JP2014036075A - 電解コンデンサ用セパレータ及び電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ用セパレータ及び電解コンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、抄紙安定性に優れ、均一性が高く、ESRが低く、ESRのばらつきが小さい電解コンデンサ用セパレータ及びそれを用いてなる電解コンデンサを提供することにある。
【解決手段】変法濾水度が75〜250mlで、且つ、長さ加重平均繊維長が0.80〜1.80mmである溶剤紡糸セルロース繊維からなる紙であることを特徴とする電解コンデンサ用セパレータ。
【選択図】なし

Description

本発明は、電解コンデンサ用セパレータ及び電解コンデンサに関する。
従来、電解液を使用する電解コンデンサ(最近では「電解キャパシタ」とも呼ばれる)のセパレータとしては、溶剤紡糸セルロース繊維、麻パルプ、エスパルトパルプなどを主体とする紙に紙力増強剤を付着させた紙製セパレータ(例えば、特許文献1〜5参照)、再生セルロース繊維の叩解原料と天然パルプからなる紙製セパレータ(例えば、特許文献6参照)が使用されている。また、セルロース系繊維織布又は不織布からなるセパレータ(例えば、特許文献7参照)、最大繊維太さが1000nm以下のセルロース繊維からなるセパレータ(例えば、特許文献8参照)、フィブリル化セルロース繊維とポリビニルアルコール系繊維からなるセパレータ(例えば、特許文献9参照)、特定範囲の平均繊維径を有するセルロース繊維と、特定の平均繊維径を有するポリオレフィンとを含む、厚み20μm以下の不織布からなるセパレータ(例えば、特許文献10参照)が開示されている。無機填料が混抄されているセパレータ(例えば、特許文献11、12参照)が開示されている。
特許文献1〜6のセパレータは、麻パルプを含有する場合は、麻パルプが皮膜を形成し、繊維間の空隙が閉塞されるため、等価直列抵抗(ESR)が高くなる問題とESRなどのコンデンサ特性のばらつきが大きくなる問題があった。エスパルトパルプを含有する場合は、エスパルトパルプが硬いため、繊維同士の絡み合いが不十分になり、地合が不均一になり、コンデンサ特性のばらつきが大きくなる問題があった。溶剤紡糸セルロース繊維を含有する場合は、該繊維の叩解が甘いと、太い繊維が多数含まれるため、地合が不均一になり、コンデンサ特性のばらつきが大きくなる問題と厚みを薄くしにくい問題があった。逆に叩解が進みすぎると、繊維長が短くなりすぎて繊維同士の絡み合いが不十分になり、抄紙時に抄紙網に繊維が取られてしまい、湿紙をフェルトへ転写できなくなり、安定して抄紙できない問題があった。
特許文献7のセパレータは、再生セルロースの連続長繊維からなる場合は地合斑や粗密斑ができやすく、厚みを薄くするほど、地合斑が顕著になる問題があった。連続長繊維ではない不織布の場合は、溶剤紡糸セルロース繊維の叩解度と平均繊維長とフェルトへの転写性の関係について考慮されていない。実施例で用いられている溶剤紡糸セルロース繊維は、叩解が弱めであるため、太い繊維が多数含まれており、地合が不均一になり、コンデンサ特性のばらつきが大きくなる問題があった。
特許文献8のセパレータは、微細なセルロース繊維のみで構成されるが、通常の乾燥方法では、セルロース繊維同士が結着して皮膜を形成するなどして、繊維間の空隙が閉塞されてしまうため、湿紙の水分を有機溶媒に置換して低温乾燥させなければならないという制約があった。湿紙の水分を有機溶媒に置換する工程は時間がかかることと、溶媒置換により経時でバット内の有機溶媒の濃度が低くなっていき、経時で置換効率が低下するため、大量の湿紙を連続で処理することは難しく、バッチ式で作業せざるを得ず、巻き取りでの製造が困難という問題があった。
特許文献9のセパレータは、実質的には、溶剤紡糸セルロース繊維にポリビニルアルコールバインダー繊維が混抄されており、必要に応じてさらにポリビニルアルコール繊維も混抄されており、溶剤紡糸セルロース繊維のみからなるものではない。また、溶剤紡糸セルロース繊維の叩解が甘いため、太い繊維が多数含まれており、地合が不均一になり、コンデンサ特性のばらつきが大きい問題があった。また、緻密性が不十分であるため、厚みを薄くすることが難しかった。
特許文献10のセパレータは、ポリオレフィン繊維が疎水性であるため、電解液との馴染みが悪く、電解液を長期間保持することができず、コンデンサ内で電解液が底部へ溜まってしまう問題があった。
特許文献11、12のセパレータは、麻パルプ、サイザルパルプ、クラフトパルプ、エスパルトパルプなどを主体とするため、繊維同士の結着力が強く、繊維同士が密着して皮膜を形成するため、根本的にESRが高くなりやすい。特にセパレータの厚みが厚くなるほど、また、高密度になるほどESRは高くなる。これらのパルプに無機填料を担持させることにより、繊維同士の密着性が緩和され、繊維間の空隙が保持されるため、ESRを低減することができるが、依然としてESRが高い傾向があった。
特開2001−52962号公報 特開2001−267182号公報 特開2004−200395号公報 特開2004−228600号公報 特開2005−347669号公報 特開平5−267103号公報 特開2008−124064号公報 特開2006−49797号公報 特開平6−163324号公報 特開2012−36518号公報 特開平5−251273号公報 特開平5−251274号公報
本発明の課題は、抄紙安定性に優れ、均一性に優れ、ESRが低く、ESRのばらつきが小さい電解コンデンサ用セパレータ及びそれを用いてなる電解コンデンサを提供することにある。
上記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定範囲の変法濾水度、且つ、特定範囲の平均繊維長を有する溶剤紡糸セルロース繊維を用いることにより、抄紙安定性に優れ、均一性が高く、ESRの低く、ESRのばらつきが小さい電解コンデンサ用セパレータを実現できることを見出した。また、無機フィラーを含有させることにより、ESRがより低い電解コンデンサ用セパレータを実現できることを見出した。
本発明のセパレータは、変法濾水度が75〜250mlで、且つ、長さ加重平均繊維長が0.80〜1.80mmである溶剤紡糸セルロース繊維からなる紙であるため、抄紙網への繊維取られが生じにくく、湿紙をフェルトへ転写させやすく抄紙安定性に優れ、均一性が高く、ESRが低く、ESRのばらつきが小さい。また、無機フィラーを含有する場合は、繊維同士の密着を抑制し、繊維間の空隙を保持するため、電解コンデンサのESRをより低くできる。
本発明において、「セパレータ」と表記する場合は、電解コンデンサ用セパレータを意味する。本発明において、「所定の溶剤紡糸セルロース繊維」と表記する場合は、変法濾水度が75〜250mlで、且つ、長さ加重平均繊維長が0.80〜1.80mmである溶剤紡糸セルロース繊維を意味する。
本発明における電解コンデンサとは、電解液を使用する電解コンデンサを指し、例えばアルミ電解コンデンサが挙げられる。アルミ電解コンデンサの基本構成としては、アルミニウム箔の表面に絶縁性の酸化皮膜が形成された弁金属を陽極に使用し、酸化皮膜を有さないアルミニウム箔を陰極に使用して、これら陽極と陰極の間にセパレータと電解液が配置されている。
電解液の溶媒としては、水、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、ベンジルアルコール、アミルアルコール、グリセリン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド、アセトニトリル、アクリロニトリル、アジポニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、ジエチルスルホン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランなどが挙げられ、これらの単独溶媒または混合溶媒が用いられるが、エチレングリコールまたはγ−ブチロラクトンが好ましい。
電解液の電解質としては、ホウ酸、蓚酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、安息香酸、フタル酸、サリチル酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン酸、2−メチルアゼライン酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、これら酸の塩(例えば、アジピン酸アンモニウム、マレイン酸水素アンモニウムジメチルアミン、2−ブチルオクタン二酸アンモニア、フタル酸水素1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムなど)、水酸化テトラメチルアンモニウム、エチルメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルメチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、炭素数1〜11のアルキル基またはアリールアルキル基で四級化されたイミダゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、脂環式アミジン化合物などが用いられる。
本発明に用いられる溶剤紡糸セルロース繊維とは、セルロース誘導体を経ずに、直接、有機溶剤に溶解させて紡糸して得られるセルロース繊維を意味する。JIS L0204−2では、この繊維の名称として「リヨセル」という用語が用いられている。
本発明では、溶剤紡糸セルロース繊維が木材パルプや麻パルプに比べて繊維同士の結合力が弱く、皮膜を形成しにくいため、高密度であっても繊維間の空隙が保持され、電解液中のイオン移動を阻害しにくく、ESRの低い電解コンデンサを実現できることを見出した。さらに、本発明では、様々な変法濾水度と長さ加重平均繊維長の溶剤紡糸セルロース繊維を作製し、転写性と均一性の関係を調査した結果、変法濾水度75〜250mlで、且つ、長さ加重平均繊維長0.80〜1.80mmの溶剤紡糸セルロース繊維が転写性と均一性に優れ、抄紙網への繊維取られが生じにくく、湿紙をフェルトへ転写させやすく、漉き上げた紙の地合が均一性に優れ、ESRのばらつきが小さい電解コンデンサを実現できることを見出した。変法濾水度が75ml未満又は長さ加重平均繊維長が0.80mm未満であると、抄紙網への繊維取られが生じ、フェルトへの転写ができない問題や無秩序に透けができる。変法濾水度が250ml超又は長さ加重平均繊維長が1.80mm超であると、紙の厚みを薄くしにくく、地合が不均一になる。
溶剤紡糸セルロース繊維の変法濾水度は、90〜220mlがより好ましく、90〜175mlがさらに好ましい。長さ加重平均繊維長は0.90〜1.60mmがより好ましく、0.90〜1.30mmがさらに好ましい。所定の溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布は、ピークが1つでも良く、2つ以上あっても良い。
本発明における変法濾水度は、ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの金網(PULP AND PAPER RESEARCH INSTITUTE OF CANADA製)を用い、試料濃度を0.1%にした以外はJIS P8121に準拠して測定した濾水度である。本発明において、変法濾水度を採用する理由は、1つはJIS P8121で規定されるカナダ標準型濾水度が数十〜0ml近辺で、叩解度の差をこれ以上判別できない試料の叩解度を明確にできるからであり、もう1つは叩解によって繊維長が短くなり、カナダ標準濾水度の計測で使用するふるい板の孔をパルプ試料がすり抜けてしまい、正確な濾水度を計測できない試料の叩解度を明確にできるからである。
長さ加重平均繊維長は、繊維にレーザー光を当てて得られる偏光特性を利用して求める市販の繊維長測定器を用いて測定することができる。本発明では、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.52「紙及びパルプの繊維長 試験方法(光学的自動計測法)」に準じてKajaaniFiberLabV3.5(Metso Automation社製)を使用して測定した。溶剤紡糸セルロース繊維の「長さ加重平均繊維長」とは、上記に従って測定・算出される「長さ加重平均繊維長」を意味する。
本発明における所定の溶剤紡糸セルロース繊維は、リファイナー、ビーター、ビートファイナー、ミル、摩砕装置、高速の回転刃により剪断力を与える回転刃式ホモジナイザー、高速で回転する円筒形の内刃と固定された外刃との間で剪断力を生じる二重円筒式の高速ホモジナイザー、超音波による衝撃で微細化する超音波破砕器、高圧ホモジナイザーなどに通して、刃の形状、試料濃度、流量、処理回数、処理速度などの条件を調節して作製される。
本発明のセパレータにおいて、紙は、溶剤紡糸セルロース繊維以外に無機フィラーを含有することが好ましい。無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、アルミナ、ギブサイト、ベーマイト、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化ジルコニウムなどの無機酸化物や無機水酸化物、窒化アルミニウムや窒化珪素などの無機窒化物、アルミニウム化合物、ゼオライト、マイカなどが挙げられる。無機フィラーの形状は、球状、略球状、板状、直方体、星形、鱗片状、不定形の何れでも良い。無機フィラーの平均一次粒子径は0.01〜3.00μmが好ましく、0.1〜1.00μmがより好ましい。0.01μm未満だと、担持しにくくなる場合がある。3.00μm超だと、セパレータの厚みを薄くしにくくなる場合がある。
本発明のセパレータが無機フィラーを含有する場合は、セルロース繊維同士が密着してセパレータの深さ方向及び平面方向の空隙が閉塞されることを抑制し、電解液の浸透性が向上し、イオン移動が円滑になるため、電解コンデンサのESRをより低くすることができる。
本発明のセパレータにおける無機フィラーの含有率は、0〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。30質量%超では、セパレータの強度が不十分になる場合がある。
本発明のセパレータに係わる紙は、抄紙法で製造される。具体的には、繊維を水に分散して均一なスラリーとし、このスラリーを抄紙機で漉き上げて作製する。スラリーには、必要に応じて分散助剤、消泡剤、増粘剤、凝集剤、紙力増強剤、剥離剤などの薬品を添加しても良い。抄紙機としては、円網、長網、傾斜型、傾斜短網等の抄紙網を単独で使用する抄紙機や、これらの抄紙網を複数組み合わせた複合抄紙機が挙げられる。紙の坪量は8.0〜30.0g/mが好ましく、12.0〜20.0g/mがより好ましい。坪量が8.0g/m未満だと、強度が不十分になる場合がある。30.0g/m超だと、セパレータの厚みを薄くしにくくなる場合がある。
本発明のセパレータに係わる紙は、抄紙後に必要に応じてカレンダー処理して厚みを調整すれば良い。厚みは、15〜100μmが好ましく、20〜60μmがより好ましい。厚みが15μm未満だと、密度が高くなりすぎてセパレータの電気抵抗が高くなる場合がある。厚みが100μm超だと、ESRが高くなる場合がある。カレンダー処理は、常温でも良く、加熱して実施しても良い。
本発明のセパレータは、空孔率が50〜85%であることが好ましく、56〜80%がより好ましい。空孔率が50%未満だと、電解液保持性が不十分になり、ESRが高くなる場合がある。85%超だと、セパレータの強度が不十分になる場合がある。
本発明のセパレータは、引張強度が3.0N/15mm以上であることが好ましく、4.0N/15mm以上であることが好ましい。3.0N/15mm未満だと、巻回時などにセパレータが切断してしまう場合がある。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
表1に実施例及び比較例で用いた溶剤紡糸セルロース繊維の変法濾水度、長さ加重平均繊維長、カナダ型標準濾水度を示した。カナダ型標準濾水度は、JIS P8121に準拠して測定した。比較例で用いたマニラ麻パルプ、エスパルトパルプ、クラフトパルプの長さ加重平均繊維長とカナダ型標準濾水度を示した。F1〜F9は、溶剤紡糸セルロース繊維(繊度1.7dtex、繊維長4mm、コートルズ社製)を原料とし、ダブルディスクリファイナーを用いて叩解し、叩解時間を変えて作製した。マニラ麻パルプ、エスパルトパルプ、クラフトパルプもダブルディスクリファイナーを用いて叩解して作製した。
Figure 2014036075
表2に実施例及び比較例で用いた抄紙用スラリーを示した。表2中の「原料」の記号は、表1の「記号」に該当する。表2中の「原料」のB1とは、ベーマイト(平均一次粒子径0.5μm)を意味する。表2中の「原料」のM1とは、酸化マグネシウム(平均一次粒子径0.3μm)を意味する。実施例及び比較例で用いたベーマイト及び酸化マグネシウムの平均一次粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定したときの、質量比で積算50%のときの粒子径、即ちD50を意味する。
Figure 2014036075
実施例1〜7
パルパーを用いてスラリー1〜7を調製し、長網抄紙機に送液して抄紙し、150℃のヤンキードライヤーで乾燥させた。抄紙後、カレンダー処理して厚みを調整し、実施例1〜7のセパレータを作製した。
実施例8〜11
所定の溶剤紡糸セルロース繊維をパルパーで離解させながら、予めミキサーで分散させておいた所定量のベーマイトを添加し、凝集剤(三洋化成製、商品名:サンフロック(登録商標)C−009P)を溶剤紡糸セルロース繊維とベーマイトの合計質量に対して0.3質量%添加して所定時間攪拌し、スラリー8〜11を調製した。スラリー8〜11を長網抄紙機へ送液して抄紙し、150℃のヤンキードライヤーで乾燥させた。抄紙後、カレンダー処理して厚みを調整し、実施例8〜11のセパレータを作製した。実施例8〜11のセパレータを指で擦ったとき、無機フィラーの粉落ちは生じなかった。
実施例12
所定の溶剤紡糸セルロース繊維をパルパーで離解させながら、予めミキサーで分散させておいた所定量の酸化マグネシウムを添加し、凝集剤(三洋化成製、商品名:サンフロック(登録商標)C−009P)を溶剤紡糸セルロース繊維と酸化マグネシウムの合計質量に対して0.3質量%添加して所定時間攪拌し、スラリー12を調製した。スラリー12を長網抄紙機へ送液して抄紙し、150℃のヤンキードライヤーで乾燥させた。抄紙後、カレンダー処理して厚みを調整し、実施例12のセパレータを作製した。該セパレータを指で擦ったとき、無機フィラーの粉落ちは生じなかった。
比較例1〜6
パルパーを用いてスラリー13〜18を調製し、長網抄紙機に送液して抄紙し、150℃のヤンキードライヤーで乾燥させた。抄紙後、カレンダー処理して厚みを調整し、比較例1〜6のセパレータを作製した。
比較例7
マニラ麻パルプをパルパーで離解させながら、予めミキサーで分散させておいた所定量のベーマイトを添加し、所定時間攪拌してスラリー19を調製し、長網抄紙機に送液して抄紙し、150℃のヤンキードライヤーで乾燥させた。抄紙後、カレンダー処理して厚みを調整し、比較例7のセパレータを作製した。該セパレータを指で擦ったとき、無機フィラーの粉落ちは生じなかった。
比較例8
クラフトパルプをパルパーで離解させながら、予めミキサーで分散させておいた所定量の酸化マグネシウムを添加し、所定時間攪拌してスラリー20を調製し、長網抄紙機に送液して抄紙し、150℃のヤンキードライヤーで乾燥させた。抄紙後、カレンダー処理して厚みを調整し、比較例8のセパレータを作製した。該セパレータを指で擦ったとき、無機フィラーの粉落ちは生じなかった。
[評価]
実施例及び比較例のセパレータについて、下記の評価を行い、結果を表3に示した。表3中の「−」は該当なしを意味する。
<転写性>
セパレータの抄紙時に抄紙網に繊維取られがほとんどなく、湿紙をフェルトに安定して転写できた場合を「◎」、抄紙網への繊維取られは少なく、安定して転写できた場合、又は、抄紙網への繊維取られがやや多い場合もあるが、安定して転写できた場合を「○」、抄紙網の全面又は大部分に連続的に繊維取られが発生して安定して湿紙をフェルトに転写することができなかった場合を「×」とした。
<厚み>
JIS P8118に準拠して厚みを測定し、その平均値を算出した。
<密度>
JIS P8124に準拠してセパレータの坪量を測定し、坪量を厚みで除して100倍した値を密度とした。
<空孔率>
セパレータの空孔率は、セパレータの比重からセパレータの密度を差し引いて得られる値をセパレータの比重で除した後100倍して算出した。実施例1〜7、比較例1〜4のセパレータの比重については、セルロース繊維の比重1.5とした。実施例8〜11、比較例7のセパレータの比重については、ベーマイトの比重を3.04として、セルロース繊維とベーマイトの配合率に従って計算した。実施例12、比較例8のセパレータの比重については、酸化マグネシウムの比重を3.65として、セルロース繊維と酸化マグネシウムの配合率に従って計算した。
<均一性>
セパレータの裏側から光を当てて目視で観察し、地合の均一性が極めて良好なものを「◎」、◎よりは劣るが、ピンホールがなく良好なものを「○」、ピンホールが生じるほどの地合のもこつきや粗密斑があるものを「×」とした。
<電解コンデンサ>
[電解コンデンサの作製]
陽極に化成エッチングされたアルミニウム箔、陰極に未化成のエッチングアルミニウム箔を用い、これらの間に、実施例及び比較例のセパレータをそれぞれ挟んで巻回し、巻回素子を作製した。1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩の濃度を30質量%になるようにγ−ブチロラクトンに溶解させた電解液を巻回素子に注入し、封口して、実施例及び比較例の電解コンデンサを作製した。
実施例及び比較例の電解コンデンサについて、下記の試験方法により評価を行い、その結果を表3に示した。
<ESR>
電解コンデンサのESRを20℃、1kHzの周波数でLCRメーターを用いて測定した。
<ばらつき>
電解コンデンサのESRの標準偏差をばらつきの指標とした。標準偏差の値が小さいほどばらつきが小さく優れている。
Figure 2014036075
実施例1〜7のセパレータは、変法濾水度75〜250mlで、且つ、長さ加重平均繊維長0.80〜1.80mmである溶剤紡糸セルロース繊維からなる紙であるため、湿紙のフェルトへの転写性が良く、抄紙安定性に優れていた。また、繊維間の空隙が保持されているためESRが低く優れていた。さらに、均一性が高いため、ESRのばらつきが小さく優れていた。
実施例8〜12のセパレータは、変法濾水度75〜250mlで、且つ、長さ加重平均繊維長0.80〜1.80mmの溶剤紡糸セルロース繊維と無機フィラーを含有してなるため、セルロース繊維同士の密着が抑制され、セルロース繊維間の空隙が保持されたため、電解液のイオン移動が円滑になり、変法濾水度と長さ加重平均繊維長が同種の溶剤紡糸セルロース繊維のみからなるセパレータと比べると(実施例8と実施例3、実施例9と実施例4、実施例12と実施例4、実施例10と実施例5、実施例11と実施例5)ESRが低く、ESRのばらつきが小さく優れていた。
比較例1のセパレータは、溶剤紡糸セルロース繊維からなり、転写性は良好だったが、変法濾水度が250ml超で、且つ、長さ加重平均繊維長が1.80mm超であるため、太い繊維が多く含まれており、セルロース繊維同士の絡み合いが不十分であり、もこついた不均一な地合になり、ESRは実施例1〜7(溶剤紡糸セルロース繊維100%)と同等だったが、ESRのばらつきが大きかった。
比較例2のセパレータは、溶剤紡糸セルロース繊維からなるが、変法濾水度が75ml未満で、且つ、長さ加重平均繊維長が0.80mm未満であるため、抄紙網への繊維取られが多く、湿紙のフェルトへの転写が不安定となり、安定して抄紙することができなかったため、評価することができなかった。
比較例3のセパレータは、所定の溶剤紡糸セルロース繊維とマニラ麻パルプからなるため、湿紙の転写性は良好で、抄紙安定性に優れていたが、麻パルプが皮膜を形成し、繊維間の空隙を閉塞してしまったため、所定の溶剤紡糸セルロース繊維のみからなる実施例5よりもESRが高く、ESRのばらつきが大きかった。
比較例4のセパレータは、所定の溶剤紡糸セルロース繊維とエスパルトパルプからなるため、湿紙の転写性は良好で、抄紙安定性に優れていたが、エスパルトパルプが堅く、柔軟性に欠けるため、繊維同士の絡み合いが少なく、地合が不均一で、所定の溶剤紡糸セルロース繊維のみからなる実施例5よりもESRが高く、ESRのばらつきが大きかった。
比較例5のセパレータは、溶剤紡糸セルロース繊維を含有せず、マニラ麻パルプとエスパルトパルプからなり、麻パルプの混抄率が高く、麻パルプが皮膜を形成し、繊維間の空隙を閉塞したため、ESRが高く、ESRのばらつきが大きかった。
比較例6のセパレータは、溶剤紡糸セルロース繊維を含有せず、マニラ麻パルプとエスパルトパルプからなり、比較例5よりもマニラ麻パルプの混抄率が低いため、比較例5よりは皮膜の面積が小さかったが、繊維間の空隙が閉塞されたため、ESRが高く、ESRのばらつきが大きかった。
比較例7のセパレータは、溶剤紡糸セルロース繊維を含有せず、マニラ麻パルプと無機フィラーからなるため、湿紙の転写性は良好で、抄紙安定性に優れていたが、地合が不均一で、ESRが高く、ESRのばらつきが大きかった。
比較例8のセパレータは、溶剤紡糸セルロース繊維を含有せず、クラフトパルプと無機フィラーからなるため、湿紙の転写性は良好で、抄紙安定性に優れていたが、地合が不均一で、ESRが高く、ESRのばらつきが大きかった。
本発明の電解コンデンサ用セパレータは、アルミ電解コンデンサに利用可能である。

Claims (3)

  1. 下記で定義される変法濾水度が75〜250mlで、且つ、長さ加重平均繊維長が0.80〜1.80mmである溶剤紡糸セルロース繊維からなる紙であることを特徴とする電解コンデンサ用セパレータ。
    変法濾水度:ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度0.1%にした以外はJIS P8121に準拠して測定した濾水度。
  2. 紙が無機フィラーを含有してなる請求項1記載の電解コンデンサ用セパレータ。
  3. 請求項1又は2記載の電解コンデンサ用セパレータを具備してなる電解コンデンサ。
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JP7386776B2 (ja) 2020-10-27 2023-11-27 三菱製紙株式会社 炭素繊維含有湿式不織布

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