JPH06122644A - ビ(テトラヒドロナフチル)誘導体およびその製造方法 - Google Patents
ビ(テトラヒドロナフチル)誘導体およびその製造方法Info
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- JPH06122644A JPH06122644A JP29777892A JP29777892A JPH06122644A JP H06122644 A JPH06122644 A JP H06122644A JP 29777892 A JP29777892 A JP 29777892A JP 29777892 A JP29777892 A JP 29777892A JP H06122644 A JPH06122644 A JP H06122644A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 新規な用途に使用可能なビ(テトラヒドロナ
フチル)誘導体およびその製造方法の提供。 【構成】 式(1) 【化1】 で示されるビ(1,2,3,4−テトラヒドロ−2−オ
キソ−1−ナフチル)、式(2) 【化2】 で示されるビ(1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ヒ
ドロキシイミノ−1−ナフチル)、および式(3) 【化3】 で示される1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−
2−オンに、MH(MはK、Na、もしくはLiであ
る)で表わされるアルカリ金属水素化物等の塩基を、非
プロトン性溶媒中で作用させ、式(4) 【化4】 で示されるアルカリ金属エノレート化物(MはK、N
a、もしくはLi)を調製し、これにヨウ素を作用さ
せ、酸化的にカップリングさせることを特徴とする式
(1)の化合物の製造方法。 【効果】 本発明の化合物は、不斉合成用触媒の配位
子、不斉機能性物質の合成に利用できる。
フチル)誘導体およびその製造方法の提供。 【構成】 式(1) 【化1】 で示されるビ(1,2,3,4−テトラヒドロ−2−オ
キソ−1−ナフチル)、式(2) 【化2】 で示されるビ(1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ヒ
ドロキシイミノ−1−ナフチル)、および式(3) 【化3】 で示される1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−
2−オンに、MH(MはK、Na、もしくはLiであ
る)で表わされるアルカリ金属水素化物等の塩基を、非
プロトン性溶媒中で作用させ、式(4) 【化4】 で示されるアルカリ金属エノレート化物(MはK、N
a、もしくはLi)を調製し、これにヨウ素を作用さ
せ、酸化的にカップリングさせることを特徴とする式
(1)の化合物の製造方法。 【効果】 本発明の化合物は、不斉合成用触媒の配位
子、不斉機能性物質の合成に利用できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビ(テトラヒドロナフ
チル)誘導体およびその製造方法に関する。
チル)誘導体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】ビ(1,2,3,4−テト
ラヒドロ−2−オキソ−1−ナフチル)は、2−ナフト
ール−1−カルボン酸の電解還元反応の極微量の副産物
として報告されているが(Zhur.Obshchei
Khim.,31,2762(1961))、構造決
定のための分析はほとんどされておらず、融点、元素分
析、ラスト法による分子量決定のみであり、その構造は
極めて疑わしい。またそのジオキシム誘導体も融点測定
および元素分析しかされておらず、その構造も極めて疑
わしい。
ラヒドロ−2−オキソ−1−ナフチル)は、2−ナフト
ール−1−カルボン酸の電解還元反応の極微量の副産物
として報告されているが(Zhur.Obshchei
Khim.,31,2762(1961))、構造決
定のための分析はほとんどされておらず、融点、元素分
析、ラスト法による分子量決定のみであり、その構造は
極めて疑わしい。またそのジオキシム誘導体も融点測定
および元素分析しかされておらず、その構造も極めて疑
わしい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、これらの分
析手段では、有機化合物の構造決定はできない。従っ
て、ビ(1,2,3,4−テトラヒドロ−2−オキソ−
1−ナフチル)およびビ(1,2,3,4−テトラヒド
ロ−2−ヒドロキシイミノ−1−ナフチル)は、過去に
合成されたことのない化合物である。これらのビ(テト
ラヒドロナフチル)誘導体は、キラル中心を2個有する
C2対称化合物であるとともに、2個のテトラヒドロナ
フチル環の間の結合の立体障害による回転の束縛を受け
る軸性の不斉が発生する立体配座も有する等、従来にな
い種類の不斉化合物である。従って、新規な不斉合成用
触媒の配位子や新規な不斉機能性物質の合成に利用でき
る。
析手段では、有機化合物の構造決定はできない。従っ
て、ビ(1,2,3,4−テトラヒドロ−2−オキソ−
1−ナフチル)およびビ(1,2,3,4−テトラヒド
ロ−2−ヒドロキシイミノ−1−ナフチル)は、過去に
合成されたことのない化合物である。これらのビ(テト
ラヒドロナフチル)誘導体は、キラル中心を2個有する
C2対称化合物であるとともに、2個のテトラヒドロナ
フチル環の間の結合の立体障害による回転の束縛を受け
る軸性の不斉が発生する立体配座も有する等、従来にな
い種類の不斉化合物である。従って、新規な不斉合成用
触媒の配位子や新規な不斉機能性物質の合成に利用でき
る。
【0004】本発明者らは、それらの課題を解決すべく
鋭意検討を重ね、新規なビ(テトラヒドロナフチル)誘
導体を得ることに成功した。すなわち、本発明の目的
は、これらの新規な用途可能なビ(テトラヒドロナフチ
ル)誘導体およびその製造方法を提供することである。
鋭意検討を重ね、新規なビ(テトラヒドロナフチル)誘
導体を得ることに成功した。すなわち、本発明の目的
は、これらの新規な用途可能なビ(テトラヒドロナフチ
ル)誘導体およびその製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のビ(1,2,
3,4−テトラヒドロ−2−オキソ−1−ナフチル)は
式(1)
3,4−テトラヒドロ−2−オキソ−1−ナフチル)は
式(1)
【化6】 であり、更に詳しくは、式(5)
【化7】 で示される(R,R)−ビ(1,2,3,4−テトロヒ
ドロ−2−オキソ−1−ナフチル)、式(6)
ドロ−2−オキソ−1−ナフチル)、式(6)
【化8】 で示される(S,S)−ビ(1,2,3,4−テトラヒ
ドロ−2−オキソ−1−ナフチル)、式(7)
ドロ−2−オキソ−1−ナフチル)、式(7)
【化9】 で示される(R,S)−ビ(1,2,3,4−テトラヒ
ドロ−2−オキソ−1−ナフチル)、および式(8)
ドロ−2−オキソ−1−ナフチル)、および式(8)
【化10】 で示される(S,R)−ビ(1,2,3,4−テトラヒ
ドロ−2−オキソ−1−ナフチル)である。
ドロ−2−オキソ−1−ナフチル)である。
【0006】また本発明のビ(1,2,3,4−テトラ
ヒドロ−2−ヒドロキシイミノ−1−ナフチル)は、式
(2)
ヒドロ−2−ヒドロキシイミノ−1−ナフチル)は、式
(2)
【化11】 で示されるビ(1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ヒ
ドロキシイミノ−1−ナフチル)であり、更に詳しく
は、式(9)
ドロキシイミノ−1−ナフチル)であり、更に詳しく
は、式(9)
【化12】 で示される(R,R)−ビ(1,2,3,4−テトラヒ
ドロ−2−ヒドロキシイミノ−1−ナフチル)、式(1
0)
ドロ−2−ヒドロキシイミノ−1−ナフチル)、式(1
0)
【化13】 で示される(S,S)−ビ(1,2,3,4−テトラヒ
ドロ−2−ヒドロキシイミノ−1−ナフチル)、式(1
1)
ドロ−2−ヒドロキシイミノ−1−ナフチル)、式(1
1)
【化14】 で示される(R,S)−ビ(1,2,3,4−テトラヒ
ドロ−2−ヒドロキシイミノ−1−ナフチル)、および
式(12)
ドロ−2−ヒドロキシイミノ−1−ナフチル)、および
式(12)
【化15】 で示される(S,R)−ビ(1,2,3,4−テトラヒ
ドロ−2−ヒドロキシイミノ−1−ナフチル)である。
ドロ−2−ヒドロキシイミノ−1−ナフチル)である。
【0007】本発明の他の一つは、式(3)
【化16】 で示される1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−
2−オンに、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属アル
コキシド、あるいはアルカリ金属アミド等の塩基を、非
プロトン性溶媒中で作用させ、式(4)
2−オンに、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属アル
コキシド、あるいはアルカリ金属アミド等の塩基を、非
プロトン性溶媒中で作用させ、式(4)
【化17】 で示される金属エノレート化物を調製し、これにヨウ素
を作用させ、酸化的にカップリングさせることを特徴と
する式(1)
を作用させ、酸化的にカップリングさせることを特徴と
する式(1)
【化18】 で示されるビ(1,2,3,4−テトラヒドロ−2−オ
キソ−1−ナフチル)の製造方法である。
キソ−1−ナフチル)の製造方法である。
【0008】本発明のビ(1,2,3,4−テトラヒド
ロ−2−オキソ−1−ナフチル)の製造方法に関わる塩
基としては、水素化ナトリウムや水素化リチウム等のア
ルカリ金属水素化物、カリウムメトキシドやナトリウム
エトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、およびナト
リウムアミドやリチウムジイソプロピルアミド等のアル
カリ金属アミドを用いることができる。その反応溶媒と
しては、ジエチルエーテルやテトラヒドロフランなどの
エーテル系の非プロトン性極性溶媒が、好ましく用いら
れる。1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−
オンに塩基を作用させる際の反応温度は、−30℃以下
が好ましく、−50〜−80℃が特に望ましい。−30
℃以上では、生成したそのアルカリ金属エノラートが、
熱的に不安定であり、望ましくない副反応を引き起こ
す。アルカリ金属エノラートのヨウ素による酸化的カッ
プリング反応は、発熱反応であり、アルカリ金属エノラ
ートやカップリング生成物の分解反応を避けるためその
反応温度は、−30℃以下が好ましく、−50〜−80
℃が特に望ましい。1,2,3,4−テトラヒドロナフ
タレン−2−オン、アルカリ金属エラノート、およびヨ
ウ素(分子状)のモル比は、1:2:1〜1:4:1が
好ましく、特に1:2:1が望ましい。
ロ−2−オキソ−1−ナフチル)の製造方法に関わる塩
基としては、水素化ナトリウムや水素化リチウム等のア
ルカリ金属水素化物、カリウムメトキシドやナトリウム
エトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、およびナト
リウムアミドやリチウムジイソプロピルアミド等のアル
カリ金属アミドを用いることができる。その反応溶媒と
しては、ジエチルエーテルやテトラヒドロフランなどの
エーテル系の非プロトン性極性溶媒が、好ましく用いら
れる。1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−
オンに塩基を作用させる際の反応温度は、−30℃以下
が好ましく、−50〜−80℃が特に望ましい。−30
℃以上では、生成したそのアルカリ金属エノラートが、
熱的に不安定であり、望ましくない副反応を引き起こ
す。アルカリ金属エノラートのヨウ素による酸化的カッ
プリング反応は、発熱反応であり、アルカリ金属エノラ
ートやカップリング生成物の分解反応を避けるためその
反応温度は、−30℃以下が好ましく、−50〜−80
℃が特に望ましい。1,2,3,4−テトラヒドロナフ
タレン−2−オン、アルカリ金属エラノート、およびヨ
ウ素(分子状)のモル比は、1:2:1〜1:4:1が
好ましく、特に1:2:1が望ましい。
【0009】本発明のビ(1,2,3,4−テトラヒド
ロ−2−オキソ−1−ナフチル)は具体的には、次のよ
うにして合成される。n−ブチルリチウムとジイソプロ
ピルアミンからテトラヒドロフラン中、調製したリチウ
ムジイソプロピルアミドの溶液を−78℃に冷却し、こ
れに1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−オ
ンのテトラヒドロフラン溶液を滴下する。ついで、この
リチウムエノラートの溶液に−78℃で、ヨウ素のテト
ラヒドロフラン溶液を滴下した後、塩化アンモニウム水
溶液に注ぎ、反応を停止、抽出、精製してビ(1,2,
3,4−テトラヒドロ−2−オキソ−1−ナフチル)を
得る。
ロ−2−オキソ−1−ナフチル)は具体的には、次のよ
うにして合成される。n−ブチルリチウムとジイソプロ
ピルアミンからテトラヒドロフラン中、調製したリチウ
ムジイソプロピルアミドの溶液を−78℃に冷却し、こ
れに1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−オ
ンのテトラヒドロフラン溶液を滴下する。ついで、この
リチウムエノラートの溶液に−78℃で、ヨウ素のテト
ラヒドロフラン溶液を滴下した後、塩化アンモニウム水
溶液に注ぎ、反応を停止、抽出、精製してビ(1,2,
3,4−テトラヒドロ−2−オキソ−1−ナフチル)を
得る。
【0010】また本発明のビ(1,2,3,4−テトラ
ヒドロ−2−ヒドロキシイミノ−1−ナフチル)は、エ
タノール中、ビ(1,2,3,4−テトラヒドロ−2−
オキソ−1−ナフチル)にヒドロキシアミン塩酸および
ピリジンを作用させることにより、容易に得ることが出
来る。
ヒドロ−2−ヒドロキシイミノ−1−ナフチル)は、エ
タノール中、ビ(1,2,3,4−テトラヒドロ−2−
オキソ−1−ナフチル)にヒドロキシアミン塩酸および
ピリジンを作用させることにより、容易に得ることが出
来る。
【0011】ビ(1,2,3,4−テトラヒドロ−2−
オキソ−1−ナフチル)は、その固体状態、液体状態、
溶液状態、および温度によって、その比率は変化する
が、式(5)、式(6)、式(7)、式(8)で表わさ
れる4つの立体異性体の混合物として存在し、その異性
化反応が速いために、誘導体化することなく各異性体を
分離することは困難である。更に、これら異性化反応の
途中に式(13)
オキソ−1−ナフチル)は、その固体状態、液体状態、
溶液状態、および温度によって、その比率は変化する
が、式(5)、式(6)、式(7)、式(8)で表わさ
れる4つの立体異性体の混合物として存在し、その異性
化反応が速いために、誘導体化することなく各異性体を
分離することは困難である。更に、これら異性化反応の
途中に式(13)
【化19】 で表わされるモノエノール化物、および式(14)
【化20】 で表わされるジエノール化物等の互変異性体およびそれ
らの立体異性体を経由する。
らの立体異性体を経由する。
【0012】以下、実施例にて本発明を説明する。 実施例1 テトラヒドロフラン中、n−ブチルリチウムのn−ヘキ
サン溶液とジイソプロピルアミンから調製したリチウム
ジイソプロピルアミド(71mmol)の溶液(100
cm3 )を、ドライアイス−アセトン浴で−78℃に冷
却した。これに1,2,3,4−テトラヒドロナフタレ
ン−2−オン(10g,68mmol)のテトラヒドロ
フラン溶液(20cm3 )を滴下し、−78℃で10分
間攪拌した。ついで、ヨウ素(9g,35mmol)の
テトラヒドロフラン溶液(20cm3 )を同温度で滴下
し、−30℃まで2時間かけて昇温した。この反応液を
飽和塩化アンモニウム水溶液(100cm3 )に注ぎ、
反応を停止させた。有機層と水層を分離後、水層を酢酸
エチル(50cm3 x3)で抽出し、抽出液を有機層と
合わせ、飽和食塩水(50cm3 x2)で洗浄した。無
水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後、減圧下で濃縮し、残
渣を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製して得られた
油状物に、エタノールを加え、析出した白色結晶を濾過
した。この白色結晶を減圧下、室温で乾燥し、ビ(1,
2,3,4−テトラヒドロ−2−オキソ−1−ナフチ
ル)(3.23g,11mmol)を収率32%で得
た。物性値等を次に示す。mp:120−154℃(1
20℃から液状化が始まるが、粘性が高く、不透明。約
130℃から徐々に粘性が下がり、透明になり、154
℃で完全に溶ける。) Rf:0.5(ヘキサン:酢酸エチル=3:1) 溶解性:メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチ
ル、ジメチルスルホキシドに溶けにくく、ベンゼンにや
や溶け、クロロホルム、塩化メチレンによく溶ける。1 H−NMR(重クロロホルム):δ 2.3−3.1
(m,8H),4.20(s,1H),4.33(s,
1H),6.5−6.9(m,2H),6.9−7.4
(m,6H) IR(KBr,disk):3450(m),3080
(w),3040(w),2960(w),2920
(w),2850(w),1710(s),1605
(w),1490(m),1460(m),1440
(m),1405(w),1345(m),1320
(w),1240(m),1160(m),1150
(m),1120(w),755(s)cm-1 元素分析:実測値 C,82.31;H,6.22;計
算値(C20H18O2 )C,82.73;H,6.25 Mass:実測値 M+ 290;計算値 M 290
サン溶液とジイソプロピルアミンから調製したリチウム
ジイソプロピルアミド(71mmol)の溶液(100
cm3 )を、ドライアイス−アセトン浴で−78℃に冷
却した。これに1,2,3,4−テトラヒドロナフタレ
ン−2−オン(10g,68mmol)のテトラヒドロ
フラン溶液(20cm3 )を滴下し、−78℃で10分
間攪拌した。ついで、ヨウ素(9g,35mmol)の
テトラヒドロフラン溶液(20cm3 )を同温度で滴下
し、−30℃まで2時間かけて昇温した。この反応液を
飽和塩化アンモニウム水溶液(100cm3 )に注ぎ、
反応を停止させた。有機層と水層を分離後、水層を酢酸
エチル(50cm3 x3)で抽出し、抽出液を有機層と
合わせ、飽和食塩水(50cm3 x2)で洗浄した。無
水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後、減圧下で濃縮し、残
渣を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製して得られた
油状物に、エタノールを加え、析出した白色結晶を濾過
した。この白色結晶を減圧下、室温で乾燥し、ビ(1,
2,3,4−テトラヒドロ−2−オキソ−1−ナフチ
ル)(3.23g,11mmol)を収率32%で得
た。物性値等を次に示す。mp:120−154℃(1
20℃から液状化が始まるが、粘性が高く、不透明。約
130℃から徐々に粘性が下がり、透明になり、154
℃で完全に溶ける。) Rf:0.5(ヘキサン:酢酸エチル=3:1) 溶解性:メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチ
ル、ジメチルスルホキシドに溶けにくく、ベンゼンにや
や溶け、クロロホルム、塩化メチレンによく溶ける。1 H−NMR(重クロロホルム):δ 2.3−3.1
(m,8H),4.20(s,1H),4.33(s,
1H),6.5−6.9(m,2H),6.9−7.4
(m,6H) IR(KBr,disk):3450(m),3080
(w),3040(w),2960(w),2920
(w),2850(w),1710(s),1605
(w),1490(m),1460(m),1440
(m),1405(w),1345(m),1320
(w),1240(m),1160(m),1150
(m),1120(w),755(s)cm-1 元素分析:実測値 C,82.31;H,6.22;計
算値(C20H18O2 )C,82.73;H,6.25 Mass:実測値 M+ 290;計算値 M 290
【0013】実施例2 ビ(1,2,3,4−テトラヒドロ−2−オキソ−1−
ナフチル)(3.4g,12mmol)をエタノール
(34cm3 )に懸濁させ、塩酸ヒドロキシルアミン
(1.8g,26mmol)を加えた。この混合物に、
ピリジン(2.3cm3 )を室温で加え、30分間攪拌
した。続けて30分間加熱還流させた後、溶媒を留去
し、残渣を水ついでエタノールで洗浄、減圧下、室温で
乾燥し、ビ(1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ヒド
ロキシイミノ−1−ナフチル)(3.0g,9.4mm
ol)を収率78%で得た。物性値を次に示す。 mp:222−230℃(分解) 溶解性:ほとんどの溶媒に不溶。 IR(KBr,disk):3280(s),3080
(w),3040(w),2960(w),2910
(w),2855(w),1630(m),1490
(m),1450(s),1260(w),1240
(w),950(s) 元素分析:実測値 C,74.87;H,6.35;
N,8.63;計算値(C20H20N2 O2 )C,74.
98;H,6.29;N,8.74
ナフチル)(3.4g,12mmol)をエタノール
(34cm3 )に懸濁させ、塩酸ヒドロキシルアミン
(1.8g,26mmol)を加えた。この混合物に、
ピリジン(2.3cm3 )を室温で加え、30分間攪拌
した。続けて30分間加熱還流させた後、溶媒を留去
し、残渣を水ついでエタノールで洗浄、減圧下、室温で
乾燥し、ビ(1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ヒド
ロキシイミノ−1−ナフチル)(3.0g,9.4mm
ol)を収率78%で得た。物性値を次に示す。 mp:222−230℃(分解) 溶解性:ほとんどの溶媒に不溶。 IR(KBr,disk):3280(s),3080
(w),3040(w),2960(w),2910
(w),2855(w),1630(m),1490
(m),1450(s),1260(w),1240
(w),950(s) 元素分析:実測値 C,74.87;H,6.35;
N,8.63;計算値(C20H20N2 O2 )C,74.
98;H,6.29;N,8.74
【0014】
【発明の効果】本発明の新規なビ(テトラヒドロナフチ
ル)誘導体は、不斉合成用触媒の配位子や新規な不斉機
能性物質の合成に利用できるなど、新規な用途に使用す
ることが可能である。
ル)誘導体は、不斉合成用触媒の配位子や新規な不斉機
能性物質の合成に利用できるなど、新規な用途に使用す
ることが可能である。
Claims (4)
- 【請求項1】 式(1) 【化1】 で示されるビ(1,2,3,4−テトラヒドロ−2−オ
キソ−1−ナフチル)。 - 【請求項2】 式(2) 【化2】 で示されるビ(1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ヒ
ドロキシイミノ−1−ナフチル)。 - 【請求項3】 式(3) 【化3】 で示される1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−
2−オンに、MH(但し、式中、MはK、Na、もしく
はLiである)で表わされるアルカリ金属水素化物、M
OR(但し、式中、MはK、Na、もしくはLiであ
り、Rはメチルもしくはエチルである)で表わされるア
ルカリ金属アルコキシド、あるいはMNR2 (但し、式
中、MはK、Na、もしくはLiであり、Rは水素、イ
ソプロピル、シクロヘキシルである)で表わされるアル
カリ金属アミド等の塩基を、非プロトン性溶媒中で作用
させ、式(4) 【化4】 で示されるアルカリ金属エノレート化物(但し、式中、
MはK、Na、もしくはLiである)を調製し、これに
ヨウ素を作用させ、酸化的にカップリングさせることを
特徴とする式(1) 【化5】 で示されるビ(1,2,3,4−テトラヒドロ−2−オ
キソ−1−ナフチル)の製造方法。 - 【請求項4】 塩基がリチウムジイソプロピルアミドで
あり、非プロトン性溶媒がテトラヒドロフランである請
求項3記載のビ(1,2,3,4−テトラヒドロ−2−
オキソ−1−ナフチル)の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29777892A JPH06122644A (ja) | 1992-10-09 | 1992-10-09 | ビ(テトラヒドロナフチル)誘導体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP29777892A JPH06122644A (ja) | 1992-10-09 | 1992-10-09 | ビ(テトラヒドロナフチル)誘導体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06122644A true JPH06122644A (ja) | 1994-05-06 |
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ID=17851060
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP29777892A Pending JPH06122644A (ja) | 1992-10-09 | 1992-10-09 | ビ(テトラヒドロナフチル)誘導体およびその製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JPH06122644A (ja) |
-
1992
- 1992-10-09 JP JP29777892A patent/JPH06122644A/ja active Pending
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