JP6785547B2 - 炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体 - Google Patents

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本発明は、炭素短繊維不織布及び炭素短繊維不織布と熱可塑性樹脂フィルムとを積層してなる複合体に関する。
炭素繊維と樹脂を複合化してなる炭素繊維強化樹脂複合体は、金属材料に匹敵する強度・弾性率を有しながら、金属材料よりも比重が小さいため、部材の軽量化を図ることができ、また、発錆の問題もなく、酸やアルカリにも強いという性質を有していることから、電子機器材料、電気機器材料、土木材料、建築材料、自動車材料、航空機材料、各種製造業で使用されるロボット、ロール等の製造部品等で使用されている。
炭素繊維強化樹脂複合体は、長繊維織布、開繊織物、一方向性ウェブ、短繊維不織布等の炭素繊維布帛と、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の樹脂とを複合させた複合体である。最も一般的な炭素繊維強化樹脂複合体には、長繊維不織布と熱硬化性樹脂とを複合させた複合体であるが、設計が難しい、均質材料ではない、成形加工時間が長い、高価等の課題があった。
これらの課題を解決した炭素繊維強化樹脂複合体として、炭素短繊維を含有する不織布(炭素短繊維不織布)と熱可塑性樹脂とが複合された炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体が提案されている(例えば、特許文献1〜6参照)。炭素短繊維不織布が使用されることによって、均質性が高まり、熱可塑性樹脂が使用されることによって、易設計・加工性が得られ、安価であり、さらに、リサイクルが可能となっている。
炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体(複合体)としては、炭素短繊維と熱可塑性樹脂粉末又は繊維とを含む炭素短繊維不織布を積層してなる複合体、炭素短繊維不織布に溶融した熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂の溶液・分散液とを複合してなる複合体、炭素短繊維不織布と熱可塑性樹脂フィルムとを積層してなる複合体等が知られている。これらの炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体を製造する場合には、加熱又は加熱加圧処理が施される。また、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体は、そのままで、又は他の材料と組み合わせて、加熱加圧加工(熱プレス加工)が施されることによって、成型品となる。従来の炭素短繊維不織布は、炭素短繊維と熱可塑性樹脂粉末又は繊維とを含む炭素短繊維不織布、炭素短繊維のみを含む炭素短繊維不織布等であったため、加熱又は加熱加圧処理及び加熱加圧加工等によって、炭素短繊維不織布中の熱可塑性樹脂が流動し、炭素短繊維の分散性が崩れ、均一な炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体又は成型品が得られないという問題があった。特に、炭素短繊維不織布と熱可塑性樹脂フィルムとを積層してなる複合体において、炭素短繊維不織布中の熱可塑性樹脂の融点よりも、熱可塑性樹脂フィルムの融点が高い場合には、この問題が発生しやすかった。
特開2013−208791号公報 特開2013−202891号公報 特開2011−21303号公報 特開2004−43985号公報 特開2011−194852号公報 特開2014−224333号公報
本発明の課題は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体製造時の加熱又は加熱加圧処理時及び炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体から成型品を製造する熱プレス加工時において、炭素短繊維の分散性が崩れない、加工性に優れた炭素短繊維不織布と、該炭素短繊維不織布と熱可塑性樹脂フィルムとを積層してなる複合体を提供することである。
上記課題は、下記発明によって解決することができる。
(1)炭素短繊維(活性炭素繊維を除く)と熱可塑性樹脂繊維とフィブリル化セルロース繊維とを含有してなり、フィブリル化セルロース繊維が、不織布中の全繊維に対して、2〜20質量%である炭素短繊維不織布と熱可塑性樹脂フィルムとを積層してなる炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体
本発明によれば、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体製造時の加熱又は加熱加圧処理時及び炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体から成型品を製造する熱プレス加工時において、炭素短繊維の分散性が崩れない、加工性に優れた炭素短繊維不織布を得ることができる。本発明の炭素短繊維不織布と熱可塑性樹脂フィルムとを積層してなる複合体は、加熱又は加熱加圧処理及び熱プレス加工において、炭素短繊維不織布の炭素短繊維の均一性が保持されるため、均一な炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体を得ることができる。
本発明の炭素短繊維不織布は、炭素短繊維と熱可塑性樹脂繊維とフィブリル化セルロース繊維とを含有してなる不織布である。
炭素短繊維としては、ポリアクリロニトリルを原料とするPAN系炭素短繊維、ピッチ類を原料とするピッチ系炭素短繊維が挙げられる。炭素短繊維の繊維径は3〜20μmであることが好ましく、5〜15μmであることがより好ましい。また、炭素短繊維の繊維長は1〜30mmであることが好ましく、3〜12mmであることがより好ましい。
熱可塑性樹脂繊維は、炭素短繊維が不織布から脱離することを防止し、炭素短繊維不織布に強度を付与ために添加される。熱可塑性樹脂繊維としては、非結晶性のポリビニルアルコール(ビニロン)短繊維、表面が低融点化されているポリエステル芯鞘繊維、未延伸ポリエステル繊維、ポリカーボネート(PC)繊維、ポリオレフィン繊維、表面が低融点化されているポリオレフィン芯鞘繊維、表面が酸変性ポリオレフィンよりなるポリオレフィン繊維、脂肪族ポリアミド繊維、未延伸ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリエーテルケトンケトン繊維等が挙げられる。
熱可塑性樹脂繊維の融点は60〜260℃であることが好ましく、60〜230℃であることがより好ましく、60〜180℃であることが更に好ましく、80〜160℃であることが特に好ましい。熱可塑性樹脂繊維の融点がこの温度範囲であることによって、不織布製造工程における加熱処理によって、結着性が付与され、炭素短繊維不織布に強度が付与される。
熱可塑性樹脂繊維の繊維径は3〜40μmであることが好ましく、5〜20μmであることがより好ましい。また、熱可塑性樹脂繊維の繊維長は1〜20mmであることが好ましく、3〜12mmであることがより好ましい。
本発明の炭素短繊維不織布では、炭素短繊維に加えて、フィブリル化セルロース繊維と熱可塑性樹脂繊維とを併用することによって、加熱又は加熱加圧処理時及び熱プレス加工時において、炭素短繊維の分散性が崩れない、加工性に優れた炭素短繊維不織布を得ることができる。
フィブリル化セルロース繊維とは、フィルム状ではなく、主に繊維軸と平行な方向に非常に細かく分割された部分を有する繊維状で、少なくとも一部が繊維径1μm以下であるセルロース繊維である。長さと幅のアスペクト比が20〜100000であることが好ましい。また、変法濾水度が0〜770mlであることが好ましく、0〜600mlであることがより好ましい。さらに、質量平均繊維長が0.1〜2mmであることが好ましい。本発明における変法濾水度は、ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの金網(PULP AND PAPER RESEARCH INSTITUTE OF CANADA製)を用い、試料濃度を0.1%にした以外はJIS P8121(1995年版)に準拠して測定した濾水度である。
フィブリル化セルロースのフィブリル化度合いは、低濃度での分散液粘度で把握することも可能である。粘度が高くなるほど、フィブリル化が進行しているが、粘度が高過ぎる場合は、繊維長が短くなり過ぎている可能性がある。フィブリル化セルロースの分散液(濃度0.5質量%)の粘度が、B型粘度計(ローターNo.2、ローター回転数60rpm、温度23〜25℃)を用いた場合、50〜200cpであることが好ましい。
フィブリル化セルロース繊維の含有量が少な過ぎると、加熱又は加熱加圧処理時及び熱プレス加工時において、加熱温度が高過ぎた場合に、炭素短繊維の分散性が崩れることがある。逆に、フィブリル化セルロース繊維の含有量が多過ぎると、不織布製造時に脱水された後、フィブリル化セルロース同士が密な構造を形成して、フィルム状となり、熱プレス加工時に炭素短繊維不織布内への熱可塑性樹脂フィルムが進入し難くなる。また、炭素短繊維不織布と熱可塑性樹脂繊維とを積層してなる複合体に、ボイドが見られる場合がある。フィブリル化セルロース繊維の含有量は、不織布中の全繊維に対して、2〜20質量%であることが好ましく、2〜15質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることが更に好ましい。
フィブリル化セルロース繊維用のセルロース材料としては、植物パルプ、溶剤紡糸セルロース、半合成セルロース等が挙げられる。植物パルプとしては、広葉樹材(L材)や針葉樹材(N材)を用いたクラフトパルプ(KP)、溶解パルプ(DP)、溶解クラフトパルプ(DKP)などの木質系パルプが挙げられる。また、藁、麻、コットン、コットンリンターなどの非木質系パルプも挙げられる。市販品としては、セリッシュ(登録商標、ダイセルファインケム社製)が挙げられる。なお、セルロース材料の結晶形には、I型、II型、III型、IV型等があるが、耐熱性の観点から、I型、II型が好ましく、I型がより好ましい。I型のセルロース材料源としては、コットンパルプ、コットンリンターパルプ、麻パルプ、ケナフパルプなどの非木質系パルプで、リグニン及びヘミセルロースの含有量が低減されたパルプ、L材又はN材から得られる、リグニン及びヘミセルロースの含有量が低減されたKP、DP、DKPなどの木質系パルプが挙げられる。特に、コットン系材料が好ましい。
フィブリル化セルロースを得るためには、セルロース材料が、まず、水中で分散され、機械的に粉砕される。そして、セルロース材料の繊維が解繊されてミクロフィブリルが形成される。セルロース材料を解繊する装置としては、ディスクリファイナー、石臼型磨砕機、高圧ホモジナイザー、ボールミル、水中カウンターコリジョン法用装置、超音波破砕器等が挙げられる。これらの装置を適宜組み合わせて使用することもできる。
炭素短繊維と熱可塑性樹脂繊維の含有比率(質量基準)は、8.5:0.5〜5:4であることが好ましく、より好ましく、8:1〜6:3であることが更に好ましい。炭素短繊維と熱可塑性樹脂の含有比率を上記範囲内とすることにより、炭素短繊維不織布及び複合体並びに成型品の強度を高めることができる。
本発明における炭素短繊維不織布は、湿式抄造法で製造された湿式抄造不織布であることが好ましい。湿式抄造法では、まず、炭素短繊維、熱可塑性樹脂繊維、フィブリル化セルロース繊維を均一に水中に分散させ、その後、スクリーン(異物、塊等除去)等の工程を通り、最終の繊維濃度を0.01〜0.50質量%に調整されたスラリーが抄紙機で抄き上げられ、湿紙が得られる。繊維の分散性を均一にするために、工程中で分散剤、消泡剤、親水剤、帯電防止剤、高分子粘剤、離型剤、抗菌剤、殺菌剤等の薬品を添加する場合もある。
抄紙機としては、例えば、長網、円網、傾斜ワイヤー等の抄紙網を単独で使用した抄紙機、同種又は異種の2以上の抄紙網がオンラインで設置されているコンビネーション抄紙機等を使用することができる。また、不織布が2層以上の多層構造の場合には、各々の抄紙機で抄き上げた湿紙を積層する抄き合わせ法や、一方の層を形成した後に、該層上に繊維を分散したスラリーを流延して積層とする流延法等で、不織布を製造することができる。繊維を分散したスラリーを流延する際に、先に形成した層は湿紙状態であっても、乾燥状態であってもいずれでも良い。また、2枚以上の乾燥状態の層を熱融着させて、多層構造の不織布とすることもできる。
本発明において、不織布が多層構造である場合、各層の繊維配合が同一である多層構造であっても良く、各層の繊維配合が異なっている多層構造であっても良い。多層構造である場合、各層の坪量が下がることにより、スラリーの繊維濃度を下げることができるため、不織布の地合が良くなり、その結果、不織布の地合の均一性が向上する。また、各層の地合が不均一であった場合でも、積層することで補填できる。さらに、抄紙速度を上げることができ、操業性が向上するという効果も得られる。
湿式抄造法では、抄紙網で製造された湿紙を、ヤンキードライヤー、エアードライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤー等で乾燥することによって、シート状の湿式抄造不織布が得られる。湿紙の乾燥の際に、ヤンキードライヤー等の熱ロールに密着させて熱圧乾燥させることによって、密着させた面の平滑性が向上する。熱圧乾燥とは、タッチロール等で熱ロールに湿紙を押しつけて乾燥させることを言う。熱ロールの表面温度は、100〜180℃が好ましく、100〜160℃がより好ましく、110〜160℃が更に好ましい。圧力は、好ましくは50〜1000N/cmであり、より好ましくは100〜800N/cmである。
本発明の複合体は、炭素短繊維不織布と熱可塑性樹脂フィルムとを積層してなる複合体である。複合体は、炭素短繊維不織布と熱可塑性樹脂フィルムとを重ね合わせて、加熱処理又は加熱加圧処理することによって、製造することができる。この複合体を熱圧加工(熱プレス加工)することによって、成型品を製造することができる。
熱可塑性樹脂フィルムの熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリメチルメタクリレート樹脂等のメタクリル系樹脂;ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等のポリスチレン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリ1,4−シクロヘキシルジメチレンテレフタレート(PCT)樹脂等のポリエステル系樹脂;6−ナイロン樹脂、6,6−ナイロン樹脂等のポリアミド(PA)樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂;ポリオキシメチレン(POM)樹脂;ポリカーボネート(PC)樹脂;ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂;変性ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂;ポリエーテルイミド(PEI)樹脂;ポリスルホン(PSF)樹脂;ポリエーテルスルホン(PES)樹脂;ポリケトン樹脂;ポリアリレート(PAR)樹脂;ポリエーテルニトリル(PEN)樹脂;ポリエーテルケトン(PEK)樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂;ポリエーテルケトンケトン(PEKK)樹脂;ポリイミド(PI)樹脂;ポリアミドイミド(PAI)樹脂;フッ素(F)樹脂;液晶ポリエステル樹脂等の液晶ポリマー樹脂;ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリイソプレン系又はフッ素系等の熱可塑性エラストマー;又はこれらの共重合体樹脂や変性樹脂;アイオノマー樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の中から、1種又は2種以上を用いることができる。燃焼性の観点から、PC、PPS、PEEK、PEI等が好ましい。
アイオノマー樹脂としては、エチレン−不飽和カルボン酸共重合樹脂のカルボキシル基の一部を金属イオンで中和してなるエチレン系アイオノマー樹脂が挙げられる。カルボキシル基の10モル%以上、好ましくは10〜90モル%を金属イオンで中和したものが使用される。金属イオンとしては、リチウム、ナトリウムなどのアルカリ金属、亜鉛、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属のような多価金属イオンを挙げることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、実施例中における部や百分率は断りのない限り、すべて質量によるものである。
(フィブリル化セルロースの作製)
リンターパルプ(質量平均繊維長1.2mm)を、増幸産業社製マスコロイダー(登録商標、装置名:MKZA12)を用いて、磨砕処理を行い、フィブリル化セルロースを作製した。フィブリル化セルロースの分散液(濃度0.5質量%)での粘度をB型粘度計(ローターNo.2、ローター回転数60rpm、温度23〜25℃)で測定したところ、80cpであった。
(炭素短繊維)
炭素短繊維:繊維径7μm、繊維長6mm
(熱可塑性樹脂繊維)
熱可塑性樹脂繊維:繊維径4.5μm、繊維長3mm、未延伸PET繊維
(不織布製造)
表1の繊維配合率で、分散濃度0.2質量%で5分間、繊維を水に分散して、90メッシュの金属ワイヤーで、25cm×25cmサイズの湿紙を形成し、その後、表面温度140℃のヤンキードライヤーにて乾燥し、坪量27g/mの炭素短繊維不織布を得た。
Figure 0006785547
(複合体の製造)
実施例及び比較例で製造した炭素短繊維不織布の表裏を、熱可塑性樹脂(PEEK)フィルムで挟み、熱プレス機で、温度360℃、10MPa、5分間加熱加圧加工した後、室温に冷却した。
実施例及び比較例で製造した炭素短繊維不織布、複合体に対して、以下の評価を行い、結果を表2に示した。
(不織布製造時の状態)
金属ワイヤー面上で、炭素短繊維の分散性を確認し、金属ワイヤーで形成した湿紙をヤンキードライヤーで乾燥させるまでのシートの破断及び炭素短繊維の脱離の有無を観察した(乾燥前)。また、ヤンキードライヤーで乾燥した後の炭素短繊維の脱離の有無も確認した(乾燥後)。
(複合体の状態)
熱プレス機で複合体を形成した後に、炭素短不織布の周辺において、炭素短繊維の流れ(流動)が発生しているか、また、複合体のそりの有無やボイドの発生状態を観察した。
Figure 0006785547
炭素短繊維を熱可塑性樹脂繊維とを含有してなる比較例1の炭素短繊維不織布では、複合体の状態を観察したところ、不織布周辺に炭素短繊維の流れが発生していた。これに対し、実施例1〜9の炭素短繊維不織布は、炭素短繊維と熱可塑性樹脂繊維とフィブリル化セルロース繊維とを含有していることから、炭素短繊維の流れが抑制されていた。
実施例1〜9を比較すると、フィブリル化セルロース繊維の含有量が不織布の全繊維中に対して3質量%未満である実施例2及び実施例3の炭素短繊維不織布では、複合体の状態を観察したところ、炭素短繊維の流れがややあり、また、乾燥前の不織布が破断しやすかったが、使用可レベルであった。また、フィブリル化セルロース繊維の含有量が不織布の全繊維中に対して15質量%超である実施例6の炭素短繊維不織布では、複合体の状態を観察したところ、炭素短繊維の流れはなかったが、使用可レベルではあるものの、少量のボイドが確認された。
実施例1〜9を比較すると、熱可塑性樹脂繊維の含有量が少なくなっていくと、乾燥後の炭素短繊維の脱離がやや発生したが、使用可レベルであった。また、熱可塑性樹脂繊維の含有量が多くなっていくと、乾燥後の炭素短繊維の脱離は抑制されるが、使用可レベルではあるものの、複合体にそりが発生しやすくなった。
実施例4と比較例2との比較から、セルロース繊維がフィブリル化されることによって、炭素短繊維の脱離が抑制され、複合体において炭素短繊維の流れの発生しないことが確認された。
炭素短繊維とフィブリル化セルロース繊維とを含有する比較例3の炭素短繊維不織布では、複合体において、炭素短繊維の流れはなかったものの、乾燥前及び乾燥後の両方において、炭素短繊維の脱離が多く、使用不可レベルであった。
本発明の炭素短繊維不織布及び複合体は、電子機器材料、電気機器材料、土木材料、建築材料、自動車材料、航空機材料、各種製造業で使用されるロボット、ロール等の製造部品等に利用可能である。

Claims (1)

  1. 炭素短繊維(活性炭素繊維を除く)と熱可塑性樹脂繊維とフィブリル化セルロース繊維とを含有してなり、フィブリル化セルロース繊維が、不織布中の全繊維に対して、2〜20質量%である炭素短繊維不織布と熱可塑性樹脂フィルムとを積層してなる炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体
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