JPH05140035A - 高純度カルボン酸フエニルエステル類の製造方法 - Google Patents
高純度カルボン酸フエニルエステル類の製造方法Info
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- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
れるほか、医農薬の製造原料としても使用できる、種々
の分野で要求される高い純度を有するカルボン酸フェニ
ルエステル類の製造方法を提供する。 【構成】レゾルシノールのような芳香族ヒドロキシ化合
物とカルボン酸無水物を反応させてカルボン酸フェニル
エステル類を製造する方法において、芳香族ヒドロキシ
化合物100重量部に対して、周期律表で下記の族の金
属カルボン酸塩およびカルボン酸無水物と反応して金属
カルボン酸塩となる周期律表で下記の族の金属化合物か
らなる群から選ばれた少なくとも1種を0.01重量部
以上存在させることを特徴とする高純度カルボン酸フェ
ニルエステル類の製造方法。 金属:周期律表で1族、2A族、3〜5族、6A族、7
A族、8族の金属
Description
―として好適に使用されるほか、医農薬の製造原料とし
ても使用できる、種々の分野で要求される高い純度を有
するカルボン酸フェニルエステル類の製造方法に関す
る。
ション(OA)、オ―ディオ・ビジュアル(AV)分
野、自動車産業などの各産業分野における最近の技術進
歩は目ざましく、これらの新しい分野で利用される高分
子材料には、高強度、高耐熱といった高い性能が要求さ
れている。特にリレ―部品、コイルボビン、コネクタ―
などの電子部品においては、小型化、薄肉化が進むとと
もに、高寸法精度、高強度、高剛性、高ハンダ耐熱性、
優れた薄肉成形性などの高度な性能が要求されており、
これらの要求を満足する高分子材料として、芳香族ポリ
エステルが好適に使用されている。芳香族ポリエステル
のなかでも、特に溶融液晶性ポリエステルは優れた薄肉
成形加工性を有し、電子部品材料として急速に普及しつ
つある。
エステルの製造方法としては、アセチル化法、フェニル
エステル化法および酸クロライド法などが公知である
が、たとえば、溶融液晶性ポリエステルの場合、アセチ
ル化法にて高沸点溶媒を用いる溶液重合、実質的に溶媒
を用いない溶融重合により製造されることが多い。
ある芳香族ヒドロキシ化合物は無水酢酸との反応により
酢酸エステル類に誘導されたのち、脱酢酸反応によりポ
リマ―が製造される。芳香族ヒドロキシ化合物の酢酸エ
ステル類への誘導は、一般にヒドロキシル基1.0モル
に対し1.1モル程度の過剰の無水酢酸を芳香族ヒドロ
キシ化合物に加え、無水酢酸還流下で反応を進めること
により行われる。
ヒドロキシ化合物と無水酢酸を反応させて酢酸フェニル
エステル類を製造した場合、ベンゼン核の水素がアセチ
ル化されるなどの副反応が起こり、高純度の酢酸フェニ
ルエステル類を製造することは極めて困難であった。
またはフェニル基であり、m、nは0〜2の整数であ
る。なお、mが2の場合、Rは互いに異なった基でもよ
い。)
ノマーとして使用するに十分な高純度の酢酸フェニルエ
ステル類を得ることはできず、対応する繰り返し構造単
位を有する芳香族ポリエステルを、アセチル化法で重合
した場合、十分に分子量が上がらないなどの問題があ
り、実用に耐えうるポリマーの合成は極めて困難であっ
た。無水酢酸のほかのカルボン酸無水物を用いた場合も
同様である。
を解決するために、一般式 化2で表される芳香族ヒド
ロキシ化合物とカルボン酸無水物との反応において、カ
ルボン酸フェニルエステル類が高収率で得られる触媒に
ついて鋭意検討した結果、金属カルボン酸塩がカルボン
酸フェニルエステル類生成の著しく優れた選択活性触媒
であること、すなわち金属カルボン酸塩存在下であれば
副生成物はほとんど生じないことを見出し、本発明に到
達した。
れる芳香族ヒドロキシ化合物とカルボン酸無水物を反応
させてカルボン酸フェニルエステル類を製造する方法に
おいて、芳香族ヒドロキシ化合物100重量部に対し
て、周期律表で下記の族の金属カルボン酸塩およびカル
ボン酸無水物と反応して金属カルボン酸塩となる周期律
表で下記の族の金属化合物からなる群から選ばれた少な
くとも1種を0.01重量部以上存在させることを特徴
とする高純度カルボン酸フェニルエステル類の製造方法
に関するものである。 金属:周期律表で1族、2A族、3〜5族、6A族、7
A族、8族の金属
またはフェニル基であり、m、nは0〜2の整数であ
る。なお、mが2の場合、Rは互いに異なった基でもよ
い。)
として、レゾルシノール、ハイドロキノン、2−クロロ
ハイドロキノン、2−フェニルハイドロキノン、2−メ
チルレゾルシノール、4−クロロレゾルシノール、カテ
コール、フロログルシンを挙げることができる。
および芳香族カルボン酸無水物が挙げられる。脂肪族カ
ルボン酸無水物としては、無水酢酸、無水プロピオン
酸、無水酪酸などが挙げられる。
酸、無水マレイン酸などが挙げられる。芳香族カルボン
酸無水物としては、無水安息香酸、無水トルイル酸、無
水ナフトエ酸などが挙げられる。これらの中で好ましく
は無水酢酸が挙げられる。
ニルエステル類、特に酢酸フェニルエステル類の製造方
法に関する開示例は、大別すると二種類の方法に分ける
ことができる。一つは酸ハロゲン化物を用いる方法で塩
化アセチルを使用するものであり、他の一つは酸無水物
を用いる方法で無水酢酸を使用するものである。これら
の反応のうち、後者の方法は、前者の方法に比べ、腐食
性の塩素ガスが発生するといった問題がないので、芳香
族ポリエステルのモノマ―として酢酸フェニルエステル
類、たとえばレゾルシノ―ルジアセテ―トを合成する場
合は、後者が採用される場合が多い。後者の場合、一般
にヒドロキシル基1.0モルに対し1.1モル程度の過
剰の無水酢酸をレゾルシノールに加え、無水酢酸還流下
で数時間反応をさせる。
(HPLC法)および核磁気共鳴分光法(NMR法)を
用いて分析した結果、目的とするレゾルシノ―ルジアセ
テ―トは約90モル%しか生成しておらず、ベンゼン核
の水素がアセチル化されることによって生じるレゾアセ
トフェノン(レスアセトフェノンともいう)などの副生
成物が生じていることがわかった。
ルエステル類を高収率で得ることを目的に種々の触媒に
ついて検討した結果、驚くべきことに酢酸ナトリウムに
代表される金属カルボン酸塩は、酢酸フェニルエステル
類の生成の著しく優れた選択活性触媒であること、すな
わち金属カルボン酸塩および/またはカルボン酸無水物
と反応して金属カルボン酸塩となる金属化合物の存在下
であればレゾアセトフェノンなどの副生成物はほとんど
生じないことを見出した。
酸塩としては、周期律表で1族、2A族、3〜5族、6
A族、7A族、8族の金属カルボン酸塩が挙げられる。
好ましくは1族、2A族、4B族、6A族、7A族、8
族の金属カルボン酸塩が挙げられる。具体的に、優れた
選択活性触媒を有する金属カルボン酸塩としては、酢酸
リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジ
ウム、酢酸セシウム等のアルカリ金属酢酸塩、酢酸マグ
ネシウム、酢酸カルシウム、酢酸ストロンチウム、酢酸
バリウム等のアルカリ土類金属酢酸塩、酢酸銅等の1B
族金属酢酸塩、酢酸錫、酢酸鉛等の4B族金属酢酸塩、
酢酸クロム等の6A族金属酢酸塩、酢酸マンガン等の7
A族金属酢酸塩、酢酸コバルト、酢酸ニッケル等の8族
金属酢酸塩等が挙げられる。この中で着色がある遷移金
属は用途によっては好ましくはない。これらの中で特に
選択性に優れ好ましいものとしては、酢酸リチウム、酢
酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウム、酢酸セ
シウム等のアルカリ金属酢酸塩、酢酸マグネシウム、酢
酸カルシウム、酢酸ストロンチウム、酢酸バリウム等の
アルカリ土類金属酢酸塩が挙げられる。また価格が低く
工業的に利用しやすく好ましいものとしては酢酸ナトリ
ウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウ
ムが挙げられる。
ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、酪酸ナトリウ
ム、吉草酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、カプリ
ル酸ナトリウム等の脂肪族カルボン酸のアルカリ金属
塩、安息香酸ナトリウム等の芳香族カルボン酸のアルカ
リ金属塩等が挙げられる。また、金属カルボン酸塩は、
無水物でも、水和物でもかまわない。
酸無水物を反応させてカルボン酸フェニルエステル類を
製造する方法において、カルボン酸無水物と反応して前
記の金属カルボン酸塩となる金属化合物を少なくとも1
種存在させてもよい。このような金属化合物としては、
金属炭酸塩、金属重炭酸塩、金属水酸化物、金属酸化
物、金属アルコキサイド、金属硫化物、金属水硫化物な
どが挙げられる。
炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カ
リウムナトリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム等の
アルカリ金属炭酸塩、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カ
リウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等のアルカ
リ土類金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ
ウムなどのアルカリ金属重炭酸塩、水酸化リチウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水
酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸
化ストロンチウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金
属水酸化物、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化
ストロンチウム、酸化バリウム等のアルカリ土類金属酸
化物、ナトリウムメトキサイド、カリウムtert−ブ
トキサイド等のアルカリ金属アルコキサイド、マグネシ
ウムエトキサイドのようなアルカリ土類金属アルコキサ
イド、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム等
のアルカリ金属の硫化物、硫化カルシウム、硫化ストロ
ンチウム、硫化バリウム等のアルカリ土類金属の硫化
物、水硫化ナトリウム等のアルカリ金属の水硫化物など
が挙げられる。価格が低く工業的に利用しやすく好まし
いものとしては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、塩基性
炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化マ
グネシウム、酸化カルシウムが挙げられる。
の芳香族ヒドロキシ化合物に対しても金属カルボン酸塩
は、レゾルシノールの場合と同様の効果を有することを
確認した。
テル類の製造方法における金属カルボン酸塩の添加量に
ついては、一般式 化3で表される芳香族ヒドロキシ化
合物100重量部に対して0.01重量部以上の金属カ
ルボン酸塩を添加することが好ましい。より好ましくは
0.02〜3重量部、さらに好ましくは0.05〜2重
量部添加することがよい。
金属カルボン酸塩の触媒効果は不十分であり、レゾアセ
トフェノン等の副生成物の生成が増大し好ましくない。
また、添加量の上限は特にないが、3重量部を超えても
効果はそれ以上向上しないので、経済的見地から好まし
くは3重量部以下がよい。
し反応を開始する。金属カルボン酸塩は、室温で溶解し
にくい場合があるので、約80℃以下で30分程度撹拌
し、できるだけ溶解させることが好ましい。最終の反応
温度は、使用している金属カルボン酸塩の種類や反応時
間を考慮して決定されるべきである。反応温度は、無触
媒の場合、無水酢酸の還流温度とするのが普通である
が、金属カルボン酸塩を触媒として使用している場合は
その量にもよるが、無水酢酸の還流温度以下でよく、好
ましくは約100℃〜約145℃(還流温度)、さらに
好ましくは、反応時間短縮の観点から約120℃〜約1
45℃(還流温度)である。特に好ましくは還流温度付
近がよい。
応条件によっては1時間程度でも十分である。
HPLC法やNMR法によって確認できる。なお、反応
は不活性ガス雰囲気下で行われる。
ボン酸塩存在下で、芳香族ヒドロキシ化合物とカルボン
酸無水物を反応させることにより、従来より温和な条件
で、高純度のカルボン酸フェニルエステル類の提供が可
能となる。該カルボン酸フェニルエステル類は芳香族ポ
リエステルのモノマ―として好適に使用されるほか、医
農薬の製造原料などとしても使用することができ、本発
明の工業的価値は極めて大である。
れらに限定されるものではない。なお、実施例中の分析
は次の方法で行った。
下、HPLC法という):ウォーターズ社製600Eマ
ルチソルベント送液システムにより、移動相としてメタ
ノ―ル/酢酸(体積比が1000/5)および水/酢酸
(体積比が1000/5)を使用し、低圧グラディエン
ト法により測定した。使用したカラムは内径6.0m
m、長さ15cmのオクタデシルシリル(ODS)カラ
ムである。検出器はウォーターズ社製484チューナブ
ル アブソーバンス ディテクターであり、254nm
において測定した。各生成物の生成量は、254nmに
おける、(生成物のピーク面積)/(ジアセチル化体の
ピ−ク面積)によって比較した。
1H−NMR法という):ブルカー社製AC−200P
型プロトン核磁気共鳴分光装置(200.133MH
z)を使用し、化学シフトの基準としてテトラメチルシ
ランを用い、室温にて測定した。サンプル溶液は、サン
プル10mgを0.4mlの重水素化ジメチルスルホキ
シドに溶解することにより調製した。
の丸底フラスコに撹拌子、三方コック、ジムロ−ト冷却
管を取りつけ、レゾルシノ―ル0.1モル(11.0
g)、無水酢酸0.24モル(24.5g)、金属カル
ボン酸塩として酢酸ナトリウムを110mg(レゾルシ
ノール100重量部に対し1.0重量部)を仕込んだ。
マグネチックスターラーで撹拌子を回転させ、三方コッ
クから窒素を導入し系内を窒素雰囲気として、レゾルシ
ノ―ルを無水酢酸に溶解した。この後、ジムロ−ト冷却
管に冷却水を流した状態でフラスコを油浴に入れ、油浴
を昇温し、油浴の温度を60℃に保持した状態で30分
反応させ、その後さらに昇温し、油浴の温度を140℃
に保持した状態で1時間反応を行った。
酢酸溶液を、金属カルボン酸塩を加えることなく加熱
し、60℃で30分、140℃で1時間アセチル化の反
応を行った。
て、金属カルボン酸塩として酢酸亜鉛2水和物を110
mg(レゾルシノ―ル100重量部に対し1.0重量
部)仕込み、実施例1と同様にして、レゾルシノ―ルと
無水酢酸を反応させた。
果)実施例1と同様にレゾルシノ―ルの無水酢酸溶液に
対して、金属カルボン酸塩として酢酸リチウム2水和物
(実施例2)、酢酸カリウム(実施例3)、酢酸セシウ
ム(実施例4)をそれぞれ110mg(レゾルシノ―ル
100重量部に対し1.0重量部)仕込み、実施例1と
同様にして、レゾルシノ―ルと無水酢酸を反応させた。
効果)実施例1と同様にレゾルシノ―ルの無水酢酸溶液
に対して、金属カルボン酸塩として酢酸カルシウム2水
和物(実施例5)、酢酸バリウム2水和物(実施例6)
をそれぞれ110mg(レゾルシノ―ル100重量部に
対し1.0重量部)仕込み、実施例1と同様にして、レ
ゾルシノ―ルと無水酢酸を反応させた。
れた反応物をHPLC法にて分析し、各生成物の生成量
を比較した。それらの結果を表1にまとめた。
施例1と同様にレゾルシノ―ルの無水酢酸溶液に対し
て、金属カルボン酸塩として酢酸コバルト4水和物(実
施例7)、酢酸銅1水和物(実施例8)、酢酸ニッケル
4水和物(実施例9)、酢酸マンガン4水和物(実施例
10)、酢酸クロム(実施例11)をそれぞれ110m
g(レゾルシノ―ル100重量部に対し1.0重量部)
仕込み、実施例1と同様にして、レゾルシノ―ルと無水
酢酸を反応させた。
実施例1と同様にレゾルシノ―ルの無水酢酸溶液に対し
て、金属カルボン酸塩として酢酸スズ(実施例12)、
酢酸鉛4水和物(実施例13)をそれぞれ110mg
(レゾルシノ―ル100重量部に対し1.0重量部)仕
込み、実施例1と同様にして、レゾルシノ―ルと無水酢
酸を反応させた。
HPLCにて分析し、各生成物の生成量を比較した。そ
れらの結果を表2にまとめた。
実施例1と同様にレゾルシノ―ルの無水酢酸溶液に対し
て、金属カルボン酸塩としてカプロン酸ナトリウム(実
施例14)、安息香酸ナトリウム(実施例15)をそれ
ぞれ110mg(レゾルシノ―ル100重量部に対し
1.0重量部)仕込み、実施例1と同様にして、レゾル
シノ―ルと無水酢酸を反応させた。
〜アルカリ土類金属酸化物の効果)実施例1と同様にレ
ゾルシノ―ルの無水酢酸溶液に対して、反応中に金属カ
ルボン酸塩を生じる金属化合物として酸化マグネシウム
を110mg(レゾルシノ―ル100重量部に対し1.
0重量部)仕込み、実施例1と同様にして、レゾルシノ
―ルと無水酢酸を反応させた。
〜アルカリ金属水酸化物の効果)実施例1と同様にレゾ
ルシノ―ルの無水酢酸溶液に対して、反応中に金属カル
ボン酸塩を生じる金属化合物として水酸化ナトリウムを
110mg(レゾルシノ―ル100重量部に対し1.0
重量部)仕込み、実施例1と同様にして、レゾルシノ―
ルと無水酢酸を反応させた。
〜アルカリ金属硫化物の効果)実施例1と同様にレゾル
シノ―ルの無水酢酸溶液に対して、反応中に金属カルボ
ン酸塩を生じる金属化合物として硫化ナトリウム9水和
物を110mg(レゾルシノ―ル100重量部に対し
1.0重量部)仕込み、実施例1と同様にして、レゾル
シノ―ルと無水酢酸を反応させた。
〜アルカリ金属水硫化物の効果)実施例1と同様にレゾ
ルシノ―ルの無水酢酸溶液に対して、反応中に金属カル
ボン酸塩を生じる金属化合物として水硫化ナトリウムを
110mg(レゾルシノ―ル100重量部に対し1.0
重量部)仕込み、実施例1と同様にして、レゾルシノ―
ルと無水酢酸を反応させた。
〜アルカリ金属炭酸塩の効果)実施例1と同様にレゾル
シノ―ルの無水酢酸溶液に対して、反応中に金属カルボ
ン酸塩を生じる金属化合物として炭酸ナトリウムを11
0mg(レゾルシノ―ル100重量部に対し1.0重量
部)仕込み、実施例1と同様にして、レゾルシノ―ルと
無水酢酸を反応させた。
〜アルカリ金属重炭酸塩の効果)実施例1と同様にレゾ
ルシノ―ルの無水酢酸溶液に対して、反応中に金属カル
ボン酸塩を生じる金属化合物として重炭酸ナトリウムを
110mg(レゾルシノ―ル100重量部に対し1.0
重量部)仕込み、実施例1と同様にして、レゾルシノ―
ルと無水酢酸を反応させた。
〜アルカリ(土類)金属アルコキサイドの効果)実施例
1と同様にレゾルシノ―ルの無水酢酸溶液に対して、反
応中に金属カルボン酸塩を生じる金属化合物としてカリ
ウムtert-ブトキサイドを110mg(レゾルシノ―ル
100重量部に対し1.0重量部)仕込み、実施例1と
同様にして、レゾルシノ―ルと無水酢酸を反応させた。
をHPLCにて分析し、各生成物の生成量を比較した。
それらの結果を表3にまとめた。
合、無触媒の場合(比較例1)に比べて、副生成物の生
成量は百分の一程度にまで抑えられていることが分か
る。
較例1)に比べて、副生成物の生成量は、十分の一以下
にまで抑えられているものの、実施例1〜6および実施
例14〜21の場合に比べると副反応の抑制効果は弱い
ことが分かる。即ち、金属カルボン酸の金属としては、
アルカリ金属及びアルカリ土類金属の方が遷移金属より
も好ましいと言える。
Rにて分析した結果、副生成物の大部分は、ベンゼン核
の水素がアセチル化されたことによって生じるレゾアセ
トフェノン構造を有する化合物であることが判明した。
と同様の反応装置を用いて、実施例1と同様にレゾルシ
ノ―ルの無水酢酸溶液に、酢酸ナトリウムを、レゾルシ
ノ―ル100重量部に対して、それぞれ0.2重量部
(実施例23)、0.05重量部(実施例24)、0.
01重量部(実施例25)仕込み、実施例1と同様にし
て、レゾルシノ―ルと無水酢酸を反応させた。
をHPLCにて分析し、各反応物の生成量を比較した。
それらの結果を実施例1、比較例1とあわせて表4にま
とめた。
して0.01重量部添加することによって、副反応をか
なり抑えることができ、高純度の酢酸フェニルエステル
類を得ることができることが分かる。また、触媒を1重
量部以上添加することにより、副反応は完全に抑制でき
ることが分かった。
1の場合と同様の反応装置に、表5に示した芳香族ヒド
ロキシ化合物を、それぞれ0.1モルづつ仕込み、これ
にヒドロキシル基1モルに対して1.2モルとなるよう
に無水酢酸をそれぞれ加え、芳香族ヒドロキシ化合物1
00重量部に対して1.0重量部の酢酸ナトリウムを加
えた。この後、フラスコ内を窒素雰囲気とし、ジムロ−
ト冷却管に冷却水を流した状態でフラスコを油浴に入
れ、反応温度60℃で30分、140℃で1時間アセチ
ル化の反応を行った。
た反応物をHPLCにて分析し、対応する酢酸フェニル
エステル類および副反応物の生成量を比較した。それら
の結果を表5にまとめた。金属カルボン酸塩が酢酸フェ
ニルエステル類の著しく優れた選択活性触媒であること
がわかる。
Claims (1)
- 【請求項1】一般式 化1で表される芳香族ヒドロキシ
化合物とカルボン酸無水物を反応させてカルボン酸フェ
ニルエステル類を製造する方法において、芳香族ヒドロ
キシ化合物100重量部に対して、周期律表で下記の族
の金属カルボン酸塩およびカルボン酸無水物と反応して
金属カルボン酸塩となる周期律表で下記の族の金属化合
物からなる群から選ばれた少なくとも1種を0.01重
量部以上存在させることを特徴とする高純度カルボン酸
フェニルエステル類の製造方法。 金属:周期律表で1族、2A族、3〜5族、6A族、7
A族、8族の金属 【化1】 (ただし、Rはハロゲン、炭素数1〜5のアルキル基、
またはフェニル基であり、m、nは0〜2の整数であ
る。なお、mが2の場合、Rは互いに異なった基でもよ
い。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03307494A JP3111557B2 (ja) | 1991-11-22 | 1991-11-22 | 高純度カルボン酸フェニルエステル類の製造方法 |
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---|---|---|---|
JP03307494A JP3111557B2 (ja) | 1991-11-22 | 1991-11-22 | 高純度カルボン酸フェニルエステル類の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05140035A true JPH05140035A (ja) | 1993-06-08 |
JP3111557B2 JP3111557B2 (ja) | 2000-11-27 |
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ID=17969767
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03307494A Expired - Fee Related JP3111557B2 (ja) | 1991-11-22 | 1991-11-22 | 高純度カルボン酸フェニルエステル類の製造方法 |
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