JP2535788B2 - ビフェニル−4−カルボン酸とフェノ―ル化合物とのエステルの製造方法 - Google Patents

ビフェニル−4−カルボン酸とフェノ―ル化合物とのエステルの製造方法

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JP2535788B2
JP2535788B2 JP6164463A JP16446394A JP2535788B2 JP 2535788 B2 JP2535788 B2 JP 2535788B2 JP 6164463 A JP6164463 A JP 6164463A JP 16446394 A JP16446394 A JP 16446394A JP 2535788 B2 JP2535788 B2 JP 2535788B2
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phenol compound
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ester
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好浩 窪田
隆昌 花岡
和彦 竹内
義弘 杉
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビフェニル−4−カル
ボン酸とフェノール化合物とのエステルの製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】特開昭59−29641号公報には、核
置換された臭素化又はヨウ化ベンゼンと、核置換された
ヒドロキシベンゼンと、一酸化炭素とを、白金属触媒と
塩基との共存下で反応させて、安息香酸フェニルエステ
ルを製造する方法が記載されている。しかし、この公報
には、ビフェニル−4−カルボン酸のフェノールエステ
ルを収率よく製造する方法については具体的には何ら示
唆されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ビフェニル
−4−カルボン酸とフェノール化合物とのエステルを収
率よく製造する方法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、一般式(1)
【化1】 (式中、R1、R2及びR3は水素原子、アルキル基、ア
ルコキシ基又はアリール基を示すが、R1及びR2の両方
が立体障害性基であることはない)で表わされるビフェ
ニル−4−カルボン酸とフェノール化合物とのエステル
を製造する方法において、4−ブロモビフェニルと、一
般式(2)
【化2】 (式中、R1、R2及びR3は前記と同じ意味を有する)
で表わされるフェノール化合物と、一酸化炭素とを、
1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7
の存在下、パラジウム錯体触媒を用いて反応させること
を特徴とする前記芳香族エステルの製造方法が提供され
る。また、本発明によれば、一般式(1)
【化1】 (式中、R1、R2及びR3は水素原子、アルキル基、ア
ルコキシ基又はアリール基を示す)で表わされるビフェ
ニル−4−カルボン酸とフェノール化合物とのエステル
を製造する方法において、4−ブロモビフェニルと、一
般式(3)
【化3】 (式中、R1、R2及びR3は前記と同じ意味を有し、M
はカリウム又はナトリウムを示す)で表わされるフェノ
ール化合物のカリウム塩又はナトリウム塩と、一酸化炭
素とを、パラジウム錯体触媒を用いて反応させることを
特徴とする前記芳香族エステルの製造方法が提供され
る。
【0007】本発明で反応原料として用いるフェノール
化合物としては、フェノール又はその核置換体が用いら
れる。フェノールの核置換体としては、フェノールのオ
ルト位、メタ位及び/又はパラ位に置換基を有するもの
が挙げられる。置換基としては、メチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル
基、sec−ブチル基、t−ブチル基等のアルキル基、
好ましくは炭素数1〜6の炭素数1〜6の低級アルキル
基、アルコキシ基、好ましくは低級アルコキシ基、アリ
ール基、好ましくはフェニル基等が挙げられる。置換基
の数は1つ又は複数(2〜5)であることができる。
【0008】本発明で触媒として用いるパラジウム錯体
は、従来のカルボニル化反応に用いられている各種のも
のを用いることができる。このようなパラジウム錯体と
しては、パラジウム化合物と有機リガンドからなるもの
である。パラジウム化合物としては、パラジウムのハロ
ゲン化物や硫酸塩、硝酸塩、有機酸塩等のパラジウム塩
の他、アセチルアセトン等の有機カルボニル化合物との
錯体等が挙げられる。また、有機リガンドとしては、
1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン等のビ
ス(ジフェニルホスフィノ)アルカン等や、トリフェニ
ルホスフィン等のトリアリールホスフィン等の有機ホス
フィンが挙げられる。パラジウム化合物と有機リガンド
との使用割合は、パラジウム化合物1molに対し、有
機リガンド2〜50mol、好ましくは2〜10mol
である。本発明で用いるパラジウム錯体は従来公知のも
ので、その種類は特に制約されない。
【0009】本発明においては、有機強塩基として、
1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7
を用いる。
【0010】本発明の反応は、好ましくは反応溶媒中で
実施されるが、この場合の反応溶媒として、ベンゼンや
トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭
化水素や、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ジオキサン等が挙げられる。
【0011】本発明の方法は4−ブロモビフェニルとフ
ェノール化合物とパラジウム錯体と有機強塩基と必要に
応じての反応溶媒を反応容器に充填するとともに、反応
容器内一酸化炭素を圧入して反応を行う。反応温度は5
0〜200℃、好ましくは110〜130℃である。一
酸化炭素の圧力は1〜50バール、好ましくは3〜10
バールである。
【0012】フェノール化合物の使用割合は、4−ブロ
モビフェニル1molに対し、1〜10mol、好まし
くは1.0〜1.5molの割合である。パラジウム錯
体の使用割合は、4−ブロモビフェニル1molに対
し、0.001〜0.1mol、好ましくは0.002
〜0.008molの割合である。
【0013】パラジウム錯体は、反応容器外においてあ
らがじめ調製し、これを反応容器に充填し得る他、反応
容器に対して、パラジウム化合物とその有機リガンドを
加え、反応容器内において、反応条件下で調製すること
もできる。
【0014】本発明の反応において、フェノール化合物
がその2位と6位の両方の位置に立体障害性置換基、例
えば、t−ブチル基、sec−ブチル基、iso−ブチ
ル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、フェニル基
等を有する場合には、その2,6位の2つの立体障害性
基のために、反応は円滑に進行しなくなる。しかし、こ
の場合には、フェノール化合物をカリウム塩やナトリウ
ム塩の形態で用いることにより、反応は円滑に進行する
ようになる。
【0015】一方、フェノール化合物が、置換基を有し
ない場合や、置換基として立体障害性置換基以外の置換
基を有する場合、2位と6域の両方に立体障害性置換基
を有しない場合(2位又は6位の一方のみに立体障害性
置換基を有する場合等)は、反応は円滑に進行する。も
ちろん、これらの場合においても、フェノール化合物と
して、フェノール化合物のカリウム塩やナトリウム塩を
用いることができ、この場合にも反応は円滑に進行す
る。
【0016】本発明において、フェノール化合物とし
て、フェノール化合物のカリウム塩やナトリウム塩を用
いる場合には、有機強塩基の添加は特に必要とされず、
有機塩基を添加しなくても反応は円滑に進行する。
【0017】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0018】実施例1 4−ブロモビフェニル:2.5mmol、フェノール:
3.0mmol、塩化パラジウム(PdCl2):0.
05mmol、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)
プロパン(dppp):0.1mmol及び1,8−ジ
アザビシクロ〔5.40〕ウンデセン−7:2.75m
mol及びベンゼン:5mlをオートクレーブに入れ、
一酸化炭素圧:5バール、温度100℃の条件下で2時
間反応を行った。その結果、ビフェニル−4−カルボン
酸のフェノールエステルを反応率:91%、収率:90
%で得た。
【0019】なお、前記反応式を示すと以下の通りであ
る。
【化4】
【0020】実施例2 実施例1において、フェノール化合物として表1に示す
ものを用いるとともに、反応温度として120℃及び反
応時間として3時間を用いた以外は同様にして実験を行
った。その結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】実施例3 4−ブロモビフェニル:2.5mmol、4−メチル−
2,6−ジ−t−ブチルフェノールのカリウム塩:5m
mol、PdCl2:0.1mmol、dppp:0.
2mmol及びベンゼン:5mlをオートクレーブに入
れ、一酸化炭素圧:5バール、温度:100℃の条件で
3時間反応を行った。その結果、ビフェニル−4−カル
ボン酸の4−メチル2,6−ジ−t−ブチルフェノール
エステルを、反応率:92%、収率:84%で得た。
【0023】実施例4 実施例3において、フェノール化合物として表2に示し
たものを用いるとともに、反応温度として120℃を用
いた以外は同様にして実験を行った。その結果を表2に
示す。
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、ビスフェノール−4−
カルボン酸とフェノール化合物とのエステルを収率よく
得ることができる。このエステルは、機能性材料、医薬
品、農薬を合成するための中間原料として用いられる。
フロントページの続き (72)発明者 杉 義弘 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術 院物質工学工業技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−187434(JP,A) 特開 平3−258752(JP,A) 特開 平4−169557(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1、R2及びR3は水素原子、アルキル基、ア
    ルコキシ基又はアリール基を示すが、R1及びR2の両方
    が立体障害性基であることはない) で表わされるビフェニル−4−カルボン酸とフェノール
    化合物とのエステルを製造する方法において、4−ブロ
    モビフェニルと、一般式(2) 【化2】 (式中、R1、R2及びR3は前記と同じ意味を有する) で表わされるフェノール化合物と、一酸化炭素とを、
    1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7
    の存在下、パラジウム錯体触媒を用いて反応させること
    を特徴とする前記芳香族エステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1、R2及びR3は水素原子、アルキル基、ア
    ルコキシ基又はアリール基を示す) で表わされるビフェニル−4−カルボン酸とフェノール
    化合物とのエステルを製造する方法において、4−ブロ
    モビフェニルと、一般式(3) 【化3】 (式中、R1、R2及びR3は前記と同じ意味を有し、M
    はカリウム又はナトリウムを示す) で表わされるフェノール化合物のカリウム塩又はナトリ
    ウム塩と、一酸化炭素とを、パラジウム錯体触媒を用い
    て反応させることを特徴とする前記芳香族エステルの製
    造方法。
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