JPH061196A - エアバッグ装置を備えたステアリングホイール - Google Patents

エアバッグ装置を備えたステアリングホイール

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JPH061196A
JPH061196A JP5011950A JP1195093A JPH061196A JP H061196 A JPH061196 A JP H061196A JP 5011950 A JP5011950 A JP 5011950A JP 1195093 A JP1195093 A JP 1195093A JP H061196 A JPH061196 A JP H061196A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エアバッグ装置の作動時におけるエネルギー
吸収の他に、さらに、衝撃力のエネルギー吸収を図るこ
とができるステアリングホイールを提供すること。 【構成】 エアバッグ装置M2は、左右側部の2箇所で
相互に傾斜して配置された連結部47を備えるととも
に、連結部47に連結されてステアリングホイールの芯
金1に固定されるブラケット50によって、支持され
る。ブラケット50と連結部47とは、両者の連結部位
を中心としてエアバッグ装置M2を前後方向に回動可能
な塑性変形する材料から形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車に装着され
る、エアバッグ装置を備えたステアリングホイールに関
する。
【0002】なお、本明細書では、上下方向とは、ステ
アリングホイールを自動車に装着させるステアリングシ
ャフトに沿う方向の上下方向をいい、また、前後方向と
は、ステアリングホイールを装着させる自動車の前後方
向と同じ方向をいうものとする。
【0003】
【従来の技術とその課題】従来、エアバッグ装置を備え
たステアリングホイールでは、衝撃力の作用時、エアバ
ッグ装置の上面側を略鉛直方向に回転させるものとし
て、実開平2−66368号公報に記載されているもの
が知られている。
【0004】しかしながら、従来のステアリングホイー
ルでは、単にエアバッグ装置が回動可能に支持されてい
るだけであり、衝撃力を吸収する点で不十分であった。
【0005】この発明は、上述の課題を解決するもので
あり、エアバッグ装置の作動時におけるエネルギー吸収
の他に、さらに、衝撃力のエネルギー吸収を図ることが
できるステアリングホイールを提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係るステアリ
ングホイールは、上部にエアバッグ装置が配置されるエ
アバッグ装置を備えたステアリングホイールであって、
前記エアバッグ装置が、左右側部の2箇所で相互に傾斜
して配置された連結部を備えるとともに、該連結部に連
結されて前記ステアリングホイールの芯金に固定される
ブラケットによって、支持され、前記ブラケットと前記
連結部との少なくとも一方が、両者の連結部位を中心と
して前記エアバッグ装置を前後方向に回動可能な塑性変
形する材料から形成されていることを特徴とする。
【0007】
【発明の作用・効果】この発明に係るステアリングホイ
ールでは、ブラケットと連結部との少なくとも一方が、
両者の連結部位を中心としてエアバッグ装置を前後方向
に回動可能な塑性変形する材料から形成されている。
【0008】そのため、エアバッグ装置の上面側に衝撃
力が作用した際、ブラケットと連結部との一方が塑性変
形して、エアバッグ装置が、その上面側を略鉛直方向に
回転させることとなる。
【0009】したがって、この発明に係るステアリング
ホイールでは、エアバッグ装置の作動時におけるエネル
ギー吸収の他に、ブラケットと連結部との少なくとも一
方の塑性変形により、衝撃力のエネルギーを吸収するこ
とが可能となり、衝撃力に対するエネルギー吸収量を増
加させることができる。
【0010】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。
【0011】第1実施例のステアリングホイールW1
は、図1・2・4に示すように、リング部Rと、リング
部Rの中央に配置されるボス部Bと、リング部Rとボス
部Bとを連結する四本のスポーク部Sと、を備えて構成
されている。
【0012】このステアリングホイールW1は、リング
部Rに配置される芯金2と、各スポーク部Sに配置され
る芯金3と、ボス部Bに配置される芯金4と、から構成
されるステアリングホイール芯金1を備えている。ボス
部芯金4は、ステアリングシャフト30と接続されるボ
ス5と、ボス5の周囲に配置されるボスプレート6と、
からなる。そして、リング部芯金2とスポーク部芯金3
のリング部R側との周囲には、ウレタン等の軟質合成樹
脂製の被覆層7が配設されている。また、実施例の場
合、リング部芯金2とボス5とが鋼製とし、スポーク部
芯金3とボスプレート6とがアルミニウム合金等からな
るダイカスト金属から形成され、スポーク部芯金3とボ
スプレート6との鋳造時、リング部芯金2とボス5とが
一体的に鋳込まれて、ステアリングホイール芯金1が形
成されている。
【0013】また、ボスプレート6には、後述するブラ
ケット20をボルト9止めする取付孔6aが四箇所に形
成されている。
【0014】エアバッグ装置M1は、図2に示すよう
に、ステアリングホイールW1におけるボス部Bの上部
に配置されている。このエアバッグ装置M1は、折り畳
まれて収納され、所定時拡開するエアバッグ10と、エ
アバッグ10にガスを供給するインフレーター11と、
折り畳まれたエアバッグ10の周囲を覆うパッド12
と、エアバッグ10・インフレーター11・パッド12
を保持するバッグホルダ13と、から構成されている。
【0015】バッグホルダ13は、底壁部14にインフ
レーター11を挿入させる挿入孔15を備えた略四角箱
形状の鋼板製として、左右両側の側壁部16に、相互に
下狭まりとするように傾斜した連結部17が形成され、
これらの連結部17に、それぞれ、ナット19を溶接し
て構成された連結孔18が形成されている。
【0016】なお、パッド12は、エアバッグ10の拡
開時に破断できるよう、上面に、薄肉の破断予定部12
aが形成されている。
【0017】エアバッグ装置M1は、ステアリングホイ
ール芯金1のボスプレート6に固定されるブラケット2
0によって、ボスプレート6に対して上下方向に間隔H
を空けて支持されている。
【0018】このブラケット20は、塑性変形可能な鋼
板等の金属板から形成され、図2・3に示すように、底
壁部21と、底壁部21の左右両縁から上方へ延びる側
壁部23・23と、を備える略U字形に形成されてい
る。
【0019】底壁部21には、ボスプレート6の取付孔
6aに対応した取付孔22が四箇所に形成されている。
【0020】各側壁部23には、座屈し易いように、上
下方向の略中間部位に屈曲部24が形成されるととも
に、上部に、エアバッグ装置M1におけるバッグホルダ
13の連結部17に当接可能な傾斜支持部25が形成さ
れている。そして、これらの傾斜支持部25には、バッ
グホルダ13の各連結孔18に対応して、連結孔26が
形成されている。
【0021】第1実施例のステアリングホイールW1に
おいて、エアバッグ装置M1を取り付ける態様について
説明すると、まず、各取付孔22と各取付孔6aとを一
致させ、ボルト9を利用して、ブラケット20をステア
リングホイール芯金1のボスプレート6に固定する。
【0022】その後、バッグホルダ13の左右の連結部
17をブラケット20の各傾斜支持部25に当接させ、
ボルト27を、それぞれ、ロアカバー8の挿入孔8aか
ら連結孔26に挿入し、バッグホルダ13の連結孔18
のナット19に螺合させれば、エアバッグ装置M1を、
ステアリングホイール芯金1のボスプレート6に対し
て、上下方向の間隔Hを空けて配置させることができ
る。
【0023】なお、8は、硬質合成樹脂製のロアカバー
であり、エアバッグ装置M1を取り付ける前に、ボスプ
レート6等に予めねじ止めしておくものである。また、
ステアリングホイールW1をステアリングシャフト30
にナット31止めする場合には、エアバッグ装置M1を
ブラケット20に支持させる前に、予め、ナット31止
め作業を行なっておく。
【0024】このようにしてステアリングホイールW1
を車両に装着し、パッド12の破断予定部12aを破断
させてエアバッグ10が拡開した後、エアバッグ装置M
1の上面側に対して水平方向に衝撃力Fが作用した際に
は、図5に示すように、ブラケット20が塑性変形して
いく。
【0025】すなわち、まず、バッグホルダ13の各連
結部17が、ブラケット20の相互の傾斜支持部25を
押し広げてねじるように塑性変形させ、エアバッグ装置
M1が、各ボルト27の締結部位を中心に、回転し、エ
アバッグ装置M1の上面側を略鉛直方向に配置させる。
【0026】したがって、この第1実施例のステアリン
グホイールW1では、エアバッグ装置M1の作動時にお
けるエネルギー吸収の他に、ブラケット20の傾斜支持
部25の塑性変形により、衝撃力Fのエネルギーを吸収
することが可能となり、衝撃力Fに対するエネルギー吸
収量を増加させることができる。
【0027】なお、第1実施例のステアリングホイール
W1では、その後、さらに衝撃力Fが加わると、図6に
示すように、屈曲部24がさらに屈曲して、ブラケット
20の各側壁部23が座屈変形し、エアバッグ装置M1
が、ステアリングホイール芯金1のボスプレート6に規
制されるまで、移動することとなることから、ブラケッ
ト20の座屈変形により、一層、衝撃力Fに対するエネ
ルギー吸収量を増加させることができる。
【0028】つぎに、図7・8・10に示す第2実施例
のステアリングホイールW2について説明すると、この
ステアリングホイールW2は、エアバッグ装置M2が前
後方向に回転する際、ブラケット50とともに、エアバ
ッグ装置M2の連結部47も塑性変形させるように構成
したものである。なお、図7・8・10において、第1
実施例のステアリングホイールW1と同様な部材には、
同一符号を付してある。
【0029】このエアバッグ装置M2は、第1実施例と
同様に、折り畳まれて収納され、所定時拡開するエアバ
ッグ10と、エアバッグ10にガスを供給するインフレ
ーター11と、折り畳まれたエアバッグ10の周囲を覆
うパッド12と、エアバッグ10・インフレーター11
・パッド12を保持するバッグホルダ13と、から構成
されている。
【0030】バッグホルダ13は、底壁部14にインフ
レーター11を挿入させる挿入孔15を備えた略四角箱
形状の鋼板製として、左右両側の側壁部16に、相互に
下狭まりとするように傾斜した連結部47が形成されて
いる。これらの連結部47は、側壁部16を挿通して底
壁部14に溶接される接合部47aを備えた断面略L字
形の塑性変形可能な鋼板等の金属板から形成され、これ
らの連結部47に、それぞれ、ナット19を溶接して構
成された連結孔48が形成されている。
【0031】そして、このエアバッグ装置M2は、ステ
アリングホイール芯金1のボスプレート6に固定される
ブラケット50によって、ボスプレート6に対して上下
方向に間隔Hを空けて支持されている。
【0032】このブラケット50は、塑性変形可能な鋼
板等の金属板から形成され、図8・9に示すように、底
壁部51と、底壁部51の左右両縁から上方へ延びる側
壁部53・53と、を備える略U字形に形成されてい
る。
【0033】底壁部51には、ボスプレート6の取付孔
6aに対応した取付孔52が四箇所に形成されている。
【0034】各側壁部53には、上下方向の略中間部位
に屈曲部54が形成されるとともに、上部に、エアバッ
グ装置M2におけるバッグホルダ13の連結部47に当
接可能な傾斜支持部55が形成され、これらの傾斜支持
部55には、バッグホルダ13の各連結孔48に対応し
て、連結孔56が形成されている。
【0035】この第2実施例のステアリングホイールW
2は、第1実施例と同様に組付けて車両に装着すること
ができ、装着後において、パッド12の破断予定部12
aを破断させてエアバッグ10が拡開した後、エアバッ
グ装置M2の上面側に対して水平方向に衝撃力Fが作用
した際には、図11に示すように、ブラケット50と連
結部47とが塑性変形していく。
【0036】すなわち、まず、バッグホルダ13の各連
結部47とブラケット50の傾斜支持部55との連結部
位周囲が、ねじられるように塑性変形して、エアバッグ
装置M2が、各ボルト27の締結部位を中心に、回転
し、エアバッグ装置M2の上面側を略鉛直方向に配置さ
せる。
【0037】そのため、この第2実施例のステアリング
ホイールW2においても、エアバッグ装置M2の作動時
におけるエネルギー吸収の他に、ブラケット50の傾斜
支持部55と連結部47との塑性変形により、衝撃力F
のエネルギーを吸収することが可能となり、衝撃力Fに
対するエネルギー吸収量を増加させることができること
となる。
【0038】さらに、第2実施例のステアリングホイー
ルW2においても、その後、さらに衝撃力Fが加わる
と、図12に示すように、屈曲部54がさらに屈曲し
て、ブラケット50の各側壁部53が座屈変形し、エア
バッグ装置M2が、ステアリングホイール芯金1のボス
プレート6に規制されるまで、移動することとなること
から、ブラケット50の座屈変形により、一層、衝撃力
Fに対するエネルギー吸収量を増加させることができ
る。
【0039】なお、従来例と第1・2実施例との衝撃力
Fが加わった際の、荷重値と、エアバッグ装置が下方へ
落ち込む変形ストロークと、の関係を調べたグラフ図
を、図13に示す。
【0040】このグラフ図から解るように、エネルギー
吸収量は、許容荷重値の下方の面積であることから、第
1・2実施例のステアリングホイールW1・W2では、
衝撃力Fのエネルギーを大きく吸収することができる。
【0041】また、第1・2実施例では、エアバッグ装
置M1・M2をブラケット20・50に支持させる部位
を傾斜させているため、通常時、エアバッグ装置M1・
M2を安定して支持することができ、エアバッグ装置M
1・M2の組付作業も円滑に行なえる。
【0042】なお、ブラケット20・50とバッグホル
ダ13との連結部位17・25・47・55において、
回動中心軸を構成するボルト27等の支持軸の他に、破
断可能なシェアピンを利用して連結し、支持軸とシェア
ピンとの二本ずつでエアバッグ装置M1・M2を支持す
るように構成すれば、シェアピンが破断する分、一層、
衝撃力Fのエネルギー吸収量の増加を望むことができ
る。
【0043】また、第1・2実施例では、エアバッグ装
置M1・M2の連結部位である、バッグホルダ13の連
結孔18・48を、バッグホルダ13における側壁部1
6の前後方向の略中央に配置させた場合を示した。しか
し、エアバッグ装置M1・M2の回転が一層円滑となる
ように、その側壁部16の中央より、前方側に連結孔1
8・48を配置させるようにしても良い。
【0044】さらにまた、第1・2実施例では、ブラケ
ット20・50にエアバッグ装置M1・M2を保持させ
る際、ロアカバー8の挿入孔8aからボルト27を挿入
させる場合を示した。しかし、図14に示すように、予
め、ブラケット50の傾斜支持部55に対し、ボルト2
7を仮保持させるようにしておき、エアバッグ装置M2
の取付作業の作業性を向上させるようにしても良い。
【0045】ちなみに、図14に示すボルト27は、頭
部に凹溝27aが形成され、凹溝27aを利用して、硬
質合成樹脂製の保持ピース58に仮保持されている。保
持ピース58は、略円筒状として、位置決め突起58a
とねじ59とを利用して、傾斜支持部55に固定され、
突起58bを利用してボルト27を係止している。
【0046】さらにまた、第1・2実施例では、断面略
U字形の一つのブラケット20・50でエアバッグ装置
M1・M2を支持する場合を示したが、エアバッグ装置
M1・M2の左右に一つずつ配置するブラケットを利用
して、エアバッグ装置M1・M2を支持するようにして
も良い。
【0047】さらに、衝撃力Fが作用した際、第1実施
例のステアリングホイールW1では、主にブラケット2
0を塑性変形させ、第2実施例のステアリングホイール
W2では、連結部47とブラケット50とを塑性変形さ
せるものを示したが、エアバッグ装置M2の連結部47
側を主に塑性変形させるように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例を示すステアリングホイ
ールの使用態様を示す断面図であり、図4のI−I部位
に対応する。
【図2】同実施例のステアリングホイールの縦断面図で
あり、図4のII−II部位に対応する。
【図3】同実施例に使用するブラケットの斜視図であ
る。
【図4】同実施例のステアリングホイールの平面図であ
る。
【図5】同実施例に衝撃力が作用して、エアバッグ装置
が回転した状態を示す概略図である。
【図6】同実施例に衝撃力が作用して、ブラケットが座
屈した状態を示す概略図である。
【図7】この発明の第2実施例を示すステアリングホイ
ールの使用態様を示す断面図であり、図10のVII −VI
I 部位に対応する。
【図8】同実施例のステアリングホイールの縦断面図で
あり、図10のVIII−VIII部位に対応する。
【図9】同実施例に使用するブラケットの斜視図であ
る。
【図10】同実施例のステアリングホイールの平面図で
ある。
【図11】同実施例に衝撃力が作用して、エアバッグ装
置が回転した状態を示す概略図である。
【図12】同実施例に衝撃力が作用して、ブラケットが
座屈した状態を示す概略図である。
【図13】第1・2実施例と従来例との衝撃力が作用し
た際の、荷重値と変形ストロークとの関係を表したグラ
グ図である。
【図14】第2実施例の変形例を示す部分断面図であ
る。
【符号の説明】
1…ステアリングホイール芯金、 6…ボスプレート、 10…エアバッグ、 13…バッグホルダ、 16…側壁部、 17・47…連結部、 20・50…ブラケット、 23・53…側壁部、 27…(回動中心軸)ボルト、 W1・W2…ステアリングホイール、 M1・M2…エアバッグ装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部にエアバッグ装置が配置されるエア
    バッグ装置を備えたステアリングホイールであって、 前記エアバッグ装置が、左右側部の2箇所で相互に傾斜
    して配置された連結部を備えるとともに、該連結部に連
    結されて前記ステアリングホイールの芯金に固定される
    ブラケットによって、支持され、 前記ブラケットと前記連結部との少なくとも一方が、両
    者の連結部位を中心として前記エアバッグ装置を前後方
    向に回動可能な塑性変形する材料から形成されているこ
    とを特徴とするエアバッグ装置を備えたステアリングホ
    イール。
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