JP2688226B2 - 1,3−ジチアン誘導体の製造法 - Google Patents
1,3−ジチアン誘導体の製造法Info
- Publication number
- JP2688226B2 JP2688226B2 JP29963188A JP29963188A JP2688226B2 JP 2688226 B2 JP2688226 B2 JP 2688226B2 JP 29963188 A JP29963188 A JP 29963188A JP 29963188 A JP29963188 A JP 29963188A JP 2688226 B2 JP2688226 B2 JP 2688226B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- formula
- dithiane
- reaction
- producing
- cyano
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、式(III) (式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は各々、水素原子ま
たは低級アルキル基を示し、互いに同じであっても、異
なっていてもよい) で表されるN−シアノ−2−イミド−1,3−ジチアン誘
導体の製造法に関するものである。
たは低級アルキル基を示し、互いに同じであっても、異
なっていてもよい) で表されるN−シアノ−2−イミド−1,3−ジチアン誘
導体の製造法に関するものである。
この化合物は農薬、医薬中間体として有用な化合物で
ある。
ある。
従来、式(III)で表わされる化合物の製造法とし
て、1,3−ジブロムプロパンを用いるN−シアノ−2−
イミド−1,3−ジチアンの合成法がJ.Org.Chem.vol.32,1
566頁〜1572頁及び2567頁〜2570頁に記載されている。
て、1,3−ジブロムプロパンを用いるN−シアノ−2−
イミド−1,3−ジチアンの合成法がJ.Org.Chem.vol.32,1
566頁〜1572頁及び2567頁〜2570頁に記載されている。
前記の公知技術による方法では、文献中に記載のある
如く、N−シアノ−2−イミド−1,3−ジチアンの収率
は41%および70%と低い値であった。また、得られた1,
3−ジチアンの純度が低く、その利用に際しては再結晶
等の精製が必要であり、そのうえ、原料とする1,3−ジ
ブロムプロパンは高価で、そのため得られる1,3−ジチ
アンは高価にならざるを得なかった。
如く、N−シアノ−2−イミド−1,3−ジチアンの収率
は41%および70%と低い値であった。また、得られた1,
3−ジチアンの純度が低く、その利用に際しては再結晶
等の精製が必要であり、そのうえ、原料とする1,3−ジ
ブロムプロパンは高価で、そのため得られる1,3−ジチ
アンは高価にならざるを得なかった。
本発明者らは、公知技術の方法における問題点を解決
すべく詳細に検討を行った結果、従来の方法では1,3−
ジブロムプロパンを用いるため、反応に選択性がなく、
目的物のみならず、二量化等によるより高分子の化合物
の副生が多く、そのため目的物の生成が少なくなること
が判明した。
すべく詳細に検討を行った結果、従来の方法では1,3−
ジブロムプロパンを用いるため、反応に選択性がなく、
目的物のみならず、二量化等によるより高分子の化合物
の副生が多く、そのため目的物の生成が少なくなること
が判明した。
そこで、本発明者らは1−ブロム−3−クロルプロパ
ンを用いて合成した結果、驚くべきことに、反応が選択
的に進行し、目的物である1,3−ジチアンの生成率が大
巾に向上することを見出し、本発明を完成するに到った
ものである。
ンを用いて合成した結果、驚くべきことに、反応が選択
的に進行し、目的物である1,3−ジチアンの生成率が大
巾に向上することを見出し、本発明を完成するに到った
ものである。
すなわち、本発明は、式(I)で表わされる化合物 (式中、Mはアルカリ金属を示す) と式(II)で表わされる化合物 (式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は各々、水素原子ま
たは低級アルキル基を示し、互いに同じであっても、異
なっていてもよい) とを反応させることを特徴とする式(III)で表わされ
る1,3−ジチアン誘導体の製造法に関するものである。
たは低級アルキル基を示し、互いに同じであっても、異
なっていてもよい) とを反応させることを特徴とする式(III)で表わされ
る1,3−ジチアン誘導体の製造法に関するものである。
本発明の方法で用いられる式(I)の化合物は、シア
ナミドと二硫化炭素の混合系にアルカリ金属の水酸化物
を作用させることにより、容易に合成出来る。
ナミドと二硫化炭素の混合系にアルカリ金属の水酸化物
を作用させることにより、容易に合成出来る。
本発明の方法において、各原料の使用割合は式(I)
の化合物1.0モルに対し式(II)の化合物0.8〜1.0モル
である。
の化合物1.0モルに対し式(II)の化合物0.8〜1.0モル
である。
本発明の反応は溶媒中で行われ、その溶媒としてはア
セトンまたはメタノール、エタノール等のアルコール類
と水の混合液が用いられる。溶媒量は任意の量で良い
が、式(I)の化合物1モル当たり500〜2000gが好まし
い。
セトンまたはメタノール、エタノール等のアルコール類
と水の混合液が用いられる。溶媒量は任意の量で良い
が、式(I)の化合物1モル当たり500〜2000gが好まし
い。
反応温度は溶媒の還流温度までの任意の温度で良いが、
好ましくは20〜40℃であり、反応時間は温度により異な
るが、通常1〜30時間である。
好ましくは20〜40℃であり、反応時間は温度により異な
るが、通常1〜30時間である。
生成物の取出しは、冷却後濾過する、濃縮後濾過する、
抽出分離する等通常行われる方法で行われる。このよう
にして取得された1,3−ジチアン誘導体は極めて純度が
高く、そのままでも十分に使用可能であるが、必要に応
じて再結晶等により精製することも出来る。
抽出分離する等通常行われる方法で行われる。このよう
にして取得された1,3−ジチアン誘導体は極めて純度が
高く、そのままでも十分に使用可能であるが、必要に応
じて再結晶等により精製することも出来る。
本発明の方法の第1の利点は、目的とする1,3−ジチ
アン誘導体を選択的に生成する方法であって、従来法に
比べ、1,3−ジチアン誘導体の生成率を大巾に向上出来
ると共に、高純度の製品を得ることが出来る点である。
アン誘導体を選択的に生成する方法であって、従来法に
比べ、1,3−ジチアン誘導体の生成率を大巾に向上出来
ると共に、高純度の製品を得ることが出来る点である。
第2の利点は、原料の一つである式(II)の化合物が
ジブロム化合物よりも安価に入手出来、かつ、分子量が
小さいため、重量ベースの使用量が少なくなるので、よ
り安価に1,3−ジチアン誘導体を製造し得る点である。
ジブロム化合物よりも安価に入手出来、かつ、分子量が
小さいため、重量ベースの使用量が少なくなるので、よ
り安価に1,3−ジチアン誘導体を製造し得る点である。
以下に、実施例をあげて本発明を更に詳しく説明す
る。
る。
実施例1 反応フラスコにシアノイミドジチオ炭酸カリウム19.4
g(0.10モル)および水85gを入れ均一液とした。次いで
アセトン60gを入れ攪拌した。攪拌下25±2℃の温度で
滴下ロートより1−ブロム−3−クロルプロパン15.7g
(0.10モル)を約1時間で滴下し、更に同温度で15時間
攪拌を続け反応を行った。反応液について液体クロマト
グラフィーで分析した結果、N−シアノ−2−イミド−
1,3−ジチアンの生成率は95.5%であった。
g(0.10モル)および水85gを入れ均一液とした。次いで
アセトン60gを入れ攪拌した。攪拌下25±2℃の温度で
滴下ロートより1−ブロム−3−クロルプロパン15.7g
(0.10モル)を約1時間で滴下し、更に同温度で15時間
攪拌を続け反応を行った。反応液について液体クロマト
グラフィーで分析した結果、N−シアノ−2−イミド−
1,3−ジチアンの生成率は95.5%であった。
反応液に水200mlを加え、5℃以下に冷却した後、析
出した結晶を濾別し、少量の冷水で洗浄した後、減圧下
に乾燥して微黄色の結晶14.1gを得た。この結晶の分析
結果は次の通りであり、結晶の収率は87.4%であった。
出した結晶を濾別し、少量の冷水で洗浄した後、減圧下
に乾燥して微黄色の結晶14.1gを得た。この結晶の分析
結果は次の通りであり、結晶の収率は87.4%であった。
融点 98〜100℃ 元素分析値 C H N S 理論値(%) 37.95 3.83 17.71 40.52 分析値(%) 37.86 3.79 17.63 40.44 液体クロマトグラフィー分析 純度 98.0% 液体クロマト 島津LC−5A カラム Unisil 5C18 (ガスクロ工業製) 40φ×250mm 移動相 CH3CN:5%アンモニア水=10:1 流量 0.7ml/min 検出 UV 228nm 比較例1 実施例1において、1−ブロム−3−クロルプロパン
の代わりに1,3−ジブロムプロパン20.4g(0.10モル)を
用い、実施例1と同様の操作により反応を行った。
の代わりに1,3−ジブロムプロパン20.4g(0.10モル)を
用い、実施例1と同様の操作により反応を行った。
反応液について液体クロマトグラフィー分析の結果、
N−シアノ−2−イミド−1,3−ジチアンの生成率は61.
3%であった。
N−シアノ−2−イミド−1,3−ジチアンの生成率は61.
3%であった。
反応液について実施例1と同様の後処理を行った結
果、13.9gの微黄色の結晶を得た。液体クロマトグラフ
ィー分析の結果、N−シアノ−2−イミド−1,3−ジチ
アンとしての純度は63.1%であった。この粗結晶をアセ
トン50mlに入れ、室温でよく攪拌した後、濾別した。ア
セトン不溶分として5.0gを得た。このものは各種分析の
結果、主として目的物の二量体を含む混合物であること
が判明した。
果、13.9gの微黄色の結晶を得た。液体クロマトグラフ
ィー分析の結果、N−シアノ−2−イミド−1,3−ジチ
アンとしての純度は63.1%であった。この粗結晶をアセ
トン50mlに入れ、室温でよく攪拌した後、濾別した。ア
セトン不溶分として5.0gを得た。このものは各種分析の
結果、主として目的物の二量体を含む混合物であること
が判明した。
アセトン濾液について分析した結果、N−シアノ−2
−イミド−1,3−ジチアンの量は仕込みの1,3−ジブロム
プロパンに対し54.4%の収率に相当するものであった。
この液を約1/2に濃縮し、冷却晶析した結果、6.2gの結
晶を得た。これはN−シアノ−2−イミド−1,3−ジチ
アンとして純度99.5%であり、収率は39%に相当した。
融点は98−99℃であった。
−イミド−1,3−ジチアンの量は仕込みの1,3−ジブロム
プロパンに対し54.4%の収率に相当するものであった。
この液を約1/2に濃縮し、冷却晶析した結果、6.2gの結
晶を得た。これはN−シアノ−2−イミド−1,3−ジチ
アンとして純度99.5%であり、収率は39%に相当した。
融点は98−99℃であった。
実施例2 実施例1においてシアノイミドジチオ炭酸カリウムの
かわりにシアノイミドジチオ炭酸ナトリウム16.2g(0.1
0モル)を用いて実施例1と同様に反応を行った。反応
液の液体クロマトグラフィー分析の結果、N−シアノ−
2−イミド−1,3−ジチアンの生成率は82.7%であっ
た。
かわりにシアノイミドジチオ炭酸ナトリウム16.2g(0.1
0モル)を用いて実施例1と同様に反応を行った。反応
液の液体クロマトグラフィー分析の結果、N−シアノ−
2−イミド−1,3−ジチアンの生成率は82.7%であっ
た。
実施例3 実施例1において水85g、アセトン60gのかわりに水20
g、メタノール50gを用い、温度35℃で実施例1と同様に
反応を行った。反応液の液体クロマトグラフィー分析の
結果、N−シアノ−2−イミド−1,3−ジチアンの生成
率は90.3%であった。
g、メタノール50gを用い、温度35℃で実施例1と同様に
反応を行った。反応液の液体クロマトグラフィー分析の
結果、N−シアノ−2−イミド−1,3−ジチアンの生成
率は90.3%であった。
Claims (1)
- 【請求項1】式(I)で表わされる化合物 (式中、Mはアルカリ金属を示す) と式(II)で表わされる化合物 (式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は各々、水素原子ま
たは低級アルキル基を示し、互いに同じであっても、異
なっていてもよい) とを反応させることを特徴とする式(III) (式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は式(II)における
R1〜R6と同じ) で表わされる1,3−ジチアン誘導体の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29963188A JP2688226B2 (ja) | 1988-11-29 | 1988-11-29 | 1,3−ジチアン誘導体の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29963188A JP2688226B2 (ja) | 1988-11-29 | 1988-11-29 | 1,3−ジチアン誘導体の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02145583A JPH02145583A (ja) | 1990-06-05 |
JP2688226B2 true JP2688226B2 (ja) | 1997-12-08 |
Family
ID=17875096
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29963188A Expired - Lifetime JP2688226B2 (ja) | 1988-11-29 | 1988-11-29 | 1,3−ジチアン誘導体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2688226B2 (ja) |
-
1988
- 1988-11-29 JP JP29963188A patent/JP2688226B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02145583A (ja) | 1990-06-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2268586A1 (en) | Process for producing n-glycyltyrosine and its crystal structure | |
JP2688226B2 (ja) | 1,3−ジチアン誘導体の製造法 | |
US3592826A (en) | Imidazole catalysts for diketene reactions | |
Margaretha et al. | Synthesis of imines of. alpha.,. beta.-acetylenic ketones | |
CN116419922A (zh) | 一种从泊马度胺选择性合成3,6′-二硫代泊马度胺的方法 | |
JP2022109444A (ja) | ニトリルオキシド化合物の製造方法 | |
CN113372281A (zh) | 一种特硝唑的合成方法 | |
JP2960183B2 (ja) | 新規なテルペン誘導体及びその製造方法 | |
JPS62255456A (ja) | ジエチルホルムアミドの製造方法 | |
US4010160A (en) | Process for the manufacture of 1,3-bis-(β-ethylhexyl)-5-amino-5-methyl-hexahydropyrimidine | |
JPS6130576A (ja) | 2−アミノ−5−シアノピリミジンの製法 | |
US5525722A (en) | Process for producing biocozamycin benzoate | |
JP2659587B2 (ja) | 4―アジリジニルピリミジン誘導体及びその製造法 | |
JP4318242B2 (ja) | N,n’−ジメチルフェニレンジアミン系化合物の製造方法 | |
JPH07188092A (ja) | 光学活性ノルボルネン誘導体の製造方法 | |
KR910009236B1 (ko) | N-2'-카르복실페닐-4-클로로안트라닐산의 신규 제조방법 | |
JPH0368571A (ja) | N―置換2、4、6―トリイミノトリアジン誘導体の製造方法 | |
CN113845530A (zh) | 一种便捷的2-苯基苯并咪唑[2,1-b]噻唑的Michal加成反应 | |
JPH05320126A (ja) | 2−アミノ−5−ニトロチオベンズアミドの製造法 | |
JPS6317869A (ja) | 2−低級アルキル−4−アミノ−5−ホルミルピリミジンの製造法 | |
JPS62258351A (ja) | テトラエチルウレアの製造方法 | |
JPS6030665B2 (ja) | α−ケトアミドイミン類の製造方法 | |
JPS5944343A (ja) | m−ニトロフエニルアルキルエ−テルの製造法 | |
JPS62273949A (ja) | N,n−ジアルキルアミノチオアセトアミド類の製造法 | |
JPH04264056A (ja) | N−メチルアルキルアミンの製造方法 |