JPH0652322B2 - プラスチツクレンズの製造方法 - Google Patents

プラスチツクレンズの製造方法

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JPH0652322B2
JPH0652322B2 JP60038688A JP3868885A JPH0652322B2 JP H0652322 B2 JPH0652322 B2 JP H0652322B2 JP 60038688 A JP60038688 A JP 60038688A JP 3868885 A JP3868885 A JP 3868885A JP H0652322 B2 JPH0652322 B2 JP H0652322B2
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裕 山田
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、眼鏡用レンズ等の光学素子に適したプラスチ
ックレンズの製造方法に関するものである。
[従来の技術] 眼鏡用レンズ等の光学素子に適した光学用樹脂としてジ
エチレングリコービスアリルカーボネートの重合体が広
く使用されている。この重合体は光学用樹脂として種々
の優れた特性を有しているが、屈折率が低いことが難点
となっている。高屈折率の光学用樹脂を開発するために
種々の検討が行われており、特にポリハロゲン化芳香核
を有する(メタ)アクリレートなどの付加重合性の不飽
和化合物の重合体が比較的高い屈折率を達成しうること
が知られている。
しかし、この重合体は耐衝撃性などの機械的特性が充分
ではなく、また変色し易いことも問題となっている。機
械的特性や変色の問題を解決する光学用樹脂として不飽
和ウレタン系化合物の付加重合体が提案されている。
このプラスチックレンズは屈折率が上記ジエチレングリ
コービスアリルカーボネートの重合体よりも高く、充分
な機械的特性も有している。
以下の説明において不飽和ウレタン系化合物とは付加重
合性不飽和基を有するモノあるいはポリヒドロキシ化合
物、または該ヒドロキシ化合物と付加重合性不飽和基を
有しないモノあるいはポリヒドロキシ化合物、とヒドロ
キシ基に対してほぼ当量(約0.7〜1.3当量)の無
黄変性ポリイソシアネート化合物を反応させて得られる
反応生成物をいう。不飽和ヒドロキシ化合物としては
(メタ)アクリレート(アクリレートとメタクリレート
の両者をいう)が好ましい。具体的にはヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ基を含有するエ
ポキシ(メタ)アクリレート、多価アルコールと(メ
タ)アクリル酸の部分エステルなどがあり、特にヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレートと2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレートが好ましい。モノあるいはポ
リヒドロキシ化合物としては芳香核を有するポリオー
ル、特に臭素原子が結合した芳香核を有するポリオール
が好ましい。たとえば、多臭素化ビスフェノール類のア
ルキレンオキシド付加物がある。特に多臭化ビスフェノ
ールAに2モル以上、特に2〜6モルのエチレンオキシ
ドおよび/またはプロピレンオキシドを付加して得られ
るポリオールが好ましい。特に好ましい不飽和ウレタン
系化合物は上記ようなヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレート、多臭素化ビスフェノールAのアルキレンオキ
シド付加物、および芳香核を有しかつ無黄変性のポリイ
ソシアネート化合物(たとえばキシリレンジイソシアネ
ート)の反応生成物である。
不飽和ウレタン系化合物より注型硬化によってプラスチ
ックレンズを製造する場合、実際には完全に不飽和ウレ
タン系化合物を製造した後注型することは好ましくな
い。完全に反応が終了して製造された不飽和ウレタン系
化合物は粘度が高く後述脱泡処理が困難となる。従っ
て、前記不飽和ウレタン系化合物を形成しうる原料の混
合物(以下モノマー液という)や原料の一部をあらかじ
め反応させた後残りの原料を添加した混合物(以下プレ
ポリマー液という)が注型される。注型後の硬化反応
(ウレタン化反応と付加重合反応)においては通常ウレ
タン化反応(ヒドロキシ基とイソシアネート基の反応)
が先行するがウレタン化反応と付加重合反応は完全に別
々に起るものではなく両者が同時に進行する部分もある
と考えられる。モノマー液とプレポリマー液においては
それが製造された後徐々に反応(特にウレタン化反応)
が進行し、後述脱泡処理においてもある程度反応が進む
ものと考えられる。しかし注型前にすべてのヒドロキシ
基とイソシアネート基が反応して未反応物を含まない不
飽和ウレタン系化合物となることは上記のように好まし
くない。従って注型される時点のモノマー液やプレポリ
マー液は未反応物を多く含みかつある程度反応生成物が
存在する混合物(以下反応中間物という)であると考え
られる。
[発明の解決しようとする問題点] 上記プラスチックレンズの製造方法は、重合開始剤を加
えたモノマー又はプレポリマー液を濾過・脱泡後レンズ
型に注入し加熱重合するものである。この方法は、ジエ
チレンがリコールビスアリルカーボネート重合体のプラ
スチックレンズの製造方法として公知の方法であるが、
不飽和ウレタン系化合物の取り扱いは以下の点でジエチ
レングリコールビスアリルカーボネートと異なる。すな
わち不飽和ウレタン系化合物はモノマー又はプレポリマ
ー液中にイソシアネート基を含む化合物を含むため、イ
ソシアネート基が液中および空気中の水分と反応して二
酸化炭素が生成し、それが重合体中に気泡として入って
しまう。これをなくすにはモノマー液又はプレポリマー
液の長時間かつ高真空下の脱泡による系中の水分の完全
な除去が必要である。しかし、このような工程において
は、低沸点成分が留去されやすく、とくに低沸点の重合
開始剤を用いた場合には、その開始剤が留去され易く、
そのため付加重合反応が完結せず、得られるプラスチッ
クレンズの機械的特性や耐溶剤性が低下し易いという問
題がある。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、前述の問題点を解決すべくなされたものであ
り、即ち、 不飽和ウレタン系化合物を形成しうる反応性混合物ない
し該混合物より生じる未反応イソシアネート基を有する
反応中間物を注型し硬化反応を行ってプラスチックレン
ズを製造する方法において、該反応性混合物ないし該反
応中間物を120℃以上の沸点を有する重合開始剤の存在
下に100℃以下の温度および100mmHg以下の圧力下で脱泡
処理した後注型することを特徴とするプラスチックレン
ズの製造方法、 である。
本発明における重合開始剤としては、沸点が120℃以上
の(イ)パーオキシド系化合物(ロ)アゾビス系化合物
から成る群から選ばれた1種又は2種以上の有機過酸化
物を用いる。(イ)重合開始剤としては、(ハ)ハイド
ロパーオキサイド,(ニ)ジアルキルパーオキサイド,
(ホ)パーオキシケタール,(ヘ)パーオキシエステ
ル,(ト)ジアシルパーオキサイド,(チ)パーオキシ
カーボネートから成る群から選ばれた1種又は2種以上
のものを用いる。
前記(ハ)ハイドロパーオキサイドとしては、クメンハ
イドロパーオキサイド,2.5−ジメチルヘキサン−
2.5−ジヒドロパーオキサイド,1.1.3.3−テ
トラメチルブチルハイドロパーオキサイド,p−メタン
ハイドロパーオキサイド及びジ−イソプロピルベンゼン
ハイドロパーオキサイドから成る群から選ばれた1種又
は2種以上のものが適当である。
前記(ニ)ジアルキルパーオキサイドとしては、2.5
−ジメチル−2.5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘ
キシン−3,2.5−ジメチル−2.5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン,α,α′−ビス(tert−ブチ
ルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン,ジ−クミ
ルパーオキサイド,tert−ブチルクミルパーオキサイド
から成る群から選ばれた1種又は2種以上のものが適当
である。
前記(ホ)パーオキシケタールとしては、1.1−ビス
(tert−ブチルパーオキシ)3.3.5−トリメチルシ
クロヘキサン,1.1−ビス(t−ブチルパーオキシ)
シクロヘキサン,2.2−ビス(tert−ブチルパーオキ
シ)オクタン,n−ブチル4.4−ビス(tert−ブチル
パーオキシ)バレレート,2.2−ビス(tert−ブチル
パーオキシ)ブタンから成る群から選ばれた1種又は2
種以上のものが適当である。
前記(ヘ)パーオキシエステルとして、tert−ヘキシル
パーオキシネオヘキサノエート,tert−ブチルパーオキ
シネオヘキサノエート,tert−ヘキシルパーオキシピバ
レート,tert−ヘキシルパーオキシネデカノエート,ク
ミルパーオキシオクトエート,tert−ブチルパーオキシ
イソプロピルカーボネート,tert−ブチルパーオキシマ
レイン酸,2.5−ジメチル−2.5−ジ(ベンゾイル
パーオキシ)ヘキサン,ジtert−ブチルジパーオキシイ
ソフタレート,tert−ブチルパーオキシベンゾエート,
tert−ブチルパーオキシラウレート,tert−ブチルパー
オキシ3.5.5−トリメチルヘキサエート,tert−ブ
チルパーオキシ2−エチルヘキサノエート,クミルパー
オキシネオデカノエート,tert−ブチルパーオキシネオ
デカノエート,tert−ブチルパーオキシピバレート,te
rt−ブチルパーオキシイソブチレート,tert−ブチルパ
ーオキシアセテートから成る群から選ばれた1種又は2
種以上のものが適当である。
前記(ト)ジアシルパーオキサイドとしては、アセチル
パーオキサイド,イソブチリルパーオキサイド,オクタ
ノイルパーオキサイド,デカノイルパーオキサイド,ラ
ウロイルパーオキサイド,3.5.5−トリメチルヘキ
サノイルパーオキサイド,コハク酸パーオキサイド,ベ
ンゾイルパーオキサイド,2.4−ジクロロベンゾイル
パーオキサイド,m−トルオイルパーオキサイドから成
る群から選ばれた1種又は2種以上のものが適当であ
る。
前記(チ)パーオキシカーボネートとしては、ジ−2−
エチルヘキシルパーオキシジカーボネート,ジ−n−プ
ロピルパーオキシジカーボネート,ジ−ミリスチルパー
オキシジカーボネート,ジ−2−エトキシエチルパーオ
キシジカーボネート,ジ−メトキシイソプロピルパーオ
キシジカーボネート,ジ(3−メチル−3−メトキシブ
チル)パーオキシジカーボネート,tert−ブチルパーオ
キシアリルカーボネートから成る群から選ばれた1種又
は2種以上のものが適当である。
前記(ロ)アゾビス系化合物としては、例えば2.2′
−アゾビス(4−メトキシ−2.4−ジメチルバレロニ
トリル),2.2′−アゾビス(2.4−ジメチル−バ
レロニトリル),(1−フェニルエチル)アゾジフェニ
ルメタン,2,2′−アゾビスイソブチロニトリル,ジ
メチル2.2′−アゾビスイソブチレート,2.2′−
アゾビス(2−メチル−ブチロニトリル),1.1′−
アゾビス(1−シクロ−ヘキサンカルボニトリル),2
−(カルバモイラゾ)−イソブチロニトリル,2.2′
−アゾビス(2.4.4−トリメチル−ペンタン),2
−フェニルアゾ−2.4−ジメチル−4−メトキシバレ
ロニトリルなどがある。
本発明において、上記重合開始剤のうち前記(ハ)ハイ
ドロパーオキサイド,(ニ)ジアルキルパーオキサイ
ド,(ホ)パーオキシケタール,(ト)ジアシルパーオ
キサイド,(ト)アゾビス系化合物が好ましいが、特に
(ニ)ジアルキルパーオキサイド,(ホ)パーオキシケ
タール,(ヘ)ジアシルパーオキサイド,(イ)アゾビ
ス系化合物が好ましい。
本発明において特に好ましい前記(ニ)ジアルキルパー
オキサイドとして、ジ−クミルパーオキサイド,tert−
ブチルクミルパーオキサイドが、前記(ホ)パーオキシ
ケタールとして、n−ブチル−4.4−ビス(tert−ブ
チルパーオキシ)バレレート,1.1−ビス(tert−ブ
チルパーオキシ)3.3.5−トリメチルシクロヘキサ
ンが、前記(ヘ)ジアシルパーオキサイドとして、ベン
ゾイルパーオキサイドが、前記(イ)アゾビス系化合物
として2.2′−アゾビスイソブチロニトリル,2.
2′−アゾビス(2.4.4−トリメチル−ペンタン)
がある。
前記のように、不飽和ウレタン系化合物の原料としては
不飽和ヒドロキシ化合物と無黄変性ポリイソシアネート
化合物の2つが必須原料であるが、さらに不飽和基を有
しないモノあるいはポリヒドロキシ化合物(以下不飽和
ヒドロキシ化合物という)が併用されることが好まし
い。不飽和ヒドロキシ化合物としては(メタ)アクリル
酸−アルキレンオキシド付加物、たとえば(メタ)アク
リル酸のエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド
付加物からなるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
ト、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との部分エス
テル、たとえば2価アルコールのモノエステル、3価ア
ルコールのモノあるいはジエステル、4価アルコールの
モノ、ジ、あるいはトリエステル、またはヒドロキシを
含有するエポキシ(メタ)アクリレート、たとえばフェ
ニルグリシジルエーテル、ビスフェノール類のジグシジ
ルエーテルやそのオリゴマー(エポキシ樹脂の1種)、
その他のエポキシ基含有化合物に(メタ)アクリル酸を
反応させて得られる化合物、などがある。これら不飽和
ヒドロキシ化合物が芳香核を有しない化合物の場合、プ
ラスチックレンズの屈折率を高めるために後述芳香核含
有飽和ヒドロキシ化合物を併用することが必要である。
不飽和ヒドロキシ化合物が芳香核を有している場合、飽
和ヒドロキシ化合物の使用は必ずしも必要ではないが少
量使用してもよく、それが芳香核含有飽和ヒドロキシ化
合物であるときは比較的多量に使用してもよい。芳香核
含有不飽和ヒドロキシ化合物の芳香核は塩素や臭素など
のハロゲンを有していてもよい。特に好ましい不飽和ヒ
ドロキシ化合物は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基
を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートであ
り、特に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが適当で
ある。
飽和ヒドロキシ化合物としては芳香核を有するポリヒド
ロキシ化合物が好ましいが、これとともに他の飽和ヒド
ロキシ化合物を少量併用してもよい。芳香核含有飽和ポ
リヒドロキシ化合物としては、多価フェノール類、特に
ビスフェノール類、のアルキレンオキシド付加物が好ま
しい。多価フェノール類は1個以上の塩素あるいは臭素
を有することが好ましい。特に好ましくは多臭素化ビス
フェノール類、たとえばテトラブロムビスフェノール
A,テトラブロムビスフェノールS,テトラブロムビス
フェノールFなどである。アルキレンオキシドとしては
炭素数2〜4のアルキレンオキシド、特にエチレンオキ
シドとプロピレンオキシドが好ましい。多価フェノール
類に対するアルキレンオキシドの付加量はフェノール性
水酸基1個に対してアルキレンオキシド1分子以上、特
に約1〜6分子が適当である。多臭素化ビスフェノール
類に対しては、多臭素化ビスフェノール類分子に対して
約2〜6分子のアルキレンオキシドが付加されることが
好ましい。本発明において特に好ましい飽和ヒドロキシ
化合物はテトラブロムビスフェノールAのエチレンオキ
シドおよび/又はプロピレンオキシド付加物(付加量は
前着1分子に対して後者2〜6分子)である。
前記不飽和ヒドロキシ化合物と飽和ヒドロキシ化合物の
使用割合は前者20〜100重量%と後者0〜80重量%の組
み合せが適当であり、特に前者20〜70重量%と後者30〜
80重量%の組み合せが好ましい。前者が芳香核を有さず
後者が芳香核を有する化合物の場合、特に前者30〜60重
量%と後者40〜70重量%の組み合せが好ましい。
無黄変性ポリイソシアネートとしては芳香核を有しない
ポリイソシアネート化合物と芳香核を有する(たただし
イソシアネート基は芳香核に直接結合していない)ポリ
イソシアネート化合物があり、プラスチックレンズの屈
折率を高めるためには後者が好ましい。前者としては、
たとえばヘキサメチレンジイソシアネート,メチレンビ
スレシクロヘキシルイソシアネート,イソホロンジイソ
シアネートなどがあり、後者としてはキシリレンジイソ
シアネート,α,α,α′,α′,−テトラメチルキシ
リレンジイソシアネート,α,α,α′,α′,α″,
α″−ヘキサメチルメシチレントリイソシアネートなど
がある。これらポリイソシアネートは変性物であっても
よく、たとえばプレポリマー型変性物、カルボジイミド
変性物、ビューレット変性物、ウレア変性物、アロファ
ネート変性物などがある。なお、ポリイソシアネート化
合物の使用量は前記のように全ヒドロキシ化合物に対し
て約0.7〜1.3当量が適当であり、特に0.8〜
1.2当量が好ましい。
上記原料の混合物からなる反応性混合物にはヒドロキシ
基やイソシアネート基に対して非反応性の化合物や少量
の反応性化合物を配合することができる。非反応性化合
物としては非反応性の付加重合性化合物がある。この付
加重合性化合物の使用は必須ではないが、物性改良等の
目的で不飽和ウレタン系化合物と共重合させることがで
きる。他の任意原料としては安定剤、着色剤、重合禁止
剤、充填剤(プラスチックレンズを不透明にしないも
の)、ウレタン化触媒などがある。安定剤としては紫外
線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤などがある。これら任
意原料が低沸点の化合物の場合、脱泡処理前に配合する
ことは困難であり、その場合脱泡処理後に配合すること
が望ましい。
反応性混合粉は全原料を同時に混合して得られる混合物
(モノマー液)であっても、あらかじめ一部を反応させ
それに他の部分を混合して得られる混合物(プレポリマ
ー液)であってもよい。特に、全ヒドロキシ化合物と少
量のポリイソシアネート化合物をあらかじめ反応させて
得られるプレポリマーと残りのポリイソシアネート化合
物とを混合して得られるプレポリマー液の使用が好まし
い。この方法はヒドロキシ化合物として多臭素化ビスフ
ェノール類のアルキレンオキシド付加物を使用する場合
に好ましい方法である。なぜなら、この化合物を含む全
ヒドロキシ化合物の混合物においては常温下でこの化合
物が析出し易いという問題があり、あらかじめ少量のポ
リイソシアネート化合物を反応させておくことによりこ
の析出の問題を決しうるからである。あらかじめ反応さ
せるポリイソシアネート化合物の量は全ポリイソシアネ
ート化合物に対して5〜40重量%が好ましい。重合開始
剤は原料の1成分にあらかじめ添加しておいてもよい
が、混合物製造時点までに加熱処理が行われる場合には
重合開始剤の分解が起るおそれがある。通常はモノマー
液あるいはプレポリマー液製造後それに重合開始剤が添
加される。重合開始剤添加後の液は不溶解物や不純物を
除くため濾過を行うことが好ましい。重合開始剤の使用
量はその種類により変化しうるものであるが、通常は全
原料に対して1.0重量%以下、特に0.5重量%以下
であって、0.01重量%以上が好ましい。
脱泡処理は、100℃以下の温度および100mmHg以下の圧力
下で行われる。好ましくは60℃以下の温度および20mmHg
以下の圧力下で行われる。温度圧力とも低い方が好まし
いが、あまりに低温であると脱泡に時間を要し、あまり
に低圧であると重合開始剤が留去されるおそれが生じ
る。通常は0℃以上の温度と0.1mmHg以上の圧力下で
脱泡処理が行われる。
付加重合は熱重合で行うことが好ましいが、場合によっ
て紫外線、電子線、その他のエネルギー線によって行う
ことができる。付加重合温度は付加重合開始剤の種類に
よるが、付加重合の初期においては約常温〜80℃程度が
適当である付加重合の後期においてはさらに高温を採用
しうるが、上限は約150℃程度が好ましい。
光学用樹脂の成形は注型法で行われる。即ち、上記脱泡
処理したモノマー液やプレポリマー液(多くの場合反応
中間物となっている)を成形型に注入し、成形型中で硬
化反応を完結した後成形物を成形型より取り出す方法で
ある。成形物は眼鏡用レンズに用いられる無色透明ある
いは着色透明のプラスチックレンズであることが好まし
い。レンズ成形用の成形型は通常2枚のガラス製あるい
はプラスチック製の成形型が使用されるが、これに限ら
れるものではない。成形型内面には所望により離型剤を
塗布しておくことができる。
本発明により製造されたプラスチックレンズとしては眼
鏡用レンズが最も適当であるが、これに限られるもので
はない。
[実施例] 実施例1 撹拌翼、冷却管を備えた反応器に、テトラプロムビスフ
ェノールAのエチレンオキシ2モル付加物368部(重量
部:以下同じ)と、ヒドロキシエチルメタクリレート30
3部とを窒素雰囲気下、75℃に1時間加熱して均一な溶
液を得た。この溶液を45℃にまで放冷後、キシリレンジ
イソシアネート49.4部(当量の15%に相当)を加えてよ
く撹拌した後室温にまで冷却して、無色透明の液体を得
た。これにキシリレンジイソシアネート279.6部を混合
し、プレポリマー液を製造した。
上記プレポリマー液100部に対し、ジ−クミル−パーオ
キサイド0.2部を加えて溶解させ、孔径1μmのメン
ブランフィルターで濾過した後、約30℃真空圧1mmHgで
2時間減圧脱泡をした。
かくして得られた液体を2枚の球面ガラスモールドと軟
質ポリプロピレンからなるモールドに注入し、40℃で2
時間、40℃から120℃まで直線的に昇温しつつ18時間、1
20℃で40時間加熱したところ、無色透の強靭なレンズが
得られた。このレンズ試料につき、耐溶剤性試験、落球
試験を行った。
耐溶剤性試験は、80℃のジメチルホルムアミドに2時間
浸漬した後の重量増加率(重量%)を測定した。
落球試験はFDA規格に準じて(ただし、レンズ中心厚
1.5mm、高さは127cmで測定)行った。
結果を表1に示す。
実施例2 実施例1のプレポリマー液100部に対し、tert−ブチル
−クミル−パーオキサイド0.2部とを撹拌混合し、実
施例1と同一条件で脱泡処理して無色透明液体を得た。
この溶液を用いて実施例1と同様にして得たレンズの特
性を表1に示す。
実施例3 実施例1のプレポリマー液100部に対し、1.1−ビス
(tert−ブチルパーオキシ)3.3.5−トリメチルシ
クロヘキサン0.2部を撹拌混合し、実施例1と同一条
で脱泡処理して無色透明液体を得た。
この溶液を用いて実施例1と同様にして得たレンズの特
性を表1に示す。
比較例1 実施例1のプレポリマー液100部に対し、ジ−tert−ブ
チル−パーオキシド(沸点110℃)0.2部を撹拌混合
し、実施例1と同一条件で脱泡処理して無色透明液体を
得た。
この溶液を用いて実施例1と同様にして得たレンズの特
性を表2に示す。
比較例2 実施例1のプレポリマー液100部に対し、ジ−イソプロ
ピル−パーオキシジカーボネート(沸点47℃/100mmH
g)0.2を撹拌混合し、実施例1と同一条件で脱泡処
理して無色透明液体を得た。
この溶液を用いて実施例1と同様にして得たレンズの特
性を上記表2に示す。
[発明の効果] 本発明は不飽和ウレタン化合物の重合体かなるプラスチ
ックレンズの耐衝撃性等の機械的物性、耐溶剤性の著し
い改善の如き優れた効果を有す。また、高真空一定長時
間の脱泡を可能なさしめたことにより、注型硬化中の発
泡、硬化不良品の発生の改善という効果も認められる。
本発明において得られたプラスチックレンズは透明性に
優れ、かつ変色の虞れが極めて少ないものである。加え
て、耐衝撃性等の機械的物性が優れ、前記ジエチレング
リコールビスアリルカーボネートの重合体に勝るとも劣
らないものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和ウレタン系化合物を形成しうる反応
    性混合物ないし該混合物より生じる未反応イソシアネー
    ト基を有する反応中間物を注型し硬化反応を行ってプラ
    スチックレンズを製造する方法において、該反応性混合
    物ないし該反応中間物を120℃以上の沸点を有する重合
    開始剤の存在下に100℃以下の温度および100mmHg以下の
    圧力下で脱泡処理した後注型することを特徴とするプラ
    スチックレンズの製造方法。
  2. 【請求項2】反応性混合物ないし反応中間物が、テトラ
    ブロムビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物、
    ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、および無黄
    変性芳香核含有ポリイソシアネート化合物を必須成分と
    する反応性混合物ないしその反応中間物であることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項の方法。
JP60038688A 1985-03-01 1985-03-01 プラスチツクレンズの製造方法 Expired - Lifetime JPH0652322B2 (ja)

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