JP3111557B2 - 高純度カルボン酸フェニルエステル類の製造方法 - Google Patents

高純度カルボン酸フェニルエステル類の製造方法

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JP3111557B2 JP03307494A JP30749491A JP3111557B2 JP 3111557 B2 JP3111557 B2 JP 3111557B2 JP 03307494 A JP03307494 A JP 03307494A JP 30749491 A JP30749491 A JP 30749491A JP 3111557 B2 JP3111557 B2 JP 3111557B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高分子合成の際のモノマ
ーとして好適に使用されるほか、医農薬の製造原料とし
ても使用でき、種々の分野で要求される高い純度を有す
るカルボン酸フェニルエステル類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気、電子分野、オフィス・オートメー
ション(OA)、オーディオ・ビジュアル(AV)分
野、自動車産業などの各産業分野における最近の技術進
歩は目ざましく、これらの新しい分野で利用される高分
子材料には、高強度、高耐熱といった高い性能が要求さ
れている。特にリレー部品、コイルボビン、コネクター
などの電子部品においては、小型化、薄肉化が進むとと
もに、高寸法精度、高強度、高剛性、高ハンダ耐熱性、
優れた薄肉成形性などの高度な性能が要求されており、
これらの要求を満足する高分子材料として、芳香族ポリ
エステルが好適に使用されている。芳香族ポリエステル
のなかでも、特に溶融液晶性ポリエステルは優れた薄肉
成形加工性を有し、電子部品材料として急速に普及しつ
つある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、芳香族ポリ
エステルの製造方法としては、アセチル化法、フェニル
エステル化法および酸クロライド法などが公知である
が、たとえば、溶融液晶性ポリエステルの場合、アセチ
ル化法にて高沸点溶媒を用いる溶液重合、実質的に溶媒
を用いない溶融重合により製造されることが多い。
【0004】アセチル化法の場合、モノマーの一成分で
ある芳香族ヒドロキシ化合物は無水酢酸との反応により
酢酸エステル類に誘導されたのち、脱酢酸反応によりポ
リマーが製造される。芳香族ヒドロキシ化合物の酢酸エ
ステル類への誘導は、一般にヒドロキシル基1.0モル
に対し1.1モル程度の過剰の無水酢酸を芳香族ヒドロ
キシ化合物に加え、無水酢酸還流下で反応を進めること
により行われる。
【0005】ところが、一般式 化2で表される芳香族
ヒドロキシ化合物と無水酢酸を反応させて酢酸フェニル
エステル類を製造した場合、ベンゼン核の水素がアセチ
ル化されるなどの副反応が起こり、高純度の酢酸フェニ
ルエステル類を製造することは極めて困難であった。
【0006】
【化2】 (式中、Rはハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基
またはフェニル基であり、mは0〜2の整数、nは1〜
2の整数である。なお、mが2の場合、Rは互いに異な
った基でもよい。)
【0007】従って、該方法で芳香族ポリエステルのモ
ノマーとして使用するに十分な高純度の酢酸フェニルエ
ステル類を得ることはできず、対応する繰り返し構造単
位を有する芳香族ポリエステルを、アセチル化法で重合
した場合、十分に分子量が上がらないなどの問題があ
り、実用に耐えうるポリマーの合成は極めて困難であっ
た。無水酢酸のほかのカルボン酸無水物を用いた場合も
同様である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、一般式 化2で表される芳香族ヒド
ロキシ化合物とカルボン酸無水物との反応において、カ
ルボン酸フェニルエステル類が高純度で得られる触媒に
ついて鋭意検討した結果、金属カルボン酸塩等がカルボ
ン酸フェニルエステル類生成の著しく優れた選択活性触
媒であること、すなわち金属カルボン酸塩等の存在下で
あれば副生成物はほとんど生じないことを見出し、本発
明に到達した。
【0009】すなわち、本発明は、一般式 化3で表さ
れる芳香族ヒドロキシ化合物とカルボン酸無水物とを、
芳香族ヒドロキシ化合物100重量部に対して、周期律
表で下記の族の金属のカルボン酸塩ならびにカルボン酸
無水物と反応して金属カルボン酸塩となる周期律表で下
記の族の金属の炭酸塩、重炭酸塩、水酸化物、酸化物、
アルコキサイド、硫化物および水硫化物からなる群から
選ばれた少なくとも1種を0.01重量部以上存在させ
て反応させることを特徴とする高純度カルボン酸フェニ
ルエステル類の製造方法に関するものである。金属:周
期律表で1族、2A族、3〜5族、6A族、7A族、8
族の金属
【0010】
【化3】 (式中、Rはハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基
またはフェニル基であり、mは0〜2の整数、nは1〜
2の整数である。なお、mが2の場合、Rは互いに異な
った基でもよい。)
【0011】本発明の製造方法に適用される芳香族ヒド
ロキシ化合物の代表例としては、レゾルシノール、ハイ
ドロキノン、2−クロロハイドロキノン、2−フェニル
ハイドロキノン、2−メチルレゾルシノール、4−クロ
ロレゾルシノール、カテコール、フロログルシンを挙げ
ることができる。
【0012】カルボン酸無水物としては、脂肪族カルボ
ン酸無水物、環状カルボン酸無水物および芳香族カルボ
ン酸無水物などが挙げられる。脂肪族カルボン酸無水物
としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸など
が挙げられる。
【0013】環状カルボン酸無水物としては、無水こは
く酸、無水マレイン酸などが挙げられる。芳香族カルボ
ン酸無水物としては、無水安息香酸、無水トルイル酸、
無水ナフトエ酸などが挙げられる。これらの中で好まし
くは無水酢酸が挙げられる。
【0014】芳香族ヒドロキシ化合物のカルボン酸フェ
ニルエステル類、特に酢酸フェニルエステル類の製造方
法に関する開示例は、大別すると二種類の方法に分ける
ことができる。一つは酸ハロゲン化物を用いる方法で塩
化アセチルを使用するものであり、他の一つは酸無水物
を用いる方法で無水酢酸を使用するものである。これら
の反応のうち、後者の方法は、前者の方法に比べ、腐食
性の塩素ガスが発生するといった問題がないので、芳香
族ポリエステルのモノマーとして酢酸フェニルエステル
類、たとえばレゾルシノールジアセテートを合成する場
合は、後者が採用される場合が多い。後者の場合、一般
にヒドロキシル基1.0モルに対し1.1モル程度の過
剰の無水酢酸をレゾルシノールに加え、無水酢酸還流下
で数時間反応をさせる。
【0015】該反応物を高速液体クロマトグラフィー法
(HPLC法)および核磁気共鳴分光法(NMR法)を
用いて分析した結果、目的とするレゾルシノールジアセ
テートは約90モル%しか生成しておらず、ベンゼン核
がアセチル化されることによって生じるレゾアセトフェ
ノン(レスアセトフェノンともいう)などの副生成物が
生じていることがわかった。
【0016】そこで、本発明者らは高純度の酢酸フェニ
ルエステル類を得ることを目的に種々の触媒について検
討した結果、酢酸ナトリウムなどの金属カルボン酸塩
は、酢酸フェニルエステル類の生成の著しく優れた選択
活性触媒であること、またカルボン酸無水物と反応して
金属カルボン酸塩となる特定の金属化合物の存在下であ
ればレゾアセトフェノンなどの副生成物がほとんど生じ
ないことを見出した。
【0017】金属カルボン酸塩としては、周期律表で1
族、2A族、3〜5族、6A族、7A族、8族の金属の
カルボン酸塩が挙げられる。好ましくは1族、2A族、
4B族、6A族、7A族、8族の金属のカルボン酸塩が
挙げられる。金属カルボン酸塩として具体的には、酢酸
リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジ
ウム、酢酸セシウム等のアルカリ金属酢酸塩、酢酸マグ
ネシウム、酢酸カルシウム、酢酸ストロンチウム、酢酸
バリウム等のアルカリ土類金属酢酸塩、酢酸銅等の1B
族金属酢酸塩、酢酸錫、酢酸鉛等の4B族金属酢酸塩、
酢酸クロム等の6A族金属酢酸塩、酢酸マンガン等の7
A族金属酢酸塩、酢酸コバルト、酢酸ニッケル等の8族
金属酢酸塩等が挙げられる。この中で着色がある遷移金
属は用途によっては好ましくはないこともある。これら
の中で選択性に優れ好ましいものとしては、酢酸リチウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウム、
酢酸セシウム等のアルカリ金属酢酸塩、酢酸マグネシウ
ム、酢酸カルシウム、酢酸ストロンチウム、酢酸バリウ
ム等のアルカリ土類金属酢酸塩などが挙げられる。また
価格が低く工業的に利用しやすく好ましいものとしては
酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、酢
酸カルシウムなどが挙げられる。
【0018】さらに、金属カルボン酸塩としては、蟻酸
ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、酪酸ナトリウ
ム、吉草酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、カプリ
ル酸ナトリウム等の脂肪族カルボン酸のアルカリ金属
塩、安息香酸ナトリウム等の芳香族カルボン酸のアルカ
リ金属塩等が挙げられる。金属カルボン酸塩は、無水物
でも、水和物でもかまわない。
【0019】また、カルボン酸無水物と反応して前記の
金属カルボン酸塩となる金属化合物を少なくとも1種存
在させてもよい。このような金属化合物としては、金属
炭酸塩、金属重炭酸塩、金属水酸化物、金属酸化物、金
属アルコキサイド、金属硫化物、金属水硫化物などが挙
げられる。
【0020】このような金属化合物として具体的には、
炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カ
リウムナトリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム等の
アルカリ金属炭酸塩、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カ
リウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等のアルカ
リ土類金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ
ウムなどのアルカリ金属重炭酸塩、水酸化リチウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水
酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸
化ストロンチウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金
属水酸化物、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化
ストロンチウム、酸化バリウム等のアルカリ土類金属酸
化物、ナトリウムメトキサイド、カリウムtert−ブ
トキサイド等のアルカリ金属アルコキサイド、マグネシ
ウムエトキサイドのようなアルカリ土類金属アルコキサ
イド、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム等
のアルカリ金属の硫化物、硫化カルシウム、硫化ストロ
ンチウム、硫化バリウム等のアルカリ土類金属の硫化
物、水硫化ナトリウム等のアルカリ金属の水硫化物など
が挙げられる。価格が低く工業的に利用しやすく好まし
いものとしては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、塩基性
炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化マ
グネシウム、酸化カルシウムなどが挙げられる。
【0021】また、2−メチルレゾルシノールなど、他
の芳香族ヒドロキシ化合物に対しても金属カルボン酸塩
は、レゾルシノールの場合と同様の効果を有することを
確認した。
【0022】さらに、本発明のカルボン酸フェニルエス
テル類の製造方法における金属カルボン酸塩または金属
化合物の使用量は、一般式 化3で表される芳香族ヒド
ロキシ化合物100重量部に対して通常0.01重量部
以上である。好ましくは0.02〜3重量部、さらに好
ましくは0.05〜2重量部である。
【0023】使用量が0.01重量部より少ない場合、
金属カルボン酸塩または金属化合物の触媒効果は不十分
であり、レゾアセトフェノン等の副生成物の生成が増大
し好ましくない。また、使用量の上限は特にないが、3
重量部を超えても効果はそれ以上向上しないので、経済
的見地から好ましくは3重量部以下がよい。
【0024】金属カルボン酸塩または金属化合物を添加
後、反応系を昇温し反応を開始する。金属カルボン酸塩
は、室温で溶解しにくい場合があるので、約80℃以下
で30分程度撹拌し、できるだけ溶解させることが好ま
しい。最終の反応温度は、使用している金属カルボン酸
塩または金属化合物の種類や反応時間を考慮して決定さ
れるべきである。反応温度は、無触媒の場合、無水酢酸
の還流温度とするのが普通であるが、金属カルボン酸塩
または金属化合物を触媒として使用している場合はその
量にもよるが、カルボン酸無水物の還流温度以下でもよ
く、好ましくは約100℃〜約145℃(還流温度)、
さらに好ましくは反応時間短縮の観点から約120℃〜
約145℃(還流温度)であり、特に好ましくはカルボ
ン酸無水物の還流温度付近がよい。
【0025】反応時間は1〜3時間程度が好ましい。反
応条件によっては1時間程度でも十分である。
【0026】得られたカルボン酸フェニルエステル類の
純度はHPLC法やNMR法によって確認できる。な
お、反応は通常、不活性ガス雰囲気下で行われる。
【0027】
【発明の効果】酢酸ナトリウムをはじめとする金属カル
ボン酸塩またはカルボン酸無水物と反応して金属カルボ
ン酸塩となる金属化合物の存在下で、一般式 化3で示
される芳香族ヒドロキシ化合物とカルボン酸無水物とを
反応させることにより、従来より温和な条件で、高純度
のカルボン酸フェニルエステル類の提供が可能となる。
高純度のカルボン酸フェニルエステル類は芳香族ポリエ
ステルのモノマーとして好適に使用されるほか、医農薬
の製造原料などとしても使用することができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。なお、実施例中の分析
は次の方法で行った。
【0029】(1)高速液体クロマトグラフィー法(以
下、HPLC法という):ウォーターズ社製600Eマ
ルチソルベント送液システムにより、移動相としてメタ
ノール/酢酸(体積比が1000/5)および水/酢酸
(体積比が1000/5)を使用し、低圧グラディエン
ト法により測定した。使用したカラムは内径6.0m
m、長さ15cmのオクタデシルシリル(ODS)カラ
ムである。検出器はウォーターズ社製484チューナブ
ル アブソーバンス ディテクターであり、254nm
において測定した。各生成物の生成量は、254nmに
おける、(生成物のピーク面積)/(ジアセチル化体の
ピ−ク面積)によって比較した。
【0030】(2)プロトン核磁気共鳴分光法(以下、
1H−NMR法という):ブルカー社製AC−200P
型プロトン核磁気共鳴分光装置(200.133MH
z)を使用し、化学シフトの基準としてテトラメチルシ
ランを用い、室温にて測定した。サンプル溶液は、サン
プル10mgを0.4mlの重水素化ジメチルスルホキ
シドに溶解することにより調製した。
【0031】実施例1 (レゾルシノールのアセチル化〜触媒効果) 100mlの丸底フラスコに撹拌子、三方コック、ジム
ロ−ト冷却管を取りつけ、レゾルシノール0.1モル
(11.0g)、無水酢酸0.24モル(24.5
g)、金属カルボン酸塩として酢酸ナトリウムを110
mg(レゾルシノール100重量部に対し1.0重量
部)を仕込んだ。マグネチックスターラーで撹拌子を回
転させ、三方コックから窒素を導入し系内を窒素雰囲気
として、レゾルシノールを無水酢酸に溶解した。この
後、ジムロ−ト冷却管に冷却水を流した状態でフラスコ
を油浴に入れ、油浴を昇温し、油浴の温度を60℃に保
持した状態で30分反応させ、その後さらに昇温し、油
浴の温度を140℃に保持した状態で1時間反応を行っ
た。
【0032】比較例1 実施例1と同様にして調製されたレゾルシノールの無水
酢酸溶液を、金属カルボン酸塩を加えることなく加熱
し、60℃で30分、140℃で1時間アセチル化の反
応を行った。
【0033】比較例2 実施例1と同様にレゾルシノールの無水酢酸溶液に対し
て、金属カルボン酸塩として酢酸亜鉛2水和物を110
mg(レゾルシノール100重量部に対し1.0重量
部)仕込み、実施例1と同様にして、レゾルシノールと
無水酢酸を反応させた。
【0034】実施例2〜4 (金属カルボン酸塩の検討〜アルカリ金属酢酸塩の効
果) 実施例1と同様にレゾルシノールの無水酢酸溶液に対し
て、金属カルボン酸塩として酢酸リチウム2水和物(実
施例2)、酢酸カリウム(実施例3)、酢酸セシウム
(実施例4)をそれぞれ110mg(レゾルシノール1
00重量部に対し1.0重量部)仕込み、実施例1と同
様にして、レゾルシノールと無水酢酸を反応させた。
【0035】実施例5〜6 (金属カルボン酸塩の検討〜アルカリ土類金属酢酸塩の
効果) 実施例1と同様にレゾルシノールの無水酢酸溶液に対し
て、金属カルボン酸塩として酢酸カルシウム2水和物
(実施例5)、酢酸バリウム2水和物(実施例6)をそ
れぞれ110mg(レゾルシノール100重量部に対し
1.0重量部)仕込み、実施例1と同様にして、レゾル
シノールと無水酢酸を反応させた。
【0036】以上の実施例1〜6、比較例1、2で得ら
れた反応物をHPLC法にて分析し、各生成物の生成量
を比較した。それらの結果を表1にまとめた。
【0037】実施例7〜11 (金属カルボン酸塩の検討〜遷移金属酢酸塩の効果) 実施例1と同様にレゾルシノールの無水酢酸溶液に対し
て、金属カルボン酸塩として酢酸コバルト4水和物(実
施例7)、酢酸銅1水和物(実施例8)、酢酸ニッケル
4水和物(実施例9)、酢酸マンガン4水和物(実施例
10)、酢酸クロム(実施例11)をそれぞれ110m
g(レゾルシノール100重量部に対し1.0重量部)
仕込み、実施例1と同様にして、レゾルシノールと無水
酢酸を反応させた。
【0038】実施例12、13 (金属カルボン酸塩の検討〜4B族金属酢酸塩の効果) 実施例1と同様にレゾルシノールの無水酢酸溶液に対し
て、金属カルボン酸塩として酢酸スズ(実施例12)、
酢酸鉛4水和物(実施例13)をそれぞれ110mg
(レゾルシノール100重量部に対し1.0重量部)仕
込み、実施例1と同様にして、レゾルシノールと無水酢
酸を反応させた。
【0039】以上の実施例7〜13で得られた反応物を
HPLCにて分析し、各生成物の生成量を比較した。そ
れらの結果を表2にまとめた。
【0040】実施例14、15 (金属カルボン酸塩の検討〜カルボン酸の種類の検討) 実施例1と同様にレゾルシノールの無水酢酸溶液に対し
て、金属カルボン酸塩としてカプロン酸ナトリウム(実
施例14)、安息香酸ナトリウム(実施例15)をそれ
ぞれ110mg(レゾルシノール100重量部に対し
1.0重量部)仕込み、実施例1と同様にして、レゾル
シノールと無水酢酸を反応させた。
【0041】実施例16 (反応中に金属カルボン酸塩を生じる金属化合物の検討
〜アルカリ土類金属酸化物の効果) 実施例1と同様にレゾルシノールの無水酢酸溶液に対し
て、反応中に金属カルボン酸塩を生じる金属化合物とし
て酸化マグネシウムを110mg(レゾルシノール10
0重量部に対し1.0重量部)仕込み、実施例1と同様
にして、レゾルシノールと無水酢酸を反応させた。
【0042】実施例17 (反応中に金属カルボン酸塩を生じる金属化合物の検討
〜アルカリ金属水酸化物の効果) 実施例1と同様にレゾルシノールの無水酢酸溶液に対し
て、反応中に金属カルボン酸塩を生じる金属化合物とし
て水酸化ナトリウムを110mg(レゾルシノール10
0重量部に対し1.0重量部)仕込み、実施例1と同様
にして、レゾルシノールと無水酢酸を反応させた。
【0043】実施例18 (反応中に金属カルボン酸塩を生じる金属化合物の検討
〜アルカリ金属硫化物の効果) 実施例1と同様にレゾルシノールの無水酢酸溶液に対し
て、反応中に金属カルボン酸塩を生じる金属化合物とし
て硫化ナトリウム9水和物を110mg(レゾルシノー
ル100重量部に対し1.0重量部)仕込み、実施例1
と同様にして、レゾルシノールと無水酢酸を反応させ
た。
【0044】実施例19 (反応中に金属カルボン酸塩を生じる金属化合物の検討
〜アルカリ金属水硫化物の効果) 実施例1と同様にレゾルシノールの無水酢酸溶液に対し
て、反応中に金属カルボン酸塩を生じる金属化合物とし
て水硫化ナトリウムを110mg(レゾルシノール10
0重量部に対し1.0重量部)仕込み、実施例1と同様
にして、レゾルシノールと無水酢酸を反応させた。
【0045】実施例20 (反応中に金属カルボン酸塩を生じる金属化合物の検討
〜アルカリ金属炭酸塩の効果) 実施例1と同様にレゾルシノールの無水酢酸溶液に対し
て、反応中に金属カルボン酸塩を生じる金属化合物とし
て炭酸ナトリウムを110mg(レゾルシノール100
重量部に対し1.0重量部)仕込み、実施例1と同様に
して、レゾルシノールと無水酢酸を反応させた。
【0046】実施例21 (反応中に金属カルボン酸塩を生じる金属化合物の検討
〜アルカリ金属重炭酸塩の効果) 実施例1と同様にレゾルシノールの無水酢酸溶液に対し
て、反応中に金属カルボン酸塩を生じる金属化合物とし
て重炭酸ナトリウムを110mg(レゾルシノール10
0重量部に対し1.0重量部)仕込み、実施例1と同様
にして、レゾルシノールと無水酢酸を反応させた。
【0047】実施例22 (反応中に金属カルボン酸塩を生じる金属化合物の検討
〜アルカリ(土類)金属アルコキサイドの効果) 実施例1と同様にレゾルシノールの無水酢酸溶液に対し
て、反応中に金属カルボン酸塩を生じる金属化合物とし
てカリウムtert- ブトキサイドを110mg(レゾルシ
ノール100重量部に対し1.0重量部)仕込み、実施
例1と同様にして、レゾルシノールと無水酢酸を反応さ
せた。
【0048】以上の実施例14〜22で得られた反応物
をHPLCにて分析し、各生成物の生成量を比較した。
それらの結果を表3にまとめた。
【0049】実施例1〜6及び実施例14〜21の場
合、無触媒の場合(比較例1)に比べて、副生成物の生
成量は百分の一程度にまで抑えられていることが分か
る。
【0050】実施例7〜13の場合、無触媒の場合(比
較例1)に比べて、副生成物の生成量は、十分の一以下
にまで抑えられているものの、実施例1〜6および実施
例14〜21の場合に比べると副反応の抑制効果は弱い
ことが分かる。即ち、金属カルボン酸の金属としては、
アルカリ金属及びアルカリ土類金属の方が遷移金属より
も好ましいと言える。
【0051】また、比較例1、2の反応物を1H−NM
Rにて分析した結果、副生成物の大部分は、ベンゼン核
の水素がアセチル化されたことによって生じるレゾアセ
トフェノン構造を有する化合物であることが判明した。
【0052】実施例23〜25 (レゾルシノールのアセチル化〜触媒添加量) 実施例1と同様の反応装置を用いて、実施例1と同様に
レゾルシノールの無水酢酸溶液に、酢酸ナトリウムを、
レゾルシノール100重量部に対して、それぞれ0.2
重量部(実施例23)、0.05重量部(実施例2
4)、0.01重量部(実施例25)仕込み、実施例1
と同様にして、レゾルシノールと無水酢酸を反応させ
た。
【0053】以上の実施例23〜25で得られた反応物
をHPLCにて分析し、各反応物の生成量を比較した。
それらの結果を実施例1、比較例1とあわせて表4にま
とめた。
【0054】触媒添加量としては、レゾルシノールに対
して0.01重量部添加することによって、副反応をか
なり抑えることができ、高純度の酢酸フェニルエステル
類を得ることができることが分かる。また、触媒を1重
量部以上添加することにより、副反応は完全に抑制でき
ることが分かった。
【0055】実施例26、27 (種々の芳香族ヒドロキシ化合物のアセチル化) 実施例1の場合と同様の反応装置に、表5に示した芳香
族ヒドロキシ化合物を、それぞれ0.1モルづつ仕込
み、これにヒドロキシル基1モルに対して1.2モルと
なるように無水酢酸をそれぞれ加え、芳香族ヒドロキシ
化合物100重量部に対して1.0重量部の酢酸ナトリ
ウムを加えた。この後、フラスコ内を窒素雰囲気とし、
ジムロ−ト冷却管に冷却水を流した状態でフラスコを油
浴に入れ、反応温度60℃で30分、140℃で1時間
アセチル化の反応を行った。
【0056】以上のように、実施例26、27で得られ
た反応物をHPLCにて分析し、対応する酢酸フェニル
エステル類および副反応物の生成量を比較した。それら
の結果を表5にまとめた。金属カルボン酸塩が酢酸フェ
ニルエステル類の著しく優れた選択活性触媒であること
がわかる。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B01J 31/02 101 B01J 31/02 101X 31/04 31/04 X C07C 67/08 C07C 67/08 69/017 69/017 B // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 平2−62845(JP,A) 特開 昭58−90528(JP,A) 特開 平1−175957(JP,A) 特公 昭47−3087(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 69/157 C07C 67/08 C07C 69/017 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 化1で表される芳香族ヒドロキシ
    化合物とカルボン酸無水物を、芳香族ヒドロキシ化合
    物100重量部に対して、周期律表で下記の族の金属
    カルボン酸塩ならびにカルボン酸無水物と反応して金属
    カルボン酸塩となる周期律表で下記の族の金属の炭酸
    塩、重炭酸塩、水酸化物、酸化物、アルコキサイド、硫
    化物および水硫化物からなる群から選ばれた少なくとも
    1種を0.01重量部以上存在させて反応させることを
    特徴とする高純度カルボン酸フェニルエステル類の製造
    方法。 金属:周期律表で1族、2A族、3〜5族、6A族、7
    A族、8族の金属 【化1】 式中、Rはハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル
    たはフェニル基であり、mは0〜2の整数、nは
    2の整数である。なお、mが2の場合、Rは互いに異な
    った基でもよい。)
  2. 【請求項2】芳香族ヒドロキシ化合物がレゾルシノー
    ル、ハイドロキノン、2−クロロハイドロキノン、2−
    フェニルハイドロキノン、2−メチルレゾルシノール、
    4−クロロレゾルシノール、カテコールまたはフロログ
    ルシンである請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】反応温度が100℃以上カルボン酸無水物
    の還流温度以下である請求項1に記載の製造方法。
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