JP2014036074A - キャパシタ用セパレータ及びキャパシタ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、抄紙安定性に優れ、薄くて均一性が高く、内部抵抗上昇率の低いキャパシタ用セパレータ及びそれを用いてなるキャパシタを提供することにある。
【解決手段】変法濾水度が75〜250mlで、且つ、長さ加重平均繊維長が0.80〜1.80mmである溶剤紡糸セルロース繊維からなる紙であることを特徴とするキャパシタ用セパレータ。
【選択図】なし
【解決手段】変法濾水度が75〜250mlで、且つ、長さ加重平均繊維長が0.80〜1.80mmである溶剤紡糸セルロース繊維からなる紙であることを特徴とするキャパシタ用セパレータ。
【選択図】なし
Description
本発明は、キャパシタ用セパレータ及びキャパシタに関する。
近年、携帯型電子機器の発達により、それらの電子機器に搭載されるキャパシタも小型化が進んでいる。従来、電気二重層キャパシタには、セルロースからなる紙セパレータやガラスなどの無機繊維を主体とするセパレータが使用されている。また、再生セルロースや溶剤紡糸セルロース繊維を含有する紙セパレータを用いてなる電気二重層キャパシタ(例えば、特許文献1〜4参照)やセルロース系繊維織布又は不織布から構成されたキャパシタ用セパレータ(例えば、特許文献5参照)が開示されている。さらに、最大繊維太さが1000nm以下のセルロース繊維からなるセパレータ(例えば、特許文献6参照)、特定範囲の平均繊維径を有するセルロース繊維と、特定の平均繊維径を有するポリオレフィンとを含む、厚み20μm以下の不織布からなるセパレータ(例えば、特許文献7参照)、粒子が充填された不織布からなるセパレータ(例えば、特許文献8参照)、無機繊維と無機バインダーのみからなるセパレータ(例えば、特許文献9参照)、無機繊維と無機粉体とを含有するセパレータ(例えば、特許文献10参照)が開示されている。
特許文献1〜4のセパレータは、坪量を10g/m2程度まで軽くすると、ピンホールができやすくなり、耐電圧(絶縁破壊電圧)が低くなる問題、セル中で脱落した電極活物質が貫通して内部短絡しやすくなる問題があった。特許文献1〜4のセパレータは、叩解が進みすぎて、セルロース繊維の平均繊維長が短い場合は、繊維同士の絡み合いが不十分になるため、抄紙網への繊維取られが生じ、湿紙のフェルトへの転写不良が生じることや、透けやピンホールが生じることがあった。逆に、叩解が甘く、平均繊維長が長い場合は、太い繊維が多数含まれるため、もこついた地合になり、粗密斑ができるため、キャパシタ特性のばらつきが大きくなる問題があった。
特許文献1の実施例で使用されている紙セパレータの厚みは40μmと50μmであり、小型、薄型化が要求される用途の電気二重層キャパシタには不十分であった。特許文献1及び2のセパレータは、麻パルプを多く含有する場合は、麻パルプが皮膜を形成しやすく、繊維間の空隙を閉塞してしまう問題があった。麻パルプの含有量が少ない場合は、ピンホールが生じやすい問題があった。
特許文献3には、叩解されてなる再生セルロース繊維を10質量%以上含み、特定範囲の厚み、且つ特定範囲の密度、且つ特定範囲の引張強度を有する紙をセパレータとして用いることが開示されているが、再生セルロース繊維以外のセルロースについての記載がなく、特定範囲の厚み、密度、引張強度を同時に達成する方法について開示されていない。叩解されてなる再生セルロース繊維以外のセルロース成分が主体あるいは大半を占める場合は、そのセルロース成分の物理的、化学的特性の影響を無視することはできないが、該文献はこれらに関する技術態様を欠いている。また、実施例では、厚み60μm以上のセパレータしか示されていない。特許文献4におけるセパレータについても、叩解されてなる再生セルロース繊維以外の材料、構成比率についての記載がない。
特許文献5のセパレータは、再生セルロースの連続長繊維からなる場合は、地合斑や粗密斑ができやすく、厚みを薄くするほど地合斑が顕著になる問題があった。また、連続長繊維ではない不織布の場合は、溶剤紡糸セルロース繊維の叩解度と平均繊維長とフェルトへの転写性の関係について考慮されていない。実施例で用いられている溶剤紡糸セルロース繊維は、叩解度が弱めであるため、繊維同士の絡み合いが不十分になり、ピンホールが生じやすい。そのため、実施例では25g/m2という高坪量、且つ、高密度(低空孔率)のセパレータしか示されていない。特許文献6のセパレータは、微細なセルロース繊維のみで構成されるが、通常の乾燥方法では、セルロース繊維同士が結着して皮膜を形成するなどして繊維間の空隙が閉塞されてしまうため、湿紙の水分を有機溶媒に置換して低温乾燥させなければならないという制約があった。湿紙の水分を有機溶媒に置換する工程は時間がかかることと、溶媒置換により経時でバット内の有機溶媒の濃度が低くなっていき、経時で置換効率が低下するため、大量の湿紙を連続で処理することは難しく、バッチ式で作業せざるを得ず、巻き取りでの製造が困難という問題があった。
紙セパレータとして、例えば、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維と麻パルプからなる場合は、麻パルプの混抄率が多くなると、麻パルプが皮膜を形成し、セパレータの空隙を閉塞してしまう問題があった。逆に麻パルプの混抄率が少ないと、ピンホールが生じやすい問題があった。例えば、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維とエスパルトパルプからなる場合は、エスパルトパルプが堅く、繊維同士の絡み合いが少なくなるため、地合が不均一でピンホールが生じやすい問題があった。
特許文献7のセパレータは、ポリオレフィン繊維の含有量が多くなるほどセパレータの耐熱性が悪くなり、キャパシタの製造工程において高温乾燥させると収縮やぼこつきが生じるため、キャパシタセルの乾燥温度を低くせざるを得ず、キャパシタの製造効率が悪いという問題があった。
特許文献8のセパレータは、実質的には、粒子を含有する溶液を不織布に含浸又は塗工して作製される。不織布に粒子を固着させるためのバインダーが添加されており、バインダーの添加量が多いと、バインダーが粒子を被覆してしまい、粒子間の隙間を閉塞してしまう問題があった。一方、バインダーの添加量が少ないと、粒子の固着が不十分になり、粒子が粉落ちする問題があった。特許文献9のセパレータは、無機繊維と無機バインダーのみからなるため折れ曲げに弱く、厚みを薄くすることが難しく、キャパシタの小型化や薄型化に限界があった。特許文献10のセパレータは、無機繊維自体に結着性がなく、無機粉体を固着させることができない上に、熱接着性有機繊維の繊維径が太いため、無機粉体を歩留まり良く担持させることが難しい。そのため、無機粉体をできる限り担持させるために、無機繊維や有機繊維の量を多くせざるを得ず、結果としてセパレータの厚みを薄くすることが難しく、キャパシタの小型化や薄型化に限界があった。また、セパレータの取り扱い時に無機粉体の粉落ちが生じやすい問題もあった。
従来、リチウムイオンキャパシタには、紙セパレータ、ポリエチレンやポリプロピレンからなる多孔質フィルムや不織布が使用されている。紙セパレータについては、厚みを薄くしていくと、ピンホールができやすくなり耐電圧(絶縁破壊電圧)が低くなる問題、セル中で脱落した電極活物質が貫通して内部短絡しやすくなる問題があった。リチウムイオンキャパシタは、充電に伴って発熱する。何らかに事情により、著しく過充電された場合には高温になり、ポリエチレンやポリプロピレンからなる多孔質フィルムや不織布は溶融してしまうことがあった。
本発明の課題は、抄紙安定性に優れ、薄くて均一性に優れ、内部抵抗上昇率の低いキャパシタ用セパレータ及びそれを用いてなるキャパシタを提供することにある。
上記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定範囲の変法濾水度、且つ、特定範囲の平均繊維長を有する溶剤紡糸セルロース繊維を用いることにより、抄紙安定性に優れ、薄くて均一性が高く、内部抵抗上昇率の低いキャパシタ用セパレータを実現できることを見出した。また、無機フィラーを含有させることにより、内部抵抗上昇率がより低いキャパシタ用セパレータを実現できることを見出した。
本発明のキャパシタ用セパレータは、変法濾水度が75〜250mlで、且つ、長さ加重平均繊維長が0.80〜1.80mmである溶剤紡糸セルロース繊維からなる紙であるため、抄紙網への繊維取られが生じにくく、湿紙をフェルトへ転写させやすく、抄紙安定性に優れ、薄くて均一性が高く、経時での内部抵抗上昇率が低い。また、無機フィラーを含有する場合は、キャパシタの内部抵抗上昇率をより低く抑えることができる。
本発明において、「セパレータ」と表記する場合は、キャパシタ用セパレータを意味する。本発明において、「所定の溶剤紡糸セルロース繊維」と表記する場合は、変法濾水度が75〜250mlで、且つ、長さ加重平均繊維長が0.80〜1.80mmである溶剤紡糸セルロース繊維を意味する。
本発明におけるキャパシタとは、電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、レドックスキャパシタを指す。
電気二重層キャパシタは、電極と電解液との界面に電気二重層が形成され、蓄電される。電極は、一対の電気二重層型電極、一方が電気二重層型電極で、もう片方が酸化還元型電極の組み合わせの何れでも良い。電気二重層型電極としては、活性炭や非多孔性炭素、黒鉛などの炭素材料からなる電極が挙げられる。ここで、非多孔性炭素とは、活性炭とは製法が異なり、黒鉛に類似の微結晶炭素を有する炭素を指す。活性炭の場合は、充放電に伴って細孔にイオンが入ったり出たりするが、非多孔性炭素の場合は、微結晶炭素の層間にイオンが入ったり出たりする。電極活物質としては、活性炭、カーボンブラック、カーボンエーロゲル、カーボンナノチューブ、非多孔性炭素などの炭素材料が主に用いられる。対となる電気二重層型電極は、それぞれ同一であっても異なっていても良い。酸化還元型電極としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリアセン、インドール三量体、ポリフェニルキノキサリン、これらの誘導体(例えば、ポリフルオロフェニルチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)など)などの導電性高分子や金属錯体高分子、酸化ルテニウム、酸化インジウム、酸化タングステンなどの金属酸化物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ハイブリッドキャパシタとは、キャパシタ(非ファラデー反応)と電池反応(ファラデー反応)とを折衷させ、正極か負極のどちらかにファラデー反応を利用したキャパシタである。ファラデー反応には電位平坦性があるが、非ファラデー反応には電位平坦性はないため、ハイブリッドキャパシタ自体には電圧平坦性は現れない。電極活物質としては、例えば、活性炭、カーボンブラック、カーボンエーロゲル、カーボンナノチューブ、非多孔性炭素、イオン吸蔵炭素、二酸化マンガン、コバルト酸リチウム、酸化ルテニウム、チタン酸リチウムなどが挙げられる。
リチウムイオンキャパシタは、負極活物質がリチウムイオンを可逆的に担持可能な物質であり、正極活物質がリチウムイオンおよび/またはアニオンを可逆的に担持可能な物質であり、予め負極および/または正極にリチウムイオンが担持されてなるキャパシタである。負極活物質としては、例えば黒鉛、難黒鉛化炭素、ポリアセン系有機半導体、チタン酸リチウムなどが挙げられる。正極活物質としては、例えばポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレンなどの導電性高分子、活性炭、ポリアセン系有機半導体などが挙げられる。
レドックスキャパシタは、蓄電と放電の機構が、電極活物質の酸化還元、電極表面でのイオンの吸脱着、電気二重層における充放電のすべてあるいは一部を利用してなるものである。電極活物質としては、酸化ルテニウム、酸化イリジウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニッケル、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化コバルトなどの金属酸化物、これら金属酸化物の複合物、これら金属酸化物の水和物、これら金属酸化物と炭素材料との複合物、窒化モリブデン、窒化モリブデンと金属酸化物との複合物などが挙げられる。
電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、レドックスキャパシタに用いられる電解液としては、イオン解離性の塩を溶解させた水溶液、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジメトキシメタン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルソルブ、これらの混合溶媒などの有機溶媒にイオン解離性の塩を溶解させたもの、イオン性液体(固体溶融塩)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いられる溶剤紡糸セルロース繊維とは、セルロース誘導体を経ずに、直接、有機溶剤に溶解させて紡糸して得られるセルロース繊維を意味する。JIS L0204−2では、この繊維の名称として「リヨセル」という用語が用いられている。本発明では、様々な変法濾水度と長さ加重平均繊維長の溶剤紡糸セルロース繊維を作製し、転写性と緻密性の関係を調査した結果、変法濾水度75〜250mlで、且つ、長さ加重平均繊維長0.80〜1.80mmの溶剤紡糸セルロース繊維が転写性と緻密性に優れ、抄紙網への繊維取られが生じにくく、フェルトへ転写させやすいことを見出した。変法濾水度が75ml未満又は長さ加重平均繊維長が0.80mm未満であると、抄紙網への繊維取られが生じ、フェルトへの転写ができない問題や透けやピンホールができる問題が発生する。変法濾水度が250ml超又は長さ加重平均繊維長が1.80mm超であると、紙の厚みを薄くすることができず、地合斑やピンホールが生じる問題が発生する。
溶剤紡糸セルロース繊維の変法濾水度は、90〜220mlがより好ましく、90〜175mlがさらに好ましい。長さ加重平均繊維長は0.90〜1.60mmがより好ましく、0.90〜1.30mmがさらに好ましい。所定の溶剤紡糸セルロース繊維の繊維長分布は、ピークが1つでも良く、2つ以上あっても良い。
本発明における変法濾水度は、ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの金網(PULP AND PAPER RESEARCH INSTITUTE OF CANADA製)を用い、試料濃度を0.1%にした以外はJIS P8121に準拠して測定した濾水度である。本発明において、変法濾水度を採用する理由は、1つはJIS P8121で規定されるカナダ標準型濾水度が数十〜0ml近辺で、叩解度の差をこれ以上判別できない試料の叩解度を明確にできるからであり、もう1つは叩解によって繊維長が短くなり、カナダ標準濾水度の計測で使用するふるい板の孔をパルプ試料がすり抜けてしまい、正確な濾水度を計測できない試料の叩解度を明確にできるからである。
長さ加重平均繊維長は、繊維にレーザー光を当てて得られる偏光特性を利用して求める市販の繊維長測定器を用いて測定することができる。本発明では、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.52「紙及びパルプの繊維長 試験方法(光学的自動計測法)」に準じてKajaaniFiberLabV3.5(Metso Automation社製)を使用して測定した。溶剤紡糸セルロース繊維の「長さ加重平均繊維長」とは、上記に従って測定・算出される「長さ加重平均繊維長」を意味する。
本発明における所定の溶剤紡糸セルロース繊維は、リファイナー、ビーター、ビートファイナー、ミル、摩砕装置、高速の回転刃により剪断力を与える回転刃式ホモジナイザー、高速で回転する円筒形の内刃と固定された外刃との間で剪断力を生じる二重円筒式の高速ホモジナイザー、超音波による衝撃で微細化する超音波破砕器、高圧ホモジナイザーなどに通して、刃の形状、試料濃度、流量、処理回数、処理速度などの条件を調節して作製される。
本発明のセパレータにおいて、紙が溶剤紡糸セルロース繊維以外に無機フィラーを含有することが好ましい。無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、アルミナ、ギブサイト、ベーマイト、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化ジルコニウムなどの無機酸化物や無機水酸化物、窒化アルミニウムや窒化珪素などの無機窒化物、アルミニウム化合物、ゼオライト、マイカなどが挙げられる。無機フィラーの形状は、球状、略球状、板状、直方体、星形、鱗片状、不定形の何れでも良い。無機フィラーの平均一次粒子径は0.01〜3.00μmが好ましく、0.1〜1.00μmがより好ましい。0.01μm未満だと、担持しにくくなる場合がある。3.00μm超だと、セパレータの厚みを薄くしにくくなる場合やピンホールが生じる場合がある。
本発明のセパレータが無機フィラーを含有する場合は、セルロース繊維同士が密着してセパレータの深さ方向及び平面方向の空隙が閉塞されることを抑制し、電解液の浸透性が向上し、イオン移動が円滑になるため、キャパシタの内部抵抗をより低くすることができ、経時でのキャパシタの内部抵抗上昇率をより低くすることができる。
本発明のセパレータにおける無機フィラーの含有率は、0〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。30質量%超では、セパレータにピンホールが生じる場合や強度が不十分になる場合がある。
本発明のセパレータに係わる紙は、抄紙法で製造される。具体的には、繊維を水に分散して均一なスラリーとし、このスラリーを抄紙機で漉き上げて作製する。スラリーには、必要に応じて分散助剤、消泡剤、増粘剤、凝集剤、紙力増強剤、剥離剤などの薬品を添加しても良い。抄紙機としては、円網、長網、傾斜型、傾斜短網等の抄紙網を単独で使用する抄紙機や、これらの抄紙網を複数組み合わせた複合抄紙機が挙げられる。紙の坪量は12.0〜23.0g/m2が好ましく、13.0〜20.0g/m2がより好ましい。坪量が12.0g/m2未満だと、ピンホールが生じる場合がある。23.0g/m2超だと、セパレータの厚みを薄くしにくくなる場合がある。
本発明の紙は、抄紙後に必要に応じてカレンダー処理して厚みを調整すれば良い。厚みは、18〜35μmが好ましく、20〜30μmがより好ましい。厚みが18μm未満だと、ピンホールが生じる場合や、密度が高くなりすぎて、セパレータの電気抵抗が高くなる場合がある。厚みが35μm超だと、キャパシタの小型化や薄型化が不十分になる場合がある。カレンダー処理は、常温でも良く、加熱して実施しても良い。
本発明のセパレータは、空孔率が50〜75%であることが好ましく、56〜70%がより好ましい。空孔率が50%未満だと、電解液保持性が不十分になり、内部抵抗が高くなる場合がある。75%超だと、セパレータの強度が不十分になる場合がある。
本発明のセパレータは、透気度が1.0〜20.0s/100mlであることが好ましく、2.0〜15.0s/100mlであることがより好ましい。1.0s/100ml未満だと、ピンホールが生じる場合がある。20.0s/100ml超だと、電解液の浸透性が不十分になる場合がある。
本発明のセパレータは、引張強度が4.0N/15mm以上であることが好ましく、5.0N/15mm以上であることが好ましい。4.0N/15mm未満だと、巻回時などにセパレータが切断してしまう場合がある。
本発明のセパレータは、ASTM−F316−86で規定される最大孔径が0.50〜5.00μmであることが好ましく、0.50〜3.00μmであることがより好ましい。0.50μm未満だと、電解液浸透性が悪くなる場合がある。5.00μmより大きいと、セパレータにピンホールができる場合がある。本発明のセパレータの平均孔径は、0.20〜0.90μmが好ましく、0.30〜0.75μmがより好ましい。平均孔径が0.20μm未満だと、電解液浸透性が悪くなる場合がある。0.90μm超だと、セパレータにピンホールができる場合がある。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
表1に実施例及び比較例で用いた溶剤紡糸セルロース繊維の変法濾水度、長さ加重平均繊維長、カナダ型標準濾水度を示した。カナダ型標準濾水度は、JIS P8121に準拠して測定した。比較例で用いたマニラ麻パルプ及びエスパルトパルプの長さ加重平均繊維長とカナダ型標準濾水度を示した。F1〜F9は、溶剤紡糸セルロース繊維(繊度1.7dtex、繊維長4mm、コートルズ社製)を原料とし、ダブルディスクリファイナーを用いて叩解し、叩解時間を変えて作製した。マニラ麻パルプ、エスパルトパルプもダブルディスクリファイナーを用いて叩解して作製した。
表2に実施例及び比較例で用いた抄紙用スラリーを示した。表2中の「原料」の記号は、表1の「記号」に該当する。表2中の「原料」のB1とは、ベーマイト(平均一次粒子径0.5μm)を意味する。表2中の「原料」のM1とは、酸化マグネシウム(平均一次粒子径0.3μm)を意味する。実施例及び比較例で用いたベーマイト及び酸化マグネシウムの平均一次粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定したときの、質量比で積算50%のときの粒子径、即ちD50を意味する。
実施例1〜5、7、8
パルパーを用いてスラリー1〜5、6、7を調製し、長網抄紙機に送液して抄紙し、150℃のヤンキードライヤーで乾燥させた。抄紙後、カレンダー処理して厚みを調整し、実施例1〜5、7、8のセパレータを作製した。
パルパーを用いてスラリー1〜5、6、7を調製し、長網抄紙機に送液して抄紙し、150℃のヤンキードライヤーで乾燥させた。抄紙後、カレンダー処理して厚みを調整し、実施例1〜5、7、8のセパレータを作製した。
実施例6
スラリー5に、紙力増強剤(荒川化学製、商品名:ポリストロン(登録商標)1250)を溶剤紡糸セルロース繊維に対して2質量%添加して所定時間攪拌し、長網抄紙機へ送液して抄紙し、150℃のヤンキードライヤーで乾燥させた。抄紙後、カレンダー処理して厚みを調整し、実施例6のセパレータを作製した。
スラリー5に、紙力増強剤(荒川化学製、商品名:ポリストロン(登録商標)1250)を溶剤紡糸セルロース繊維に対して2質量%添加して所定時間攪拌し、長網抄紙機へ送液して抄紙し、150℃のヤンキードライヤーで乾燥させた。抄紙後、カレンダー処理して厚みを調整し、実施例6のセパレータを作製した。
実施例9〜12
所定の溶剤紡糸セルロース繊維をパルパーで離解させながら、予めミキサーで分散させておいた所定量のベーマイトを添加し、凝集剤(三洋化成製、商品名:サンフロック(登録商標)C−009P)を溶剤紡糸セルロース繊維とベーマイトの合計質量に対して0.3質量%添加して所定時間攪拌し、さらに紙力増強剤(荒川化学製、商品名:ポリストロン(登録商標)1250)を溶剤紡糸セルロース繊維に対して2質量%添加して所定時間攪拌し、スラリー8〜11を調製した。スラリー8〜11を長網抄紙機へ送液して抄紙し、150℃のヤンキードライヤーで乾燥させた。抄紙後、カレンダー処理して厚みを調整し、実施例9〜12のセパレータを作製した。実施例9〜12のセパレータを指で擦ったとき、無機フィラーの粉落ちは生じなかった。
所定の溶剤紡糸セルロース繊維をパルパーで離解させながら、予めミキサーで分散させておいた所定量のベーマイトを添加し、凝集剤(三洋化成製、商品名:サンフロック(登録商標)C−009P)を溶剤紡糸セルロース繊維とベーマイトの合計質量に対して0.3質量%添加して所定時間攪拌し、さらに紙力増強剤(荒川化学製、商品名:ポリストロン(登録商標)1250)を溶剤紡糸セルロース繊維に対して2質量%添加して所定時間攪拌し、スラリー8〜11を調製した。スラリー8〜11を長網抄紙機へ送液して抄紙し、150℃のヤンキードライヤーで乾燥させた。抄紙後、カレンダー処理して厚みを調整し、実施例9〜12のセパレータを作製した。実施例9〜12のセパレータを指で擦ったとき、無機フィラーの粉落ちは生じなかった。
実施例13
所定の溶剤紡糸セルロース繊維をパルパーで離解させながら、予めミキサーで分散させておいた所定量の酸化マグネシウムを添加し、凝集剤(三洋化成製、商品名:サンフロック(登録商標)C−009P)を溶剤紡糸セルロース繊維と酸化マグネシウムの合計質量に対して0.3質量%添加して所定時間攪拌し、さらに紙力増強剤(荒川化学製、商品名:ポリストロン(登録商標)1250)を溶剤紡糸セルロース繊維に対して2質量%添加して所定時間攪拌し、スラリー12を調製した。スラリー12を長網抄紙機へ送液して抄紙し、150℃のヤンキードライヤーで乾燥させた。抄紙後、カレンダー処理して厚みを調整し、実施例13のセパレータを作製した。該セパレータを指で擦ったとき、無機フィラーの粉落ちは生じなかった。
所定の溶剤紡糸セルロース繊維をパルパーで離解させながら、予めミキサーで分散させておいた所定量の酸化マグネシウムを添加し、凝集剤(三洋化成製、商品名:サンフロック(登録商標)C−009P)を溶剤紡糸セルロース繊維と酸化マグネシウムの合計質量に対して0.3質量%添加して所定時間攪拌し、さらに紙力増強剤(荒川化学製、商品名:ポリストロン(登録商標)1250)を溶剤紡糸セルロース繊維に対して2質量%添加して所定時間攪拌し、スラリー12を調製した。スラリー12を長網抄紙機へ送液して抄紙し、150℃のヤンキードライヤーで乾燥させた。抄紙後、カレンダー処理して厚みを調整し、実施例13のセパレータを作製した。該セパレータを指で擦ったとき、無機フィラーの粉落ちは生じなかった。
比較例1〜4
パルパーを用いてスラリー13〜16を調製し、長網抄紙機に送液して抄紙し、150℃のヤンキードライヤーで乾燥させた。抄紙後、カレンダー処理して厚みを調整し、比較例1〜4のセパレータを作製した。
パルパーを用いてスラリー13〜16を調製し、長網抄紙機に送液して抄紙し、150℃のヤンキードライヤーで乾燥させた。抄紙後、カレンダー処理して厚みを調整し、比較例1〜4のセパレータを作製した。
比較例5
マニラ麻パルプをパルパーで離解させながら、予めミキサーで分散させておいた所定量のベーマイトを添加し、凝集剤(三洋化成製、商品名:サンフロック(登録商標)C−009P)をマニラ麻パルプとベーマイトの合計質量に対して0.3質量%添加して所定時間攪拌してスラリー17を調製し、長網抄紙機に送液して抄紙し、150℃のヤンキードライヤーで乾燥させた。抄紙後、カレンダー処理して厚みを調整し、比較例5のセパレータを作製した。該セパレータを指で擦ったとき、無機フィラーの粉落ちは生じなかった。
マニラ麻パルプをパルパーで離解させながら、予めミキサーで分散させておいた所定量のベーマイトを添加し、凝集剤(三洋化成製、商品名:サンフロック(登録商標)C−009P)をマニラ麻パルプとベーマイトの合計質量に対して0.3質量%添加して所定時間攪拌してスラリー17を調製し、長網抄紙機に送液して抄紙し、150℃のヤンキードライヤーで乾燥させた。抄紙後、カレンダー処理して厚みを調整し、比較例5のセパレータを作製した。該セパレータを指で擦ったとき、無機フィラーの粉落ちは生じなかった。
[評価]
実施例及び比較例のセパレータについて、下記の評価を行い、結果を表3に示した。表3中の「−」は該当なしを意味する。
実施例及び比較例のセパレータについて、下記の評価を行い、結果を表3に示した。表3中の「−」は該当なしを意味する。
<転写性>
セパレータの抄紙時に抄紙網に繊維取られがほとんどなく、湿紙をフェルトに安定して転写できた場合を「◎」、抄紙網への繊維取られは少ないか、やや多い場合もあるが、安定して転写できた場合を「○」、抄紙網の全面又は大部分に連続的に繊維取られが発生して安定して湿紙をフェルトに転写することができなかった場合を「×」とした。
セパレータの抄紙時に抄紙網に繊維取られがほとんどなく、湿紙をフェルトに安定して転写できた場合を「◎」、抄紙網への繊維取られは少ないか、やや多い場合もあるが、安定して転写できた場合を「○」、抄紙網の全面又は大部分に連続的に繊維取られが発生して安定して湿紙をフェルトに転写することができなかった場合を「×」とした。
<厚み>
JIS P8118に準拠して厚みを測定し、その平均値を算出した。
JIS P8118に準拠して厚みを測定し、その平均値を算出した。
<密度>
JIS P8124に準拠してセパレータの坪量を測定し、坪量を厚みで除して100倍した値を密度とした。
JIS P8124に準拠してセパレータの坪量を測定し、坪量を厚みで除して100倍した値を密度とした。
<ピンホール>
セパレータの裏側から光を当て、セパレータにピンホールがあるかどうかを目視で判定した。ピンホールがある場合を「あり」、ない場合を「なし」とした。
セパレータの裏側から光を当て、セパレータにピンホールがあるかどうかを目視で判定した。ピンホールがある場合を「あり」、ない場合を「なし」とした。
<空孔率>
セパレータの空孔率は、セパレータの比重からセパレータの密度を差し引いて得られる値をセパレータの比重で除した後100倍して算出した。実施例1〜8、比較例1〜4のセパレータの比重については、セルロース繊維の比重1.5とした。実施例9〜12、比較例5のセパレータの比重については、ベーマイトの比重を3.04として、セルロース繊維とベーマイトの配合率に従って計算した。実施例13のセパレータの比重については、酸化マグネシウムの比重を3.65として、セルロース繊維と酸化マグネシウムの配合率に従って計算した。
セパレータの空孔率は、セパレータの比重からセパレータの密度を差し引いて得られる値をセパレータの比重で除した後100倍して算出した。実施例1〜8、比較例1〜4のセパレータの比重については、セルロース繊維の比重1.5とした。実施例9〜12、比較例5のセパレータの比重については、ベーマイトの比重を3.04として、セルロース繊維とベーマイトの配合率に従って計算した。実施例13のセパレータの比重については、酸化マグネシウムの比重を3.65として、セルロース繊維と酸化マグネシウムの配合率に従って計算した。
<透気度>
外径28.6mmの円孔を有するガーレー透気度計を用いて、各セパレータにつき巾方向に10箇所のガーレー透気度を測定し、その平均値を示した。ガーレー透気度はJIS P8117に準拠して測定した。
外径28.6mmの円孔を有するガーレー透気度計を用いて、各セパレータにつき巾方向に10箇所のガーレー透気度を測定し、その平均値を示した。ガーレー透気度はJIS P8117に準拠して測定した。
<引張強度>
セパレータを15mm幅、200mm長に切りそろえた。200mm長は紙の流れ方向とした。試験片の上下を卓上型材料試験機(オリエンテック製)のチャックに100mm間隔で固定し、100mm/minの一定速度で試験片が切断するまで引き上げていったときの最大荷重とした。1つのセパレータにつき、5本以上の試験片を測定し、その平均値を示した。
セパレータを15mm幅、200mm長に切りそろえた。200mm長は紙の流れ方向とした。試験片の上下を卓上型材料試験機(オリエンテック製)のチャックに100mm間隔で固定し、100mm/minの一定速度で試験片が切断するまで引き上げていったときの最大荷重とした。1つのセパレータにつき、5本以上の試験片を測定し、その平均値を示した。
<平均孔径>
孔径測定装置(PMI製、装置名:パームポロメーター(CFP−1500−A))を用いてセパレータの孔径分布を求め、得られた平均孔径を示した。
孔径測定装置(PMI製、装置名:パームポロメーター(CFP−1500−A))を用いてセパレータの孔径分布を求め、得られた平均孔径を示した。
<均一性>
セパレータの裏側から光を当てて目視で観察し、地合の均一性が極めて良好なものを「◎」、◎よりは劣るが、ピンホールがなく良好なものを「○」、ピンホールが生じるほどの地合のもこつきや粗密斑があるものを「×」とした。
セパレータの裏側から光を当てて目視で観察し、地合の均一性が極めて良好なものを「◎」、◎よりは劣るが、ピンホールがなく良好なものを「○」、ピンホールが生じるほどの地合のもこつきや粗密斑があるものを「×」とした。
<電気二重層キャパシタ>
[電極の作製]
ポリフッ化ビニリデン10質量部をN−メチル−2−ピロリドン90質量部に溶解し、これにフェノール樹脂を出発原料とする平均粒径5.0μm、比表面積2000m2/gの粉末状活性炭80質量部と、平均粒径200nmのアセチレンブラック10質量部と、N−メチル−2−ピロリドン300質量部を添加し、混合撹拌機にて十分混合して、電極スラリーを得た。塩酸により表面をエッチング処理した厚み30μmのアルミニウム箔集電体に、アプリケータを用いて上記の電極スラリーを塗布・乾燥した後に、ロールプレス装置を用いてプレス処理を行い、厚み150μmの電極を作製した。
[電極の作製]
ポリフッ化ビニリデン10質量部をN−メチル−2−ピロリドン90質量部に溶解し、これにフェノール樹脂を出発原料とする平均粒径5.0μm、比表面積2000m2/gの粉末状活性炭80質量部と、平均粒径200nmのアセチレンブラック10質量部と、N−メチル−2−ピロリドン300質量部を添加し、混合撹拌機にて十分混合して、電極スラリーを得た。塩酸により表面をエッチング処理した厚み30μmのアルミニウム箔集電体に、アプリケータを用いて上記の電極スラリーを塗布・乾燥した後に、ロールプレス装置を用いてプレス処理を行い、厚み150μmの電極を作製した。
[電気二重層キャパシタの作製]
電極を30mm×50mm角に2枚カッティングし、実施例1〜13及び比較例1、3〜5のセパレータが電極間に介するようにそれぞれ積層した。これをアルミニウム製収納袋に収納し、150℃で10時間真空加熱を行った後、アルミニウム製収納袋内に電解液を注入し、注入口を密栓して実施例1〜13及び比較例1、3〜5の電気二重層キャパシタを作製した。電解液には、プロピレンカーボネートに1.5mol/lになるように(C2H5)3(CH3)NBF4を溶解させたものを用いた。
電極を30mm×50mm角に2枚カッティングし、実施例1〜13及び比較例1、3〜5のセパレータが電極間に介するようにそれぞれ積層した。これをアルミニウム製収納袋に収納し、150℃で10時間真空加熱を行った後、アルミニウム製収納袋内に電解液を注入し、注入口を密栓して実施例1〜13及び比較例1、3〜5の電気二重層キャパシタを作製した。電解液には、プロピレンカーボネートに1.5mol/lになるように(C2H5)3(CH3)NBF4を溶解させたものを用いた。
<内部抵抗上昇率>
実施例1〜13、比較例1、3〜5の電気二重層キャパシタに対し、70℃、2.7Vの負荷試験を2000時間行い、初期内部抵抗に対する2000時間後の内部抵抗の上昇率を算出した。
実施例1〜13、比較例1、3〜5の電気二重層キャパシタに対し、70℃、2.7Vの負荷試験を2000時間行い、初期内部抵抗に対する2000時間後の内部抵抗の上昇率を算出した。
実施例1〜8のセパレータは、変法濾水度75〜250mlで、且つ、長さ加重平均繊維長0.80〜1.80mmの溶剤紡糸セルロース繊維からなる紙であるため、湿紙のフェルトへの転写性が良く、抄紙安定性に優れていた。また、ピンホールがなく、薄くて均一性が高く、内部抵抗上昇率の低いセパレータが得られた。
実施例9〜13のセパレータは、変法濾水度75〜250mlで、且つ、長さ加重平均繊維長0.80〜1.80mmの溶剤紡糸セルロース繊維と無機フィラーとからなるため、セルロース繊維同士の密着が抑制され、セルロース繊維間の空隙が保持されたため、電解液のイオン移動が円滑になり、実施例1〜8のセパレータよりも内部抵抗上昇率がより低く優れていた。
比較例1のセパレータは、溶剤紡糸セルロース繊維からなり、転写性は良好だったが、変法濾水度が250ml超で、且つ、長さ加重平均繊維長が1.80mm超であるため、太い繊維が多く含まれており、セルロース繊維同士の絡み合いが不十分であり、もこついた不均一な地合になり、厚みを薄くすることができず、ピンホールがあり、平均孔径は実施例1〜13より大きく、強度は実施例1〜8(所定の溶剤紡糸セルロース繊維からなる紙)に比べて弱かった。
比較例2のセパレータは、溶剤紡糸セルロース繊維からなるが、変法濾水度が75ml未満で、且つ、長さ加重平均繊維長が0.80mm未満であるため、抄紙網への繊維取られが多く、湿紙のフェルトへの転写が不安定となり、安定して抄紙することができなかったため、評価することができなかった。
比較例3のセパレータは、所定の溶剤紡糸セルロース繊維と麻パルプからなるため、湿紙の転写性は良好で抄紙安定性に優れており、実施例1〜13より強度は強かったが、麻パルプの一部が皮膜を形成するなどして地合が不均一でピンホールがあり、内部抵抗上昇率が高かった。
比較例4のセパレータは、所定の溶剤紡糸セルロース繊維とエスパルトパルプからなるため、湿紙の転写性は良好で抄紙安定性に優れていたが、エスパルトパルプが堅く、繊維同士の絡み合いが少ないため、地合が不均一でピンホールがあり、溶剤紡糸セルロース繊維のみからなる実施例5よりも強度が弱く、内部抵抗上昇率が高かった。
比較例5のセパレータは、溶剤紡糸セルロース繊維を含有せず、麻パルプと無機フィラーからなるため、湿紙の転写性は良好で抄紙安定性に優れており、強度は強かったが、地合が不均一でピンホールがあり、内部抵抗上昇率が高かった。
本発明のキャパシタ用セパレータは、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、レドックスキャパシタ、ハイブリッドキャパシタなどに利用可能である。
Claims (3)
- 下記で定義される変法濾水度が75〜250mlで、且つ、長さ加重平均繊維長が0.80〜1.80mmである溶剤紡糸セルロース繊維からなる紙であることを特徴とするキャパシタ用セパレータ。
変法濾水度:ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度0.1%にした以外はJIS P8121に準拠して測定した濾水度。 - 紙が無機フィラーを含有してなる請求項1記載のキャパシタ用セパレータ。
- 請求項1又は2記載のキャパシタ用セパレータを具備してなるキャパシタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012175627A JP2014036074A (ja) | 2012-08-08 | 2012-08-08 | キャパシタ用セパレータ及びキャパシタ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012175627A JP2014036074A (ja) | 2012-08-08 | 2012-08-08 | キャパシタ用セパレータ及びキャパシタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2014036074A true JP2014036074A (ja) | 2014-02-24 |
Family
ID=50284891
Family Applications (1)
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JP2012175627A Pending JP2014036074A (ja) | 2012-08-08 | 2012-08-08 | キャパシタ用セパレータ及びキャパシタ |
Country Status (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015179619A (ja) * | 2014-03-19 | 2015-10-08 | 三菱製紙株式会社 | 電気化学素子用セパレータ |
JP2017135043A (ja) * | 2016-01-29 | 2017-08-03 | 特種東海製紙株式会社 | セルロース微多孔膜及びその製造方法、並びに、電気化学素子 |
-
2012
- 2012-08-08 JP JP2012175627A patent/JP2014036074A/ja active Pending
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JP2017135043A (ja) * | 2016-01-29 | 2017-08-03 | 特種東海製紙株式会社 | セルロース微多孔膜及びその製造方法、並びに、電気化学素子 |
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