JPH06114835A - 炭素繊維強化炭素複合材とその製造方法及びそれを用いた摺動材 - Google Patents

炭素繊維強化炭素複合材とその製造方法及びそれを用いた摺動材

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JPH06114835A
JPH06114835A JP4265186A JP26518692A JPH06114835A JP H06114835 A JPH06114835 A JP H06114835A JP 4265186 A JP4265186 A JP 4265186A JP 26518692 A JP26518692 A JP 26518692A JP H06114835 A JPH06114835 A JP H06114835A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種用途・要求に応じた機械特性及び摩擦係
数を有する炭素繊維強化炭素複合材を容易に得る方法を
提供する。 【構成】 複数枚の単繊維からなる短繊維状の炭素繊維
束を解繊し、繊維が2次元ランダムに配向したシートを
作製し、樹脂又はピッチを含浸後、積層して成形した後
に、焼成、緻密化処理して炭素繊維強化炭素複合材を製
造するに当たって、該複合材の内容部と表層部の炭素繊
維束の解繊度合を異ならせることにより、所望の摩擦及
び機械特性を得ることを特徴とする炭素繊維強化炭素複
合材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、摩擦特性及び機械特性
を制御できる炭素繊維強化炭素複合材(以下、C/C複
合材という)とその製造方法、及びそれを用いた摺動材
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、航空機や車両用のブレーキや車両
のクラッチ等の摺動材には金属製のディスクロータ等が
使用されてきた。しかし近年、車両等の軽量化ならびに
耐熱性等の特性向上の目的から、C/C複合材がブレー
キのディスクロータ等の摺動材に用いられてきている。
【0003】一般にC/C複合材はPAN系、ピッチ
系、或いはレーヨン系などの長短炭素繊維にフェノール
樹脂、フラン樹脂などの熱硬化性樹脂或いはピッチ類な
どの熱可塑性樹脂等を含浸、又は混合して加熱成形した
ものを非酸化性雰囲気において焼成し、更に緻密化、黒
鉛化処理することにより製造されている。摩擦係数を制
御する方法としては、例えば特公昭60−54270号
公報に見られるように、コールタールまたはコールター
ルおよび/もしくはピッチとフラン樹脂とを含浸させて
制御する方法、又、特公平1−59459号公報に見ら
れるように比較的長い繊維(4〜6cm)と短い繊維
(0.015〜0.3cm)をランダムに配向させる方
法、更に、特公平3−78498号公報に見られるよう
に円筒の軸と直角な面を横切るように炭素繊維が配向し
ている炭素繊維強化熱硬化性樹脂複合材を円筒の軸と直
角な方向へ切断し、焼成、緻密化し、摺動面に対して炭
素繊維が角度をもって配向させる方法が知られている。
【0004】また機械強度を制御する方法としては、例
えば特開昭62−266239号公報に見られるよう
に、表面の摺動部のみ摩擦特性に優れた短繊維強化型の
C/C複合材を用い、中央部には短繊維強化型のC/C
複合材の機械強度を補う為に、2次元織物所謂織布を強
化材を用いたC/C複合材とする方法が知られており、
さらにEP0459916A1号公報に見られるよう
に、表面の摺動層は短繊維状の炭素繊維をランダムに分
布させたセグメントからなり50μm以下の平均気孔径
を有する“微細”組織とし、内部の構造層は短繊維状の
炭素繊維のメッシュからなり、100μm以上の平均気
孔径を有する“荒い”組織とするものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
公昭60−54270号公報に記載の方法ではマトリッ
クスのみに注目して本質的な炭素繊維の配向性について
は言及されておらず、又特公平1−59459号公報に
記載の方法では、2種類の異なった炭素繊維を混合しな
くてはならず、且つ炭素繊維長の具体的な効果も示され
ていなかった。さらに特公平3−78498号公報に記
載の方法では、円筒の軸と直角な面を横切るように炭素
繊維が配向したディスクを輪切りにして製造せねばなら
ず、工程が複雑となる問題があった。又、上記の方法で
は摩擦係数の制御という観点からは具体的な記載もな
く、単に一般的傾向を示しているだけであった。一方、
機械強度の制御に関する特開昭62−266239号公
報に記載の方法では織布を中央部の構造材としているた
めに高価であり、かつ単に補強するということで、強度
のバランス設計という点では考慮されていなかった。ま
たEP0459916A1号公報に記載の方法では、摩
耗量と強度補強という点についてのみ言及している。従
ってこれらの公報において摩擦係数の制御および強度バ
ランス設計という点に関して、何ら言及されていなかっ
た。
【0006】そこで本発明では、これまでに知られてい
る上記の方法より簡便で且つ摩擦係数及び機械特性を制
御できるC/C複合材とその製造方法を提供し、C/C
複合材の摺動材としての用途を拡大することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者等は、上記の課題
を解決するために検討を繰り返した結果、短繊維状の炭
素繊維束を解繊して繊維が2次元ランダムに配向したシ
ートを作製するに当たって、炭素繊維束の解繊度合を変
化させると、機械特性及び摩擦係数が変化し、例えば摩
擦係数であれば高解繊の場合はC/C複合材の摩擦係数
が低くなり、低解繊の場合は逆に高くなることを見い出
し、更に機械特性に関しては、一般に圧縮強度は高解繊
程強度が高くなり、引張強度・曲げ強度・衝撃強度に関
しては、低解繊程強度が高くなることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は予め炭素繊維束の解繊度合
と摩擦係数及び機械特性との相関式を求めておき、所望
の摩擦係数及び機械特性に応じて該相関式を用いて作製
すべき炭素繊維束の解繊度合を決定し、それに従った解
繊度合の炭素繊維シートを作製する。更に所望の摩擦係
数及び機械特性が得られるように積層、成形、緻密化す
ることにより、所望の摩擦係数及び機械特性を有するC
/C複合材が製造できる方法、並びに該製造方法で製造
されたC/C複合材を用いた摺動材に関する。
【0009】以下、本発明の詳細を説明する。本発明で
最も重要なことは、予め炭素繊維束の解繊度合と各種機
械的強度の相関式を求めることである。通常、解繊度合
と摩擦係数及び各種機械的強度の相関は一次式で求め
る。以下摩擦係数を例にとって説明する。解繊度合と摩
擦係数の相関は具体的には下記式−1のように示され
る。
【0010】
【数1】解繊度合=A−B×摩擦係数 ・・・ 式−1 その際、式−1の係数A及びBを求めることになるが、
係数A、Bの値は解繊度合の評価方法によっても変化す
るし、また、使用する炭素繊維や樹脂などの原料の種類
或いは解繊度合以外の製造条件を変更することによって
も変化する。従って係数A、Bを求めるに当たっては、
以上の因子は特定条件に固定し、解繊度合のみを最低2
種好ましくは3種以上に変化させたC/C複合材を予め
製造し、その摩擦係数を測定し解繊度合と摩擦係数の相
関関係を調べておかなければならない。
【0011】本発明で用いる炭素繊維としては、ピッチ
系、PAN系或いはレーヨン系炭素繊維等のいずれのも
のも使用できる。尚、炭素繊維束に集束剤が付着してい
ると、繊維束が解繊され難くなるため、解繊度合を低く
する場合には好ましいが、逆に解繊度合を高くする場合
は好ましくない。炭素繊維の形態としては通常2000
〜8000本の短繊維の束からなるトウ、ストランド、
ロービング、ヤーン等であり、これらをカッティングす
ることによって得られる短繊維状のものを用いる。本発
明においては、通常0.3〜100mm、好ましくは5
〜50mm程度の短繊維束を使用する。
【0012】次にこれらの炭素繊維束を解繊し、2次元
ランダムのシートを作製する。その際、必要に応じてS
iC、Al2 3 、カーボンブラックなどの無機繊維、
無機物などを添加してもよい。炭素繊維束の解繊度合
は、目標とする摩擦係数から、予め求めておいた式−1
を用いて決定する。従って炭素繊維束を解繊する方法と
しては、解繊度合を広範囲で制御できる方法であること
が望ましい。
【0013】具体的な解繊方法としては、例えば不織布
の製造で一般的な、ランダムウェバーを使用し、炭素繊
維束を針山のついた対向する複数のシリンダーを通過さ
せて乾式で解繊する方法がある。この場合にはシリンダ
ーの回転速度等を変えることにより、解繊度合を変化さ
せることができる。また、パルプ等の叩解処理に用いる
ビーターや、解繊処理に用いるパルパーなどを使用し、
溶媒中に分散させた炭素繊維束を湿式で解繊した後に、
抄紙、乾燥する方法もある。この場合には処理時間を変
えることにより、解繊度合を変化させることができる。
【0014】次に、該炭素繊維シートにおける炭素繊維
束の解繊度合を評価し、期待した通りの解繊度合のシー
トが作製されているか否かを判定する。この結果を直ち
に製造条件に反映させることで、解繊度合の精度をより
高めることができるので、解繊度合の評価方法は簡便で
迅速であること、さらにハンドリングが容易なように炭
素繊維シートに樹脂等を含浸させた所謂プリプレグの状
態で評価できることが望まれる。
【0015】解繊度合の評価方法は、とくに限定しない
が、例えば、解繊度合が高くなると解繊した炭素繊維同
士がより絡み合い、シートの嵩高さが増加することに着
目して、一定面積、一定枚数、重量W(g)のシートを
積層し、これに一定の荷重をかけた場合のシート全体の
厚みt(mm)を測定し、式−2に定義する解繊度指数
(X)を求める方法がある。
【0016】
【数2】解繊度指数(X)=t/W ・・・ 式−2 解繊度合が高くなるほどシート厚さtは大きくなるた
め、解繊度指数(X)も大きくなる。この方法の場合、
シートに樹脂等を含浸した後でも評価を行うことができ
る。但し、炭素繊維や樹脂等の種類、また両者の割合に
よって解繊度指数(X)の値は変化するため、常に同一
の条件で評価する必要がある。
【0017】解繊度合の評価方法のもう一つの例として
は、解繊度合が高くなると繊維間の隙間が減少すること
に着目し、一定重量、一定面積のシートを使用して光透
過率T(%)を測定し、式−3に定義する解繊度指数
(Y)を求める方法がある。
【0018】
【数3】 解繊度指数(Y)=100−T ・・・ 式−3 解繊度合が高くなるほど透過率Tは小さくなるため、解
繊度指数(Y)は大きくなる。この方法の場合も、シー
トに樹脂等を含浸した後でも評価を行うことができる
が、シートの目付(単位面積当たりの重量)が大きすぎ
る場合には、解繊度にかかわらず光が透過できなくなる
ため、評価できるシートの目付に制限がある。
【0019】解繊したシートの目付としては、種々のも
のが取り得るが、取り扱い性、含浸性、均一性を考える
と10〜500g/m2 が最適である。この様にして得
られた所望の解繊度合のシートにフェノール樹脂、フラ
ン樹脂、或いは石油系、石炭系ピッチ等のマトリックス
を含浸させた後に乾燥する。その際、マトリックスはア
ルコール、アセトン、アントラセン油等の溶媒に溶解し
て適切な粘度に調整したものを使用する。
【0020】次いで、この乾燥したシートを所望の摩擦
特性及び機械特性が得られる様に設計して積層する。例
えば、摩擦係数を低くして、衝撃強度を上げようとする
場合、先ず表層の摺動部を所望の摩擦係数が得られるよ
うに相関式に従って解繊度合を決定する。この場合、低
い摩擦係数を得るために比較的高い解繊度合となる。例
えば、シートの目付が200g/m2 、フェノール樹脂
含浸量が120g/m 2 の含浸シートを95×95mm
に切断したもの20枚を重ね、2.2kgの荷重をかけ
た時のシートの厚さt(mm)をシート20枚の重量W
(g)で割り、式−2で定義した解繊度指数Xを求めた
場合、0.9〜1.2程度の値とするのが良い。次に摺
動部である表層部分及び内層部分が分担する各々の厚み
を考慮し、必要な衝撃強度が得られるように相関式に従
って内層の解繊度合を決定する。この場合、内層の解繊
度合は高い衝撃強度を得るために比較的低い解繊度合と
なる。例えば、上述の方法で求めた解繊度指数Xとして
は0.5〜0.85程度の値とするのが良い。
【0021】更に、摩擦係数を高くして、圧縮強度を上
げようとする場合には、先ず表層の摺動部を所望の摩擦
係数が得られるように相関式に従って解繊度合を決定す
るが、この場合、高い摩擦係数を得るために比較的低い
解繊度合となる。例えば、上述の方法で求めた解繊度指
数Xとしては0.5〜0.85程度の値とするのが良
い。次に、表層の摺動部及び内層が分担する各々の厚み
を考慮し、必要な圧縮強度が得られるように相関式に従
って内層の解繊度合を決定する。この場合、内層の解繊
度合は高い圧縮強度を得るために比較的高い解繊度合と
なる。例えば、上述の方法で求めた解繊度指数Xとして
は0.9〜1.2程度の値とするのが良い。
【0022】この様にして設計したシートを積層して金
型へ充填し100〜500℃の温度で加圧成形してVf
(繊維含有量)=5〜65%、好ましくは10〜55%
程度の成形体を得る。その後N2 ガスなどの不活性ガス
雰囲気中で1〜200℃/hの昇温速度で800〜25
00℃まで昇温し、焼成してC/C複合材を得る。上記
焼成したC/C複合材を適宜、例えば次の3種のマトリ
ックスを単独或いは組み合わせることにより緻密化処理
を行い、更に強度向上を図るのが良い。
【0023】(1)樹脂又はピッチによる緻密化処理 所定温度に加熱された槽に上記C/C複合材を載置し、
槽内を真空とした後、樹脂又は溶融ピッチを供給し、焼
成により生じた空隙にマトリックスを含浸する。この後
再度800〜2500℃の温度で焼成する。上記工程を
繰り返すことにより目的のC/C複合材の緻密化を行
う。
【0024】(2)CVDによる緻密化処理 反応器内に載置した上記C/C複合材を誘導加熱コイル
等により加熱し、炭化水素或いはハロゲン化炭化水素類
の蒸気をH2 ガス、Arガス或いはN2 ガス等のキャリ
アガスと共に、反応器内へ供給し、生成する熱分解炭素
で空隙を含浸、緻密化する。さらに必要に応じて黒鉛化
処理を行い、最終的に所望の摩擦係数及び機械特性を有
するC/C複合材を製造する。
【0025】この様にして、所望の摩擦係数及び機械特
性を有するC/C複合材を容易に作製することができ
る。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り、下記実施例に
よって限定されるものではない。 (実施例1)厚みが10mmであるサンプルの製造にお
いて、表層の摺動部の厚みを各々2.5mm ずつと
し、衝撃等への補強部である内層を厚さ5mmとした。
このサンプルの特性として、次のように設計した。 摩擦係数=0.16 衝撃強度=4(kg・cm/cm) そこで、炭素繊維束の解繊度合を表す式−2における解
繊度指数Xと摩擦係数との相関関係が、式−1において
A=1.81、B=4.67となり、解繊度指数Xと衝
撃強度との相関関係が、式−1においてA=1.35、
B=0.127となる下記製造条件において、先ず摺動
部の摩擦係数=0.16となるC/C複合材を製造する
ための解繊度指数Xを式−4から計算し、目標解繊度指
数=1.06を得た。
【0027】
【数4】目標解繊度指数(X)=1.81−4.67×
目標摩擦係数・・・式−4 次に目標解繊度指数=1.06で製造する際の衝撃強度
を式−5から求め、予想衝撃強度=2.3を得た。
【0028】
【数5】目標解繊度指数(X)=1.35−0.127
×目標衝撃強度・・式−5 そこで、サンプルの衝撃強度=4(kg・cm/cm)
となるための、内層の必要衝撃強度(Z)を式−6から
求めると、Z=5.7となる。
【0029】
【数6】サンプルの衝撃強度:4=2.3×(2.5×
2/10)+Z×5/10・・・式−6 従って、内層の衝撃強度=5.7(kg・cm/cm)
となるための解繊度指数Xを式−5計算し、目標解繊度
指数=0.63を得た。
【0030】次に、30mm長に切断したフィラメント
数4000の集束剤を使用していないピッチ系炭素繊維
束をランダムウェバーにて解繊し、炭素繊維束の解繊度
合が解繊度指数=0.63、及び1.06で目付=20
0g/m2 の2次元ランダムに配向したシートを作製し
た。更に該シートにエタノールで希釈したフェノール樹
脂を含浸させた後乾燥し、110g/m2 のフェノール
樹脂を含浸したシートを作製した。
【0031】この状態シートから95×95mmの大き
さのサンプル20枚を採取し、その重量W(g)を測定
した。次に、この20枚を端部を揃えて積層し2.2k
gの荷重をかけた状態でウェブ20枚の厚さt(mm)
を測定した。このW及びtから式−2で定義した解繊度
指数Xを計算し、目標通りに解繊度指数Xが0.63、
及び1.06であるシートが得られていることを確認し
た。
【0032】次に、摺動部となる解繊度指数=1.06
のシートを最終形状で2.5mm厚みが得られる分のシ
ートを積層し、その上に補強部となる解繊度指数=0.
63のシートを最終形状で5mm厚みが得られる分のシ
ートを積層し、更にその上に摺動部となる解繊度指数=
1.06のシートを最終形状で2.5mm厚みが得られ
る分積層した。この積層したシートを金型に充填し、2
50℃にて加圧成形し、Vf=〜50%の成形体を得
た。この成形体を加熱炉で不活性雰囲気中2000℃ま
で焼成した後、高周波加熱装置により550℃に加熱
し、ジクロロエチレン蒸気を、窒素ガスキャリアーガス
として反応器内に導入し、熱分解炭素により気孔を充填
する緻密化処理を行った。
【0033】次いで、ピッチを含浸した後、加熱炉で不
活性雰囲気中1000℃まで焼成した。さらに同様の含
浸−焼成の操作を繰り返した後、2000℃の処理を行
って、気孔率12%の本発明のC/C複合材を得た。こ
のC/C複合材を用いて、回転数5000rpm、面圧
12kg/cm2 の条件下で慣性摩擦試験を100回繰
り返し、摩擦係数を測定した。
【0034】更に、このC/C複合材の衝撃強度を測定
した。これらの結果を表−1に示す。 (比較例1)実施例1で作製した解繊度指数Xが1.0
6のシートのみを使用して、実施例1と同様な方法でC
/C複合材を得た。このものの、摩擦係数及び衝撃強度
の測定結果を表−1に示す。
【0035】(比較例2)実施例1で作製した解繊度指
数Xが0.63のシートのみを使用して、実施例1と同
様な方法でC/C複合材を得た。このものの、衝撃強度
の測定結果を表−1に示す。
【0036】
【発明の効果】本発明により、各種の用途・要求に応じ
た機械特性及び摩擦係数を有するC/C複合材を容易に
得ることができる。
【0037】
【表1】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚の単繊維からなる短繊維状の炭素
    繊維束を解繊し、繊維が2次元ランダムに配向したシー
    トを作製し、樹脂又はピッチを含浸後、積層して成形し
    た後に、焼成、緻密化処理して炭素繊維強化炭素複合材
    を製造するに当たって、該複合材の内層部分と表層部分
    の炭素繊維束の解繊度合を異ならせることにより、所望
    の摩擦及び機械特性を得ることを特徴とする炭素繊維強
    化炭素複合材の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の製造方法で製造された
    炭素繊維強化炭素複合材。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された炭素繊維強化炭素
    複合材を用いた摺動材。
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