JP3367054B2 - exo−3−アリルノルカンファーの製造法 - Google Patents

exo−3−アリルノルカンファーの製造法

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JP3367054B2 JP29418092A JP29418092A JP3367054B2 JP 3367054 B2 JP3367054 B2 JP 3367054B2 JP 29418092 A JP29418092 A JP 29418092A JP 29418092 A JP29418092 A JP 29418092A JP 3367054 B2 JP3367054 B2 JP 3367054B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬中間体として有用
なexo−3−アリルノルカンファーの製造法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ノルカンファーをエキソ選択的にアリル
化してexo−3−アリルノルカンファーを製造する方
法としては、ノルカンファーにリチウムジイソプロピル
アミドを作用させて、リチウムエノレートを生成させ、
これを臭化アリルと反応させる方法がTetrahedron Let
t., 21, 1897(1980) に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、反応温度に−78℃といった極低温を必要と
し、また、危険性の高いリチウムジイソプロピルアミド
を使用しなければならないといった問題点があり、工業
的には必ずしも満足し得る方法とは言い難い。
【0004】本発明の目的は、リチウムジイソプロピル
アミドの使用を回避し、かつ、低温反応を必要としない
ノルカンファーのエキソ選択的アリル化方法の提供にあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ノ
ルカンファーとリチウムアミドを反応させ、次いでハロ
ゲン化アリルと反応させることを特徴とする式(I) で示されるexo−3−アリルノルカンファーの製造法
を提供するものである。
【0006】本発明で原料に用いられるノルカンファー
は、ラセミ体、光学活性体のいずれでもよく、光学活性
体を用いる場合には、原料のノルカンファーの光学純度
の低下を伴うことなく、アリル化を行うことができる。
【0007】本発明では、ノルカンファーと反応してエ
ノレートを生成させる塩基としてリチウムアミドが使用
される。このことが本発明の特徴であり、ケトン類と反
応してエノレートを発生させ得るその他の塩基、例え
ば、カリウムt−ブトキシド、水素化ナトリウム、ナト
リウムアミド等の塩基では、アリル化の際のエキソ選択
性はなく、生成物のアリルノルカンファーはエキソ体お
よびエンド体の混合物となる。
【0008】本発明において、リチウムアミドの使用量
は、原料のノルカンファーに対して1当量以上、上限に
ついては特に制限されないが、好ましくは、1.1〜3
当量の範囲で使用される。
【0009】アリル化剤としては、臭化アリルまたはヨ
ウ化アリル等のハロゲン化アリルが用いられ、その使用
量は、原料のノルカンファーに対して1当量以上である
が、必要以上に使用すると生成物のアリルノルカンファ
ーがさらにアリル化された3,3−ジアリルノルカンフ
ァーが副生し、目的とするexo−3−アリルノルカン
ファーの収量が低下するので、通常、1〜2当量の範囲
で使用することが好ましい。
【0010】反応溶媒としては、反応に影響を与えない
溶媒であれば特に制限されず、そのような溶媒として
は、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエー
テル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類の単
独もしくは混合物が例示される。これらのなかでも、エ
ーテル類もしくはエーテル類と炭化水素類の混合物が特
に好ましく用いられる。これらの溶媒の使用量は、特に
制限されない。
【0011】反応温度は、通常、20〜150℃、好ま
しくは50〜100℃の範囲である。
【0012】反応時間は、反応温度により影響を受け、
特に制限されないが、通常、3時間以内である。反応終
了は、原料のノルカンファーの消失をもって決定する
が、ノルカンファー消失後にさらに反応時間を延長する
と生成物のexo−3−アリルノルカンファーが過剰の
リチウムアミドによりendo−3−アリルノルカンフ
ァーへ異性化する副反応が起きるので、原料のノルカン
ファーの消失確認後、冷却もしくは水の注入により直ち
に反応を停止することが好ましい。
【0013】反応終了後、通常の後処理操作、例えば、
抽出、分液、濃縮等の操作を行うことにより、目的のe
xo−3−アリルノルカンファーを得ることができる。
このものは、必要に応じ蒸留等により精製することがで
きる。
【0014】
【発明の効果】本発明により、医薬中間体として有用な
exo−3−アリルノルカンファーが、工業的に有利に
製造することができる。この化合物は、例えば、J. Me
d. Chem.,31, 1847(1988)に記載のトロンボキサンA2
受容体拮抗剤の中間体として、好適に利用することがで
きる。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
【0016】実施例1 撹拌装置、温度計、滴下ロートおよびコンデンサーを装
着した4つ口フラスコに(±)−ノルカンファー11.
0gを仕込み、テトラヒドロフラン80mlを加え、溶
解した後、室温でリチウムアミド4.3gおよび臭化ア
リル14.5gを加えた。この混合物を65℃まで昇温
し、同温で1時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に
水40mlを注入し、室温まで冷却した後、トルエン8
0mlを加え、抽出、分液した。有機層を水、飽和食塩
水の順で洗浄した後、減圧濃縮して、黄色油状物15.
1gを得た。このものをガスクロマトグラフィーにより
分析したところ、91.1%がexo−3−アリルノル
カンファー、2.5%がendo−3−アリルノルカン
ファーであることが確認された。この粗生成物を減圧蒸
留し、純度99.0%のexo−3−アリルノルカンフ
ァー11.7gを無色油状物として得た。沸点94−9
6℃/12mmHg。
【0017】実施例2 撹拌装置、温度計、滴下ロートおよびコンデンサーを装
着した4つ口フラスコに(1S,4R)−ノルカンファ
ー(光学純度99.2%ee)11.0gを仕込み、テ
トラヒドロフラン80mlを加え、溶解した後、室温で
リチウムアミド4.3gを加えた。この混合物を65℃
まで昇温し、同温で臭化アリル14.5gを30分間か
けて滴下し、滴下後、30分間撹拌した。反応終了後、
反応混合物に水40mlを注入し、室温まで冷却した
後、トルエン80mlを加え、抽出、分液した。有機層
を水、飽和食塩水の順で洗浄した後、減圧濃縮して、黄
色油状物15.3gを得た。このものをガスクロマトグ
ラフィーにより分析したところ、92.4%がexo−
3−アリルノルカンファー、1.6%がendo−3−
アリルノルカンファーであることが確認された。この粗
生成物を減圧蒸留し、純度99.2%のexo−3−ア
リルノルカンファー(1S,3S,4R体、光学純度9
9.2%ee)13.1gを無色油状物として得た。沸
点94−96℃/12mmHg。
【0018】実施例3 撹拌装置、温度計、滴下ロートおよびコンデンサーを装
着した4つ口フラスコに(±)−ノルカンファー11.
0gを仕込み、テトラヒドロフラン40mlおよびトル
エン40mlを加え、溶解した後、室温でリチウムアミ
ド4.3gを加え、1時間撹拌した後、臭化アリル1
4.5gを加えた。この混合物を70℃まで昇温し、同
温で1.5時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に水
40mlを注入し、室温まで冷却した後、分液した。有
機層を水、飽和食塩水の順で洗浄した後、減圧濃縮し
て、黄色油状物14.9gを得た。このものをガスクロ
マトグラフィーにより分析したところ、91.6%がe
xo−3−アリルノルカンファー、3.3%がendo
−3−アリルノルカンファーであることが確認された。
この粗生成物を減圧蒸留し、純度98.9%のexo−
3−アリルノルカンファー11.1gを無色油状物とし
て得た。沸点94−96℃/12mmHg。
【0019】比較例1 撹拌装置、温度計、滴下ロートおよびコンデンサーを装
着した4つ口フラスコにジイソプロピルアミン11.1
gおよびテトラヒドロフラン100mlを仕込み、−7
8℃に冷却した後、−78〜−70℃で2.5Mブチル
リチウム/ヘキサン溶液44mlを滴下し、滴下後、同
温で1時間撹拌した。得られたリチウムジイソプロピル
アミド溶液に、−78〜−70℃で(±)−ノルカンフ
ァー11.0gとテトラヒドロフラン40mlの混合物
を滴下し、滴下後、同温で2時間撹拌し、さらに同温で
臭化アリル13.3gを滴下し、滴下後、同温で3時間
撹拌した。反応終了後、反応混合物中に5%塩酸水10
0mlを注入し、室温まで昇温した。トルエン100m
lを加え、抽出、分液した後、有機層を水、飽和食塩水
で洗浄し、減圧濃縮して、黄色油状物15.0gを得
た。このものをガスクロマトグラフィーにより分析した
ところ、92.1%がexo−3−アリルノルカンファ
ー、3.2%がendo−3−アリルノルカンファーで
あることが確認された。
【0020】比較例2 撹拌装置、温度計、滴下ロートおよびコンデンサーを装
着した4つ口フラスコにジイソプロピルアミン11.1
gおよびテトラヒドロフラン100mlを仕込み、−7
8℃に冷却した後、−78〜−70℃で2.5Mブチル
リチウム/ヘキサン溶液44mlを滴下し、滴下後、同
温で1時間撹拌した。得られたリチウムジイソプロピル
アミド溶液に、−78〜−70℃で(±)−ノルカンフ
ァー11.0gとテトラヒドロフラン40mlの混合物
を滴下し、滴下後、室温まで昇温し、2時間撹拌した。
次いで、臭化アリル13.3gを室温で滴下し、滴下
後、同温で2時間攪拌した。反応終了後、反応混合物中
に5%塩酸水100mlを注入し、トルエン100ml
を加え、抽出、分液した後、有機層を水、飽和食塩水で
洗浄し、減圧濃縮して、黄色油状物15.3gを得た。
このものをガスクロマトグラフィーにより分析したとこ
ろ、42.1%がexo−3−アリルノルカンファー、
53.2%がendo−3−アリルノルカンファーであ
ることが確認された。
【0021】比較例3 撹拌装置、温度計、滴下ロートおよびコンデンサーを装
着した4つ口フラスコに(±)−ノルカンファー11.
0gを仕込み、テトラヒドロフラン80mlを加え、溶
解した後、室温でカリウムt−ブトキシド22.4gお
よび臭化アリル14.5gを加えた。この混合物を65
℃まで昇温し、同温で1時間撹拌した。反応終了後、反
応混合物に水40mlを注入し、室温まで冷却した後、
トルエン80mlを加え、抽出、分液した。有機層を
水、飽和食塩水の順で洗浄した後、減圧濃縮して、黄色
油状物15.1gを得た。このものをガスクロマトグラ
フィーにより分析したところ、37.2%がexo−3
−アリルノルカンファー、43.0%がendo−3−
アリルノルカンファーであることが確認された。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−135881(JP,A) 特開 平6−40956(JP,A) 特開 平5−51345(JP,A) 特開 昭62−240641(JP,A) 特開 昭60−19738(JP,A) 特開 昭56−97244(JP,A) Tetrahedron Lette rs,1980年,Vol.21,1897−1900 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 49/653 C07C 45/68

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ノルカンファーとリチウムアミドを反応さ
    せ、次いでハロゲン化アリルと反応させることを特徴と
    する式(I) で示されるexo−3−アリルノルカンファーの製造
    法。
  2. 【請求項2】反応温度が20〜150℃である請求項1
    記載の製造法。
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Tetrahedron Letters,1980年,Vol.21,1897−1900

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