JP2002047270A - N−ヒドロキシイミドの製造方法 - Google Patents
N−ヒドロキシイミドの製造方法Info
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- JP2002047270A JP2002047270A JP2000235025A JP2000235025A JP2002047270A JP 2002047270 A JP2002047270 A JP 2002047270A JP 2000235025 A JP2000235025 A JP 2000235025A JP 2000235025 A JP2000235025 A JP 2000235025A JP 2002047270 A JP2002047270 A JP 2002047270A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 純度の高いN−ヒドロキシイミドを収率よく
製造する。 【解決手段】 本発明のN−ヒドロキシイミドの製造方
法では、酸無水物とヒドロキシルアミンとを反応させて
対応するN−ヒドロキシイミドを製造するに際し、
(i)フレーク状の酸無水物を反応に供するか、(ii)
塩非含有ヒドロキシルアミン水溶液を反応に供するか、
または(iii)反応を40〜65℃の温度で行う。
製造する。 【解決手段】 本発明のN−ヒドロキシイミドの製造方
法では、酸無水物とヒドロキシルアミンとを反応させて
対応するN−ヒドロキシイミドを製造するに際し、
(i)フレーク状の酸無水物を反応に供するか、(ii)
塩非含有ヒドロキシルアミン水溶液を反応に供するか、
または(iii)反応を40〜65℃の温度で行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化反応、カルボ
キシル化反応、ニトロ化反応等の触媒などとして有用な
N−ヒドロキシイミドの製造方法に関する。
キシル化反応、ニトロ化反応等の触媒などとして有用な
N−ヒドロキシイミドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】N−ヒドロキシフタルイミド等のN−ヒ
ドロキシイミド化合物は、分子状酸素による酸化、カル
ボキシル化、ニトロ化、スルホン化、アシル化、ラジカ
ルカップリング反応などの諸反応を温和な条件下で円滑
に進行させる触媒として注目されている(例えば、特開
平8−38909号公報、特開平9−327626号公
報、特開平9−278675号公報、特開平10−31
6610号公報、特開平11−239730号公報、W
O99/41219、WO99/50204など参
照)。また、N−ヒドロキシイミド化合物はヒドロキシ
ルアミンのアミノ基の保護体としても有用である。
ドロキシイミド化合物は、分子状酸素による酸化、カル
ボキシル化、ニトロ化、スルホン化、アシル化、ラジカ
ルカップリング反応などの諸反応を温和な条件下で円滑
に進行させる触媒として注目されている(例えば、特開
平8−38909号公報、特開平9−327626号公
報、特開平9−278675号公報、特開平10−31
6610号公報、特開平11−239730号公報、W
O99/41219、WO99/50204など参
照)。また、N−ヒドロキシイミド化合物はヒドロキシ
ルアミンのアミノ基の保護体としても有用である。
【0003】N−ヒドロキシイミド化合物の製造方法と
して、無水フタル酸などの酸無水物とヒドロキシルアミ
ンとを反応させる方法が知られている。例えば、ジャー
ナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、第36巻、第
3835頁(1971年)[J. Org.Chem., 36, 3835(1971)]に
は、ヒドロキシルアミン硫酸塩の水溶液中に水酸化ナト
リウム水溶液を添加して遊離のヒドロキシルアミン水溶
液を調製し、このヒドロキシルアミン水溶液に微粉末状
の無水フタル酸を添加し、約4℃で終夜反応させ、析出
した固体を濾過、洗浄することによりN−ヒドロキシフ
タルイミドを得る方法が記載されている。しかし、本発
明者の追試によれば、この方法で得られる固体のN−ヒ
ドロキシフタルイミドの純度は極めて低く、さらに精製
が必要である上、収率が低い。また、この方法では、工
業用として一般に流通しているフレーク状の無水フタル
酸を微粉化して反応に供するので、そのための工程や装
置が必要となる。さらに、微粉末の使用は帯電による爆
発の危険性が高まるため工業的方法としては好ましくな
い。また、ヒドロキシルアミンの硫酸塩等の塩をアルカ
リで遊離化した水溶液を用いると、用いたアルカリに対
応する塩が多量に副生するため、資源の有効利用、環境
保護の観点からも好ましくない。
して、無水フタル酸などの酸無水物とヒドロキシルアミ
ンとを反応させる方法が知られている。例えば、ジャー
ナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、第36巻、第
3835頁(1971年)[J. Org.Chem., 36, 3835(1971)]に
は、ヒドロキシルアミン硫酸塩の水溶液中に水酸化ナト
リウム水溶液を添加して遊離のヒドロキシルアミン水溶
液を調製し、このヒドロキシルアミン水溶液に微粉末状
の無水フタル酸を添加し、約4℃で終夜反応させ、析出
した固体を濾過、洗浄することによりN−ヒドロキシフ
タルイミドを得る方法が記載されている。しかし、本発
明者の追試によれば、この方法で得られる固体のN−ヒ
ドロキシフタルイミドの純度は極めて低く、さらに精製
が必要である上、収率が低い。また、この方法では、工
業用として一般に流通しているフレーク状の無水フタル
酸を微粉化して反応に供するので、そのための工程や装
置が必要となる。さらに、微粉末の使用は帯電による爆
発の危険性が高まるため工業的方法としては好ましくな
い。また、ヒドロキシルアミンの硫酸塩等の塩をアルカ
リで遊離化した水溶液を用いると、用いたアルカリに対
応する塩が多量に副生するため、資源の有効利用、環境
保護の観点からも好ましくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、純度の高いN−ヒドロキシイミドを収率よく製造す
る方法を提供することにある。本発明の他の目的は、生
産効率が高く、安価でしかも安全性の高いN−ヒドロキ
シイミドの製造方法を提供することにある。本発明のさ
らに他の目的は、操作性に優れ、しかも多量の副生物を
産出しないN−ヒドロキシイミドの製造方法を提供する
ことにある。
は、純度の高いN−ヒドロキシイミドを収率よく製造す
る方法を提供することにある。本発明の他の目的は、生
産効率が高く、安価でしかも安全性の高いN−ヒドロキ
シイミドの製造方法を提供することにある。本発明のさ
らに他の目的は、操作性に優れ、しかも多量の副生物を
産出しないN−ヒドロキシイミドの製造方法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するため鋭意検討した結果、反応に用いる酸無水物
及びヒドロキシルアミンの形態や温度条件を特定化する
と、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完
成した。
達成するため鋭意検討した結果、反応に用いる酸無水物
及びヒドロキシルアミンの形態や温度条件を特定化する
と、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完
成した。
【0006】すなわち、本発明は、酸無水物とヒドロキ
シルアミンとを反応させて対応するN−ヒドロキシイミ
ドを製造する方法であって、フレーク状の酸無水物を反
応に供するN−ヒドロキシイミドの製造方法(以下、
「製造方法1」と称する場合がある)を提供する。
シルアミンとを反応させて対応するN−ヒドロキシイミ
ドを製造する方法であって、フレーク状の酸無水物を反
応に供するN−ヒドロキシイミドの製造方法(以下、
「製造方法1」と称する場合がある)を提供する。
【0007】本発明は、また、酸無水物とヒドロキシル
アミンとを反応させて対応するN−ヒドロキシイミドを
製造する方法であって、塩非含有ヒドロキシルアミン水
溶液を反応に供するN−ヒドロキシイミドの製造方法
(以下、「製造方法2」と称する場合がある)を提供す
る。
アミンとを反応させて対応するN−ヒドロキシイミドを
製造する方法であって、塩非含有ヒドロキシルアミン水
溶液を反応に供するN−ヒドロキシイミドの製造方法
(以下、「製造方法2」と称する場合がある)を提供す
る。
【0008】本発明は、さらに、酸無水物とヒドロキシ
ルアミンとを反応させて対応するN−ヒドロキシイミド
を製造する方法であって、反応を40〜65℃の温度で
行うN−ヒドロキシイミドの製造方法を提供する。
ルアミンとを反応させて対応するN−ヒドロキシイミド
を製造する方法であって、反応を40〜65℃の温度で
行うN−ヒドロキシイミドの製造方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において原料として用いる
酸無水物としては、特に限定されず、鎖状の酸無水物及
び環状の酸無水物が使用できる。鎖状の酸無水物として
は、脂肪族モノカルボン酸、脂環式モノカルボン酸、芳
香族モノカルボン酸、複素環式モノカルボン酸等のモノ
カルボン酸に対応する対称又は非対称の酸無水物が挙げ
られる。環状の酸無水物としては、脂肪族ジカルボン
酸、脂環式ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、複素環
式ジカルボン酸等のジカルボン酸に対応する酸無水物が
挙げられる。これらの酸無水物の中でも、環状の酸無水
物が好ましい。
酸無水物としては、特に限定されず、鎖状の酸無水物及
び環状の酸無水物が使用できる。鎖状の酸無水物として
は、脂肪族モノカルボン酸、脂環式モノカルボン酸、芳
香族モノカルボン酸、複素環式モノカルボン酸等のモノ
カルボン酸に対応する対称又は非対称の酸無水物が挙げ
られる。環状の酸無水物としては、脂肪族ジカルボン
酸、脂環式ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、複素環
式ジカルボン酸等のジカルボン酸に対応する酸無水物が
挙げられる。これらの酸無水物の中でも、環状の酸無水
物が好ましい。
【0010】環状酸無水物の代表的な例として、下記式
(1)
(1)
【化1】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキ
ル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル
基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1及
びR2は互いに結合して二重結合、又は芳香族性若しく
は非芳香族性の環を形成してもよい。前記R1、R2、又
はR1及びR2が互いに結合して形成された二重結合又は
芳香族性若しくは非芳香族性の環には、上記式中に示さ
れる環状酸無水物基がさらに1又は2個形成されていて
もよい)で表される環状酸無水物が挙げられる。
ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキ
ル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル
基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1及
びR2は互いに結合して二重結合、又は芳香族性若しく
は非芳香族性の環を形成してもよい。前記R1、R2、又
はR1及びR2が互いに結合して形成された二重結合又は
芳香族性若しくは非芳香族性の環には、上記式中に示さ
れる環状酸無水物基がさらに1又は2個形成されていて
もよい)で表される環状酸無水物が挙げられる。
【0011】前記式(1)で表される環状酸無水物にお
いて、置換基R1及びR2のうちハロゲン原子には、ヨウ
素、臭素、塩素およびフッ素が含まれる。アルキル基に
は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘ
キシル、デシル基などの炭素数1〜10(好ましくは、
炭素数1〜6)程度の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が
含まれる。アリール基には、フェニル、ナフチル基など
が含まれ、シクロアルキル基には、シクロペンチル、シ
クロヘキシル、シクロオクチル基などが含まれる。アル
コキシ基には、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブ
トキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基などの炭素
数1〜10(好ましくは、炭素数1〜6)程度の低級ア
ルコキシ基が含まれる。
いて、置換基R1及びR2のうちハロゲン原子には、ヨウ
素、臭素、塩素およびフッ素が含まれる。アルキル基に
は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘ
キシル、デシル基などの炭素数1〜10(好ましくは、
炭素数1〜6)程度の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が
含まれる。アリール基には、フェニル、ナフチル基など
が含まれ、シクロアルキル基には、シクロペンチル、シ
クロヘキシル、シクロオクチル基などが含まれる。アル
コキシ基には、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブ
トキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基などの炭素
数1〜10(好ましくは、炭素数1〜6)程度の低級ア
ルコキシ基が含まれる。
【0012】アルコキシカルボニル基には、例えば、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカ
ルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボ
ニル、ヘキシルオキシカルボニル基などのアルコキシ部
分の炭素数が1〜10(好ましくは、炭素数1〜6)程
度のアルコキシカルボニル基が含まれる。アシル基とし
ては、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブ
チリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバ
ロイル基などの炭素数1〜6程度のアシル基が例示でき
る。
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカ
ルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボ
ニル、ヘキシルオキシカルボニル基などのアルコキシ部
分の炭素数が1〜10(好ましくは、炭素数1〜6)程
度のアルコキシカルボニル基が含まれる。アシル基とし
ては、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブ
チリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバ
ロイル基などの炭素数1〜6程度のアシル基が例示でき
る。
【0013】前記置換基R1及びR2は、同一又は異なっ
ていてもよい。また、前記式(1)において、R1およ
びR2は互いに結合して、二重結合、または芳香族性又
は非芳香族性の環を形成してもよい。好ましい芳香族性
又は非芳香族性環は5〜12員環、特に6〜10員環程
度であり、複素環又は縮合複素環であってもよいが、炭
化水素環である場合が多い。このような環には、例え
ば、非芳香族性脂環式環(シクロヘキサン環などの置換
基を有していてもよいシクロアルカン環、シクロヘキセ
ン環などの置換基を有していてもよいシクロアルケン環
など)、非芳香族性橋かけ環(5−ノルボルネン環など
の置換基を有していてもよい橋かけ式炭化水素環な
ど)、ベンゼン環、ナフタレン環などの置換基を有して
いてもよい芳香族性環(縮合環を含む)が含まれる。前
記環は、芳香族性環で構成される場合が多い。前記環
は、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、ア
ルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル
基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲ
ン原子などの置換基を有していてもよい。
ていてもよい。また、前記式(1)において、R1およ
びR2は互いに結合して、二重結合、または芳香族性又
は非芳香族性の環を形成してもよい。好ましい芳香族性
又は非芳香族性環は5〜12員環、特に6〜10員環程
度であり、複素環又は縮合複素環であってもよいが、炭
化水素環である場合が多い。このような環には、例え
ば、非芳香族性脂環式環(シクロヘキサン環などの置換
基を有していてもよいシクロアルカン環、シクロヘキセ
ン環などの置換基を有していてもよいシクロアルケン環
など)、非芳香族性橋かけ環(5−ノルボルネン環など
の置換基を有していてもよい橋かけ式炭化水素環な
ど)、ベンゼン環、ナフタレン環などの置換基を有して
いてもよい芳香族性環(縮合環を含む)が含まれる。前
記環は、芳香族性環で構成される場合が多い。前記環
は、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、ア
ルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル
基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲ
ン原子などの置換基を有していてもよい。
【0014】前記R1、R2、又はR1及びR2が互いに結
合して形成された二重結合又は芳香族性若しくは非芳香
族性の環には、上記式(1)中に示される環状酸無水物
基がさらに1又は2個形成されていてもよい。例えば、
R1又はR2が炭素数2以上のアルキル基である場合、こ
のアルキル基を構成する隣接する2つの炭素原子を含ん
で前記環状酸無水物基が形成されていてもよい。また、
R1及びR2が互いに結合して二重結合を形成する場合、
該二重結合を含んで前記環状酸無水物基が形成されてい
てもよい。さらに、R1及びR2が互いに結合して芳香族
性若しくは非芳香族性の環を形成する場合、該環を構成
する隣接する2つの炭素原子を含んで前記環状酸無水物
基が形成されていてもよい。
合して形成された二重結合又は芳香族性若しくは非芳香
族性の環には、上記式(1)中に示される環状酸無水物
基がさらに1又は2個形成されていてもよい。例えば、
R1又はR2が炭素数2以上のアルキル基である場合、こ
のアルキル基を構成する隣接する2つの炭素原子を含ん
で前記環状酸無水物基が形成されていてもよい。また、
R1及びR2が互いに結合して二重結合を形成する場合、
該二重結合を含んで前記環状酸無水物基が形成されてい
てもよい。さらに、R1及びR2が互いに結合して芳香族
性若しくは非芳香族性の環を形成する場合、該環を構成
する隣接する2つの炭素原子を含んで前記環状酸無水物
基が形成されていてもよい。
【0015】前記式(1)で表される酸無水物の代表例
として、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸などの
飽和又は不飽和脂肪族ジカルボン酸無水物、テトラヒド
ロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸(1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸無水物)、1,2,3,4
−シクロヘキサンテトラカルボン酸1,2−無水物など
の飽和又は不飽和非芳香族性環状多価カルボン酸無水物
(脂環式多価カルボン酸無水物)、無水ヘット酸、無水
ハイミック酸などの橋かけ環式多価カルボン酸無水物
(脂環式多価カルボン酸無水物)、無水フタル酸、テト
ラブロモ無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、無
水ニトロフタル酸、無水トリメリット酸、メチルシクロ
ヘキセントリカルボン酸無水物、無水ピロメリット酸、
無水メリト酸、1,8;4,5−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物などの芳香族多価カルボン酸無水物が挙
げられる。
として、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸などの
飽和又は不飽和脂肪族ジカルボン酸無水物、テトラヒド
ロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸(1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸無水物)、1,2,3,4
−シクロヘキサンテトラカルボン酸1,2−無水物など
の飽和又は不飽和非芳香族性環状多価カルボン酸無水物
(脂環式多価カルボン酸無水物)、無水ヘット酸、無水
ハイミック酸などの橋かけ環式多価カルボン酸無水物
(脂環式多価カルボン酸無水物)、無水フタル酸、テト
ラブロモ無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、無
水ニトロフタル酸、無水トリメリット酸、メチルシクロ
ヘキセントリカルボン酸無水物、無水ピロメリット酸、
無水メリト酸、1,8;4,5−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物などの芳香族多価カルボン酸無水物が挙
げられる。
【0016】本発明の製造方法1の重要な特徴は、フレ
ーク状の酸無水物を反応に供する点にある。フレーク状
の酸無水物を用いる方法では、従来の微粉末状の酸無水
物を用いる方法と比較した場合、工業用のフレーク状酸
無水物をそのまま反応に使用できるため、微粉化工程及
びその装置が不要であり、設備コストの点で極めて有利
である。また、微粉末と比較して帯電しにくいため爆発
等の危険性も少ない。さらに、粉塵が舞うことがないの
で、作業環境も改善されると共に操作性も著しく向上す
る。さらに、微粉末と比較して粒子が凝集したり反応器
の壁に付着することがないためか、微粉末状の酸無水物
を用いる場合よりも却って反応速度が速くなり、生産効
率よく目的のN−ヒドロキシイミドを得ることができ
る。
ーク状の酸無水物を反応に供する点にある。フレーク状
の酸無水物を用いる方法では、従来の微粉末状の酸無水
物を用いる方法と比較した場合、工業用のフレーク状酸
無水物をそのまま反応に使用できるため、微粉化工程及
びその装置が不要であり、設備コストの点で極めて有利
である。また、微粉末と比較して帯電しにくいため爆発
等の危険性も少ない。さらに、粉塵が舞うことがないの
で、作業環境も改善されると共に操作性も著しく向上す
る。さらに、微粉末と比較して粒子が凝集したり反応器
の壁に付着することがないためか、微粉末状の酸無水物
を用いる場合よりも却って反応速度が速くなり、生産効
率よく目的のN−ヒドロキシイミドを得ることができ
る。
【0017】フレークの大きさとしては、例えば、最長
部の長さとして、0.5〜20mm程度、好ましくは1
〜10mm程度である。
部の長さとして、0.5〜20mm程度、好ましくは1
〜10mm程度である。
【0018】前記製造方法1において、ヒドロキシルア
ミンの使用量は、反応性や反応選択性を損なわない範囲
で適宜選択できるが、酸無水物1モルに対して、例えば
0.9〜2モル程度、好ましくは1.0〜1.5モル程
度である。反応温度は、例えば20〜100℃程度、好
ましくは30〜90℃、さらに好ましくは40〜65℃
程度である。
ミンの使用量は、反応性や反応選択性を損なわない範囲
で適宜選択できるが、酸無水物1モルに対して、例えば
0.9〜2モル程度、好ましくは1.0〜1.5モル程
度である。反応温度は、例えば20〜100℃程度、好
ましくは30〜90℃、さらに好ましくは40〜65℃
程度である。
【0019】反応は、通常溶媒中で行われる。溶媒とし
ては、水及び有機溶媒の何れも使用できるが、好ましく
は水である。水と水混和性の有機溶媒との混合溶媒を用
いることもできる。
ては、水及び有機溶媒の何れも使用できるが、好ましく
は水である。水と水混和性の有機溶媒との混合溶媒を用
いることもできる。
【0020】反応は、バッチ式、セミバッチ式、連続式
等の何れの方法で行ってもよい。セミバッチ式で行う場
合、ヒドロキシルアミンを含む混合液中に酸無水物を逐
次的に添加してもよく、逆に酸無水物を含む混合液中に
ヒドロキシルアミンを逐次的に添加することもできる。
等の何れの方法で行ってもよい。セミバッチ式で行う場
合、ヒドロキシルアミンを含む混合液中に酸無水物を逐
次的に添加してもよく、逆に酸無水物を含む混合液中に
ヒドロキシルアミンを逐次的に添加することもできる。
【0021】本発明の製造方法2の重要な特徴は、塩非
含有ヒドロキシルアミン水溶液を反応に供する点にあ
る。なお、「塩非含有ヒドロキシルアミン水溶液」と
は、ヒドロキシルアミンの塩を塩基と反応させて遊離化
して得られる、副生する塩を含むヒドロキシルアミン水
溶液ではなく、前記副生する塩を含まない遊離のヒドロ
キシルアミンの水溶液を意味する。このような塩非含有
ヒドロキシルアミン水溶液は、公知の方法により製造す
ることができ、また市販品として入手することも可能で
ある。
含有ヒドロキシルアミン水溶液を反応に供する点にあ
る。なお、「塩非含有ヒドロキシルアミン水溶液」と
は、ヒドロキシルアミンの塩を塩基と反応させて遊離化
して得られる、副生する塩を含むヒドロキシルアミン水
溶液ではなく、前記副生する塩を含まない遊離のヒドロ
キシルアミンの水溶液を意味する。このような塩非含有
ヒドロキシルアミン水溶液は、公知の方法により製造す
ることができ、また市販品として入手することも可能で
ある。
【0022】このような塩非含有ヒドロキシルアミン水
溶液を反応に用いると、ヒドロキシルアミン硫酸塩等の
ヒドロキシルアミンの塩と水酸化ナトリウム等の塩基
(アルカリ)とを用いて調製されたヒドロキシルアミン
水溶液を反応に用いた場合と比較して、多量の塩の処理
が不要であり、資源の有効利用及び環境保護の点でも有
利である。また、副生する塩の溶解度等を考慮する必要
がないため、反応成分(ヒドロキシルアミン、酸無水
物)の反応液中における濃度を高めることができ、空時
収率、生産効率が向上する。また、同様の理由から、酸
無水物を含む混合液中にヒドロキシルアミン水溶液を添
加する方法が有利に採用できるため、反応のコントロー
ル、反応温度のコントロールが容易となり、安定にN−
ヒドロキシイミドを製造することができる。
溶液を反応に用いると、ヒドロキシルアミン硫酸塩等の
ヒドロキシルアミンの塩と水酸化ナトリウム等の塩基
(アルカリ)とを用いて調製されたヒドロキシルアミン
水溶液を反応に用いた場合と比較して、多量の塩の処理
が不要であり、資源の有効利用及び環境保護の点でも有
利である。また、副生する塩の溶解度等を考慮する必要
がないため、反応成分(ヒドロキシルアミン、酸無水
物)の反応液中における濃度を高めることができ、空時
収率、生産効率が向上する。また、同様の理由から、酸
無水物を含む混合液中にヒドロキシルアミン水溶液を添
加する方法が有利に採用できるため、反応のコントロー
ル、反応温度のコントロールが容易となり、安定にN−
ヒドロキシイミドを製造することができる。
【0023】前記塩非含有ヒドロキシルアミン水溶液の
ヒドロキシルアミン濃度は、例えば50重量%程度以下
(20〜50重量%程度)である。50重量%を超える
と、分解の危険性が高まる。
ヒドロキシルアミン濃度は、例えば50重量%程度以下
(20〜50重量%程度)である。50重量%を超える
と、分解の危険性が高まる。
【0024】前記製造方法2において、ヒドロキシルア
ミンの使用量、反応温度、反応溶媒、反応方式等は前記
製造方法1と同様である。
ミンの使用量、反応温度、反応溶媒、反応方式等は前記
製造方法1と同様である。
【0025】本発明の製造方法3の重要な特徴は、反応
を40〜65℃の温度で行う点にある。反応を従来の方
法のように4℃程度の温度で行うと、分子内にN−ヒド
ロキシカルバモイル基とカルボキシル基とを有する開環
した中間体が蓄積し、目的のN−ヒドロキシイミドの収
率が著しく低下する。また、反応温度が高すぎても副反
応が進行しやすくなる。これに対して、反応温度を40
〜65℃に設定すると、反応中間体が蓄積したり副反応
の進行が抑制され、目的のN−ヒドロキシイミドを収率
よくまた効率よく得ることができる。
を40〜65℃の温度で行う点にある。反応を従来の方
法のように4℃程度の温度で行うと、分子内にN−ヒド
ロキシカルバモイル基とカルボキシル基とを有する開環
した中間体が蓄積し、目的のN−ヒドロキシイミドの収
率が著しく低下する。また、反応温度が高すぎても副反
応が進行しやすくなる。これに対して、反応温度を40
〜65℃に設定すると、反応中間体が蓄積したり副反応
の進行が抑制され、目的のN−ヒドロキシイミドを収率
よくまた効率よく得ることができる。
【0026】前記製造方法3において、ヒドロキシルア
ミンの使用量、反応溶媒、反応方式等は前記製造方法1
と同様である。
ミンの使用量、反応溶媒、反応方式等は前記製造方法1
と同様である。
【0027】上記反応により、原料として用いた酸無水
物に対応するN−ヒドロキシイミドが生成する。例え
ば、前記式(1)で表される環状酸無水物からは下記式
(2)
物に対応するN−ヒドロキシイミドが生成する。例え
ば、前記式(1)で表される環状酸無水物からは下記式
(2)
【化2】 (式中、R1及びR2は前記に同じ)で表される環状イミ
ド化合物が生成する。
ド化合物が生成する。
【0028】このようにして生成するN−ヒドロキシイ
ミドの代表的な例として、例えば、N−ヒドロキシコハ
ク酸イミド、N−ヒドロキシマレイン酸イミド、N−ヒ
ドロキシヘキサヒドロフタル酸イミド、N,N′−ジヒ
ドロキシシクロヘキサンテトラカルボン酸イミド、N−
ヒドロキシフタル酸イミド、N−ヒドロキシテトラブロ
モフタル酸イミド、N−ヒドロキシテトラクロロフタル
酸イミド、N−ヒドロキシヘット酸イミド、N−ヒドロ
キシハイミック酸イミド、N −ヒドロキシトリメ
リット酸イミド、N,N′−ジヒドロキシピロメリット
酸イミド、N,N′−ジヒドロキシナフタレンテトラカ
ルボン酸イミド等が挙げられる。
ミドの代表的な例として、例えば、N−ヒドロキシコハ
ク酸イミド、N−ヒドロキシマレイン酸イミド、N−ヒ
ドロキシヘキサヒドロフタル酸イミド、N,N′−ジヒ
ドロキシシクロヘキサンテトラカルボン酸イミド、N−
ヒドロキシフタル酸イミド、N−ヒドロキシテトラブロ
モフタル酸イミド、N−ヒドロキシテトラクロロフタル
酸イミド、N−ヒドロキシヘット酸イミド、N−ヒドロ
キシハイミック酸イミド、N −ヒドロキシトリメ
リット酸イミド、N,N′−ジヒドロキシピロメリット
酸イミド、N,N′−ジヒドロキシナフタレンテトラカ
ルボン酸イミド等が挙げられる。
【0029】生成したN−ヒドロキシイミドは、それの
有する物性に応じて、例えば、濾過、濃縮、抽出、晶
析、再結晶、カラムクロマトグラフィー、蒸留、又はこ
れらの組み合わせにより分離精製できる。例えば、水に
対する溶解度の低いN−ヒドロキシイミド(N−ヒドロ
キシフタルイミド等)は、反応溶媒として水を用いるこ
とにより、反応混合液から晶析により分離することがで
き、この晶析のみによっても純度の高い目的物を得るこ
とが可能である。
有する物性に応じて、例えば、濾過、濃縮、抽出、晶
析、再結晶、カラムクロマトグラフィー、蒸留、又はこ
れらの組み合わせにより分離精製できる。例えば、水に
対する溶解度の低いN−ヒドロキシイミド(N−ヒドロ
キシフタルイミド等)は、反応溶媒として水を用いるこ
とにより、反応混合液から晶析により分離することがで
き、この晶析のみによっても純度の高い目的物を得るこ
とが可能である。
【0030】なお、晶析の際、結晶を洗浄するのが好ま
しい。この時用いる洗浄液としては、例えば、酢酸水溶
液(1〜20重量%酢酸水溶液)などの水混和性溶媒と
水との混合液が挙げられる。洗浄液の使用量は、例え
ば、結晶100重量部に対して、10〜1000重量部
程度である。
しい。この時用いる洗浄液としては、例えば、酢酸水溶
液(1〜20重量%酢酸水溶液)などの水混和性溶媒と
水との混合液が挙げられる。洗浄液の使用量は、例え
ば、結晶100重量部に対して、10〜1000重量部
程度である。
【0031】本発明では、特に、上記製造方法1〜3の
うち2以上を組み合わせる(例えば、製造方法1と2、
製造方法1と3、製造方法2と3、製造方法1と2と
3)のが好ましい。
うち2以上を組み合わせる(例えば、製造方法1と2、
製造方法1と3、製造方法2と3、製造方法1と2と
3)のが好ましい。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、純度の高いN−ヒドロ
キシイミドを収率よく製造することができる。また、高
い生産効率で、安価にしかも安全にN−ヒドロキシイミ
ドを製造できる。さらに、操作性に優れるとともに、多
量の副生物を産出することなくN−ヒドロキシイミドを
得ることができる。
キシイミドを収率よく製造することができる。また、高
い生産効率で、安価にしかも安全にN−ヒドロキシイミ
ドを製造できる。さらに、操作性に優れるとともに、多
量の副生物を産出することなくN−ヒドロキシイミドを
得ることができる。
【0033】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0034】実施例1 ヒドロキシルアミン硫酸塩153.5g(0.94モ
ル)、水酸化ナトリウム74.4g(1.86モル)、
水400mLから調製したヒドロキシルアミン水溶液
に、攪拌しながらフレーク状(最長部の長さ:2〜10
mm)の無水フタル酸222.6g(1.5モル)を添
加した。50℃に昇温し、3時間攪拌した。水500L
を加え、一夜攪拌した。6℃で1時間攪拌した後、結晶
を濾過し、4℃の1重量%酢酸水溶液で洗浄し、さらに
4℃の水で洗浄した。結晶を乾燥することにより、18
5.5gのN−ヒドロキシフタルイミドが得られた(収
率72.1%)。高速液体クロマトグラフィによる分析
の結果、純度は98.4%であった。
ル)、水酸化ナトリウム74.4g(1.86モル)、
水400mLから調製したヒドロキシルアミン水溶液
に、攪拌しながらフレーク状(最長部の長さ:2〜10
mm)の無水フタル酸222.6g(1.5モル)を添
加した。50℃に昇温し、3時間攪拌した。水500L
を加え、一夜攪拌した。6℃で1時間攪拌した後、結晶
を濾過し、4℃の1重量%酢酸水溶液で洗浄し、さらに
4℃の水で洗浄した。結晶を乾燥することにより、18
5.5gのN−ヒドロキシフタルイミドが得られた(収
率72.1%)。高速液体クロマトグラフィによる分析
の結果、純度は98.4%であった。
【0035】実施例2 フラスコに水500g、50重量%ヒドロキシルアミン
水溶液123.57g(1.87モル)を入れ、これ
に、攪拌しながら、反応温度が35℃を超えないように
フレーク状(最長部の長さ:2〜10mm)の無水フタ
ル酸222.63g(1.50モル)を少量ずつ添加し
た。添加終了後、1時間室温で攪拌し、次いで昇温して
50℃で2時間攪拌した。反応終了後、35℃まで冷却
し、水500gを添加した。室温で1時間攪拌した後、
攪拌を止めて、一夜放置した。反応混合物を濾過し、得
られた結晶を5重量%酢酸水溶液で洗浄した。結晶を乾
燥することにより、176.59gのN−ヒドロキシフ
タルイミドを得た(収率70.0%)。高速液体クロマ
トグラフィーによる分析の結果、純度は99.0%であ
った。
水溶液123.57g(1.87モル)を入れ、これ
に、攪拌しながら、反応温度が35℃を超えないように
フレーク状(最長部の長さ:2〜10mm)の無水フタ
ル酸222.63g(1.50モル)を少量ずつ添加し
た。添加終了後、1時間室温で攪拌し、次いで昇温して
50℃で2時間攪拌した。反応終了後、35℃まで冷却
し、水500gを添加した。室温で1時間攪拌した後、
攪拌を止めて、一夜放置した。反応混合物を濾過し、得
られた結晶を5重量%酢酸水溶液で洗浄した。結晶を乾
燥することにより、176.59gのN−ヒドロキシフ
タルイミドを得た(収率70.0%)。高速液体クロマ
トグラフィーによる分析の結果、純度は99.0%であ
った。
【0036】実施例3 ヒドロキシルアミン硫酸塩18.8kg(114.5モ
ル)、水酸化ナトリウム9.13kg(228.3モ
ル)、水50Lから調製したヒドロキシルアミン水溶液
に、攪拌しながら粉末状の無水フタル酸27kg(18
2.3モル)を添加した。60℃に昇温し、4.5時間
攪拌した。水61Lを加え、一夜攪拌した。6℃で1時
間攪拌した後、遠心分離し、上澄み液を除去後、4℃の
1重量%酢酸水溶液でリパルプ洗浄し、さらに4℃の水
41Lで洗浄した。得られた結晶を乾燥することによ
り、23.3kgのN−ヒドロキシフタルイミドが得ら
れた(収率78.4%)。高速液体クロマトグラフィに
よる分析の結果、純度は99.6%であった。
ル)、水酸化ナトリウム9.13kg(228.3モ
ル)、水50Lから調製したヒドロキシルアミン水溶液
に、攪拌しながら粉末状の無水フタル酸27kg(18
2.3モル)を添加した。60℃に昇温し、4.5時間
攪拌した。水61Lを加え、一夜攪拌した。6℃で1時
間攪拌した後、遠心分離し、上澄み液を除去後、4℃の
1重量%酢酸水溶液でリパルプ洗浄し、さらに4℃の水
41Lで洗浄した。得られた結晶を乾燥することによ
り、23.3kgのN−ヒドロキシフタルイミドが得ら
れた(収率78.4%)。高速液体クロマトグラフィに
よる分析の結果、純度は99.6%であった。
【0037】比較例1 ヒドロキシルアミン硫酸塩153.5g(0.94モ
ル)の水溶液200mLに水酸化ナトリウム74.4g
(1.86モル)の水溶液200mLを加え、遊離のヒ
ドロキシルアミンを生成させた。このヒドロキシルアミ
ン水溶液に、攪拌しながら、室温で粉末状の無水フタル
酸220gを加え、さらに3時間反応を続けた。反応混
合液に水500mLを加え、一夜攪拌した。析出した結
晶を400mLの5重量%酢酸水溶液で洗浄し、乾燥す
ることにより201.2gの結晶が得られた。この結晶
を高速液体クロマトグラフィにより分析したところ、N
−ヒドロキシフタルイミドは13.7%しか含まれてい
なかった。
ル)の水溶液200mLに水酸化ナトリウム74.4g
(1.86モル)の水溶液200mLを加え、遊離のヒ
ドロキシルアミンを生成させた。このヒドロキシルアミ
ン水溶液に、攪拌しながら、室温で粉末状の無水フタル
酸220gを加え、さらに3時間反応を続けた。反応混
合液に水500mLを加え、一夜攪拌した。析出した結
晶を400mLの5重量%酢酸水溶液で洗浄し、乾燥す
ることにより201.2gの結晶が得られた。この結晶
を高速液体クロマトグラフィにより分析したところ、N
−ヒドロキシフタルイミドは13.7%しか含まれてい
なかった。
Claims (3)
- 【請求項1】 酸無水物とヒドロキシルアミンとを反応
させて対応するN−ヒドロキシイミドを製造する方法で
あって、フレーク状の酸無水物を反応に供することを特
徴とするN−ヒドロキシイミドの製造方法。 - 【請求項2】 酸無水物とヒドロキシルアミンとを反応
させて対応するN−ヒドロキシイミドを製造する方法で
あって、塩非含有ヒドロキシルアミン水溶液を反応に供
することを特徴とするN−ヒドロキシイミドの製造方
法。 - 【請求項3】 酸無水物とヒドロキシルアミンとを反応
させて対応するN−ヒドロキシイミドを製造する方法で
あって、反応を40〜65℃の温度で行うことを特徴と
するN−ヒドロキシイミドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000235025A JP2002047270A (ja) | 2000-08-02 | 2000-08-02 | N−ヒドロキシイミドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000235025A JP2002047270A (ja) | 2000-08-02 | 2000-08-02 | N−ヒドロキシイミドの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002047270A true JP2002047270A (ja) | 2002-02-12 |
Family
ID=18727303
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000235025A Withdrawn JP2002047270A (ja) | 2000-08-02 | 2000-08-02 | N−ヒドロキシイミドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002047270A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8658804B2 (en) | 2009-04-01 | 2014-02-25 | Exxonmobil Chemical Patents Inc. | Process for preparing N-substituted cyclic imides |
CN106831535A (zh) * | 2016-12-19 | 2017-06-13 | 南京红宝丽醇胺化学有限公司 | 一种低腐蚀生产n‑羟基邻苯二甲酰亚胺的方法 |
WO2017204935A1 (en) | 2016-05-26 | 2017-11-30 | Exxonmobil Chemical Patents Inc. | Production of cyclic imides suitable for oxidation catalysis |
WO2017204936A1 (en) | 2016-05-26 | 2017-11-30 | Exxonmobil Chemical Patents Inc. | Production of cyclic imides suitable for oxidation catalysis |
WO2018075176A1 (en) | 2016-10-18 | 2018-04-26 | Exxonmobil Chemical Patents Inc. | Cyclic imide slurry compositions |
-
2000
- 2000-08-02 JP JP2000235025A patent/JP2002047270A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8658804B2 (en) | 2009-04-01 | 2014-02-25 | Exxonmobil Chemical Patents Inc. | Process for preparing N-substituted cyclic imides |
WO2017204935A1 (en) | 2016-05-26 | 2017-11-30 | Exxonmobil Chemical Patents Inc. | Production of cyclic imides suitable for oxidation catalysis |
WO2017204936A1 (en) | 2016-05-26 | 2017-11-30 | Exxonmobil Chemical Patents Inc. | Production of cyclic imides suitable for oxidation catalysis |
US11014883B2 (en) | 2016-05-26 | 2021-05-25 | Exxonmobil Chemical Patents Inc. | Production of cyclic imides suitable for oxidation catalysis |
US11161812B2 (en) | 2016-05-26 | 2021-11-02 | Exxonmobil Chemical Patents Inc. | Production of cyclic imides suitable for oxidation catalysis |
WO2018075176A1 (en) | 2016-10-18 | 2018-04-26 | Exxonmobil Chemical Patents Inc. | Cyclic imide slurry compositions |
US10584096B2 (en) | 2016-10-18 | 2020-03-10 | Exxonmobil Chemical Patents Inc. | Cyclic imide slurry compositions |
CN106831535A (zh) * | 2016-12-19 | 2017-06-13 | 南京红宝丽醇胺化学有限公司 | 一种低腐蚀生产n‑羟基邻苯二甲酰亚胺的方法 |
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