JPH0662486B2 - カルボン酸無水物の製造法 - Google Patents
カルボン酸無水物の製造法Info
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- JPH0662486B2 JPH0662486B2 JP12564286A JP12564286A JPH0662486B2 JP H0662486 B2 JPH0662486 B2 JP H0662486B2 JP 12564286 A JP12564286 A JP 12564286A JP 12564286 A JP12564286 A JP 12564286A JP H0662486 B2 JPH0662486 B2 JP H0662486B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、カルボン酸無水物の製造法に関する。
カルボン酸無水物は通常、相当するカルボン酸を塩化ホ
スホリル、チオニルクロリド、低級脂肪酸の酸無水物あ
るいは酸塩化物、ハロギ酸エステルなどの脱水剤の存在
下で加熱する方法や、カルボン酸のアルカリ金属塩を酸
ハロゲン化物、ホスゲン、塩化オキサリル、塩化ホスホ
リルなどのアシル化剤と反応させる方法によつて製造さ
れている(例えば、新実験化学講座 第14巻のII、第
1123〜1132頁、1977年)。しかしながら、
これらの方法は高価な脱水剤やアシル化剤が必要であ
る。
スホリル、チオニルクロリド、低級脂肪酸の酸無水物あ
るいは酸塩化物、ハロギ酸エステルなどの脱水剤の存在
下で加熱する方法や、カルボン酸のアルカリ金属塩を酸
ハロゲン化物、ホスゲン、塩化オキサリル、塩化ホスホ
リルなどのアシル化剤と反応させる方法によつて製造さ
れている(例えば、新実験化学講座 第14巻のII、第
1123〜1132頁、1977年)。しかしながら、
これらの方法は高価な脱水剤やアシル化剤が必要であ
る。
一方、ニツケルカルボニル触媒の存在下に、ブロムベン
ゼンと一酸化炭素から、無水安息香酸を経由して無水フ
タル酸を合成する方法も知られている〔ジヤーナル・オ
ブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイアテイ(J.Am
er.Chem.Soc.)、第78巻、第6137頁、1956
年〕。しかしこの方法は、毒性の強いニツケルカルボニ
ルを触媒として使用しなければならない。さらに特開昭
58−172340号公報においては、ヨウ化アルキル
を一酸化炭素とカルボン酸塩と反応させてカルボン酸無
水物を製造する方法が提案されているが、水素化コバル
トテトラカルボニル塩を触媒して用いる必要がある。
ゼンと一酸化炭素から、無水安息香酸を経由して無水フ
タル酸を合成する方法も知られている〔ジヤーナル・オ
ブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイアテイ(J.Am
er.Chem.Soc.)、第78巻、第6137頁、1956
年〕。しかしこの方法は、毒性の強いニツケルカルボニ
ルを触媒として使用しなければならない。さらに特開昭
58−172340号公報においては、ヨウ化アルキル
を一酸化炭素とカルボン酸塩と反応させてカルボン酸無
水物を製造する方法が提案されているが、水素化コバル
トテトラカルボニル塩を触媒して用いる必要がある。
また、一般化炭素を用いるもう一つの方法として、パラ
ジウム触媒の存在下に芳香族ジアゾニウム塩を、一酸化
炭素及びカルボン酸ナトリウムと反応させる方法も提案
されている〔ザ・ジヤーナル・オブ・オーガニツク・ケ
ミストリー(J.Org.Chem.)、第46巻、第4413
頁、1981年〕が、この方法も高価なパラジウム触媒
を使用しなければならないことと、不安定なジアゾニウ
ム塩を作る必要があり、工業的には有利な方法ではな
い。
ジウム触媒の存在下に芳香族ジアゾニウム塩を、一酸化
炭素及びカルボン酸ナトリウムと反応させる方法も提案
されている〔ザ・ジヤーナル・オブ・オーガニツク・ケ
ミストリー(J.Org.Chem.)、第46巻、第4413
頁、1981年〕が、この方法も高価なパラジウム触媒
を使用しなければならないことと、不安定なジアゾニウ
ム塩を作る必要があり、工業的には有利な方法ではな
い。
前記のように、従来の方法においては、高価な反応試剤
を用いたり、触媒を必須成分として用いなければなら
ず、触媒を用いる場合には反応後に触媒成分を分離・回
収する面倒な工程も必要であつた。
を用いたり、触媒を必須成分として用いなければなら
ず、触媒を用いる場合には反応後に触媒成分を分離・回
収する面倒な工程も必要であつた。
そこで本発明者らは、より安価に、また、より容易にカ
ルボン酸無水物を製造する方法について鋭意研究を重ね
た結果、高収率、高選択率で目的とするカルボン酸無水
物を製造できる新しい方法を見出し、本発明を完成する
に至つた。
ルボン酸無水物を製造する方法について鋭意研究を重ね
た結果、高収率、高選択率で目的とするカルボン酸無水
物を製造できる新しい方法を見出し、本発明を完成する
に至つた。
すなわち本発明は、有機ヨウ素化合物を一酸化炭素及
び、該有機ヨウ素化合物と同じ有機基を有する有機カル
ボン酸塩と反応させて、カルボン酸無水物を製造するに
当り、 触媒の不使用 180℃以上の温度 の条件下に反応を行うことを特徴とするカルボン酸無水
物の製造法である。
び、該有機ヨウ素化合物と同じ有機基を有する有機カル
ボン酸塩と反応させて、カルボン酸無水物を製造するに
当り、 触媒の不使用 180℃以上の温度 の条件下に反応を行うことを特徴とするカルボン酸無水
物の製造法である。
本発明の方法を、有機モノヨウダイドと有機モノカルボ
ン酸のアルカリ金属塩との反応の場合について例示すれ
ば、次のような反応式(1)で表わされる。
ン酸のアルカリ金属塩との反応の場合について例示すれ
ば、次のような反応式(1)で表わされる。
(式中、Rは脂肪族基、脂環族基、芳香族基、芳香脂肪
族基を表わし、Mはアルカリ金属原子を表わす。) 本発明の方法は、前記の反応式(1)で例示されているア
ルカリ金属ヨウ化物のように、有機カルボン酸塩のカチ
オン成分とヨウ素アニオンから成る塩のみを副生する。
他の触媒成分を何も含んでいないことと、副生するのが
簡単な塩であることから、目的とするカルボン酸無水物
を分離することは非常に容易である。このことも本発明
の特徴の一つである。
族基を表わし、Mはアルカリ金属原子を表わす。) 本発明の方法は、前記の反応式(1)で例示されているア
ルカリ金属ヨウ化物のように、有機カルボン酸塩のカチ
オン成分とヨウ素アニオンから成る塩のみを副生する。
他の触媒成分を何も含んでいないことと、副生するのが
簡単な塩であることから、目的とするカルボン酸無水物
を分離することは非常に容易である。このことも本発明
の特徴の一つである。
本発明で用いられる有機ヨウ素化合物とは、炭素原子に
ヨウ素原子が結合している化合物であればどのようなも
のでもよく、例えば、脂肪族ヨウ素化合物、脂環族ヨウ
素化合物、芳香脂肪族ヨウ素化合物等があげられる。ま
た、これらのヨウ素化合物はモノヨウ素化合物に限定さ
れず、2個以上のヨウ素原子を1分子中に有するポリヨ
ウ素化合物であつてもよい。さらにこれらの有機ヨウ素
化合物は、反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例え
ば、ヨウ素以外のハロゲン素子、低級アルキル基、低級
アルコキシ基、エステル基、ニトロ基、アシル基、アロ
イル基、カルボキシル基、シアノ基、アミド基などの置
換基によつて置換されていてもよい。これらの有機ヨウ
素化合物の中で特に好ましいのは、芳香族ヨウ素化合物
であり、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチ
ルベンゼン、ジエチルベンゼン、プロピルベンゼン、キ
ユメン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、
ナフタリン、アンスラセンなどの芳香族炭化水素の芳香
環の水素が1個以上のヨウ素によつて置換された化合物
類;ピリジン、キノリン、ビピリジンなどのヘテロ芳香
族化合物の芳香環の水素が1個以上のヨウ素によつて置
換された化合物類;式 〔ただし、Aは単なる結合、または−O−、−S−、−
SO2−、−CO−、−CH2−、−C(R″)2−(R″は低級ア
ルキル基)などの2価の基を表わす。〕 で示される芳香族炭化水素の芳香環の水素が1個以上の
ヨウ素によつて置換された化合物類などがあげられる。
ヨウ素原子が結合している化合物であればどのようなも
のでもよく、例えば、脂肪族ヨウ素化合物、脂環族ヨウ
素化合物、芳香脂肪族ヨウ素化合物等があげられる。ま
た、これらのヨウ素化合物はモノヨウ素化合物に限定さ
れず、2個以上のヨウ素原子を1分子中に有するポリヨ
ウ素化合物であつてもよい。さらにこれらの有機ヨウ素
化合物は、反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例え
ば、ヨウ素以外のハロゲン素子、低級アルキル基、低級
アルコキシ基、エステル基、ニトロ基、アシル基、アロ
イル基、カルボキシル基、シアノ基、アミド基などの置
換基によつて置換されていてもよい。これらの有機ヨウ
素化合物の中で特に好ましいのは、芳香族ヨウ素化合物
であり、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチ
ルベンゼン、ジエチルベンゼン、プロピルベンゼン、キ
ユメン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、
ナフタリン、アンスラセンなどの芳香族炭化水素の芳香
環の水素が1個以上のヨウ素によつて置換された化合物
類;ピリジン、キノリン、ビピリジンなどのヘテロ芳香
族化合物の芳香環の水素が1個以上のヨウ素によつて置
換された化合物類;式 〔ただし、Aは単なる結合、または−O−、−S−、−
SO2−、−CO−、−CH2−、−C(R″)2−(R″は低級ア
ルキル基)などの2価の基を表わす。〕 で示される芳香族炭化水素の芳香環の水素が1個以上の
ヨウ素によつて置換された化合物類などがあげられる。
本発明において用いられる有機カルボン酸塩とは、該有
機ヨウ素化合物と同じ有機基を有する有機カルボン酸塩
であって、アニオン成分としてのカルボキシレートアニ
オンと、種々のカチオン成分とから成る塩のことであ
る。カチオン成分としては、アルカリ金属、アルカリ土
類金属、銅、銀、亜鉛、水銀、ケイ素、スズなどの1価
又は多価の金属カチオン類;アンモニウム、置換アンモ
ニウム、置換ホスホニウムなどのオニウムカチオンなど
が用いられる。これらの有機カルボン酸塩の中で、アル
カリ金属及びアルカリ土類金属塩が好ましく、特に好ま
しいのはアルカリ金属塩である。
機ヨウ素化合物と同じ有機基を有する有機カルボン酸塩
であって、アニオン成分としてのカルボキシレートアニ
オンと、種々のカチオン成分とから成る塩のことであ
る。カチオン成分としては、アルカリ金属、アルカリ土
類金属、銅、銀、亜鉛、水銀、ケイ素、スズなどの1価
又は多価の金属カチオン類;アンモニウム、置換アンモ
ニウム、置換ホスホニウムなどのオニウムカチオンなど
が用いられる。これらの有機カルボン酸塩の中で、アル
カリ金属及びアルカリ土類金属塩が好ましく、特に好ま
しいのはアルカリ金属塩である。
またこれらの有機カルボン酸塩は、1分子中に2個以上
のカルボン酸塩グループを含むものであつてもよい。
のカルボン酸塩グループを含むものであつてもよい。
これらの有機カルボン酸塩を構成する有機残基として
は、脂肪族基、脂環族基、芳香族基、芳香脂肪族基など
いずれのものも使用できる。例えば、酢酸塩、プロピオ
ン酸塩、酪酸塩、ペンタン酸塩、ヘキサン酸塩、オクタ
ン酸塩、ドデカン酸塩、オレイン酸塩、シユウ酸塩、マ
ロン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、ア
ジピン酸塩、ドデカジカルボン酸塩などの脂肪族モノ及
びポリカルボン酸塩類;シクロプロパンカルボン酸塩、
シクロペンタンカルボン酸塩、シクロヘキサンカルボン
酸塩、シクロヘキサンジカルボン酸塩などの脂環族モノ
及びポリカルボン酸塩類;ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、プロピルベン
ゼン、キユメン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベ
ンゼン、ナフタリン、アンスラセンなどの芳香族炭化水
素の芳香環の水素が1個以上のカルボン酸塩基によつて
置換された化合物類;ピリジン、キノリン、ビピリジン
などのヘテロ芳香族化合物の芳香環の水素が1個以上の
カルボン酸塩基によつて置換された化合物類;式 〔ただし、Aは単なる結合、または−O−、−S−、−
SO2−、−CO−、−CH2−、−C(R″)2−(R″は低級ア
ルキル基)などの2価の基を表わす。〕 で示される芳香族炭化水素の芳香環の水素が1個以上の
カルボン酸塩基によつて置換された化合物類;フエニル
酢酸塩、桂皮酸塩などの芳香脂肪族カルボン酸塩などが
あげられる。
は、脂肪族基、脂環族基、芳香族基、芳香脂肪族基など
いずれのものも使用できる。例えば、酢酸塩、プロピオ
ン酸塩、酪酸塩、ペンタン酸塩、ヘキサン酸塩、オクタ
ン酸塩、ドデカン酸塩、オレイン酸塩、シユウ酸塩、マ
ロン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、ア
ジピン酸塩、ドデカジカルボン酸塩などの脂肪族モノ及
びポリカルボン酸塩類;シクロプロパンカルボン酸塩、
シクロペンタンカルボン酸塩、シクロヘキサンカルボン
酸塩、シクロヘキサンジカルボン酸塩などの脂環族モノ
及びポリカルボン酸塩類;ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、プロピルベン
ゼン、キユメン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベ
ンゼン、ナフタリン、アンスラセンなどの芳香族炭化水
素の芳香環の水素が1個以上のカルボン酸塩基によつて
置換された化合物類;ピリジン、キノリン、ビピリジン
などのヘテロ芳香族化合物の芳香環の水素が1個以上の
カルボン酸塩基によつて置換された化合物類;式 〔ただし、Aは単なる結合、または−O−、−S−、−
SO2−、−CO−、−CH2−、−C(R″)2−(R″は低級ア
ルキル基)などの2価の基を表わす。〕 で示される芳香族炭化水素の芳香環の水素が1個以上の
カルボン酸塩基によつて置換された化合物類;フエニル
酢酸塩、桂皮酸塩などの芳香脂肪族カルボン酸塩などが
あげられる。
さらにこれらの有機カルボン酸塩は、反応に悪影響を及
ぼさない他の置換基、例えば、ヨウ素以外のハロゲン原
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、エステル基、
ニトロ基、アシル基、アロイル基、シアノ基、アミド基
などの置換基によつて置換されていてもよい。
ぼさない他の置換基、例えば、ヨウ素以外のハロゲン原
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、エステル基、
ニトロ基、アシル基、アロイル基、シアノ基、アミド基
などの置換基によつて置換されていてもよい。
一酸化炭素は純一酸化炭素でもよいし、窒素、アルゴ
ン、ヘリウム、低級炭化水素などの反応に悪影響を及ぼ
さない他のガスで希釈されたものであつてもよい。一酸
化炭素は分圧で0.1〜300kg/cm2、好ましくは1〜
200kg/cm2の範囲で使用される。
ン、ヘリウム、低級炭化水素などの反応に悪影響を及ぼ
さない他のガスで希釈されたものであつてもよい。一酸
化炭素は分圧で0.1〜300kg/cm2、好ましくは1〜
200kg/cm2の範囲で使用される。
本発明を実施するに当り、有機ヨウ素化合物と有機カル
ボン酸塩とのモル比は特に限定されるものではないが、
好ましくはヨウ素原子が、有機カルボン酸塩のカチオン
成分に対して、0.5〜2.0当量、より好ましくは
0.8〜1.5当量の範囲となるように使用される。
ボン酸塩とのモル比は特に限定されるものではないが、
好ましくはヨウ素原子が、有機カルボン酸塩のカチオン
成分に対して、0.5〜2.0当量、より好ましくは
0.8〜1.5当量の範囲となるように使用される。
本発明の方法においては、反応溶媒を使用しなくても実
施することができるが、反応に悪影響を及ぼさない溶媒
を用いることは好ましい方法である。このような溶媒と
しては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカ
ン、ペンタデカンなどの脂肪族炭化水素類;シクロヘキ
サン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香
族炭化水素類;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどの
ニトリル類;スルホラン、メチルスルホラン、ジメチル
スルホランなどのスルホン類;テトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどの
エーテル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケト
ン類;酢酸エチル、安息香酸エチルなどのエステル類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホ
ルアミドなどのアミド類があげられる。
施することができるが、反応に悪影響を及ぼさない溶媒
を用いることは好ましい方法である。このような溶媒と
しては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカ
ン、ペンタデカンなどの脂肪族炭化水素類;シクロヘキ
サン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香
族炭化水素類;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどの
ニトリル類;スルホラン、メチルスルホラン、ジメチル
スルホランなどのスルホン類;テトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどの
エーテル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケト
ン類;酢酸エチル、安息香酸エチルなどのエステル類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホ
ルアミドなどのアミド類があげられる。
本発明の反応は、180℃以上の温度で実施されること
が必要で、好ましくは200℃以上400℃以下の温度
で実施されるとよい。さらにより好ましくは230℃以
上350℃以下の温度範囲である。180℃より低い温
度では、反応速度が遅く実用的ではなく、また400℃
以上では副反応が増大して、目的とするカルボン酸無水
物の収率が低下してくる。
が必要で、好ましくは200℃以上400℃以下の温度
で実施されるとよい。さらにより好ましくは230℃以
上350℃以下の温度範囲である。180℃より低い温
度では、反応速度が遅く実用的ではなく、また400℃
以上では副反応が増大して、目的とするカルボン酸無水
物の収率が低下してくる。
また、反応圧力は通常1〜500kg/cm2、好ましくは5
〜300kg/cm2の範囲で実施される。
〜300kg/cm2の範囲で実施される。
また、反応時間は、用いる原料の種類や量あるいは温
度、圧力などの他の反応条件によつて変わるが、通常数
分〜数十時間である。
度、圧力などの他の反応条件によつて変わるが、通常数
分〜数十時間である。
反応方式としても、回分式、連続式およびこれらの組合
せ等、いずれを採用してもよい。
せ等、いずれを採用してもよい。
本発明の方法は、反応式(1)に例示されるように、有機
ヨウ素化合物の有機残基と、有機カルボン酸塩の有機残
基が同じであるので、対称型のカルボン酸無水物が得ら
れる。
ヨウ素化合物の有機残基と、有機カルボン酸塩の有機残
基が同じであるので、対称型のカルボン酸無水物が得ら
れる。
本発明の方法により、有機ヨウ素化合物と一酸化炭素お
よび有機カルボン酸塩から、高収率、高選択率で対称型
のカルボン酸無水物を、触媒を用いずに製造できること
になつた。
よび有機カルボン酸塩から、高収率、高選択率で対称型
のカルボン酸無水物を、触媒を用いずに製造できること
になつた。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明
は、これらの実施例に限定されるものではない。
は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 ヨードベンゼン50mmol、安息香酸ナトリウム50mmo
l、トルエン30gをオートクレーブに入れ、オートク
レーブの内部を一酸化炭素で置換した後、一酸化炭素1
00kg/cm2を圧入した。撹拌下に260〜270℃で2
時間反応させた後、冷却し、反応混合物を過し、液
を分析した結果、ヨードベンゼンの反応率は100%
で、無水安息香酸が収率99.0%、選択率99.0%得られて
いることがわかつた。滓はヨウ化ナトリウムであつ
た。生成物である無水安息香酸はガスクロマトグラフイ
ー、赤外線吸収スペクトル、マススペクトルによつて標
品と一致することから同定された。
l、トルエン30gをオートクレーブに入れ、オートク
レーブの内部を一酸化炭素で置換した後、一酸化炭素1
00kg/cm2を圧入した。撹拌下に260〜270℃で2
時間反応させた後、冷却し、反応混合物を過し、液
を分析した結果、ヨードベンゼンの反応率は100%
で、無水安息香酸が収率99.0%、選択率99.0%得られて
いることがわかつた。滓はヨウ化ナトリウムであつ
た。生成物である無水安息香酸はガスクロマトグラフイ
ー、赤外線吸収スペクトル、マススペクトルによつて標
品と一致することから同定された。
実施例2 安息香酸ナトリウムの代り安息香酸カリウム50mmolを
用いる以外は実施例1と同様な方法で反応を行つた結
果、無水安息香酸が収率99.2%、選択率99.2%
で得られた。
用いる以外は実施例1と同様な方法で反応を行つた結
果、無水安息香酸が収率99.2%、選択率99.2%
で得られた。
実施例3 安息香酸ナトリウムの代り安息香酸カルシウム30mmol
を用いる以外は実施例1と同様な方法で反応を行つた結
果、無水安息香酸がヨードベンゼン基準で収率95.0
%、選択率98.2%で得られた。
を用いる以外は実施例1と同様な方法で反応を行つた結
果、無水安息香酸がヨードベンゼン基準で収率95.0
%、選択率98.2%で得られた。
実施例4 ヨードベンゼンの代りにパラフルオロヨードベンゼン30
mmolを用い、安息香酸ナトリウムの代りにパラフルオロ
安息香酸ナトリウム30mmolを用いる以外は実施例1と同
様な方法で反応を行つた結果、4,4′−ジフルオロ無
水安息香酸が収率99.0%、選択率99.0%で得ら
れた。
mmolを用い、安息香酸ナトリウムの代りにパラフルオロ
安息香酸ナトリウム30mmolを用いる以外は実施例1と同
様な方法で反応を行つた結果、4,4′−ジフルオロ無
水安息香酸が収率99.0%、選択率99.0%で得ら
れた。
実施例5 ヨードベンゼンの代りにパラクロロヨードベンゼン3 mm
olを用い、安息香酸ナトリウムの代りに、パラクロロ安
息香酸ナトリウム30mmolを用いる以外は実施例1と同様
な方法で反応を行つた結果、4,4′−ジクロロ無水安
息香酸が収率98.5%、選択率98.5%で得られ
た。
olを用い、安息香酸ナトリウムの代りに、パラクロロ安
息香酸ナトリウム30mmolを用いる以外は実施例1と同様
な方法で反応を行つた結果、4,4′−ジクロロ無水安
息香酸が収率98.5%、選択率98.5%で得られ
た。
実施例6 ヨウ化エチル50mmol、プロピオン酸ナトリウム50mm
ol、トルエン30gを用いて、実施例1と同様な反応を
行つた結果、無水プロピオン酸が収率40%、選択率8
5%で得られた。
ol、トルエン30gを用いて、実施例1と同様な反応を
行つた結果、無水プロピオン酸が収率40%、選択率8
5%で得られた。
実施例7〜15 種々の有機ヨウ素化合物と有機カルボン酸塩を用いて、
実施例1と同様な方法で反応を行つた結果を表1に示
す。なお収率及び選択率は用いた有機ヨウ素化物基準で
ある。
実施例1と同様な方法で反応を行つた結果を表1に示
す。なお収率及び選択率は用いた有機ヨウ素化物基準で
ある。
実施例16 実施例1の方法を180〜200℃の温度で24時間反
応させること以外は、同様な方法によつて実施した結
果、無水安息香酸が収率8%、選択率95%で得られ
た。160〜170℃で全く同様な方法で反応を繰返し
たが無水安息香酸の収率は2%以下であつた。
応させること以外は、同様な方法によつて実施した結
果、無水安息香酸が収率8%、選択率95%で得られ
た。160〜170℃で全く同様な方法で反応を繰返し
たが無水安息香酸の収率は2%以下であつた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 63/04 63/331 63/36 65/21 A 8930−4H 253/30 255/57 C07D 213/803
Claims (1)
- 【請求項1】有機ヨウ素化合物を一酸化炭素及び、該有
機ヨウ素化合物と同じ有機基を有する有機カルボン酸塩
と反応させて、カルボン酸無水物を製造するに当り、 触媒の不使用 180℃以上の温度 の条件下に反応を行うことを特徴とするカルボン酸無水
物の製造法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12564286A JPH0662486B2 (ja) | 1986-06-02 | 1986-06-02 | カルボン酸無水物の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP12564286A JPH0662486B2 (ja) | 1986-06-02 | 1986-06-02 | カルボン酸無水物の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPS62283947A JPS62283947A (ja) | 1987-12-09 |
JPH0662486B2 true JPH0662486B2 (ja) | 1994-08-17 |
Family
ID=14915074
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP12564286A Expired - Lifetime JPH0662486B2 (ja) | 1986-06-02 | 1986-06-02 | カルボン酸無水物の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH0662486B2 (ja) |
-
1986
- 1986-06-02 JP JP12564286A patent/JPH0662486B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62283947A (ja) | 1987-12-09 |
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