JP3211279B2 - 高純度カルボン酸フェニルエステル類の製造方法 - Google Patents

高純度カルボン酸フェニルエステル類の製造方法

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JP3211279B2
JP3211279B2 JP25770991A JP25770991A JP3211279B2 JP 3211279 B2 JP3211279 B2 JP 3211279B2 JP 25770991 A JP25770991 A JP 25770991A JP 25770991 A JP25770991 A JP 25770991A JP 3211279 B2 JP3211279 B2 JP 3211279B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高分子合成の際のモノマ
―として好適に使用されるほか、医農薬の製造原料とし
ても使用できる等、種々の分野で要求される高い純度を
有するカルボン酸フェニルエステル類の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電気、電子分野、オフィス・オ―トメ―
ション(OA)、オ―ディオ・ビジュアル(AV)分
野、自動車産業などの各産業分野における最近の技術進
歩は目ざましく、これらの新しい分野で利用される高分
子材料には、高強度、高耐熱といった高い性能が要求さ
れている。特にリレ―部品、コイルボビン、コネクタ―
などの電子部品においては、小型化、薄肉化が進むとと
もに、高寸法精度、高強度、高剛性、高ハンダ耐熱性、
優れた薄肉成形性などの高度な性能が要求されており、
これらの要求を満足する高分子材料として、芳香族ポリ
エステルが好適に使用されている。芳香族ポリエステル
のなかでも、特に溶融液晶性ポリエステルは優れた薄肉
成形加工性を有し、電子部品材料として急速に普及しつ
つある。
【0003】このような芳香族ポリエステルの製造方法
としては、アセチル化法、フェニルエステル化法および
酸クロライド法などが公知であるが、たとえば、溶融液
晶性ポリエステルの場合、アセチル化法にて高沸点溶媒
を用いる溶液重合、実質的に溶媒を用いない溶融重合に
より製造されることが多い。アセチル化法の場合、モノ
マ―の一成分である芳香族ヒドロキシ化合物は無水酢酸
との反応により酢酸エステル類に誘導されたのち、脱酢
酸反応によりポリマ―が重合される。芳香族ヒドロキシ
化合物の酢酸エステル類への誘導は、一般にヒドロキシ
ル基1.0モルに対し1.1モル程度の過剰の無水酢酸
を芳香族ヒドロキシ化合物に加え、無水酢酸還流下で反
応を進めることにより行われる。
【0004】ところが、芳香族ヒドロキシ化合物とカル
ボン酸無水物とを反応せしめてカルボン酸フェニルエス
テル類を製造した場合、ベンゼン核の水素がアセチル基
に置換されるなどの副反応が起こったり、反応の後半で
反応生成物が着色するなど、該方法では、芳香族ポリエ
ステルのモノマ―として使用するに十分な高純度のカル
ボン酸フェニルエステル類を得られないという問題があ
った。
【0005】このため、該方法で得られたカルボン酸フ
ェニルエステル類を用いてポリエステルを製造した場
合、十分に分子量が上がらない、色調が悪いなどの問題
が惹起され、実用に耐えうるポリマ―の合成は極めて困
難であった。
【0006】このことは無水酢酸の代わりにほかのカル
ボン酸無水物を用いた場合も同様である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、芳香族ヒドロキシ化合物とカルボン
酸無水物との反応触媒について鋭意検討を重ねた結果、
三級アミン類がカルボン酸フェニルエステル類生成につ
いて著しく優れた選択活性触媒であること、すなわち三
級アミン類存在下で反応を行えば、ほとんど副生成物も
着色も生じないことを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち、本発明は、下記一般式(1) (式中、Rはハロゲン、炭素数1〜5のアルキル基また
はフェニル基を表わし、m、nは0〜2の整数を表す。
なお、mが2の場合、Rは互いに異なった基であっても
よい。)
【0009】で表される芳香族ヒドロキシ化合物とカル
ボン酸無水物を反応させてカルボン酸フェニルエステル
類を製造する方法において、芳香族ヒドロキシ化合物1
00重量部に対して0.01〜3重量部の三級アミン類
を存在させることを特徴とする高純度カルボン酸フェニ
ルエステル類の実用的な製造方法を提供するものであ
る。
【0010】本発明における芳香族ヒドロキシ化合物と
しては、上記一般式(1)で表わされる化合物である
が、その代表例としては、下記一般式(2)〜(4)で
表される化合物を挙げることができる。
【0011】
【0012】またカルボン酸無水物としては、脂肪族、
環状および芳香族カルボン酸無水物などが挙げられる。
脂肪族カルボン酸無水物としては、例えば無水酢酸、無
水プロピオン酸、無水酪酸など、環状カルボン酸無水物
としては、例えば無水こはく酸、無水マレイン酸など、
芳香族カルボン酸無水物としては、例えば無水安息香
酸、無水トルイル酸、無水ナフトエ酸などが挙げられ
る。
【0013】本発明における三級アミン類としては、例
えばピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルア
ニリンおよび4−ジメチルアミノピリジン等が挙げられ
る。特に選択性に優れ好ましいものとしては、ピリジン
および4−ジメチルアミノピリジンが挙げられる。ま
た、価格が低く工業的に利用しやすく好ましいものとし
ては、ピリジン、トリエチルアミンおよびN,N−ジメ
チルアニリンが挙げられる。特にピリジンが好ましい。
【0014】ここで、三級アミン類を存在させずに、例
えばレゾルシノールと無水酢酸を反応させると橙色に着
色した生成物が得られる。目的物レゾリシノールジアセ
テートは約90%程度しか生成せず、ベンゼン核の水素が
アセチル化されたレゾアセトフェノン構造を有する副生
成物が多量生成する。また三級アミンの代わりに濃硫酸
を使用した場合は、反応が著しく加速されるが、赤色に
着色した生成物が得られ、この場合にも目的物レゾリシ
ノールジアセテートは約90%程度程度しか生成せず、ベ
ンゼン核の水素がアセチル化されたレゾアセトフェノン
構造を有する副生成物が多量生成する。
【0015】次に、本発明のカルボン酸フェニルエステ
ル類の製造方法について、カルボン酸無水物として無水
酢酸を例に説明する。芳香族ヒドロキシ化合物(1)に
対して無水酢酸(ヒドロキシル基1モルに対し約1.1
モル程度)を仕込み、これを撹拌して芳香族ヒドロキシ
化合物(1)を無水酢酸に溶解する。次に、芳香族ヒド
ロキシ化合物100重量部に対して0.01〜3重量
部、好ましくは0.02〜3重量部、さらに好ましくは
0.03〜2重量部の三級アミン類を添加する。
【0016】ここで、添加量が0.01重量部より少な
い場合、三級アミン類の触媒効果は不十分である。三級
アミン類の添加量が0.01重量部以上であれば、得ら
れる酢酸フェニルエステル類は高純度であるが、0.1
重量部より少ない場合、得られる酢酸フェニルエステル
類はわずかに着色する。従って無色透明な酢酸フェニル
エステル類が必要な場合は、三級アミン類を0.1重量
部以上添加することが好ましい。
【0017】また、添加量が3重量部を越えると、経済
的ではなく好ましくない。
【0018】三級アミン類を添加後、反応系を昇温し反
応を開始する。反応温度は、使用している三級アミン類
の沸点や反応時間を考慮して決定されるべきである。反
応温度は、無触媒の場合、無水酢酸の還流温度とするの
が普通であるが、三級アミン類を触媒として使用してい
る場合はその量にもよるが、無水酢酸の還流温度以下で
よく、好ましくは約80℃〜約145℃(還流温度)、
さらに好ましくは、反応時間短縮の観点から約100℃
〜約145℃(還流温度)である。特に好ましくは還流
温度付近がよい。
【0019】反応時間は通常1〜3時間程度が好まし
い。反応条件によっては1時間程度でも十分である。
【0020】得られた酢酸フェニルエステル類の純度は
HPLCやNMRによって確認できる。なお、反応は不
活性ガス雰囲気下で行われる。
【0021】
【発明の効果】ピリジンをはじめとする三級アミン類の
触媒量の存在下で、芳香族ヒドロキシ化合物(1)とカ
ルボン酸無水物を反応させることにより、従来より温和
な条件で、高純度のカルボン酸フェニルエステル類の提
供が可能となる。該カルボン酸フェニルエステル類は芳
香族ポリエステルのモノマ―として好適に使用されるほ
か、医農薬の製造原料などとしても使用することができ
る。
【0022】特に、レゾルシノ―ル類はメタ配向性のモ
ノマ―であり、高結晶性の芳香族ポリエステルのモノマ
―として使用することにより、該芳香族ポリエステルの
融点を効果的に低下させ、該芳香族ポリエステルの成形
加工性を著しく改良できるなどといった特徴を有する興
味深いモノマ―である。しかし、レゾルシノ―ル類と無
水酢酸から無触媒下でレゾルシノ―ルジアセテ―ト類を
製造した場合、該アセテ―ト体の純度が低かった。従っ
て、良好な物性が期待されるにもかかわらず、レゾルシ
ノ―ル構造を有する芳香族ポリエステルをアセチル化法
により該レゾルシノ―ルジアセテ―ト類から製造するこ
とは、不可能であった。
【0023】ところが、本発明で示すように、三級アミ
ン類存在下であれば、レゾルシノ―ル類と無水酢酸の反
応から、高純度のレゾルシノ―ルジアセテ―ト類が得ら
れ、従って、該レゾルシノ―ルジアセテ―ト類を用いて
重合される芳香族ポリエステルは耐熱性、機械的特性お
よび溶融成形性に優れ、色調が極めて良好なものであ
り、工業的価値が極めて大きい。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。なお、実施例中の分析
は次の方法で行った。
【0025】(1)高速液体クロマトグラフィ―法(以
下、HPLC法という):ウォーターズ社製600Eマ
ルチソルベント送液システムにより、移動相としてメタ
ノ―ル/酢酸(体積比が1000/5)および水/酢酸
(体積比が1000/5)を使用し、低圧グラディエン
ト法により測定した。使用したカラムは内径6.0m
m、長さ15cmのオクタデシルシリル(ODS)カラ
ムである。定量計算は絶対検量線法によって行い、これ
より各反応の転化率、選択率、収率を算出した。
【0026】(2)プロトン核磁気共鳴分光法(以下、
1H−NMR法という):ブルカー社製AC−200P
型プロトン核磁気共鳴分光装置(200.133MH
z)を使用し、化学シフトの基準としてテトラメチルシ
ランを用い、室温にて測定した。サンプル溶液は、サン
プル10mgを0.4mlの重水素化ジメチルスルホキ
シドに溶解することにより調製した。
【0027】(3)流動温度:(株)島津製作所製のフ
ローテスター CFT―500型で測定され、4℃/分
の昇温速度で加熱溶融されたポリマ―を荷重100kg
/cm2 で内径1mm、長さ10mmのノズルから押し
出すときに、該溶融粘度が48000ポイズを示す点に
おける温度である。
【0028】(4)明度L値および色調a値(赤色度)
とb値 (黄色度) :細川ミクロン製バンタムミルを用い
てポリマーサンプルを粉砕して、300μm以下の粒子
として、タイラーメッシュで60メッシュ(246μm
孔)と325メッシュ(43μm孔)の篩で篩別して、
最大粒子径が246μm以下、最小粒子径が43μm以
上の範囲にある粉末を得た。
【0029】得られた粉末サンプルを物体色として三刺
激値X、Y、Zを日本電色工業(株)製測色色差計Z−
1001DPを用いて、JIS Z8722に規定され
る0°−d方式により測色し、これからJIS Z87
30に規定されるハンターの色差式によって明度(L
値)、赤色度(a値)および黄色度(b値)を求めた。
【0030】(5)光学異方性:溶融状態における樹脂
の光学異方性は、加熱ステ―ジ上に置かれた粉末状のポ
リマ―を偏光下10℃/分で昇温して肉眼観察により行
った。なお、静置下で完全溶融しない場合はスプリング
圧を利用し加圧下で行った。
【0031】(6)ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)法:東ソ−(株)製HLC−8020
により、カラムサイズは7.8mmID×30cm、移
動相として2,3,5,6−テトラフルオロフェノ−ル
(TFP)とクロロホルムとの混合溶液(体積比がTF
P/CHCl3 =1/2.721)を用いた。試料5m
gを2,3,5,6−テトラフルオロフェノ−ル5ml
に溶解し、これをクロロホルムで2倍体積に希釈後、ポ
アサイズ0.45μmのフィルタ―で前濾過して測定し
た。また、分子量計算は標準ポリスチレンによる較正曲
線を用いて行った。
【0032】(7)溶液粘度:ウベロ―デ型粘度計を用
い、TFPを溶媒として60℃で測定した。
【0033】(8)成形品物性:曲げ強度と弾性率、加
熱変形温度(HDT)を、それぞれ、ASTM D−7
90およびASTM D−648に準拠して測定した。
【0034】実施例1 (レゾルシノ―ル(5)のアセチル化―触媒効果) 200mlの丸底フラスコに三ヶ月型撹拌翼、三方コッ
ク、ジムロ−ト冷却管を取りつけ、レゾルシノ―ル
(5)0.5モル(55.0g)、無水酢酸1.1モル
(112.2g)を仕込んだ。三ヶ月型撹拌翼を120
rpmで回転させ、三方コックから窒素を導入し系内を
窒素雰囲気として、レゾルシノ―ルを無水酢酸に溶解し
た。この後、三級アミン類として、ピリジンを275m
g(レゾルシノ―ル100重量部に対し0.5重量部)
添加し、ジムロ−ト冷却管に冷却水を流した状態でフラ
スコを油浴に入れ、油浴を昇温し、内温を100℃に保
持した状態で1時間反応した。得られた反応物は室温で
無色透明な液体であった。
【0035】実施例2〜4 実施例1と同様にレゾルシノ―ル(5)の無水酢酸溶液
を3種調製し、三級アミン類として、トリエチルアミ
ン、N,N−ジメチルアニリン、4−ジメチルアミノピ
リジンを、それぞれ275mg(レゾルシノ―ル100
重量部に対し0.5重量部)添加し、実施例1と同様に
して、レゾルシノ―ルと無水酢酸を反応させた。得られ
た反応物は、すべて、室温で無色透明な液体であった。
【0036】比較例1 実施例1と同様にして調製されたレゾルシノ―ル(5)
の無水酢酸溶液を、三級アミン類などを加えることなく
加熱し、無水酢酸を還流させながら3時間アセチル化の
反応を行った。得られた反応物は室温で橙色透明な液体
であった。
【0037】比較例2 また、実施例1と同様にして調製されたレゾルシノ―ル
(5)の無水酢酸溶液に濃硫酸を一滴加えた。その結
果、反応系は発熱し、内温は102℃まで上昇した。そ
の後、フラスコを油浴に入れ、内温を100℃に保持し
て1時間反応した。得られた反応物は室温で赤色透明な
液体であった。
【0038】以上の実施例1〜4、比較例1、2で得ら
れた反応物をHPLCにて分析し、レゾルシノ―ルジア
セテ―トに関する転化率、選択率、 収率および副反応物
の生成率を計算した。それらの結果を表1にまとめた。
【0039】実施例1、4の場合、転化率、選択率、収
率のいずれも100%、副反応物の生成率は0%、実施
例2、3の場合、選択率は100%であり、いずれの場
合も副生成物は全く生じていないことがわかる。
【0040】また、 比較例1、2の反応物をNMRにて
分析した結果、副生成物の大部分は、ベンゼン核の水素
がアセチル化されたことによって生じるレゾアセトフェ
ノン構造を有する化合物であることが判明した。
【0041】比較例3 (レゾルシノ―ルジアセテ―トの減圧蒸留による精製) 比較例1で得られた反応生成物の減圧蒸留による精製を
試みた。まず、常圧蒸留にて酢酸を留去したのち、系を
10mmHgまで減圧し、釜温165℃、蒸気温度15
5℃で減圧蒸留を行った。得られたレゾルシノ―ルジア
セテ―トの純度は98.6%であり、芳香族ポリエステ
ルのモノマ―として使用するに必要な純度を有するレゾ
ルシノ―ルジアセテ―トを、減圧蒸留によって調製する
のは不可能であることがわかった。
【0042】実施例5、6、比較例4 (レゾルシノ―ルのアセチル化―触媒添加量) 実施例1と同様の反応装置を用いて、実施例1と同様に
レゾルシノ―ル(5)の無水酢酸溶液を4種調製し、三
級アミン類としてピリジンを、レゾルシノ―ル100重
量部に対して、それぞれ0.005重量部(比較例
4)、0.05、1.0重量部(実施例5、6) 添加
し、フラスコを油浴に入れ、表2に示した条件で反応さ
せた。反応生成物をHPLCにて分析し、結果を表2に
まとめた。
【0043】これより、ピリジンの添加量が0.005
重量部の場合、ピリジンの触媒効果はあるが、得られる
レゾルシノ―ルジアセテ―トの純度は不十分で、0.0
1重量部以上であれば、得られるレゾルシノ―ルジアセ
テ―トは高純度であることがわかる。また、実施例1の
結果を加味すれば、ピリジンの添加量が0.1重量部よ
り少ない場合、得られるレゾルシノ―ルジアセテ―トは
わずかに着色することがわかる。
【0044】実施例7〜10、比較例5 (種々の芳香族ヒドロキシ化合物のアセチル化) 実施例1の場合と同様の反応装置に、表3に示した芳香
族ヒドロキシ化合物を、それぞれ0.5モルづつ仕込
み、これにヒドロキシル基1モルに対して1.1モルと
なるように無水酢酸をそれぞれ加え、15分間撹拌した
後、芳香族ヒドロキシ化合物100重量部に対して0.
5重量部のピリジンを加えた。この後、フラスコ内を窒
素雰囲気とし、ジムロ−ト冷却管に冷却水を流した状態
でフラスコを油浴に入れ、反応温度100℃で1時間ア
セチル化の反応を行った(実施例7〜10)。
【0045】次に、比較としてフロログルシン(4)を
無触媒下でアセチル化した場合の例を示す(比較例
5)。実施例10の場合と同様に、フロログルシンの無
水酢酸溶液を調製し、ピリジンを加えることなくフラス
コ内を窒素雰囲気とし、ジムロ−ト冷却管に冷却水を流
した状態でフラスコを油浴に入れ、油浴温度160℃で
無水酢酸還流下、3時間アセチル化の反応を行った。
【0046】以上のように、実施例7〜10、比較例5
で得られた反応物をHPLCにて分析し、対応する酢酸
フェニルエステル類に関する転化率、選択率、収率およ
び副反応物の生成率を計算した。それらの結果を表3に
まとめた。ピリジンが酢酸フェニルエステル類の著しく
優れた選択活性触媒であることがわかる。
【0047】実施例11,12,13 (レゾルシノール(6)のアセチル化−触媒添加量) 実施例1と同様の反応装置を用いて、実施例1と同様に
レゾルシノール(6)の無水酢酸溶液を3種調製し、三
級アミン類としてピリジンを、レゾルシノール100重
量部に対して、それぞれ0.05、0.1、0.5重量
部(実施例11,12,13)添加し、フラスコを油浴
に入れ、表4に示した条件で反応させた。反応生成物を
HPLCにて分析し、結果を表4にまとめた。ピリジン
の添加量が0.1重量部以上の場合、得られるレゾルシ
ノールジアセテートは無色透明であることがわかる。
【0048】実施例14 (芳香族ヒドロキシ化合物のアセチル化) 実施例1の場合と同様の反応装置に、フロログルシン
(6)を、0.5モル仕込み、これにヒドロキシル基1
モルに対して1.1モルとなるように無水酢酸をそれぞ
れ加え、15分間攪拌した後、フロログルシン(6)1
00重量部に対して0.05重量部のピリジンを加え
た。この後、フラスコ内を窒素雰囲気とし、ジムロート
冷却管に冷却水を流した状態でフラスコを油浴に入れ、
還流状態で1時間アセチル化の反応を行った。得られた
反応物をHPLCにて分析し、反応物に関する転化率、
選択率、収率および副反応物の生成率を計算した。
【0049】その結果、転化率、選択率、収率はいずれ
も100%であり、副反応物生成率は0%であった。ま
た最終生成物として白色結晶が得られた。ピリジンが酢
酸フェニルエステル類の著しく優れた選択活性触媒であ
ることがわかる。
【0050】参考例1〜7、比較参考例1 (レゾルシノール構造を有する芳香族ポリエステル) パラヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、およびレゾル
シノ―ル(6)を総量が12モルとなるよう表5に示し
たモル比で、各モノマ―をいかり型撹拌翼を有する重合
槽に仕込んだ。これに、ヒドロキシル基1モルに対して
1.1モルとなるように無水酢酸を加え、15分間撹拌
した後、レゾルシノ―ル(6)100重量部に対して
0.5重量部のピリジンを加えた。その後、反応系内を
十分窒素置換し、反応温度を100℃として、1時間ア
セチル化反応を行った。
【0051】こののち、生成酢酸を留去しながら1℃/
分の昇温速度で270℃まで昇温し90分保温した後、
さらに、1℃/分の昇温速度で300℃まで昇温した。
【0052】そして、参考例1〜3については10mm
Hgで50分間減圧重合を、参考例4〜7については5
0分間常圧重合を行った。このようにして得られたポリ
マ―を細川ミクロン製バンタムミルで粉砕して300μ
m以下の粒子とし、参考例4、5、7については、さら
に窒素雰囲気下210℃で3時間固相重合した。
【0053】次に、比較として参考例4と同組成で、ピ
リジンなどの触媒を使用しないレゾルシノ―ル構造を有
する芳香族ポリエステルの製造例(比較参考例1)を示
す。表5に示したモル比で各モノマ―を参考例4と同様
の反応器に仕込み、ヒドロキシル基1モルに対して1.
1モルとなるように無水酢酸を加えたのち、窒素ガス雰
囲気下で撹拌しながら昇温させ、ヒ―タ―温度を180
℃に保ち、還流下3時間反応を行いアセチル化を行っ
た。その後、参考例4と同様に常圧重合、固相重合を行
いポリマ―を得た。
【0054】以上、参考例1〜7および比較参考例1で
例示されたレゾルシノール構造を有する芳香族ポリエス
テルの分析結果を表5に、また参考例4〜6および比較
参考例1の芳香族ポリエステルの成形品物性を表6に示
した。
【0055】これより、三級アミン類存在下で合成され
た高純度のレゾルシノ―ルジアセテ―トを用いて製造さ
れたレゾルシノール構造を有する芳香族ポリエステル
は、耐熱性、機械的特性に優れ、溶融成形性および色調
も良好であることがわかる。
【0056】さらに、レゾルシノ―ルを当量の1.02
5倍程度仕込むことにより、より高分子量の芳香族ポリ
エステルが得られることが、参考例7よりわかる。
【0057】参考例8〜10 (レゾルシノール構造を有する芳香族ポリエステル) パラヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、およびレゾル
シノールを総量が12モルとなるよう表7に示したモル
比で、各モノマーをいかり型攪拌翼を有する重合槽に仕
込んだ。これに、ヒドロキシル基1モルに対して1.1
モルとなるように無水酢酸を加え、15分間攪拌した
後、レゾルシノール100重量部に対して0.05重量
部のピリジンを加えた。その後、反応系内を十分窒素置
換し、還流状態で、1時間アセチル化反応を行った。
【0058】こののち、生成酢酸を留去しながら1℃/
分の昇温速度で270℃まで昇温し90分保温した後、
さらに、1℃/分の昇温速度で300℃まで昇温した。
その後、50分間常圧重合を行った。このようにして得
られたポリマーを細川ミクロン製バンタムミルで粉砕し
て300μm以下の粒子とし、参考例8,9について
は、さらに窒素雰囲気下210℃で3時間固相重合し
た。得られた芳香族ポリエステルの分析結果を表7に、
また成形品物性を表8に示した。
【0059】これより、三級アミン類存在下で合成され
た高純度のレゾルシノールジアセテートを用いて製造さ
れたレゾルシノール構造を有する芳香族ポリエステル
は、耐熱性、機械的特性に優れ、溶融成形性および色調
も良好であることがわかる。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】
【表6】
【0066】
【表7】
【0067】
【表8】
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−62845(JP,A) 特開 昭58−177930(JP,A) 特公 昭43−8259(JP,B1) 「化学大事典1(第1巻)」(昭和 35.3.30.共立出版株式会社発行) P.105−106(アセチル化項、アセチル 化剤項参照) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 69/157 B01J 31/02 102 C07C 67/08 C07B 61/00 300

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1) (式中、Rはハロゲン、炭素数1〜5のアルキル基また
    はフェニル基を表わし、m、nは0〜2の整数を表す。
    なお、mが2の場合、Rは互いに異なった基であっても
    よい。)で表される芳香族ヒドロキシ化合物とカルボン
    酸無水物を反応させてカルボン酸フェニルエステル類を
    製造する方法において、芳香族ヒドロキシ化合物100
    重量部に対して0.01〜3重量部の三級アミン類を存
    在させることを特徴とするカルボン酸フェニルエステル
    類の製造方法。
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