JPH06722B2 - フツ素置換芳香族カルボン酸アリ−ルエステルの製造法 - Google Patents

フツ素置換芳香族カルボン酸アリ−ルエステルの製造法

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JPH06722B2
JPH06722B2 JP60026596A JP2659685A JPH06722B2 JP H06722 B2 JPH06722 B2 JP H06722B2 JP 60026596 A JP60026596 A JP 60026596A JP 2659685 A JP2659685 A JP 2659685A JP H06722 B2 JPH06722 B2 JP H06722B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐熱性ポリマー用のモノマーの中間体あるい
は農薬、医薬等の中間体として重要な芳香族フッ素化合
物であるフッ素置換芳香族カルボン酸アリールエステル
を製造する方法に関する。
(従来の技術) フッ素置換芳香族カルボン酸アリールエステルは、フッ
素置換芳香族カルボン酸と芳香族ヒドロキシ化合物とを
オキシ塩化リンのような脱水縮合剤と反応させる方法
(薬学雑誌 第78巻 第546ページ、1958年)
や、フッ素置換芳香族カルボン酸クロリドと芳香族ヒド
ロキシ化合物との反応などによって製造されていた。し
かしながら、これらの原料となるフッ素置換芳香族カル
ボン酸またはフッ素置換芳香族カルボン酸クロリドが高
価なことや、オキシ塩化リンのような脱水縮合剤が化学
量論量必要であり、その廃棄物処理も面倒であり、工業
的に実施するには問題であった。
一方、フッ素置換されていないブロムベンゼンまたはヨ
ードベンゼンの誘導体がパラジウム触媒と塩基の存在下
に、一酸化炭素およびフェノールと反応して安息香酸フ
ェニルエステルを与えることも知られている(特開昭5
9−29641号公報)。
しかしながら、フッ素およびフッ素と異なるハロゲンが
共に芳香環に直接結合した化合物であるフッ素置換芳香
族ハロゲン化物の一酸化炭素および芳香族ヒドロキシ化
合物との反応については、ほとんど知られておらず、置
換基であるフッ素の影響等についても全く知られていな
かった。
(発明の手段および作用) 本発明者らは、フッ素置換芳香族ハロゲン化物からフッ
素置換芳香族カルボン酸アリールエステルを高収率で製
造できる方法を開発するため検討を続けた結果、本発明
を完成するに至った。
すなわち、本発明は、パラジウムまたはパラジウム化合
物とホスフィン化合物とからなる触媒系および塩基の存
在下に、フッ素およびフッ素と異なるハロゲンが共に芳
香環に直接結合したフッ素置換芳香族ハロゲン化物を、
一酸化炭素および芳香族ヒドロキシ化合物と反応させる
ことを特徴とするフッ素置換芳香族カルボン酸アリール
エステルの製造法である。
本発明で用いられるパラジウムまたはパラジウム化合物
としては、成分としてパラジム元素を含むものであれば
特に制限はなく、パラジウムが金属状態であってもよい
し、化合物を形成する成分であってもよい。また、この
パラジウム成分が、例えば、活性炭、グラファイト、シ
リカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニ
ア、チタニア、ジルコニア、硫酸バリウム、炭酸カルシ
ウム、アスベスト、ベントナイト、ケイソウ土、ポリマ
ー、イオン交換樹脂、ゼオライト、モレキュラーシー
ブ、ケイ酸マグネシウム、マグネシアなどの担体に担持
されたものであってもよい。
金属状態のパラジウムとしては、パラジウム金属、パラ
ジウム黒、パラジウムイオンを含む化合物を前記のよう
な担体に担持した後、水素やホルムアルデヒド、ヒドラ
ジンなどで還元処理したもの、およびパラジウムを含む
合金あるいは金属間化合物などが用いられる。合金ある
いは金属間化合物としては、例えば、セレン、テルル、
イオウ、アンチモン、ビスマス、銅、銀、金、亜鉛、ス
ズ、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、水銀、鉛、
タリウム、クロム、モリブデン、タングステンなどを含
むものがあげられる。もちろん、これらの合金あるいは
金属間化合物が、前記のような担体に担持されたもので
あってもよい。
一方、パラジウムを含む化合物としては、PdCl2,PdB
r2,PdI2,Pd(NO2)2、PdSO4などの無機塩類;Pd(OCOC
H3)2、シュウ酸パラジウムなどの有機酸塩類;Pd(C
N)2;PdO;Pds;M〔PdX4〕,M〔PdX6〕で示され
るパラジウム酸塩類(Mはアルカリ金属、アンモニウム
イオンを表わし、Xはニトロ基、シアノ基、ハロゲンを
表わす);〔Pd(NH3)4〕X,〔Pd(en)2〕Xなどの
パラジウムのアンミン錯体類(Xは上記と同じ意味をも
ち、enはエチレンジアミンを表わす);PdCl2(PhC
N)2,PdCl2(PR3)2,Pd(CO)(PR3)3,Pd(PPh3)4,PdCl(R)
(PPh3)2,Pd(C2H4)(PPh3)2,Pd(C3H5)2などの錯化合物
または有機金属化合物類(Rは有機基を表わす);Pd(a
cac)2などのキレート配位子が配位した錯化合物類など
が用いられる。
また、本発明で用いられるホスフィン化合物としては、
3価のリンを含む有機リン化合物であれば、どのような
ものであってもよく、次のような一般式(I)で示される
ものである。
R▲R′R′R′▼ (I) (式中、▲R′,R′,R′▼は水素、ハロゲ
ン、脂肪族基、脂環族基、芳香族基、芳香脂肪族基を表
わし、これらは同じものであってもよいし、また、リン
を含む環を構成する要素であってもよい。) もちろん、このようなリンを1分子中に2個以上含むポ
リホスフィン化合物であってもよい。
このようなホスフィン化合物としては、例えば、n−オ
クチルホスフィン、ジ−n−ブチルホスフィン、ジエチ
ルブチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、
トリ−n−ブチルホスフィンなどのアルキルホスフィ
ン、ジアルキルホスフィンおよびトリアルキルホスフィ
ン類;シクロヘキシルホスフィン、ジシクロヘキシルホ
スフィンなどの脂環族ホスフィン類;ベンジルホスフィ
ン、ジベンジルホスフィン、ジベンジルエチルホスフィ
ン、トリベンジルホスフィンなどの芳香脂肪族ホスフィ
ン類;メチルフェニルホスフィン、エチルフェニルホス
フィン、ジメチルフェニルホスフィン、メチルジフェニ
ルホスフィン、メチルベンジルフェニルホスフィン、エ
チルジフフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニ
ルホスフィンなどの混合ホスフィン類;フェニルホスフ
ィン、トリルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリ
フェニルホスフィン、トリストリルホスフィン、ジフェ
ニルトリルホスフィンなどのアリールホスフィン、ジア
リールホスフィンおよびトリアリールホスフィン類;ビ
ス(ジフェニルホスフィノ)メタン、ビス(ジフェニル
ホスフィノ)エタン、オルトフェニレンビス(ジエチル
ホスフィン、2,2′−ビス(ジフェニルホスフィン)
−1,1′−ビナフチルなどのジホスフィン類などが用
いられる。
このようなホスフィン化合物は、1種類でもよいし、2
種類以上混合して用いてもよい。このようなホスフィン
化合物の中で、特にトリアリールホスフィンが好ましく
用いられる。トリアリールホスフィンの中でも、入手の
容易さなどの理由でトリフェニルホスフィンが特に好ま
しく用いられる。
また、用いるパラジウム化合物がホスフィン化合物を配
位子として含んでいるものであるならば、ホスフィン化
合物をさらに使用する必要はないが、追加するのも好ま
しい方法である。
本発明で原料として用いられるフッ素置換芳香族ハロゲ
ン化物とは、置換基としてフッ素およびフッ素と異なる
ハロゲンが共に芳香環に直接結合している芳香族化合物
であれば、どのようなものでもよい。このようなフッ素
置換芳香族ハロゲン化物としては、例えば、ベンゼン、
トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼ
ン、プロピルベンゼン、キユメン、トリメチルベンゼ
ン、テトラメチルベンゼン、ナフタリン、アンスラセン
などの芳香族炭化水素の芳香環の水素が1個以上のフッ
素と、1個以上の他のハロゲンによって置換された化合
物類;ピリジン、キノリン、ビピリジンなどのヘテロ芳
香族化合物の芳香環の水素が1個以上のフッ素と、1個
以上の他のハロゲンによって置換された化合物類;式 〔ただし、Aは単なる結合、または−O−、−S−、−
SO−、−CO−、−CH−、−C(R)2−(Rは低
級アルキル基)などの2価の基を表わす〕 で示される芳香族炭化水素の芳香環の水素が1個以上の
フッ素と、1個以上の他のハロゲンによって置換された
化合物類などがあげられる。
また、これらのフッ素置換芳香族ハロゲン化物におい
て、反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例えば、低
級アルキル基、低級アルコキシ基、エステル基、ニトロ
基、シアノ基などの置換基によって置換されているもの
であってもよい。
このようなフッ素置換芳香族ハロゲン化物の中で特に好
ましく用いられるのはベンゼン誘導体であって、例え
ば、フルオロクロルベンゼン(各異性体)、フルオロブ
ロムベンゼン(各異性体)、フルオロヨードベンゼン
(各異性体)などのモノフルオロモノハロゲン化ベンゼ
ン類;フルオロジクロルベンゼン(各異性体)、フルオ
ロジブロムベンゼン(各異性体)、フルオロジヨードベ
ンゼン(各異性体)、モノフルオロトリブロムベンゼン
(各異性体)、モノフルオロトリヨードベンゼン(各異
性体)、モノフルオロテトラブロムベンゼン(各異性
体)などのモノフルオロポリハロゲン化ベンゼン類;ジ
フルオロクロルベンゼン(各異性体)、ジフルオロブロ
ムベンゼン(各異性体)、ジフルオロヨードベンゼン
(各異性体)、トリフルオロブロムベンゼン(各異性
体)、ペンタフルオロブロムベンゼン(各異性体)など
のポリフルオロモノハロゲン化ベンゼン類;ジフルオロ
ジクロルベンセン(各異性体)、ジフルオロジブロムベ
ンゼン(各異性体)、ジフルオロジヨードベンゼン(各
異性体)、ジフルオロトリブロムベンゼン(各異性
体)、トリフルオロジブロムベンゼン(各異性体)など
のポリフルオロポリハロゲン化ベンゼン類などがあげら
れる。
これらのベンゼン誘導体の中でも、パラフルオロブロム
ベンゼン、パラフルオロヨードベンゼンが特に好ましく
用いられる。
本発明において用いられる芳香族ヒドロキシル化合物と
しては、芳香族基に直接ヒドロキシル基が結合している
ものであれば、どのようなものであってもよい。例え
ば、フェノール;クレゾール(各異性体)、キシレノー
ル(各異性体)、トリメチルフェノール(各異性体)、
テトラメチルフェノール(各異性体)、エチルフェノー
ル(各異性体)、プロピルフェノール(各異性体)など
の各種アルキルフェノール類;メトキシフェノール(各
異性体)、エトキシフェノール(各異性体)などの各種
アルコキシフェノール類;式 (ただし、Aは前記のとおりで、芳香環は低級アルキル
基、低級アルコキシ基、エステル基、ニトロ基、シアノ
基などの置換基によって置換されていてもよい) で示される各種置換フェノール類;ナフトール(各異性
体)および各種置換ナフトール類;ヒドロキシピリジン
(各異性体)、ヒドロキシクマリン(各異性体)、ヒド
ロキシキノリン(各異性体)などのヘテロ芳香族ヒドロ
キシル化合物;ハイドロキノン、レゾルシン、カテコー
ル、ナフトキノン、アンスラキノン、およびそれらのア
ルキル置換のジヒドロキシ化合物などの芳香族ジヒドロ
キシ化合物類;式 (ただし、Aは前記のとおりで、芳香環は低級アルキル
基、低級アルコキシ基、エステル基、ニトロ基、シアノ
基などの置換基によって置換されていてもよい) で示される芳香族ジヒドロキシ化合物類などがあげられ
る。
このような芳香族ヒドロキシ化合物は1種だけでもよい
し、2種以上混合して用いることもできる。特に好まし
い芳香族ヒドロキシ化合物は、フェノールおよび2,6
−キシレノールである2,6−ジメチルフェノールであ
る。
また、本発明で用いられる塩基としては、無機性、有機
性のいずれのものであってもよい。このような塩基とし
ては、例えば、酸化リチウム、過酸化リチウム、酸化ナ
トリウム、過酸化ナトリウム、超酸化ナトリウム、酸化
カリウム、過酸化カリウム、三酸化二カリウム、超酸化
カリウム、酸化ルビジウム、過酸化ルビジウム、三酸化
二ルビジウム、超酸化ルビジウム、オゾン化ルビジウ
ム、酸化セシウム、過酸化セシウム、三酸化二セシウ
ム、超酸化セシウム、オゾン化セシウムなどのアルカリ
金属の酸化物類;酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、
酸化カルシウム、過酸化カルシウム、酸化ストロンチウ
ム、過酸化ストロンチウム、酸化バリウム、過酸化バリ
ウムなどのアルカリ土類金属の酸化物類;水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジ
ウム、水酸化セシウム、水酸化ベリリウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、
水酸化バリウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類
金属の水酸化物類;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸バリウム、
ケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウム、アルミン酸カ
リウム、アルミン酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム、ホ
ウ酸バリウム等の強塩基と弱酸の塩類;炭化カルシウ
ム、炭化セシウム等の炭化物類;水酸化アルミニウム、
水酸化カリウム、水酸化インジウム、水酸化タリウム、
酸化タリウム等のアルミニウム族金属の水酸化物および
酸化物類;酸化ランタン、酸化セリウム、水酸化セリウ
ム等の希土類元素の酸化物および水酸化物類;水素化リ
チウム、水素化ナトリウム、ホウ水素化ナトリウム、水
素化カルシウム、水素化リチウムアルミニウム等の水素
化物類;硫化ナトリウム、硫化水素ナトリウム、硫化カ
リウム、硫化カルシウム等のアルカリ金属またはアルカ
リ土類金属の硫化物および硫化水素化物類;水酸化テト
ラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニ
ウム等の水酸化第四級アンモニウム化合物類;水酸化メ
チルトリフェニルホスホニウム、水酸化テトラメチルホ
スホニウム等の水酸化第四級ホスホニウム化合物類;水
酸化トリエチルスルホニウム、水酸化トリフェニルスル
ホニウム等の水酸化第三級スルホニウム化合物類;酢酸
ナトリウム、安息香酸カリウム、シュウ酸ルビジウム、
プロピオン酸バリウム等の強塩基と弱有機酸との塩類;
ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カルシ
ウムエチラート等のアルカリ金属およびアルカリ土類金
属のアルコラート類;ナトリウムフェノラート、カリウ
ムフェノラート、マグネシウムフェノラート等のアルカ
リ金属およびアルカリ土類金属のフェノラート類や、用
いる芳香族ヒドロキシ化合物のアルカリ金属塩類または
アルカリ土類金属塩類;リチウムアミド、ナトリウムア
ミド、カルシウムアミド、リチウムジメチルアミド等の
アルカリ金属およびアルカリ土類金属のアミド類;トリ
メチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルア
ミン、トリフェニルアミン、ジエチルメチルアミン、
N,N−ジエチルアニリン、N−メチルピペリジン、
N,N′−ジエチルピペラジン、N−メチルモルホリ
ン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミ
ン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミ
ン、ジシクロヘキシルエチルアミン、1,2,2,6,
6−ペンタメチルピペリジン、ピリジン、キノリン、フ
エナンスロリン、インドール、N−メチルイミダゾー
ル、1,8−ジアザビシクロ−〔5,4,0〕−ウンデ
セン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ−〔4,
3,0〕−ノネン−5(DBN)等の第三級アミン類や
環状含窒素化合物類(ただし、N−H基をもたないも
の);クラウンエーテル、アザクラウンエーテル、チア
クラウンエーテル、アザクラウンなどのクラウン化合物
類、およびこれらのクラウン化合物とアルカリ金属やア
ルカリ土類金属イオンなどとの錯体類などが用いられ
る。さらに、これらの塩基性を示すグループが分子内に
2個以上あってもよいし、例えば、水酸化第四級アンモ
ニウム基基を有する陰イオン交換樹脂のようなポリマー
の一部を形成するものであってもよい。また、これらの
塩基性物質または塩基性を有するグループが固体に担持
されたり、化学的に結合されているものであってもよ
い。これらの塩基は1種でもよいが、2種以上混合して
用いてもよい。
本発明の反応を、パラフルオロブロムベンゼンとフェノ
ールの場合について例示すれば、次のような反応式で表
わされる。
本発明を実施するに当り、パラジウムまたはパラジウム
化合物は、フッ素置換芳香族ハロゲン化物に対して、通
常0.0001〜1,000倍モルの量で使用されるのが好まし
く、また、ホスフィン化合物はパラジウムに対して、通
常0.01〜1,000倍モルの量で使用されるのが好ましい。
芳香族ヒドロキシ化合物は、フッ素置換芳香族ハロゲン
化物のハロゲン当り1〜1,000倍モルの量で使用される
のが好ましい。
また、塩基は、生成するハロゲン化水素を中和するのに
必要な量を使用するのが好ましいが、もちろんこれより
も少なくてもよいし、多くてもよい。
一酸化炭素は純一酸化炭素でもよいし、窒素、アルゴ
ン、ヘリウム、低級炭化水素などの反応に悪影響を及ぼ
さない他のガスで希釈されたものであってもよい。一酸
化炭素は分圧で0.1〜300Kg/cm2、好ましくは1〜2
00Kg/cm2の範囲で使用される。
本発明方法においては、反応溶媒として芳香族ヒドロキ
シ化合物を過剰に用いることが好ましいが必要に応じて
反応に悪影響を及ぼさない溶媒を用いることもできる。
このような溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、デカン、ペンタデカンなどの脂肪族炭化
水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの
脂環族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メ
シチレンなどの芳香族炭化水素類;アセトニトリル、ベ
ンゾニトリルなどのニトリル類;スルホラン、メチルス
ルホラン、ジメチルスルホランなどのスルホン類;テト
ラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメト
キシエタンなどのエーテル類;アセトン、メチルエチル
ケトンなどのケトン類;酢酸エチル、安息香酸エチルな
どのエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ヘ
キサメチルホスホルアミドなどのアミド類などがあげら
れる。
本発明の反応は、通常50〜350℃、好ましくは10
0〜300℃の範囲で、また、反応圧力は、通常1〜5
00Kg/cm2、好ましくは5〜300Kg/cm2の範囲で実施
される。
また、反応時間は、用いる触媒系および原料の種類や量
あるいは温度、圧力などの他の反応条件によって変わる
が、通常数分〜数十時間である。
反応方式としても、回分式、連続式およびこれらの組立
合せ等、いずれを採用してもよい。
(発明の効果) 本発明の方法により、フッ素置換芳香族ハロゲン化物と
一酸化炭素および芳香族ヒドロキシ化合物から、高収
率、高選択率でフッ素置換芳香族カルボン酸アリールエ
ステルを製造できることが明らかとなった。このフッ素
置換芳香族カルボン酸アリールエステルは、農薬、医薬
などの中間体として用いられるだけでなく、その一部の
化合物、例えば、パラフルオロ安息香酸フェニルエステ
ル、パラフルオロ安息香酸2,6−ジメチルフェニルエ
ステルなどは、耐熱性や耐熱水性の優れた芳香族ポリエ
ーテルケトン用のモノマーの前駆体として重要である。
すなわち、これらのエステルは転位反応によって、それ
ぞれ4−(パラフルオロベンゾイル)フェノールおよび
4−(パラフルオロベンゾイル)−2,6−ジメチルフ
ェノールに容易に変換でき、これらのフェノール誘導体
はそれ自身で、あるいは共重合体の1成分として、芳香
族ポリエーテルケトンのモノマーとして使用できるから
である。
(実施例) 以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明
は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 パラフルオロブロムベンゼン17.5g、フェノール1
1.3g、トリ−n−ブチルアミン22.2g、塩化パ
ラジウム40mg、トリフェニルホスフィン0.4gをオ
ートクレーブに入れ、オートクレーブの内部を一酸化炭
素で置換した後、一酸化炭素を30Kg/cm2に圧入した。
攪拌下に200℃で2時間反応させた後、冷却し、反応
液を分析した結果、パラフルオロブロムベンゼンの反応
率は99%で、パラフルオロ安息香酸フェニルエステル
が収率98%、選択率99%で得られた。
実施例2 フェノールの代りに2,6−ジメチルフェノール14.
6gを用いる以外は、実施例1と同様な方法により反応
を行った結果、パラフルオロブロムベンゼンの反応率は
99.6%で、パラフルオロ安息香酸2,6−ジメチル
フェニルエステルが収率97%、選択率97.4%で得
られた。
実施例3 反応を150℃で2時間実施する以外は、実施例2と同
様な操作を行った結果、パラフルオロブロムベンゼンの
反応率は42%で、パラフルオロ安息香酸2,6−ジメ
チルフェニルエステルが収率41.6%、選択率99%
で得られた。
実施例4 パラフルオロブロムベンゼン17.5g、2,6−ジメ
チルフェノール14.6g、トリ−n−ブチルアミン2
2.2g、パラジウム黒25mg、トリフェニルホスフィ
ン0.4gを用い、実施例1と同様な方法で200℃で
5.5時間反応させた結果、パラフルオロブロムベンゼ
ンの反応率は83%で、パラフルオロ安息香酸2,6−
ジメチルフェニルエステルが収率82%、選択率98.
8%で得られた。
実施例5 パラフルオロヨードベンゼン22.2g、フェノール1
1.3g、トリエチルアミン11g、塩化パラジウム4
0mg、トリ(n−ブチル)ホスフィン0.3gをオート
クレーブに入れ、オートクレーブの内部を一酸化炭素で
置換した後、一酸化炭素を30Kg/cm2に圧入した。攪拌
下に160℃で2時間反応させた結果、パラフルオロヨ
ードベンゼンの反応率は100%で、パラフルオロ安息
香酸フェニルエステルが収率98%で生成していた。
実施例6 フェノールの代りにβ−ナフトール17gを用いる以外
は、実施例1と同様な方法で反応を行った結果、パラフ
ルオロ安息香酸β−ナフチルエステルが収率95%、選
択率97%で得られた。
実施例7 パラフルオロブロムベンゼンの代りに2−フルオロ−4
−クロルトルエン14.4gを用い、一酸化炭素を70
Kg/cm2に圧入する以外は、実施例1と同様な操作で、攪
拌下に210℃で5時間反応させた結果、2−フルオロ
−4−クロルトルエンの反応率は75%で、3−フルオ
ロ−4−メチル安息香酸フェニルエステルが収率67
%、選択率89%で得られた。
実施例8 パラフルオロブロムベンゼンの代りに1−フルオロ−4
−ブロモナフタリン22.5gを用いる以外は、実施例
1と同様な方法により反応を行なった結果、4−フルオ
ロナフタリン−1−カルボン酸フェニルエステルが収率
96%、選択率98%で得られた。
実施例9 パラフルオロブロムベンゼン17.5g、2,6−ジメ
チルフェノール14.6g、ピリジン10g、酢酸パラ
ジウム60mg、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィ
ン0.3gをオートクレーブに入れ、実施例1と同様な
方法により反応を行った結果、パラフルオロ安息香酸−
2,6−ジメチルフェニルエステルが収率96%、選択
率98%で得られた。
実施例10 メタフルオロヨードベンゼン22.2g、フェノール1
1.3g、ナトリウムフェノキシド13g、塩化パラジ
ウム40mg、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィ
ン0.35gを用いて、実施例5と同様な方法により、
150℃で2時間反応させた結果、メタフルオロ安息香
酸フェニルエステルが収率95%、選択率98%で得ら
れた。
実施例11 塩化パラジウムの代りに活性炭に5%パラジウムを担持
した5%Pd/c1gを用いる以外は、実施例10と同様な
方法により、200℃で5時間反応を行った結果、パラ
フルオロ安息香酸フェニルエステルが収率85%、選択
率97%で得られた。
実施例12 フェノールの代りに2,6−ジメチルフェノール14.
6gを用いる以外は、実施例5と同様な方法により反応
を行った結果、パラフルオロ安息香酸−2,6−ジメチ
ルフェニルエステルが収率98%、選択率99%で得ら
れた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 31/16 X 7821−4G 31/24 X 7821−4G C07B 61/00 300

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パラジウムまたはパラジウム化合物とホス
    フィン化合物とからなる触媒系および塩基の存在下に、
    フッ素およびフッ素と異なるハロゲンが共に芳香環に直
    接結合したフッ素置換芳香族ハロゲン化物を、一酸化炭
    素および芳香族ヒドロキシ化合物と反応させることを特
    徴とするフッ素置換芳香族カルボン酸アリールエステル
    の製造法。
  2. 【請求項2】フッ素およびフッ素と異なるハロゲンが共
    に芳香環に直接結合したフッ素置換芳香族ハロゲン化物
    が、フッ素およびフッ素と異なるハロゲンを置換基とす
    るベンゼン誘導体である特許請求の範囲第1項記載の方
    法。
  3. 【請求項3】ベンゼン誘導体がパラフルオロブロムベン
    ゼンまたはパラフルオロヨードベンゼンである特許請求
    の範囲第2項記載の方法。
  4. 【請求項4】芳香族ヒドロキシ化合物が芳香族モノヒド
    ロキシ化合物である特許請求の範囲第1項記載の方法。
  5. 【請求項5】芳香族ヒドロキシ化合物がフェノールおよ
    び/または2,6−ジメチルフェノールである特許請求
    の範囲第4項記載の方法。
  6. 【請求項6】ホスフィン化合物がトリアリールホスフィ
    ンである特許請求の範囲第1項記載の方法。
  7. 【請求項7】トリアリールホスフィンがトリフェニルホ
    スフィンである特許請求の範囲第6項記載の方法。
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