JPH0717549B2 - フルオロベンゼンの製造方法 - Google Patents
フルオロベンゼンの製造方法Info
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- JPH0717549B2 JPH0717549B2 JP61198104A JP19810486A JPH0717549B2 JP H0717549 B2 JPH0717549 B2 JP H0717549B2 JP 61198104 A JP61198104 A JP 61198104A JP 19810486 A JP19810486 A JP 19810486A JP H0717549 B2 JPH0717549 B2 JP H0717549B2
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- mol
- fluoride
- catalyst
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、フルオロベンゼンの新規な製造方法に関する
ものである。
ものである。
フルオロベンゼンの製造法としては、従来、アニリンを
テトラフルオロボレートアニオンの存在下にジアゾ化し
て得られるベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレー
トを熱分解する方法(バルツ・シーマン法)又はアニリ
ンを無水フッ化水素中、ジアゾ化し、そのまま加温して
分解させる方法などのジアゾニウム塩を経る方法;クロ
ロジフルオロメタンを600℃以上の高温下で熱分解して
ジフルオロカルベンを発生させ、シクロペンタジエンに
付加させた後、その反応条件下で脱HF及び異性化させる
方法(USP3,499,942号公報)又はジクロロフルオロメタ
ンを相間移動触媒の存在下に強塩基と反応させることに
よつてクロロフルオロカルベンを発生させ、シクロペン
タジエンに付加させた後、脱HCl剤と反応させる方法
(特公昭60−7976号公報)などのシクロペンタジエンに
対するフルオロカルベン付加を経る方法;分子状フツ素
によるベンゼンの直接フツ素化法(ザ・ジヤーナル・オ
ブ・オーガニツク・ケミストリ(J.Org.Chem.)第35
巻、723年、1970年、特開昭55−8181号公報など);二
フツ化キセノンやハロゲンフルオライドなどのフツ素化
試剤とベンゼンとの反応による方法(ジヤーナル・オブ
・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイアテイ(J.Amer.C
hem.Soc)、第92巻、6498頁、1970頁;ジヤーナル・オ
ブ・ザ・ケミカル・ソサイアテイ(J.Chem.Soc)、3608
頁、1950年)などの方法が知られている。
テトラフルオロボレートアニオンの存在下にジアゾ化し
て得られるベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレー
トを熱分解する方法(バルツ・シーマン法)又はアニリ
ンを無水フッ化水素中、ジアゾ化し、そのまま加温して
分解させる方法などのジアゾニウム塩を経る方法;クロ
ロジフルオロメタンを600℃以上の高温下で熱分解して
ジフルオロカルベンを発生させ、シクロペンタジエンに
付加させた後、その反応条件下で脱HF及び異性化させる
方法(USP3,499,942号公報)又はジクロロフルオロメタ
ンを相間移動触媒の存在下に強塩基と反応させることに
よつてクロロフルオロカルベンを発生させ、シクロペン
タジエンに付加させた後、脱HCl剤と反応させる方法
(特公昭60−7976号公報)などのシクロペンタジエンに
対するフルオロカルベン付加を経る方法;分子状フツ素
によるベンゼンの直接フツ素化法(ザ・ジヤーナル・オ
ブ・オーガニツク・ケミストリ(J.Org.Chem.)第35
巻、723年、1970年、特開昭55−8181号公報など);二
フツ化キセノンやハロゲンフルオライドなどのフツ素化
試剤とベンゼンとの反応による方法(ジヤーナル・オブ
・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイアテイ(J.Amer.C
hem.Soc)、第92巻、6498頁、1970頁;ジヤーナル・オ
ブ・ザ・ケミカル・ソサイアテイ(J.Chem.Soc)、3608
頁、1950年)などの方法が知られている。
しかしながら、従来の方法を工業的に実施する場合に
は、種々の問題点を含んでいることも明らかである。例
えば、バルツ・シーマン法では不安定で分解しやすい固
体のジアゾニウム塩を取り扱わなければならないため工
業的に大量に生産しようとすれば困難を伴なう。また無
水フツ化水素中でのジアゾ化法も、非常に不安定なジア
ゾニウム塩を取り扱わねばならないことに加えて、ジア
ゾ化工程において副生する水による副反応のため収率が
低下してしまう。また熱分解方式によるフルオロカルベ
ン類を用いる方法では、高温反応であるため副反応が多
いし、低温でフルオロカルベン類を発生させる方法で
は、高価な塩基類及び酸受容体が必要である。また分子
状フツ素による直接フツ素化法では、極めて反応性の高
い分子状フツ素を使用するという点で危険性が高いばか
りでなく、副性物も多いし、大過剰の不過性ガス又は不
活性溶媒で希釈した状態で反応させなければならない。
さらに他のフツ素化試剤を用いる方法は、これらが高価
な試剤であるため工業的な方法にはなり得ない。従つ
て、このような欠点を解消するフルオロベンゼンの新し
い製造法の出現が望まれていた。
は、種々の問題点を含んでいることも明らかである。例
えば、バルツ・シーマン法では不安定で分解しやすい固
体のジアゾニウム塩を取り扱わなければならないため工
業的に大量に生産しようとすれば困難を伴なう。また無
水フツ化水素中でのジアゾ化法も、非常に不安定なジア
ゾニウム塩を取り扱わねばならないことに加えて、ジア
ゾ化工程において副生する水による副反応のため収率が
低下してしまう。また熱分解方式によるフルオロカルベ
ン類を用いる方法では、高温反応であるため副反応が多
いし、低温でフルオロカルベン類を発生させる方法で
は、高価な塩基類及び酸受容体が必要である。また分子
状フツ素による直接フツ素化法では、極めて反応性の高
い分子状フツ素を使用するという点で危険性が高いばか
りでなく、副性物も多いし、大過剰の不過性ガス又は不
活性溶媒で希釈した状態で反応させなければならない。
さらに他のフツ素化試剤を用いる方法は、これらが高価
な試剤であるため工業的な方法にはなり得ない。従つ
て、このような欠点を解消するフルオロベンゼンの新し
い製造法の出現が望まれていた。
本発明者らは、上記の欠点を有しない新規な製造法を見
出すため鋭意研究を重ねた結果、シクロヘキサノンを原
料として、アシラール化工程、フツ素化工程、脱フツ化
水素工程、及び脱水素工程を組合せることにより、目的
とするフルオロベンゼンを高収率・高選択率で製造でき
ることを見出し、本発明を完成するに至つた。
出すため鋭意研究を重ねた結果、シクロヘキサノンを原
料として、アシラール化工程、フツ素化工程、脱フツ化
水素工程、及び脱水素工程を組合せることにより、目的
とするフルオロベンゼンを高収率・高選択率で製造でき
ることを見出し、本発明を完成するに至つた。
すなわち、本発明はシクロヘキサノンからフルオロベン
ゼンを製造するに当り、 (I)シクロヘキサノンにトリフルオロ酢酸無水物を反
応させることにより1,1−ビス(トリフルオロアセトキ
シ)シクロヘキサノンを得るアシラール化工程、 (II)前記(I)において生成した1,1−ビス(トリフ
ルオロアセトキシ)シクロヘキサンにフツ化水素を反応
させることにより1,1−ジフルオロシクロヘキサンとト
リフルオロ酢酸を得るフツ素化工程、 (III)前記(II)において生成した1,1−ジフルオロシ
クロヘキサンを、脱フツ化水素触媒の存在下に反応させ
ることにより、1−フルオロシクロヘキサンを得る脱フ
ツ化水素工程、及び (IV)前記(III)において生成した1−フルオロシク
ロヘキサンを、脱水素触媒及び酸化剤の存在下に反応さ
せることによりフルオロベンゼンを得る脱水素工程、 を包含することを特徴とするフルオロベンゼンの製造方
法を提供するものである。
ゼンを製造するに当り、 (I)シクロヘキサノンにトリフルオロ酢酸無水物を反
応させることにより1,1−ビス(トリフルオロアセトキ
シ)シクロヘキサノンを得るアシラール化工程、 (II)前記(I)において生成した1,1−ビス(トリフ
ルオロアセトキシ)シクロヘキサンにフツ化水素を反応
させることにより1,1−ジフルオロシクロヘキサンとト
リフルオロ酢酸を得るフツ素化工程、 (III)前記(II)において生成した1,1−ジフルオロシ
クロヘキサンを、脱フツ化水素触媒の存在下に反応させ
ることにより、1−フルオロシクロヘキサンを得る脱フ
ツ化水素工程、及び (IV)前記(III)において生成した1−フルオロシク
ロヘキサンを、脱水素触媒及び酸化剤の存在下に反応さ
せることによりフルオロベンゼンを得る脱水素工程、 を包含することを特徴とするフルオロベンゼンの製造方
法を提供するものである。
本発明におけるアシラール化工程は式(1)で示される
ようにシクロヘキサノンにトリフルオロ酢酸無水物を反
応させることにより1,1−ビス(トリフルオロアセトキ
シ)シクロヘキサノンの製造工程からなつている。
ようにシクロヘキサノンにトリフルオロ酢酸無水物を反
応させることにより1,1−ビス(トリフルオロアセトキ
シ)シクロヘキサノンの製造工程からなつている。
アシラール化工程は無溶媒で行なうこともできるが、反
応に悪影響を及ぼさない溶媒を用いることもできる。例
えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ビフエ
ニルエーテルなどのエーテル類;二硫化炭素;塩化メチ
レン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ト
リクロロエタン、テトラクロロエタンなどのハロゲン化
炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロ
モベンゼン、クロロナフタレンなどのハロゲン化芳香族
炭化水素類;ニトロベンゼン、ニトロトルエン、ニトロ
メタンなどのニトロ化合物類;ヘキサン等の脂肪族炭化
水素類;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類などが使
用される。
応に悪影響を及ぼさない溶媒を用いることもできる。例
えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ビフエ
ニルエーテルなどのエーテル類;二硫化炭素;塩化メチ
レン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ト
リクロロエタン、テトラクロロエタンなどのハロゲン化
炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロ
モベンゼン、クロロナフタレンなどのハロゲン化芳香族
炭化水素類;ニトロベンゼン、ニトロトルエン、ニトロ
メタンなどのニトロ化合物類;ヘキサン等の脂肪族炭化
水素類;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類などが使
用される。
アシラール化工程において原料として用いるシクロヘキ
サノンは、どのような方法によつて製造されたものであ
つてもよい。
サノンは、どのような方法によつて製造されたものであ
つてもよい。
アシラール化工程において原料として用いるシクロヘキ
サノンとトリフルオロ酢酸無水物の量比はシクロヘキサ
ノンに対するトリフルオロ酢酸無水物のモル比で表わす
と、通常0.01〜100、好ましくは0.1〜50が用いられる。
サノンとトリフルオロ酢酸無水物の量比はシクロヘキサ
ノンに対するトリフルオロ酢酸無水物のモル比で表わす
と、通常0.01〜100、好ましくは0.1〜50が用いられる。
また、触媒を添加することも良い。触媒としては例え
ば、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸等のカルボン
酸、三フツ化ホウ素等のルイス酸、パラトルエンスルホ
ン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸等の有機スルホン酸、硫酸等の鉱酸などを使用するこ
とができる。
ば、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸等のカルボン
酸、三フツ化ホウ素等のルイス酸、パラトルエンスルホ
ン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸等の有機スルホン酸、硫酸等の鉱酸などを使用するこ
とができる。
アシラール化工程を行なう場合の反応温度及び反応時間
は原料の量比や、溶媒の有無によつて異なるが、通常−
40〜250℃、5分〜500時間であり、好ましくは0〜150
℃、10分〜200時間である。
は原料の量比や、溶媒の有無によつて異なるが、通常−
40〜250℃、5分〜500時間であり、好ましくは0〜150
℃、10分〜200時間である。
本発明におけるフツ素化工程は式(2)で示されるよう
に1,1−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロヘキサ
ンにフツ化水素を反応させることによる1,1−ジフルオ
ロシクロロヘキサンの製造工程からなつている。
に1,1−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロヘキサ
ンにフツ化水素を反応させることによる1,1−ジフルオ
ロシクロロヘキサンの製造工程からなつている。
フツ素化工程においては式(2)に示されるように、1,
1−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロヘキサン1
モルが、2モルのフツ化水素と反応することにより1,1
−ジフルオロシクロヘキサン1モルとトリフルオロ酢酸
2モルとを生成する。反応生成物である1,1−ジフルオ
ロシクロヘキネンとトリフルオロ酢酸は蒸留等の通常の
分離操作により簡単に精製することができる。
1−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロヘキサン1
モルが、2モルのフツ化水素と反応することにより1,1
−ジフルオロシクロヘキサン1モルとトリフルオロ酢酸
2モルとを生成する。反応生成物である1,1−ジフルオ
ロシクロヘキネンとトリフルオロ酢酸は蒸留等の通常の
分離操作により簡単に精製することができる。
フツ素化工程において使用されるフツ化水素とは、フツ
化水素を含有するものであればどのような組成のもので
もよい。通常はフツ化水素あるいはフツ化水素とアミン
の混合物が用いられ、好ましくは無水フツ化水素あるい
は無水フツ化水素とアミンの混合物が用いられる。
化水素を含有するものであればどのような組成のもので
もよい。通常はフツ化水素あるいはフツ化水素とアミン
の混合物が用いられ、好ましくは無水フツ化水素あるい
は無水フツ化水素とアミンの混合物が用いられる。
フツ素化工程において使用されるフツ化水素は通常水含
有量が10重量%以下、好ましくは3重量%以下、さらに
好ましくは1重量%以下のものが使用される。
有量が10重量%以下、好ましくは3重量%以下、さらに
好ましくは1重量%以下のものが使用される。
フツ素化工程でフツ化水素と混合して用いることのでき
るアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロ
ピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、ブチ
ルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族一級アミン
類;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミ
ン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、モルホリ
ン、ピペリジン、ピペラジン、ジクロヘキシルアミン等
の脂肪族二級アミン類;トリメチルアミン、トリエチル
アミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリ
シクロヘキシルアミン、1,4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕
オクタン(DABCO)等の脂肪族三級アミン;アニリン、
ジフエニルアミン、トリフエニルアミン等の芳香族アミ
ン類;ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピ
コリン、モノリン、メチルキノリン類、メラミン等の含
窒素芳香族化合物などがあげられる。特にブチルアミ
ン、シクロヘキシルアミン、ジエチルアミン、ジブチル
アミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、アニリ
ン、ピリジン、ピコリン類、メラミンが好ましく用いら
れる。
るアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロ
ピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、ブチ
ルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族一級アミン
類;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミ
ン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、モルホリ
ン、ピペリジン、ピペラジン、ジクロヘキシルアミン等
の脂肪族二級アミン類;トリメチルアミン、トリエチル
アミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリ
シクロヘキシルアミン、1,4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕
オクタン(DABCO)等の脂肪族三級アミン;アニリン、
ジフエニルアミン、トリフエニルアミン等の芳香族アミ
ン類;ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピ
コリン、モノリン、メチルキノリン類、メラミン等の含
窒素芳香族化合物などがあげられる。特にブチルアミ
ン、シクロヘキシルアミン、ジエチルアミン、ジブチル
アミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、アニリ
ン、ピリジン、ピコリン類、メラミンが好ましく用いら
れる。
フツ素化工程において使用することのできるフツ化水素
−アミン混合物とは前述のフツ化水素とアミンを混合し
たものを指すが、その組成はアミンに対するフツ化水素
分子のモル比で表わして、通常0.1〜100、好ましくは1
〜50のものが用いられる。
−アミン混合物とは前述のフツ化水素とアミンを混合し
たものを指すが、その組成はアミンに対するフツ化水素
分子のモル比で表わして、通常0.1〜100、好ましくは1
〜50のものが用いられる。
フツ素化工程においては反応速度を上げる目的で酸を触
媒として添加することも好ましい方法である。このよう
な酸としては、ギ酸、フルオロ酢酸、ジフルオロ酸、ト
リフルオロ酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロ
ロ酢酸等のカルボン酸類;メタンスルホン酸、トリフル
オロメタンスルホン酸、トリクロロメタンスルホン酸、
パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸類;塩酸、硫酸
等の鉱酸類;三フツ化ホウ素、塩化アルミニウム、フツ
化アルミニウム、三塩化チタン、四塩化チタン、三塩化
鉄、三フツ化鉄のルイス酸類などが挙げられる。フツ素
化工程で反応が進行するにつれて副生物としてトリフル
オロ酢酸が生成してくるため、トリフルオロ酢酸を酸触
媒として使用することは反応混合物の分離を容易にする
ため特に好ましい。また副生してくるトリフルオロ酢酸
も触媒として作用するため、添加する酸触媒の量も少な
くてよい。
媒として添加することも好ましい方法である。このよう
な酸としては、ギ酸、フルオロ酢酸、ジフルオロ酸、ト
リフルオロ酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロ
ロ酢酸等のカルボン酸類;メタンスルホン酸、トリフル
オロメタンスルホン酸、トリクロロメタンスルホン酸、
パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸類;塩酸、硫酸
等の鉱酸類;三フツ化ホウ素、塩化アルミニウム、フツ
化アルミニウム、三塩化チタン、四塩化チタン、三塩化
鉄、三フツ化鉄のルイス酸類などが挙げられる。フツ素
化工程で反応が進行するにつれて副生物としてトリフル
オロ酢酸が生成してくるため、トリフルオロ酢酸を酸触
媒として使用することは反応混合物の分離を容易にする
ため特に好ましい。また副生してくるトリフルオロ酢酸
も触媒として作用するため、添加する酸触媒の量も少な
くてよい。
フツ素化工程においてはフツ化セシウム、フツ化ルビジ
ウム、フツ化カリウム、フツ化ナトリウム等の金属フツ
化物を添加することもできる。
ウム、フツ化カリウム、フツ化ナトリウム等の金属フツ
化物を添加することもできる。
フツ素化工程は無溶媒で行なうこともできるが、反応に
悪影響を及ぼさない溶媒を用いることもできる。例え
ば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ビフエニ
ルエチルなどのエーテルなどのエーテル類;塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリ
クロロエタン、テトラクロロエタン、フロン類などのハ
ロゲン化炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼ
ンなどのハロゲン化芳香族炭化水素類;ヘキサン、オク
タン、デカン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類;シクロヘキサン等
の脂環式炭化水素類などが使用される。
悪影響を及ぼさない溶媒を用いることもできる。例え
ば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ビフエニ
ルエチルなどのエーテルなどのエーテル類;塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリ
クロロエタン、テトラクロロエタン、フロン類などのハ
ロゲン化炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼ
ンなどのハロゲン化芳香族炭化水素類;ヘキサン、オク
タン、デカン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類;シクロヘキサン等
の脂環式炭化水素類などが使用される。
フツ素化工程において使用される1,1−ビス(トリフル
オロアセトキシ)シクロヘキサンと、フツ化水素との量
比は、フツ化水素分子の1,1−ビス(トリフルオロアセ
トキシ)シクロヘキサンに対するホル比で表わして、通
常0.1〜2000、好ましくは2〜1000が用いられる。
オロアセトキシ)シクロヘキサンと、フツ化水素との量
比は、フツ化水素分子の1,1−ビス(トリフルオロアセ
トキシ)シクロヘキサンに対するホル比で表わして、通
常0.1〜2000、好ましくは2〜1000が用いられる。
フツ素化工程において酸触媒を添加する場合、その量は
使用する酸触媒の酸性度によつても変わるが、使用する
酸触媒の1,1−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロ
ヘキサンに対するモル比で表わして、通常0.0001〜1、
好ましくは0.001〜0.1で充分である。
使用する酸触媒の酸性度によつても変わるが、使用する
酸触媒の1,1−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロ
ヘキサンに対するモル比で表わして、通常0.0001〜1、
好ましくは0.001〜0.1で充分である。
フツ素化工程を行なう場合の反応温度及び反応時間は用
いる原料とフツ化水素の量比、触媒の有無及び種類、溶
媒の有無などにより異なるが、通常−76℃〜150℃、5
分〜100時間であり、好ましくは−40℃〜100℃、5分〜
50時間である。
いる原料とフツ化水素の量比、触媒の有無及び種類、溶
媒の有無などにより異なるが、通常−76℃〜150℃、5
分〜100時間であり、好ましくは−40℃〜100℃、5分〜
50時間である。
本発明における脱フツ化水素工程は式(3)で示される
ように1,1−ジフルオロシクロヘキサンを脱フツ化水素
触媒の存在下に反応させることによる1−フルオロシク
ロヘキサンの製造工程からなつている。
ように1,1−ジフルオロシクロヘキサンを脱フツ化水素
触媒の存在下に反応させることによる1−フルオロシク
ロヘキサンの製造工程からなつている。
脱フツ化水素工程では式(3)に示すように、1,1−ジ
フルオロシクロヘキサンが脱フツ化水素触媒の存在下で
1分子のフツ化水素を脱離して1−フルオロシクロヘキ
サンを生成する。
フルオロシクロヘキサンが脱フツ化水素触媒の存在下で
1分子のフツ化水素を脱離して1−フルオロシクロヘキ
サンを生成する。
脱フツ化水素工程において使用される脱フツ化水素触媒
は、1,1−ジフルオロシクロヘキサンを脱フツ化水素し
て1−フルオロシクロヘキサンを生成し得るものであれ
ばよく、特に規定されるものではない。脱フツ化水素工
程において使用される脱フツ化水素触媒の例としては金
属フツ化物が挙げられる。金属フツ化物としては例え
ば、フツ化リチウム、フツ化ナトリウム、フツ化カリウ
ム、フツ化ルビジウム、フツ化セシウム等のアルカリ金
属フツ化物;フツ化マグネシウム、フツ化カルシウム、
フツ化ストロンチウム、フツ化バリウム等のアルカリ土
類金属フツ化物;フツ化鉄(II)、フツ化鉄(III)、
フツ化コバルト(II)、フツ化コバルト(III)、フツ
化ニツケル等のVIII族金属フツ化物;フツ化アルミニウ
ム、フツ化ガリウム等の土類金属フツ化物などを挙げる
ことができる。特にフツ化リチウム、フツ化マグネシウ
ム、フツ化カルシウム、フツ化鉄、フツ化アルミニウム
などが好ましく用いられる。これらの金属フツ化物はそ
れぞれ単独で、あるいは混在させて使用することができ
る。またこれらの金属フツ化物を後記のような担体に担
持させて用いることも可能である。
は、1,1−ジフルオロシクロヘキサンを脱フツ化水素し
て1−フルオロシクロヘキサンを生成し得るものであれ
ばよく、特に規定されるものではない。脱フツ化水素工
程において使用される脱フツ化水素触媒の例としては金
属フツ化物が挙げられる。金属フツ化物としては例え
ば、フツ化リチウム、フツ化ナトリウム、フツ化カリウ
ム、フツ化ルビジウム、フツ化セシウム等のアルカリ金
属フツ化物;フツ化マグネシウム、フツ化カルシウム、
フツ化ストロンチウム、フツ化バリウム等のアルカリ土
類金属フツ化物;フツ化鉄(II)、フツ化鉄(III)、
フツ化コバルト(II)、フツ化コバルト(III)、フツ
化ニツケル等のVIII族金属フツ化物;フツ化アルミニウ
ム、フツ化ガリウム等の土類金属フツ化物などを挙げる
ことができる。特にフツ化リチウム、フツ化マグネシウ
ム、フツ化カルシウム、フツ化鉄、フツ化アルミニウム
などが好ましく用いられる。これらの金属フツ化物はそ
れぞれ単独で、あるいは混在させて使用することができ
る。またこれらの金属フツ化物を後記のような担体に担
持させて用いることも可能である。
脱フツ化水素工程において使用することのできる反応の
様式としては、流動床式、固定床式、あるいは攪拌式等
があげられ、流通式、回分式いずれの方法であつてもよ
いが、特に気相流通式が好ましい。また、反応系に窒
素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスが存在していて
も良く、反応を液相で行なう場合には、不活性な溶媒を
用いることもできる。
様式としては、流動床式、固定床式、あるいは攪拌式等
があげられ、流通式、回分式いずれの方法であつてもよ
いが、特に気相流通式が好ましい。また、反応系に窒
素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスが存在していて
も良く、反応を液相で行なう場合には、不活性な溶媒を
用いることもできる。
また脱フツ化水素工程における反応圧力は特に制限はな
く、原料の1,1−ジフルオロシクロヘキサンは反応系に
おいて液相、気相、あるいは気液混相のいずれであつて
もよい。
く、原料の1,1−ジフルオロシクロヘキサンは反応系に
おいて液相、気相、あるいは気液混相のいずれであつて
もよい。
脱フツ化水素工程における反応温度は脱フツ化水素反応
の平衡の点から、また反応速度を向上させるためには高
温が有利であるが、副反応等の問題から、あまり高い温
度は好ましくない。脱フツ化水素工程においては反応温
度は使用する触媒の種類、および用いる反応の様式等に
よつて異なるが、気相反応の場合には通常100〜700℃、
好ましくは150〜500℃で行なわれ、液相反応の場合には
通常50〜400℃、好ましくは80〜300℃で行なわれる。
の平衡の点から、また反応速度を向上させるためには高
温が有利であるが、副反応等の問題から、あまり高い温
度は好ましくない。脱フツ化水素工程においては反応温
度は使用する触媒の種類、および用いる反応の様式等に
よつて異なるが、気相反応の場合には通常100〜700℃、
好ましくは150〜500℃で行なわれ、液相反応の場合には
通常50〜400℃、好ましくは80〜300℃で行なわれる。
また脱フツ化水素工程における反応時間は反応温度、触
媒の種類、反応の様式等により異なるが、気相流通式反
応の場合には接触時間で表現して0.001〜50秒、好まし
くは0.1秒〜10秒で行なわれる。液相反応の場合には、
通常5分〜100時間、好ましくは5分〜10時間で行なわ
れる。
媒の種類、反応の様式等により異なるが、気相流通式反
応の場合には接触時間で表現して0.001〜50秒、好まし
くは0.1秒〜10秒で行なわれる。液相反応の場合には、
通常5分〜100時間、好ましくは5分〜10時間で行なわ
れる。
脱フツ化水素工程における触媒と1,1−ジフルオロシク
ロヘキサンの量比は反応の様式や反応条件等によつても
変り得るが、気相流通式の場合にはWHSVで表現して通常
0.001〜100、好ましくは0.01〜50で行なわれる。また液
相回分式の場合には反応原料に対する触媒の重量比で表
現して通常0.0001〜0.5、好ましくは0.001〜0.1の範囲
で使用される。
ロヘキサンの量比は反応の様式や反応条件等によつても
変り得るが、気相流通式の場合にはWHSVで表現して通常
0.001〜100、好ましくは0.01〜50で行なわれる。また液
相回分式の場合には反応原料に対する触媒の重量比で表
現して通常0.0001〜0.5、好ましくは0.001〜0.1の範囲
で使用される。
本発明における脱水素工程は1−フルオロシクロヘキサ
ンを脱水素触媒及び酸化剤の存在下に反応させることに
よるフルオロベンゼンの製造工程からなる。
ンを脱水素触媒及び酸化剤の存在下に反応させることに
よるフルオロベンゼンの製造工程からなる。
脱水素工程において使用することのできる脱水素触媒及
び酸化剤としては、1−フルオロシクロヘキサンをフル
オロベンゼンへ高収率で転化し得るものならば、どのよ
うなものでも用いることができ、特に規定されるもので
はない。
び酸化剤としては、1−フルオロシクロヘキサンをフル
オロベンゼンへ高収率で転化し得るものならば、どのよ
うなものでも用いることができ、特に規定されるもので
はない。
脱水素工程において好ましく用いることのできる触媒と
しては、パラジウム、白金、ルテニウム、ニツケル、コ
バルト、ロジウム、オスミウム、イリジウム等の白金族
金属および白金族元素を含む化合物の中から選ばれた少
なくとも1種の触媒が用いられる。さらに好ましくは、
パラジウム、白金、ルテニウム、およびパラジウム、白
金、ルテニウムを含む化合物の中から選ばれた少なくと
も1種の触媒が用いられる。また、これらの触媒成分
は、活性炭、グラフアイト、シリカ、アルミナ、シリカ
−アルミナ、シリカ−チタニア、チタニア、ジルコニ
ア、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、アスベスト、ベン
トナイト、ケイソウ土、ポリマー、イオン交換樹脂、ゼ
オライト、モレキユラーシーブ、ケイ酸マグネシウム、
マグネシアなどの担体に担持されたものであつてもよ
い。
しては、パラジウム、白金、ルテニウム、ニツケル、コ
バルト、ロジウム、オスミウム、イリジウム等の白金族
金属および白金族元素を含む化合物の中から選ばれた少
なくとも1種の触媒が用いられる。さらに好ましくは、
パラジウム、白金、ルテニウム、およびパラジウム、白
金、ルテニウムを含む化合物の中から選ばれた少なくと
も1種の触媒が用いられる。また、これらの触媒成分
は、活性炭、グラフアイト、シリカ、アルミナ、シリカ
−アルミナ、シリカ−チタニア、チタニア、ジルコニ
ア、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、アスベスト、ベン
トナイト、ケイソウ土、ポリマー、イオン交換樹脂、ゼ
オライト、モレキユラーシーブ、ケイ酸マグネシウム、
マグネシアなどの担体に担持されたものであつてもよ
い。
金属状態の白金族元素として、例えば、パラジウム、ロ
ジウム、白金、ルテニウム、イリジウムおよびオスミウ
ムなどの金属、これらの金属黒、これらの金属イオンを
含む触媒成分を前記のような担体に担持したのち、水素
やホルムアルデヒドやヒドラジン等で還元処理したも
の、およびこれらの金属を含む合金あるいは金属間化合
物などが用いられる。また、合金あるいは金属間化合物
は、これらの白金族金属同士のものであつてもよいし、
他の元素、例えば、セレン、テルル、イオウ、アンチモ
ン、ビスマス、銅、銀、金、亜鉛、スズ、バナジウム、
鉄、コバルト、ニツケル、水銀、鉛、タリウム、クロ
ム、モリブデン、タングステンなどを含むものであつて
もよい。
ジウム、白金、ルテニウム、イリジウムおよびオスミウ
ムなどの金属、これらの金属黒、これらの金属イオンを
含む触媒成分を前記のような担体に担持したのち、水素
やホルムアルデヒドやヒドラジン等で還元処理したも
の、およびこれらの金属を含む合金あるいは金属間化合
物などが用いられる。また、合金あるいは金属間化合物
は、これらの白金族金属同士のものであつてもよいし、
他の元素、例えば、セレン、テルル、イオウ、アンチモ
ン、ビスマス、銅、銀、金、亜鉛、スズ、バナジウム、
鉄、コバルト、ニツケル、水銀、鉛、タリウム、クロ
ム、モリブデン、タングステンなどを含むものであつて
もよい。
一方、白金族元素を含む化合物としては、例えば、ハロ
ゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩などの
無機塩類;酢酸塩、シユウ酸塩、ギ酸塩などの有機酸塩
類;シアン化物類;水酸化物類;酸化物類;硫化物類;
ニトロ基、シアノ基、ハロゲン、シユウ酸イオンなどの
アニオンを含む金属酸塩およびアンモニア、アミン類、
ホスフイン類、一酸化炭素、キレート配位子などを含む
塩または錯体などの金属の錯化合物類;有機配位子また
は有機基を有する有機金属化合物類などがあげられる。
ゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩などの
無機塩類;酢酸塩、シユウ酸塩、ギ酸塩などの有機酸塩
類;シアン化物類;水酸化物類;酸化物類;硫化物類;
ニトロ基、シアノ基、ハロゲン、シユウ酸イオンなどの
アニオンを含む金属酸塩およびアンモニア、アミン類、
ホスフイン類、一酸化炭素、キレート配位子などを含む
塩または錯体などの金属の錯化合物類;有機配位子また
は有機基を有する有機金属化合物類などがあげられる。
好ましい酸化剤としては芳香族ニトロ化合物を用いる方
法を挙げることができる。芳香族ニトロ化合物を酸化剤
として用いる場合の脱水素工程は式(4)で表わされ
る。(式中、ArNO2は芳香族ニトロ化合物を、ArNH2は芳
香族アミンをそれぞれ表わす。) 芳香族ニトロ化合物としては、例えば、ニトロベンゼ
ン、ジニトロベンゼン(各異性体)、ニトロトルエン
(各異性体)、ジニトロトルエン(各異性体)、ニトロ
ピリジン(各異性体)、ジニトロビリジン(各異性
体)、ニトロナフタレン(各異性体)、ジニトロナフタ
レン(各異性体)類があげられる。
法を挙げることができる。芳香族ニトロ化合物を酸化剤
として用いる場合の脱水素工程は式(4)で表わされ
る。(式中、ArNO2は芳香族ニトロ化合物を、ArNH2は芳
香族アミンをそれぞれ表わす。) 芳香族ニトロ化合物としては、例えば、ニトロベンゼ
ン、ジニトロベンゼン(各異性体)、ニトロトルエン
(各異性体)、ジニトロトルエン(各異性体)、ニトロ
ピリジン(各異性体)、ジニトロビリジン(各異性
体)、ニトロナフタレン(各異性体)、ジニトロナフタ
レン(各異性体)類があげられる。
また、これらの芳香族ニトロ化合物において、少なくと
も1個の水素が他の置換基、例えば、ハロゲン原子、ア
ミノ基、シアノ基、アルキル基、脂環族基、芳香族基、
アラルキル基、アルコキシ基、スルホキシド基、スルホ
ン基、カルボニル基、エステル基、アミド基などで置換
されていてもよい。好ましくは、ニトロベンゼンおよび
ニトロトルエン(各異性体)が芳香族ニトロ化合物とし
て使用される。
も1個の水素が他の置換基、例えば、ハロゲン原子、ア
ミノ基、シアノ基、アルキル基、脂環族基、芳香族基、
アラルキル基、アルコキシ基、スルホキシド基、スルホ
ン基、カルボニル基、エステル基、アミド基などで置換
されていてもよい。好ましくは、ニトロベンゼンおよび
ニトロトルエン(各異性体)が芳香族ニトロ化合物とし
て使用される。
脱水素工程における好ましい酸化剤の一つとして、さら
に分子状酸素を挙げることができる。分子状酸素を酸化
剤として用いる場合の脱水素工程の反応式は式(5)で
表わされる。
に分子状酸素を挙げることができる。分子状酸素を酸化
剤として用いる場合の脱水素工程の反応式は式(5)で
表わされる。
分子状酸素とは、純酸素または酸素を含むものであつ
て、空気でもよいし、あるいは空気または純酸素に反応
を阻害しない他のガス、例えば、窒素、アルゴン、ヘリ
ウム、炭酸ガスなどの不活性ガスを加えて希釈したもの
であつてもよい。また、場合によつては、水素、一酸化
炭素、炭化水素、ハロゲン化炭化水素などのガスを含ん
でいてもよい。
て、空気でもよいし、あるいは空気または純酸素に反応
を阻害しない他のガス、例えば、窒素、アルゴン、ヘリ
ウム、炭酸ガスなどの不活性ガスを加えて希釈したもの
であつてもよい。また、場合によつては、水素、一酸化
炭素、炭化水素、ハロゲン化炭化水素などのガスを含ん
でいてもよい。
脱水素工程の反応の様式としては、流動床式、固定床
式、あるいは攪拌式等、一般に用いられる方法を使用す
ることができる。また、流動式、回分式いずれの方法で
あつてもよい。
式、あるいは攪拌式等、一般に用いられる方法を使用す
ることができる。また、流動式、回分式いずれの方法で
あつてもよい。
また、脱水素工程の反応圧力は特に制限はなく、1−フ
ルオロシクロヘキセンは、反応系において液相、気相、
あるいは気液混相のいずれであつてもよい。液相で反応
を行う場合は、反応に不活性な溶媒の存在下で行つても
よい。
ルオロシクロヘキセンは、反応系において液相、気相、
あるいは気液混相のいずれであつてもよい。液相で反応
を行う場合は、反応に不活性な溶媒の存在下で行つても
よい。
脱水素工程の反応温度は脱水素反応の平衡の点から、ま
た、反応速度を向上させるためには、高温が有利である
が、副反応等の問題から、あまり高い温度は好ましくな
い。本発明においては、反応温度は使用する触媒の種類
および用いる反応の様式等によつて異なるが、気相反応
の場合には、通常は80〜500℃、好ましくは90〜400℃で
行われ、液相反応の場合には、通常は室温〜400℃、好
ましくは50〜300℃で行われる。
た、反応速度を向上させるためには、高温が有利である
が、副反応等の問題から、あまり高い温度は好ましくな
い。本発明においては、反応温度は使用する触媒の種類
および用いる反応の様式等によつて異なるが、気相反応
の場合には、通常は80〜500℃、好ましくは90〜400℃で
行われ、液相反応の場合には、通常は室温〜400℃、好
ましくは50〜300℃で行われる。
また、脱水素工程反応時間は反応温度、触媒の種類、用
いる原料の種類等により異なるが、液相反応の場合に
は、通常は0.05〜50時間、好ましくは0.1〜20時間が用
いられる。気相流通式反応の場合には、接触時間で表現
して、通常は0.01〜600秒、好ましくは0.1〜200秒が用
いられる。
いる原料の種類等により異なるが、液相反応の場合に
は、通常は0.05〜50時間、好ましくは0.1〜20時間が用
いられる。気相流通式反応の場合には、接触時間で表現
して、通常は0.01〜600秒、好ましくは0.1〜200秒が用
いられる。
脱水素工程における1−フルオロシクロヘキセンと触媒
との量比は、広範囲にとることができる。例えば、液相
回分式の場合は、通常は反応原料に対する触媒の重量比
で表現して、0.0001〜10の範囲が用いられ、好ましくは
0.001〜0.5の範囲で使用される。また、例えば、気相流
通式の反応の場合は、上記のような接触時間が満足され
るような触媒量および流速で実施される。
との量比は、広範囲にとることができる。例えば、液相
回分式の場合は、通常は反応原料に対する触媒の重量比
で表現して、0.0001〜10の範囲が用いられ、好ましくは
0.001〜0.5の範囲で使用される。また、例えば、気相流
通式の反応の場合は、上記のような接触時間が満足され
るような触媒量および流速で実施される。
1−フルオロシクロヘキセンと芳香族ニトロ化合物の量
比は、目的とする原料転化率によつても異なるが、1−
フルオロシクロヘキセンに対する芳香族ニトロ化合物の
モル比で表現して、通常は0.05〜10が用いられ、好まし
くは0.1〜2、さらに好ましくは0.2〜1が用いられる。
比は、目的とする原料転化率によつても異なるが、1−
フルオロシクロヘキセンに対する芳香族ニトロ化合物の
モル比で表現して、通常は0.05〜10が用いられ、好まし
くは0.1〜2、さらに好ましくは0.2〜1が用いられる。
分子状酸素は1−フルオロシクロヘキセンに対して当量
以上用いることが、反応率を上げるためには必要ではあ
るが、もちろん少なくてもよい。また、反応系内が爆発
限界外となるように操作すべきである。
以上用いることが、反応率を上げるためには必要ではあ
るが、もちろん少なくてもよい。また、反応系内が爆発
限界外となるように操作すべきである。
1−フルオロシクロヘキセンと酸化剤および脱水素触媒
の他に、水蒸気、水素、窒素、ヘリウム、アルゴン等の
気体が雰囲気として反応系に存在していてもよく、脱水
素反応に不活性な有機溶媒が反応系に存在していてもよ
い。
の他に、水蒸気、水素、窒素、ヘリウム、アルゴン等の
気体が雰囲気として反応系に存在していてもよく、脱水
素反応に不活性な有機溶媒が反応系に存在していてもよ
い。
本発明においては、フツ素化工程において副生するトリ
フルオロ酢酸を脱水剤を用いて脱水することによりトリ
フルオロ酢酸無水物とし、これをアシラール化工程の原
料として再び使用することもできる。脱水剤としてはト
リフルオロ酢酸を脱水してトリフルオロ酢酸無水物を生
成し得るものであれば良く、特にその種類を規定するも
のではなく、無水酢酸、ジシクロヘキシルカーボジイミ
ド、メトキシアセチレン、五酸化リンなどを用いること
ができる。五酸化リンの場合には、脱水後のリン酸とし
て回収することができるため特に好ましい。
フルオロ酢酸を脱水剤を用いて脱水することによりトリ
フルオロ酢酸無水物とし、これをアシラール化工程の原
料として再び使用することもできる。脱水剤としてはト
リフルオロ酢酸を脱水してトリフルオロ酢酸無水物を生
成し得るものであれば良く、特にその種類を規定するも
のではなく、無水酢酸、ジシクロヘキシルカーボジイミ
ド、メトキシアセチレン、五酸化リンなどを用いること
ができる。五酸化リンの場合には、脱水後のリン酸とし
て回収することができるため特に好ましい。
トリフルオロ酢酸の脱水を行なう場合のトリフルオロ酢
酸と脱水剤の量比は、使用する脱水剤の脱水能や、脱水
条件によつても変り得る。ここで脱水能を、トリフルオ
ロ酢酸2分子から水1分子を脱水するのに必要な脱水剤
のモル数と定義し、これを脱水当量と呼ぶことにする
と、使用されるトリフルオロ酢酸と脱水剤の脱水当量と
の比は、トリフルオロ酢酸に対する脱水剤の脱水当量の
比の値で表わして通常0.1〜100が使用されるが、トリフ
ルオロ酢酸回収効率を良好とするためには上記の比を高
くすることが好ましく、また経済的な点から、あまり大
きな比は好ましくない、従つて好ましくは上記の比の値
が1〜20の範囲が用いられる。
酸と脱水剤の量比は、使用する脱水剤の脱水能や、脱水
条件によつても変り得る。ここで脱水能を、トリフルオ
ロ酢酸2分子から水1分子を脱水するのに必要な脱水剤
のモル数と定義し、これを脱水当量と呼ぶことにする
と、使用されるトリフルオロ酢酸と脱水剤の脱水当量と
の比は、トリフルオロ酢酸に対する脱水剤の脱水当量の
比の値で表わして通常0.1〜100が使用されるが、トリフ
ルオロ酢酸回収効率を良好とするためには上記の比を高
くすることが好ましく、また経済的な点から、あまり大
きな比は好ましくない、従つて好ましくは上記の比の値
が1〜20の範囲が用いられる。
トリフルオロ酢酸を脱水する場合の反応温度・時間は使
用する脱水剤の種類や量によつても変化するが、通常0
〜300℃、5分〜100時間であり、好ましくは10〜150
℃、10分〜50時間である。
用する脱水剤の種類や量によつても変化するが、通常0
〜300℃、5分〜100時間であり、好ましくは10〜150
℃、10分〜50時間である。
トリフルオロ酢酸の脱水により生成するトリフルオロ酢
酸無水物は蒸留等の操作により容易に反応混合物から留
去することができ、アシラール化の原料として使用する
ことができる。すなわち、アシラール化工程の原料とし
て、フツ素化工程の副生物であるトリフルオロ酢酸を脱
水することにより得た無水トリフルオロ酢酸を使用する
場合には、トリフルオロ酢酸無水物は効率良く循環して
くりかえし使用することができるため、損失は少ない。
またくりかえし使用する場合に問題となる副生物は、ト
リフルオロ酢酸無水物をトリフルオロ酢酸の脱水により
製造する場合においては、極めて少量であるため経済的
に好ましい。
酸無水物は蒸留等の操作により容易に反応混合物から留
去することができ、アシラール化の原料として使用する
ことができる。すなわち、アシラール化工程の原料とし
て、フツ素化工程の副生物であるトリフルオロ酢酸を脱
水することにより得た無水トリフルオロ酢酸を使用する
場合には、トリフルオロ酢酸無水物は効率良く循環して
くりかえし使用することができるため、損失は少ない。
またくりかえし使用する場合に問題となる副生物は、ト
リフルオロ酢酸無水物をトリフルオロ酢酸の脱水により
製造する場合においては、極めて少量であるため経済的
に好ましい。
本発明により、シクロヘキサノンとフツ化水素から、フ
ルオロベンゼンを高選択率かつ高収率で製造することが
できる。
ルオロベンゼンを高選択率かつ高収率で製造することが
できる。
以下に実施例を示し、本発明を具体的に述べる。
実施例1 〔アシラール化工程〕 シクロヘキサノン392.6g(4.00モル)とトリフルオロ酢
酸無水物2100g(10.0モル)とを、予め系内を窒素置換
した反応器に入れ、25℃で3時間攪拌した後、25℃で72
時間静置した。未反応のトリフルオロ酢酸無水物を留去
した後の反応混合物の組成はシクロヘキサノン15.7g
(0.16モル)と1,1−ビス(トリフルオロアセトキシ)
シクロヘキサノン1183g(3.84モル)とから成つてい
た。
酸無水物2100g(10.0モル)とを、予め系内を窒素置換
した反応器に入れ、25℃で3時間攪拌した後、25℃で72
時間静置した。未反応のトリフルオロ酢酸無水物を留去
した後の反応混合物の組成はシクロヘキサノン15.7g
(0.16モル)と1,1−ビス(トリフルオロアセトキシ)
シクロヘキサノン1183g(3.84モル)とから成つてい
た。
予め系内を窒素置換した反応器へ無水フツ化水素3900g
(195モル)を入れ、−30℃まで冷却した後、攪拌しな
がら、1,1−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロヘ
キセンを含む、上記アシラール化工程で得た反応混合物
を添加した。攪拌を行ないつつ温度を−30℃に2時間保
つた後、徐々に加温することにより1時間で20℃まで昇
温し、さらに20℃に4時間保つた。反応混合物を精留す
ることにより、無水フツ化水素3746g、トリフルオロ酢
酸876g(7.68モル)、シクロヘキサノン15.0g(0.15モ
ル)、1,1−ジフルオロシクロヘキサン456g(3.80モ
ル)を得た。
(195モル)を入れ、−30℃まで冷却した後、攪拌しな
がら、1,1−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロヘ
キセンを含む、上記アシラール化工程で得た反応混合物
を添加した。攪拌を行ないつつ温度を−30℃に2時間保
つた後、徐々に加温することにより1時間で20℃まで昇
温し、さらに20℃に4時間保つた。反応混合物を精留す
ることにより、無水フツ化水素3746g、トリフルオロ酢
酸876g(7.68モル)、シクロヘキサノン15.0g(0.15モ
ル)、1,1−ジフルオロシクロヘキサン456g(3.80モ
ル)を得た。
内径1.5cmのステンレス製の管状反応器にフツ化アルミ
ニウム(粒径約0.3mm)5gを充填し、加熱した。この反
応器に上記で得た1,1−ジフルオロシクロヘキサン456g
(3.80モル)を15g/時の流量で導入した。同時に窒素を
400ml/分の流量で導入した。反応は350〜360℃の温度範
囲で行ない、反応生成物をドライアイストラツプで補集
した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し
た後にガスクロマトグラフイーによつて分析した結果、
1−フルオロシクロヘキサン342g(3.41モル)と1,1−
ジフルオロシクロヘキサン41.0g(0.34モル)が含まれ
ていた。この混合物を精留することにより1−フルオロ
シクロヘキセン335g(3.34モル)を得た。
ニウム(粒径約0.3mm)5gを充填し、加熱した。この反
応器に上記で得た1,1−ジフルオロシクロヘキサン456g
(3.80モル)を15g/時の流量で導入した。同時に窒素を
400ml/分の流量で導入した。反応は350〜360℃の温度範
囲で行ない、反応生成物をドライアイストラツプで補集
した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し
た後にガスクロマトグラフイーによつて分析した結果、
1−フルオロシクロヘキサン342g(3.41モル)と1,1−
ジフルオロシクロヘキサン41.0g(0.34モル)が含まれ
ていた。この混合物を精留することにより1−フルオロ
シクロヘキセン335g(3.34モル)を得た。
内径1.5cmのガラス製の管状反応器に、1%のパラジウ
ムを担持したペレツト状のPd/SiO23gを充填し、加熱し
た。この反応器に、1−フルオロシクロヘキセン335g
(3.34モル)を8g/時の流量で導入した。同時に酸素を3
0ml/分、窒素を200ml/分の流量で導入した。反応は180
〜190℃の温度範囲で行われた。反応生成物はドライア
イストラツプで補集した。反応混合物をがガスクロマト
グラフイーによつて分析した結果、フルオロベンゼン28
0g(2.91モル)と1−フルオロシクロヘキセン27.1g
(0.27モル)が含まれていた。
ムを担持したペレツト状のPd/SiO23gを充填し、加熱し
た。この反応器に、1−フルオロシクロヘキセン335g
(3.34モル)を8g/時の流量で導入した。同時に酸素を3
0ml/分、窒素を200ml/分の流量で導入した。反応は180
〜190℃の温度範囲で行われた。反応生成物はドライア
イストラツプで補集した。反応混合物をがガスクロマト
グラフイーによつて分析した結果、フルオロベンゼン28
0g(2.91モル)と1−フルオロシクロヘキセン27.1g
(0.27モル)が含まれていた。
〔トリフルオロ酢酸の回収〕 精留塔付きの反応容器へ五酸化リン1300g(9.15モル)
と上記のトリフルオロ酢酸876g(7.68モル)を入れ、攪
拌しつつ加熱し、反応温度を70℃に保ちながら、留出す
る低沸生成物をドライアイストラツプで補集した。加熱
・攪拌を6時間行なつた後に留出した成分を分析したと
ころ、トリフルオロ酢酸無水物790g(3.76モル)が生成
していた。
と上記のトリフルオロ酢酸876g(7.68モル)を入れ、攪
拌しつつ加熱し、反応温度を70℃に保ちながら、留出す
る低沸生成物をドライアイストラツプで補集した。加熱
・攪拌を6時間行なつた後に留出した成分を分析したと
ころ、トリフルオロ酢酸無水物790g(3.76モル)が生成
していた。
本実施例は、シクロヘキサノンを基準として、シクロヘ
キサノン転化率95%、フルオロベンゼン選択率92%、フ
ルオロベンゼン単流収率73%でフルオロベンゼンが得ら
れることを示している。
キサノン転化率95%、フルオロベンゼン選択率92%、フ
ルオロベンゼン単流収率73%でフルオロベンゼンが得ら
れることを示している。
実施例2 〔アシラール化・フツ素化・脱フツ化水素の各工程〕 シクロヘキサノン196.3g(2.00モル)とトリフルオロ酢
酸無水物1050g(5.00モル)をアシラール化の原料とし
て用いた他は実施例1と同様の方法によりアシラール
化、フツ素化、脱フツ化水素を行なうことにより、1−
フルオロシクロヘキセン170g(1.70モル)と1,1−ジフ
ルオロシクロヘキサン20.0g(0.17モル)を含む反応混
合物を得た。この混合物を精留することにより1−フル
オロシクロヘキセン165g(1.65モル)を得た。
酸無水物1050g(5.00モル)をアシラール化の原料とし
て用いた他は実施例1と同様の方法によりアシラール
化、フツ素化、脱フツ化水素を行なうことにより、1−
フルオロシクロヘキセン170g(1.70モル)と1,1−ジフ
ルオロシクロヘキサン20.0g(0.17モル)を含む反応混
合物を得た。この混合物を精留することにより1−フル
オロシクロヘキセン165g(1.65モル)を得た。
上記で得た1−フルオロシクロヘキセン165g(1.65モ
ル)とパラジウム黒20gおよびニトロベンゼン200g(1.6
3モル)を、予めアルゴンガス置換した容量1のステ
ンレス製オートレーブへ仕込み、150℃の反応温度で11
時間、加熱・攪拌することにより反応を行わせた。オー
トクレープを冷却後、反応混合物をガスクロマトグラフ
イー法により分析した結果、フルオロベンゼンが143g
(1.49モル)生成していた。また、未反応の1−フルオ
ロシクロヘキセンが12.7g(0.13モル)残存していた。
さらに、未反応のニトロベンゼンと共にアニリンが検出
された。
ル)とパラジウム黒20gおよびニトロベンゼン200g(1.6
3モル)を、予めアルゴンガス置換した容量1のステ
ンレス製オートレーブへ仕込み、150℃の反応温度で11
時間、加熱・攪拌することにより反応を行わせた。オー
トクレープを冷却後、反応混合物をガスクロマトグラフ
イー法により分析した結果、フルオロベンゼンが143g
(1.49モル)生成していた。また、未反応の1−フルオ
ロシクロヘキセンが12.7g(0.13モル)残存していた。
さらに、未反応のニトロベンゼンと共にアニリンが検出
された。
本実施例は、シクロヘキサノンを基準としてシクロヘキ
サノン転化率95%、フルオロベンゼン選択率95%、フル
オロベンゼン単流収率83%でフルオロベンゼンが得られ
ることを示す。
サノン転化率95%、フルオロベンゼン選択率95%、フル
オロベンゼン単流収率83%でフルオロベンゼンが得られ
ることを示す。
実施例3 〔アシラール化工程〕 シクロヘキサノン51.6g(0.526モル)とトリフルオロ酢
酸無水物291.g(1.3モル)を原料として用いた他は実施
例1と同様の方法でアシラール化を行ない、未反応のト
リフルオロ酢酸無水物を留去した後に蒸留することによ
り、シクロヘキサノン2.5g(0.025モル)と1,1−ビス
(トリフルオロアセトキシ)シクロヘキサン154g(0.50
モル)をそれぞえ留分として得た。
酸無水物291.g(1.3モル)を原料として用いた他は実施
例1と同様の方法でアシラール化を行ない、未反応のト
リフルオロ酢酸無水物を留去した後に蒸留することによ
り、シクロヘキサノン2.5g(0.025モル)と1,1−ビス
(トリフルオロアセトキシ)シクロヘキサン154g(0.50
モル)をそれぞえ留分として得た。
予め系内を窒素置換した反応器へ無水フツ化水素−ピリ
ジン混合物(フツ化水素含量70重量%)600g(フツ化水
素を21モル含有)を入れ、−30℃まで冷却した後、攪拌
しながら上記アシラール化工程で得た1,1−ビス(トリ
フルオロアセトキシ)シクロヘキサン154g(0.50モル)
とトリフルオロ酢酸2.3g(0.02モル)を添加した。攪拌
を行ないつつ反応温度を−30℃に2時間保った後、徐々
に加温することにより1時間で20℃まで昇温し、さらに
20℃に2時間保つた。反応混合物を精留することによ
り、トリフルオロ酢酸114.0g(1.0モル)と1,1−ジフル
オロシクロヘキサン58.8g(0.49モル)をそれぞれ得
た。
ジン混合物(フツ化水素含量70重量%)600g(フツ化水
素を21モル含有)を入れ、−30℃まで冷却した後、攪拌
しながら上記アシラール化工程で得た1,1−ビス(トリ
フルオロアセトキシ)シクロヘキサン154g(0.50モル)
とトリフルオロ酢酸2.3g(0.02モル)を添加した。攪拌
を行ないつつ反応温度を−30℃に2時間保った後、徐々
に加温することにより1時間で20℃まで昇温し、さらに
20℃に2時間保つた。反応混合物を精留することによ
り、トリフルオロ酢酸114.0g(1.0モル)と1,1−ジフル
オロシクロヘキサン58.8g(0.49モル)をそれぞれ得
た。
上記で得た1,1−ジフルオロシクロヘキサン58.8g(0.49
モル)を用い、触媒としてフツ化鉄(III)10gを用いた
他は実施例1と脱フツ化水素工程と同様の方法で脱フツ
化水素を行なうことにより、1−フルオロシクロヘキセ
ン47.1g(0.47モル)と1,1−ジフルオロシクロヘキサン
2.4g(0.02モル)を含む反応混合物を得た。この混合物
を精留することにより1−フルオロシクロヘキセン45.7
g(0.46モル)を得た。
モル)を用い、触媒としてフツ化鉄(III)10gを用いた
他は実施例1と脱フツ化水素工程と同様の方法で脱フツ
化水素を行なうことにより、1−フルオロシクロヘキセ
ン47.1g(0.47モル)と1,1−ジフルオロシクロヘキサン
2.4g(0.02モル)を含む反応混合物を得た。この混合物
を精留することにより1−フルオロシクロヘキセン45.7
g(0.46モル)を得た。
上記で得た1−フルオロシクロヘキセンを用いた他は実
施例1の脱水素工程と同様の方法で脱水素を行なうこと
により、フルオロベンゼン33.6g(0.35モル)と1−フ
ルオロシクロヘキセン8.7g(0.087モル)の混合物を得
た。
施例1の脱水素工程と同様の方法で脱水素を行なうこと
により、フルオロベンゼン33.6g(0.35モル)と1−フ
ルオロシクロヘキセン8.7g(0.087モル)の混合物を得
た。
本実施例は、シクロヘキサノンを基準として、シクロヘ
キサノン転化率95%、フルオロベンゼン選択率92%、フ
ルオロベンゼン単流収率67%でフルオロベンゼンが得ら
れることを示している。
キサノン転化率95%、フルオロベンゼン選択率92%、フ
ルオロベンゼン単流収率67%でフルオロベンゼンが得ら
れることを示している。
実施例4〜9 シクロヘキサノン294.5g(3.0モル)とトリフルオロ酢
酸無水物3150g(15.0モル)をアシラール化の原料とし
て用いた他は、実施例1と同様の条件でアシラール化・
フツ素化を行なつた後、精留することにより1,1−ジフ
ルオロシクロヘキサン340g(2.83モル)を得た。
酸無水物3150g(15.0モル)をアシラール化の原料とし
て用いた他は、実施例1と同様の条件でアシラール化・
フツ素化を行なつた後、精留することにより1,1−ジフ
ルオロシクロヘキサン340g(2.83モル)を得た。
上記で得た1,1−ジフルオロシクロヘキサンを原料とし
て用い、反応条件を変更した他は実施例1と同様の方法
で脱フツ化水素・脱水素を行なつた。反応条件及び結果
を表に示す。
て用い、反応条件を変更した他は実施例1と同様の方法
で脱フツ化水素・脱水素を行なつた。反応条件及び結果
を表に示す。
本発明の好ましい実施態様は次の通りである。
(1)フッ素化工程が酸触媒の存在下になされる特許請
求の範囲記載の方法 (2)脱フッ化水素触媒が金属フッ化物である特許請求
の範囲記載の方法 (3)金属フッ化物がアルカリ金属フッ化物またはアル
カリ土類金属フッ化物または土類金属フッ化物である前
記第(2)項記載の方法 (4)脱水素工程における酸化剤が芳香族ニトロ化合物
である特許請求の範囲記載の方法 (5)脱水素工程における酸化剤が分子状酸素である特
許請求の範囲記載の方法 (6)脱水素触媒が白金族金属および白金族元素を含む
化合物の中から選ばれた少なくとも1種である特許請求
の範囲記載の方法 (7)脱水素触媒がパラジウム、白金、ルテニウム、お
よびパラジウム、白金、ルテニウムを含む化合物の中か
ら選ばれた少なくとも1種である特許請求の範囲記載の
方法 (8)芳香族ニトロ化合物がニトロベンゼンである前記
第(4)項記載の方法 (9)フッ素化工程で生成したトリフルオロ酢酸に脱水
剤を反応させることによりトリフルオロ酢酸無水物を
得、これをアシラール化工程に使用する特許請求の範囲
記載の方法
求の範囲記載の方法 (2)脱フッ化水素触媒が金属フッ化物である特許請求
の範囲記載の方法 (3)金属フッ化物がアルカリ金属フッ化物またはアル
カリ土類金属フッ化物または土類金属フッ化物である前
記第(2)項記載の方法 (4)脱水素工程における酸化剤が芳香族ニトロ化合物
である特許請求の範囲記載の方法 (5)脱水素工程における酸化剤が分子状酸素である特
許請求の範囲記載の方法 (6)脱水素触媒が白金族金属および白金族元素を含む
化合物の中から選ばれた少なくとも1種である特許請求
の範囲記載の方法 (7)脱水素触媒がパラジウム、白金、ルテニウム、お
よびパラジウム、白金、ルテニウムを含む化合物の中か
ら選ばれた少なくとも1種である特許請求の範囲記載の
方法 (8)芳香族ニトロ化合物がニトロベンゼンである前記
第(4)項記載の方法 (9)フッ素化工程で生成したトリフルオロ酢酸に脱水
剤を反応させることによりトリフルオロ酢酸無水物を
得、これをアシラール化工程に使用する特許請求の範囲
記載の方法
Claims (1)
- 【請求項1】シクロヘキサノンからフルオロベンゼンを
製造するに当り、 (I)シクロヘキサノンにトリフルオロ酢酸無水物を反
応させることにより1,1−ビス(トリフルオロアセトキ
シ)シクロヘキサンを得るアシラール化工程、 (II)前記(I)において生成した1,1−ビス(トリフ
ルオロアセトキシ)シクロヘキサンにフッ化水素を反応
させることにより1,1−ジフルオロシクロヘキサンとト
リフルオロ酢酸を得るフッ素化工程、 (III)前記(II)において生成した1,1−ジフルオロシ
クロヘキサンを、脱フッ化水素触媒の存在下に反応させ
ることにより、1−フルオロシクロヘキセンを得る脱フ
ッ化水素工程、及び (IV)前記(III)において生成した1−フルオロシク
ロヘキセンを、脱水素触媒及び酸化剤の存在下に反応さ
せることによりフルオロベンゼンを得る脱水素工程、 を包含することを特徴とするフルオロベンゼンの製造方
法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61198104A JPH0717549B2 (ja) | 1986-08-26 | 1986-08-26 | フルオロベンゼンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61198104A JPH0717549B2 (ja) | 1986-08-26 | 1986-08-26 | フルオロベンゼンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6354332A JPS6354332A (ja) | 1988-03-08 |
JPH0717549B2 true JPH0717549B2 (ja) | 1995-03-01 |
Family
ID=16385554
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61198104A Expired - Lifetime JPH0717549B2 (ja) | 1986-08-26 | 1986-08-26 | フルオロベンゼンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0717549B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2734839B2 (ja) * | 1991-10-09 | 1998-04-02 | シャープ株式会社 | アルミニウム用エッチング液およびエッチング方法並びにアルミニウムエッチング製品 |
JP4517458B2 (ja) * | 2000-06-14 | 2010-08-04 | Dic株式会社 | 6−ブロモ−1,2−ジフルオロナフタレンの製造方法 |
-
1986
- 1986-08-26 JP JP61198104A patent/JPH0717549B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6354332A (ja) | 1988-03-08 |
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