JPH06102646B2 - トリフルオロメタンスルホニルオキシカルボン酸誘導体およびその製法 - Google Patents

トリフルオロメタンスルホニルオキシカルボン酸誘導体およびその製法

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JPH06102646B2
JPH06102646B2 JP4289760A JP28976092A JPH06102646B2 JP H06102646 B2 JPH06102646 B2 JP H06102646B2 JP 4289760 A JP4289760 A JP 4289760A JP 28976092 A JP28976092 A JP 28976092A JP H06102646 B2 JPH06102646 B2 JP H06102646B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は式(II′)
【化4】 を有する化合物およびその製法に関するものである。
【0002】上記式(II′)を有する化合物は式(V
I′)
【化5】 のα−ヒドロキシカルボン酸誘導体を塩基の存在下また
は不存在下においてトリフルオロメタンスルホン化剤と
反応せしめることによって製造される。
【0003】前記式(II′)の化合物を式(IV′)
【化6】 の化合物と反応せしめ、もし必要ならば加水分解または
水素添加分解によってエステル基を除去しまたは必要な
らばそれ自体既知の方法で遊離カルボキシル基をエステ
ル化することによって式(I)
【化7】 の化合物を製造することができる。
【0004】上記各式中、nは1または2であり、Rは
水素、(C1〜C6)アルキルまたは(C6〜 C12)アリ
ールを示し、Rは水素、場合によっては置換されてい
てもよい1〜6個の炭素原子を有する脂肪族残基、場合
によっては置換されていてもよい3〜9個の炭素原子を
有する環状脂肪族残基、場合によっては置換されていて
もよい4〜13個の炭素原子を有する環状脂肪族−脂肪
族残基、場合によっては置換されていてもよい6〜12
個の炭素原子を有する芳香族残基、場合によっては置換
されていてもよい7〜16個の炭素原子を有する芳香脂
肪族残基、場合によっては置換されていてもよい5〜1
0個の環原子を有するヘテロ芳香族残基または場合によ
っては保護された天然にあるα−アミノ酸の側鎖を示
し、RおよびRは、同一または異なりてそして水
素、(C1〜C6)アルキルまたは(C6〜 C12)アリー
ル−(C1〜C4)アルキルを示す。
【0005】
【従来の技術】例えば米国特許第4,350,704号お
よび欧州特許第A49,605号および第46,953号
の各明細書は、α−ハロゲノカルボキシレートまたは相
当するトシルオキシまたはメシルオキシ化合物をアミノ
エステルで処理することによる式(I)の化合物の製法
を説明している。反応は上昇せしめられた反応温度を必
要とする。副反応を起こす激しい反応条件のために収率
は低い。多くの場合において、銀イオンで反応を接触作
用させることが必要である。例えばα−ハロゲノ化合物
を反応せしめる場合は、触媒が収率を改善することがで
きるが非常に高価につく。その上に、光学的に活性なα
−ハロゲノカルボキシレートを使用する場合にはラセミ
生成物が得られる。
【0006】更に他の方法なかんずくドイツ特許出願第
P3226768.1号明細書においては、α−ケトエ
ステルをアミノエステルと反応させそして得られたイミ
ノ化合物を種々な還元剤で還元する。もしシアノ硼水素
化ナトリウムを使用する場合は、シアン化水素酸の形成
のために後処理は技術的に複雑化される。たとえ光学的
に純粋なアミノエステル出発物質として使用した場合で
もこの方法は、必要に応じて技術的に複雑な方法で成分
に分離されるジアステレオ異性体混合物のみを生成す
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の化合物を用いる
場合は、前述した不利点を有していない。好適な実施態
様においては、本発明の化合物から製造される化合物は
次の記号の意義を有する式(I)を有する。nは1また
は2であり、Rは水素、(C1〜C6)アルキルまたは
(C6〜 C12)アリールを示し、Rは水素または場合
によってはアミノ、(C1〜C6)アシルアミノまたはベ
ンゾイルアミノによって置換されていてもよい(C1
6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C3
9)シクロアルキル、(C5〜C9)シクロアルケニ
ル、(C3〜C7)シクロアルキル−(C1〜C4)アルキ
ル、(C6〜C12)アリールまたは部分的に水素添加さ
れたアリール(これらのそれぞれは(C1〜C4)アルキ
ル、(C1またはC2)アルコキシまたはハロゲンによっ
て置換されていてもよい)、(C6〜C12)アリール−
(C1〜C4)アルキルまたは(C7〜C13)アロイル−
(C1〜C2)アルキル(これらのいずれもアリール基に
おいて前述したように置換されていてもよい)、1個ま
たは2個の環原子が硫黄または酸素原子を示しそして
(または)1〜4個の環原子が窒素原子を示すそれぞれ
5〜7個または8〜10個の環原子を有する単環式また
は二環式の複素環式残基または天然にある場合によって
は保護されたα−アミノ酸の側鎖特に水素、(C1
3)アルキル、(C2またはC3)アルケニル、場合に
よっては保護されたリジンの側鎖、ベンジル、4−メト
キシベンジル、4−エトキシベンジル、フェネチル、4
−アミノブチルまたはベンゾイルメチルを示し、そして
およびRは同一または異なりて水素、(C1
6)アルキル、(C6〜C12)アリール−(C1〜C4
アルキルから選択された基特に水素、(C1〜C4)アル
キルまたはベンジルを示す。本明細書中においてアリー
ルは好適には場合によっては置換されたフェニル、ビフ
ェニリルまたはナフチルを意味するものとして理解され
るべきである。
【0008】1個または2個の環原子が硫黄または酸素
原子を示しそして(または)1〜4個の環原子が窒素原
子を示すそれぞれ5〜7または8〜10個の環原子を有
する単環式または二環式の複素環式残基は、例えばチエ
ニル、ベンゾ〔b〕チエニル、フリル、ピラニル、ベン
ゾフリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリ
ジル、ピリミジニル、ピリダジニル、インダゾリル、イ
ソインドリル、インドリル、プリニル、キノリジニル、
イソキノリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノ
キサリニル、キナゾリル、シンノリニル、プテリジニ
ル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリルまたは
イソチアゾリルを意味するものとして理解されるべきで
ある。これらの残基はまた、部分的にかまたは完全に水
素添加されていてもよい。
【0009】天然にあるα−アミノ酸は、例えば Hoube
n-Wyle 氏編「Methoden der Organischen Chemie」第XV
/1巻および第XV/2巻に記載されている。もしR
例えば保護されたser、thr、asp、asn、g
lu、gln、arg、lys、hyl、cys、or
n、cit、tyr、trp、hisまたはhypのよ
うな保護された天然にあるα−アミノ酸の側鎖を示す場
合は、保護基は好適にはペプチド化学で慣用のものであ
る(例えば前記 Houben-Wyle第XV/1およびXV/2巻参
照)。Rが保護されたリジン側鎖を示す場合において
は、既知のアミノ保護基特にZ、BoCまたは(C1
6)アルカノイルが使用される。チロシンに対するO
−保護基は好適には(C1〜C6)アルキル特にメチルま
たはエチルであり得る。
【0010】本発明のキラール(chiral)化合物を使用
することによって、このSN2反応において形成された
キラリティー中心がS−またはR−配置またはラセミに
ある式(I)の化合物を生成し得る。
【0011】本発明の化合物を用いて式(I)の化合物
を製造する際の反応は、立体化学的に明瞭に進行する。
この事実はまた、α−トリフルオロメタンスルホニルオ
キシカルボキシレートと光学的に活性なアミンとの反応
の立体化学的進行の研究によって確認される(「Angew.
Chem.」第95巻第50頁(1983年)参照)。
【0012】次の図式は上記反応の立体化学的進行を説
明する。
【化8】 (R)―IV′+(R)―II′→(Ra,Sb)―I (R)―IV′+(S)―II′→(Ra,Rb)―I (S)―IV′+(R)―II′→(Sa,Sb)―I (S)―IV′+(S)―II′→(Sa,Rb)―I
【0013】本発明の化合物から、次の化合物を特に有
利に得ることができる。ベンジルN−(1−S−カルブ
エトキシ−3−フェニルプロピル)−S−アラニン、ベ
ンジルN−(1−R−カルブエトキシ−3−フェニルプ
ロピル)−S−アラニン、ベンジルN−(1−S−カル
ブエトキシ−3−フェニルプロピル)−R−アラニン、
ベンジルN−(1−R−カルブエトキシ−3−フェニル
プロピル)−R−アラニン、ベンジルN−(1−R,S
−カルブエトキシ−3−フェニルプロピル)−S−アラ
ニン、ベンジルN−(1−R,S−カルブエトキシ−3
−フェニルプロピル)−R−アラニン、ベンジルN−
(1−S−カルブエトキシ−3−フェニルプロピル)−
R,S−アラニン、ベンジルN−(1−R−カルブエト
キシ−3−フェニルプロピル)−R,S−アラニン、ベ
ンジルN−(1−R,S−カルブエトキシ−3−フェニ
ルプロピル)−R,S−アラニン、
【0014】第3級ブチルNα−(1−S−カルブエト
キシ−3−フェニルプロピル)−Nε−ベンジルオキシ
カルボニル−S−リジン、ベンジルNα−(1−S−カ
ルブエトキシ−3−フェニルプロピル)−Nε−第3級
ブトキシカルボニル−S−リジン、ベンジルN−(1−
S−カルブエトキシ−3−フェニルプロピル)−O−エ
チル−S−チロシン、ベンジルN−(1−S−カルブエ
トキシ−3−フェニルプロピル)−O−メチル−S−チ
ロシン、ベンジルN−(1−S−カルブエトキシ−3−
フェニルプロピル)−S−チロシン、
【0015】ベンジルN−(1−S−カルブエトキシ−
3−〔4−フルオロフェニル〕−プロピル)−S−アラ
ニン、ベンジルN−(1−S−カルブエトキシ−3−
〔4−メトキシフェニル〕−プロピル)−S−アラニ
ン、ベンジルN−(1−S−カルブエトキシ−3−〔4
−クロロフェニル〕−プロピル)−S−アラニン、ベン
ジルN−(1−S−カルブエトキシ−3−〔2−メチル
フェニル〕−プロピル)−S−アラニン、ベンジルN−
(1−S−カルブエトキシ−3−〔3,4−ジメトキシ
フェニル〕−プロピル)−S−アラニン、ベンジルN−
(1−S−カルブエトキシブチル)−S−アラニン、ベ
ンジルN−(1−S−カルブエトキシ−3−〔シクロヘ
キシル〕−プロピル)−S−アラニン、ベンジルN−
(1−S−カルブエトキシ−3−〔4−フェニルフェニ
ル〕−プロピル)−S−アラニン、
【0016】ベンジルN−(1−S−カルブエトキシ−
3−〔4−フルオロフェニル〕−プロピル)−O−メチ
ル−S−チロシン、ベンジルN−(1−S−カルブエト
キシ−〔4−フルオロフェニル〕−プロピル)−O−エ
チル−S−チロシン、ベンジルN−(1−S−カルブエ
トキシ−3−〔4−メトキシフェニル〕−プロピル)−
O−エチル−S−チロシン、ベンジルN−(1−S−カ
ルブエトキシ−3−〔4−クロロフェニル〕−プロピ
ル)−O−エチル−S−チロシン、ベンジルN−(1−
S−カルブエトキシ−3−〔2−メチルフェニル〕−プ
ロピル)−O−エチル−S−チロシン、ベンジルN−
(1−S−カルブエトキシ−3−〔3,4−ジメトキシ
フェニル〕−プロピル)−O−エチル−S−チロシン、
ベンジルN−(1−S−カルブエトキシブチル)−O−エ
チル−S−チロシン、ベンジルN−(1−S−カルブエ
トキシ−3−シクロヘキシルプロピル)−O−エチル−
S−チロシン、
【0017】ベンジルN−(1−S−カルブエトキシ−
3−〔4−メトキシフェニル〕−プロピル)−O−メチ
ル−S−チロシン、ベンジルN−(1−S−カルブエト
キシ−3−〔4−クロロフェニル〕−プロピル)−O−
メチル−S−チロシン、ベンジルN−(1−S−カルブ
エトキシ−3−〔2−メチルフェニル〕−プロピル)−
O−メチル−S−チロシン、ベンジルN−(1−S−カ
ルブエトキシ−3−〔3,4−ジメトキシフェニル〕−
プロピル)−O−メチル−S−チロシン、ベンジルN−
(1−S−カルブエトキシブチル)−O−メチル−S−チ
ロシン、ベンジルN−(1−S−カルブエトキシ−3−
〔シクロヘキシル〕−プロピル)−O−メチル−S−チ
ロシン、
【0018】第3級ブチルNα−(1−S−カルブエト
キシ−3−〔4−フルオロフェニル〕−プロピル)−N
ε−ベンジルオキシカルボニル−S−リジン、第3級ブ
チルNα−(1−S−カルブエトキシ−3−〔4−メト
キシフェニル〕−プロピル)−Nε−ベンジルオキシカ
ルボニル−S−リジン、第3級ブチルNα−(1−S−
カルブエトキシ−3−〔4−クロロフェニル〕−プロピ
ル)−Nε−ベンジルオキシカルボニル−S−リジン、
第3級ブチルNα−(1−S−カルブエトキシ−3−
〔4−メチルフェニル〕−プロピル)−Nε−ベンジル
オキシカルボニル−S−リジン、Nα−(1−S−カル
ブエトキシ−3−〔3,4−ジメトキシフェニル〕−プ
ロピル、第3級ブチルNε−ベンジルオキシカルボニル
−S−リジン、エチルNα−(1−S−カルボベンジル
オキシエチル)−Nε−第3級ブトキシカルボニル−S
−リジン、エチルNα−(1−S−カルボ第3級ブトキ
シエチル)−Nε−ベンジルオキシカルボニル−S−リ
ジン、第3級ブチルNα−(1−S−カルブエトキシブ
チル)−Nε−ベンジルオキシカルボニル−S−リジ
ン、第3級ブチルNα−(1−S−カルブエトキシ−3
−〔シクロヘキシル〕−プロピル)−Nε−ベンジルオ
キシカルボニル−S−リジン、エチルNα−(1−S−
カルボ第3級ブトキシ−2−〔4−エトキシフェニル〕
−エチル)−Nε−ベンジルオキシカルボニル−S−リ
ジン、エチルNα−(1−S−カルボ第3級ブトキシ−
2−〔4−メトキシフェニル〕−エチル)−Nε−ベン
ジルオキシカルボニル−S−リジン。
【0019】式(II′)のトリフルオロメタンスルホネ
ートは、不活性溶剤中において式(VI)
【化9】 (式中n、RおよびR2は前述した通りである)のα−
ヒドロキシカルボン酸誘導体を例えばトリフルオロメタ
ンスルホン酸無水物またはトリフルオロメタンスルホニ
ルクロライドのようなトリフルオロメタンスルホン化剤
と反応せしめることによって得られる。
【0020】反応の進行中に形成した酸を除去するため
に、反応を塩基の存在下で実施することが有利である。
炭酸塩(例えばK2CO3、Na2CO3またはNaHCO
3)、Na2SO4のような無機塩または例えばトリエチ
ルアミンまたはピリジンのような有機塩基がこの目的に
対して適当している。塩素は化学量論量または過剰に使
用することができる。
【0021】適当な溶剤はトリフルオロメタンスルホン
化剤およびトリフルオロメタンスルホン酸誘導体と反応
しないものである。このような溶剤の例は塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、その他のハロゲン化炭
化水素および例えばヘキサンのような炭化水素である。
反応は−80℃〜+80℃の温度範囲で実施することが
できる。反応は特に塩化メチレン、クロロホルムまたは
四塩化炭素中で有利でありそして−80℃と室温との間
の温度でピリジンの存在下においてトリフルオロメタン
スルホン酸無水物をα−ヒドロキシカルボン酸誘導体と
反応せしめることが有利である。トリフルオロメタンス
ルホン酸無水物もまた過剰に使用することができる。も
し式(VI)の光学的に活性な化合物を使用する場合は、
キラール炭素原子上の配置は式(II′)の化合物への変
換に対して保持される。
【0022】式(II′)のトリフルオロメタンスルホン
酸誘導体は式(IV)のアミノエステルと円滑に反応して
式(I)の化合物を与える。得られるトリフルオロメタ
ンスルホン酸を除去するために、反応は好適には式(I
I′)の化合物と反応しない塩基の1当量の存在下にお
いて実施される。トリエチルアミンまたはピリジンのよ
うな第3級アミンが有利であることが判った。アミノ酸
誘導体それ自体も酸受容体として役立つことができる。
また例えばNa2CO3、K2CO3、NaHCO3または
Na2SO4のような無機塩も適当している。
【0023】反応は非プロトン性の極性溶剤または非極
性溶剤中で実施される。適当な溶剤の例は塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、ジメチルホルムアミ
ド、酢酸エチル、ジメトキシエタン、ヘキサン、エーテ
ルおよびテトラヒドロフランである。反応温度は−80
℃と+150℃との間の範囲にある。−20℃と+80
℃との間の範囲が特に有利であることが判った。
【0024】後処理は非常に簡単である。溶剤を水で洗
浄して形成した塩を除去する。有機溶液を乾燥しそれか
ら濃縮する。この過程において、式(I)の化合物は純
粋な形態で得られそしてもし必要ならば例えばなかんず
く濾過またはシリカゲル上のクロマトグラフィー処理の
ような一般的な精製方法によって高度に精製することが
できる。
【0025】式(II′)の光学的に純粋な化合物を反応
に使用する場合は、式(IV′)のアミノ酸誘導体による
トリフルオロメタンスルホン酸エステルの置換は、配置
の反転によって達成される。ラセミ化なしに光学的に純
粋な出発物質は光学的に純粋な最終生成物を与える。ジ
アステレオ異性体混合物は、例えば式(II′)のラセミ
化合物を光学的に純粋なアミノ酸誘導体と反応せしめる
ことによってまたはその逆によってまたは式(II′)の
ラセミ化合物をラセミアミノ酸誘導体と反応せしめるこ
とによって得られる。得られたジアステレオ異性体は、
例えばなかんずく塩の分別結晶またはシリカゲル上のカ
ラムクロマトグラフィー処理のような一般的に慣用の分
離方法によって分離することができる。出発成分の一方
がラセミである場合であっても、本発明の方法は、高収
率および高純度のために既存の方法以上の大なる利点を
与える。
【0026】式(I)および(II′)の化合物は下記の
式(VIII)の化合物の製造における価値ある中間体であ
る。
【0027】
【化10】 式中n、R、R1およびR2は前述した通りでありそして
4はイミノ窒素原子を経て分子の残部に結合した単環
式、二環式または三環式イミノ−α−カルボン酸の残基
を示す。式(VIII)の化合物は、例えば米国特許第4,
350,704号、同第4,344,949号および同第
4,374,847号、ならびに欧州特許第A50,80
0号、同第A31,741号、同第A51,020号、同
第A49,658号、同第A49,605号、同第A2
9,488号、同第A46,953号および同第A52,
870号各明細書から既知である。この化合物はまた、
西独特許出願第P3226768.1号、同第P315
1690.4号、同第P3210496.0号、同第P3
211397.8号、同第P3211676.4号、同第
P3227055.0号、同第P3242151.6号、
同第P3246503号および同第P3246757.
5号の要旨である。
【0028】式(VIII)の化合物は、アンギオテンシン
変換酵素(ACE)の阻止剤でありそして種々な病因の
高血圧の抑制に対して使用することができる。式(VII
I)の化合物は、ペプチド化学の既知のアミド形成方法
によって相当するα−イミノカルボン酸R4−Hまたは
その誘導体を式(I)の化合物と反応せしめることによ
って得られる。
【0029】
【実施例】以下の例および参考例は本発明の方法を説明
するものであるが、本発明はこれらの例にあげた物質に
限定されるものではない。
【0030】例 1エチル2−R,S−トリフルオロメ
タンスルホニルオキシ−4−フェニル−ブチレート乾燥
塩化メチレン8ml中の乾燥ピリジン2.37g(30ミ
リモル)およびトリフルオロメタンスルホン酸無水物
9.73g(34.5ミリモル)の溶液を、撹拌しながら
0℃で1時間にわたり乾燥塩化メチレン30ml中のエチ
ル2−R,S−ヒドロキシ−4−フェニルブチレート6.
24g(30ミリモル)の溶液に滴加する。滴加を完了
したときに、混合物を0℃で更に15分撹拌する。次に
沈殿を吸引濾去しそして塩化メチレン溶液を水で2回洗
浄し、MgSO4上で乾燥しそして濃縮する。収量8.6
g=理論値の84.3%Rf:0.37〔SiO2、シクロ
ヘキサン/酢酸エチル(4:1)、メタノール中のモリ
ブデト燐酸15%〕例 2エチル2-R-トリフルオロメ
タンスルホニルオキシ-4-フェニルブチレートこの混合
物は、例1の製造法と同様にして、エチル2−R−ヒド
ロキシ−4−フェニルブチレートおよびトリフルオロメ
タンスルホン酸無水物から得られる。このエチルエステ
ルは、乾燥塩化水素ガスを水浴上で加熱した溶液に通す
ことによって「Annales de Chimie」第20巻第147
頁(1933年)におけるビクアードの方法と同様にし
て、2−R−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸および無水
エタノールから製造される。Rf:0.11〔SiO2
シクロヘキサン/酢酸エチル(9:1)。収率:理論値
の90%。例 3ベンジル2−R−トリフルオロメタン
スルホニルオキシプロピオネートこの化合物は例1と同
様にして塩化メチレン中でベンジルD−ラクテートをト
リフルオロメタンスルホン酸無水物およびピリジンと反
応せしめることによって得られる。収率:理論値の95
【0031】参考例1ベンジルN−(1−S−カルブエ
トキシ−3−フェニルプロピル)−S−アラニンベンジ
ルS−アラニン4.4g(24.68ミリモル)およびト
リエチルアミン2.5g(24.7ミリモル)を乾燥塩化
メチレン20mlに溶解する。乾燥塩化メチレン10ml中
の例1のエチル2−R,S−トリフルオロメタンスルホ
ニルオキシ−4−フェニルブチレート8.4gを撹拌し
ながら室温で滴加する。その後、混合物を室温で更に4
0分撹拌する。塩化メチレン溶液を水で3回洗浄し、N
2SO4上で乾燥しそして真空濃縮する。ベンジルN−
(1−R,S−カルブエトキシ−3−フェニルプロピ
ル)−S−アラニン混合ジアステレオ異性体の収量:
9.0g(理論値の99%)。ジアステレオ異性体Iの
f:0.12ジアステレオ異性体IIのRf:0.07〔S
iO2、シクロヘキサン/酢酸エチル(9:1)、メタ
ノール中のモリブデト燐酸15%〕2種のジアステレオ
異性体はシクロヘキサン/酢酸エチル(9:1)の溶離
剤混合物によってシリカゲル上で互に容易に分離するこ
とができる。緩慢な異性体は、S,S−配置である。
【0032】参考例2ベンジルN−(1−S−カルブエ
トキシ−3−フェニルプロピル)−S−アラニン参考例
1と同様にしてエチル2−R−トリフルオロメタンスル
ホニルオキシ−4−フェニルブチレートをベンジルS−
アラニンと反応させる。酪酸部分の配置は反転して92
%の収率で所望のS,S−化合物を与える。Rf:0.0
7〔SiO2、シクロヘキサン/酢酸エチル(9:
1)〕配置は次のようにして測定した。参考例1(ジア
ステレオ異性II)および参考例2で得られた化合物を1
0%パラジウム付炭素によってエタノール中で水素添加
した場合、これはそれぞれの場合において//22D=+2
8°(c=1、CH3OH)の光学旋光度の角度を有す
るN−(1−S−カルブエトキシ−3−フェニルプロピ
ル)−S−アラニンを与える。この値は+31°(c=
1、CH3OH)の文献値(欧州特許第A37,231号
第30頁)とよく一致する。270MHz 1H−NMR
はR,S−ジアステレオ異性体によって不純化されてい
ないことを示す。
【0033】参考例3ベンジルN−(1−R,S−カル
ブエトキシ−3−フェニルプロピル)−O−エチル−S
−チロシン参考例1と同様にして塩化メチレン中におい
て例1のエチル2−R,S−トリフルオロメタンスルホ
ニルオキシ−4−フェニルブチレート6.1gをベンジ
ルO−エチル−S−チロシン5.4gおよびトリエチル
アミン1.8gと反応させる。収率:S,SおよびR,S
−化合物の1:1ジアステレオ異性体混合物の理論値の
95%ジアステレオ異性体IのRf:0.46〔Si
2、シクロヘキサン/ジイソプロピルエーテル(1:
1)〕ジアステレオ異性体IIのRf:0.39〔Si
2、シクロヘキサン/ジイソプロピルエーテル(1:
1)〕2つのジアステレオ異性体は、シクロヘキサン/
ジイソプロピルエーテル(8:2)を使用してシリカゲ
ル上で互に容易に分離することができる。緩慢なジアス
テレオ異性体はS,S−配置を有す。
【0034】参考例4ベンジルN−(1−S−カルブエ
トキシ−3−フェニルプロピル)−O−エチル−S−チ
ロシンこの化合物は参考例1と同様にして乾燥塩化メチ
レン中において例2のエチル2−R−トリフルオロメタ
ンスルホニルオキシ−4−フェニルブチレート、ベンジ
ルO−エチル−S−チロシンおよびトリエチルアミンを
反応せしめることによって得られる。収率:理論値の9
5%Rf:0.39〔SiO2、シクロヘキサン/ジイソ
プロピルエーテル(1:1)〕
【0035】参考例5ベンジルN−(1−R,S−カル
ブエトキシ−3−フェニルプロピル)−O−メチル−S
−チロシン参考例1と同様にして塩化メチレン中におい
て例1のエチル2−R,S−トリフルオロメタンスルホ
ニルオキシ−4−フェニルブチレートをベンジル−O−
メチル−S−チロシンおよびトリエチルアミンと反応せ
しめることによってジアステレオ異性体混合物が得られ
る。収率:ジアステレオ異性体混合物の理論値の92%
ジアステレオ異性体IのRf:0.23〔SiO2、シク
ロヘキサン/酢酸エチル(9:1)〕ジアステレオ異性
体IIのRf:0.19〔SiO2、シクロヘキサン/酢酸
エチル(9:1)〕ジアステレオ異性体はシクロヘキサ
ン/ジイソプロピルエーテルを使用してシリカゲル上で
互に容易に分離することができる。緩慢な異性体はS,
S−配置を有する。
【0036】参考例6ベンジルN−(1−S−カルブエ
トキシ−3−フェニルプロピル)−O−メチル−S−チ
ロシンこの化合物は参考例1と同様にして塩化メチレン
中で例2のエチル2−R−トリフルオロメタンスルホニ
ルオキシ−4−フェニルブチレートをベンジルO−メチ
ル−S−チロシンおよびトリエチルアミンと反応せしめ
ることによって得られる。収率:理論値の94%Rf
0.19〔SiO2、シクロヘキサン/酢酸エチル(9:
1)〕
【0037】参考例7第3級ブチルNα−(1−R,S
−カルブエトキシ−3−フェニルプロピル)−Nε−ベ
ンジルオキシカルボニル−S−リジン参考例1と同様に
して塩化メチレン中で例1のエチル2−R,S−トリフ
ルオロメタンスルホニルオキシ−4−フェニルブチレー
トを第3級ブチルNε−ベンジルオキシカルボニル−S
−リジンおよびトリエチルアミンと反応せしめることに
よってジアステレオ異性体混合物が得られる。収率:理
論値の95%m/e:526
【0038】参考例8第3級ブチルNα−(1−S−カ
ルブエトキシ−3−フェニルプロピル)−Nε−ベンジ
ルオキシカルボニル−S−リジンこの化合物は参考例1
と同様にして塩化メチレン中で例2のエチル2−R−ト
リフルオロメタンスルホニルオキシ−4−フェニルブチ
レートを第3級ブチルNε−ベンジルオキシカルボニル
−S−リジンおよびトリエチルアミンと反応せしめるこ
とによって得られる。収率:理論値の82%m/e:5
26
【0039】参考例9ベンジルN−(1−R,S−カル
ブエトキシ−3−フェニルプロピル)−S−アラニン参
考例1と同様にして塩化メチレン中でベンジル2−R−
トリフルオロメタンスルホニルオキシプロピオネートを
エチルR,S−ホモフェニルアラニンおよびトリエチル
アミンと反応せしめることによってジアステレオ異性体
混合物が得られる。収率:理論値の90%ジアステレオ
異性体IのRf:0.12〔SiO2、シクロヘキサン/
酢酸エチル(9:1)〕ジアステレオ異性体IIのRf
0.07〔SiO2、シクロヘキサン/酢酸エチル(9:
1)〕物理的データは参考例1のジアステレオ異性体の
データと一致する。
【0040】参考例10ベンジルN−(1−S−カルブ
エトキシ−3−フェニルプロピル)−S−アラニンこの
化合物は参考例1と同様にして四塩化炭素中でベンジル
2−R−トリフルオロメタンスルホニルオキシプロピオ
ネートをエチルS−ホモフェニルアラニンおよびトリエ
チルアミンと反応せしめることによって得られる。収
率:理論値の98%Rf:0.07〔SiO2、シクロヘ
キサン/酢酸エチル(9:1)〕物理的データは参考例
2の化合物のデータと一致する。
【0041】参考例11エチルNα−(1−S−カルボ
ベンジルオキシエチル)−Nε−第3級ブトキシカルボ
ニル−S−リジンこの化合物は参考例1と同様にして塩
化メチレン中で例3のベンジル2−R−トリフルオロメ
タンスルホニルオキシプロピオネートをエチルNε−第
3級ブトキシカルボニル−S−リジンおよびトリエチル
アミンと反応せしめることによって得られる。収率:理
論値の82%m/e:436
【0042】参考例12ベンジルN−(1−R,S−カ
ルブエトキシ−3−フェニルプロピル)−R−アラニン
参考例1と同様にして塩化メチレン中でベンジル2−
R,S−トリフルオロメタンスルホニルオキシブチレー
トをベンジルR−アラニンおよびトリエチルアミンと反
応させることによっておよび参考例1と同様にしてベン
ジル2−S−トリフルオロメタンスルホニルオキシラク
テートおよびエチルR,S−ホモフェニルアラニンを反
応せしめることによってジアステレオ異性体混合物を得
る。収率:理論値の92%ジアステレオ異性体IのRf
0.13〔SiO2、シクロヘキサン/酢酸エチル(9:
1)〕ジアステレオ異性体IIのRf:0.07〔Si
2、シクロヘキサン.酢酸エチル(9:1)〕
【0043】参考例13ベンジルN−(1−S−カルブ
エトキシ−3−フェニルプロピル)−R−アラニンこの
化合物は例1と同様にして塩化メチレン中でベンジルL
−ラクテート、トリフルオロメタンスルホン酸無水物お
よびピリジンから製造されたベンジル2−S−トリフル
オロメタンスルホニルオキシプロピオネートを参考例1
と同様にして塩化メチレン中においてエチルS−ホモフ
ェニルアラニンおよびトリエチルアミンと反応させるこ
とによって得られる。収率:理論値の95%Rf:0.0
8〔SiO2、シクロヘキサン/酢酸エチル(9:
1)〕
【0044】参考例14エチルNα−(1−S−カルボ
キシ−第3級ブトキシエチル)−Nε−ベンジルオキシ
カルボニル−S−リジンこの化合物は参考例1と同様に
して塩化メチレン中において第3級ブチル2−R−トリ
フルオロメタンスルホニルオキシプロピオネートおよび
エチルNε−ベンジルオキシカルボニル−S−リジンお
よびトリエチルアミンを反応させることによって得られ
る。
【0045】前述した方法によって、RまたはSまたは
R,S−形態(好適にはRおよびR,S−形態)で使用さ
れる相当する2−ヒドロキシカルボキシレートから次の
トリフレートが製造される。
【0046】エチル2−R,S−トリフルオロメタンス
ルホニルオキシ−4−(4−フルオロフェニル)−ブチ
レート、エチル2−R−トリフルオロメタンスルホニル
オキシ−4−(4−フルオロフェニル)−ブチレート、
エチル2−R,S−トリフルオロメタンスルホニルオキ
シ−4−(4−メトキシフェニル)−ブチレート、エチ
ル2−R−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−4−
(4−メトキシフェニル)−ブチレート、エチル2−
R,S−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−4−
(4−クロロフェニル)−ブチレート、エチル2−R−
トリフルオロメタンスルホニルオキシ−4−(4−クロ
ロフェニル)−ブチレート、エチル2−R,S−トリフ
ルオロメタンスルホニルオキシ−4−(3,4−ジクロ
ロフェニル)−ブチレート、エチル2−R−トリフルオ
ロメタンスルホニルオキシ−4−(3,4−ジクロロフ
ェニル)−ブチレート、エチル2−R,S−トリフルオ
ロメタンスルホニルオキシ−4−(2−メチルフェニ
ル)−ブチレート、エチル2−R−トリフルオロメタン
スルホニルオキシ−4−(2−メチルフェニル)−ブチ
レート、
【0047】エチル2−R,S−トリフルオロメタンス
ルホニルオキシ−4−(3,4−ジメトキシフェニル)
−ブチレート、エチル2−R−トリフルオロメタンスル
ホニルオキシ−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−
ブチレート、エチル2−R,S−トリフルオロメタンス
ルホニルオキシ−4−(4−フェニルフェニル)−ブチ
レート、エチル2−R−トリフルオロメタンスルホニル
オキシ−4−(4−フェニルフェニル)−ブチレート、
エチル2−R,S−トリフルオロメタンスルホニルオキ
シブチレート、エチル2−R−トリフルオロメタンスル
ホニルオキシブチレート、エチル2−R,S−トリフル
オロメタンスルホニルオキシ−4−シクロヘキシルブチ
レート、エチル2−R−トリフルオロメタンスルホニル
オキシ−4−シクロヘキシルブチレート、
【0048】エチル2−R,S−トリフルオロメタンス
ルホニルオキシ−3−(インドール−3−イル)プロピ
オネート、エチル2−R−トリフルオロメタンスルホニ
ルオキシ−3−(インドール−3−イル)−プロピオネ
ート、エチル2−R,S−トリフルオロメタンスルホニ
ルオキシ−3−(N−トリフルオロメタンスルホニルイ
ンドール−3−イル)−プロピオネート、エチル2−R
−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−3−(N−ト
リフルオロメタンスルホニルインドール−3−イル)−
プロピオネート、トリフレートの製造に対して必要な2
−R,S−ヒドロキシカルボキシレートは相当するα−
ケトエステルをエタノール中においてラネーニッケルお
よび水素で還元することによって得られる。使用される
更に他の製法においては、相当するシアノヒドリンを酸
加水分解しそして得られた2−ヒドロキシカルボン酸を
在来のエステル化法によってエチルエステルに変換す
る。
【0049】ラセミ2−ヒドロキシカルボン酸は光学的
に活性なアミンまたはアミノエステルとのジアステレオ
異性体塩形成および分別結晶化によってかまたは例えば
メントールのような光学的に活性なアルコールによるエ
ステル化およびカラムクロマトグラフィー処理によるエ
ステルの分離によってまたは分別結晶化によってラセミ
的に分割される。光学的に活性な2−ヒドロキシカルボ
キシレートへのエステル化は、在来のエステル化法によ
って行われる。
【0050】前述した2−トリフルオロメタンスルホニ
ルオキシカルボキシレートを参考例1または2に示した
方法と同様にして相当するアミノエステルと反応せしめ
て次の化合物を得る。
【0051】ベンジルN−(1−S−カルブエトキシ−
3−〔4−フルオロフェニル〕−プロピル)−S−アラ
ニン、ベンジルN−(1−S−カルブエトキシ−3−
〔4−メトキシフェニル〕−プロピル)−S−アラニ
ン、ベンジルN−(1−S−カルブエトキシ−3−〔4
−クロロフェニル〕−プロピル)−S−アラニン、ベン
ジルN−(1−S−カルブエトキシ−3−〔2−メチル
フェニル〕−プロピル)−S−アラニン、ベンジルN−
(1−S−カルブエトキシ−3−〔3,4−ジメトキシ
フェニル〕−プロピル)−S−アラニン、ベンジルN−
(1−S−カルブエトキシブチル)−S−アラニン、ベ
ンジルN−(1−S−カルブエトキシ−3−シクロヘキ
シルプロピル)−S−アラニン、ベンジルN−(1−S
−カルブエトキシ−3−〔4−フェニルフェニル〕−プ
ロピル)−S−アラニン、
【0052】ベンジルN−(1−S−カルブエトキシ−
3−〔4−フルオロフェニル〕−プロピル)−O−メチ
ル−S−チロシン、ベンジルN−(1−S−カルブエト
キシ−3−〔4−フルオロフェニル〕−プロピル)−O
−エチル−S−チロシン、ベンジルN−(1−S−カル
ブエトキシ−3−〔4−メトキシフェニル〕−プロピ
ル)−O−エチル−S−チロシン、ベンジルN−(1−
S−カルブエトキシ−3−〔4−メトキシフェニル〕−
プロピル)−O−メチル−S−チロシン、ベンジルN−
(1−S−カルブエトキシ−3−〔2,6−ジクロロフ
ェニル〕−プロピル)−O−エチル−S−チロシン、ベ
ンジルN−(1−S−カルブエトキシ−3−〔2,6−
ジクロロフェニル〕−プロピル)−O−メチル−S−チ
ロシン、
【0053】ベンジルN−(1−S−カルブエトキシ−
3−〔2,6−ジクロロフェニル〕−プロピル)−S−
アラニン、ベンジルN−(1−S−カルブエトキシ−3
−〔4−クロロフェニル〕−プロピル)−O−エチル−
S−チロシン、ベンジルN−(1−S−カルブエトキシ
−3−〔4−クロロフェニル〕−プロピル)−O−メチ
ル−S−チロシン、ベンジルN−(1−カルブエトキシ
−3−〔2−メチルフェニル〕−プロピル)−O−エチ
ル−S−チロシン、ベンジルN−(1−S−カルブエト
キシ−3−〔2−メチルフェニル〕−プロピル)−O−
メチル−S−チロシン、ベンジルN−(1−S−カルブ
エトキシ−3−〔3,4−ジメトキシフェニル〕−プロ
ピル)−O−エチル−S−チロシン、ベンジルN−(1
−S−カルブエトキシ−3−〔3,4−ジメトキシフェ
ニル〕−プロピル)−O−メチル−S−チロシン、ベン
ジルN−(1−S−カルブエトキシブチル)−O−エチル
−S−チロシン、ベンジルN−(1−S−カルブエトキシ
ブチル)−O−メチル−S−チロシン、ベンジルN−(1
−S−カルブエトキシ−3−シクロヘキシルプロピル)
−O−エチル−S−チロシン、ベンジルN−(1−S−
カルブエトキシ−3−シクロヘキシルプロピル)−O−
メチル−S−チロシン、
【0054】ベンジルNα−(1−S−カルブエトキシ
−3−〔4−メトキシフェニル〕−プロピル)−Nε−
第3級ブトキシカルボニル−S−リジン、第3級ブチル
Nα−(1−S−カルブエトキシ−3−〔4−クロロフ
ェニル〕−プロピル)−Nε−ベンジルオキシカルボニ
ル−S−リジン、ベンジルNα−(1−S−カルブエト
キシ−3−〔4−クロロフェニル〕−プロピル)−Nε
−第3級ブトキシカルボニル−S−リジン、ベンジルN
α−(1−S−カルブエトキシ−3−〔2,6−ジクロ
ロフェニル〕−プロピル)−Nε−第3級ブトキシカル
ボニル−S−リジン、第3級ブチルNα−(1−S−カ
ルブエトキシ−3−〔2,6−ジクロロフェニル〕−プ
ロピル)−Nε−ベンジルオキシカルボニル−S−リジ
ン、第3級ブチルNα−(1−S−カルブエトキシ−3
−〔2−メチルフェニル〕−プロピル)−Nε−ベンジ
ルオキシカルボニル−S−リジン、ベンジルNα−(1
−S−カルブエトキシ−3−〔2−メチルフェニル〕−
プロピル)−Nε−第3級ブトキシカルボニル−S−リ
ジン、ベンジルNα−(1−S−カルブエトキシ−3−
〔3,4−ジメトキシフェニル〕−プロピル)−Nε−
第3級ブトキシカルボニル−S−リジン、第3級ブチル
Nα−(1−S−カルブエトキシ−3−〔3,4−ジメ
トキシフェニル〕−プロピル)−Nε−ベンジルオキシ
カルボニル−S−リジン、
【0055】第3級ブチルNα−(1−S−カルブエト
キシブチル)−Nε−ベンジルオキシカルボニル−S−
リジン、ベンジルNα−(1−S−カルブエトキシブチ
ル)−Nε−第3級ブトキシカルボニル−S−リジン、
ベンジルNα−(1−S−カルブエトキシ−3−シクロ
ヘキシルプロピル)−Nε−第3級ブトキシカルボニル
−S−リジン、第3級ブチルNα−(1−S−カルブエ
トキシ−3−シクロヘキシルプロピル)−Nε−ベンジ
ルオキシカルボニル−S−リジン、エチルNα−(1−
S−カルボベンジルオキシエチル)−Nε−第3級ブト
キシカルボニル−S−リジン、エチルNα−(1−S−
カルボ第3級ブトキシ−2−〔4−エトキシフェニル〕
−エチル)−Nε−ベンジルオキシカルボニル−S−リ
ジン、エチルNα−(1−S−カルボ第3級ブトキシ−
2−〔4−メトキシフェニル〕−エチル)−Nε−ベン
ジルオキシカルボニル−S−リジン。
【0056】相当する第3級ブチルS−アミノ酸エステ
ル生成物を使用する場合は、ベンジルエステル生成物の
代りに第3級ブチルエステル最終生成物が得られる。ラ
セミトリフレート生成物を使用する場合は、N−アルキ
ル部分においてR,S−配置を有する相当するS−アミ
ノ酸エステルが得られる。
【0057】
【発明の効果】本発明の化合物を使用することにより、
前記式(I)を有するN−アルキル化アミノ酸を立体特
異的に収率よく製造することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(II′) 【化1】 〔上記式中、nは1または2であり、Rは水素、(C1
    〜C6)アルキルまたは(C6〜C12)アリールを示し、
    そしてR2は水素、(C1〜C6)アルキルまたは(C6
    12)アリール−(C1〜C4)アルキルを示す〕の化合
    物。
  2. 【請求項2】 nが1または2であり、Rが水素、メチ
    ル、エチルまたはフェニルを示し、そしてR2が水素、
    メチル、エチル、第3級ブチルまたはベンジルを示す請
    求項1の化合物。
  3. 【請求項3】 式(VI′) 【化2】 (上記式中、n,RおよびR2は後述する通りである)
    のα−ヒドロキシカルボン酸誘導体を塩基の存在下また
    は不存在下においてトリフルオロメタンスルホン化剤と
    反応せしめることを特徴とする式(II′) 【化3】 〔上記式中、nは1または2であり、Rは水素、(C1
    〜C6)アルキルまたは(C6〜C12)アリールを示し、
    そしてR2は水素、(C1〜C6)アルキルまたは(C6
    12)アリール−(C1〜C4)アルキルを示す〕の化合
    物の製法。
  4. 【請求項4】 前記式(II′)において、nが1または
    2であり、Rが水素、メチル、エチルまたはフェニルを
    示し、そしてR2が水素、メチル、エチル、第3級ブチ
    ルまたはベンジルを示す化合物の請求項3の製法。
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