JP2019157315A - 炭素繊維不織布及び複合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、抄造性及び均一性に優れた炭素繊維不織布と、厚さのばらつきが少なく、強度特性に優れた炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体を提供することである。【解決手段】炭素繊維と熱可塑性樹脂繊維とフィブリル化セルロース繊維とを含有し、炭素繊維が水中で高速回転せん断型分散機を使って分散されたスラリーを用いて湿式抄造法により形成された炭素繊維不織布であり、フラジール通気度の変動率が8%以下である炭素繊維不織布及び該炭素繊維不織布と熱可塑性樹脂シートを積層してなる複合体。【選択図】なし

Description

本発明は、炭素繊維不織布及び炭素繊維不織布と熱可塑性樹脂シートとを積層してなる複合体に関する。
炭素繊維と樹脂を複合化してなる炭素繊維強化樹脂複合体は、金属材料に匹敵する強度・弾性率を有しながら、金属材料よりも比重が小さいため、部材の軽量化を図ることができ、また、発錆の問題もなく、酸やアルカリにも強いという性質を有していることから、電子機器材料、電気機器材料、土木材料、建築材料、自動車材料、航空機材料、各種製造業で使用されるロボット、ロール等の製造部品等で使用されている。
炭素繊維強化樹脂複合体は、長繊維織布、開繊織物、一方向性ウェブ、長繊維不織布、短繊維不織布等の炭素繊維布帛と、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の樹脂とを複合させた複合体である。最も一般的な炭素繊維強化樹脂複合体は、炭素長繊維布帛と熱硬化性樹脂とを複合させた複合体であるが、設計が難しい、均質材料ではない、成形加工時間が長い、高価等の課題があった。
これらの課題を解決する方法として、炭素繊維を含有する不織布(炭素繊維不織布)と熱可塑性樹脂とを複合した炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体が提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。炭素繊維不織布と熱可塑性樹脂が使用されることによって、易設計・加工性が得られ、成形加工時間の短縮が可能となっている。
しかしながら、従来の炭素繊維不織布は、炭素繊維と熱可塑性樹脂粉末又は熱可塑性樹脂繊維とを含む炭素繊維不織布、炭素繊維のみを含む炭素繊維不織布等であるが、炭素繊維を乾式法又は湿式法で均一に分散することが難しく、得られる炭素繊維不織布の均一性は不十分であり、またこの炭素繊維不織布と熱可塑性樹脂とを複合した炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体の品質も満足できるものではなかった。
特開2013−202891号公報 特開2011−21303号公報 特開2004−43985号公報 特開2016−151081号公報 特開2014−224333号公報
本発明の課題は、抄造性及び均一性に優れた炭素繊維不織布と、厚さのばらつきが少なく、強度特性に優れた炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体を提供することである。
上記課題は、下記発明によって解決することができる。
(1)炭素繊維と熱可塑性樹脂繊維とフィブリル化セルロース繊維とを含有し、炭素繊維が水中で高速回転せん断型分散機を使って分散されたスラリーを用いて湿式抄造法により形成された炭素繊維不織布であり、フラジール通気度の変動率が8%以下である炭素繊維不織布。
(2)(1)記載の炭素繊維不織布と熱可塑性樹脂シートとを積層し、加熱又は加熱加圧処理してなる複合体。
本発明によれば、抄造性及び均一性に優れた炭素繊維不織布を形成でき、この炭素繊維不織布と熱可塑性樹脂シートを積層し、加熱又は加熱加圧処理することにより複合体とした場合に、厚さのばらつきが少なく、強度特性に優れた炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体を提供することができる。
本発明の炭素繊維不織布は、炭素繊維と熱可塑性樹脂繊維とフィブリル化セルロース繊維とを含有し、炭素繊維が水中で高速回転せん断型分散機を使って分散されたスラリーを用いて湿式抄造法により形成された炭素繊維不織布であり、フラジール通気度の変動率が8%以下である不織布である。
炭素繊維としては、ポリアクリロニトリルを原料とするPAN系炭素繊維、ピッチ類を原料とするピッチ系炭素繊維、PAN系再生炭素繊維、ピッチ系再生炭素繊維が挙げられる。炭素繊維の繊維径は3〜20μmであることが好ましく、5〜15μmであることがより好ましい。また、炭素繊維の繊維長は1〜50mmであることが好ましく、3〜20mmであることがより好ましい。炭素繊維の含有量は、不織布中の全繊維に対して、50〜96質量%であることが好ましく、70〜93質量%であることがより好ましい。
再生炭素繊維とは、炭素繊維と樹脂を複合化してなる炭素繊維強化樹脂複合体から得られる再生品である。炭素繊維強化樹脂複合体は、長繊維織布、開繊織物、一方向性ウェブ、長繊維不織布、短繊維不織布等の炭素繊維布帛と、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の樹脂とを複合させた複合体である。最も一般的な炭素繊維強化樹脂複合体は、炭素長繊維布帛と熱硬化性樹脂とを複合させた複合体である。炭素繊維としては、ポリアクリロニトリルを原料とするPAN系炭素繊維やピッチ類を原料とするピッチ系炭素繊維が挙げられる。炭素繊維強化樹脂複合体から、化学分解法、亜臨界分解法、超臨界分解法、熱分解法、過熱水蒸気法等の再生処理方法により、樹脂が除去されることによって得られる炭素繊維が再生炭素繊維である。
本発明で用いられる再生炭素繊維は、炭素繊維自体の損傷を低減するため、窒素、アルゴン、水蒸気等の気体中で熱分解処理されたものが好ましい。熱分解処理温度としては、好ましくは400℃から800℃であり、更に好ましくは450℃から600℃である。
熱可塑性樹脂繊維は、炭素繊維が不織布から脱離することを防止し、炭素繊維不織布に強度を付与するために添加される。熱可塑性樹脂繊維としては、非結晶性のポリビニルアルコール(ビニロン)繊維、表面が低融点化されているポリエステル芯鞘繊維、未延伸ポリエステル繊維、ポリカーボネート(PC)繊維、ポリオレフィン繊維、表面が低融点化されているポリオレフィン芯鞘繊維、表面が酸変性ポリオレフィンよりなるポリオレフィン繊維、脂肪族ポリアミド繊維、未延伸ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリエーテルケトンケトン繊維等が挙げられる。
熱可塑性樹脂繊維が融点を示す場合、融点は60〜260℃であることが好ましく、60〜230℃であることがより好ましく、60〜180℃であることが更に好ましく、80〜160℃であることが特に好ましい。熱可塑性樹脂繊維の融点がこの温度範囲であることによって、不織布製造工程における加熱処理によって、結着性が付与され、炭素繊維不織布に強度が付与される。
熱可塑性樹脂繊維である非晶性のポリビニルアルコール(ビニロン)繊維は明確な融点を示さないが、水の存在下60〜100℃で溶解するため、湿式抄造法においては、ドライヤーでの加熱処理によって、湿熱溶解して、結着性が付与され、炭素繊維不織布に強度が付与される。
熱可塑性樹脂繊維の繊維径は3〜40μmであることが好ましく、5〜20μmであることがより好ましい。また、熱可塑性樹脂繊維の繊維長は1〜20mmであることが好ましく、3〜12mmであることがより好ましい。熱可塑性樹脂繊維の含有量は、不織布中の全繊維に対して、2〜40質量%であることが好ましい。
本発明に用いられるフィブリル化セルロース繊維とは、フィルム状ではなく、主に繊維軸と平行な方向に非常に細かく分割された部分を有する繊維状で、少なくとも一部が繊維径1μm以下であるセルロース繊維である。長さと幅のアスペクト比が20〜100000であることが好ましい。また、変法濾水度が0〜770mlであることが好ましく、0〜600mlであることがより好ましい。さらに、質量平均繊維長が0.1〜2mmであることが好ましい。フィブリル化セルロース繊維の含有量は、不織布中の全繊維に対して、2〜20質量%であることが好ましく、2〜10質量%であることがより好ましい。フィブリル化セルロース繊維を含有させることにより、炭素繊維と熱可塑性樹脂繊維との結着性を向上させ、抄造性が良化すると共に、加熱及び加熱加圧時の不織布層の崩れを抑制し、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体の均一性を高めることができる。本発明における変法濾水度は、ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの金網(PULP AND PAPER RESEARCH INSTITUTE OF CANADA製)を用い、試料濃度を0.1質量%にした以外はJIS P8121−2:2012に準拠して測定した濾水度である。
フィブリル化セルロース繊維用のセルロース材料としては、植物パルプ、溶剤紡糸セルロース、半合成セルロース等が挙げられる。植物パルプとしては、広葉樹材(L材)や針葉樹材(N材)を用いたクラフトパルプ(KP)、溶解パルプ(DP)、溶解クラフトパルプ(DKP)等の木質系パルプが挙げられる。また、藁、麻、コットン、コットンリンター等の非木質系パルプも挙げられる。市販品としては、セリッシュ(登録商標、ダイセルファインケム社製)が挙げられる。なお、セルロース材料の結晶形には、I型、II型、III型、IV型等があるが、耐熱性の観点から、I型、II型が好ましく、I型がより好ましい。I型のセルロース材料源としては、コットンパルプ、コットンリンターパルプ、麻パルプ、ケナフパルプ等の非木質系パルプで、リグニン及びヘミセルロースの含有量が低減されたパルプと、L材又はN材から得られる、リグニン及びヘミセルロースの含有量が低減されたKP、DP、DKP等の木質系パルプとが挙げられる。特に、コットン系材料が好ましい。
フィブリル化セルロース繊維を得るためには、セルロース材料が、まず、水中で分散され、機械的に粉砕される。そして、セルロース材料の繊維が解繊されてフィブリルが形成される。セルロース材料を解繊する装置としては、ディスクリファイナー、石臼型磨砕機、高圧ホモジナイザー、ボールミル、水中カウンターコリジョン法用装置、超音波破砕器等が挙げられる。これらの装置を適宜組み合わせて使用することもできる。
本発明において、炭素繊維、熱可塑性樹脂繊維、フィブリル化セルロース繊維と共に用いることのできる繊維としては、フェノール樹脂繊維、メラミン樹脂繊維、尿素樹脂繊維、ポリウレタン繊維等の熱硬化性樹脂繊維、ガラス繊維等が挙げられる。
本発明における炭素繊維不織布は、湿式抄造法で製造された湿式不織布である。湿式抄造法では、炭素繊維と、熱可塑性樹脂繊維、フィブリル化セルロース繊維を均一に水中に分散させ、その後、スクリーン(異物、塊等除去)等の工程を通り、最終の繊維濃度を0.01〜0.50質量%に調整されたスラリーが抄紙機で抄き上げられ、湿紙(湿潤状態の不織布)が得られる。繊維の分散性の均一化等のために、工程中で分散剤、消泡剤、親水化剤、帯電防止剤、高分子粘剤、離型剤、抗菌剤、殺菌剤等の薬品を添加する場合もある。
本発明では、炭素繊維不織布を製造する場合、一般的なパルパーでの分散処理の他に、炭素繊維を水中で、高速回転せん断型分散機を使って分散したスラリーを用いる。本発明において、「高速回転せん断型分散機」とは、分散刃を有して回転するローターと分散刃を有したステーターとの間に、繊維を含むスラリーを通過させ、スラリー中の繊維にせん断力を与えて分散させる分散機である。具体的な装置としては、シングルディスクリファイナー、ダブルディスクリファイナー、コニカルリファイナー等が挙げられる。
さらに、均一に効率良く、炭素繊維を分散させたスラリーを得るためには、高速回転せん断型分散機が、高速回転する細かなスリットを持つリング状刃物を構造の一部に有する高速回転せん断分散機であることが有効である。高速回転する細かなスリットを持つリング状刃物を構造の一部に有する高速回転せん断分散機においては、スリット間で発生する流体力学的な衝撃波が、炭素繊維に有効に作用する。具体的な装置としては、トップファイナー(相川鉄工製)、完全離解機VF型(新浜ポンプ製作所製)、マイルダー(登録商標、太平洋機工製)等が挙げられる。
上記分散機を使って、炭素繊維を分散させたスラリーを得る際には、スラリー濃度、処理時間、分散機のローターの回転数、ステーターとローターとのクリアランス等を調整することによって、炭素繊維の分散性を適宜調整することができる。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂繊維やフィブリル化セルロース繊維等は、炭素繊維とは別にパルパー等で分散した後、水中で高速せん断型分散機を使って分散した炭素繊維スラリーと混合しても構わないし、炭素繊維と共に水中で高速せん断型分散機を使って分散しても構わない。
抄紙機としては、例えば、長網、円網、傾斜ワイヤー等の抄紙網を単独で使用した抄紙機、同種又は異種の2以上の抄紙網がオンラインで設置されているコンビネーション抄紙機等を使用することができる。また、不織布が2層以上の多層構造の場合には、各々の抄紙機で抄き上げた湿紙を積層する抄き合わせ法や、一方の層を形成した後に、該層上に繊維を分散したスラリーを流延して積層とする流延法等で、不織布を製造することができる。繊維を分散したスラリーを流延する際に、先に形成した層は湿紙状態であっても、乾燥状態であってもいずれでも良い。また、2枚以上の乾燥状態の層を熱融着させて、多層構造の不織布とすることもできる。
本発明において、不織布が多層構造である場合、各層の繊維配合が同一である多層構造であっても良く、各層の繊維配合が異なっている多層構造であっても良い。多層構造である場合、各層の目付が下がることにより、スラリーの繊維濃度を下げることができるため、各層の地合が良くなり、その結果、不織布全体の地合の均一性が向上する。また、各層の地合が不均一であった場合でも、積層することで補填できる。さらに、抄紙速度を上げることができ、操業性が向上するという効果も得られる。
湿式抄造法では、抄紙網で抄造された湿紙を必要に応じて、プレスロール等で加圧脱水し、含有水分量を制御した上で、ヤンキードライヤー、エアードライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤー等で乾燥することによって、シート状の湿式不織布が得られる。湿紙をプレスロール等で加圧する場合、圧力は、好ましくは50〜1000N/cmであり、より好ましくは200〜800N/cmである。湿紙の乾燥の際に、ヤンキードライヤー等の熱ロールに密着させて熱圧乾燥させることによって、密着させた面の平滑性が向上する。熱圧乾燥とは、タッチロール等で熱ロールに湿紙を押しつけて乾燥させることを言う。熱ロールの表面温度は、100〜180℃が好ましく、100〜160℃がより好ましく、110〜160℃が更に好ましい。圧力は、好ましくは30〜800N/cmであり、より好ましくは50〜500N/cmである。
本発明の炭素繊維不織布はフラジール通気度の変動率が8%以下であり、好ましくは6%以下、より好ましくは4%以下である。湿式抄造法による炭素繊維不織布の製造において、一般的なパルパーでの分散処理の他に、炭素繊維を水中で、高速回転せん断型分散機を使って分散したスラリーを用い、不織布のフラジール通気度の変動率を8%以下とすることにより、繊維の分散の偏りがなく、均一性の高い炭素繊維不織布を得ることができる。
本発明の炭素繊維不織布において、フラジール通気度の変動率を8%以下にするために下記の方法が用いられる。炭素繊維と熱可塑性樹脂繊維とフィブリル化セルロースを含有し、炭素繊維を水中で、高速回転せん断型分散機を使って分散したスラリーを用いて湿式抄造法を用いて炭素繊維不織布を作製する。ここでフラジール通気度の変動率をより低減させるためには、(1)高速せん断型分散機での処理時間を長くする。(2)高速せん断型分散機の回転数を上げる。(3)ステーターとローターのクリアランスを狭くする、という方法で調整することができる。また(4)抄造時のプレスロール圧を200〜800N/cmのより好ましい範囲に調整する。(5)抄造時のタッチロール圧を50〜500N/cmのより好ましい範囲に調整する、という方法でフラジール通気度の変動率を低減することができる。
本発明におけるフラジール通気度の変動率は以下のようにして求めることができる。炭素繊維不織布から縦横500mm角のシートを切り取り、ここから50mm角の通気度測定用試料100枚を作製し、JIS L 1096に規定される通気性A法(フラジール形法)に準じて、通気性試験機(装置名:KES−F8−AP1、カトーテック(株)製)で通気度を測定し、試料100枚の通気度の平均値(P1)と標準偏差(P2)を算出し、次の式(1)から求められる値をフラジール通気度の変動率(%)とした。
フラジール通気度の変動率(%)=通気度の標準偏差(P2)/通気度の平均値(P1)×100 (1)
本発明の複合体は、上記のようにして製造してなる炭素繊維不織布と熱可塑性樹脂シートとを加熱処理又は加熱加圧処理してなる炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体である。
熱可塑性樹脂シートに用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリメチルメタクリレート樹脂等のメタクリル系樹脂;ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等のポリスチレン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)樹脂等のポリエステル系樹脂;6−ナイロン樹脂、6,6−ナイロン樹脂等のポリアミド(PA)樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂;ポリオキシメチレン(POM)樹脂;ポリカーボネート(PC)樹脂;ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂;変性ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂;ポリエーテルイミド(PEI)樹脂;ポリスルホン(PSF)樹脂;ポリエーテルスルホン(PES)樹脂;ポリケトン樹脂;ポリアリレート(PAR)樹脂;ポリエーテルニトリル(PEN)樹脂;ポリエーテルケトン(PEK)樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂;ポリエーテルケトンケトン(PEKK)樹脂;ポリイミド(PI)樹脂;ポリアミドイミド(PAI)樹脂;フッ素(F)樹脂;液晶ポリエステル樹脂等の液晶ポリマー樹脂;ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリイソプレン系又はフッ素系等の熱可塑性エラストマー;又はこれらの共重合体樹脂や変性樹脂;アイオノマー樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の中から、1種又は2種以上を用いることができる。成形加工性の観点から、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂等が好ましく用いられる。
アイオノマー樹脂としては、エチレン−不飽和カルボン酸共重合樹脂のカルボキシル基の一部を金属イオンで中和してなるエチレン系アイオノマー樹脂が挙げられる。カルボキシル基の10モル%以上、好ましくは10〜90モル%を金属イオンで中和したものが使用される。金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、マグネシウム等の多価金属イオンを挙げることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
<炭素繊維A1>
平均繊維径9μm、繊維長8mmのPAN系炭素繊維(再生していない炭素繊維)を炭素繊維A1とした。
<炭素繊維A2>
炭素繊維強化樹脂複合体(PAN系炭素繊維、エポキシ系樹脂使用)を熱分解法により再生し、繊維長6mmに分級処理した平均繊維径7μmの再生炭素繊維を炭素繊維A2とした。
<炭素繊維A3>
炭素繊維強化樹脂複合体(PAN系炭素繊維、エポキシ系樹脂使用)を過熱水蒸気法により再生し、繊維長6mmに分級処理した平均繊維径7μmの再生炭素繊維を炭素繊維A3とした。
<熱可塑性樹脂繊維B1>
芯成分がポリプロピレンで鞘成分がポリエチレンである平均繊維径8μm、繊維長5mmのポリオレフィン芯鞘複合繊維を熱可塑性樹脂繊維B1とした。
<熱可塑性樹脂繊維B2>
平均繊維径11μm、繊維長3mmのビニロン繊維(水中溶解温度70℃)を熱可塑性樹脂繊維B2とした。
<フィブリル化セルロース繊維C1>
リンターパルプをパルパーで5分間解繊した後、増幸産業社製マスコロイダー(登録商標、装置名:MKZA12)を用いて、磨砕処理を行い、変法濾水度250mlのフィブリル化セルロース繊維C1を作製した。
<セルロース繊維C2>
リンターパルプをパルパーで5分間解繊したものをフィブリル化していないセルロース繊維C2とした。
実施例1〜16及び比較例1〜5
(炭素繊維の分散処理)
分散機1を用いて表1記載の処理時間で分散後、比較例1〜3以外は分散機2を用いて表1記載の処理時間で炭素繊維の分散処理を行い、炭素繊維の水分散スラリーを得た。
Figure 2019157315
(炭素繊維不織布の作製)
表2記載の繊維配合で抄造用スラリーを調製し、表2記載のプレスロール圧、タッチロール圧、ドライヤー温度の条件で抄造を実施し、炭素繊維不織布を作製した。
Figure 2019157315
(実施例1)
表1記載の装置、条件で分散処理を行い、得られた炭素繊維スラリーと、パルパーで5分間分散処理した熱可塑性樹脂繊維、フィブリル化セルロース繊維を表2記載の配合で混合し、分散濃度0.2質量%に水で希釈し、アジテーターで30分間撹拌して抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを90メッシュの金属ワイヤーを有した円網抄紙機で湿紙を形成し、プレスロール圧500N/cmで加圧脱水した後、140℃のヤンキードライヤーに接触させ、タッチロール圧300N/cmで圧着乾燥させて、目付50.2g/mの炭素繊維不織布を得た。
上記で得られた炭素繊維不織布30枚と厚さ100μmのポリプロピレン樹脂シート31枚を交互に積層し、100mm角の平板を形成できる金型を使用し、熱プレス機で、温度220℃、圧力0.8MPaで1分間予備加熱処理した後、圧力を8MPaに上げて3分間加熱加圧処理した後、40℃以下に冷却し、金型から取り出し、複合体を作製した。
(実施例2)
表1記載の装置、条件で分散処理を行い、得られた炭素繊維スラリーと、パルパーで5分間分散処理した熱可塑性樹脂繊維、フィブリル化セルロース繊維を表2記載の配合で混合した以外は、実施例1と同様にして、目付50.5g/mの炭素繊維不織布を得た。また、実施例1と同様にして、複合体を作製した。
(実施例3)
表1記載の装置、条件で分散処理を行い、得られた炭素繊維スラリーと、パルパーで5分間分散処理した熱可塑性樹脂繊維、フィブリル化セルロース繊維を表2記載の配合で混合した以外は、実施例1と同様にして、目付50.4g/mの炭素繊維不織布を得た。また、実施例1と同様にして、複合体を作製した。
(実施例4)
表1記載の装置、条件で分散処理を行い、得られた炭素繊維スラリーと、パルパーで5分間分散処理した熱可塑性樹脂繊維、フィブリル化セルロース繊維を表2記載の配合で混合した以外は、実施例1と同様にして、目付50.6g/mの炭素繊維不織布を得た。また、実施例1と同様にして、複合体を作製した。
(実施例5)
表1記載の装置、条件で分散処理を行い、得られた炭素繊維スラリーと、パルパーで5分間分散処理した熱可塑性樹脂繊維、フィブリル化セルロース繊維を表2記載の配合で混合し、プレスロール圧を600N/cmとし、ヤンキードライヤー温度を150℃とし、タッチロール圧を400N/cmとした以外は、実施例1と同様にして、目付50.3g/mの炭素繊維不織布を得た。また、実施例1と同様にして、複合体を作製した。
(実施例6)
表1記載の装置、条件で分散処理を行い、得られた炭素繊維スラリーと、パルパーで5分間分散処理した熱可塑性樹脂繊維、フィブリル化セルロース繊維を表2記載の配合で混合した以外は、実施例5と同様にして、目付50.5g/mの炭素繊維不織布を得た。また、実施例1と同様にして、複合体を作製した。
(実施例7)
表1記載の装置、条件で分散処理を行い、得られた炭素繊維スラリーと、パルパーで5分間分散処理した熱可塑性樹脂繊維、フィブリル化セルロース繊維を表2記載の配合で混合した以外は、実施例5と同様にして、目付50.4g/mの炭素繊維不織布を得た。また、実施例1と同様にして、複合体を作製した。
(実施例8)
表1記載の装置、条件で分散処理を行い、得られた炭素繊維スラリーと、パルパーで5分間分散処理した熱可塑性樹脂繊維、フィブリル化セルロース繊維を表2記載の配合で混合した以外は、実施例5と同様にして、目付50.7g/mの炭素繊維不織布を得た。また、実施例1と同様にして、複合体を作製した。
(実施例9)
表1記載の装置、条件で分散処理を行い、得られた炭素繊維スラリーと、パルパーで5分間分散処理した熱可塑性樹脂繊維、フィブリル化セルロース繊維を表2記載の配合で混合した以外は、実施例5と同様にして、目付50.2g/mの炭素繊維不織布を得た。また、実施例1と同様にして、複合体を作製した。
(実施例10)
表1記載の装置、条件で分散処理を行い、得られた炭素繊維スラリーと、パルパーで5分間分散処理した熱可塑性樹脂繊維、フィブリル化セルロース繊維を表2記載の配合で混合し、実施例5と同様に抄造用スラリーを調製し、抄造時のプレスロール圧を100N/cmとした以外は、実施例5と同様にして、目付50.6g/mの炭素繊維不織布を得た。また、実施例1と同様にして、複合体を作製した。
(実施例11)
表1記載の装置、条件で分散処理を行い、得られた炭素繊維スラリーと、パルパーで5分間分散処理した熱可塑性樹脂繊維、フィブリル化セルロース繊維を表2記載の配合で混合し、実施例5と同様に抄造用スラリーを調製し、抄造時のプレスロール圧を900N/cmとした以外は、実施例5と同様にして、目付50.4g/mの炭素繊維不織布を得た。また、実施例1と同様にして、複合体を作製した。
(実施例12)
表1記載の装置、条件で分散処理を行い、得られた炭素繊維スラリーと、パルパーで5分間分散処理した熱可塑性樹脂繊維、フィブリル化セルロース繊維を表2記載の配合で混合し、実施例5と同様に抄造用スラリーを調製し、抄造時のタッチロール圧を600N/cmとした以外は、実施例5と同様にして、目付50.1g/mの炭素繊維不織布を得た。また、実施例1と同様にして、複合体を作製した。
(実施例13)
表1記載の装置、条件で分散処理を行い、得られた炭素繊維スラリーと、パルパーで5分間分散処理した熱可塑性樹脂繊維、フィブリル化セルロース繊維を表2記載の配合で混合し、実施例5と同様に抄造用スラリーを調製し、抄造時のタッチロール圧を40N/cmとした以外は、実施例5と同様にして、目付50.5g/mの炭素繊維不織布を得た。また、実施例1と同様にして、複合体を作製した。
(実施例14)
表1記載の装置、条件で分散処理を行い、得られた炭素繊維スラリーと、パルパーで5分間分散処理した熱可塑性樹脂繊維、フィブリル化セルロース繊維を表2記載の配合で混合した以外は、実施例5と同様にして、目付50.4g/mの炭素繊維不織布を得た。また、実施例1と同様にして、複合体を作製した。
(実施例15)
表1記載の装置、条件で分散処理を行い、得られた炭素繊維スラリーと、パルパーで5分間分散処理した熱可塑性樹脂繊維、フィブリル化セルロース繊維を表2記載の配合で混合した以外は、実施例5と同様にして、目付50.3g/mの炭素繊維不織布を得た。また、実施例1と同様にして、複合体を作製した。
(実施例16)
表1記載の装置、条件で分散処理を行い、得られた炭素繊維スラリーと、パルパーで5分間分散処理した熱可塑性樹脂繊維、フィブリル化セルロース繊維を表2記載の配合で混合した以外は、実施例5と同様にして、目付50.6g/mの炭素繊維不織布を得た。また、実施例1と同様にして、複合体を作製した。
(比較例1)
表1記載の装置、条件で分散処理を行い、得られた炭素繊維スラリーと、パルパーで5分間分散処理した熱可塑性樹脂繊維、フィブリル化セルロース繊維を表2記載の配合で混合した以外は、実施例1と同様にして、目付50.3g/mの炭素繊維不織布を得た。また、実施例1と同様にして、複合体を作製した。
(比較例2)
表1記載の装置、条件で分散処理を行い、得られた炭素繊維スラリーと、パルパーで5分間分散処理した熱可塑性樹脂繊維、フィブリル化セルロース繊維を表2記載の配合で混合した以外は、実施例5と同様にして、目付50.2g/mの炭素繊維不織布を得た。また、実施例1と同様にして、複合体を作製した。
(比較例3)
表1記載の装置、条件で分散処理を行い、得られた炭素繊維スラリーと、パルパーで5分間分散処理した熱可塑性樹脂繊維、フィブリル化セルロース繊維を表2記載の配合で混合した以外は、実施例5と同様にして、目付50.4g/mの炭素繊維不織布を得た。また、実施例1と同様にして、複合体を作製した。
(比較例4)
表1記載の装置、条件で分散処理を行い、得られた炭素繊維スラリーと、パルパーで5分間分散処理した熱可塑性樹脂繊維、セルロース繊維を表2記載の配合で混合した以外は、実施例1と同様にして、目付50.6/mの炭素繊維不織布を得た。また、実施例1と同様にして、複合体を作製した。
(比較例5)
表1記載の装置、条件で分散処理を行い、得られた炭素繊維スラリーと、パルパーで5分間分散処理した熱可塑性樹脂繊維、フィブリル化セルロース繊維を表2記載の配合で混合した以外は、実施例1と同様にして、目付50.5/mの炭素繊維不織布を得た。また、実施例1と同様にして、複合体を作製した。
(抄造性の評価)
実施例及び比較例において、炭素繊維不織布の抄造性を次の項目(a)及び(b)で評価した。(a)金属ワイヤーからウエットフェルトへの湿紙(湿潤状態の不織布)の転写性、(b)乾燥後のドライヤーからの剥離不良による炭素繊維の脱落状態。(a)については、湿紙中の繊維が金属ワイヤーに全く残留せず非常に良い場合を「◎」、僅かに繊維は残留するが良いと判断する場合を「○」、繊維の残留が見られやや悪いと判断する場合を「△」、繊維の残留が多く悪いと判断する場合を「×」とした。(b)については、ドライヤーからの剥離が非常に良く繊維の脱落が全く無い場合を「◎」、剥離は良いが繊維の脱落が僅かにある場合を「○」、剥離がやや悪く繊維の脱落が少しある場合を「△」、剥離が悪く繊維の脱落が多い場合を「×」とした。尚、本発明の炭素繊維不織布の条件を満たす抄造性は、「△」以上の評価を有するものである。結果を表3に示す。
(均一性の評価)
実施例及び比較例で得られた炭素繊維不織布から縦横250mm角のシートを切り取り、この炭素繊維不織布を透過光で観察し、シート中に存在する欠点(離解せず束になった状態の繊維及び繊維が撚れて凝集した塊)の数を数えた。欠点の数が少ない方が均一性に優れ好ましい。結果を表3に示す。
更にこのシートの地合ムラを目視で評価した。ここで地合ムラとは、不織布を透過光で観察した場合に濃淡差が生じる部分があることを示す。シートに地合ムラが無い場合を「◎」、地合ムラが僅かにある場合を「○」、地合ムラがやや多い場合を「△」、地合ムラが多い場合を「×」とした。地合ムラが少ない方が均一性に優れ好ましい。尚、本発明の炭素繊維不織布の条件を満たす均一性は、欠点が15個以下で地合ムラが「△」以上の評価を有するものである。結果を表3に示す。
(フラジール通気度の変動率の評価)
実施例及び比較例で得られた炭素繊維不織布から縦横500mm角のシートを切り取り、ここから50mm角の通気度測定用試料100枚を作製し、JIS L 1096に規定される通気性A法(フラジール形法)に準じて、通気性試験機(装置名:KES−F8−AP1、カトーテック(株)製)で通気度を測定し、試料100枚の通気度の平均値(P1)と標準偏差(P2)を算出し、次の式(1)からフラジール通気度の変動率を求めた。結果を表3に示す。
フラジール通気度の変動率(%)=通気度の標準偏差(P2)/通気度の平均値(P1)×100 (1)
Figure 2019157315
(複合体の厚さのばらつきの評価)
実施例で得られた100mm角の複合体の厚さを10mm間隔で100箇所、マイクロメーター(ミツトヨ製PMU150−25MX)を用いて測定し、100箇所の厚さの平均値(Q1)と標準偏差(Q2)を算出し、次の式(2)から厚さの変動率を求めた。厚さの変動率が小さい方が複合体の厚さのばらつきが少なく好ましい。結果を表4に示す。
厚さの変動率(%)=複合体の厚さの標準偏差(Q2)/複合体の厚さの平均値(Q1)×100 (2)
(複合体の強度の評価)
JIS K 7171に従い、複合体から長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmの試験片を切り出し、万能材料試験機(株式会社ティー・エス・イー、装置名:オートコム(登録商標、AutoCOM)AC−100)を用いて、試験速度2mm/分、支点間距離64mmで、曲げ特性を測定し、結果を表4に示した。
Figure 2019157315
実施例で得られた炭素繊維不織布は、抄造性が良好で、均一性に優れている。また複合体とした場合でも、厚さのばらつきが少なく、強度特性に優れている。
実施例1〜4を比較すると、フラジール通気度の変動率が4%以下である実施例2及び実施例3で得られた炭素繊維不織布は、実施例1及び実施例4に比べ、抄造性に優れ、欠点や地合ムラが少なく、また複合体とした場合でも、厚さのばらつきが少なく、曲げ強さ、曲げ弾性率が高く、より優れている。
実施例5〜13を比較すると、フラジール通気度の変動率が4%以下である実施例7及び実施例8で得られた炭素繊維不織布は、抄造性に優れ、欠点や地合ムラが非常に少なく、また複合体とした場合でも、厚さのばらつきが少なく、曲げ強さ、曲げ弾性率が高く、特に優れている。
実施例14〜16を比較すると、フラジール通気度の変動率が4%以下である実施例15及び実施例16で得られた炭素繊維不織布は、抄造性に優れ、欠点や地合ムラが非常に少なく、また複合体とした場合でも、厚さのばらつきが少なく、曲げ強さ、曲げ弾性率が高く、特に優れている。
実施例2と実施例4を比較すると、炭素繊維含有量が70質量部以上である実施例2の方が、フラジール通気度の変動率が低く、抄造性に優れ、欠点や地合ムラが少なく、また複合体とした場合でも、厚さのばらつきが少なく、曲げ強さ、曲げ弾性率が高く、優れている。
実施例6、実施例10、及び実施例11を比較すると、プレスロール圧がより好ましい範囲である実施例6は、フラジール通気度の変動率が低く、抄造性に優れ、欠点や地合ムラが少なく、また複合体とした場合でも、厚さのばらつきが少なく、曲げ強さ、曲げ弾性率が高く、優れている。
実施例6、実施例12、及び実施例13を比較すると、タッチロール圧がより好ましい範囲である実施例6は、フラジール通気度の変動率が低く、抄造性に優れ、欠点や地合ムラが少なく、また複合体とした場合でも、厚さのばらつきが少なく、曲げ強さ、曲げ弾性率が高く、優れている。
比較例1〜3は、炭素繊維を水中で高速回転せん断型分散機を使用してスラリー化しておらず、フラジール通気度の変動率が8%を大きく超えて高く、抄造性が非常に悪く、欠点や地合ムラが多く均一性に劣っている。また複合体とした場合でも、厚さのばらつきが大きく、曲げ強さ、曲げ弾性率が劣っている。
比較例4はセルロース繊維がフィブリル化されておらず、フラジール通気度の変動率は8%を超えていないものの、本発明の条件を満たしておらず、実施例1に比べ劣っている。
比較例5は熱可塑性樹脂繊維を含有しておらず、フラジール通気度の変動率は8%を超えていないものの、本発明の条件を満たしておらず、実施例1に比べ劣っている。
本発明の炭素繊維不織布及び複合体は、電子機器材料、電気機器材料、土木材料、建築材料、自動車材料、航空機材料、各種製造業で使用されるロボット、ロール等の製造部品等に利用可能である。

Claims (2)

  1. 炭素繊維と熱可塑性樹脂繊維とフィブリル化セルロース繊維とを含有し、炭素繊維が水中で高速回転せん断型分散機を使って分散されたスラリーを用いて湿式抄造法により形成されてなる炭素繊維不織布であり、フラジール通気度の変動率が8%以下である炭素繊維不織布。
  2. 請求項1記載の炭素繊維不織布と熱可塑性樹脂シートとを積層してなる複合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019172797A (ja) * 2018-03-28 2019-10-10 古河電気工業株式会社 繊維強化樹脂複合材料、その積層体、繊維強化樹脂複合材料用組成物および繊維強化樹脂複合材料の製造方法

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