JPH0610166B2 - フツ素置換芳香族カルボン酸アリ−ルエステルの製造方法 - Google Patents

フツ素置換芳香族カルボン酸アリ−ルエステルの製造方法

Info

Publication number
JPH0610166B2
JPH0610166B2 JP61066019A JP6601986A JPH0610166B2 JP H0610166 B2 JPH0610166 B2 JP H0610166B2 JP 61066019 A JP61066019 A JP 61066019A JP 6601986 A JP6601986 A JP 6601986A JP H0610166 B2 JPH0610166 B2 JP H0610166B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorine
aromatic
substituted aromatic
compound
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61066019A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62223155A (ja
Inventor
伸典 福岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP61066019A priority Critical patent/JPH0610166B2/ja
Publication of JPS62223155A publication Critical patent/JPS62223155A/ja
Publication of JPH0610166B2 publication Critical patent/JPH0610166B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐熱性ポリマー用のモノマーの中間体あるい
は農薬、医薬等の中間体として重要な芳香族フッ素化合
物であるフッ素置換芳香族カルボン酸アリールエステル
を製造する方法に関する。
(従来の技術) フッ素置換芳香族カルボン酸アリールエステルは、フッ
素置換芳香族カルボン酸と芳香族ヒドロキシ化合物とを
オキシ塩化リンのような脱水縮合剤と反応させる方法
(薬学雑誌 第78巻第546ページ、1958年)
や、フッ素置換芳香族カルボン酸クロリドと芳香族ヒド
ロキシ化合物との反応などによって製造されていた。し
かしながら、これらの原料となるフッ素置換芳香族カル
ボン酸またはフッ素置換芳香族カルボン酸クロリドが高
価なことや、オキシ塩化リンのような脱水縮合剤が化学
量論理量必要であり、その廃棄物処理も面倒であり、工
業的に実施するには問題であった。
一方、フッ素置換されていないブロムベンゼンまたはヨ
ードベンゼンの誘導体がパラジウム触媒と塩基の存在下
に、一酸化炭素およびフエノールと反応して安息香酸フ
エニルエステルを与えることも知られている(特開昭5
9−29641号公報)。
しかしながら、フッ素およびフッ素と異なるハロゲンが
共に芳香環に直接結合した化合物であるフッ素置換芳香
族ハロゲン化物の一酸化炭素および芳香族ヒドロキシ化
合物との反応については知られておらず、置換基である
フッ素の影響等についても全く知られていなかった。そ
こで、本発明者らは、フッ素置換芳香族ハロゲン化物か
らフッ素置換芳香族カルボン酸アリールエステルを高収
率で製造できる方法を開発するため検討を続けた結果、
パラジウムまたはパラジウム化合物とホスフイン化合物
とからなる触媒系および塩基の存在下に、フッ素および
フッ素と異なるハロゲンが共に芳香環に直接結合したフ
ッ素置換芳香族ハロゲン化物を、一酸化炭素および芳香
族ヒドロキシ化合物と反応させることによって、目的と
するフッ素置換芳香族カルボン酸アリールエステルが高
収率、高選択率で得られることを見出し、先に特許出願
した(特願昭60−26596号)。
(発明の手段および作用) 本発明者らは、この知見をもとに、ホスフイン化合物の
効果等についてさらに検討を進めた結果、ホスフイン化
合物は、反応温度を下げたり、反応速度を高めたりする
効果が顕著であり、優れた助触媒であることを再確認し
たが、反応を進行させるための不可欠の助触媒ではない
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ホスフイン化合物の不存在下、パ
ラジウム触媒および塩基の存在下に、フッ素およびフッ
素と異なるハロゲンが共に芳香環に直接結合したフッ素
置換芳香族ハロゲン化物を、一酸化炭素および芳香族ヒ
ドロキシ化合物と反応させることを特徴とするフッ素置
換芳香族カルボン酸アリールエステルの製造方法であ
る。
特願昭60−26596号で助触媒として用いたホスフ
イン化合物の効果は、フッ素置換芳香族ハロゲン化物の
ハロゲンが塩素および臭素の時に大きく、ヨウ素の時に
は小さいこともわかった。したがって、ホスフイン化合
物を用いない本発明においては、フッ素置換芳香族ハロ
ゲン化物のハロゲンが特に塩素および臭素の場合は、前
記先願の場合に比べて反応条件を若干厳しくする必要が
ある。
本発明で用いられるパラジウム触媒は、ホスフイン化合
物を含まずに、成分としてパラジウム元素を含むもので
あれば特に制限はなく、パラジウムが金属状態であって
もよいし、化合物を形成する成分であってもよい。ま
た、このパラジウム成分が例えば、活性炭、グラファイ
ト、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−チ
タニア、チタニア、ジルコニア、硫酸バリウム、炭酸カ
ルシウム、アスベスト、ベントナイト、ケイソウ土、ポ
リマー、イオン交換樹脂、ゼオライト、モレキュラーシ
ープ、ケイ酸マグネシウム、マグネシアなどの担体に担
持されたものであってもよい。
金属状態のパラジウムとしては、パラジウム金属、パラ
ジウム黒、パラジウムイオンを含む化合物を前記のよう
な担体に担持した後、水素やホルムアルデヒド、ヒドラ
ジンなどで還元処理したもの、およびパラジウムを含む
合金あるいは金属間化合物などが用いられる。合金ある
いは金属間化合物としては、例えば、セレン、テルル、
イオウ、アンチモン、ビスマス、銅、銀、金、亜鉛、ス
ズ、バナジウム、鉄、コバルト、ニツケル、水銀、鉛、
タリウム、クロム、モリブデン、タングステンなどを含
むものがあげられる。もちろん、これらの合金あるいは
金属間化合物が、前記のような担体に担持されたもので
あってもよい。
一方、パラジウムを含む化合物としては、PdCl
PbBr,PdI,Pd(NO,PdSO
などの無機塩類;Pd(OCOCH,シュウ酸パ
ラジウムなどの有機酸塩類;Pd(CN);PdO;
Pds;M〔PdX〕,M〔PdX〕で示され
るパラジウム酸塩類(Mはアルカリ金属またはアンモニ
ウムイオンを表わし、Xはニトロ基、シアノ基またはハ
ロゲンを表わす);〔Pd(NH〕X、〔Pd
(en)〕Xなどのパラジウムのアンミン錯体類
(Xは上記と同じ意味をもち、enはエチレンジアミン
を表わす);PdCl(PhCN),Pd(C
などの錯化合物または有機金属化合物類(Rは有
機基を表わす);Pd(acac)などのキレート配
位子が配位した錯化合物類(acacはアセチルアセト
ンを表わす)などが用いられる。
本発明で原料として用いられるフッ素置換芳香族ハロゲ
ン化物とは、置換基としてフッ素およびフッ素と異なる
ハロゲンが共に芳香環に直接結合している芳香族化合物
であれば、どのようなものでもよい。このようなフッ素
置換芳香族ハロゲン化物としては、例えば、ベンゼン、
トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼ
ン、プロピルベンゼン、キュメン、トリメチルベンゼ
ン、テトラメチルベンゼン、ナフタリン、アンスラセン
などの芳香族炭化水素の芳香環の水素が1個以上のフッ
素と、1個以上の他のハロゲンによって置換された化合
物類;ピリジン、キノリン、ビピリジンなどのヘテロ芳
香族化合物の芳香環の水素が1個以上のフッ素と、1個
以上の他のハロゲンによって置換された化合物類;式 〔ただし、Aは単なる結合、または−O−、−S−、−
SO−、−CO−、CH−、−C(R)−(Rは
低級アルキル基)などの2価の基を表わす〕で示される
芳香族炭化水素の芳香環の水素が1個以上のフッ素と、
1個以上の他のハロゲンによって置換された化合物類な
どがあげられる。特に好ましいハロゲンは、臭素または
ヨウ素である。
また、これらのフッ素置換芳香族ハロゲン化物におい
て、反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例えば、低
級アルキル基、低級アルコキシ基、エステル基、ニトロ
基、シアノ基などの置換基によって置換されているもの
であつてもよい。
このようなフッ素置換芳香族ハロゲン化物の中で特に好
ましく用いられるのはベンゼン誘導体であって、例え
ば、フルオロクロルベンゼン(各異性体)、フルオロブ
ロムベンゼン(各異性体)、フルオロヨードベンゼン
(各異性体)などのモノフルオロモノハロゲン化ベンゼ
ン類;フルオロジクロルベンゼン(各異性体)、フルオ
ロジブロムベンゼン(各異性体)、フルオロジヨードベ
ンゼン(各異性体)、モノフルオロトリブロムベンゼン
(各異性体)、モノフルオロトリヨードベンゼン(各異
性体)、モノフルオロテトラブロムベンゼン(各異性
体)などのモノフルオロポリハロゲン化ベンゼン類;ジ
フルオロクロルベンゼン(各異性体)、ジフルオロブロ
ムベンゼン(各異性体)、ジフルオロヨードベンゼン
(各異性体)、トリフルオロブロムベンゼン(各異性
体)、ペンタフルオロブロムベンゼン(各異性体)など
のポリフルオロモノハロゲン化ベンゼン類;ジフルオロ
ジクロルベンゼン(各異性体)、ジフルオロジブロムベ
ンゼン(各異性体)、ジフルオロジヨードベンゼン(各
異性体)、ジフルオロトリブロムベンゼン(各異性
体)、トリフルオロジブロムベンゼン(各異性体)など
のポリフルオロポリハロゲン化ベンゼン類などがあげら
れる。
これらのベンゼン誘導体の中でも、パラフルオロブロム
ベンゼン、パラフルオロヨードベンゼンが特に好ましく
用いられる。
本発明において用いられる芳香族ヒドロキシル化合物と
しては、芳香族基に直接ヒドロキシル基が結合している
ものであれば、どのようなものであってもよい。例え
ば、フエノール;クレゾール(各異性体)、キシレノー
ル(各異性体)、トリメチルフエノール(各異性体)、
テトラメチルフエノール(各異性体)、エチルフエノー
ル(各異性体)、プロピルフエノール(各異性体)など
の各種アルキルフエノール類;メトキシフエノール(各
異性体)、エトキシフエノール(各異性体)などの各種
アルコキシフエノール類;式 (ただし、Aは前記のとおりで、芳香環は低級アルキル
基、低級アルコキシ基、エステル基、ニトロ基、シアノ
基などの置換基によって置換されていてもよい。) で示される各種置換フエノール類;ナフトール(各異性
体)および各種置換ナフトール類;ヒドロキシピリジン
(各異性体)、ヒドロキシクマリン(各異性体)、ヒド
ロキシキノリン(各異性体)などのヘテロ芳香族ヒドロ
キシル化合物;ハイドロキノン、レゾルシン、カテコー
ル、ナフトヒドロキノン、アンスラヒドロキノン、およ
びそれらのアルキル置換のジヒドロキシ化合物などの芳
香族ジヒドロキシ化合物類;式 (ただし、Aは前記のとおりで、芳香環は低級アルキル
基、低級アルコキシ基、エステル基、ニトロ基、シアノ
基などの置換基によって置換されていてもよい。) で示される芳香族ジヒドロキシ化合物類などがあげられ
る。
このような芳香族ヒドロキシ化合物は1種だけでもよい
し、2種以上混合して用いることもできる。特に好まし
い芳香族ヒドロキシ化合物は、フエノールおよび2,6
−キシレノールである2,6−ジメチルフエノールであ
る。
また、本発明で用いられる塩基としては、無機性、有機
性いずれのものであつてもよい。このような塩基として
は、例えば、酸化リチウム、過酸化リチウム、酸化ナト
リウム、過酸化ナトリウム、超酸化ナトリウム、酸化カ
リウム、過酸化カリウム、三酸化二カリウム、超酸化カ
リウム、酸化ルビジウム、過酸化ルビジウム、三酸化二
ルビジウム、超酸化ルビジウム、オゾン化ルビジウム、
酸化セシウム、過酸化セシウム、三酸化二セシウム、超
酸化セシウム、オゾン化セシウムなどのアルカリ金属の
酸化物類;酸化ベリリウム、酸化マグルシウム、酸化カ
ルシウム、過酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、過
酸化ストロンチウム、酸化バリウム、過酸化バリウムな
どのアルカリ土類金属の酸化物類;水酸化リチウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、
水酸化セシウム、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化
バリウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属の
水酸化物類;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸バリウム、ケイ酸
ナトリウム、ケイ酸マグネシウム、アルミン酸カリウ
ム、アルミン酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸
バリウム等の強塩基と弱酸の塩類;炭化カルシウム、炭
化セシウム等の炭化物類;水酸化アルミニウム、水酸化
カリウム、水酸化インジウム、水酸化タリウム、酸化タ
リウム等のアルミニウム族金属の水酸化物および酸化物
類;酸化ランタン、酸化セリウム、水酸化セリウム等の
希土類元素の酸化物および水酸化物類;水素化リチウ
ム、水素化ナトリウム、ホウ水素化ナトリウム、水素化
カルシウム、水素化リチウムアルミニウム等の水素化物
類;硫化ナトリウム、硫化水素ナトリウム、硫化カリウ
ム、硫化カルシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土
類金属の硫化物および硫化水素化物類;水酸化テトラエ
チルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム
等の水酸化第四級アンモニウム化合物類;水酸化メチル
トリフエニルホスホニウム、水酸化テトラメチルホスホ
ニウム等の水酸化第四級ホスホニウム化合物類;水酸化
トリエチルスルホニウム、水酸化トリフエニルホスホニ
ウム等の水酸化第三級スルホニウム化合物類;酢酸ナト
リウム、安息香酸カリウム、シュウ酸ルビジウム、プロ
ピオン酸バリウム等の強塩基と弱有機酸との塩類;ナト
リウムメチラート、ナトリウムエチラート、カルシウム
エチラート等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の
アルコラート類;ナトリウムフエノラート、カリウムフ
エノラート、マグネシウムフエノラート等のアルカリ金
属およびアルカリ土類金属のフエノラート類や、用いる
芳香族ヒドロキシ化合物のアルカリ金属塩類またはアル
カリ土類金属塩類;リチウムアミド、ナトリウムアミ
ド、カルシウムアミド、リチウムジメチルアミド等のア
ルカリ金属およびアルカリ土類金属のアミド類;トリメ
チルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミ
ン、トリフエニルアミン、ジエチルメチルアミン、N,
N−ジエチルアニリン、N−メチルピペリジン、N,
N′−ジエチルピペラジン、N−メチルモルホリン、ト
リエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、N,
N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、ジシ
クロヘキシルエチルアミン、1,2,2,6,6−ペン
タメチルピペリジン、ピリジン、キノリン、フエナンス
ロリン、インドール、N−メチルイミダゾール、1,8
−ジアザビシクロ−〔5,4,0〕−ウンデセン−7
(DBU)、1,5−ジアザビシクロ−〔4,3,0〕
−ノネン−5(DBN)等の第三級アミン類や環状含窒
素化合物類(ただし、N−H基をもたないもの);クラ
ウンエーテル、アザクラウンエーテル、チアクラウンエ
ーテル、アザクラウンなどのクラウン化合物類、および
これらのクラウン化合物とアルカリ金属やアルカリ土類
金属イオンなどとの錯体類などが用いられる。
さらに、これらの塩基性を示すグループが分子内に2個
以上あってもよいし、例えば、水酸化第四級アンモニウ
ム基を有する陰イオン交換樹脂のようなポリマーの一部
を形成するものであってもよい。また、これらの塩基性
物質または塩基性を有するグループが固体に担持された
り、化学的に結合されているものであってもよい。これ
らの塩基は1種でもよいが、2種以上混合して用いても
よい。
本発明の反応を、パラフルオロヨードベンゼンとフエノ
ールと一価の塩基(Base)の場合について例示すれ
ば、次のような反応式で表わされる。
このように、本発明方法の特徴の一つは、フッ素と異な
るハロゲンのみがアリーロキシカルボニル基によって置
換され、フッ素は置換されずに残せることである。フッ
素はこのエステル化反応に悪影響を及ぼさないか、ある
いはむしろ、収率や選択率や反応速度の面で好影響を与
える場合もあることがわかった。
本発明を実施するに当り、パラジウムまたはパラジウム
化合物は、フッ素置換芳香族ハロゲン化物に対して、通
常0.0001〜1000倍モルの量で使用されるのが
好ましい。
芳香族ヒドロキシ化合物は、フッ素置換芳香族ハロゲン
化物のハロゲン当り0.8〜1000倍モルの量で使用
されるのが好ましい。
また、塩基は、生成するハロゲン化水素を中和するのに
必要な量を使用するのが好ましいが、もちろんこれより
も少なくてもよいし、多くてもよい。
一酸化炭素は純一酸化炭素でもよいし、窒素、アルゴ
ン、ヘリウム、低級炭化水素などの反応に悪影響を及ぼ
さない他のガスで希釈されたものであってもよい。一酸
化炭素は分圧で0.1〜300kg/cm3、好ましくは1〜
200kg/cm3の範囲で使用される。
本発明方法においては、反応溶媒として芳香族ヒドロキ
シ化合物を若干過剰に用いることが好ましいが、必要に
応じて反応に悪影響を及ぼさない溶媒を用いることもで
きる。このような溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘ
ブタン、オクタン、デカン、ペンタデカンなどの脂肪族
炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンな
どの脂環族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、メシチレンなどの芳香族炭化水素類;アセトニトリ
ル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;スルホラン、メ
チルスルホラン、ジメチルスルホランなどのスルホン
類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2
−ジメトキシエタンなどのエーテル類;アセトン、メチ
ルエチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、安息香酸
エチルなどのエステル類;N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリ
ドン、ヘキサメチルホスホルアミドなどのアミド類など
があげられる。
本発明の反応は、通常100〜350℃、好ましくは1
50〜350℃、更に好ましくは180℃〜300℃の
範囲で、また、反応圧力は、通常1〜500kg/cm3、好
ましくは5〜300kg/cm3の範囲で実施される。
また、反応時間は、用いる触媒系および原料の種類や量
あるいは温度、圧力などの他の反応条件によって変わる
が、通常数分〜数十時間である。
反応方式としても、回分式、連続式およびこれらの組合
せ等、いずれを採用してもよい。
(発明の効果) 本発明の方法により、フッ素置換芳香族ハロゲン化物と
一酸化炭素および芳香族ヒドロキシ化合物から、比較的
高い収率および選択率でフッ素置換芳香族カルボン酸ア
リールエステルを製造できることが明らかとなった。こ
のことは、ホスフイン化合物が比較的高価であることを
考慮すれば、それを使用しないですむ本発明の方法は、
より安価にフッ素置換芳香族カルボン酸アリールエステ
ルを製造できることを示している。
このフッ素置換芳香族カルボン酸アリールエステルは、
農薬、医薬などの中間体として用いられるだけでなく、
その一部の化合物、例えば、パラフルオロ安息香酸フエ
ニルエステル、パラフルオロ安息香酸2,6−ジメチル
フエニルエステルなどは、耐熱性や耐熱水性の優れた芳
香族ポリエーテルケトン用のモノマーの前駆体として重
要である。すなわち、これらのエステルは転位反応によ
って、それぞれ4−(パラフルオロベンゾイル)フエノ
ールおよび4−(パラフルオロベンゾイル)−2,6−
ジメチルフエノールに容易に変換でき、これらのフエノ
ール誘導体はそれ自身で、あるいは共重合体の1成分と
して、芳香族ポリエーテルケトンのモノマーとして使用
できるからである。
(実施例) 以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明
は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 パラフルオロヨードベンゼン22.2g、フエノール1
1.3g、トリ−n−ブチルアミン22.2g、塩化パ
ラジウム40mgをオートクレーブに入れ、オートクレー
ブの内部を一酸化炭素で置換した後、一酸化炭素を30
kg/cm3に圧入した。撹拌下に200℃で2時間反応させ
た後、冷却し、反応液を分析した結果、パラフルオロヨ
ードベンゼンの反応率は99%で、パラフルオロ安息香
酸フエニルエステルが収率98%、選択率99%で得ら
れた。
参考例1 パラフルオロヨードベンゼン22.2g、フエノール1
1.3g、トリエチルアミン11g、塩化パラジウム4
0mg、トリ(n−ブチル)ホスフイン0.3gをオート
クレーブに入れ、オートクレーブの内部を一酸化炭素で
置換した後、一酸化炭素を30kg/cm3に圧入した。撹拌
下に160℃で2時間反応させた結果、パラフルオロヨ
ードベンゼンの反応率は100%で、パラフルオロ安息
香酸フエニルエステルが収率98%で生成していた。
実施例1は反応温度が高くなるけれども、ホスフイン化
合物が存在しなくても、高収率、高選択率でパラフルオ
ロ安息香酸フエニルエステルが得られることを示してお
り、参考例1は、ホスフイン化合物が反応温度を低下さ
せる効果があることを示している。
実施例2 フエノールの代りに2,6−ジメチルフエノール14.
6gを用いる以外は、実施例1と同様な方法により反応
を行った結果、パラフルオロヨードベンゼンの反応率は
98%で、パラフルオロ安息香酸2,6−ジメチルフエ
ニルエステルが収率97%、選択率99%で得られた。
実施例3 パラフルオロブロムベンゼン17.5g、フエノール1
1.3g、トリ−n−ブチルアミン22.2g、塩化パ
ラジウム50mgをオートクレーブに入れ、オートクレー
ブの内部を一酸化炭素で置換した後、一酸化炭素を30
kg/cm3に圧入した。撹拌下に230℃で2時間反応させ
た後、冷却し、反応液を分析した結果、パラフルオロブ
ロムベンゼンの反応率は93%で、パラフルオロ安息香
酸フエニルエステルが収率86%、選択率92%で得ら
れた。
参考例2 触媒として、塩化パラジウム40mg、トリフエニルホス
フイン0.4gを用い、反応温度を200℃にする以外
は、実施例3と全く同様な反応を行った結果、パラフル
オロブロムベンゼンの反応率は99%で、パラフルオロ
安息香酸フエニルエステルが収率98%、選択率99%
で得られた。
実施例3は反応温度が高くなるけれども、ホスフイン化
合物が存在しなくても、かなりの高収率、高選択率でパ
ラフルオロ安息香酸フエニルエステルが得られることを
示している。また、参考例2はパラフルオロハロゲノベ
ンゼンのハロゲンが臭素の場合、ホスフイン化合物は反
応温度を下げ、かつ収率、選択率を向上させる効果があ
ることを示している。
実施例4 フエノールの代りに2,6−ジメチルフエノール14.
6gを用いる以外は、実施例3と同様な方法により反応
を行った結果、パラフルオロブロモベンゼンの反応率は
90%で、パラフルオロ安息香酸2,6−ジメチルフエ
ニルエステルが収率84%、選択率93%で得られた。
実施例5 パラフルオロヨードベンゼン22.2g、フエノール1
1.3g、ピリジン10g、酢酸パラジウム50mgオー
トクレーブに入れ、実施例1と同様な方法により反応を
行った結果、パラフルオロ安息香酸フエニルエステルが
収率94%、選択率97%で得られた。
実施例6 フエノールの代りにβ−ナフトール17gを用いる以外
は、実施例1と同様な方法で反応を行った結果、パラフ
ルオロ安息香酸β−ナフチルエステルが収率95%、選
択率97%で得られた。
実施例7 パラフルオロヨードベンゼンの代りに2−フルオロ−4
−クロルトルエン14.4gを用い、一酸化炭素を70
kg/cm3に圧入する以外は、実施例1と同様な操作で、撹
拌下に250℃で5時間反応させた結果、2−フルオロ
−4−クロルトルエンの反応率は70%で、3−フルオ
ロ−4−メチル安息香酸フエニルエステルが収率44
%、選択率63%で得られた。
参考例3 触媒として、塩化パラジウム40mg、トリフエニルホス
フイン0.4gを用いて、210℃で反応を行う以外
は、実施例7と全く同様な方法で反応を行った結果、2
−フルオロ−4−クロルトルエンの反応率は75%で、
3−フルオロ−4−メチル安息香酸メチルエステルが収
率67%、選択率89%で得られた。
実施例7は反応温度が高くなるけれども、ホスフイン化
合物が存在しなくても、目的とするエステル化合物が得
られることを示しており、参考例3はフッ素置換芳香族
ハロゲン化物のハロゲンが塩素の場合、ホスフイン化合
物は反応温度を下げ、かつ収率、選択率を向上させる効
果があることを示している。
実施例8 パラフルオロヨードベンゼン22.2g、フエノール1
1.3g、酢酸カリウム13g、パラジウムアセチルア
セトン30mg、トルエン50mをオートクレーブに入
れ、実施例1と同様な方法により反応を行った結果、パ
ラフルオロ安息香酸フエニルエステルが収率97%、選
択率98%で得られた。
実施例9 パラフルオロヨードベンゼンの代りに2−フルオロ−6
−ヨードナフタリン26gを用いる以外は、実施例1と
同様な方法により反応を行なった結果、2−フルオロナ
フタリン−6−カルボン酸フエニルエステルが収率96
%、選択率98%で得られた。
実施例10 メタフルオロヨードベンゼン22.2g、フエノール1
1.3g、ナトリウムフエノキシド13g、塩化パラジ
ウム40mgを用いて、実施例1と同様な方法により反応
を行った結果、メタフルオロ安息香酸フエニルエステル
が収率97%、選択率98%で得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 27/24 X 9342−4G 31/04 X 7821−4G 31/28 X 7821−4G C07C 67/36 69/78 9279−4H // C07B 61/00 300

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホスフイン化合物の不存在下、パラジウム
    触媒および塩基の存在下に、フッ素およびフッ素と異な
    るハロゲンが共に芳香環に直接結合したフッ素置換芳香
    族ハロゲン化物を、一酸化炭素および芳香族ヒドロキシ
    化合物と反応させることを特徴とするフッ素置換芳香族
    カルボン酸アリールエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】フッ素と異なるハロゲンが臭素またはヨウ
    素である特許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】フッ素およびフッ素と異なるハロゲンが共
    に芳香環に直接結合したフッ素置換芳香族ハロゲン化物
    が、フッ素およびフッ素と異なるハロゲンを置換基とす
    るベンゼン誘導体である特許請求の範囲第1項記載の方
    法。
  4. 【請求項4】ベンゼン誘導体がパラフルオロブロムベン
    ゼンまたはパラフルオロヨードベンゼンである特許請求
    の範囲第3項記載の方法。
  5. 【請求項5】芳香族ヒドロキシ化合物が芳香族モノヒド
    ロキシ化合物である特許請求の範囲第1項ないし第4項
    のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】芳香族ヒドロキシ化合物がフエノールおよ
    び/または2,6−ジメチルフエノールである特許請求
    の範囲第5項記載の方法。
JP61066019A 1986-03-26 1986-03-26 フツ素置換芳香族カルボン酸アリ−ルエステルの製造方法 Expired - Lifetime JPH0610166B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61066019A JPH0610166B2 (ja) 1986-03-26 1986-03-26 フツ素置換芳香族カルボン酸アリ−ルエステルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61066019A JPH0610166B2 (ja) 1986-03-26 1986-03-26 フツ素置換芳香族カルボン酸アリ−ルエステルの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62223155A JPS62223155A (ja) 1987-10-01
JPH0610166B2 true JPH0610166B2 (ja) 1994-02-09

Family

ID=13303799

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61066019A Expired - Lifetime JPH0610166B2 (ja) 1986-03-26 1986-03-26 フツ素置換芳香族カルボン酸アリ−ルエステルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0610166B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100334061C (zh) * 2002-11-05 2007-08-29 立德化学株式会社 紫外线防御化合物
JP4961700B2 (ja) * 2005-09-08 2012-06-27 Jnc株式会社 末端が水素であるナフタレン誘導体、この誘導体を含有する液晶組成物およびこの液晶組成物を含有する液晶表示素子

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4374262A (en) * 1980-10-06 1983-02-15 Celanese Corporation Preparation of hydroxy aromatic carboxylic acids and ester derivatives thereof
JPS5929641A (ja) * 1982-08-13 1984-02-16 Ube Ind Ltd 安息香酸フエニルエステルの製法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62223155A (ja) 1987-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3719545B2 (ja) 芳香族炭酸エステルの製造方法
JP7023080B2 (ja) 芳香族化合物の製造方法
JPH0791237B2 (ja) 芳香族カーボネートの連続的製法
JPH0610166B2 (ja) フツ素置換芳香族カルボン酸アリ−ルエステルの製造方法
JPH0768178B2 (ja) 芳香族カーボネートの製造方法
JPH04261142A (ja) 芳香族カーボネート類の連続的製造法
JP6498048B2 (ja) 含フッ素有機化合物及びこれとグリニャール試薬によるビアリール化合物の製造方法
JPS63264431A (ja) ヒドロキシビフェニルの製法
JPH06722B2 (ja) フツ素置換芳香族カルボン酸アリ−ルエステルの製造法
JP3554049B2 (ja) 芳香族炭酸エステルの製造方法
JP3111557B2 (ja) 高純度カルボン酸フェニルエステル類の製造方法
JP3031851B2 (ja) アルコール類の製造方法
JPH0610167B2 (ja) フツ素置換芳香族カルボン酸アリ−ルエステルの製法
JP7560057B2 (ja) カルボン酸エステルの製造方法
JP5473516B2 (ja) ポリアリルエーテル溶液の製造方法
JPH0610165B2 (ja) フツ素置換芳香族カルボン酸アリ−ルエステルの製造法
CN108046979B (zh) 一种高效制备碘化苄及其衍生物的方法
KR20120091362A (ko) 2금속성 착체 및 디아릴 카르보네이트의 제조에서의 그의 용도
JP2535788B2 (ja) ビフェニル−4−カルボン酸とフェノ―ル化合物とのエステルの製造方法
JPS6327453A (ja) 4−(パラフルオロベンゾイル)フエノ−ル類の製造法
JPH0678263B2 (ja) 4―(パラフルオロベンゾイル)フェノール類の製造方法
JP3332999B2 (ja) 芳香族炭酸エステルの製造方法
JPH0558426B2 (ja)
JPH01301644A (ja) カルボン酸アリールエステル類の製造方法、およびこの方法で用いられる触媒
JPH08134022A (ja) 芳香族カーボネートの製造法