JP2004352675A - ジカルバモイルジカルボン酸の製造方法 - Google Patents

ジカルバモイルジカルボン酸の製造方法 Download PDF

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JP2004352675A JP2003153885A JP2003153885A JP2004352675A JP 2004352675 A JP2004352675 A JP 2004352675A JP 2003153885 A JP2003153885 A JP 2003153885A JP 2003153885 A JP2003153885 A JP 2003153885A JP 2004352675 A JP2004352675 A JP 2004352675A
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素朗 礒川
Mitsuaki Senda
光昭 千田
Shigeyoshi Mita
成良 三田
Sunao Nagai
直 永井
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Abstract

【課題】新規なジカルバモイルジカルボン酸およびその塩の製造方法を提供すること。
【解決手段】一般式(1):
【化1】
Figure 2004352675

(式中、Aは炭素数4から20の4価の脂環式炭化水素基を示し、またRとRは、いずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がアルコキシカルボニル基を示し、RとRは、いずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がアルコキシカルボニル基を示す。)
で表されるジアルコキシカルボニルジカルボン酸またはその塩と、アンモニアを反応させることにより、一般式(2):
【化2】
Figure 2004352675

(式中、Aは一般式(1)で定義した通り。またRとRは、いずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がカルバモイル基を示し、RとRは、いずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がカルバモイル基を示す。)
で表される脂環式ジカルバモイルジカルボン酸およびその塩を製造する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は樹脂原料、樹脂添加剤として有用なジアミノジカルボン酸の合成中間体である新規なジカルバモイルジカルボン酸の製造方法、並びに該ジカルバモイルジカルボン酸塩の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
脂環式モノカルバモイルモノカルボン酸の合成法としては、脂環式ジカルボン酸無水物をアンモニア水中でアミド化する方法が知られているが(特許文献1および2)、原料である脂環式酸無水物を合成するためには、対応する芳香族酸無水物を、一旦、芳香族カルボン酸またはエステルに導いた後に水素化し、再度閉環して脂環式酸無水物にしなければならず(特許文献3、特許文献4および非特許文献1)、ステップ数が長いという問題点があった。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−128840号公報
【0004】
【特許文献2】
特開平9−241227号公報
【0005】
【特許文献3】
特開平3−176484号公報
【0006】
【特許文献4】
特公平7−23339号公報
【0007】
【非特許文献1】
J.Org.Chem.,31,3438(1966)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、特にポリイミド原料の合成中間体として有用な新規なジカルバモイルジカルボン酸の製造方法、並びに該ジカルバモイルジカルボン酸塩の製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、芳香族テトラカルボン酸のハーフエステルであるジアルコキシカルボニルジカルボン酸の芳香環を水素化した後、アルコキシカルボニル基を直接カルバモイル基に誘導することにより、従来の方法よりも少ないステップ数でジカルバモイルジカルボン酸およびその塩を製造する新規な製造法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、
[1]一般式(1):
【0011】
【化7】
Figure 2004352675
【0012】
(式中、Aは炭素数4から20の4価の脂環式炭化水素基を示し、またRとRは、いずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がアルコキシカルボニル基を示し、RとRは、いずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がアルコキシカルボニル基を示す。)
で表されるジアルコキシカルボニルジカルボン酸またはその塩とアンモニアを反応させることを特徴とする、一般式(2):
【0013】
【化8】
Figure 2004352675
【0014】
(式中、Aは一般式(1)で定義した通り。またRとRは、いずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がカルバモイル基を示し、RとRは、いずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がカルバモイル基を示す。)
で表される脂環式ジカルバモイルジカルボン酸およびその塩の製造方法。
[2]一般式(1)において
【0015】
【化9】
Figure 2004352675
【0016】
で表される脂環式炭化水素基が、下記一般式(3):
【0017】
【化10】
Figure 2004352675
【0018】
(式中、mおよびnはそれぞれ独立に0から2までの整数を示す。)、
下記一般式(4):
【0019】
【化11】
Figure 2004352675
【0020】
(式中、Bは炭素数1から5の2価の炭化水素基、酸素原子または硫黄原子を示し、2価の炭化水素基はハロゲン原子で置換されていても良い。)、
または下記一般式(5):
【0021】
【化12】
Figure 2004352675
【0022】
(式中、Dは単結合または炭素数1〜8の2価の炭化水素基、酸素原子、硫黄原子、または−D−として−CO−,−SO−を示し、2価の炭化水素基はハロゲン原子で置換されていてもよい。)
で表されることを特徴とする[1]記載の方法である。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に本発明について詳細に説明する。
一般式(1)で表されるジアルコキシカルボニルジカルボン酸においてRとRは、いずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がアルコキシカルボニル基を示し、RとRはいずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がアルコキシカルボニル基を示す。
【0024】
また、一般式(2)で表されるジカルバモイルジカルボン酸およびその塩において、RとRは、いずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がカルバモイル基を示し、RとRは、いずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がカルバモイル基を示す。
【0025】
一般式(1)および(2)中、Aで表される炭素数4から20の4価の脂環式炭化水素基には、単環式脂肪族炭化水素基、架橋環式脂肪族炭化水素基、および環集合脂肪族炭化水素基が包含され、それぞれの好ましい基としては、前記一般式(3)、(4)および(5)で表される基が挙げられる。
【0026】
一般式(4)中、−B−の炭素数1から5の2価の炭化水素基としては、より具体的には下記一般式(6)および(7)
【0027】
【化13】
Figure 2004352675
【0028】
(一般式(6)および(7)中のRとR10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または炭素数1から6のアルキル基を示し、アルキル基はハロゲン原子で置換されていても良く、pは1から3の整数を示す。)が挙げられる。
【0029】
一般式(6)および(7)において、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を挙げることができる。
およびR10の炭素数1から6のアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状および環状のものが包含され、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、へキシル基およびシクロヘキシル基などを挙げることができる。
およびR10のハロゲン原子で置換されたアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基などを挙げることができる。
【0030】
一般式(5)中、Dの炭素数1〜8の2価の炭化水素基には、直鎖状、分岐鎖状および環状のものが包含され、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ジメチルメチレン基、シクロヘキシレン基などを挙げることができる。
また、Dのハロゲンで置換された炭化水素基としては、例えば、ジフルオロメチレン基、ビス(トリフルオロメチル)メチレン基などを挙げることができる。
また、Dは単結合であってもよい。
【0031】
一般式(1)中、アルコキシカルボニル基とは、一般式(8):
【0032】
【化14】
Figure 2004352675
【0033】
(式中、R11は炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
で表される基である。
【0034】
一般式(8)中、R11の炭素数1〜5のアルキル基としては、直鎖状および分岐鎖状のものが包含され、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基が挙げられる。
【0035】
一般式(1)および(2)で表される化合物には、それぞれR、R、R、RおよびR、R、R、Rの立体的な位置関係に基づく立体異性体が存在するが、一種類の立体異性体から構成されていても、あるいは複数の立体異性体の混合物から構成されていても良い。
【0036】
一般式(1)および(2)で表される化合物の塩としては、当該化合物のカルボキシル基と塩基との反応により生成したカルボン酸塩が包含される。
一般式(1)および(2)で表される化合物と塩基との反応により生成したカルボン酸塩としては、カルボン酸の金属塩および非金属塩が包含される。
【0037】
金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、鉄塩、銀塩、銅塩、水銀塩などを挙げることができる。
また非金属塩としては、アンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、ピリジニウム塩などを挙げることができる。
一般式(1)および(2)で表される化合物と対イオンとの組成比は、当量もしくは任意の値であっても良い。
【0038】
[ジカルバモイルジカルボン酸の製造方法]
次に、一般式(2)で表されるジカルバモイルジカルボン酸およびその塩の製造方法について説明する。
ジカルバモイルジカルボン酸の原料であるジアルコキシカルボニルジカルボン酸は、対応する芳香族テトラカルボン酸二無水物をハーフエステル化して得られるジアルコキシカルボニルジカルボン酸の水素化反応により容易に製造できる。
【0039】
ジカルバモイルジカルボン酸は、一般式(1)で表されるジアルコキシカルボニルジカルボン酸にアンモニアを反応させることにより製造できる。
アンモニアとしては、アンモニアガス、アンモニア水、液体アンモニアを挙げることができる。
アンモニア水を使用する場合は、市販されているアンモニア含量10%、25〜28%および、28〜30%のもののほか、1%〜反応温度の飽和濃度まで適宜調整したものを使用することができる。
【0040】
アンモニアガスを使用する場合は反応溶媒を使用し、溶媒中にアンモニアガスを導入して用いることが好ましいが、アンモニア雰囲気(気流下)にて反応を行っても良い。アンモニアガスは、市販されている99.9〜100%のもののほか、窒素、アルゴンあるいは空気などとの混合物の形でも良い。
アンモニア水および液体アンモニアを使用する場合には、有機溶媒として併用しても良いし、有機溶媒を使用せずそれぞれを溶媒兼用として用いても良い。
【0041】
本反応に用いるアンモニアの使用量は、一般式(1)で表されるジアルコキシカルボニルジカルボン酸に対して、1〜500倍モル、好ましくは2〜10倍モルである。
【0042】
本反応に用いる溶媒としては、原料、生成物およびアンモニアに対して不活性な溶媒であれば良く、例えば、水;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;アセトニトリルなどのニトリル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;ジメチルスルホキシドなどの含硫黄溶媒;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどを挙げることができる。
【0043】
これらの溶媒は単独あるいは混合物として使用され、混合物として用いる場合、任意の比で使用できる。なお原料のジアルコキシカルボニルジカルボン酸は、反応溶媒に溶解させて反応してもよいし、スラリー状態で反応させてもよい。
【0044】
反応溶媒の使用量は特に限定されないが、原料のジアルコキシカルボニルジカルボン酸1gに対して、1〜1000g、好ましくは1〜100gの範囲である。
水と相溶しない有機溶媒と水溶液を反応溶媒として選択した場合は、テトラブチルアンモニウム塩(例えば硫酸水素テトラブチルアンモニウム)などの相間移動触媒を共存させても良い。
【0045】
反応温度は、通常−20℃から溶媒の沸点までの温度範囲で実施される。
反応時間は特に限定されず、原料、反応条件等に応じて適宜決められるが、通常10分〜100時間である。
【0046】
ジカルバモイルジカルボン酸の単離方法については特に限定されないが、生成物が反応溶媒から析出した場合は、濾取もしくは遠心分離することによって単離が可能であり、反応溶媒に溶解している場合は、減圧下溶媒を溜去する方法や適当な貧溶媒を加えて析出させ、濾取もしくは遠心分離する方法が採用可能である。また常法に従って、塩基と処理することにより、前記の塩を形成させて上記の操作を行っても良く、これらの方法を組み合わせて実施しても良い。
【0047】
さらに精製を必要とする場合は、常法としてよく知られている方法が採用でき、蒸留精製法、再結晶法、カラムクロマトグラフィー法、スラッジ処理および活性炭処理などを挙げることができる。
【0048】
再結晶法、カラムクロマトグラフィー法、スラッジ処理および活性炭処理に用いる溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;アセトニトリルなどのニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;ギ酸、酢酸などのカルボン酸類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;ジメチルスルホキシドなどの含硫黄溶媒;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどを挙げることができる。
【0049】
なお水としては、塩酸、酢酸などの水溶液類を用いてもよい。これらの溶媒は単独あるいは混合物として使用され、混合物として用いる場合、任意の比で使用できる。
再結晶、スラッジ処理および活性炭処理時の溶媒の使用量は、ジカルバモイルジカルボン酸1gに対して、1〜1000g、好ましくは1〜300gの範囲である。
【0050】
また、ジカルバモイルジカルボン酸を、カルボキシル基保護誘導体に導いた後、上記の精製を行い、脱保護しても良い。カルボキシル基保護誘導体としては、例えば、ジメチルエステル体、ジエチルエステル体、ジベンジルエステル体などのエステル体が挙げられる。
【0051】
[ジアミノジカルボン酸の製造]
本願発明の方法により得られるジカルバモイルジカルボン酸は、それから製造されるテトラカルボン酸ジイミド、または前記ジカルバモイルジカルボン酸を、ホフマン(Hofmann)転位させることにより、樹脂原料として有用なジアミノジカルボン酸に変換することが可能である。以下、テトラカルボン酸ジイミド及びジアミノジカルボン酸の製造方法について説明する。
【0052】
[テトラカルボン酸ジイミドの製造]
ジカルバモイルジカルボン酸を脱水することによって下記一般式(9):
【0053】
【化15】
Figure 2004352675
【0054】
(式中、Aは一般式(1)で定義した通り)
で表されるジイミド体またはその塩を製造することができる。また、本イミド体は前記ジカルバモイルジカルボン酸の製造法における反応の際に生成することがある。
【0055】
ジカルバモイルジカルボン酸の脱水反応に用いる溶媒としては、原料、生成物およびアンモニアに対して不活性な溶媒であれば良く、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;アセトニトリルなどのニトリル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;ジメチルスルホキシドなどの含硫黄溶媒;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどを挙げることができる。
【0056】
これらの溶媒は単独あるいは混合物として使用され、混合物として用いる場合、任意の比で使用できる。なお原料のジカルバモイルジカルボン酸は、反応溶媒に溶解させて反応してもよいし、スラリー状態で反応させてもよい。
反応溶媒の使用量は特に限定されないが、原料のジカルバモイルジカルボン酸1gに対して、1〜1000g、好ましくは1〜100gの範囲である。
【0057】
反応温度は、通常−20℃から溶媒の沸点までの温度範囲で実施される。
反応時間は特に限定されず、原料、反応条件等に応じて適宜決められるが、通常10分〜100時間である。
【0058】
脱水反応の際に触媒を用いても良い。触媒としては、脱水反応を生起させるものであれば特に限定はないが、例えばTiCl、TiCl(Oi−Pr)、TiCl(Oi−Pr)、SnCl、n−BuSnO、スタノセンなどが挙げられる。
触媒の使用量は特に限定されないが、一般式(2)で表されるジカルバモイルジカルボン酸100gに対して、0.001〜100g、好ましくは0.05〜50gの範囲である。
【0059】
イミド体の単離方法については特に限定されないが、生成物が反応溶媒から析出した場合は、濾取もしくは遠心分離することによって単離が可能であり、反応溶媒に溶解している場合は、減圧下溶媒を溜去する方法や適当な貧溶媒を加えて析出させ、濾取もしくは遠心分離する方法が採用可能である。
【0060】
さらに精製を必要とする場合は、常法としてよく知られている方法が採用でき、蒸留精製法、再結晶法、カラムクロマトグラフィー法、スラッジ処理および活性炭処理などを挙げることができる。
【0061】
再結晶法、カラムクロマトグラフィー法、スラッジ処理および活性炭処理に用いる溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;アセトニトリルなどのニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;ギ酸、酢酸などのカルボン酸類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;ジメチルスルホキシドなどの含硫黄溶媒;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどを挙げることができる。
【0062】
なお水としては、塩酸、酢酸、アンモニア水などの水溶液類を用いてもよい。これらの溶媒は単独あるいは混合物として使用され、混合物として用いる場合、任意の比で使用できる。
【0063】
[ジアミノジカルボン酸の製造方法]
ジアミノジカルボン酸は、一般式(2)で表されるジカルバモイルジカルボン酸、または一般式(9)で表されるジイミド体をホフマン(Hofmann)転位させることにより合成が可能である。
ここでホフマン転位とは、酸アミドまたはイミドから炭素の1個少ない第一級アミンが生成する反応で、アルキル基またはアリール基が炭素から窒素に転位して進行することを特徴とする。
【0064】
ホフマン転位において、使用される反応試剤としては、ホフマン転位を生起させる試剤であればよく、従来公知のもの例えば、次亜塩素酸塩、次亜臭素酸塩および[I,I−ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン、(I,I−ビスアセトキシ)ヨードベンゼンなどの有機ヨード化合物を挙げることができる。
【0065】
次亜塩素酸塩および次亜臭素酸塩としては、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウムなどが挙げられる。これらは、塩素と水酸化ナトリウム、塩素とナトリウムメトキシド、塩素と水酸化カリウム、臭素と水酸化ナトリウム、臭素とナトリウムメトキシド、臭素と水酸化カリウムなどから反応液中で調製して使用しても良い。
【0066】
反応試剤の使用量は、一般式(2)で表されるジカルバモイルジカルボン酸もしくはその塩、または一般式(9)で表されるジイミド体に対して、1〜20倍モル、好ましくは1.4から10倍モル、より好ましくは1.5〜5倍モルの範囲である。なお次亜塩素酸塩水溶液を反応溶媒の一つとして使用する場合は、この範囲に限定されず、反応溶媒として使用しても良い。
【0067】
ホフマン転位に用いる溶媒としては、原料および生成物に対して不活性な溶媒であれば良く、例えば、水;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;アセトニトリルなどのニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;ジメチルスルホキシドなどの含硫黄溶媒;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどを挙げることができる。
【0068】
なお水としては、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液などの塩基性水溶液を用いても良い。
これらの溶媒は単独あるいは混合物として使用され、混合物として用いる場合、任意の比で混合して使用できる。なお原料のジカルバモイルジカルボン酸およびジイミド体は、反応溶媒に溶解させてもよいし、スラリー状態で反応させてもよい。
【0069】
反応溶媒の使用量は特に限定されないが、原料のジカルバモイルジカルボン酸またはジイミド体1gに対して、1〜1000gの範囲である。
水と相溶しない有機溶媒と水溶液を反応溶媒として選択した場合は、テトラブチルアンモニウム塩(例えば硫酸水素テトラブチルアンモニウム)などの相間移動触媒を共存させても良い。
【0070】
反応温度は、通常−20℃から溶媒の沸点までの温度範囲で実施される。
反応時間は特に限定されず、原料、反応条件に応じて適宜決められるが、10分〜48時間である。
【0071】
ジアミノジカルボン酸の単離方法については、特に限定はされないが、生成物が反応溶媒から析出した場合は、濾取もしくは遠心分離することによって単離が可能であり、反応溶媒に溶解している場合は、減圧下溶媒を溜去する方法や適当な貧溶媒を加えたり、貧溶媒中に反応液を排出するなどして、濾取もしくは遠心分離する方法が採用可能である。
【0072】
さらに精製を必要とする場合は、常法としてよく知られている方法が採用でき、再結晶法、電気泳動法、スラッジ処理および活性炭処理などを挙げることができる。
【0073】
再結晶法、スラッジ処理および活性炭処理に用いる溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;アセトニトリルなどのニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;ギ酸、酢酸などのカルボン酸類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;ジメチルスルホキシドなどの含硫黄溶媒;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどを挙げることができる。
【0074】
なお水としては、塩酸、酢酸、アンモニア水などの水溶液類を用いてもよい。これらの溶媒は単独あるいは混合物として使用され、混合物として用いる場合、任意の比で使用できる。
【0075】
【実施例】
以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例) ジカルバモイルビシクロヘキシルジカルボン酸(一般式(2)において、Aは一般式(5)で表される基で、Dが単結合であり、またRとRは、いずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がカルバモイル基であり、RとRは、いずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がカルバモイル基である化合物。)の製造
【0076】
ビシクロヘキシルテトラカルボン酸ジメチルエステル33.87gとN,N−ジメチルホルムアミド90gを200mlハステロイ製オートクレーブに仕込み、液体アンモニアを18.9g添加した。反応混合物を120℃で10時間攪拌ののち冷却し、析出物を濾取した。これを3%HCl水溶液200gに加え、晶析した固体を濾取、減圧乾燥して、目的物12.73gを白色結晶として得た。
H NMR(DMSO−d6)δ1.07−1.12(4H,m),1.50−1.57(6H,m),1.78−1.87(2H,m),1.99−2.04(2H,m),2.18−2.23(2H,m),3.31(2H,br),6.82(2H,br),7.27(2H,br),12.1(2H,s)
FAB−MS :341[M+H]
融点 300℃以上
【0077】
(参考例1)ビシクロヘキシルテトラカルボン酸ジイミド(一般式(9)においてAは一般式(5)で表される基で、Dが単結合である化合物。)の製造
ビシクロヘキシルテトラカルボン酸ジメチルエステル26.00gとN,N−ジメチルホルムアミド100gを200mlハステロイ製オートクレーブに仕込み、アンモニアガスを圧力が0.4MPaになるまで添加した。これらを100℃で15時間攪拌ののち冷却し、反応後の析出物(ジカルバモイルジカルボン酸アンモニウム塩)を濾別した。濾液にメタノール100gを添加し、晶析した固体を濾取、減圧乾燥して、ジイミド体5.99gを白色結晶として得た。
H NMR(DMSO−d6)δ1.72−1.06(4H,m),1.07−1.30(2H,m),1.35−1.62(4H,m),1.80−2.05(4H,m),2.61−2.83(2H,m),2.85−3.02(2H,m),10.89(2H,s)
FD−MS:305[M+H]
【0078】
(参考例2)
ビシクロヘキシルテトラカルボン酸ジメチルエステル6.62g、酸化ジ−n−ブチルすず0.355gと15%アンモニア性メタノール37.55gを80mlハステロイ製オートクレーブに仕込み、これらを100℃で24時間攪拌ののち冷却し、反応後の析出物を濾取した。これに3%塩酸を添加し、晶析した固体を濾取、減圧乾燥して、ジイミド体を白色結晶として得た。
【0079】
【発明の効果】
本発明により、樹脂原料、樹脂添加剤の合成中間体である、新規ジカルバモイルジカルボン酸の工業的に有利な製造方法を提供できる。

Claims (2)

  1. 一般式(1):
    Figure 2004352675
    (式中、Aは炭素数4から20の4価の脂環式炭化水素基を示し、またRとRは、いずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がアルコキシカルボニル基を示し、RとRは、いずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がアルコキシカルボニル基を示す。)
    で表されるジアルコキシカルボニルジカルボン酸またはその塩とアンモニアを反応させることを特徴とする、一般式(2):
    Figure 2004352675
    (式中、Aは一般式(1)で定義した通り。またRとRは、いずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がカルバモイル基を示し、RとRは、いずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がカルバモイル基を示す。)
    で表される脂環式ジカルバモイルジカルボン酸およびその塩の製造方法。
  2. 一般式(1)において
    Figure 2004352675
    で表される脂環式炭化水素基が、下記一般式(3):
    Figure 2004352675
    (式中、mおよびnはそれぞれ独立に0から2までの整数を示す。)、
    下記一般式(4):
    Figure 2004352675
    (式中、Bは炭素数1から5の2価の炭化水素基、酸素原子または硫黄原子を示し、2価の炭化水素基はハロゲン原子で置換されていても良い。)、
    または下記一般式(5):
    Figure 2004352675
    (式中、Dは単結合または炭素数1〜8の2価の炭化水素基、酸素原子、硫黄原子、または−D−として−CO−,−SO−を示し、2価の炭化水素基はハロゲン原子で置換されていてもよい。)
    で表されることを特徴とする請求項1記載の方法。
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JP2007284414A (ja) * 2005-06-01 2007-11-01 Mitsubishi Chemicals Corp テトラカルボン酸又はそのポリエステルイミド、及びその製造方法

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