JP2022070291A - 炭素繊維含有湿式不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭素繊維の含有量が高く、マトリックス成分を速やかに浸透させ、炭素繊維が優れた成形流動性を示す炭素繊維含有湿式不織布を提供することを課題とする。【解決手段】80~99.5質量%の炭素繊維及び0.5~20質量%のフィブリル化繊維を含有し、炭素繊維及びフィブリル化繊維が以下の特徴1及び特徴2を持つことを特徴とする炭素繊維含有湿式不織布。(特徴1)炭素繊維の繊維長が2~25mmであり、炭素繊維が10本以上の炭素繊維で構成された、少なくとも一方の末端が先細りになったテーパー状繊維束を含有し、炭素繊維含有湿式不織布内に含有されるテーパー状繊維束の数が500~15,000個/gである。(特徴2)フィブリル化繊維が、変法濾水度が0~300mlで、加重平均繊維長が0.5~2.0mmであるフィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維である。【選択図】図1

Description

本発明は、炭素繊維含有湿式不織布に関する。
炭素繊維とマトリックス成分を複合化してなる炭素繊維強化複合材料は、金属材料に匹敵する強度・弾性率を持ち、金属材料よりも比重が小さいため、部材の軽量化を図ることができ、また、発錆の問題もなく、酸やアルカリにも強いという性質があることから、電子機器材料、電気機器材料、土木材料、建築材料、自動車材料、航空機材料、各種製造業で使用されるロボット、ロール等の製造装置の部品等で使用が拡大されている。
最も一般的な炭素繊維強化複合材料は、連続炭素繊維からなる長繊維織布、開繊織物、一方向性(UD)シート等の強化材と熱硬化性樹脂とを複合させた炭素繊維プリプレグを積層一体化した複合体であるが、力学的物性を発現させるための積層の設計が難しい、均質材料ではない、成形加工時間が長い、高価である等の課題があった。
これらの課題を解決する方法として、不連続炭素繊維を含有する炭素繊維不織布を利用した不織布状炭素繊維プリプレグ、炭素繊維強化樹脂複合材料が提案されている(例えば、特許文献1~4参照)。炭素繊維を不織布化することで、設計を行いやすく、加工性を向上させることも可能となる。また、不織布製造においては、製造工程から発生した残材や炭素繊維強化複合材料からリサイクルされた不連続炭素繊維を安価な材料として活用することができる(例えば、特許文献5参照)。炭素繊維不織布には、乾式製法による炭素繊維含有乾式不織布と湿式製法(湿式抄造法)による炭素繊維含有湿式不織布がある。
一方で、炭素繊維強化複合材料の製造工程において、炭素繊維不織布に未硬化樹脂溶液や未硬化樹脂粉体などのマトリックス成分を浸透させ、成形する方法に適した強化材を提供するということに関しては、検討する余地が残されている。例えば、マトリックス成分を浸透させる含浸工程において、速やかにマトリックス成分が浸透されないことによって操業時間が増加する。また、炭素繊維の成形流動性不足・成形流動性ムラが原因となって、成形加工時に亀裂・破断、炭素繊維とマトリックスの隙間(ボイド)発生などの欠陥が発生し、歩留まりが低下する。さらに、得られる炭素繊維強化複合材料の力学的物性が不足する場合がある。
炭素繊維含有湿式不織布は、炭素繊維含有乾式不織布に比べ、目付の分布が均一であり、より精度の高い炭素繊維強化複合材料を製造することができる。一方で、炭素繊維含有湿式不織布は、一般的にバインダーにより、後加工に必要な力学的物性が付与されているが、バインダーは炭素繊維の含有量の低下を招き、所望する炭素繊維強化複合材料を得られない場合がある。また、接着作用が強いバインダーを用いると、成形加工時における炭素繊維の成形流動性が阻害されるため、その選択が重要である。
成形性を改善する取り組みとして、炭素繊維含有湿式不織布のバインダーに、フィブリル化繊維を利用することが提案されていて(例えば、特許文献6~8参照)、特許文献7及び8では、叩解リヨセルがより好ましいことが開示されている。しかし、特許文献6では、熱可塑性樹脂繊維(バインダー)が必須成分であり、特許文献7及び8でも、バインダー合成繊維を使用しても良いとされ、実施例では必須成分となっている。
炭素繊維の含有量を高め、他の成分を極力排除し、成形時における炭素繊維の成形流動性を維持しつつ、後加工に必要な力学的物性がある炭素繊維含有湿式不織布を得るための、最適なフィブリル化繊維について十分な検討はなされていない。
特表2013-519546号公報 特許第5309563号公報 再公表特許2014/021366号公報 特開2014-47544号公報 特許第5347056号公報 特開2017-133131号公報 特開2018-204144号公報 特開2019-31749号公報
本発明は、炭素繊維の含有量が高く、炭素繊維プリプレグや炭素繊維強化複合材料を製造する際に、マトリックス成分を速やかに浸透させ、炭素繊維が優れた成形流動性を示す炭素繊維含有湿式不織布を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記の課題を解決するため鋭意研究を行った結果、以下の炭素繊維含有湿式不織布を発明するに至った。すなわち本発明は以下の構成からならなる。
80~99.5質量%の炭素繊維及び0.5~20質量%のフィブリル化繊維を含有し、炭素繊維及びフィブリル化繊維が以下の特徴1及び特徴2を持つことを特徴とする炭素繊維含有湿式不織布。
(特徴1)炭素繊維の繊維長が2~25mmであり、炭素繊維が10本以上の炭素繊維で構成された、少なくとも一方の末端が先細りになったテーパー状繊維束を含有し、炭素繊維含有湿式不織布内に含有されるテーパー状繊維束の数が500~15,000個/gである。
(特徴2)フィブリル化繊維が、変法濾水度が0~300mlで、加重平均繊維長が0.5~2.0mmであるフィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維である。
本発明によれば、炭素繊維の含有量が高く、炭素繊維プリプレグや炭素繊維強化複合材料を製造する際に、マトリックス成分を速やかに浸透させ、炭素繊維が優れた成形流動性を示す炭素繊維含有湿式不織布を提供することができる。
本発明の炭素繊維含有湿式不織布表面の光学写真である。テーパー状繊維束が曲がった状態で多数散在する様子が観察される。 図1のテーパー状繊維束を本発明の炭素繊維含有湿式不織布から、周囲の炭素繊維とともに剥ぎ取られた様子を示す光学写真である。
本発明の炭素繊維含有湿式不織布は、80~99.5質量%の炭素繊維及び0.5~20質量%のフィブリル化繊維を含有し、炭素繊維及びフィブリル化繊維が以下の特徴1及び特徴2を持つことを特徴とする。
(特徴1)炭素繊維の繊維長が2~25mmであり、炭素繊維が10本以上の炭素繊維で構成された、少なくとも一方の末端が先細りになったテーパー状繊維束を含有し、炭素繊維含有湿式不織布内に含有されるテーパー状繊維束の数が500~15,000個/gである。
(特徴2)フィブリル化繊維が、変法濾水度が0~300mlで、加重平均繊維長が0.5~2.0mmであるフィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維である。
本発明の炭素繊維含有湿式不織布は、特定の繊維長の炭素繊維を用い、少なくとも一方の末端が先細りになったテーパー状繊維束を特定の割合で含有させ、また特定のフィブリル化繊維を用いることによって、炭素繊維の含有量が高く、マトリックス成分の浸透性に優れ、炭素繊維強化複合材料への成形加工時に炭素繊維の成形流動性に優れるという効果を達成できる。
本発明で用いる炭素繊維は、前駆体繊維の種類によって、PAN(ポリアクリロニトリル)系、ピッチ(等方ピッチ、異方ピッチ)系、フェノール系、レーヨン系などが工業化されている。本発明で用いられる炭素繊維は用途目的に応じて選択できる。
また、炭素繊維強化複合材料の製造工程から発生する炭素繊維プリプレグや炭素繊維強化複合材料の工程端材や不良部分、退役廃材を原料にして、常圧溶解法、亜臨界分解法、超臨界分解法、電解法、熱分解法、過熱水蒸気法等の再生処理方法によりマトリックス樹脂(熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を指す)を除去することで得られるリサイクル炭素繊維を利用することも可能である。
炭素繊維強化複合材料は、軽量である上に、比強度や比剛性が高いため、ゴルフシャフト、テニスラケット、釣竿などのスポーツ・レジャー用品に利用されている。また、最近では、翼や胴体などの大型航空機の主要構造部材にも使用されていて、市場規模が拡大している。この市場規模の拡大に伴い、製造工程で廃棄される炭素繊維強化複合材料の量も増大している。例えば、航空機の場合、安全性が非常に重要であるため、特に品質基準が非常に厳しく、炭素繊維強化複合材料の歩留まりは50~60%と言われる。すなわち、トリミングのため、廃棄される部位も少なくない。また、型に合わせて切断された炭素繊維プリプレグ、期限切れの未硬化状態、半硬化状態又は硬化状態の炭素繊維プリプレグも、廃棄される炭素繊維強化複合材料の一種であり、同様に大量に廃棄されている。かかる状況からリサイクルされた炭素繊維を積極的に利用することは、環境負荷の軽減の観点からも好ましい。また、リサイクルされた炭素繊維は不連続炭素繊維となるため、不織布の材料として適している。
本発明において、炭素繊維の繊維長は2~25mmであり、3~20mmであることがより好ましい。炭素繊維の繊維長が2mmより短いと、湿潤ウェブの強度が弱くなり、抄紙ワイヤーからのピックアップにおいて、湿潤ウェブの切断が発生する。また、得られる炭素繊維強化複合材料の力学的物性が劣る。繊維長が25mmより長いと、水分散時に繊維同士のもつれが発生し、炭素繊維強化複合材料の欠点となり、力学的物性が低くなる。また、水分散時の分散濃度を極端に低くする必要があり、生産性が低下する。
炭素繊維の含有量は、炭素繊維含有湿式不織布に対して80~99.5質量%であり、90~99.5質量%であることがより好ましい。炭素繊維の含有量が80質量%未満の場合、炭素繊維以外の成分が20質量%を超えるため、炭素繊維の成形流動性が阻害されるため、好ましくない。また、炭素繊維の含有量が99.5質量%を超えると、炭素繊維含有湿式不織布の力学的物性が不足し、炭素繊維が脱落するため、マトリックス成分の含浸工程において、炭素繊維含有湿式不織布が破損し、好ましくない。
本発明において、炭素繊維の繊維径は3~20μmであることが好ましく、5~15μmであることがより好ましい。炭素繊維の繊維径が3μmより細い場合、湿式抄造法の工程において水分散時の分散濃度が極端に低くなり、生産性が低下する場合がある。炭素繊維の繊維径が20μmより太い場合、湿式抄造法の工程での湿潤ウェブの保水が悪く、抄紙ワイヤーからのピックアップが悪くなる場合がある。
フィブリル化繊維とは、天然系セルロース繊維、溶剤紡糸セルロース(リヨセル)繊維等の再生セルロース繊維、芳香族ポリアミド(アラミド)繊維、芳香族ポリエステル繊維、ポリアクリロニトリル繊維などの高い結晶性を有する繊維を、ビーター、コニカルリファイナー、シングルディスクリファイナー、ダブルディスクリファイナー、石臼型磨砕機、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、サンドミル等の各種叩解機や均質化装置を用い機械的に粉砕して得られる、処理前の繊維の表面や繊維自体が非常に細かく割れて分岐状になっている繊維で、少なくとも分岐末端の一部が繊維径1μm以下になっている繊維(繊維状物)である。
本発明において、フィブリル化繊維としては、炭素繊維含有湿式不織布の力学的物性を維持しつつ、炭素繊維の成形流動性を阻害せず、かつ炭素繊維と融着しないものが好ましく、フィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維を用いる。
溶剤紡糸セルロース繊維とは、ビスコースレーヨンや銅アンモニアレーヨンのように、木材パルプやコットンリンターを一旦セルロース誘導体に化学的に変換させたのち再度セルロースに戻された、いわゆる再生セルロース繊維とは異なり、セルロースを化学的に変化させることなく、有機溶剤に溶解させ乾湿式紡糸法によりセルロースを紡糸水溶液中に析出させたセルロース繊維を指す。
溶剤紡糸セルロース繊維の例として、リヨセル繊維(例えばテンセル(登録商標))が挙げられる。木材パルプをN-メチルモルフォリンN-オキシド(NMMO)の濃厚水溶液に溶解させ、紡糸原液とし、乾湿式紡糸法にて、同じNMMOの希薄水溶液中で凝固させ繊維化したものを指す。リヨセル繊維は、繊維軸方向に高度に配向したセルロース分子が凝集して、そのミクロフィブリルが凝集してフィブリルとなったものが集合して繊維形成したものである。このため、再生セルロース繊維に比べ、繊維軸方向に非常に強く配向し、垂直方向の分子鎖の絡み合いが弱いため、特に湿潤状態では、フィブリル間の水素結合が水分子により切断されるので、フィブリル化が生じやすいという特徴がある(一般社団法人日本繊維技術士センター会員共著・監修「知っておきたい繊維の知識524」ダイセン株式会社、2015年)。
溶剤紡糸セルロース繊維は、繊維軸方向に結晶化度が高いセルロースの分子鎖が高度に配列し、湿潤状態で摩擦等の機械的な力が加えられると、細くて長い微細繊維が、幹から枝分かれしたように生成し、繊維の表面からフィブリル化が進みやすい。湿式抄造工程で一般的に利用される叩解処理により、比較的低エネルギー条件でフィブリル化することができる。したがって、処理前の繊維単体から千切れてバラバラになりにくく、他の繊維由来のフィブリル化繊維に比べ繊維長が維持されやすいため、より少量の使用でも繊維状バインダーとしての効果が発揮しやすいと考えられる。
フィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維は、木材パルプ、コットンリンターパルプ、バクテリアセルロースなどの天然系セルロース繊維を叩解又は均質化してなるフィブリル化繊維のように、皮膜状にならないため、炭素繊維に貼り付くことが低減され、マトリックス成分の浸透や、成形時における炭素繊維の成形流動性を阻害することが少ないと考えられる。
フィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維は、発生したフィブリルにおいて、長さ、発生元の繊維に対する発生角度などの要因が重なり、正確な繊維長を同定することは難しい。本発明における加重平均繊維長は、JIS P8226:2006に準拠した装置名:FQA-36(OpTest Equipment社)を使用して、投影繊維長モードにおいて測定した長さ加重平均繊維長(L(w))である。
繊維状物の加重平均繊維長は、0.2~3.0mmが好ましく、0.5~2.0mmがより好ましく、0.7~1.1mmがさらに好ましい。繊維長は上述の各種叩解機や均質化装置の処理強度、処理時間により調整することができる。繊維長が0.2mmより短いと、炭素繊維含有湿式不織布の力学的物性が低下する場合がある。炭素繊維含有湿式不織布の力学的物性が維持されていても炭素繊維の繊維流動性が悪くなり好ましくない。3.0mmより長い場合は、フィブリル化が不十分であり好ましくない。
フィブリル化繊維のフィブリル化の度合いは、JIS P8121-2:2012に準拠して濾水度を測定することによって把握できる。しかし、本発明で用いるフィブリル化繊維のように濾水度の低い材料においては、JIS P8121-2:2012の濾水度によってその差を明確にすることが難しいため、変法濾水度によって管理することができる。
変法濾水度とは、ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度を0.1質量%にした以外はJIS P8121-2:2012に準拠して測定した値のことである。
本発明で用いるフィブリル化繊維の変法濾水度は0~300mlであり、90~175mlであることがより好ましく、90~120mlであることがさらに好ましい。変法濾水度が400mlより大きいと、バインダー効果が小さく、力学的物性が不足するため好ましくない。
本発明では、溶剤紡糸セルロース繊維の幹部分の最大繊維径が9.0μm未満になるまでフィブリルを発生させた溶剤紡糸セルロース繊維を用いることが好ましい。溶剤紡糸セルロース繊維の幹部分の最大繊維径は、8.0μm未満がより好ましく、7.0μm未満がさらに好ましい。幹部分の最大繊維径が9.0μm以上の場合、炭素繊維とのバインダー効果が小さく、炭素繊維含有湿式不織布の力学的物性が不足する場合がある。
一方、幹部分の最大繊維径は2.0μm以上が好ましい。2.0μm未満の場合、フィブリル化と同時にフィブリル化繊維の繊維長が短くなりやすく、フィブリル化した部分が切れて脱落しやすいため、炭素繊維との絡みの効果が低下し、炭素繊維含有湿式不織布の力学的物性が不足する場合がある。
本発明において、炭素繊維含有湿式不織布に使用するフィブリル化繊維の含有量は0.5~20質量%が好ましく、0.5~10質量%がさらに好ましい。0.5質量%未満の場合、炭素繊維含有湿式不織布の力学的物性が不足し、炭素繊維の脱落が発生するため好ましくない。20質量%を超えると、成形加工時に炭素繊維の成形流動性が低下するため好ましくない。
含浸加工においてマトリックス成分を速やかに浸透させ、炭素繊維の成形流動性に優れた炭素繊維含有湿式不織布を得るためには、原材料である未解繊繊維束を減少させ、かつ過度に解繊することで繊維間の摩擦の発生個所を増加させないように、図1~2に示すような弱解繊され末端がテーパー状である繊維束を特定の本数を存在させることにより、本発明の炭素繊維含有湿式不織布を得ることができる。
本発明の炭素繊維含有湿式不織布は湿式抄造法によって製造される。炭素繊維含有湿式不織布に用いられる炭素繊維としては、チョップとも呼ばれ、連続繊維が引きそろえられ収束されたフィラメントの束をロータリーカッター、ギロチンカッター、格子状の金型等によって等長又は斜め(バイアス状)にカットされた束状の炭素繊維(未解繊繊維束)が使用される。未解繊繊維束とは、長さ方向に対して末端がおおよそ直角に揃った形状でカットされた繊維束又は長さ方向に対し斜めにカットされた繊維束である。
未解繊繊維束を水中に投入し、機械的なシェアを加えることで、水中で解繊し、必要に応じて、分散剤、消泡剤、親水化剤、帯電防止剤、高分子粘剤、離型剤等の薬品を添加し、水分散スラリーを調成する。得られた水分散スラリーから、長網、円網、傾斜ワイヤー等のネット状支持体(抄紙ワイヤー)を持つワイヤーパートが単独又は、同種若しくは異種の2以上のワイヤーパートがオンラインで設置されているコンビネーション抄紙機等を使用し、湿潤ウェブを形成したのち、脱水、乾燥の工程を経て、炭素繊維含有湿式不織布を製造することができる
本発明では、水分散スラリーの調成は、抄紙機の調成工程で一般的に設置されている撹拌機(例えばパルパー、ミキサー、マシンチェスト、往復反転式撹拌機)での撹拌により解繊処理を行うことができる。
本発明においては、未解繊繊維束の解繊工程において、解繊時の水分散濃度、撹拌機の撹拌速度、付与する薬品の種類・数量などを調整することによって、未解繊繊維束の解繊状態を調整することができる。所望する水分散スラリーが得られた場合、解繊状態を安定化させる方法としては、繊維にかかる機械的な打撃を抑制するため、ポリアクリルアミドなどを添加し、水分散スラリーを増粘することによって、過度な解繊が進まないように調整する方法が挙げられる。
上記の撹拌操作のみでは未解繊繊維束が多数残存する場合、短時間かつ弱い打撃条件であれは、シングルディスクリファイナー、ダブルディスクリファイナー、コニカルリファイナー等の高速回転せん断型分散機を使っての解繊処理を行うことができる。
上記解繊工程により、未解繊繊維束の残数を極力減量させ、少なくとも一方の末端がテーパー状繊維束を発生させることができる。
未解繊繊維束では、繊維同士が線として密着しているため、複数本の繊維による未解繊繊維束間にはマトリックス成分が浸透しにくく、炭素繊維強化複合材料に成形した場合、繊維の成形流動性には好影響を与えるものの、ボイド発生の原因となり、炭素繊維強化複合材料の力学的物性が低下する場合がある。
本発明において、テーパー状繊維束とは、図1及び図2に示される10本以上の炭素繊維で構成された、少なく一方の末端が先細りになったテーパー状に解繊された繊維束状の形態を残すものを指す。炭素繊維の本数が10本未満の場合は、解繊が進み、炭素繊維の成形流動性に寄与しないため、解繊された繊維として扱う。テーパー状繊維束は、上記の未解繊繊維束が撹拌機の打撃によって緩むことによって、分離された炭素繊維が繊維束の両末端方向にずれてゆくことによって発生する。炭素繊維のずれが複数本発生することによって、テーパー状として視認されるようになる。また、これらテーパー状繊維束は、図1に示すように、不織布内においては、直線状ではなく、曲がった状態で存在していることからも、未解繊繊維束とは簡単に見分けがつく。また、曲がった状態で存在していることから、テーパー状繊維束の繊維間ではなんらかの解繊が起こっている(すなわち、マトリックス成分が浸透するレベルの隙間が発生しているために曲がる)と考えられる。
このような状態のテーパー状繊維束の長さは、もともとの原材料である未解繊繊維束の炭素繊維の繊維長に対して、見かけ上1.5倍以上であることが好ましい。テーパー状繊維束の長さが1.5倍未満の繊維束は、未解繊繊維束が内在しているものとして、未解繊繊維束と判断した。また、末端だけがばらけて、茶せん状となってはいるが、直線状で曲がっていない状態の繊維束も、未解繊繊維束と判断した。
本発明の炭素繊維含有湿式不織布内に含有されるテーパー状繊維束の数は、炭素繊維含有湿式不織布に対し、500~15,000個/gであり、1,000~10,000個/gであることがさらに好ましい。500個/gより少ないと、解繊が進んでいるため、繊維同士の摩擦が発生しやすい。したがって、マトリックス成分含浸後の炭素繊維の成形流動性が悪くなり、破断やワレが発生し、好ましくない。また、マトリックス成分も浸透しにくく、好ましくない。15,000個/gを超える場合、テーパー状繊維束同士が絡み、もつれなどが発生しやすく、やはり、炭素繊維の成形流動性が不均一な部分が発生し、また、また、マトリックス成分も浸透しにくく、好ましくない。テーパー状繊維束の数は、炭素繊維含有湿式不織布中をルーペで観察してカウントしたテーパー状繊維束の総数を、観察した炭素繊維含有湿式不織布の質量で除することによって求めた。
テーパー状繊維束の個数は、5cm角にトリミングした炭素繊維含有湿式不織布から、ピンセットを使い、複数の折り重なるように堆積しているテーパー状繊維束を周囲の解繊されている炭素繊維ごと剥ぎ取り、ルーペにより目視できるものを500個分採取して測定した。500個分を剥ぎ取った部分の合計質量で500を除し、質量1g当たりの個数を計算によって求めた。
残存する未解繊繊維束については、目視できる未解繊繊維束を構成する炭素繊維の本数は10本以上のもので、炭素繊維含有湿式不織布内における未解繊繊維束の残存個数は50個/g以下が好ましい。50個/gより多いと、未解繊繊維束の部分にマトリックス成分の浸透むらが発生し、力学的物性が低下する場合がある。
未解繊繊維束はピンセットを使うと、比較的簡単に分離できる。このことからもテーパー状繊維束と区別をすることができる。5cm角にトリミングした炭素繊維含有湿式不織布から、ピンセットを使い、ルーペにより目視できる未解繊繊維束を分離して、5cm角の炭素繊維含有湿式不織布の質量で除することで、質量1g当たりの個数を計算によって求めることができる。
本発明の炭素繊維含有湿式不織布の目付(JIS L 1913:2010 6.2記載の単位面積当たりの質量準拠法)は10~350g/mが好ましく、30~300g/mがさらに好ましい。10g/m未満の場合、抄紙ワイヤーからのピックアップが困難で、安定して炭素繊維含有湿式不織布を得られない場合がある。目付が350g/mを超えると、抄造限界を超え、安定して炭素繊維含有湿式不織布を得ることができない場合がある。なお、通常、繊維束が残らない水分散スラリーでは、欠点なく抄造できる目付の上限値が100g/m程度であるが、本発明においては、繊維束状で抄き上げるため、水分散スラリーの濾水度が高く、水引が良いため、抄造できる目付の上限値が高くなっている。
本発明の炭素繊維含有湿式不織布の密度は、上記目付を厚み(JIS L 1913:2010 6.1記載のA法準拠法)により除すことで求めることができ、0.12g/cm以上であることが好ましく、より好ましくは、0.12~0.2g/cmである。密度が0.12g/cm未満では、炭素繊維含有湿式不織布内に空隙が多く存在することから、炭素繊維含有湿式不織布全体へのマトリックス成分の浸透が阻害される場合がある。空隙内にマトリックス成分を十分に浸透させるには、多量のマトリックス成分が必要となることから、得られる炭素繊維強化複合材料中に占める炭素繊維含有量が低下し、力学的物性が不足する場合がある。密度が0.2g/cmを超えると、炭素繊維間同士の摩擦が増え、炭素繊維の成形流動性が低下することによって、破れや亀裂が発生する場合がある。
本発明においては、炭素繊維と含浸させるマトリックス成分との密着性を改善する目的で、本発明の炭素繊維含有湿式不織布の性能を阻害しない範囲において、マトリックス成分の材質に応じた相溶化剤などを付与してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例において記載の部や百分率は断りのない限り、すべて質量によるものである。
(実施例1~13、比較例1~8)
炭素繊維(PAN系リサイクル炭素繊維、カーボンファイバーリサイクル工業社製、繊維径6.5μm)をパルパー及び往復回転式撹拌機(島崎製作所社製、アジター(登録商標))で解繊処理を行った。炭素繊維の解繊の状態は、水分散スラリーを少量採取し、120メッシュ相当の金網に濾しとり、未解繊繊維束の残存状態とテーパー状繊維束の発生具合を確認しながら、解繊時間を調整することによって調整した。この後、ポリアクリルアミドを添加することによって増粘させて、テーパー状繊維束の発生個数を安定化させた水分散スラリーAを得た。
フィブリル化繊維として、溶剤紡糸セルロース繊維(レンチング社製、テンセル、1.4デシテックス、カット長3mm)の水分散スラリーをダブルディスクリファイナーで叩解処理を行った。叩解時間を調整することによって変法濾水度と加重平均繊維長を調整した。得られたフィブリル化繊維を希釈して、パルパーにて分散処理を行い、水分散スラリーBを得た。
水分散スラリーAと水分散スラリーBを混合することで水分散スラリーCを得た。水分散スラリーCを用い、固形分濃度として、0.05質量%となるように希釈し、傾斜短網ワイヤーのワイヤーパートを持つ抄紙機により、抄紙ワイヤー上に抄き上げ、余剰水分をプレス脱水により除去したのち、表面温度130℃のヤンキードライヤーにタッチロールを用い、300N/cmの圧力で圧着させて乾燥させることで、目標目付100g/mの炭素繊維含有湿式不織布を得た。表1に炭素繊維の繊維長、フィブリル化繊維の変法濾水度、加重平均繊維長、水分散スラリーCの配合を示す。
ただし、実施例11~13及び比較例8においては、繊維分散をより良好にするため、水分散スラリーAとして、繊維長9、12、24又は27mmの炭素繊維と繊維長6mmの炭素繊維とを混抄した。表1に配合を示す。
(比較例9~11)
フィブリル化繊維として、コットンリンターパルプをフィブリル化処理した繊維を用いる以外は、実施例1と同様の方法で水分散スラリーを得た。水分散スラリーを1質量%に希釈後、高圧ホモジナイザーにて均質化処理を行った。処理回数を調整することでフィブリル化繊維の変法濾水度、加重平均繊維長を調整した。実施例同様の方法で、得られたフィブリル化繊維を希釈して、パルパーにて分散処理を行い、水分散スラリーDを得た。
水分散スラリーAと水分散スラリーDを混合することで水分散スラリーEを得た。水分散スラリーEを用い、実施例1と同様の方法で、炭素繊維含有湿式不織布を得た。表1に炭素繊維の繊維長、フィブリル化繊維の変法濾水度、加重平均繊維長、水分散スラリーEの配合を示す。
(比較例12)
実施例2で使用した炭素繊維を、旋回流式ジェット気流解繊装置を用いて解繊した。引き続き、バインダーとして、芯鞘型PP/PE低融点繊維(大和紡績社製、NBF(登録商標)-H、カット長6mm)30部を炭素繊維70部に追加して、空気流により解繊して繊維混合物を得た。この繊維混合物を用い、エアレイド法によりエアレイドウェブを形成し、メッシュ状コンベヤネットの間に挟みこみ、そのままエアドライヤーにて150℃の温度で熱処理を行い、100g/mを目標目付による炭素繊維含有不織布を得た。結果を表1に示す。
各実施例及び各比較例で得られた炭素繊維含有(湿式)不織布を以下の方法で評価を行い、その結果を表1に示した。なお、下記試験条件は特に記載のない限り、25℃、50%RHの条件で行った。
<樹脂浸透性評価>
炭素繊維含有(湿式)不織布の片面から、熱硬化性樹脂として、炭素繊維含有(湿式)不織布質量の二倍量のエポキシ系樹脂(ブレニー技研社製、商品名:GM-6800を10部に対し、硬化剤3部を添加し、硬化剤配合後の粘度505cpsに調整したもの)を塗布して、裏面への樹脂の浸透状態を下記〇、△、×で観察し、〇、△を浸透性ありとした。結果を表1に示す。
〇:裏面への樹脂浸透が目視で明瞭で観察される。
△:裏面への樹脂浸透は不明瞭であるが観察される(不織布の色の変化が観察される)。
×:裏面には、樹脂浸透が見られない。
<炭素繊維強化複合材料加工>
炭素繊維含有(湿式)不織布に対し、<樹脂浸透性評価>で用いた熱硬化性樹脂をマトリックス成分として、炭素繊維含有湿式不織布34部に対し、マトリックス成分66部を含浸させた後、9枚を90℃方向に交互に積層したもののプレス成形後の厚みが約2mmとなるように、120℃、5MPaにて成形プレスを実施することで、炭素繊維強化複合材料を得た。JIS K 7074:1988による3点曲げ法により、炭素繊維強化複合材料の曲げ強度を測定することで評価を行った。
<成形流動性評価>
<炭素繊維強化複合材料加工>と同様の方法でマトリックス成分を含浸させた炭素繊維含有(湿式)不織布を、幅2mm、長さ50mmのスリットを持つステンレス製の上板とスリットと持たないステンレス製の下板の間に挟み、プレス成形後の厚みが2mmとなるように、120℃、5MPaにて成形プレスを実施した。その際、スリットに形成されるリブ(凸部分)高さを測定することで、成形流動性の評価を行った。下記〇、△、×で観察し、〇、△を成形流動性が良好とした。
〇:リブの高さが3mmより高い。
△:リブの高さが0.5~3mm。
×:リブの高さが0.5mm未満。
Figure 2022070291000002
表1の結果から、実施例においては、請求項の範囲の繊維長の炭素繊維、フィブリル化繊維、配合、テーパー状繊維束の本数であれば、樹脂浸透性が良好で、炭素繊維強化複合材料の曲げ強度も大きく、成形流動性にも優れていることが分かる。
実施例1~3、比較例1~2においては、テーパー状繊維束の個数を変化させた。比較例1においては、テーパー状繊維束の個数が少ないと、樹脂浸透性が悪く、曲げ強度も低いものであった。比較例2においては、テーパー状繊維束の本数が多すぎると、炭素繊維のもつれによる結束が多発し、良好な炭素繊維含有湿式不織布が得られず、樹脂浸透性が悪く、炭素繊維強化複合材料の曲げ強度も小さく、成形流動性も劣っていた。
実施例4~7、比較例3~4においては、フィブリル化繊維の含有量を変化させた。実施例4においては、フィブリル化繊維の含有量が少なくなることで、繊維の脱落(抄紙ワイヤーへの付着)が若干増える傾向にあったが、抄造速度を落とすことで、脱落は抑制された。実施例7においては、保水力の高いフィブリル化繊維が増加するため、湿紙からの脱水が遅くなることに起因し、炭素繊維含有湿式不織布に小さな凹凸が少量見られたが、シート化には問題はなかった。
比較例3においては、フィブリル化繊維の含有量が不足し、シート強度が弱く、ハンドリング可能な炭素繊維含有湿式不織布が得られなかった。比較例4においては、フィブリル化繊維の含有量が多く、湿紙からの脱水が遅くなり、炭素繊維含有湿式不織布に凹凸が発生した。ハンドリングは可能であったが、樹脂浸透性が著しく低下し、成形流動性も悪く、得られた炭素繊維強化複合材料の曲げ強度も低かった。
実施例8~9、比較例5~6においてはフィブリル化繊維の変法濾水度、加重平均繊維長を変化させた。変法濾水度が大きく、加重平均繊維長が長いものは、フィブリル化の度合いが低いため、バインダーとしての効果が小さくなる。そのため、実施例9においては、炭素繊維の脱落傾向が見られたが、シート化には問題なかった。比較例5においては、シート強度が弱く、ハンドリング可能な炭素繊維含有湿式不織布を得ることができなかった。比較例6においては、フィブリル化繊維が流出し、シート強度が弱くなり、ハンドリング可能な炭素繊維含有湿式不織布を得ることができなかった。
実施例10~13、比較例7~8においては、炭素繊維の繊維長を変化させた。比較例7では、繊維長が短く、得られた炭素繊維強化複合材料の曲げ強度が低い。実施例11~13においては炭素繊維の繊維長が長くなると、繊維分散が難しくなり、炭素繊維のもつれが発生した。繊維長6mmの炭素繊維を混抄することによって、もつれに起因する凹凸の発生を改善することができた。比較例8では、混抄によっても、もつれを改善することができなかった。
比較例9~11においては、フィブリル化繊維を、コットンリンターパルプを叩解及び均質化したものに変更した。比較例9では、シート強度が弱く、ハンドリング可能な炭素繊維含有湿式不織布を得ることができなかった。比較例10及び11においては、フィブリル化繊維が皮膜状となって炭素繊維を覆うためか、樹脂浸透性又は成形流動性が悪く、得られた炭素繊維強化複合材料も曲げ強度が低かった。
比較例12では、エアレイド法により炭素繊維含有不織布を製造した。エアレイド方法においては、テーパー状繊維束を発生させることが難しく、また空気分散ではフィブリル化繊維を使用することができない。得られた炭素繊維含有不織布は樹脂浸透性が悪く、炭素繊維強化複合材料の曲げ強度も低かった。
本発明の炭素繊維含有湿式不織布は、電子機器材料、電気機器材料、土木材料、建築材料、自動車材料、航空機材料、及び各種製造業で使用される製造装置、ロボット、ロール等の製造部品等に利用される炭素繊維強化複合材料の強化材として利用可能である。
1.テーパー状繊維束
2.未解繊繊維束

Claims (1)

  1. 80~99.5質量%の炭素繊維及び0.5~20質量%のフィブリル化繊維を含有し、炭素繊維及びフィブリル化繊維が以下の特徴1及び特徴2を持つことを特徴とする炭素繊維含有湿式不織布。
    (特徴1)炭素繊維の繊維長が2~25mmであり、炭素繊維が10本以上の炭素繊維で構成された、少なくとも一方の末端が先細りになったテーパー状繊維束を含有し、炭素繊維含有湿式不織布内に含有されるテーパー状繊維束の数が500~15,000個/gである。
    (特徴2)フィブリル化繊維が、変法濾水度が0~300mlで、加重平均繊維長が0.5~2.0mmであるフィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維である。
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