JPH09204605A - 磁気ヘッド - Google Patents
磁気ヘッドInfo
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- JPH09204605A JPH09204605A JP8012957A JP1295796A JPH09204605A JP H09204605 A JPH09204605 A JP H09204605A JP 8012957 A JP8012957 A JP 8012957A JP 1295796 A JP1295796 A JP 1295796A JP H09204605 A JPH09204605 A JP H09204605A
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- Japan
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- magnetic
- magnetic head
- ferrite
- single crystal
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-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B5/00—Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
- G11B5/127—Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
- G11B5/133—Structure or manufacture of heads, e.g. inductive with cores composed of particles, e.g. with dust cores, with ferrite cores with cores composed of isolated magnetic particles
- G11B5/1335—Assembling or shaping of elements
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Magnetic Heads (AREA)
- Thin Magnetic Films (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高再生出力化、低ノイズ化を実現し、再生用
磁気ヘッドとして用いて好適とする。 【解決手段】 Fe2O3 を52〜54mol%の範囲
で含み、ZnOを24〜26mol%の範囲で含み、M
nOを20〜24mol%の範囲で含む組成の単結晶フ
ェライト9,11と同組成の多結晶フェライト10,1
2の接合材により構成される一対の磁気コア1,2を磁
気ギャップg1 を有して突き合わせて融着ガラス3によ
り接合し、再生用として使用する。また、単結晶フェラ
イト9,11をいわゆるVHS方位をとるようにする。
さらに、磁気コア1,2を接合する融着ガラス3の10
0℃から350℃の範囲での線熱膨張係数を、磁気コア
1,2を構成する接合フェライトの線熱膨張係数よりも
20×10-7〜26×10-7小さくする。
磁気ヘッドとして用いて好適とする。 【解決手段】 Fe2O3 を52〜54mol%の範囲
で含み、ZnOを24〜26mol%の範囲で含み、M
nOを20〜24mol%の範囲で含む組成の単結晶フ
ェライト9,11と同組成の多結晶フェライト10,1
2の接合材により構成される一対の磁気コア1,2を磁
気ギャップg1 を有して突き合わせて融着ガラス3によ
り接合し、再生用として使用する。また、単結晶フェラ
イト9,11をいわゆるVHS方位をとるようにする。
さらに、磁気コア1,2を接合する融着ガラス3の10
0℃から350℃の範囲での線熱膨張係数を、磁気コア
1,2を構成する接合フェライトの線熱膨張係数よりも
20×10-7〜26×10-7小さくする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はビデオテープレコー
ダー(以下、VTRと称する。)等の磁気記録再生装置
に使用される磁気ヘッドに関するものである。詳しく
は、磁気コアを構成するフェライトの組成を限定するこ
とにより、高出力化、低ノイズ化を実現し、記録再生を
分離した再生用磁気ヘッドとして用いて好適な磁気ヘッ
ドの改良に係わるものである。
ダー(以下、VTRと称する。)等の磁気記録再生装置
に使用される磁気ヘッドに関するものである。詳しく
は、磁気コアを構成するフェライトの組成を限定するこ
とにより、高出力化、低ノイズ化を実現し、記録再生を
分離した再生用磁気ヘッドとして用いて好適な磁気ヘッ
ドの改良に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】近年のVTRの小型軽量化及び高品質化
への技術革新は著しく、記録密度の高密度化、記録再生
信号のデジタル化が一段と進められている。そして、こ
のようなVTRにおいては、更なる高画質・高信頼性を
追求するために、これまで一つのヘッドで録画再生を行
なってきたところを、記録用と再生用の2種類に役割を
分離して、それぞれ別のへッドで最適設計しようとする
試みがとられている。とりわけ、記録周波数が高くなり
記録信号がデジタル化されると、個々の信号の書き込み
や読み取りのエラーがかかるVTRの画質に大きな影響
を与えるため、記録特性と再生特性のそれぞれの特性を
高めていくことがより重要となってきている。
への技術革新は著しく、記録密度の高密度化、記録再生
信号のデジタル化が一段と進められている。そして、こ
のようなVTRにおいては、更なる高画質・高信頼性を
追求するために、これまで一つのヘッドで録画再生を行
なってきたところを、記録用と再生用の2種類に役割を
分離して、それぞれ別のへッドで最適設計しようとする
試みがとられている。とりわけ、記録周波数が高くなり
記録信号がデジタル化されると、個々の信号の書き込み
や読み取りのエラーがかかるVTRの画質に大きな影響
を与えるため、記録特性と再生特性のそれぞれの特性を
高めていくことがより重要となってきている。
【0003】その中で、再生用磁気ヘッドはその特性を
高めることが記録用磁気ヘッドと比べて難しく、また、
これまでの録再兼用の場合と同様に、トラック幅やギャ
ップ長等のヘッド形状の面においても制約が多く最適化
が難しかった。
高めることが記録用磁気ヘッドと比べて難しく、また、
これまでの録再兼用の場合と同様に、トラック幅やギャ
ップ長等のヘッド形状の面においても制約が多く最適化
が難しかった。
【0004】また、このような再生用磁気ヘッドにおい
ては、磁気コアの母材に単結晶材を用いると摺動ノイズ
が発生し、多結晶材を用いると再生出力や摩耗特性、さ
らにはトラック幅やデプスなどの精密加工を行う上で問
題があった。
ては、磁気コアの母材に単結晶材を用いると摺動ノイズ
が発生し、多結晶材を用いると再生出力や摩耗特性、さ
らにはトラック幅やデプスなどの精密加工を行う上で問
題があった。
【0005】そこで、磁気コアを例えばフェライトの単
結晶材と多結晶材を接合した接合材により構成して単結
晶材及び多結晶材の短所を互いにカバーするようにして
いる。
結晶材と多結晶材を接合した接合材により構成して単結
晶材及び多結晶材の短所を互いにカバーするようにして
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな磁気ヘッドにおいては、摺動ノイズ低減に効果的な
接合フェライトを使用しているといえども摺動面が単結
晶材なので、摺動ノイズが発生する。
うな磁気ヘッドにおいては、摺動ノイズ低減に効果的な
接合フェライトを使用しているといえども摺動面が単結
晶材なので、摺動ノイズが発生する。
【0007】また、接合フェライトを用いた従来の磁気
ヘッドにおいては、録画再生兼用として或いはメタルイ
ンギャップ(Metal in Gap、以下、MIG
と称する。)タイプ用として設計されているため、飽和
磁化Bsと線熱膨張係数αが大きめに設計されており、
温度や歪みの影響を受け易くなっている。
ヘッドにおいては、録画再生兼用として或いはメタルイ
ンギャップ(Metal in Gap、以下、MIG
と称する。)タイプ用として設計されているため、飽和
磁化Bsと線熱膨張係数αが大きめに設計されており、
温度や歪みの影響を受け易くなっている。
【0008】従って、このような磁気ヘッドにおいて
は、大きめに設計されている飽和磁化Bsに比例して磁
歪も大きくなり、これによっても摺動ノイズが増大して
しまう。
は、大きめに設計されている飽和磁化Bsに比例して磁
歪も大きくなり、これによっても摺動ノイズが増大して
しまう。
【0009】特に、高周波数帯域になるとフェライトの
透磁率がどんどん小さくなるので、摺動ノイズはC/N
を悪化させる要因として無視できない重要な要因であ
る。
透磁率がどんどん小さくなるので、摺動ノイズはC/N
を悪化させる要因として無視できない重要な要因であ
る。
【0010】また、フェライトヘッドの形ではなく金属
磁性薄膜を使用したラミネート構造の磁気へッドを再生
用磁気ヘッドとして使用する場合、金属磁性薄膜と組み
合せるセラミクス材や結晶化ガラスとの相性の問題で、
摩耗特性や生産性に難があった。
磁性薄膜を使用したラミネート構造の磁気へッドを再生
用磁気ヘッドとして使用する場合、金属磁性薄膜と組み
合せるセラミクス材や結晶化ガラスとの相性の問題で、
摩耗特性や生産性に難があった。
【0011】そこで本発明は、従来の実情に鑑みて提案
されたものであって、例えばVTR等の磁気記録再生装
置に搭載した場合に、高再生出力化、低ノイズ化を実現
でき、再生用磁気ヘッドとして用いて好適な磁気ヘッド
を提供することを目的とする。
されたものであって、例えばVTR等の磁気記録再生装
置に搭載した場合に、高再生出力化、低ノイズ化を実現
でき、再生用磁気ヘッドとして用いて好適な磁気ヘッド
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明者等は鋭意検討した結果、磁気ヘッドの使用
目的を再生機能のみに絞り込めば、磁気ヘッドの磁気コ
アを構成する磁性材料として、従来のものよりも飽和磁
化が小さいものが使用可能となることを見い出した。
めに本発明者等は鋭意検討した結果、磁気ヘッドの使用
目的を再生機能のみに絞り込めば、磁気ヘッドの磁気コ
アを構成する磁性材料として、従来のものよりも飽和磁
化が小さいものが使用可能となることを見い出した。
【0013】すなわち、本発明は、一対の磁気コアが磁
気ギャップを有して突き合わされて融着ガラスにより接
合されてなる磁気ヘッドにおいて、磁気コアが、Fe2
O3を52〜54mol%の範囲で含み、ZnOを24
〜26mol%の範囲で含み、MnOを20〜24mo
l%の範囲で含むフェライトよりなり、再生用として使
用されることを特徴とするものである。
気ギャップを有して突き合わされて融着ガラスにより接
合されてなる磁気ヘッドにおいて、磁気コアが、Fe2
O3を52〜54mol%の範囲で含み、ZnOを24
〜26mol%の範囲で含み、MnOを20〜24mo
l%の範囲で含むフェライトよりなり、再生用として使
用されることを特徴とするものである。
【0014】このとき、上記磁気コアは、単結晶フェラ
イトと多結晶フェライトとを接合した接合フェライトよ
りなることが好ましく、磁気ギャップ形成部分が単結晶
フェライトにより構成されていることが好ましい。
イトと多結晶フェライトとを接合した接合フェライトよ
りなることが好ましく、磁気ギャップ形成部分が単結晶
フェライトにより構成されていることが好ましい。
【0015】さらに、磁気コアの単結晶フェライト部
が、当該単結晶フェライト部の記録媒体との摺動面が
(211)面、磁気ギャップ突き合わせ面が(111)
面またはその近傍、そして、主磁路形成面が(110)
面またはその近傍とされている、いわゆるVHS方位と
されていることが好ましい。
が、当該単結晶フェライト部の記録媒体との摺動面が
(211)面、磁気ギャップ突き合わせ面が(111)
面またはその近傍、そして、主磁路形成面が(110)
面またはその近傍とされている、いわゆるVHS方位と
されていることが好ましい。
【0016】さらにまた、一対の磁気コアを接合する融
着ガラスの100℃から350℃の範囲での線熱膨張係
数が、磁気コアを構成するフェライトの線熱膨張係数よ
りも20×10-7〜26×10-7小さいことが好まし
い。
着ガラスの100℃から350℃の範囲での線熱膨張係
数が、磁気コアを構成するフェライトの線熱膨張係数よ
りも20×10-7〜26×10-7小さいことが好まし
い。
【0017】本発明の磁気ヘッドにおいては、磁気コア
をFe2O3 を52〜54mol%の範囲で含み、Zn
Oを24〜26mol%の範囲で含み、MnOを20〜
24mol%の範囲で含むフェライトにより構成してい
ることから、磁気コアの飽和磁化が小さくなり、これに
伴って磁歪も小さくなる。そして、このような組成にお
いては、使用周波数領域における透磁率特性が確保さ
れ、本発明の磁気ヘッドにおいては高再生出力化が達成
される。
をFe2O3 を52〜54mol%の範囲で含み、Zn
Oを24〜26mol%の範囲で含み、MnOを20〜
24mol%の範囲で含むフェライトにより構成してい
ることから、磁気コアの飽和磁化が小さくなり、これに
伴って磁歪も小さくなる。そして、このような組成にお
いては、使用周波数領域における透磁率特性が確保さ
れ、本発明の磁気ヘッドにおいては高再生出力化が達成
される。
【0018】また、本発明の磁気ヘッドにおいて、磁気
コアを単結晶フェライトと多結晶フェライトとを接合し
た接合フェライトにより構成した場合においては、前述
したような単結晶フェライトと多結晶フェライトの欠点
が互いにカバーされるとともに、この磁気コアの単結晶
フェライトにおける磁歪が小さいことから、単結晶フェ
ライトにおける摺動ノイズがさらに抑えられる。
コアを単結晶フェライトと多結晶フェライトとを接合し
た接合フェライトにより構成した場合においては、前述
したような単結晶フェライトと多結晶フェライトの欠点
が互いにカバーされるとともに、この磁気コアの単結晶
フェライトにおける磁歪が小さいことから、単結晶フェ
ライトにおける摺動ノイズがさらに抑えられる。
【0019】さらに、本発明の磁気ヘッドにおいて、接
合フェライトの単結晶フェライト部の面方位をVHS方
位に配置すれば、さらなる高再生出力化及び低ノイズ化
が達成される。
合フェライトの単結晶フェライト部の面方位をVHS方
位に配置すれば、さらなる高再生出力化及び低ノイズ化
が達成される。
【0020】さらにまた、本発明の磁気ヘッドにおい
て、磁気コアを接合する融着ガラスの線熱膨張係数を制
御して最適化すれば、そのガラス融着時に発生する歪み
量が抑えられ、さらなる高再生出力化及び低ノイズ化が
達成される。
て、磁気コアを接合する融着ガラスの線熱膨張係数を制
御して最適化すれば、そのガラス融着時に発生する歪み
量が抑えられ、さらなる高再生出力化及び低ノイズ化が
達成される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明す
る。
実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明す
る。
【0022】第1の例として示す本例の磁気ヘッドは、
図1及び図2に示すように、一対の磁気コア1,2が磁
気ギャップg1 を有して突き合わされ、これらの間が融
着ガラス3により接合されてなるものである。
図1及び図2に示すように、一対の磁気コア1,2が磁
気ギャップg1 を有して突き合わされ、これらの間が融
着ガラス3により接合されてなるものである。
【0023】上記磁気コア1は突き合わせ面1a側に断
面略コ字状の巻線溝4を有し、平面略コ字状をなし、一
方の磁気コア2は突き合わせ面2a側に巻線溝が形成さ
れておらず、平面略I字状をなす。また、これら磁気コ
ア1,2においては、突き合わせ面1a,2aと反対側
の裏面1b,2bに巻線補助溝5,6がそれぞれ形成さ
れている。従って、巻線溝4と突き合わせ面2aとによ
り形成される孔部と巻線補助溝5,6を利用してコイル
は巻装されることとなる。なお、図1中においてはコイ
ルの図示は省略している。
面略コ字状の巻線溝4を有し、平面略コ字状をなし、一
方の磁気コア2は突き合わせ面2a側に巻線溝が形成さ
れておらず、平面略I字状をなす。また、これら磁気コ
ア1,2においては、突き合わせ面1a,2aと反対側
の裏面1b,2bに巻線補助溝5,6がそれぞれ形成さ
れている。従って、巻線溝4と突き合わせ面2aとによ
り形成される孔部と巻線補助溝5,6を利用してコイル
は巻装されることとなる。なお、図1中においてはコイ
ルの図示は省略している。
【0024】また、磁気コア1,2ともに、突き合わせ
面1a,2a側に突き合わせ面1a,2aの磁気ギャッ
プg1 形成部分の幅、すなわち磁気ギャップの幅を規制
するギャップ幅規制溝7,8が形成されており、このギ
ャップ幅規制溝7,8が合わさって形成される溝部内に
融着ガラス3を溶融充填することにより一対の磁気コア
1,2は接合一体化されている。
面1a,2a側に突き合わせ面1a,2aの磁気ギャッ
プg1 形成部分の幅、すなわち磁気ギャップの幅を規制
するギャップ幅規制溝7,8が形成されており、このギ
ャップ幅規制溝7,8が合わさって形成される溝部内に
融着ガラス3を溶融充填することにより一対の磁気コア
1,2は接合一体化されている。
【0025】なお、上記磁気コア1,2の突き合わせ面
1a,2a間に形成される磁気ギャップg1 は、図2中
に示すように、磁気コア1,2の側面となる主磁路形成
面1c,2cに対して垂直な方向に対して図中θにて示
すアジマス角を有する。
1a,2a間に形成される磁気ギャップg1 は、図2中
に示すように、磁気コア1,2の側面となる主磁路形成
面1c,2cに対して垂直な方向に対して図中θにて示
すアジマス角を有する。
【0026】そして、本例の磁気ヘッドにおいては特
に、磁気コア1が単結晶フェライト9と多結晶フェライ
ト10が接合された接合フェライトにより構成されると
共に、磁気コア2が単結晶フェライト11と多結晶フェ
ライト12が接合された接合フェライトにより構成され
ている。さらに、これら磁気コア1,2においては、磁
気ギャップg1 を形成し、磁気記録媒体が摺動する側を
単結晶フェライト9,11により構成し、残りの部分を
多結晶フェライト10,12により構成するようにして
いる。
に、磁気コア1が単結晶フェライト9と多結晶フェライ
ト10が接合された接合フェライトにより構成されると
共に、磁気コア2が単結晶フェライト11と多結晶フェ
ライト12が接合された接合フェライトにより構成され
ている。さらに、これら磁気コア1,2においては、磁
気ギャップg1 を形成し、磁気記録媒体が摺動する側を
単結晶フェライト9,11により構成し、残りの部分を
多結晶フェライト10,12により構成するようにして
いる。
【0027】このとき、磁気コア1,2を構成する単結
晶フェライト9,11及び多結晶フェライト10,12
は、Fe2 O3 を52〜54mol%の範囲で含み、Z
nOを24〜26mol%の範囲で含み、MnOを20
〜24mol%の範囲で含むものとなされており、特に
単結晶フェライト9,11においては、磁気記録媒体と
の摺動面である磁気記録媒体摺動面9a,11aが(2
11)結晶面、主磁路形成面9c,11cが(110)
結晶面またはその近傍、磁気ギャップを形成する磁気ギ
ャップ突き合わせ面9b,11bが(111)結晶面ま
たはその近傍をとる、いわゆるVHS方位とされてい
る。
晶フェライト9,11及び多結晶フェライト10,12
は、Fe2 O3 を52〜54mol%の範囲で含み、Z
nOを24〜26mol%の範囲で含み、MnOを20
〜24mol%の範囲で含むものとなされており、特に
単結晶フェライト9,11においては、磁気記録媒体と
の摺動面である磁気記録媒体摺動面9a,11aが(2
11)結晶面、主磁路形成面9c,11cが(110)
結晶面またはその近傍、磁気ギャップを形成する磁気ギ
ャップ突き合わせ面9b,11bが(111)結晶面ま
たはその近傍をとる、いわゆるVHS方位とされてい
る。
【0028】また、本例の磁気ヘッドにおいては、一対
の磁気コア1,2を接合する融着ガラス3として、10
0℃から350℃の範囲での線熱膨張係数が上記磁気コ
ア1,2を形成する接合フェライトの線熱膨張係数より
も20×10-7〜26×10-7小さいものを使用してい
る。
の磁気コア1,2を接合する融着ガラス3として、10
0℃から350℃の範囲での線熱膨張係数が上記磁気コ
ア1,2を形成する接合フェライトの線熱膨張係数より
も20×10-7〜26×10-7小さいものを使用してい
る。
【0029】本例の磁気ヘッドにおいては、磁気コア
1,2をFe2 O3 を52〜54mol%の範囲で含
み、ZnOを24〜26mol%の範囲で含み、MnO
を20〜24mol%の範囲で含むフェライトにより構
成していることから、磁気コア1,2の飽和磁化が小さ
くなり、これに伴って磁歪も小さくなる。そして、この
ような組成においては、使用周波数領域における透磁率
特性が確保され、本例の磁気ヘッドにおいては高再生出
力化が達成される。
1,2をFe2 O3 を52〜54mol%の範囲で含
み、ZnOを24〜26mol%の範囲で含み、MnO
を20〜24mol%の範囲で含むフェライトにより構
成していることから、磁気コア1,2の飽和磁化が小さ
くなり、これに伴って磁歪も小さくなる。そして、この
ような組成においては、使用周波数領域における透磁率
特性が確保され、本例の磁気ヘッドにおいては高再生出
力化が達成される。
【0030】また、本例の磁気ヘッドにおいては、磁気
コア1,2を上述のような組成を有する単結晶フェライ
ト9,11と多結晶フェライト10,12とを接合した
接合フェライトにより構成しており、前述したような単
結晶フェライト9,11と多結晶フェライト10,12
の欠点が互いにカバーされるとともに、当該磁気コア
1,2の単結晶フェライト9,11の磁歪が小さいこと
から、単結晶フェライト9,11における摺動ノイズが
さらに抑えられる。
コア1,2を上述のような組成を有する単結晶フェライ
ト9,11と多結晶フェライト10,12とを接合した
接合フェライトにより構成しており、前述したような単
結晶フェライト9,11と多結晶フェライト10,12
の欠点が互いにカバーされるとともに、当該磁気コア
1,2の単結晶フェライト9,11の磁歪が小さいこと
から、単結晶フェライト9,11における摺動ノイズが
さらに抑えられる。
【0031】従って、本例の磁気ヘッドは、高再生出力
化、低ノイズ化を同時に実現でき、再生用磁気ヘッドと
して用いて好適なものである。
化、低ノイズ化を同時に実現でき、再生用磁気ヘッドと
して用いて好適なものである。
【0032】さらに、本例の磁気ヘッドにおいては、磁
気コア1,2を構成する接合フェライトの単結晶フェラ
イトの面方位を上述のようなVHS方位としており、さ
らなる高再生出力化及び低ノイズ化が達成される。
気コア1,2を構成する接合フェライトの単結晶フェラ
イトの面方位を上述のようなVHS方位としており、さ
らなる高再生出力化及び低ノイズ化が達成される。
【0033】さらにまた、本例の磁気ヘッドにおいて
は、一対の磁気コア1,2を接合する融着ガラス3の線
熱膨張係数を上記のような範囲に制御して最適化してお
り、これら磁気コア1,2のガラス融着時に発生する歪
み量が抑えられ、さらなる高再生出力化及び低ノイズ化
が達成される。
は、一対の磁気コア1,2を接合する融着ガラス3の線
熱膨張係数を上記のような範囲に制御して最適化してお
り、これら磁気コア1,2のガラス融着時に発生する歪
み量が抑えられ、さらなる高再生出力化及び低ノイズ化
が達成される。
【0034】本発明は、上記のような磁気ヘッドの他、
以下に示すような磁気ヘッドにも適用可能である。すな
わち、第2の例として示す本例の磁気ヘッドは、図3に
示すように、前述の磁気ヘッドと同様に、一対の磁気コ
ア21,22が磁気ギャップg2 を有して突き合わされ
て図示しない融着ガラスにより接合一体化されてなるも
のである。なお、ここでは、磁気コア21,22の両方
の磁気ギャップ突き合わせ面21a,22a側に巻線溝
23,24がそれぞれ形成されている例を示す。また、
ここでは、磁気コア21,22の磁気記録媒体摺動面2
1b,22b側に摺動部分の幅を規定する当たり幅規制
溝25,26を形成するようにしている。
以下に示すような磁気ヘッドにも適用可能である。すな
わち、第2の例として示す本例の磁気ヘッドは、図3に
示すように、前述の磁気ヘッドと同様に、一対の磁気コ
ア21,22が磁気ギャップg2 を有して突き合わされ
て図示しない融着ガラスにより接合一体化されてなるも
のである。なお、ここでは、磁気コア21,22の両方
の磁気ギャップ突き合わせ面21a,22a側に巻線溝
23,24がそれぞれ形成されている例を示す。また、
ここでは、磁気コア21,22の磁気記録媒体摺動面2
1b,22b側に摺動部分の幅を規定する当たり幅規制
溝25,26を形成するようにしている。
【0035】そして、本例の磁気ヘッドにおいては、特
に、磁気コア21,22の磁気ギャップ突き合わせ面2
1a,22a側を単結晶フェライト27,28とし、残
りの部分を多結晶フェライト29,30として、磁気コ
ア21,22を接合フェライトにより構成するようにし
ている。
に、磁気コア21,22の磁気ギャップ突き合わせ面2
1a,22a側を単結晶フェライト27,28とし、残
りの部分を多結晶フェライト29,30として、磁気コ
ア21,22を接合フェライトにより構成するようにし
ている。
【0036】また、本例の磁気ヘッドにおいても、単結
晶フェライト27,28及び多結晶フェライト29,3
0の組成を上述のような組成としている。
晶フェライト27,28及び多結晶フェライト29,3
0の組成を上述のような組成としている。
【0037】従って、本例の磁気ヘッドにおいても、前
述の磁気ヘッドと同様に、高再生出力化、低ノイズ化を
同時に実現でき、再生用磁気ヘッドとして用いて好適な
ものとなる。
述の磁気ヘッドと同様に、高再生出力化、低ノイズ化を
同時に実現でき、再生用磁気ヘッドとして用いて好適な
ものとなる。
【0038】さらに、この磁気ヘッドにおいても、磁気
コア21,22を構成する接合フェライトの単結晶フェ
ライト27,28の面方位をVHS方位とすれば、さら
なる高再生出力化及び低ノイズ化が達成される。
コア21,22を構成する接合フェライトの単結晶フェ
ライト27,28の面方位をVHS方位とすれば、さら
なる高再生出力化及び低ノイズ化が達成される。
【0039】さらにまた、本例の磁気ヘッドにおいて
も、一対の磁気コア21,22を接合する融着ガラスの
線熱膨張係数を前述の磁気ヘッドと同様の範囲に制御し
て最適化すれば、これら磁気コア21,22のガラス融
着時に発生する歪み量が抑えられ、さらなる高再生出力
化及び低ノイズ化が達成される。
も、一対の磁気コア21,22を接合する融着ガラスの
線熱膨張係数を前述の磁気ヘッドと同様の範囲に制御し
て最適化すれば、これら磁気コア21,22のガラス融
着時に発生する歪み量が抑えられ、さらなる高再生出力
化及び低ノイズ化が達成される。
【0040】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について実験結
果に基づいて説明する。
果に基づいて説明する。
【0041】実験例1 先ず、磁気ヘッドの磁気コアを構成するフェライト材の
組成と各特性の関係について調査した。
組成と各特性の関係について調査した。
【0042】すなわち、第1の例として示した磁気ヘッ
ドの磁気コア1,2の単結晶フェライト9,11と多結
晶フェライト10,12の組成を表1中に示すように変
化させて磁気ヘッドサンプルA〜Gを製造し、同一の記
録ヘッドで同一種の磁気テープに記録した同一の情報を
これら磁気ヘッドサンプルA〜Gによりそれぞれ再生し
た場合の再生出力と摺動ノイズを測定した。なお、記録
情報は8MHz,16MHz,33MHzとし、再生出
力は磁気ヘッドサンプルBにおける値を基準として相対
的に示した。
ドの磁気コア1,2の単結晶フェライト9,11と多結
晶フェライト10,12の組成を表1中に示すように変
化させて磁気ヘッドサンプルA〜Gを製造し、同一の記
録ヘッドで同一種の磁気テープに記録した同一の情報を
これら磁気ヘッドサンプルA〜Gによりそれぞれ再生し
た場合の再生出力と摺動ノイズを測定した。なお、記録
情報は8MHz,16MHz,33MHzとし、再生出
力は磁気ヘッドサンプルBにおける値を基準として相対
的に示した。
【0043】
【表1】
【0044】また、上記磁気ヘッドサンプルA〜Gにお
いては、アジマス角を10゜とし、磁気テープとして保
磁力が14.8×103 (A/m)のものを使用し、磁
気テープと磁気ヘッドの相対速度を18.5(m/s)
とした。
いては、アジマス角を10゜とし、磁気テープとして保
磁力が14.8×103 (A/m)のものを使用し、磁
気テープと磁気ヘッドの相対速度を18.5(m/s)
とした。
【0045】さらに、各磁気ヘッドサンプルの磁気コア
1,2の単結晶フェライト9,11の100方向及び1
11方向における磁歪値も測定した。結果を表1に併せ
て示す。ただし、磁気ヘッドサンプルF,Gにおいて
は、規定のヘッド特性(インダクタンス等)がとれず、
測定が不能であった。
1,2の単結晶フェライト9,11の100方向及び1
11方向における磁歪値も測定した。結果を表1に併せ
て示す。ただし、磁気ヘッドサンプルF,Gにおいて
は、規定のヘッド特性(インダクタンス等)がとれず、
測定が不能であった。
【0046】また、各磁気ヘッドサンプルの組成分布を
三元図として図4に示す。図4中Aで示す範囲は磁気ヘ
ッドサンプルAにおける組成範囲であり、図4中Bで示
す範囲は磁気ヘッドサンプルBにおける組成範囲であ
り、図4中Cで示す範囲は磁気ヘッドサンプルCにおけ
る組成範囲であり、図4中Dで示す範囲は磁気ヘッドサ
ンプルDにおける組成範囲であり、図4中Eで示す範囲
は磁気ヘッドサンプルEにおける組成範囲であり、図4
中Fで示す範囲は磁気ヘッドサンプルFにおける組成範
囲であり、図4中Gで示す範囲は磁気ヘッドサンプルG
における組成範囲である。
三元図として図4に示す。図4中Aで示す範囲は磁気ヘ
ッドサンプルAにおける組成範囲であり、図4中Bで示
す範囲は磁気ヘッドサンプルBにおける組成範囲であ
り、図4中Cで示す範囲は磁気ヘッドサンプルCにおけ
る組成範囲であり、図4中Dで示す範囲は磁気ヘッドサ
ンプルDにおける組成範囲であり、図4中Eで示す範囲
は磁気ヘッドサンプルEにおける組成範囲であり、図4
中Fで示す範囲は磁気ヘッドサンプルFにおける組成範
囲であり、図4中Gで示す範囲は磁気ヘッドサンプルG
における組成範囲である。
【0047】さらに、このようなフェライトの組成と磁
歪の大きさの関係を調査した結果を図5に三元図として
示す。なお、図5中実線は100方向の磁歪を示し、二
重線は111方向の磁歪を示し、各線に添付の数字は磁
歪の値(×10-6)を示す。すなわち、実線及び二重線
は100方向或いは111方向において所定の磁歪の値
をとる組成間をつないだものである。さらに、図5中A
は磁気ヘッドサンプルAの組成範囲を示す。
歪の大きさの関係を調査した結果を図5に三元図として
示す。なお、図5中実線は100方向の磁歪を示し、二
重線は111方向の磁歪を示し、各線に添付の数字は磁
歪の値(×10-6)を示す。すなわち、実線及び二重線
は100方向或いは111方向において所定の磁歪の値
をとる組成間をつないだものである。さらに、図5中A
は磁気ヘッドサンプルAの組成範囲を示す。
【0048】表1の結果と図4を照らし合わせると、本
発明を適用した磁気ヘッドサンプルAとFe2 O3 及び
MnOの含有量は略同等であるが、他のZnOの含有量
が異なる磁気ヘッドサンプルFや、本発明を適用した磁
気ヘッドサンプルAとZnO及びMnOの含有量は略同
等であるが、他のFe2 O3 の含有量が異なる磁気ヘッ
ドサンプルGは、ヘッドとして使用可能であるものの、
非磁性に近く、磁性とするためには、ZnOの上限を2
6mol%近傍とし、Fe2 O3 の下限を52mol%
近傍とする必要があることが確認された。
発明を適用した磁気ヘッドサンプルAとFe2 O3 及び
MnOの含有量は略同等であるが、他のZnOの含有量
が異なる磁気ヘッドサンプルFや、本発明を適用した磁
気ヘッドサンプルAとZnO及びMnOの含有量は略同
等であるが、他のFe2 O3 の含有量が異なる磁気ヘッ
ドサンプルGは、ヘッドとして使用可能であるものの、
非磁性に近く、磁性とするためには、ZnOの上限を2
6mol%近傍とし、Fe2 O3 の下限を52mol%
近傍とする必要があることが確認された。
【0049】また、本発明を適用した磁気ヘッドサンプ
ルAとMnOとZnOの含有量は略同等であるが、Fe
2 O3 の含有量が異なる磁気ヘッドサンプルEにおいて
は、摺動ノイズが非常に大きく、摺動ノイズを抑えるた
めには、Fe2 O3 の上限を54mol%近傍とする必
要があることも確認された。
ルAとMnOとZnOの含有量は略同等であるが、Fe
2 O3 の含有量が異なる磁気ヘッドサンプルEにおいて
は、摺動ノイズが非常に大きく、摺動ノイズを抑えるた
めには、Fe2 O3 の上限を54mol%近傍とする必
要があることも確認された。
【0050】さらに、本発明を適用した磁気ヘッドサン
プルAとFe2 O3 及びMnOの含有量は略同等である
ものの、ZnOの含有量が異なる磁気ヘッドサンプル
B、本発明を適用した磁気ヘッドサンプルAとFe2 O
3 の含有量は略同等であるものの、MnO及びZnOの
含有量が異なる磁気ヘッドサンプルC,Dにおいては、
再生出力が低く、高再生出力化を図るためには、ZnO
の下限を24mol%近傍とする必要があることも確認
された。
プルAとFe2 O3 及びMnOの含有量は略同等である
ものの、ZnOの含有量が異なる磁気ヘッドサンプル
B、本発明を適用した磁気ヘッドサンプルAとFe2 O
3 の含有量は略同等であるものの、MnO及びZnOの
含有量が異なる磁気ヘッドサンプルC,Dにおいては、
再生出力が低く、高再生出力化を図るためには、ZnO
の下限を24mol%近傍とする必要があることも確認
された。
【0051】さらにまた、図5の結果から、本発明を適
用した磁気ヘッドサンプルAの組成範囲においては、1
00方向及び111方向の両方向において磁歪が小さく
なることが確認された。
用した磁気ヘッドサンプルAの組成範囲においては、1
00方向及び111方向の両方向において磁歪が小さく
なることが確認された。
【0052】すなわち、これらのことから、磁気ヘッド
の磁気コアを構成する接合フェライトの組成を前述のよ
うな本発明を適用した組成範囲とすることにより、使用
周波数領域における透磁率特性が確保され、磁気コアの
飽和磁化が小さくなり、これに伴って単結晶フェライト
の磁歪も小さくなり、再生出力が高出力化し、摺動ノイ
ズも低減することが確認された。
の磁気コアを構成する接合フェライトの組成を前述のよ
うな本発明を適用した組成範囲とすることにより、使用
周波数領域における透磁率特性が確保され、磁気コアの
飽和磁化が小さくなり、これに伴って単結晶フェライト
の磁歪も小さくなり、再生出力が高出力化し、摺動ノイ
ズも低減することが確認された。
【0053】実験例2 次に、磁気ヘッドの磁気コアの単結晶フェライトの面方
位及び融着ガラスの線熱膨張係数と各特性の関係につい
て調査した。
位及び融着ガラスの線熱膨張係数と各特性の関係につい
て調査した。
【0054】すなわち、上述の磁気ヘッドサンプルAと
この磁気ヘッドサンプルAと同様の磁気ヘッドで単結晶
フェライトの面方位を変えた磁気ヘッドサンプルH、磁
気ヘッドサンプルAと同様の磁気ヘッドで融着ガラスと
して線熱膨張係数の異なるものを使用した磁気ヘッドサ
ンプルI、磁気ヘッドサンプルHと同様の磁気ヘッドで
融着ガラスとして線熱膨張係数の異なるものを使用した
磁気ヘッドサンプルJを製造し、これら磁気ヘッドサン
プルの再生出力を実験例1と同様にして測定した。
この磁気ヘッドサンプルAと同様の磁気ヘッドで単結晶
フェライトの面方位を変えた磁気ヘッドサンプルH、磁
気ヘッドサンプルAと同様の磁気ヘッドで融着ガラスと
して線熱膨張係数の異なるものを使用した磁気ヘッドサ
ンプルI、磁気ヘッドサンプルHと同様の磁気ヘッドで
融着ガラスとして線熱膨張係数の異なるものを使用した
磁気ヘッドサンプルJを製造し、これら磁気ヘッドサン
プルの再生出力を実験例1と同様にして測定した。
【0055】なお、磁気ヘッドサンプルH,Jにおいて
は、単結晶フェライトの面方位を磁気記録媒体摺動面が
(110)面,磁気ギャップ突き合わせ面が(100)
面,主磁路形成面が(110)面となる、いわゆるβ方
位とした。
は、単結晶フェライトの面方位を磁気記録媒体摺動面が
(110)面,磁気ギャップ突き合わせ面が(100)
面,主磁路形成面が(110)面となる、いわゆるβ方
位とした。
【0056】また、磁気ヘッドサンプルA,Hにおいて
は、融着ガラスとして、100℃から350℃の範囲で
の線熱膨張係数が、磁気コアを構成する接合フェライト
の線熱膨張係数よりも20×10-7〜26×10-7小さ
い線熱膨張係数を有するものを用い、磁気ヘッドサンプ
ルI,Jにおいては、融着ガラスとして、100℃から
350℃の範囲での線熱膨張係数が、磁気コアを構成す
る接合フェライトの線熱膨張係数よりも12×10-7〜
18×10-7小さい線熱膨張係数を有するものを用い
た。
は、融着ガラスとして、100℃から350℃の範囲で
の線熱膨張係数が、磁気コアを構成する接合フェライト
の線熱膨張係数よりも20×10-7〜26×10-7小さ
い線熱膨張係数を有するものを用い、磁気ヘッドサンプ
ルI,Jにおいては、融着ガラスとして、100℃から
350℃の範囲での線熱膨張係数が、磁気コアを構成す
る接合フェライトの線熱膨張係数よりも12×10-7〜
18×10-7小さい線熱膨張係数を有するものを用い
た。
【0057】なお、これら融着ガラスは、線熱膨張係数
以外の諸物性値(粘性、軟化点、転移点等)は同等であ
る。結果を表2に示す。
以外の諸物性値(粘性、軟化点、転移点等)は同等であ
る。結果を表2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】表2の結果から、単結晶フェライトの面方
位をVHS方位とすることで、β方位とした場合よりも
再生出力を高くすることが可能であることが確認され
た。また、一対の磁気コアを接合する融着ガラスの線熱
膨張係数を本発明のように規制して最適化すれば、その
ガラス融着時に発生する歪み量が抑えられ、高再生出力
化が達成されることが確認された。さらに、これらのこ
とから、単結晶フェライトの面方位をVHS方位とする
とともに、融着ガラスを100℃から350℃の範囲で
の線熱膨張係数が、磁気コアを構成する接合フェライト
の線熱膨張係数よりも20×10-7〜26×10-7小さ
いものとすれば、さらに効果が高いことが確認された。
位をVHS方位とすることで、β方位とした場合よりも
再生出力を高くすることが可能であることが確認され
た。また、一対の磁気コアを接合する融着ガラスの線熱
膨張係数を本発明のように規制して最適化すれば、その
ガラス融着時に発生する歪み量が抑えられ、高再生出力
化が達成されることが確認された。さらに、これらのこ
とから、単結晶フェライトの面方位をVHS方位とする
とともに、融着ガラスを100℃から350℃の範囲で
の線熱膨張係数が、磁気コアを構成する接合フェライト
の線熱膨張係数よりも20×10-7〜26×10-7小さ
いものとすれば、さらに効果が高いことが確認された。
【0060】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の磁気ヘッドにおいては、磁気コアをFe2O3 を5
2〜54mol%の範囲で含み、ZnOを24〜26m
ol%の範囲で含み、MnOを20〜24mol%の範
囲で含むフェライトにより構成していることから、磁気
コアの飽和磁化が小さくなり、これに伴って磁歪も小さ
くなる。そして、このような組成においては、使用周波
数領域における透磁率特性が確保され、本発明の磁気ヘ
ッドにおいては高再生出力化が達成される。
明の磁気ヘッドにおいては、磁気コアをFe2O3 を5
2〜54mol%の範囲で含み、ZnOを24〜26m
ol%の範囲で含み、MnOを20〜24mol%の範
囲で含むフェライトにより構成していることから、磁気
コアの飽和磁化が小さくなり、これに伴って磁歪も小さ
くなる。そして、このような組成においては、使用周波
数領域における透磁率特性が確保され、本発明の磁気ヘ
ッドにおいては高再生出力化が達成される。
【0061】また、本発明の磁気ヘッドにおいて、磁気
コアを単結晶フェライトと多結晶フェライトとを接合し
た接合フェライトにより構成した場合においては、前述
したような単結晶フェライトと多結晶フェライトの欠点
が互いにカバーされるとともに、この磁気コアの単結晶
フェライトにおける磁歪が小さいことから、単結晶フェ
ライトにおける摺動ノイズがさらに抑えられる。
コアを単結晶フェライトと多結晶フェライトとを接合し
た接合フェライトにより構成した場合においては、前述
したような単結晶フェライトと多結晶フェライトの欠点
が互いにカバーされるとともに、この磁気コアの単結晶
フェライトにおける磁歪が小さいことから、単結晶フェ
ライトにおける摺動ノイズがさらに抑えられる。
【0062】さらに、本発明の磁気ヘッドにおいて、接
合フェライトの単結晶フェライト部の面方位をVHS方
位に配置すれば、さらなる高再生出力化及び低ノイズ化
が達成される。
合フェライトの単結晶フェライト部の面方位をVHS方
位に配置すれば、さらなる高再生出力化及び低ノイズ化
が達成される。
【0063】さらにまた、本発明の磁気ヘッドにおい
て、磁気コアを接合する融着ガラスの線熱膨張係数を制
御して最適化すれば、そのガラス融着時に発生する歪み
量が抑えられ、さらなる高再生出力化及び低ノイズ化が
達成される。
て、磁気コアを接合する融着ガラスの線熱膨張係数を制
御して最適化すれば、そのガラス融着時に発生する歪み
量が抑えられ、さらなる高再生出力化及び低ノイズ化が
達成される。
【0064】すなわち、本発明の磁気ヘッドは、高再生
出力化と低ノイズ化を同時に実現でき、再生用磁気ヘッ
ドとして用いて好適なものとなる。
出力化と低ノイズ化を同時に実現でき、再生用磁気ヘッ
ドとして用いて好適なものとなる。
【図1】本発明を適用した磁気ヘッドの一例を示す要部
概略斜視図である。
概略斜視図である。
【図2】本発明を適用した磁気ヘッドの一例を示す要部
概略平面図である。
概略平面図である。
【図3】本発明を適用した磁気ヘッドの他の例を示す要
部概略斜視図である。
部概略斜視図である。
【図4】磁気ヘッドサンプルの組成分布を示す三元図で
ある。
ある。
【図5】磁気ヘッドサンプルAの組成分布と磁歪の関係
を示す三元図である。
を示す三元図である。
1,2,21,22 磁気コア 3 融着ガラス 9,11,27,28 単結晶フェライト 9a,11a,21b,22b 磁気記録媒体摺動面 9b,11b,21a,22a 磁気ギャップ突き合わ
せ面 9c,11c 主磁路形成面 10,12,29,30 多結晶フェライト
せ面 9c,11c 主磁路形成面 10,12,29,30 多結晶フェライト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浦井 彰 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 一対の磁気コアが磁気ギャップを有して
突き合わされて融着ガラスにより接合されてなる磁気ヘ
ッドにおいて、 磁気コアが、Fe2O3 を52〜54mol%の範囲で
含み、ZnOを24〜26mol%の範囲で含み、Mn
Oを20〜24mol%の範囲で含むフェライトよりな
り、再生用として使用されることを特徴とする磁気ヘッ
ド。 - 【請求項2】 磁気コアが、単結晶フェライトと多結晶
フェライトとを接合した接合フェライトよりなることを
特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。 - 【請求項3】 磁気コアの単結晶フェライト部の磁気記
録媒体との摺動面が(211)面、磁気ギャップ突き合
わせ面が(111)面またはその近傍、そして、主磁路
形成面が(110)面またはその近傍とされていること
を特徴とする請求項2記載の磁気へッド。 - 【請求項4】 一対の磁気コアを接合する融着ガラスの
100℃から350℃の範囲での線熱膨張係数が、磁気
コアを構成するフェライトの線熱膨張係数よりも20×
10-7〜26×10-7小さいことを特徴とする請求項1
記載の磁気ヘッド。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8012957A JPH09204605A (ja) | 1996-01-29 | 1996-01-29 | 磁気ヘッド |
US08/789,381 US5764455A (en) | 1996-01-29 | 1997-01-28 | Magnetic head |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8012957A JPH09204605A (ja) | 1996-01-29 | 1996-01-29 | 磁気ヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09204605A true JPH09204605A (ja) | 1997-08-05 |
Family
ID=11819753
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8012957A Pending JPH09204605A (ja) | 1996-01-29 | 1996-01-29 | 磁気ヘッド |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5764455A (ja) |
JP (1) | JPH09204605A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3524421B2 (ja) | 1999-03-12 | 2004-05-10 | アルプス電気株式会社 | 磁気ヘッド |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06314408A (ja) * | 1993-04-30 | 1994-11-08 | Sony Corp | 磁気ヘッド |
-
1996
- 1996-01-29 JP JP8012957A patent/JPH09204605A/ja active Pending
-
1997
- 1997-01-28 US US08/789,381 patent/US5764455A/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5764455A (en) | 1998-06-09 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20031202 |