JP2021155553A - 不織布状プリプレグの連続製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、炭素繊維強化樹脂複合体を効率的に製造できる不織布状プリプレグの製造方法を提供することである。【解決手段】炭素繊維及び熱可塑性樹脂を含有するスラリーから水分率が40〜90質量%である湿潤ウェブを抄造する工程、湿潤ウェブを連続的に円筒状支持体に押圧巻き付け積層する工程、積層された湿潤ウェブを断裁展開し、単板状とする工程、及び、単板状の湿潤ウェブを加圧、乾燥、加熱にする工程を含むことを特徴とする不織布状プリプレグの連続製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、炭素繊維と熱可塑性樹脂を含有する炭素繊維強化樹脂複合体を効率的に生産するための不織布状プリプレグの連続製造法に関する。
炭素繊維とマトリックス樹脂を複合化してなる炭素繊維強化樹脂複合体(Carbon Fiber Reinforced Plastic、「CFRP」と記す場合がある)は、金属材料に匹敵する強度・弾性率を有しつつ、金属材料よりも比重が小さいため、部材の軽量化を図ることができ、また、発錆の問題もなく、酸やアルカリにも強いという性質を有していることから、電子機器材料、電気機器材料、土木材料、建築材料、自動車材料、航空機材料、各種製造業で使用されるロボット、ロール等の製造部品等での利用が拡大されている。
最も一般的な炭素繊維強化樹脂複合体は、連続炭素繊維からなる長繊維織布、開繊織物や一方向性(UD)シートと熱硬化性樹脂とを複合させたプリプレグを積層一体化した複合体であるが、力学的特性を発現させるための積層の設計が難しい、均質材料ではない、成形加工時間が長い、高価である等の課題があった。
これらの課題を解決する方法として、不連続炭素繊維を含有する乾式製法による不織布(乾式不織布)、湿式製法による不織布(湿式不織布)等の炭素繊維不織布と熱可塑性樹脂とを複合した不織布状プリプレグから製造される炭素繊維強化樹脂複合体が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。炭素繊維不織布と熱可塑性樹脂が使用されることによって、設計を行いやすく、加工性が向上し、さらには成形加工時間の短縮が可能となる。また、不織布製造においては、製造工程から発生した残材や炭素繊維強化樹脂複合体からリサイクルされた非連続炭素繊維を安価な材料として活用することができる(例えば、特許文献1及び4参照)。
乾式不織布より得られた不織布状プリプレグは、比較的容易に炭素繊維強化樹脂複合体を製造する場合に積層枚数を減じることができる点で有利であり、200g/m2を超える高目付品を得ることができるが、低密度でかさ高であり、炭素繊維強化樹脂複合体としてプレス成形する前の不織布状プリプレグ積層時の厚みが非常に大きくなり、プレス装置へ多数の不織布状プリプレグを挿入することが難しい。そのままでは金型内への挿入工程でなどでの扱いが難しく、あらかじめ熱プレス処理により、厚みを薄くする等の薄肉化の前処理が必要となる場合があり、経済的な負担が発生する。
湿式不織布より得られた不織布状プリプレグは、乾式不織布より得られた不織布状プリプレグに比べ、高密度ではあるが、不織布の地合ムラや凹凸など繊維欠点のない不織布を効率生産して得るための目付は100g/m2以下であり、炭素繊維強化樹脂複合体に加工する場合、積層枚数が極端に増えてしまい、実用的でないという課題がある。また、開繊織物、UDシートに比べると低密度のものが多い。
不織布状プリプレグを用いた炭素繊維強化樹脂複合体の製造においては、上記不織布状プリプレグの高目付化、高密度化(薄肉化)により、積層工程を効率化し、経済的な負担の発生を抑えるといった課題を完全に満足させることのできる製造方法が模索されているのが現状である。
本発明の課題は、炭素繊維強化樹脂複合体を製造するための不織布状プリプレグであって、高目付で薄肉化され、金型への挿入を行いやすい不織布状プリプレグの簡便な製造方法を提供することである。
前記の課題を解決するため鋭意研究を行った結果、以下の不織布状プリプレグの連続製造法を発明するに至った。
すなわち本発明は以下の構成からなる。
(1)炭素繊維及び熱可塑性樹脂を含有するスラリーから水分率が40〜90質量%である湿潤ウェブを抄造する工程、湿潤ウェブを連続的に円筒状支持体に押圧巻き付け積層する工程、積層された湿潤ウェブを断裁展開し、単板状とする工程、及び、単板状の湿潤ウェブを加圧、乾燥、加熱にする工程を含むことを特徴とする不織布状プリプレグの連続製造方法。
(1)炭素繊維及び熱可塑性樹脂を含有するスラリーから水分率が40〜90質量%である湿潤ウェブを抄造する工程、湿潤ウェブを連続的に円筒状支持体に押圧巻き付け積層する工程、積層された湿潤ウェブを断裁展開し、単板状とする工程、及び、単板状の湿潤ウェブを加圧、乾燥、加熱にする工程を含むことを特徴とする不織布状プリプレグの連続製造方法。
(2)熱可塑性樹脂が繊維状である上記(1)記載の不織布状プリプレグの連続製造方法。
(3)炭素繊維がスラリー内で実質的に単繊維状に分散している上記(1)又は(2)記載の不織布状プリプレグの連続製造方法。
本発明によれば、炭素繊維強化樹脂複合体を製造するための不織布状プリプレグであって、高目付で薄肉化され、金型への挿入を行いやすい不織布状プリプレグの簡便な製造方法を提供することができる。
本発明の不織布状プリプレグの連続製造方法とは、炭素繊維及び熱可塑性樹脂を含有するスラリーから水分率が40〜90質量%である湿潤ウェブを抄造する工程、湿潤ウェブを連続的に円筒状支持体に押圧巻き付け積層する工程、積層された湿潤ウェブを断裁展開し、単板状とする工程、及び、単板状の湿潤ウェブを加圧、乾燥、加熱にする工程を含むことを特徴とする不織布状プリプレグの連続製造方法である。
輸出貿易管理令では、プリプレグとは、マトリックスである樹脂成分が炭素繊維間の空間を埋めていて、実質的に連続しているものを指す。本発明の不織布状プリプレグは、樹脂成分が必ずしも連続しているわけではなく、むしろプリフォームという表現が当てはまる。しかし、炭素繊維強化樹脂複合体の中間製造物という位置付けから、本明細書中ではマトリックスの連続・不連続にかかわらず、樹脂成分が炭素繊維間に空間にあるものをプリプレグと表記する。
炭素繊維は、前駆体繊維の種類によって、PAN(ポリアクリロニトリル)系、ピッチ(等方ピッチ、異方ピッチ)系、フェノール系、レーヨン系などが工業化されている。本発明で用いられる炭素繊維は用途目的に応じて選択できる。
また、CFRPの製造工程から発生する不織布状プリプレグやCFRPの工程端材や不良部分、退役廃材を原料にして、常圧溶解法、亜臨界分解法、超臨界分解法、電解法、熱分解法、過熱水蒸気法等の再生処理方法によりマトリックス樹脂(熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を指す)を除去することで得られるリサイクル炭素繊維を利用することも可能である。
CFRPは、軽量である上に、比強度や比剛性が高いため、ゴルフシャフト、テニスラケット、釣竿などに利用されている。また、最近では、翼や胴体などの大型航空機の主要構造部材にも使用されていて、市場規模が拡大している。この市場規模の拡大に伴い、製造工程廃棄されるCFRPの量も増大している。例えば、航空機の場合、安全性が非常に重要であるため、特に品質基準が非常に厳しく、CFRPの歩留まりは50〜60%と言われる。すなわち、トリミングのため、廃棄される部位も少なくない。また、型に合わせて切断されたプリプレグ、期限切れの未硬化状態、半硬化状態又は硬化状態のプリプレグも、廃棄されるCFRPの一種であり、同様に大量に廃棄されている。かかる状況からリサイクルされた炭素繊維を積極的に利用することは、環境負荷の軽減の観点からも好ましい。また、上記リサイクルに供される材料からリサイクルされた炭素繊維は不連続状態となり、不織布としての用途にも適している。
本発明で使用可能な炭素繊維の繊維径は3〜20μmであることが好ましく、5〜15μmであることがより好ましい。また、炭素繊維の繊維長は1〜50mmであることが好ましく、3〜20mmであることがより好ましい。
炭素繊維の繊維径が3μmより細い場合、水分散時の分散濃度が極端に低くなり、生産性が低下する場合がある。炭素繊維の繊維径が20μmより太い場合、湿潤ウェブの保水が悪く、抄造時に多孔質支持体からのピックアップと、多孔質支持体への転写が悪くなる場合がある。
炭素繊維の繊維長が1mmより短いと、湿潤ウェブの強度が弱くなり、多孔質支持体からのピックアップ時にウェブの切断が発生する場合がある。また、不織布状プリプレグを積層して得られるCFRPの力学的特性が低くなる場合がある。炭素繊維の繊維長が50mmより長いと、水分散時に繊維同士のもつれが発生し、CFRPの欠点となり、力学的特性が低くなる場合がある。また、水分散時の分散濃度を極端に低くする必要があり、生産性が低下する場合がある。
炭素繊維の含有量は、不織布状プリプレグに対して、25〜80質量%であることが好ましく、40〜70質量%であることがより好ましい。炭素繊維の含有量が25質量%未満の場合、CFRPの力学的特性が不足する場合がある。また、炭素繊維の含有量が80質量%を超えると、炭素繊維に対する熱可塑性樹脂の量が少なくなり、炭素繊維間のマトリックス樹脂の連続性が不足し、炭素繊維強化樹脂複合体の力学的特性が著しく低下する場合がある。
本発明で使用可能な熱可塑性樹脂としては、炭素繊維の解繊、分散同様の方法で炭素繊維と水中にて均質に混ざり合うものが好ましい。形状としては、粉体状、繊維状が好ましく、繊維状がより好ましい。
粉体状の熱可塑性樹脂(樹脂粉体)としては、必ずしも微細化されたものである必要はなく、粒子状のものを包含する。樹脂粉体と炭素繊維ができるだけ均一に分散した湿潤ウェブを製造するためには、樹脂粉体の径は、好ましくはASTM E11基準の12メッシュ金網通過区分である1.68mm以下、より好ましくは18メッシュ通過区分である1mm以下である。径が1.68mmを超えると、加熱成形性が悪くなり、生産性が低下することで、炭素繊維強化樹脂複合体の力学的特性が劣る場合がある。
繊維状の熱可塑性樹脂(樹脂繊維)と炭素繊維を含有するスラリーから湿式抄造する場合、湿潤ウェブ内における繊維間に介在する水分の表面張力、繊維同士の交差接点の摩擦により、湿潤ウェブのハンドリングが行いやすくなる。また、製造工程における熱可塑性樹脂の脱落も抑えることができ、炭素繊維とマトリックス樹脂の配合が安定し、かつ歩留まりも高くなる。
繊維状の熱可塑性樹脂の繊維径は3〜20μmであることが好ましく、5〜15μmであることがより好ましい。また、繊維長は1〜50mmであることが好ましく、3〜20mmであることがより好ましい。
樹脂繊維の繊維径が3μmより細いと、当該繊維はマイクロファイバーと呼ばれ、非常に高価なものとなり、経済的観点から好ましくない。樹脂繊維の繊維径が20μmを超えた場合、湿潤ウェブの強度が低下し、作業性が悪くなる場合がある。樹脂繊維が1mmより短いと、多孔質支持体からの湿潤ウェブのピックアップ性の向上やハンドリング性の向上効果が小さい場合がある。樹脂繊維の繊維長が50mmより長いと、スラリー中で繊維同士がもつれ、炭素繊維強化樹脂複合体の力学的特性が低下する場合がある。
本発明で使用可能な熱可塑性樹脂の含有量は、不織布状プリプレグに対して、20〜75質量%であることが好ましく、30〜60質量%であることがより好ましい。熱可塑性樹脂の含有量が20質量%未満の場合、炭素繊維間のマトリックス樹脂としての連続性が不足し、炭素繊維強化樹脂複合体の力学的特性が不足する場合がある。また、熱可塑性樹脂の含有量が75質量%を超えると、熱可塑性樹脂に対する炭素繊維量が少なくなり、炭素繊維強化樹脂複合体の力学的特性が著しく低下する場合がある。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ポリスチレン、ゴム補強ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂等のスチレン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド樹脂;ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル等のポリエーテル系樹脂;ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド等のエンジニアリング樹脂;熱可塑性エポキシ樹脂などが例示される。これらの熱可塑性樹脂は、1種を使用しても良いし、2種以上を使用しても良い。2種以上を使用する例としては、ポリカーボネート/ABS、ポリフェニレンエーテル/ポリアミド、ポリカーボネート/ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル/ポリブチレンテレフタレート等のブレンド系ポリマー類が挙げられる。熱可塑性樹脂は、これらに限定されるものではなく、本発明の製造方法の工程に適合する熱可塑性樹脂は全て対象となりうる。力学的特性の観点から、ポリアミドが好ましく、耐熱性の観点から、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトンが好ましく、経済性の観点から、ポリプロピレンが好ましい。
繊維状の熱可塑性樹脂を利用する場合、製造時の負荷を低下させるため、その表面が低融点化されているポリエステル系芯鞘繊維、ポリオレフィン系芯鞘繊維、未延伸ポリエステル繊維等を使用することもできる。
本発明において、湿潤ウェブは湿式抄造法にて抄造する。湿式抄造法においては、炭素繊維を水中に分散させ、その後、スクリーン(異物、塊等除去)等の工程を通り、最終の繊維濃度を0.01〜0.50質量%に調整されたスラリーを多孔質支持体(抄紙ワイヤー)上に抄き上げることによって、湿潤ウェブが得られる。工程中で、分散剤、消泡剤、親水化剤、帯電防止剤、高分子粘剤、離型剤等の薬品を添加する場合もある。
本発明では、スラリーの調成は、抄紙機の調成工程で一般的に設置されている撹拌機(例えばパルパーやミキサー)での撹拌により分散処理を行うことができる。
炭素繊維は、前駆体繊維を焼成・不活性化した連続繊維が引きそろえられ、一旦ボビンに巻き取られたのち、ロータリーカッターやギロチンカッター等で所望する繊維長にカットされ提供されることが一般的である。それぞれの工程で作業性を向上させるため、繊維表面に油剤や収束剤などが付与されるが、その影響により一般的な撹拌機のみの場合、炭素繊維の解繊が十分でなく、繊維束が多量に残る場合がある。その場合は、得られた不織布状プリプレグでは、残存する繊維束の単繊維間への熱化可塑性樹脂の染み込みが不十分となり、炭素繊維強化樹脂複合体の内部においては、欠点として残存し、また、炭素繊維強化樹脂複合体の表面においては、繊維束が浮き上がって見える等の問題が生ずる可能性がある。
そのため、上記の撹拌機のみの撹拌では残存する炭素繊維の繊維束を、例えば、高速回転せん断型分散機を使って、単繊維状に解繊することが好ましい。高速回転せん断型分散機とは、分散刃を有して回転するローターと分散刃を有したステーターとの間に、繊維束を含むスラリーを通過させ、スラリー中の繊維束にせん断力を与えて分散させる分散機である。具体的な装置としては、シングルディスクリファイナー、ダブルディスクリファイナー、コニカルリファイナー等が挙げられる。
さらには、高速回転せん断型分散機が、高速回転する細かなスリットを持つリング状刃物を構造の一部に有する高速回転せん断型分散機であることがより有効である。高速回転する細かなスリットを持つリング状刃物を構造の一部に有する高速回転せん断型分散機においては、スリット間で発生する流体力学的な衝撃波が、炭素繊維に有効に作用する。具体的な装置としては、トップファイナー(相川鉄工製)、完全離解機VF型(VFポンプ、新浜ポンプ製作所製)、マイルダー(登録商標、太平洋機工製)等が挙げられる。
上記分散機を使って、炭素繊維を分散させたスラリーを得る際には、スラリー濃度、処理時間、分散機のローターの回転数、ステーターとローターとのクリアランス等を調整することによって、炭素繊維の分散性を適宜調整することができる。
本発明で用いられる炭素繊維以外の必須成分である熱可塑性樹脂は、炭素繊維とは別にパルパー等によって水中で分散した後、炭素繊維のスラリーと混合しても構わないし、炭素繊維と共に水中で分散しても構わない。
該スラリーを用い、湿紙を形成する抄紙機のワイヤーパートとしては、例えば、長網、円網、傾斜ワイヤー等のネット状支持体(抄紙ワイヤー)を単独で使用した抄紙機、同種又は異種の2以上の抄紙網がオンラインで設置されているコンビネーション抄紙機等を使用することができる。また、湿潤ウェブが2層以上の多層構造の場合には、各々の抄紙機で抄き上げた湿潤ウェブを積層する抄き合わせ法や、一方の層を形成した後に、該層上に繊維を分散したスラリーを流延して積層する流延法等で、湿潤ウェブを製造することができる。
湿潤ウェブ単層の目付は、効率的に不織布状プリプレグを生産できることから、10〜150g/m2が好ましく、10〜100g/m2がより好ましい。湿潤ウェブ単層の目付が10g/m2より小さいと、所望する高目付の不織布状プリプレグを得るためには、積層枚数が多くなり、円筒状支持体への押圧巻き付け積層の際にしわが入る場合がある。湿潤ウェブ単層の目付が150g/m2を超えると、湿潤ウェブの濾水性が悪く、抄紙ワイヤー下への脱水時間が長くかかるため、生産性が悪くなる場合がある。また、湿潤ウェブ形成工程において、湿潤ウェブ表裏での水分率に差が生じ、表面(抄紙ワイヤーの反対面)に凹凸が発生し、積層時の層間の貼り付きが悪くなる場合がある。特に、単繊維に解繊されて分散されたスラリーを用いた欠点のない湿潤ウェブを効率良く生産する場合は、湿潤ウェブ単層の目付は100g/m2以下であることがより好ましい。
湿潤ウェブの抄紙ワイヤーからのピックアップを行いやすくし、生産性を向上させるため、少量の微細化繊維、熱水可溶性ポリビニルアルコール(PVA)の樹脂繊維・熱水可溶性PVAの樹脂粉体等を、不織布状プリプレグの性能を阻害しない範囲で加えることに制限はない。
本発明において、必要であれば、熱可塑性樹脂と炭素繊維との表面改質効果があるサイジング剤などを付与することもできる。これらサイジング剤などは、スラリーに混合してもよいし、塗工又は含浸によって湿潤ウェブに付与しても良い。本発明では、必要であれば、他の天然繊維、合成繊維、無機繊維、無機填料などを混合することも可能である。ただし、これらの含有量が、不織布状プリプレグの性能を阻害する範囲であってはならない。
本発明では、湿式抄造法において、ネット状支持体(抄紙ワイヤー)上に形成された湿潤ウェブの水分率を40〜90質量%に調整した状態で、円筒状支持体に押圧巻き付け積層する。水分率は、必要に応じて、プレスロール等での加圧脱水、サクションによる吸引脱水等によって調整することができる。
円筒状支持体としては、メーキングロール、メーキングドラムなどと称する金属表面を持つ円筒体が例示される。円筒状支持体のサイズは、所望する不織布状プリプレグのサイズにより選択することができる。湿潤ウェブの積層後のハンドリングを考慮すると、直径30〜100cmであることが好ましい。
湿潤ウェブの水分率は40〜90質量%であり、より好ましくは50〜70質量%である。該水分率であることによって、円筒状支持体に好適に転写され、押圧巻き付け積層が可能となる。湿潤ウェブの水分率とは、湿潤ウェブ全体の質量に対し、含有された水分の質量を百分率で示した値である。水分率が40質量%より少ないと、抄紙ワイヤーからのピックアップ不良が発生する場合がある。また、円筒状支持体への転写が悪くなり、安定生産に支障が出る場合がある。水分率が90質量%より多いと、湿潤ウェブの自重で円筒状支持体への貼り付きが悪くなる場合がある。また、押圧巻き付け積層時に、水があふれだし、その水流により、湿潤ウェブに割れが生じる場合や、表面状態が悪化する場合があり、均一な不織布状プリプレグを得ることができない場合がある。
所望する厚み及び目付になるまで、円筒状支持体に押圧巻き付け積層された湿潤ウェブは、その後、断裁展開され、円筒状支持体から分離され、単板状とされる。続いて、加圧、乾燥、加熱にすることにより、炭素繊維と熱可塑性樹脂が溶融一体化してなる単板状の不織布状プリプレグが製造される。
押圧巻き付け積層された湿潤ウェブを加圧することにより、余剰水を脱水除去し、加熱、乾燥、加熱により水分を蒸発させる。加圧を継続し、熱可塑性樹脂の軟化点又は融点より高い温度にて加熱することによって、軟化又は溶融した熱可塑性樹脂と炭素繊維が一体化し、単板状の不織布状プリプレグを製造することができる。加圧装置は単段プレスでも装置でも良いし、多段プレス装置を用いてもよい。
加圧時の圧力は0.1〜300MPaの範囲が好ましい。圧力が0.1MPaより低いと、湿潤ウェブの水分が残りすぎて、乾燥負荷が高く、生産性が低下する場合がある。圧力が300MPaより大きいと、湿潤ウェブに亀裂が発生する場合がある。
加圧開始時には、相対的に低い圧力を所定時間加え、圧力を段階的に高めることによって、加圧開始時に水分を多く含む湿潤ウェブ積層体から緩やかに水を排出させることができるため、湿潤ウェブの破壊を抑えることができる。
湿潤ウェブの水分率が40〜90質量%であれば、湿潤ウェブ層間の密着が良好であるため、積層枚数に特に制限はないが、押圧巻き付け積層された湿潤ウェブの固形分は100〜2000g/m2が好ましい。押圧巻き付け積層された湿潤ウェブの固形分が100g/m2未満の場合、本発明の方法を用いなくても、通常の湿式抄造法によって効率良く不織布状プリプレグを製造することができる。押圧巻き付け積層された湿潤ウェブの固形分が2000g/m2を超えると、加圧時に湿潤ウェブ間のずれが起こり、層間が乱れる場合がある。
熱可塑性樹脂の軟化点又は融点より20℃程度高い温度にて、上記圧力にて加圧しながら、乾燥、加熱処理を行うことが好ましい。なお、乾燥、加熱開始時には、相対的に低い温度を所定時間加え、段階的に温度を高めることによって、余剰水の突発的な暴発を防ぎ、湿潤ウェブ内に鬆が発生し難くなる。具体的には、湿潤ウェブ内の水分が除去される間は、水の沸点である100℃付近の温度で加熱し、水分をおおむね除去した後、熱可塑性樹脂の軟化点又は融点より20℃程度高い温度に加熱することが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例において記載の部や百分率は断りのない限り、全て質量によるものである。実施例及び比較例で得られた不織布状プリプレグ及び炭素繊維強化樹脂複合体の物性についての評価を行い、本発明の有効性の確認を行った。
(実施例1)
<1>炭素繊維:PAN系炭素繊維(東レ社製、T−700、繊維径7μm、カット長6mm)40部、<2>熱可塑性樹脂:ナイロン6樹脂の粉体(ユニチカ社製、A1020LP、粒径約150μm)62部(抄紙ワイヤー上下への付着流出分2部を考慮)の配合にて計量し、水中に分散剤と共に投入後、パルパーにて5分間撹拌することで、炭素繊維と熱可塑性樹脂の解繊・分散を同時に行った。これを横回流型マシンチェスト内にて、水で希釈し、さらに増粘することにより、分散濃度0.2%で分散状態が安定したスラリーを調成した。該スラリーを用い、90メッシュの平織り金属ワイヤーを有した円網抄紙機で、固形分質量50g/m2の湿潤ウェブを形成した後、ウェットフェルト上でプレスロールでの加圧脱水により、水分率が45%である湿潤ウェブとし、連続的に直径70cmのメーキングドラムに転写し、積層数20で押圧巻き付け積層することによって、固形分質量1000g/m2の湿潤ウェブ積層体を得た。抄紙ワイヤー上に若干の熱可塑性樹脂粉体の付着が見られ、また、抄紙ワイヤー下の白水に若干の熱可塑性樹脂の流失が見られたが、操業上の問題は無かった。
<1>炭素繊維:PAN系炭素繊維(東レ社製、T−700、繊維径7μm、カット長6mm)40部、<2>熱可塑性樹脂:ナイロン6樹脂の粉体(ユニチカ社製、A1020LP、粒径約150μm)62部(抄紙ワイヤー上下への付着流出分2部を考慮)の配合にて計量し、水中に分散剤と共に投入後、パルパーにて5分間撹拌することで、炭素繊維と熱可塑性樹脂の解繊・分散を同時に行った。これを横回流型マシンチェスト内にて、水で希釈し、さらに増粘することにより、分散濃度0.2%で分散状態が安定したスラリーを調成した。該スラリーを用い、90メッシュの平織り金属ワイヤーを有した円網抄紙機で、固形分質量50g/m2の湿潤ウェブを形成した後、ウェットフェルト上でプレスロールでの加圧脱水により、水分率が45%である湿潤ウェブとし、連続的に直径70cmのメーキングドラムに転写し、積層数20で押圧巻き付け積層することによって、固形分質量1000g/m2の湿潤ウェブ積層体を得た。抄紙ワイヤー上に若干の熱可塑性樹脂粉体の付着が見られ、また、抄紙ワイヤー下の白水に若干の熱可塑性樹脂の流失が見られたが、操業上の問題は無かった。
メーキングドラム上の該湿潤ウェブ積層体を断裁展開し、約2.1m長の単板状とした後、表面温度260℃の平板金型を備えたプレス装置間に挿入し、初期加圧が0.1MPaにて脱水乾燥を開始し、端面からの落水・浸水がなくなった後、加圧が2MPaになるように昇圧し、2分間加熱した後、水冷装置にて50℃まで冷却することにより、約2mm厚の不織布状プリプレグを得た。
該不織布状プリプレグを3枚積層(積層時の見かけの厚みは約7mm)し、260℃で2分間加温し、冷プレス装置によって、8MPa、1分間冷却することによって、3000g/m2の炭素繊維強化樹脂複合体を得た。
(実施例2)
湿潤ウェブの水分率が65%である以外は実施例1と同じ方法で、不織布状プリプレグを得た。実施例1と同様に、操業上の問題は無かった。また、実施例1と同様にして、炭素繊維強化樹脂複合体を得た。
湿潤ウェブの水分率が65%である以外は実施例1と同じ方法で、不織布状プリプレグを得た。実施例1と同様に、操業上の問題は無かった。また、実施例1と同様にして、炭素繊維強化樹脂複合体を得た。
(実施例3)
湿潤ウェブの水分率が85%である以外は実施例1と同じ方法で、不織布状プリプレグを製造した。実施例1と同様に、操業上の問題は無かった。また、実施例1と同様にして、炭素繊維強化樹脂複合体を得た。
湿潤ウェブの水分率が85%である以外は実施例1と同じ方法で、不織布状プリプレグを製造した。実施例1と同様に、操業上の問題は無かった。また、実施例1と同様にして、炭素繊維強化樹脂複合体を得た。
(比較例1)
湿潤ウェブの水分率が35%である以外は実施例1と同じ方法で、不織布状プリプレグを製造した。湿潤ウェブの製造工程で抄紙ワイヤーからのピックアップが困難であり、連続操業はできなかった。
湿潤ウェブの水分率が35%である以外は実施例1と同じ方法で、不織布状プリプレグを製造した。湿潤ウェブの製造工程で抄紙ワイヤーからのピックアップが困難であり、連続操業はできなかった。
(比較例2)
湿潤ウェブの水分率が95%である以外は実施例1と同じ方法で、不織布状プリプレグを製造した。湿潤ウェブからメーキングドラムへの転写時に破断が発生し、連続操業はできなかった。
湿潤ウェブの水分率が95%である以外は実施例1と同じ方法で、不織布状プリプレグを製造した。湿潤ウェブからメーキングドラムへの転写時に破断が発生し、連続操業はできなかった。
(実施例4)
<2>熱可塑性樹脂を、ナイロン6繊維(台湾錦隆化学社製、1.7デシテックス、繊維長5mm)60部を用いる以外は、実施例2と同じ方法で不織布状プリプレグを得た。熱可塑性樹脂として、樹脂繊維を使用することによって、抄紙ワイヤー上への付着及び抄紙ワイヤー下への流出も無く、安定して操業が可能であった。また、実施例1と同様にして、炭素繊維強化樹脂複合体を得た。
<2>熱可塑性樹脂を、ナイロン6繊維(台湾錦隆化学社製、1.7デシテックス、繊維長5mm)60部を用いる以外は、実施例2と同じ方法で不織布状プリプレグを得た。熱可塑性樹脂として、樹脂繊維を使用することによって、抄紙ワイヤー上への付着及び抄紙ワイヤー下への流出も無く、安定して操業が可能であった。また、実施例1と同様にして、炭素繊維強化樹脂複合体を得た。
(比較例3)
実施例1の配合で得られた固形分質量50g/m2の湿潤ウェブを乾燥し、湿式不織布(不織布状プリプレグ)を得た。厚みは0.65mmであった。この不織布状プリプレグを60枚積層したものを、実施例1で用いた表面温度260℃の平板金型を備えたプレス装置間に挿入し、初期加圧が2MPaになるように昇圧し、2分間加熱した後、水冷装置にて50℃まで冷却することにより、約2mm厚の炭素繊維強化樹脂複合体を得た。積層時に層間でずれが発生し、端部のトリミングが必要な出来具合であった。
実施例1の配合で得られた固形分質量50g/m2の湿潤ウェブを乾燥し、湿式不織布(不織布状プリプレグ)を得た。厚みは0.65mmであった。この不織布状プリプレグを60枚積層したものを、実施例1で用いた表面温度260℃の平板金型を備えたプレス装置間に挿入し、初期加圧が2MPaになるように昇圧し、2分間加熱した後、水冷装置にて50℃まで冷却することにより、約2mm厚の炭素繊維強化樹脂複合体を得た。積層時に層間でずれが発生し、端部のトリミングが必要な出来具合であった。
表1により、実施例1〜4と比較例3を比較すると、厚み(比重)が同等の炭素繊維強化樹脂複合体を得ることができたことが分かる。比較例3では、低目付の不織布状プリプレグを使用する場合、積層枚数60枚と積層の工程に大変な負荷がかかる。実施例での不織布状プリプレグはわずか3枚の積層枚数と大変簡便であった。また、積層した時の見かけの厚みも、比較例3では約47mmであり、ハンドリングの工程で積層体のずれが起こりやすいのに対し、実施例は約7mmであり、炭素繊維強化樹脂複合体を製造する場合に、プレス装置間へのスムーズかつ効率的な挿入が可能であった。
(比較例4)
解繊したPAN系炭素繊維(東レ社製、T−700、繊維径7μm、カット長51mm)40部、熱可塑性樹脂としてナイロン6繊維(台湾錦隆化学社製、1.7デシテックス、繊維長51mm)60部を用い、ブレンダーで混合した後、フラットカード機でカーディングすることにより、得られた20g/m2のウェブをクロスラッパーにて積層し、ニードルパンチ加工により、500g/m2の乾式不織布(不織布状プリプレグ)を得た。この不織布状プリプレグを6枚積層し、実施例1で用いた表面温度260℃の平板金型を備えたプレス装置間に挿入し、初期加圧が2MPaになるように昇圧し、2分間加熱した後、水冷装置にて50℃まで冷却することにより、約2mm厚の炭素繊維強化樹脂複合体を得た。積層時に層間でずれが発生し、端部のトリミングが必要な出来具合であった。
解繊したPAN系炭素繊維(東レ社製、T−700、繊維径7μm、カット長51mm)40部、熱可塑性樹脂としてナイロン6繊維(台湾錦隆化学社製、1.7デシテックス、繊維長51mm)60部を用い、ブレンダーで混合した後、フラットカード機でカーディングすることにより、得られた20g/m2のウェブをクロスラッパーにて積層し、ニードルパンチ加工により、500g/m2の乾式不織布(不織布状プリプレグ)を得た。この不織布状プリプレグを6枚積層し、実施例1で用いた表面温度260℃の平板金型を備えたプレス装置間に挿入し、初期加圧が2MPaになるように昇圧し、2分間加熱した後、水冷装置にて50℃まで冷却することにより、約2mm厚の炭素繊維強化樹脂複合体を得た。積層時に層間でずれが発生し、端部のトリミングが必要な出来具合であった。
表1により、実施例1〜4と比較例4を比較すると、厚み(比重)が同等の炭素繊維強化樹脂複合体を得ることができたことが分かる。比較例4の不織布状プリプレグを使用する場合、積層枚数は6枚と積層工程の負荷は少ないが、低密度で積層時の厚みが71mmと非常に厚く、プレス装置間への挿入が非常に困難で、平板金型の間隔を大きくする必要があった。また、実施例の炭素繊維強化樹脂複合体の表面には、若干の炭素繊維未分散物が見られるが、平滑な表面であったのに対し、比較例4においては、炭素繊維強化樹脂複合体の表面に、炭素繊維の繊維束が散見され、指で触った場合に凹凸が感じられた。
(実施例5)
最終的に得られる不織布状プリプレグの炭素繊維の解繊残り、再凝集の束を極小化するために、炭素繊維の単繊維化を以下の方法で実施した。実施例1の<1>炭素繊維を0.4%にてパルパーで分散した後、高速回転せん断型分散機(相川鉄工製、トップファイナー)にて5分間処理を行い、炭素繊維のみのスラリーを調成した。これに、熱可塑性樹脂として、実施例4の<2>ナイロン6繊維(台湾錦隆化学社製、繊維径1.7デシテックス、繊維長5mm)60部を、横回流型マシンチェスト内で後添加する以外は実施例1と同じ方法で、不織布状プリプレグを製造した。また、実施例1と同様にして、炭素繊維強化樹脂複合体を得た。
最終的に得られる不織布状プリプレグの炭素繊維の解繊残り、再凝集の束を極小化するために、炭素繊維の単繊維化を以下の方法で実施した。実施例1の<1>炭素繊維を0.4%にてパルパーで分散した後、高速回転せん断型分散機(相川鉄工製、トップファイナー)にて5分間処理を行い、炭素繊維のみのスラリーを調成した。これに、熱可塑性樹脂として、実施例4の<2>ナイロン6繊維(台湾錦隆化学社製、繊維径1.7デシテックス、繊維長5mm)60部を、横回流型マシンチェスト内で後添加する以外は実施例1と同じ方法で、不織布状プリプレグを製造した。また、実施例1と同様にして、炭素繊維強化樹脂複合体を得た。
実施例5で得られた炭素繊維強化樹脂複合体は、炭素繊維が十分に解繊されているので、炭素繊維未分散物である繊維束による凹凸も全く見られず、実施例1〜4の炭素繊維強化樹脂複合体の外観と比較して、さらに平滑な表面を有していた。人の目に触れる用途に使用し、塗装等の後加工が必要とされる場合、前処理工程を軽減できるため、平滑に仕上がることは有利であると考えられる。
本発明により、電子機器材料、電気機器材料、土木材料、建築材料、自動車材料、航空機材料、各種製造業で使用されるロボット、ロール等の製造部品等に利用可能である炭素繊維強化樹脂複合体を効率良く生産できる高目付で薄型で生産性の高い不織布状プリプレグを提供することができる。
Claims (3)
- 炭素繊維及び熱可塑性樹脂を含有するスラリーから水分率が40〜90質量%である湿潤ウェブを抄造する工程、湿潤ウェブを連続的に円筒状支持体に押圧巻き付け積層する工程、積層された湿潤ウェブを断裁展開し、単板状とする工程、及び、単板状の湿潤ウェブを加圧、乾燥、加熱にする工程を含むことを特徴とする不織布状プリプレグの連続製造方法。
- 熱可塑性樹脂が繊維状である請求項1記載の不織布状プリプレグの連続製造方法。
- 炭素繊維がスラリー内で実質的に単繊維状に分散している請求項1又は2記載の不織布状プリプレグの連続製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020057099A JP2021155553A (ja) | 2020-03-27 | 2020-03-27 | 不織布状プリプレグの連続製造方法 |
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
CN114454593A (zh) * | 2021-12-20 | 2022-05-10 | 东华大学 | 一种含无机非织造网纱的复合碳纤维带的制备方法 |
CN115352174A (zh) * | 2022-10-20 | 2022-11-18 | 邢台纳科诺尔精轧科技股份有限公司 | 一种预浸料复合装置 |
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2020
- 2020-03-27 JP JP2020057099A patent/JP2021155553A/ja active Pending
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