JPH06100128A - コンベア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 追加のコンベアユニットや駆動モータを必要
とせずに、簡単で且つ小型の構成により、増速区間が実
現できる。 【構成】 被搬送物を搬送するために、搬送方向に沿っ
て複数の搬送ローラ部１１が配設されており、各搬送ロ
ーラ部１１が、駆動モータ１２により伝達手段であるベ
ルト１３を介して回転されるようにしたコンベアにおい
て、増速区間Ａにある搬送ローラ部１１は、駆動プーリ
１６と、被搬送物を搬送するための従動ローラ１７とか
ら構成されており、駆動プーリ１６に対して従動ローラ
１７を１対１以上の回転比で増速して回転させる増速手
段としての回転ローラ１９を、駆動プーリ１６と従動ロ
ーラ１７とに関連して設定したコンベア。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子機器の組立ライン
等において被搬送物を搬送するのに最適なコンベアに関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、電子機器の組立ラインにおいて
は、組立工程を細かく分解し、各工程毎に、それぞれ作
業ステーションにて、組立ロボットまたは人手等によ
り、所定の組立作業が行なわれる。そして、各作業ステ
ーションは、コンベア、いわゆるフリーフローコンベア
を使用することにより互いに連結されている。これによ
り、各作業ステーション間で、所定のパレットまたは搬
送ワーク等のような被搬送物に搭載された組立部品等が
搬送されるようになっている。

【０００３】フリーフローコンベアを用いることによ
り、各工程の作業時間による工程間のバランスが乱れた
ときに、各工程にて自由に被搬送物を作業ステーション
に対して搬入・搬出することが可能であると共に、各作
業ステーション間の搬送途中でも、駆動機構を停止させ
ることなく被搬送物を待機させることができるようにな
っている。

【０００４】このようなフリーフローコンベアは、例え
ば図５に示すように構成されている。即ち、図５におい
て、フリーフローコンベア１は、搬送方向に沿って、多
数の搬送ローラ部２が並んで配設されている。各搬送ロ
ーラ部２は、各駆動用モータ３を駆動することによっ
て、駆動ベルト４を介して回転される。これにより、搬
送ローラ部２上に載置されたパレットまたは搬送ワーク
等の被搬送物を搬送するようになっている。

【０００５】各搬送ローラ部２は、図６に示すように構
成されている。図６の搬送ローラ部２においては、フリ
ーフローコンベア１のフレーム側壁から内側に向かって
突出した回転軸６に対して、内側駆動プーリ２ａと、搬
送ローラとして作用する外側従動ローラ２ｂとを装着
し、ワッシャ２ｃにより脱落しないように、係止するこ
とにより、二重ローラとして構成されている。駆動ベル
ト４は、各搬送ローラ部２の内側従動プーリ２ａの外周
面に形成された溝に入れると共に、図５の駆動モータ３
の駆動軸に対して巻回されており、図５に示すように搬
送ローラ部２の下側では、ガイドローラ５によりガイド
されている。

【０００６】従って、駆動モータ３が駆動されたとき、
駆動モータ３の駆動軸の回転が、駆動ベルト４を介して
各搬送ローラ部２の内側駆動プーリ２ａに伝達される。
これにより、内側駆動プーリ２ａと外側従動ローラ２ｂ
との間の摩擦により、外側従動ローラ２ｂが回転駆動さ
れるようになっている。従って、搬送ローラ部２上に載
置された被搬送物は、各搬送ローラ部２の外側従動ロー
ラ２ｂの回転によって、搬送される。

【０００７】ここで、各搬送ローラ部２上に載置された
被搬送物が、次に作業ステーションに到着したり、滞留
等により途中で停止した場合には、各搬送ローラ部２の
外側従動ローラ２ｂは、回転を停止する。このとき、内
側駆動プーリ２ａは、外側従動ローラ２ｂに対して、そ
の摩擦力に抗して回転し続けること可能である。従っ
て、駆動モータ３は運転状態のままである。

【０００８】ところで、各作業ステーションにおける作
業時間の違い等によって、フリーフローコンベア１の搬
送速度を増速させたい場合がある。このような場合、従
来は、図５に示すように、増速区間において異なる搬送
速度のフリーフローコンベアのユニット７を組み込むこ
とにより、増速に対応するようにしている。

【０００９】また、別の構成によれば、図７に示すよう
に、増速区間において、増速用駆動モータ８を配設し
て、増速区間にある搬送ローラ部２の外側従動ローラ２
ｂと、増速用駆動モータ８の駆動軸とを、増速駆動用ベ
ルト９を介して連結することにより、増速区間の外側従
動ローラ２ｂを比較的高い速度で回転駆動するようにし
ている。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなフリーフローコンベアにおいては、増速区間を設け
る場合、増速区間に対して駆動モータを含む追加のフリ
ーフローコンベアユニットまたは増速用駆動モータが配
設する必要がある。このため、部品点数が多くなってし
まい、部品コストが高くなると共に、組立コストも高く
なってしまうという問題があった。また、駆動モータを
組み込むためのスペースも必要となり、装置全体が大型
化してしまうという問題もあった。

【００１１】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、追加のフリーフローコンベアユニット
や駆動モータを必要とせずに、簡単で且つ小型の構成に
より増速区間を設定することができるコンベアを提供す
ることを目的としている。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によ
れば、被搬送物を搬送するために、搬送方向に沿って複
数の搬送ローラ部が配設されており、各搬送ローラ部
が、駆動モータにより伝達手段を介して回転されるよう
にしたコンベアにおいて、増速区間にある搬送ローラ部
は、駆動プーリと、被搬送物を搬送するための従動ロー
ラとから構成されており、駆動プーリに対して従動ロー
ラを１対１以上の回転比で増速して回転させる増速手段
を、駆動プーリと従動ローラとに関連して設定したコン
ベアにより、達成される。

【００１３】本発明においては、好ましくは前記増速手
段は、複数のローラを備え、これらのローラは、前記駆
動プーリにおいて自転可能に設定され、しかも前記従動
ローラの内周面に接触され、前記駆動プーリの回転によ
り、各ローラは自転可能であり、しかも各ローラは前記
従動ローラの内周面に接触しながら公転する構成とされ
ている。

【００１４】さらに、本発明においては、好ましくは前
記ローラは、前記駆動プーリが設定された回転軸に対し
て接触している。

【００１５】本発明においては、好ましくは前記ローラ
は、前記駆動プーリ前記回転軸に関して等角度の間隔に
配設されている。

【００１６】

【作用】上記構成によれば、増速区間において、従動ロ
ーラが駆動プーリに対して１対１以上の回転速度で、増
速して回転駆動される。これにより、増速区間において
は、その他の区間に比べて速く被搬送物を移動すること
ができる。

【００１７】増速区間にある搬送ローラ部内のローラ
が、駆動プーリの固定された回転軸に対して接触してこ
の駆動プーリの回転により、ローラが確実に自転ししか
も公転することになる。従って、外側従動ローラは、確
実に増速せしめられ得ることになる。

【００１８】さらに、増速区間にある搬送ローラ部の各
ローラが、駆動プーリ及び従動ローラの回転軸に対して
等角度間隔に配設されていると、従動ローラは、ローラ
によって安定した状態で駆動プーリに対して回転可能で
ある。

【００１９】

【実施例】以下、この発明の好適な実施例を図１乃至図
４を参照しながら、詳細に説明する。尚、以下に述べる
実施例は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に
好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲
は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載
がない限り、これらの態様に限られるものではない。

【００２０】図１乃至図４は、本発明によるコンベアの
好適な第１の実施例を示している。図１において、本発
明によるコンベアとしてたとえば、フリーフローコンベ
ア１０は、搬送方向に沿って、多数の搬送ローラ部１１
が並んで配設されている。搬送ローラ部１１は、駆動用
モータ１２を駆動することによって、駆動ベルト１３を
介して回転駆動できる。これにより搬送ローラ部１１上
に載置されたパレットまたは搬送ワーク等の被搬送物
（図示せず）を搬送するようになっている。ここで、フ
リーフローコンベア１０のうち、例えば符号Ａで示す区
間が、いわゆる増速区間として設定されている。このコ
ンベア１０は、多種多様な製品の生産システムの、主と
して組み立て分野において、組み立て用のロボット、ま
たは人手等により製品の組み立てを行う各作業ステーシ
ョンを連結し、そのステーション間にパレット等に搭載
された組み立て部品を搬送する役目をする。

【００２１】各搬送ローラ部１１のうち、上記増速区間
Ａ以外の区間にある搬送ローラ部１１は、従来と同様
に、たとえば図６に示すような二重ローラ構造になって
いる。

【００２２】また、各搬送ローラ部１１のうち、上記増
速区間Ａにある搬送ローラ部１１は、図２乃至図４に示
すように構成されている。即ち、図２において、フリー
フローコンベア１０のフレーム側壁から内側に向かって
突出した回転軸１４に対して、小径のリング１５，内側
駆動プーリ１６，搬送ローラとして作用する外側従動ロ
ーラ１７とを装着し、ワッシャ１８により脱落しないよ
うに、止めている。これにより、搬送ローラ部１１は二
重ローラ構造になっている。

【００２３】特に増速区間Ａにおいては、従来の上記二
重ローラ構造に加えて、搬送ローラ部１１においては、
さらに内側駆動プーリ１６に対して、その回転軸を中心
としてその回転軸に関して等角度の間隔に配設された３
個の回転ローラ１９が、設定されている。回転ローラ１
９は、円柱状のころである。

【００２４】ここで、３つの回転ローラ１９は、環状の
外側従動ローラ１７の内周面に当接もしくは接触するよ
うになっている。さらに、各回転ローラ１９は、内側駆
動プーリ１６を貫通して、図４に示すように、回転軸１
４に対して当接もしくは接触するようになっている。つ
まり、各回転ローラ１９は、内側駆動プーリ１６に形成
されているボス部により拘束されている。このため、各
回転ローラ１９は、シャフトともいう回転軸１４のまわ
りに内側駆動プーリ１６とともに回転もしくは公転し、
かつ各回転ローラ１９は回転軸１４に接しているので、
自転もおこなう。

【００２５】図１の駆動ベルト１３は、各搬送ローラ部
１１の内側従動プーリ１６の外周面に形成された溝には
まると共に、駆動モータ１２の駆動軸に対して巻回され
ている。駆動ベルト１３は、搬送ローラ部１１の下側で
はガイドローラ２０によりガイドされている。

【００２６】図１の駆動モータ１２が駆動されたとき、
駆動モータ１２の駆動軸の回転が、駆動ベルト１３を介
して、全ての搬送ローラ部１１の内側駆動プーリ１６に
伝達される。これにより、増速区間Ａ以外の搬送ローラ
部１１では、内側駆動プーリ１６と外側従動ローラ１７
との間の摩擦により、外側従動ローラ１７が１対１で、
回転駆動できる。

【００２７】一方、増速区間Ａの搬送ローラ部１１で
は、内側駆動プーリ１６が、他の搬送ローラ部１１と同
じ回転速度で回転駆動されることにより、その外側従動
ローラ１７は回転ローラ１９を介して回転駆動される。
このとき、外側従動ローラ１７は、回転ローラ１９の公
転により同じ回転速度で回動される。しかも、回転ロー
ラ１９自体が回転軸１４に接触して自転していることか
ら、この自転による影響を受けてさらに速度を増加す
る。このため、内側駆動プーリ１６が１回転するのに対
して、外側従動ローラ１７は１回転以上もしくは１回転
よりも速く回転して、外側従動ローラ１７は増速して被
搬送物を搬送することができる。つまり、外側従動ロー
ラ１７は、内側駆動プーリ１６よりも高い速度で回転で
きることになる。

【００２８】これにより、フリーフローコンベア１０に
おいては、全ての搬送ローラ部１１が搬送方向に向かっ
て、その上に載置された被搬送物を搬送すると共に、増
速区間Ａにおいては、各搬送ローラ部１１の外側従動ロ
ーラ１７が、増速区間Ａ以外の他の区間に比較してより
高速で被搬送物を搬送できるのである。

【００２９】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、外
側従動ローラが、内側駆動プーリに対して、１対１以上
の回転比で増速して回転駆動できるので、特別に駆動モ
ータを配設することなく、簡単な構成により、増速区間
を設定することができる。従って、部品コスト及び組立
コストが低減されると共に、小型化できる。また、従来
のコンベアに対して、増速区間とすべき区間にある搬送
ローラ部を交換するだけの単純な作業によって、増速区
間が設定できるので、設定変更や組立ラインの組み替え
等に対して、自由に対応することが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるコンベアの好適な第１の実施例を
示す斜視図である。

【図２】図１のコンベアの増速区間における搬送ローラ
部の分解斜視図である。

【図３】図２の搬送ローラ部の一部切り欠き部分を有す
る側面図である。

【図４】図３の搬送ローラ部の拡大断面図である。

【図５】従来の増速区間を備えたフリーフローコンベア
の一例を示す斜視図である。

【図６】図５のフリーフローコンベアにおける搬送ロー
ラ部の分解斜視図である。

【図７】従来の増速区間を備えたフリーフローコンベア
の他の例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１０ フリーフローコンベア（コンベア） １１ 搬送ローラ部 １２ 駆動モータ １３ 駆動ベルト １４ 回転軸 １５ リング １６ 内側駆動プーリ（駆動プーリ） １７ 外側従動ローラ（従動ローラ） １８ ワッシャ １９ 回転ローラ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被搬送物を搬送するために、搬送方向に
   沿って複数の搬送ローラ部が配設されており、各搬送ロ
   ーラ部が、駆動モータにより伝達手段を介して回転され
   るようにしたコンベアにおいて、 増速区間にある搬送ローラ部は、駆動プーリと、被搬送
   物を搬送するための従動ローラとから構成されており、 駆動プーリに対して従動ローラを１対１以上の回転比で
   増速して回転させる増速手段を、駆動プーリと従動ロー
   ラとに関連して設定したことを特徴とする、コンベア。
2. 【請求項２】 前記増速手段は、複数のローラを備え、
   これらのローラは、前記駆動プーリにおいて自転可能に
   設定され、しかも前記従動ローラの内周面に接触され、
   前記駆動プーリの回転により、各ローラは自転可能であ
   り、しかも各ローラは前記従動ローラの内周面に接触し
   ながら公転する構成とされていることを特徴とする、請
   求項１に記載のコンベア。
3. 【請求項３】 前記ローラは、前記駆動プーリが設定さ
   れた回転軸に対して接触していることを特徴とする、請
   求項２に記載のコンベア。
4. 【請求項４】 前記ローラは、前記駆動プーリ前記回転
   軸に関して等角度の間隔に配設されていることを特徴と
   する、請求項２に記載のコンベア。