JPH0811740B2 - ポリフルオロエノラートの製造法 - Google Patents
ポリフルオロエノラートの製造法Info
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- JPH0811740B2 JPH0811740B2 JP20169993A JP20169993A JPH0811740B2 JP H0811740 B2 JPH0811740 B2 JP H0811740B2 JP 20169993 A JP20169993 A JP 20169993A JP 20169993 A JP20169993 A JP 20169993A JP H0811740 B2 JPH0811740 B2 JP H0811740B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、含フッ素化合物の合成
中間体として有用なポリフルオロエノラートの製造法に
関する。
中間体として有用なポリフルオロエノラートの製造法に
関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】エノラートの化学は、合成有
機化学において、広範な応用範囲を持つ重要な分野であ
るが、有機フッ素化学におけるペルフルオロエノラート
の化学は、その発生法および利用において極めて貧弱な
現状にある。(TetrahedronLett.,2
7,3709,(1986))。
機化学において、広範な応用範囲を持つ重要な分野であ
るが、有機フッ素化学におけるペルフルオロエノラート
の化学は、その発生法および利用において極めて貧弱な
現状にある。(TetrahedronLett.,2
7,3709,(1986))。
【0003】Knunyantsらは、ペンタフルオロ
アセトンの互変異性体であるペンタフルオロ−2−プロ
ペノールが、準安定状態であるエノール型のまま蒸留単
離可能なことを明らかにし(Dokl.Akad.Na
uk SSSR,217,1320(1974))、こ
のプロペノールに例えばブチルリチウムを−78℃で作
用させることにより、リチウムペンタフルオロ−2−プ
ロペノラートを得ている(Zh.Org.Khim.,
12,1379(1976))。ここで用いるペンタフ
ルオロ−2−プロペノールは、アルドール縮合が直ちに
おこるために、通常実施される方法によりペンタフルオ
ロアセトンから発生捕捉することは困難であり、クロロ
ペンタフルオロアセトンとジアルキルあるいはトリアル
キルホスファイトとのPerkov反応により得られる
ペンタフルオロ−2−プロペニルジアルキルホスフェー
トの熱分解あるいは酸分解により、はじめて得ることが
できる(Dokl.Akad.Nauk SSSR,2
17,1320(1974),Zh.Org.Khi
m.,11,1370(1975))。
アセトンの互変異性体であるペンタフルオロ−2−プロ
ペノールが、準安定状態であるエノール型のまま蒸留単
離可能なことを明らかにし(Dokl.Akad.Na
uk SSSR,217,1320(1974))、こ
のプロペノールに例えばブチルリチウムを−78℃で作
用させることにより、リチウムペンタフルオロ−2−プ
ロペノラートを得ている(Zh.Org.Khim.,
12,1379(1976))。ここで用いるペンタフ
ルオロ−2−プロペノールは、アルドール縮合が直ちに
おこるために、通常実施される方法によりペンタフルオ
ロアセトンから発生捕捉することは困難であり、クロロ
ペンタフルオロアセトンとジアルキルあるいはトリアル
キルホスファイトとのPerkov反応により得られる
ペンタフルオロ−2−プロペニルジアルキルホスフェー
トの熱分解あるいは酸分解により、はじめて得ることが
できる(Dokl.Akad.Nauk SSSR,2
17,1320(1974),Zh.Org.Khi
m.,11,1370(1975))。
【0004】しかるに、ここに示される2段階反応は、
全収率が30〜40%と低く、さらにクロロペンタフル
オロアセトンなど一部の原料は毒性が強いため、その使
用は困難であるなどの問題点を有している。
全収率が30〜40%と低く、さらにクロロペンタフル
オロアセトンなど一部の原料は毒性が強いため、その使
用は困難であるなどの問題点を有している。
【0005】
【問題点を解決するための手段】ポリフルオロエノラー
トをポリフルオロケトンから発生させることは、アルド
ール縮合が速やかに進行するため困難であり、また、P
erkov反応によりポリフルオロエノールを得る方法
は、2段階反応でかつ収率が低いため、ポリフルオロア
ルコラートに強塩基を作用させ、脱ハロゲン化水素する
ことにより、一段階でポリフルオロエノラートを発生さ
せる方法を検討した。
トをポリフルオロケトンから発生させることは、アルド
ール縮合が速やかに進行するため困難であり、また、P
erkov反応によりポリフルオロエノールを得る方法
は、2段階反応でかつ収率が低いため、ポリフルオロア
ルコラートに強塩基を作用させ、脱ハロゲン化水素する
ことにより、一段階でポリフルオロエノラートを発生さ
せる方法を検討した。
【0006】通常、脱ハロゲン化水素は、比較的温和な
条件で進行しうるが、アルコラートからの脱ハロゲン化
水素は、途中にジアニオンを経由する反応であるため、
特に強塩基の使用が必要である。一般に、ポリフルオロ
化合物に塩基を作用させる時、安定で反応しないか、あ
るいは、脱ハロゲン化水素して生じる二重結合の反応性
が高いため、さらに塩基と反応してしまうなど、反応を
制御することがはなはだしく困難である場合が多い。
条件で進行しうるが、アルコラートからの脱ハロゲン化
水素は、途中にジアニオンを経由する反応であるため、
特に強塩基の使用が必要である。一般に、ポリフルオロ
化合物に塩基を作用させる時、安定で反応しないか、あ
るいは、脱ハロゲン化水素して生じる二重結合の反応性
が高いため、さらに塩基と反応してしまうなど、反応を
制御することがはなはだしく困難である場合が多い。
【0007】そのため、強塩基の使用に際しては、特に
求核性の低い試剤の選択、反応温度の低温での制御な
ど、反応条件の設定に注意を払わなければならない。本
発明者らは、ポリフルオロエノラートが室温においても
非常に安定であり、かつ、脱ハロゲン化水素により生じ
た二重結合の求核試剤に対する反応性が、エノラートア
ニオンにより抑制されていることを見出し、一般式
求核性の低い試剤の選択、反応温度の低温での制御な
ど、反応条件の設定に注意を払わなければならない。本
発明者らは、ポリフルオロエノラートが室温においても
非常に安定であり、かつ、脱ハロゲン化水素により生じ
た二重結合の求核試剤に対する反応性が、エノラートア
ニオンにより抑制されていることを見出し、一般式
【0008】
【化3】 (Mは、リチウム、マグネシウム、亜鉛、ホウ素、アル
ミニウム、チタン、スズの一価のカチオンである。R1
は、Fまたはペルフルオロアルキル基であり、R2は、
ペルフルオロアルキル基である。XおよびYは、XがF
のときYはF、XがClまたはBrのときYはF、Cl
またはBrである。)で示されるポリフルオロアルコラ
ートに、強塩基を作用させることによる一般式
ミニウム、チタン、スズの一価のカチオンである。R1
は、Fまたはペルフルオロアルキル基であり、R2は、
ペルフルオロアルキル基である。XおよびYは、XがF
のときYはF、XがClまたはBrのときYはF、Cl
またはBrである。)で示されるポリフルオロアルコラ
ートに、強塩基を作用させることによる一般式
【0009】
【化4】R1CY=CR2OM (Mは、リチウム、マグネシウム、亜鉛、ホウ素、アル
ミニウム、チタン、スズの一価のカチオンである。R1
は、Fまたはペルフルオロアルキル基であり、R2は、
ペルフルオロアルキル基である。Yは、F、Clまたは
Brである。)で示されるポリフルオロエノラートの製
造法を見出した。
ミニウム、チタン、スズの一価のカチオンである。R1
は、Fまたはペルフルオロアルキル基であり、R2は、
ペルフルオロアルキル基である。Yは、F、Clまたは
Brである。)で示されるポリフルオロエノラートの製
造法を見出した。
【0010】本発明者らがさらに鋭意検討を行なった結
果、上記の生成物であるポリフルオロエノラートに、ア
ルキル金属またはアリール金属を反応させることによ
り、さらに新たなポリフルオロエノラートに誘導できる
ことを見出し、本発明を完成するにいたった。
果、上記の生成物であるポリフルオロエノラートに、ア
ルキル金属またはアリール金属を反応させることによ
り、さらに新たなポリフルオロエノラートに誘導できる
ことを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0011】すなわち、本発明は、一般式
【0012】
【化5】R1CY=CR2OM (Mは、リチウム、マグネシウム、亜鉛、ホウ素、アル
ミニウム、チタン、スズの一価のカチオンである。R1
は、Fまたはペルフルオロアルキル基であり、R2は、
ペルフルオロアルキル基である。Yは、F、Clまたは
Brである。)で示されるポリフルオロエノラートに、
アルキル金属またはアリール金属を反応させることを特
徴とする一般式
ミニウム、チタン、スズの一価のカチオンである。R1
は、Fまたはペルフルオロアルキル基であり、R2は、
ペルフルオロアルキル基である。Yは、F、Clまたは
Brである。)で示されるポリフルオロエノラートに、
アルキル金属またはアリール金属を反応させることを特
徴とする一般式
【0013】
【化6】R1R3C=CR2OM (Mは、リチウム、マグネシウム、亜鉛、ホウ素、アル
ミニウム、チタン、スズの一価のカチオンである。R1
は、Fまたはペルフルオロアルキル基であり、R2は、
ペルフルオロアルキル基である。R3は、アルキル基ま
たはアリール基であって不活性な置換基を有していても
よい。)で示されるポリフルオロエノラートの製造法で
ある。
ミニウム、チタン、スズの一価のカチオンである。R1
は、Fまたはペルフルオロアルキル基であり、R2は、
ペルフルオロアルキル基である。R3は、アルキル基ま
たはアリール基であって不活性な置換基を有していても
よい。)で示されるポリフルオロエノラートの製造法で
ある。
【0014】本発明の原料であるポリフルオロエノラー
トは、例えば、前述の本発明者らが見出した方法により
製造することができる。この反応は、ポリフルオロアル
コラートに強塩基を作用させるものであるが、強塩基と
しては、アルキル金属、アリール金属、金属ジアルキル
アミド、金属ビストリアルキルシリルアミドなどが挙げ
られ、具体的には、メチルリチウム、ブチルリチウム、
フェニルリチウム、ブチルナトリウム、フェニルナトリ
ウム、ブチルマグネシウムハライド、フェニルマグネシ
ウムハライド、リチウムジイソプロピイルアミドなどで
ある。
トは、例えば、前述の本発明者らが見出した方法により
製造することができる。この反応は、ポリフルオロアル
コラートに強塩基を作用させるものであるが、強塩基と
しては、アルキル金属、アリール金属、金属ジアルキル
アミド、金属ビストリアルキルシリルアミドなどが挙げ
られ、具体的には、メチルリチウム、ブチルリチウム、
フェニルリチウム、ブチルナトリウム、フェニルナトリ
ウム、ブチルマグネシウムハライド、フェニルマグネシ
ウムハライド、リチウムジイソプロピイルアミドなどで
ある。
【0015】反応は、有機媒体中で行なわれるが、有機
媒体としては、用いる塩基に不活性な媒体であればよ
く、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエー
テル類、ヘキサンなどの炭化水素、ベンゼンなどが挙げ
られる。
媒体としては、用いる塩基に不活性な媒体であればよ
く、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエー
テル類、ヘキサンなどの炭化水素、ベンゼンなどが挙げ
られる。
【0016】反応温度は、−80℃〜50℃の範囲が好
ましく、室温程度がより推奨される。また、用いる塩基
は、当量で十分であるが、若干過剰量を用いてもさしつ
かえない。
ましく、室温程度がより推奨される。また、用いる塩基
は、当量で十分であるが、若干過剰量を用いてもさしつ
かえない。
【0017】以上のようにして得られた本発明の原料で
あるポリフルオロエノラートに、アルキル金属またはア
リール金属を付加脱離反応させることにより、新たなポ
リフルオロエノラートを製造できる。
あるポリフルオロエノラートに、アルキル金属またはア
リール金属を付加脱離反応させることにより、新たなポ
リフルオロエノラートを製造できる。
【0018】本発明の反応は、上述の原料であるポリフ
ルオロエノラートの製造に続けて連続的に実施すること
が可能である。本発明の反応は、有機媒体中で行なわれ
るが、有機媒体としては、用いるアルキル金属またはア
リール金属に不活性な媒体であればよく、ジエチルエー
テル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ヘキサン
などの炭化水素、ベンゼンなどが挙げられる。
ルオロエノラートの製造に続けて連続的に実施すること
が可能である。本発明の反応は、有機媒体中で行なわれ
るが、有機媒体としては、用いるアルキル金属またはア
リール金属に不活性な媒体であればよく、ジエチルエー
テル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ヘキサン
などの炭化水素、ベンゼンなどが挙げられる。
【0019】本発明で使用されるアルキル金属またはア
リール金属としては、メチルリチウム、ブチルリチウ
ム、フェニルリチウム、ブチルナトリウム、フェニルナ
トリウム、ブチルマグネシウムハライド、フェニルマグ
ネシウムハライドなどが挙げられる。
リール金属としては、メチルリチウム、ブチルリチウ
ム、フェニルリチウム、ブチルナトリウム、フェニルナ
トリウム、ブチルマグネシウムハライド、フェニルマグ
ネシウムハライドなどが挙げられる。
【0020】反応温度は、−10℃〜100℃が好まし
く、室温から50℃がさらに好ましい。本発明により得
られるエノラートは、そのままエステルあるいはエーテ
ルに変換でき、塩化水素により遊離するエノールは、Z
h.Org.Khim.,11,1604(197
5),12,1377,1379(1976),13,
1582(1977)に従い、種々の誘導体とすること
ができる。
く、室温から50℃がさらに好ましい。本発明により得
られるエノラートは、そのままエステルあるいはエーテ
ルに変換でき、塩化水素により遊離するエノールは、Z
h.Org.Khim.,11,1604(197
5),12,1377,1379(1976),13,
1582(1977)に従い、種々の誘導体とすること
ができる。
【0021】また、一般のエノラートと同様に、ケトン
類あるいはアルデヒド類とアルドール反応を行なわせる
ことができる。このように、本発明により得られるエノ
ラートを用い、医農薬中間体などとして有用である多様
な含フッ素新規化合物を得ることが可能である。
類あるいはアルデヒド類とアルドール反応を行なわせる
ことができる。このように、本発明により得られるエノ
ラートを用い、医農薬中間体などとして有用である多様
な含フッ素新規化合物を得ることが可能である。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例にもとづいてより詳細
に説明する。参考例1 温度計、ラバーセプタム、冷却管を装着した、乾燥した
20ml3ツ口フラスコに、窒素雰囲気下に、ヘキサフ
ルオロ−2−プロパノール0.84g(5mmol)、
テトラヒドロフラン5mlを注射器により注入し、ドラ
イアイス−アセトン浴で−78℃に冷却した。−75℃
以下でn−ブチルリチウムの1.6M−ヘキサン溶液
6.8ml(10.9mmol)を注射器を用い、5分
間で滴下した。滴下終了後、ドライアイス−アセトン浴
を水浴に変え、必要があれば氷を加えて0℃で1時間反
応させた。反応後、ベンゾイルクロリド0.84g(6
mmol)を加え、室温で30分攪拌した。ベンゾトリ
フルオリドを内部標準に19F−NMRを測定し、ペンタ
フルオロ−2−プロペニルベンゾエートが99.2%の
収率で生成していることを確認した。
に説明する。参考例1 温度計、ラバーセプタム、冷却管を装着した、乾燥した
20ml3ツ口フラスコに、窒素雰囲気下に、ヘキサフ
ルオロ−2−プロパノール0.84g(5mmol)、
テトラヒドロフラン5mlを注射器により注入し、ドラ
イアイス−アセトン浴で−78℃に冷却した。−75℃
以下でn−ブチルリチウムの1.6M−ヘキサン溶液
6.8ml(10.9mmol)を注射器を用い、5分
間で滴下した。滴下終了後、ドライアイス−アセトン浴
を水浴に変え、必要があれば氷を加えて0℃で1時間反
応させた。反応後、ベンゾイルクロリド0.84g(6
mmol)を加え、室温で30分攪拌した。ベンゾトリ
フルオリドを内部標準に19F−NMRを測定し、ペンタ
フルオロ−2−プロペニルベンゾエートが99.2%の
収率で生成していることを確認した。
【0023】0.5Nの塩酸を加え、酢酸エチルで2回
抽出した後、飽和食塩水で洗浄した。洗浄液をさらに酢
酸エチルで抽出し、抽出液を合わせて硫酸マグネシウム
で乾燥した。濾過後、蒸留して46〜48℃/5mmH
gの留分を集め、純粋なペンタフルオロ−2−プロペニ
ルベンゾエート1.11g(収率88.1%)を得た。
抽出した後、飽和食塩水で洗浄した。洗浄液をさらに酢
酸エチルで抽出し、抽出液を合わせて硫酸マグネシウム
で乾燥した。濾過後、蒸留して46〜48℃/5mmH
gの留分を集め、純粋なペンタフルオロ−2−プロペニ
ルベンゾエート1.11g(収率88.1%)を得た。
【0024】19F−NMR(δCF3CO2H,nea
t) 10.7(CF3,d,d)、6.5(F−tran
s,q,d)、15.0(F−cis,q,d)、JC
F3−F−trans=7.9Hz、JCF3−F−ci
s=17.9Hz、JF−F=27.3Hz1 H−NMR(CDCl3) 7.4−8.3(Ar)実施例1 n−ブチルリチウムを3当量用い、室温で4時間反応さ
せ、ベンゾイルクロリドに変えてアセチルクロリドを用
いる他は参考例1と同様にして、テトラフルオロ−2−
ヘプテン−2−イルアセテート0.8g(b.p.79
−80℃/30mmHg、収率70.5%)を得た。
t) 10.7(CF3,d,d)、6.5(F−tran
s,q,d)、15.0(F−cis,q,d)、JC
F3−F−trans=7.9Hz、JCF3−F−ci
s=17.9Hz、JF−F=27.3Hz1 H−NMR(CDCl3) 7.4−8.3(Ar)実施例1 n−ブチルリチウムを3当量用い、室温で4時間反応さ
せ、ベンゾイルクロリドに変えてアセチルクロリドを用
いる他は参考例1と同様にして、テトラフルオロ−2−
ヘプテン−2−イルアセテート0.8g(b.p.79
−80℃/30mmHg、収率70.5%)を得た。
【0025】E/Z=72/28 元素分析 C9H12F4O2 計算値 C:47.37%、H:5.30% 分析値 C:47.56%、H:5.35%19 F−NMR E体:12.6(CF3,d)、40.7(F,m)、
JCF3−F=16.6Hz Z体:13.7(CF3,d)、26.0(F,m)、
JCF3−F=8.5Hz1 H−NMR E,Z混合物:2.20(s,3H)、0.96(t,
3H)、1.50(m,6H)実施例2〜5、参考例2 反応温度および反応時間を変化させた以外は実施例1と
同様に操作して、蒸留後の収率および19F−NMRによ
る異性体比を表1に示す。
JCF3−F=16.6Hz Z体:13.7(CF3,d)、26.0(F,m)、
JCF3−F=8.5Hz1 H−NMR E,Z混合物:2.20(s,3H)、0.96(t,
3H)、1.50(m,6H)実施例2〜5、参考例2 反応温度および反応時間を変化させた以外は実施例1と
同様に操作して、蒸留後の収率および19F−NMRによ
る異性体比を表1に示す。
【0026】
【表1】 実施例6 参考例1と同様に操作してリチウムペンタフルオロ−2
−プロペノラートを発生させ、2.5mlの2M−フェ
ニルリチウムのシクロヘキサン−エーテル溶液を加え、
室温で一夜攪拌した後、アセチルクロリド0.47g
(6mmol)を加えた。30分間攪拌後、同様の後処
理をし、シリカゲルカラム(溶出液:酢酸エチル−ヘキ
サン=10:1)により精製して1−フェニルテトラフ
ルオロ−2プロペニルアセテート0.78g(収率6
6.2%)を得た。
−プロペノラートを発生させ、2.5mlの2M−フェ
ニルリチウムのシクロヘキサン−エーテル溶液を加え、
室温で一夜攪拌した後、アセチルクロリド0.47g
(6mmol)を加えた。30分間攪拌後、同様の後処
理をし、シリカゲルカラム(溶出液:酢酸エチル−ヘキ
サン=10:1)により精製して1−フェニルテトラフ
ルオロ−2プロペニルアセテート0.78g(収率6
6.2%)を得た。
【0027】E/Z=68/32 元素分析 C10H9F5O2 計算値 C:53.24%、H:3.25% 分析値 C:53.50%、H:3.38%実施例7 0.24gのマグネシウム(10mmol)および1.
25gのブロモベンゼン(8mmol)より調製したフ
ェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液
をフェニルリチウムに変えて用い、50℃で24時間反
応させた以外は実施例6と同様に操作し、カラム処理に
より1−フェニルテトラフルオロ−2−プロペニルアセ
テートを48%(E/Z=87/13)、ペンタフルオ
ロ−2−プロペニルアセテートを24%の収率でそれぞ
れ得た。
25gのブロモベンゼン(8mmol)より調製したフ
ェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液
をフェニルリチウムに変えて用い、50℃で24時間反
応させた以外は実施例6と同様に操作し、カラム処理に
より1−フェニルテトラフルオロ−2−プロペニルアセ
テートを48%(E/Z=87/13)、ペンタフルオ
ロ−2−プロペニルアセテートを24%の収率でそれぞ
れ得た。
【0028】19F−NMR E体:12.3(CF3,d)、43.3(F,q)、
JCF3−F=15.0Hz Z体:13.7(CF3,d)、15.3(F,q)、
JCF3−F=7.5Hz1 H−NMR E体:2.20(CH3,s,3H)、7.0−7.7
(Ar,5H) Z体:2.13(CH3,s,3H)、7.5−7.6
(Ar,5H)実施例8 0.24gのマグネシウム(10mmol)および0.
87gのブロモエタン(8mmol)を用いて調製した
エチルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液
を用い、実施例7と同様に50℃で24時間反応させ
た。ベンゾイルクロリドによりエステル化した後、同様
に処理しテトラフルオロ−2−ペンテン−2−イルベン
ゾエートを67.7%(E/Z=70.3/29.
7)、ペンタフルオロ−2−プロペニルベンゾエートを
11.5%の収率で得た。
JCF3−F=15.0Hz Z体:13.7(CF3,d)、15.3(F,q)、
JCF3−F=7.5Hz1 H−NMR E体:2.20(CH3,s,3H)、7.0−7.7
(Ar,5H) Z体:2.13(CH3,s,3H)、7.5−7.6
(Ar,5H)実施例8 0.24gのマグネシウム(10mmol)および0.
87gのブロモエタン(8mmol)を用いて調製した
エチルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液
を用い、実施例7と同様に50℃で24時間反応させ
た。ベンゾイルクロリドによりエステル化した後、同様
に処理しテトラフルオロ−2−ペンテン−2−イルベン
ゾエートを67.7%(E/Z=70.3/29.
7)、ペンタフルオロ−2−プロペニルベンゾエートを
11.5%の収率で得た。
【0029】19F−NMR E体:11.6(CF3,t,d)、42.0(F,
q,t)、JCF3−F=16.6Hz、JF−CH2=
18.8Hz Z体:13.0(CF3,t,d)、28.0(F,
q,t)、JCF3−F=8.5Hz、JF−CH2=2
1.6Hz
q,t)、JCF3−F=16.6Hz、JF−CH2=
18.8Hz Z体:13.0(CF3,t,d)、28.0(F,
q,t)、JCF3−F=8.5Hz、JF−CH2=2
1.6Hz
【0030】
【発明の効果】本発明により、含フッ素化合物の合成中
間体として有用なポリフルオロエノラートを容易に、か
つ、高収率で製造することができる。
間体として有用なポリフルオロエノラートを容易に、か
つ、高収率で製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 69/65
Claims (2)
- 【請求項1】一般式 【化1】R1CY=CR2OM (Mは、リチウム、マグネシウム、亜鉛、ホウ素、アル
ミニウム、チタン、スズの一価のカチオンである。R1
は、Fまたはペルフルオロアルキル基であり、R2は、
ペルフルオロアルキル基である。Yは、F、Clまたは
Brである。)で示されるポリフルオロエノラートに、
アルキル金属またはアリール金属を反応させることを特
徴とする一般式 【化2】R1R3C=CR2OM (Mは、リチウム、マグネシウム、亜鉛、ホウ素、アル
ミニウム、チタン、スズの一価のカチオンである。R1
は、Fまたはペルフルオロアルキル基であり、R2は、
ペルフルオロアルキル基である。R3は、アルキル基ま
たはアリール基であって不活性な置換基を有していても
よい。)で示されるポリフルオロエノラートの製造法。 - 【請求項2】ポリフルオロエノラートがペンタフルオロ
−2−プロペノラートである特許請求の範囲第1項記載
のポリフルオロエノラートの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20169993A JPH0811740B2 (ja) | 1993-08-13 | 1993-08-13 | ポリフルオロエノラートの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20169993A JPH0811740B2 (ja) | 1993-08-13 | 1993-08-13 | ポリフルオロエノラートの製造法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61236233A Division JPH0627084B2 (ja) | 1986-10-06 | 1986-10-06 | ポリフルオロエノラ−トの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06157381A JPH06157381A (ja) | 1994-06-03 |
JPH0811740B2 true JPH0811740B2 (ja) | 1996-02-07 |
Family
ID=16445457
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20169993A Expired - Fee Related JPH0811740B2 (ja) | 1993-08-13 | 1993-08-13 | ポリフルオロエノラートの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0811740B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5666408B2 (ja) | 2011-01-28 | 2015-02-12 | 信越化学工業株式会社 | レジスト組成物、及びこれを用いたパターン形成方法 |
-
1993
- 1993-08-13 JP JP20169993A patent/JPH0811740B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06157381A (ja) | 1994-06-03 |
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