JPH06103513A - 複合型磁気ヘッド - Google Patents

複合型磁気ヘッド

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Publication number
JPH06103513A
JPH06103513A JP27226392A JP27226392A JPH06103513A JP H06103513 A JPH06103513 A JP H06103513A JP 27226392 A JP27226392 A JP 27226392A JP 27226392 A JP27226392 A JP 27226392A JP H06103513 A JPH06103513 A JP H06103513A
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JP
Japan
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magnetic
single crystal
ferrite
thermal expansion
magnetic head
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JP27226392A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Minami
寛 南
Kunihide Sakai
邦英 酒井
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】複合型磁気ヘッドの磁気特性の改善を目的とす
る。 【構成】 磁気記録媒体との摺接面21a,21bと、
トラック幅規制溝22a,22bとが形成された前部磁
気ギャップ部分23a,23bを単結晶フェライトで構
成し、巻線溝24と後部磁気ギャップ25が形成された
後部磁気ギャップ部分26a,26bを多結晶フェライ
トで構成し、前記両フエライトを接合してなる一対のコ
ア半体27a,27bの各々の突き合わせ面28a,2
8bに成膜したCo-Zr-Ta磁性膜29a,29b同士を対
向させ、前記トラック幅規制溝22a,22bにガラス
30a,30bを充填してなる複合型磁気ヘッドにおい
て、前記Co-Zr-Ta磁性膜29a,29bは、Co: 85〜90
at%,Zr: 5〜10 at%,Ta: 6〜11 at%の組成比からなり、
前記ガラス30a,30bの熱膨張率(固着温度から室
温までの温度範囲)は、前記Co-Zr-Ta磁性膜29a,2
9bと前記単結晶フエライトの各々の熱膨脹率よりも低
く設定した複合型磁気ヘッド20。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、VTRの映像信号の記
録再生に用いる複合型磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】昨今のVTRの高画質化の要請に伴い、
映像信号の記録再生に用いる磁気ヘッドは、磁気テープ
との摺動ノイズの発生を抑えるためにMnZn単結晶フェラ
イトに代わり、MnZn単結晶フェライトとMnZn多結晶フェ
ライトを接合させた接合型MnZnフェライトが用いられて
いる。
【0003】図11は、従来の接合型磁気ヘッドの一例
を示した斜視図である。
【0004】この接合型磁気ヘッド10は、磁気テープ
との摺接面1a,1bと、トラック幅規制溝2a,2b
とが形成された前部磁気ギャップ部分3a,3bをMnZn
単結晶フェライトで構成し、一方に巻線溝4が形成され
た後部磁気ギャップ部分5a,5bをMnZn多結晶フェラ
イトで構成し、この両MnZnフエライトを接合した一対の
コア半体6a,6bを、ギャップ突き合わせ面7a,7
b同士を対向させて突き合わせ、トラック幅規制溝2
a,2bにガラス8a,8bを充填して接合したもので
あり、Gは磁気ギャップである。
【0005】また、前部磁気ギャップ部分3a,3bの
MnZn単結晶フェライトは、同図に示す如く、磁気テープ
との摺動面1a,1bを{112}面に、ギャップ突き
合わせ面7a,7bを{111}面に、摺動面1a,1
bとギャップ突き合わせ面7a,7bに隣接する磁路形
成面9を{110}面にし、且つ、この磁路形成面9上
のMnZn単結晶フェライトの結晶軸[110]が摺動面1
a,1bに向かって互いに接近する矢はず模様を描く。
即ち、MnZn単結晶フェライトの結晶軸[110]がギャ
ップ突き合わせ面7a,7bに対して角度θを形成し、
その角度θは0度<θ<90度となるように構成されて
いる。
【0006】上述した従来の接合型磁気ヘッド10は、
従来のMnZn単結晶フェライト磁気ヘッドに較べて、同等
の再生出力が得られ、摺動ノイズは低く、例えば、Sー
VHS VTRにおける輝度信号とカラー信号のC/N
は、どちらも 1 dB 以上は改善される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら昨今、こ
れまで以上の記録密度の向上を図るために磁気テープの
保磁力Hcは、これまでの 700 Oe から1000 Oe 以上に高
められている。これらの高保磁力Hcの磁気テープに情報
を十分に記録するためには、記録磁界の絶対値が大き
く、且つ、その分布の鋭い磁界を発生する磁気ヘッドが
要求される。
【0008】そのために、MnZn単結晶フェライトからな
る一対のコア半体の各々の磁気ギャップ突き合わせ面
に、MnZn単結晶フェライトより飽和磁束密度Bsの高い磁
性膜、例えば、Co-Zr-Nbアモルファス膜やFe-Si-Alセン
ダスト膜を形成し、この磁性膜を介して接合した MIG型
磁気ヘッドがある。
【0009】しかし、上述した従来の MIG型磁気ヘッド
には以下のごとき欠点がある。 (1) MIG型磁気ヘッドを構成するコア材が、MnZn単結
晶フェライトであるためにMnZn単結晶フェライト特有の
摺動ノイズが大きい。 (2)磁性膜にCo-Zr-Nbアモルフアスを用いた MIG型磁
気ヘッドでは、磁性膜の飽和磁束密度Bsが約8000 Gauss
となるので、例えば、保磁力Hcが 1400 Oeの磁気テープ
に情報を十分に書き込むには不十分である。特にカラー
信号を含む低周波数の信号の記録特性が不十分である。 (3)磁性膜にFe-SI-Alセンダストを用いた MIG型磁気
ヘッドでは、磁性膜の飽和磁束密度Bsは約 10000 Gauss
となるので、高保磁力磁気テープに映像信号を低周波数
から高周波数に亘って十分に記録できるが、Co-Zr-Nbア
モルフアス磁性膜のような非晶質膜と異なり、Fe-Si-Al
センダスト膜は結晶質であり、且つ、その熱膨張率が大
きいので、磁性膜を堆積させるコア材の表面状態によっ
て膜の内部応力が影響を受け易くなる。従って、 MIG型
磁気ヘッド製作過程において、この磁性膜の透磁率が加
工歪みなどの悪影響を受けて劣化し、再生出力特性が不
十分となる。
【0010】以上、述べたように従来の MIG型磁気ヘッ
ドでは、昨今の高保磁力磁気テープを用いて摺動ノイ
ズ、記録特性、再生特性を満足することが困難である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものであり、磁気記録媒体との摺
接面と、トラック幅規制溝とが形成された前部磁気ギャ
ップ部分をMnZn単結晶フェライトで構成し、巻線溝と後
部磁気ギャップが形成された後部磁気ギャップ部分をMn
Zn多結晶フェライトで構成し、前記両フエライトを接合
してなる一対のコア半体の各々の突き合わせ面に成膜し
たCo-Zr-Taアモルファス磁性膜同士を対向させ、前記ト
ラック幅規制溝にガラスを充填してなる複合型磁気ヘッ
ドにおいて、前記Co-Zr-Taアモルファス磁性膜は、Co:
85〜90 at%,Zr: 5〜10 at%,Ta: 6〜11 at%の組成からな
り、前記ガラスの熱膨張率(固着温度から室温までの温
度範囲)は、前記Co-Zr-Taアモルファス磁性膜と前記Mn
Zn単結晶フエライトの各々の熱膨脹率よりも低いことを
特徴とする複合型磁気ヘッドを提供するものである。
【0012】
【実施例】本発明は、昨今の高保磁力Hc(1000 Oe 以
上)の磁気テープを用いて、摺動ノイズ、記録特性、再
生特性を満足させることができる複合型磁気ヘッドを提
供するものである。
【0013】図1は、本発明による複合型磁気ヘッド2
0の一実施例の斜視図である。
【0014】同図における本発明による複合型磁気ヘッ
ド20は、磁気記録媒体との摺接面21a,21bと、
トラック幅規制溝22a,22bとが形成された前部磁
気ギャップ部分23a,23bを、例えば、52 mol% 〜
56 mol%のFe2 O 3 ,25 mol% 〜 30 mol%のMnO ,15 m
ol% 〜 21 mol%のZnO を含有する単結晶フエライトで構
成し、巻線溝24と後部磁気ギャップ25が形成された
後部磁気ギャップ部分26a,26bを52 mol% 〜 56
mol%のFe2 O 3 ,27 mol% 〜 33 mol%のMnO ,15 mol%
〜 21 mol%のZnO を含有する多結晶フエライトで構成
し、この単結晶フエライトと多結晶フエライトを接合し
て一対のコア半体27a,27bとし、この一対のコア
半体27a,27bの各々の突き合わせ面28a,28
b上に、飽和磁束密度Bsが 10000 GaussのCo-Zr-Taアモ
ルフアス磁性膜(Co:86.5 at%,Zr:7.5 at% ,Ta:6
at% )29a,29bを成膜し、このCo-Zr-Taアモルフ
アス磁性膜29a,29b同士を対向させ、トラック幅
規制溝22a,22bにガラス30a,30bを充填し
て一対のコア半体27a,27bを接合したものであ
る。
【0015】上記の如く構成された本発明による複合型
磁気ヘッド20において、本発明のの特徴であるCo-Zr-
Taアモルフアス磁性膜29a,29bと、トラック幅規
制溝22a,22bに充填するガラス30a,30bに
ついて以下に詳述する。
【0016】図2は、Co-Zr-Taアモルフアス磁性膜29
a,29bの飽和磁束密度Bsを大きく左右するCo組成濃
度と、その飽和磁束密度Bsの関係を示した図である。
【0017】同図において、高保磁力Hcの磁気テープに
映像信号を低周波数から高周波数に亘って十分に記録で
きる約 10000 Gauss以上の飽和磁束密度Bsは、Co組成濃
度が少なくとも略 85 at% 以上であることが分かる。し
かし、飽和磁束密度Bsは上昇するがCo組成濃度が 90 at
% 以上になるとアモルフアスとはならず結晶化してしま
うので90% 以下でなければならない。したがって、本発
明のCo-Zr-Taアモルフアス磁性膜29a,29bのCo組
成濃度は85〜90 at%に限定するものである。
【0018】図3は、Co-Zr-Taアモルフアス磁性膜29
a,29bの磁歪常数λsの組成三元図、図4はCo-Zr-
Taアモルファス磁性膜を用いた複合型磁気ヘッドとMnZn
単結晶フエライト磁気ヘッドの再生能力差を示した図で
ある。
【0019】図4において、(a)は磁歪常数λsの絶対
値が 2×10-6以下のCo-Zr-Taアモルファス磁性膜を用い
た複合型磁気ヘッド、 (b)は磁歪常数λsの絶対値が 2
×10-6より大きいCo-Zr-Taアモルファス磁性膜を用いた
複合型磁気ヘッドで、MnZn単結晶フエライトヘッドで記
録した信号を(a),(b)各々の複合型磁気ヘッドで再生し
た再生出力を、MnZn単結晶フエライトヘッドで記録再生
した場合を 0dBとして比較した。この結果から、磁性膜
の磁歪常数λsが大きい程、再生能力差が低くなること
が分かる。この傾向は、ほぼ磁歪常数λsの絶対値の大
きさに反比例するものである。この図示した(a)
(b)の再生能力差は、アモルファス磁性膜の磁歪常数
λsの差によるもので、磁歪常数λsの大きい磁性膜ほ
ど、 MIG型磁気ドのヘッド製造過程で入る種々の外部か
らの応力によって、この磁性膜の透磁率が低下し、それ
によって再生効率も下がり、再生出力を低下させる。従
って、Co-Zr-Taアモルファス磁性膜29a,29bの磁
歪常数λsの絶対値を 2×10-6以下にすることによって
再生出力を可能な限り大きくすることができる。図3
は、この磁歪常数λsの絶対値 2×10-6と、先に限定し
たCo組成濃度85〜90 at%との関係を示したもので、同図
よりZr,Ta 組成濃度を規定することができる。即ち、Z
r:5〜10%,Ta:6〜11% となる。
【0020】このように高保磁力磁気テープを用いるた
め要求される 10000 Gauss以上の飽和磁束密度Bsと、絶
対値が 2×10-6以下である磁歪常数λsを満足するCo-Z
r-Taアモルフアス磁性膜29a,29bの組成は、Co:
85〜90 at%,Zr: 5〜10 at%,Ta: 6〜11 at%に限定され
る。
【0021】図5は、Co-Zr-Taアモルフアス磁性膜29
a,29bが磁性を失う結晶化温度T の組成三元図であ
る。
【0022】本発明のCo-Zr-Taアモルフアス磁性膜29
a,29bの先に限定したCo: 85〜90 at%,Zr: 5〜10 a
t%,Ta: 6〜11 at%の磁性膜の結晶化温度T は、同図より
525℃以上であることが分かる。この 525℃以上である
結晶化温度T は、トラック幅規制溝22a,22bにガ
ラス30a,30bを充填する際のガラス溶融温度を上
回るもので、磁気ヘッド製造段階でCo-Zr-Taアモルフア
ス磁性膜29a,29bが磁性を失うことなく、作業を
容易とする温度である。
【0023】上述した如く、組成を限定したCo-Zr-Taア
モルファス磁性膜(Co: 85〜90 at%,Zr: 5〜10 at%,Ta:
6〜11 at%)を用いた複合型磁気ヘッドの記録特性に付
いてさらに記述する。
【0024】図6は、飽和磁束密度Bsと記録能力差(信
号書き込み能力)を示す図である。
【0025】測定評価はVHS−VTRシステムによ
り、保磁力Hcが 1400 Oeの磁気テープと、記録用ヘッド
には磁性膜の飽和磁束密度Bsを 7000 Gauss から 11000
Gaussにまで変えたトラック幅25μm、実行ギャップ幅
0.3μmの MIGヘッドを用い、再生用ヘッドには飽和磁
束密度Bsが約 5000 Gauss のMnZn単結晶フェライトヘッ
ドを用いた。同図において、記録用ヘッドの磁性膜の飽
和磁束密度Bsを 7000 Gauss,8000 Gauss,9000 Gauss,10
000 Gauss,11000 Gauss に変化させた5種類のヘッドで
記録した信号をMnZn単結晶フエライトヘッドで再生し
て、その再生出力を比較したものである。同図から、飽
和磁束が8000 Gaussである複合型磁気ヘッドと、飽和磁
束密度Bsが10000 GsのCo-Zr-Taアモルファス磁性膜を用
いた複合型磁気ヘッドは、例えばカラー信号領域の 630
KHzでは 2.0 dB も記録特性が改善されることが分る。
【0026】更に、本発明の複合型磁気ヘッド20の特
徴であるガラス30a,30bの熱膨張率αgについて
詳述する。
【0027】本発明の複合型磁気ヘッド20のトラック
幅規制溝22a,22bに充填したガラス30a,30
bは、熱膨張率αgが86×10-7/℃の鉛系のものであ
る。また、、このガラス30a,30bの固着温度(50
0 ℃)から室温までの温度範囲におけるCo-Zr-Taアモル
フアス磁性膜29a,29bの熱膨脹率αtは 100×10
-7/℃であり、MnZn単結晶フエライトの熱膨脹率αfは
115×10-7/℃である。
【0028】図7は、本発明の複合型磁気ヘッド20の
再生出力比を示す図であり、ガラス30a,30bの熱
膨張率を、MnZn単結晶フエライトとCo-Zr-Taアモルファ
ス磁性膜29a,29bの熱膨張率に対する熱膨張率比
で表し、それぞれにおける周波数 7 MHzでの自己録再生
出力の結果を示したものである。
【0029】同図から、ガラス30a,30bの熱膨脹
率を、MnZn単結晶フエライトの熱膨脹率の70%〜80%の
間に、且つ、Co-Zr-Taアモルファス磁性膜29a,29
bの熱膨張率の80%〜ら90%の間に設定した場合に再生
出力が最大になることが分かる。この傾向はほぼ全周波
数についても同じ傾向を示すものである。
【0030】これは、ガラス30a,30bの熱膨張率
が、MnZn単結晶フエライトやCo-Zr-Taアモルファス磁性
膜29a,29bの熱膨脹率に近ずくにつれて、前記フ
エライトや、前記Co-Zr-Taアモルファス磁性膜29a,
29bにガラス30a,30bからの応力が大きくな
り、 MIG型磁気ヘッドの磁芯を構成するフエライトや、
Co-Zr-Taアモルファス磁性膜29a,29bの透磁率を
劣化させるために MIG型磁気ヘッドの再生出力が下がる
ものと考えられる。逆に、ガラス30a,30bの熱膨
張率が、フエライトやCo-Zr-Taアモルファス磁性膜29
a,29bの熱膨張率に較べて低すぎると、 MIG型磁気
ヘッドの製造時にガラス30a,30bやフエライトに
クラックを生じ、製造を困難にする。
【0031】また、本実施例に記載したガラス30a,
30bは、その軟化温度は 427℃,作業温度は 545℃の
ものを用いた。したがって、トラック幅規制溝22a,
22bには、このガラス30a,30bを 490℃で充填
させ、磁気ギャップGの形成もCo-Zr-Taアモルファス磁
性膜29a,29bの結晶化温度 525℃以下の 490℃で
行う。この磁気ギャップGは、石英ガラス膜を所定のギ
ャップ幅と同じ厚さにしてある。これらの製法は周知の
方法によるものである。
【0032】上述した本発明による複合型磁気ヘッド2
0は、昨今の高保磁力Hcの磁気テープを用いる時に要望
される特性、即ち 磁性膜の飽和磁束密度Bsが、 10000 Gauss以上である
こと 磁性膜の磁歪常数λsの絶対値が、 2×10-6以下であ
ること 磁性膜の結晶化温度T が、 525℃であること を満足するものである。
【0033】図8〜図10は、本発明による複合型磁気
ヘッド20と従来の磁気ヘッドの再生出力スペクトルで
ある。
【0034】図8は本発明による複合型磁気ヘッド2
0、図9は従来の MIG型磁気ヘッド、図10は従来の単
結晶フエライトヘッドの再生出力スペクトルである。測
定に用いた磁気テープは保磁力Hcが 1400 Oe,ヘッド・
テープ相対速度は 5.8 m/sであり、信号周波数は 6.5 M
Hzである。図8〜図10より、本発明のCo-Zr-Taアモル
ファス磁性膜29a,29bを用いた複合型磁気ヘッド
20は、従来のMnZn単結晶フエライトとFe-Si-Al磁性
膜、或いは、Co-Zr-Nb磁性膜の組み合わせによる MIG型
磁気ヘッドに較べて記録特性、再生特性が改善され、摺
動ノイズも低下したことで輝度信号( 6.5 MHz)のC/
N、カラー信号のC/Nがそれぞれ 1dB以上も向上して
いる。この値はフエライト材を用いない非磁性基板材を
用いた積層構造型ヘッドと同等の性能であり、従って本
発明の複合型磁気ヘッド20はコスト的に安く製作でき
るという利点がある。
【0035】また、本実施例では、磁気テープが摺接す
るMnZn単結晶フェライトの結晶方位を、図11に示した
従来の接合型磁気ヘッド10の前部磁気ギャップ部分3
a,3bのMnZn単結晶フェライトと同じく、磁気テープ
の摺接面21a,21bの結晶面を{112}面に、突
き合わせ面28a,28bを{111}面に、磁路形成
面31a,31bを{110}面として、且つ、この3
1a,31bの{110}面上の結晶軸[110]が磁
気テープ摺接面21a,21bに向かって互いに矢はず
模様を描くように、つまり、この結晶軸[110]が、
それぞれのコア半体27a,27b上で、突き合わせ面
28a,28bと角度θ(0度<θ<90度)を成すよ
うに構成されており、その角度θの具体的な値は55度で
ある。
【0036】これらの結晶面{110},{111},
{112}及び{100}は、その結晶面が +10度から
-10度の範囲で傾く場合には、その物性的性質は傾きの
ない結晶面とほぼ同じ性質となることはすでに周知であ
る。
【0037】また、結晶面{110}は、表1に記載さ
れた各結晶面を代表し、結晶軸[110]も、表2に記
載された各結晶軸を代表するもので、その他の結晶面、
結晶軸も同様である。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】 上述したMnZn単結晶フェライトの結晶方位は、本発明に
よる複合型磁気ヘッド20の効果をより一層顕著なもの
とするために示したもので、特に限定するものではな
い。
【0040】
【発明の効果】上述したように本発明の複合型磁気ヘッ
ドは、磁気記録媒体との摺接面と、トラック幅規制溝と
が形成された前部磁気ギャップ部分を単結晶フェライト
で構成し、巻線溝と後部磁気ギャップが形成された後部
磁気ギャップ部分を多結晶フェライトで構成し、前記両
フエライトを接合してなる一対のコア半体の各々の突き
合わせ面に成膜したCo-Zr-Ta磁性膜同士を対向させ、前
記トラック幅規制溝にガラスを充填してなる複合型磁気
ヘッドにおいて、前記Co-Zr-Ta磁性膜は、Co: 85〜90 a
t%,Zr: 5〜10 at%,Ta: 6〜11 at%の組成比からなり、前
記ガラスの熱膨張率(固着温度から室温までの温度範
囲)は、前記Co-Zr-Ta磁性膜と前記単結晶フエライトの
各々の熱膨脹率よりも低く設定することにより、高密度
記録用の高保磁力磁気テープを用いたときの長波長域の
記録特性を改良し、且つ短波長域の輝度信号のC/N比
をも改良することが可能となり、常に安定した記録再生
特性を持つ磁気ヘッドを安価に製作できる。従ってVT
Rの再生画質においてカラー特性及び輝度信号特性、特
にC/N比に優れた効果を発揮する複合型磁気ヘッドの
提供を可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による複合型磁気ヘッドの一実施例の斜
視図である。
【図2】Co-Zr-Taアモルフアス磁性膜の飽和磁束密度Bs
とCo組成濃度の関係を示した図である。
【図3】Co-Zr-Taアモルフアス磁性膜の磁歪常数λsの
組成三元図である。
【図4】Co-Zr-Taアモルファス磁性膜を用いた複合型磁
気ヘッドとMnZn単結晶フエライトヘッドの再生能力差を
示した図である。
【図5】Co-Zr-Taアモルフアス磁性膜が磁性を失う結晶
化温度T の組成三元図である。
【図6】飽和磁束密度Bsと記録能力差(信号書き込み能
力)を示す図である。
【図7】本発明による複合型磁気ヘッドの再生出力比を
示す図である。
【図8】本発明による複合型磁気ヘッドの再生出力スペ
クトルである。
【図9】従来の MIG型磁気ヘッドの再生出力スペクトル
である。
【図10】従来の単結晶フエライトヘッドの再生出力ス
ペクトルである。
【図11】従来の接合型磁気ヘッドの一例を示した斜視
図である。
【符号の説明】
21a,21b 摺接面 22a,22b トラック幅規制溝 23a,23b 前部磁気ギャップ部分 24 巻線溝 25 後部磁気ギャップ 26a,26b 後部磁気ギャップ部分 27a,27b 一対のコア半体 28a,28b 突き合わせ面 29a,29b Co-Zr-Taアモルフアス磁性膜 30a,30b ガラス 31a,31b 磁路形成面 G 磁気ギャップ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気記録媒体との摺接面と、トラック幅規
    制溝とが形成された前部磁気ギャップ部分をMnZn単結晶
    フェライトで構成し、巻線溝と後部磁気ギャップが形成
    された後部磁気ギャップ部分をMnZn多結晶フェライトで
    構成し、前記両フエライトを接合してなる一対のコア半
    体の各々の突き合わせ面に成膜したCo-Zr-Taアモルファ
    ス磁性膜同士を対向させ、前記トラック幅規制溝にガラ
    スを充填してなる複合型磁気ヘッドにおいて、 前記Co-Zr-Taアモルファス磁性膜は、Co: 85〜90 at%,Z
    r: 5〜10 at%,Ta: 6〜11 at%の組成からなり、前記ガラ
    スの熱膨張率(固着温度から室温までの温度範囲)は、
    前記Co-Zr-Taアモルファス磁性膜と前記MnZn単結晶フエ
    ライトの各々の熱膨脹率よりも低いことを特徴とする複
    合型磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】前記ガラスの熱膨張率(固着温度から室温
    までの温度範囲)は、前記MnZn単結晶フエライトの熱膨
    張率の70〜80% の間にあり、且つ、前記Co-Zr-Taアモル
    ファス磁性膜の熱膨張率の80〜90% の間にあることを特
    徴とする請求項1記載の複合型磁気ヘッド。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6066309A (ja) * 1983-09-21 1985-04-16 Konishiroku Photo Ind Co Ltd 磁気ヘッド
JPH02225336A (ja) * 1989-02-23 1990-09-07 Hitachi Ltd 磁気ヘッド並びにその製造方法及び磁気記録再生装置
JPH0384714A (ja) * 1989-08-29 1991-04-10 Hitachi Ltd 磁気ヘツド及びその製造方法

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