲第1項
    の方法。
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