JPH06104663B2 - 芳香族環状酸無水物の製造法 - Google Patents

芳香族環状酸無水物の製造法

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JPH06104663B2
JPH06104663B2 JP15409786A JP15409786A JPH06104663B2 JP H06104663 B2 JPH06104663 B2 JP H06104663B2 JP 15409786 A JP15409786 A JP 15409786A JP 15409786 A JP15409786 A JP 15409786A JP H06104663 B2 JPH06104663 B2 JP H06104663B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は芳香族環状酸無水物の製造法に関する。
〔従来の技術〕
芳香族環状酸無水物を芳香族化合物と一酸化炭素類とか
ら製造する方法としては、ニッケルカルボニル触媒の存
在下に、ブロムベンゼンと一酸化炭素から、無水安息香
酸を経由して無水フタル酸を合成する方法〔ジヤーナル
・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイアテイ(J.
Amer・Chem.Soc.)、第78巻、第6137頁、1956年〕や、
オルト安息香酸ジアゾニウム塩をニツケルカルボニルと
反応させて無水フタル酸を合成する方法〔ケミストリー
・アンド・インダストリー(Chem.& Ind.)、第765
頁、1965年〕などが知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前記のように、従来のカルボニル化法による芳香族環状
酸無水物の製造法においては、毒性の強いニツケルカル
ボニルを触媒または反応試剤として使用しなければなら
ず、反応後に触媒成分を分離・回収する面倒な工程も必
要であつた。また不安定なジアゾニウム塩を原料とする
方法は、工業的には有利な方法ではない。
〔問題点を解決するための手段〕 そこで本発明者らに、より安価に、また、より容易に芳
香族環状酸無水物を製造する方法について鋭意研究を重
ねた結果、高収率、高選択率で目的とする芳香族環状酸
無水物を製造できる新しい方法を見出し、本発明を完成
するに至つた。
すなわち本発明は、芳香環を構成する隣接している2個
の炭素原子に酸無水物基の結合した芳香族環状酸無水物
を製造するに当り、芳香環を形成している隣接する2個
の炭素原子にそれぞれヨウ素原子及びカルボン酸塩グル
ープが結合したヨウ素化芳香族カルボン酸塩を、触媒の
不使用下、一酸化炭素と反応させることを特徴とする芳
香族環状酸無水物の製造法である。
本発明者らは、有機ヨウ素化合物と一酸化炭素と有機カ
ルボン酸塩との反応を触媒の不存在下に行うことによつ
て、高収率、高選択率で相当するカルボン酸無水物を製
造できる新しい方法を見出し、先に出願した(特願昭61
-125642)。本発明の方法は、先に見出した方法をさら
に検討することによつて、この無触媒下でのカルボン酸
無水物の新しい合成方法が分子間反応のみに限定されず
に、分子内反応にも適用できることを見出した知見に基
づくものである。
本発明の方法を、わかりやすく例示するためにオルトヨ
ウド安息香酸のアルカリ金属塩の反応の場合について、
式で表わせば、次のような反応式になる。
(式中、Mはアルカリ金属原子を表わす。) 本発明の方法は、前記の反応式で例示されているアルカ
リ金属ヨウ化物のように、芳香族カルボン酸塩のカチオ
ン成分とヨウ素アニオンから成る塩のみを副生する。他
の触媒成分を何も含んでいないことと、副生するのが簡
単な塩であることから、目的とする芳香族環状酸無水物
を分離することは非常に容易である。このことも本発明
の特徴の一つである。
本発明で用いられるヨウ素化芳香族カルボン酸塩とは、
芳香環を形成している隣接する2個の炭素原子にそれぞ
れヨウ素原子及びカルボン酸塩グループが結合したもの
であれば、どのようなものであつてもよい。
カルボン酸塩グループとは、カルボキシル基の水素が、
種々のカチオン成分で置換されたグループのことであ
る。カチオン成分としては、アルカリ金属、アルカリ土
類金属、銅、銀、亜鉛、水銀、ケイ素、スズなどの1価
又は多価の金属カチオン類;アンモニウム、置換アンモ
ニウム、置換ホスホニウムなどのオニウムカチオンなど
が用いられる。これらの有機カルボン酸塩の中で、アル
カリ金属塩及びアルカリ土類金属塩が好ましく、特に好
ましいのはアルカリ金属塩である。
このようなヨウ素化芳香族カルボン酸塩としては、例え
ばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジ
エチルベンゼン、プロピルベンゼン、キユメン、トリメ
チルベンゼン、テトラメチルベンゼン、ナフタリン、ア
ンスラセンなどの芳香族炭化水素類や、ピリジン、キノ
リン、ビピリジンなどのヘテロ芳香族化合物類や、式 〔ただし、Aは単なる結合、または−O−、−S−、−
SO2−、−CO−、−CH2−、−C(R″)2−(R″は低
級アルキル基)などの2価の基を表わす。〕 で示される芳香族炭化水素類などの芳香族化合物の芳香
環を形成している隣接する2個の炭素原子に結合してい
る水素原子をヨウ素原子及びカルボン酸塩グループで置
換した化合物類が用いられる。
また、前記のような芳香族化合物において、ヨウ素原子
及びカルボン酸塩グループとから成る1対の基を、2対
以上同一分子内に含むようなヨウ素化芳香族カルボン酸
塩であつてもよい。
さらにこれらのヨウ素化芳香族カルボン酸塩において、
反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例えば、ヨウ素
以外のハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ
基、エステル基、ニトロ基、アシル基、アロイル基、シ
アノ基、アミド基などの置換基によつて置換されていて
もよい。
一酸化炭素は純一酸化炭素でもよいし、窒素、アルゴ
ン、ヘリウム、低級炭化水素などの反応に悪影響を及ぼ
さない他のガスで希釈されたものであつてもよい。一酸
化炭素は分圧で0.1〜300kg/cm2、好ましくは1〜200kg/
cm2の範囲で使用される。
本発明の方法においては、反応溶媒を使用しなくても実
施することができるが、反応に悪影響を及ぼさない溶媒
を用いることは好ましい方法である。このような溶媒と
しては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカ
ン、ペンタデカンなどの脂肪族炭化水素類;シクロヘキ
サン、メチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香
族炭化水素類;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどの
ニトリル類;スルホラン、メチルスルホラン、ジメチル
スルホランなどのスルホン類;テトラヒドロフラン、1,
4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル
類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;酢
酸エチル、安息香酸エチルなどのエステル類;N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−
メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミドなどの
アミド類などがあげられる。
本発明の反応は、180℃以上の温度で実施されることが
好ましく、より好ましくは200℃以上400℃以下の温度で
実施されるとよい。さらにより好ましくは230℃以上350
℃以下の温度範囲である。180℃より低い温度では、反
応速度が遅く実用的ではなく、また400℃以上では副反
応が増大して、目的とするカルボン酸無水物の収率が低
下してくる。
また、反応圧力は通常1〜500kg/cm2、好ましくは5〜3
00kg/cm2の範囲で実施される。
また、反応時間は、用いる原料の種類や量あるいは温
度、圧力などの他の反応条件によつて変わるが、通常数
分〜数十時間である。
反応方式としても、回分式、連続式およびこれらの組合
せ等、いずれを採用してもよい。
〔発明の効果〕
本発明の方法により、芳香環を形成している隣接する2
個の炭素原子にそれぞれヨウ素原子及びカルボン酸塩グ
ループが結合しているヨウ素化芳香族カルボン酸塩と一
酸化炭素から、高収率、高選択率で芳香族環状酸無水物
を、触媒を用いずに製造できることになつた。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明
は、これらの実施例に限定されるものではない。なおオ
ートクレーブはハステロイ−C製のものを使用した。
実施例1 オルトヨード安息香酸ナトリウム50m mol、トルエン30g
をオートクレーブに入れ、オートクレーブの内部を一酸
化炭素で置換した後、一酸化炭素70kg/cm2を圧入した。
攪拌下に250〜260℃で2時間反応させた後、冷却し、少
量のテトラヒドロフランを加え有機性の生成物を溶解さ
せた。この反応混合物を濾過し、濾液を分析した結果、
無水フタル酸が収率98%、選択率99%で生成しているこ
とがわかつた。無水フタル酸はガスクロマトグラフイ
ー、赤外線吸収スペクトル、マススペクトルによつて標
品と一致することから同定された。
濾滓はヨウ化ナトリウムであつた。
実施例2 オルトヨード安息香酸ナトリウムの代りにオルトヨード
安息香酸カリウム50m molを用いる以外は実施例1と同
様な方法で反応を行つた結果、無水フタル酸が収率97.5
%、選択率98%で生成していることがわかつた。
実施例3 オルトヨード安息香酸ナトリウムの代りにオルトヨード
安息香酸カルシウム30m molを用いる以外は実施例1と
同様な方法で反応を行つた結果、無水フタル酸が収率90
%、選択率94%で生成していることがわかつた。
実施例4 オルトヨード安息香酸ナトリウムの代りに、2,5−ジヨ
ードテレフタル酸ジナトリウム30m molを用いる以外は
実施例1と同様な方法により反応を行つた結果、ピロメ
リツト酸無水物が収率94%、選択率96%で得られた。
実施例5 オルトヨード安息香酸ナトリウムの代りに2−ヨード−
4−フルオロ安息香酸ナトリウム50m molを用いる以外
は実施例1と同様な方法により反応を行つた結果、4−
フルオロフタル酸無水物が収率98%、選択率98%で得ら
れた。
実施例6 オルトヨード安息香酸ナトリウムの代りに2−ヨード−
4−ニトロ安息香酸ナトリウム50m molを用いる以外は
実施例1と同様な方法により反応を行つた結果、4−ニ
トロフタル酸無水物が収率96%、選択率98%で得られ
た。
実施例7 3,3′−ジヨードベンゾフエノン−4,4′−ジカルボン酸
ジナトリウム20m molを、オルトヨード安息香酸ナトリ
ウムの代りに用いて、実施例1と同様な方法により反応
を行つた結果、3,3′,4,4′−ベンゾフエノンテトラカ
ルボン酸ジ無水物が収率93%、選択率95%で得られた。
実施例8 3,3′−ジヨードビフエニル−4,4′−ジカルボン酸ジナ
トリウム20m molをオルトヨード安息香酸ナトリウムの
代りに用いて、実施例1と同様な方法により反応を行つ
た結果、3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン酸無
水物が収率94%、選択率95%で得られた。
実施例9 3,3′−ジヨードジフエニルエーテル−4,4′−ジカルボ
ン酸ジナトリウム20m molをオルトヨード安息香酸ナト
リウムの代りに用いて、実施例1と同様な方法により反
応を行つた結果、3,3′,4,4′−ジフエニルエーテルテ
トラカルボン酸無水物が収率95%、選択率96%で得られ
た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香環を構成する隣接している2個の炭素
    原子に酸無水物基の結合した芳香族環状酸無水物を製造
    するに当り、芳香環を形成している隣接する2個の炭素
    原子にそれぞれヨウ素原子及びカルボン酸塩グループが
    結合したヨウ素化芳香族カルボン酸塩を、触媒の不使用
    下、一酸化炭素と反応させることを特徴とする芳香族環
    状酸無水物の製造法。
JP15409786A 1986-07-02 1986-07-02 芳香族環状酸無水物の製造法 Expired - Lifetime JPH06104663B2 (ja)

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