JPH06104096B2 - 電気掃除機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ） 産業上の利用分野 本発明は電動送風機の排気流を利用して集塵室内に捕捉
されたダニ等の有害微生物を殺傷するようにした電気掃
除機に関する。

（ロ） 従来の技術 部屋の掃除により塵埃と共に吸い込んだダニ等の有害微
生物は、通常は集塵室内のフィルターでろかされて電気
掃除機外に排出されることはないが、集塵室内で繁殖す
るおそれがあり、これを防止するためにも殺傷する必要
がある。そして前記有害微生物は約50℃の熱風を当てる
と殺傷できることが知られており、有害微生物を殺傷す
るために、電動送風機の排気流を集塵室に循環して集塵
室内を加熱するようにした電気掃除機が知られている
（特公昭64-7774号公報参照）。

しかし乍ら、この従来技術によれば、掃除機本体に接続
された吸込ホースの先端を電動送風機の排気側に接続す
ることにより電動送風機の排気流を集塵室内に循環する
循環通路を形成しているので、循環通路が長くなって加
熱効率が悪くなり、また掃除機本体だけでは有害微生物
を殺傷できない欠点がある。

（ハ） 発明が解決しようとする課題 本発明は簡単な構成の掃除機本体により電動送風機の排
気流を集塵室に循環させて集塵室を加熱効率良く加熱
し、有害微生物を効率良く殺傷すると共に、この排気流
の循環用の通路を掃除機本体の下部空間を有効に利用し
て、簡単な構造で組み込んだ電気掃除機を得ることを目
的としている。

（ニ） 課題を解決するための手段 本発明は、下ケース及び上ケースから構成される本体ケ
ースと、該本体ケース内に形成され、吸込口部を有する
集塵室と、該集塵室に連通して本体ケース内に形成さ
れ、電動送風機を内蔵する収納室と、前記吸込口部を閉
塞する閉塞手段と、前記吸込口部の閉塞状態で、吸込口
部と収納室の電動送風機排気側とを連通する通路とを備
え、前記通路を介して電動送風機の排気を集塵室に循環
させ、集塵室内をダニ等の有害微生物を殺傷させる温度
に加熱する電気掃除機において、前記通路は少なくとも
その一部を、下ケース底面に収納室から集塵室にわたっ
て形成した凹溝と、該凹溝を本体ケース外側から着脱自
在に被うカバー体とから構成したことを特徴とする。

（ホ） 作用 上記構成により、掃除時には吸込口部に接続された吸込
ホースから塵埃やダニ等の有害微生物が集塵室内に吸い
込まれて貯溜される。

掃除終了後に、吸込口部を閉塞手段により閉塞して電動
送風機を作動させると、電動送風機の排気流が通路を介
して集塵室に循環し、排気流の排熱により集塵室内の温
度を、有害微生物の殺傷温度である50℃以上に加熱す
る。

（ヘ） 実施例 以下、本発明の電気掃除機を図面に示す実施例に基き説
明する。

（１）はキャニスター型の掃除機本体（２）の本体ケー
スで、本体上ケース（３）と本体下ケース（４）とから
なり、前部には上面開口（５）の集塵室（６）を有し、
後部には該集塵室（６）に連通すると共に後壁に排気口
（７）を穿設した送風機収納室（８）を有し、さらに上
部には小物部品収納室（９）を有している。（10）は前
記集塵室（６）の上面開口（５）を開閉自在に覆う集塵
蓋で、後部を前記本体上ケース（３）前部に回動自在に
枢支し、前部を係止爪（11）により前記本体下ケース
（４）に固定するようになっている。

（12）は前記送風機収納室（８）内に収納される電動送
風機で、ファンケース（12a）を環状緩衝体（13）を介
して前記本体上ケース（３）と本体下ケース（４）の間
に挾持することにより、吸気側（14）と排気側（15）と
をシールして固定されており、吸気側（14）は前記集塵
室（６）に、排気側（15）は前記排気口（７）に夫々連
通している。

（16）は前記本体下ケース（４）の前方側面に固定され
る前方覆い体で、吸込ホース（17）を着脱自在に挿入接
続すると共に前記集塵室（６）に連通する筒状の吸込口
部（18）を備えており、この吸込口部（18）の下部側面
に循環出口（19）が下向きに形成されている。従って該
循環出口（19）は前記吸込口部（18）に吸込ホース（1
7）が挿入接続しているときは閉塞され、挿入されてい
ないときは開放される。さらに（20）は前記吸込口部
（18）のシールパッキングである。

（21）は、前記上面開口（５）から集塵室（８）内に収
納される紙袋フィルターで、該紙袋フィルター（21）は
ダニ等の有害微生物を通過しない通気性の紙袋からなっ
ており、その口板（21a）を前記シールパッキング（2
0）に密着することにより前記吸込口部（18）に連通し
て集塵室（６）内に取り付けられる。

（22）は、前記本体下ケース（４）の上面開口（５）縁
に沿って、設けられたバンパー体である。

（23）（23）は前記本体下ケース（４）の後部左右に軸
支装着した一対の後車輪、（24）（24）は前記本体下ケ
ース（４）の下面底部（4a）の前部左右両側に軸支装着
した一対の自在前車輪で、該自在前車輪（24）は前記本
体下ケース（４）の軸支軸に回転自在に軸支される自在
車輪受（25）と、この自在車輪受（25）に軸支される車
輪体（26）とからなる。

（27）は前記本体下ケース（４）の下面底部（4a）の前
記送風機収納室（８）底部分に、前記電動送風機（12）
の排気側（15）と連通させて穿設した開口である循環入
口である。

（28）は、前記電動送風機（12）の排気流を集塵室
（６）に循環するために、前記循環入口（27）から前記
下面底部（4a）を通過して前記吸込口部（18）に連絡す
る循環通路で、前記下面底部（4a）の外側面に、前記循
環入口（27）から、前記前車輪（24）（24）の間を通過
して下面底部（4a）前端まで形成された凹溝（29）と該
凹溝（29）を覆うように取付螺子（30）により着脱自在
に装着される断面Ｕ字型の凹溝カバー体（31）とで構成
される第１循環路（32）と、該第１循環路（32）に連通
すると共に前記吸込口部（18）の循環出口（19）に通路
パッキング（33）を介して連通される筒状の第２循環路
（34）とから構成される。前記凹溝カバー体（31）は、
前記下面底部（4a）から下向きに少許突出した状態で前
記凹溝（29）に取り付けられ、また前記第２循環路（3
4）も、前記下面底部（4a）から全面側部にわたって本
体下ケース（４）から突出して取り付けられることで、
前記循環通路（28）が、本体下ケース（４）から突出し
て形成されている。そして該循環通路（28）が、掃除時
において走行時に障害物に先ず当たって本体下ケース
（４）を保護し、また自在前車輪（24）による敷居乗越
後の衝撃を受ける緩衝部材としての役目を果たし、さら
に前記凹溝カバー体（31）や第２循環路（34）は破損し
ても簡単に取り替えができるようになっている。

また前記循環通路（28）は、前記排気側（15）と吸込口
部（18）を最も短距離で連通しており、さらに本体下ケ
ース（４）の下面底部（4a）部分に形成しているので掃
除機本体（１）の下部空間を有効に利用できると共に、
掃除時に循環通路（28）が使用者から見えず、目立たな
いものである。

（35）はダニ等の有害微生物の殺傷のために、前記吸込
口部（18）にアタッチメント部材として着脱自在に装着
される栓体で、前記潤滑出口（19）に通路パッキング
（33）を介して連通される側部開口（36）を穿設した下
底開口の連通路（37）を有している。（38）は前記連通
路（37）の底部に、感温部（38a）を前記連通路（37）
に露出させて取り付けたバイメタル式温度感知スイッ
チ、（39）はリセットボタン、（40）はリセットボタン
（39）の付勢用スプリングである。そして前記温度感知
スイッチ（38）は前記リセットボタン（39）を押圧すれ
ばオンすると共に、前記連通路（37）内を通過する排気
流の温度が、ダニ等の有害微生物の殺傷温度である50℃
以上で、且つ掃除機本体を構成する合成樹脂に熱変形等
の熱影響を与えない温度である60℃の設定温度になった
ことを感温部（38a）が感知したときにオフする構成で
ある。さらに前記温度感知スイッチ（38）は前記栓体
（35）の前記吸込口部（18）への装着状態で、前記吸込
口部（18）に設けられたリモコン端子受（41）に電気的
接続される。

また第７図に示す電気回路図において、（42）は掃除機
本体（１）内に収納される電動送風機（12）の制御回路
部で、前記吸込ホース（17）の手元パイプに設けられた
手元操作部（43）あるいは前記温度感知スイッチ（38）
がリモコン端子受（41）を介して選択的に接続される。

そして掃除時には第３図に示す如く吸込ホース（17）を
吸込口部（18）に挿入接続するが、この状態で、前記循
環出口（19）が閉塞されるので、電動送風機（12）の排
気流は集塵室（６）に循環せず、排気口（７）から排出
され、従って吸込ホース（17）から塵埃と共に吸い込ん
だダニ等の有害微生物は集塵室（６）の紙袋フィルター
（21）内に貯留される。

掃除終了後に前記有害微生物を殺傷するには、吸込ホー
ス（17）の代わりに第１図に示す如く栓体（35）を吸込
口部（18）に装着して吸込口部（18）を閉塞し、その後
リセットボタン（39）を押圧すると温度感知スイッチ
（35）がオンして電動送風機（12）が作動する。すると
集塵室（６）内が負圧になるので、電動送風機（12）の
排気流が循環通路（28）を介して集塵室（６）に循環
し、該排気流の排熱により前記集塵室（６）内の温度が
上昇して50℃以上になると紙袋フィルター（21）内の有
害微生物が殺傷され、その後感温部（38a）が60℃を検
知すると温度感知スイッチ（38）がオフして電動送風機
（12）を停止して終了するものである。

このとき、前記循環通路（28）は、本体下ケース（４）
の下面底部（4a）に設けた循環入口（27）から前記下面
底部（4a）を通過して吸込口部（18）に連絡しているの
で、排気流の循環用通路長が短くなり、集塵室（６）内
の加熱効率が良くなって、掃除機本体（１）に栓体（3
5）を装着するのみで、短時間で有害微生物を殺傷でき
る。

さらに、循環通路（28）は本体下ケース（４）の下面底
部（4a）部分に設けてあるから、掃除時等において直接
見えず、目立たないので、外形形状が簡素になり、商品
価値を高めると共に、凹溝（29）に凹溝カバー体（31）
を螺子（30）止め固定し且つ第２循環路（34）に取り付
けるだけの簡単な組立作業で、循環通路（28）を形成す
ることができる。

また、第８図、第９図は本発明電気掃除機の他の実施例
を示しており、同図において、本体下ケース（４）の下
面底部（4a）の前部中央には自在前車輪（24）が軸支装
着してある。本体下ケース（４）の循環入口（27）と前
記吸込口部（18）とを連結する循環通路（50）は前記自
在前車輪（24）を迂回するように形成してあり、前記循
環入口（27）から前記自在前車輪（24）を迂回して形成
した屈曲型凹溝（51）と、該凹溝（51）を覆う屈曲型凹
溝カバー体（52）とからなる第１循環路（53）と、該第
１循環路（53）と前記吸込口部（18）の循環出口（19）
とを連通する第２循環路（54）とから構成されている。
従ってこの循環通路（50）も、排気流の循環用通路長が
短くなって集塵室（６）内の加熱効率がよく、また本体
下ケース（４）の下面底部（4a）部分にあって、目立た
ないと共に、構成が簡単で、簡単な組立作業で形成でき
る。

（ト） 発明の効果 以上の如く、本発明によれば、掃除機本体に電動送風機
の排気側と集塵室とを連通する排気循環用の通路を形成
しているから、電動送風機の排気流が集塵室内に効率よ
く循環され、集塵室内の加熱効率がよくなって集塵室内
に捕捉された有害微生物を短時間で殺傷させることがで
きる。

また、排気循環用の通路は、本体ケース底面に形成した
から、掃除機本体の下部空間を有効に利用できると共
に、通路が掃除時等において使用者から見えず、外観性
を向上させて商品価値を高めることができる。

さらに、排気循環用の通路は、本体ケースの下ケース底
面に収納室から集塵室にわたって形成した凹溝と、凹溝
を本体ケース外側から着脱自在に被うカバー体とから構
成したので、車輪の位置等に応じて屈曲した形状に形成
することができ、様々な形状の本体ケースに採用するこ
とができる。また、敷居等の段差を乗り越える際などの
衝撃で、通路を構成するカバー体が破損した場合などで
も容易に交換することができると共に、通路の保守点検
を容易に行うことができる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明電気掃除機の実施例に関し、第１図は縦断
面図、第２図は斜視図、第３図は掃除状態の縦断面図、
第４図は掃除機本体の底面図、第５図は第４図Ａ−Ａ断
面図、第６図は第４図Ｂ−Ｂ断面図、第７図は電気回路
図で、また第８図は他の実施例の底面図、第９図は第８
図Ｃ−Ｃ断面図である。 （１）……本体ケース、（２）……掃除機本体、（６）
……集塵室、（12）……電動送風機、（18）……吸気口
部、（27）……循環入口（開口）、（28）、（50）……
循環通路（通路）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】下ケース及び上ケースから構成される本体
   ケースと、該本体ケース内に形成され、吸込口部を有す
   る集塵室と、該集塵室に連通して本体ケース内に形成さ
   れ、電動送風機を内蔵する収納室と、前記吸込口部を閉
   塞する閉塞手段と、前記吸込口部の閉塞状態で、吸込口
   部と収納室の電動送風機排気側とを連通する通路とを備
   え、前記通路を介して電動送風機の排気を集塵室に循環
   させ、集塵室内をダニ等の有害微生物を殺傷させる温度
   に加熱する電気掃除機において、前記通路は少なくとも
   その一部を、下ケース底面に収納室から集塵室にわたっ
   て形成した凹溝と、該凹溝を本体ケース外側から着脱自
   在に被うカバー体とから構成したことを特徴とする電気
   掃除機。