JP2006027860A - ローラコンベヤ - Google Patents

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年博 宮崎
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Abstract

【課題】 搬送効率の向上を確保した上で、回転ベルトや物品の損傷を確実に回避することができるようにする。
【解決手段】 駆動モータ40の駆動により軸(円柱体62)回りに一体回転する駆動ドラム21を備えたモータローラ12と、このモータローラ12に駆動力伝達部材を介して軸回りに一体回転可能に連結される従動ドラムを備えたフリーローラとが所定の架台に物品搬送方向に向けて並設されてなり、回転速度が遅い方の搬送ドラムとこの搬送ドラムに係る前記軸との間には、該軸の回転を搬送ドラムに伝達する一方、外力による搬送ドラムの回転を前記軸に伝達しない一方向クラッチ60が介設されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、モータローラとフリーローラとが並設されて物品搬送の用に供されるローラコンベヤに関するものである。
従来、ドラム心回りに回転する複数のドラムを並設してなるローラコンベヤが知られている。このローラコンベヤは、搬送ドラムの内の駆動ドラムを有する1本のモータローラと、このモータローラに物品搬送方向に沿って並設された搬送ドラムの内の従動ドラムを有する複数本のフリーローラとからなり、駆動ドラムの駆動回転が無端ベルトを介して隣設された従動ドラムに伝達されるとともに、従動ドラム間にも無端ベルトがそれぞれ介設され、これによってモータローラの駆動が駆動ドラムから順番に各フリーローラの従動ドラムに伝達されるようになっている。
通常かかるローラコンベヤは、1本のモータローラに対して数本のフリーローラが組み合わされて1単位とされ、この単位ローラコンベヤの複数台が直列に並設されることによって長尺の搬送設備が形成されている。そして、各ローラコンベヤは、駆動ドラムの回転速度を基準として、下流側に向うに従い従動ドラムの回転速度が少しずつ速くなるように各プーリの径寸法が設定されている(具体的には下流側のプーリの径寸法が上流側のプーリの径寸法より小さく設定されている)。
このようにされるのは、搬送中の物品が上流側の搬送ドラムから下流側の搬送ドラムに引き渡されるに際し、下流側の搬送ドラムで物品を素早く引き取るようにし、これによって搬送効率を向上させるためである。
しかしながら、上記のような従来のローラコンベヤにあっては、複数の回転ローラに亘って載置された物品は、各回転ローラの回転速度が異なることによって、いずれかの回転ローラ(通常中央部に位置する回転ローラ)の速度で搬送されることになるため、中央部の回転ローラ以外のローラとの間でスリップし、これによって回転ベルトのゴムライニングの損傷が早まったり、甚だしいときには物品に傷の付くことがあるという問題点が存在した。
本発明は、かかる問題点を解消するためになされたものであり、搬送効率の向上を確保した上で、回転ベルトや物品の損傷を確実に回避することができるローラコンベヤを提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、所定の架台に搬送方向に並設され、それぞれ搬送方向に対して順方向となる方向に軸回りに回転可能な搬送ドラムを有する第1および第2のローラの内の一方のローラの搬送ドラムが駆動モータにより回転されるとともに、第1および第2のローラの連結に供される各連結部間を駆動力伝達部材で連結してなるローラコンベヤにおいて、前記第1および第2のローラの連結部は、回転比が異なる構造を有しており、前記回転比が小さい連結部を有するローラは、該ローラの搬送ドラムと連結部との間に介設された、該連結部に対して前記順方向に相対速度を備えて搬送ドラムを回転自在とする一方向クラッチを有していることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、第1および第2ローラの内の駆動モータが設けられている方の搬送ドラムは、駆動モータの駆動により駆動回転し、この駆動回転は、連結部および駆動力伝達部材を介して他方の搬送ドラムに伝達され、これによって他方の搬送ドラムは従動回転する。したがって、駆動モータの駆動により、各ローラの搬送ドラムが回転することになるため、この状態で搬送ドラムの上に物品を載置すれば、載置された物品は、各搬送ドラムの回転に誘導されて搬送される。
そして、第1および第2のローラの連結部は、回転比が異なる構造を有しているとともに、回転比が小さい連結部を有するローラは、このローラの搬送ドラムと連結部との間に介設された、連結部に対して順方向に相対速度を備えて搬送ドラムを回転自在とする(すなわち、搬送ドラムの回転速度が連結部の回転速度より速いときには、搬送ドラムは、連結部の回転に左右されることなく連結部の回転速度より速い速度で回転するように構成された)一方向クラッチを有しているため、搬送ドラムに載せられた物品は、回転速度が速い方の搬送ドラムによる搬送速度で搬送されることになるが、他の搬送ドラムも、一方向クラッチの作用により速い方の搬送ドラムと同一の回転速度で従動する。したがって、従来のように、物品が回転速度の異なる搬送ドラムによって搬送されることにより生じるスリップ現象が生じなくなり、安定した物品の搬送が実現する。
請求項2記載の発明は、所定の架台に搬送方向に並設され、それぞれ搬送方向に対して順方向となる方向に軸回りに回転可能な搬送ドラムを有する複数のローラの内の一のローラの搬送ドラムが駆動モータにより回転されるとともに、複数のローラの隣設されたもの同士の連結に供される各連結部間を駆動力伝達部材で連結してなるローラコンベヤにおいて、前記各連結部は、回転比が異なる構造を有しており、前記回転比が最も大きい連結部を有するローラを除く各ローラは、該ローラの搬送ドラムと連結部との間に介設された、該連結部に対して前記順方向に相対速度を備えて搬送ドラムを回転自在とする一方向クラッチを有していることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、2本以上のローラが設けられてなるローラコンベヤを対象として、請求項1記載の発明と同様の作用が得られる。すなわち、2本以上の複数本のローラからなるローラコンベヤに物品が載置された状態で、一方向クラッチの作用により最速で回転している搬送ドラムに合わせて他のローラの搬送ドラムも回転するため、従来のように、物品が回転速度の異なる搬送ドラムによって搬送されることにより生じるスリップ現象が生じなくなり、安定した物品の搬送が実現する。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記駆動力伝達部材は、隣設する前記各搬送ドラムにおいて各搬送ドラムに同心で一体回転可能に設けられたプーリ間に張設される無端ベルトであることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、各プーリの径寸法を適正に設定することによりプーリ間に張設された無端ベルトの周回で各搬送ドラムの回転速度を適正に設定することができる。そして、駆動力伝達部材として無端ベルトを採用することにより当該駆動力伝達部材の構造が簡単なものになる。
請求項1および2記載の発明によれば、従来のように、物品が回転速度の異なる複数の搬送ドラムによって搬送されることにより生じるスリップ現象が発生しなくなり、これによって安定した物品の搬送が実現するとともに、スリップによって生じる搬送ドラムの損傷や物品の損傷をなくすことができる。
請求項3記載の発明によれば、各プーリの径寸法を適正に設定することによりプーリ間に張設された無端ベルトの周回で各搬送ドラムの回転速度を適正に設定することができる。そして、駆動力伝達部材として無端ベルトを採用することにより当該駆動力伝達部材の構造を簡単なものにすることができる。
図1は、本発明に係るローラコンベヤの一実施形態を示す斜視図である。図1に示すように、ローラコンベヤ10は、架台19上に3本の搬送ローラ11がローラ心を物品搬送方向に直交させた状態で装着されることにより構成されている。かかるローラコンベヤ10は、本実施形態では架台19に搬送ローラ11を装着することでユニット化されており、複数のユニット(ローラコンベヤ10)を物品搬送方向に向けて直列に並設することにより、所定長の搬送装置100が形成されている。したがって、かかる搬送装置100の最上流側(図1の右方)の搬送ローラ11上に被搬送物品Gを載置することにより、当該被搬送物品Gは、搬送ローラ11の回転に誘導されて下流側に向けて順次搬送されることになる。
前記架台19は、平面視で矩形状に配された4本の支柱191と、この4本の支柱191の内の物品搬送方向に並んだ各2歩の頂部間に架設された一対の横フレーム192と、各横フレーム192の端部間に架設された一対の幅フレーム193とを備えて構成されている。前記各搬送ローラ11は、その中心軸80の各端部が一対の横フレーム192にそれぞれ固定されることにより、架台19の上面位置に物品搬送方向へ向けて等間隔で装着されている。
前記搬送ローラ11は、架台19の最上流位置(図1の右方)に装着されたモータローラ12と、このモータローラ12の下流側に順次装着された2本のフリーローラ13とからなっている。
かかる搬送ローラ11は、最上流側のモータローラ12の駆動回転がVベルト(無端ベルト)16を介してまず1本目のフリーローラ13に伝達され、1本目のフリーローラ13の回転は、Vベルト16を介して2本目のフリーローラ13に伝達され、これによってモータローラ12および各フリーローラ13がそれぞれ一体回転するようになっている。以下、これらモータローラ12、フリーローラ13について図2〜図5を基に詳細に説明する。
図2は、モータローラ12の一実施形態を示す分解斜視図であり、図3はその組立て斜視図である。また、図4は、図3のA−A線断面図である。これらの図に示すように、モータローラ10は、被搬送物品Gが載置される駆動ドラム部材20と、この駆動ドラム部材20に同心で内装された筒状ケーシング30と、この筒状ケーシング30に同心で装着された駆動モータ40と、前記筒状ケーシング30内でこの駆動モータ40の駆動軸43の回転を減速する減速装置50と、この減速装置50に同心で接続された一方向クラッチ60と、前記駆動モータ40の駆動回転が伝達される後述の駆動ドラム(搬送ドラム)21の端部閉止筒体22側外方に設けられた駆動プーリ(連結部)70と、前記架台19に固定される、駆動ドラム21の回転中心としての中心軸80とを備えた基本構成を有している。
前記駆動ドラム部材20は、円筒状を呈した駆動ドラム21と、この駆動ドラム21の一方の端部(図2〜図4では左端部)の開口に一体的に嵌め込まれて当該開口を閉止する端部閉止筒体22と、他方の端部開口に一体的に嵌め込まれて当該開口を閉止する端部閉止円板23とを備えて構成されている。これら端部閉止筒体22および端部閉止円板23によって駆動ドラム21内が略密封状態になるようにしている。かかる駆動ドラム部材20は、端部閉止筒体22および駆動プーリ70並びに端部閉止円板23の各中心位置を同心で貫通した中心軸80(端部閉止筒体22を貫通した第1中心軸81および端部閉止円板23を貫通して第2中心軸82)回りに回転可能に軸支されている。
かかる中心軸80は二分されており、端部閉止筒体22を貫通した方(第1中心軸81)は、前方端部閉止筒体22の筒心位置に位置するとともに、ベアリングBを介して駆動プーリ70の中心位置に位置する円柱部811と、この円柱部811と同心で駆動プーリ70の外側に位置する角柱部812と、この角柱部812と前記円柱部811との間に同心で介設された、角柱部812より若干大径の大径円柱部813とからなっている。
これに対し、中心軸80の端部閉止円板23を貫通した方(第2中心軸82)は、ベアリングBを介して前記端部閉止円板23の中心位置に位置する円柱部821と、この円柱部821の外側の端面から同心で突設されて端部閉止円板23の外側に位置する角柱部822とからなっている。そして各角柱部812,822が前記架台19の対応した横フレーム192に固定された状態で駆動ドラム部材20および駆動プーリ70が一方向クラッチ60を介して中心軸80回りに回転するようになっている。
そして、本発明においては、駆動モータ40の駆動は、後に詳述する一方向クラッチ60の作用で駆動ドラム部材20の駆動回転に伝達されるのに対し、外力による駆動ドラム部材20の回転は、一方向クラッチ60の作用で駆動モータ40に伝達されないようになっている。したがって、駆動モータ40が駆動されると駆動ドラム部材20は必ず回転するのに対し、外力により駆動ドラム部材20側が回転したときは、駆動モータ40が駆動しているか否かに拘らず当該駆動ドラム部材20の回転が駆動モータ40に伝達されることはないため、駆動ドラム部材20は、駆動モータ40と独立して回転することになる。
前記端部閉止筒体22は、外径寸法が駆動ドラム21の内径寸法より僅かに小さい筒体本体221と、この筒体本体221の図3における左端縁部に形成された外径寸法が駆動ドラム21のそれと等しいフランジ222と、このフランジ222寄りの駆動ドラム21の内周面から突設された環状堰部223とを備えている。この環状堰部223の奥部側(図4の右方)にベアリングBが内嵌され、これによって端部閉止筒体22がベアリングB回りに円滑に回転し得るようになっている。
かかる端部閉止筒体22の外周面には、周方向に等ピッチで複数のねじ孔224が螺設されている一方、前記駆動ドラム21の一方の端部には各ねじ孔224に対応した複数の貫通孔211が穿設され、ビスNがこれらの貫通孔211を介して各ねじ孔224に螺着されることにより駆動ドラム21が同心で端部閉止筒体22と一体に接続されている。
前記端部閉止円板23は、外径寸法が駆動ドラム21の内径寸法より若干小さい円板本体231と、この円板本体231の一方(図2〜図4の右方)の端部に形成されたフランジ232とを備えている。フランジ232は、外径寸法が駆動ドラム21の外径寸法と同一に設定され、これによって円板本体231が駆動ドラム21に内嵌された状態で、駆動ドラム21の外周面とフランジ232の外周面とが面一になるようにしている。
かかる端部閉止円板23には、内面側に同心でベアリングBを装着するベアリング装着凹部が設けられているとともに、外面側に円形の端壁234が設けられ、この端壁234の中心位置に第2中心軸82の円柱部821が貫通される貫通孔233(図4)が穿設されている。そして、第2中心軸82の円柱部821がベアリングBおよび端部閉止円板233に内嵌されることにより、端部閉止円板23が第2中心軸82回りに円滑に回転し得るようになっている。
そして、端部閉止円板23の外周面には、周方向に等ピッチで複数のねじ孔235が螺設されている一方、前記駆動ドラム21の図4における右方の端部には各ねじ孔235に対応した複数の貫通孔212が穿設され、ビスNがこれらの貫通孔212を介して各ねじ孔235に螺着されることにより駆動ドラム21が端部閉止円板23に固定されるようになっている。
かかる駆動ドラム部材20によれば、駆動ドラム21は、第1および第2中心軸81,82の各角柱部812,822が所定の架台19に固定された状態で、第1および第2中心軸81,82の各円柱部811,821回りに端部閉止筒体22および端部閉止円板23と一体回転し得るようになる。
前記筒状ケーシング30は、駆動モータ40を内装するものであり、円筒状のケーシング本体31と、このケーシング本体31の図4における右端開口を閉止する閉止円板32とからなっている。これらケーシング本体31と閉止円板32とによって囲繞された空間に駆動モータ40を収容するモーター収容室33が形成されている。ケーシング本体31は、外径寸法が駆動ドラム21の内径寸法より僅かに小さく設定され、これによって駆動ドラム21内で筒心回りに回転し得るようになっている。
前記閉止円板32には、図4における左面側にベアリングBを嵌挿する環状突起321が同心で突設されているとともに、同右面側には、前記第2中心軸82の円柱部821に外嵌される外嵌筒322が設けられている。前記環状突起321は、外径寸法がケーシング本体31の内径寸法より僅かに小さく設定され、これによってケーシング本体31に内嵌されえるようになっている。
前記閉止円板32における径方向の環状突起321より外側位置には、図2に示すように、周方向に同一ピッチで複数のビスNが貫通される一方、ケーシング本体31の図2における右端面には、前記ビスNに対応したねじ孔311が螺設され、環状突起321をケーシング本体31に内嵌した状態でビスNをねじ孔311に螺着して締結することにより、閉止円板32がケーシング本体31に固定されるようになっている。
また、環状突起321の内面と、外嵌筒322の内周面との間には、図4に示すように、駆動モータ40に対して電力を供給するためのリード線Lを挿通する閉止円板側挿通孔323が穿設されているとともに、第2中心軸82には、軸心位置に沿って貫通されて一方の開口が前記閉止円板側挿通孔323に対向した中心孔823が穿設されている。
そして、図4に示すように、第2中心軸82の円柱部821が外嵌筒322に嵌入された状態で、リード線Lが中心孔823および閉止円板側挿通孔323を通ってモーター収容室33内に導入されて所定の端子に接続されることにより、図略の電源からの電力が駆動モータ40に供給されるようになっている。
前記閉止円板32の環状突起321は、内径寸法が第2中心軸82の円柱部821の径寸法より若干大きめに設定されている。かかる環状突起321にはベアリングBが内嵌され、このベアリングBの内輪に後述する駆動モータ40の駆動軸43が密着状態で嵌入されている。
前記駆動モータ40は、筒状ケーシング30に圧入し得るように径設定された外径を有するステーター41と、このステーター41内に同心で内装された駆動軸43と、この駆動軸43に同心で一体に外嵌されたローター42とからなっている。前記ステーター41は、誘導モーター方式の環状鉄心を有し、この環状鉄心に導線が巻成されて界磁巻線44が形成されている。この界磁巻線44は、環状鉄心から軸方向に相当長さ突出するように巻成されている。また、前記ローター42は、前記環状鉄心内に同心で装着される固定鉄心を有している。かかる駆動モータ40は、ステーター41がモーター収容室33内に圧入されることにより、筒状ケーシング30内に固定される。
前記減速装置50は、図2および図4に示すように、駆動モータ40に固定される遊星歯車減速装置(減速ギヤ機構)51と、この遊星歯車減速装置51に同心で一体に接続される円形蓋体59とを備えて構成されている。前記遊星歯車減速装置51は、筒状の内歯歯車52と、この内歯歯車52の筒心位置に駆動軸43と同心で配設された太陽軸53と、この太陽軸53に同心で外嵌された2個の太陽歯車54(第1太陽歯車541および第2太陽歯車542)と、各太陽歯車541,542のそれぞれに噛合するとともに、前記内歯歯車52の内歯521に噛合する2組の遊星歯車55(第1遊星歯車551および第2遊星歯車552)と、各遊星歯車551,552を軸支する4枚の軸支円盤56(第1軸支円盤561、第2軸支円盤562、第3軸支円盤563および第4軸支円盤564)とを備えて構成されている。
前記内歯歯車52は、外径寸法が筒状ケーシング30のそれと同一に設定され、図4における右端部が連結ボルトYによって円形蓋体59に固定されている。
前記第1軸支円盤561は、外径寸法が内歯歯車52の内径寸法より若干小さめに設定されている。かかる第1軸支円盤561の図4における左面中心位置には、接続角孔561aが設けられている。
前記第1太陽歯車541には、周方向に同一ピッチで4個の第1遊星歯車551が噛合しているとともに、各第1遊星歯車551は内歯歯車52の内歯521に噛合している。このような第1遊星歯車551は、第1軸支円盤561と第2軸支円盤562とに挟持された状態で、第1および第2軸支円板561,562間に仮設された太陽軸53と平行な4本の歯車支持軸57回りに回転自在に軸支されている。したがって、第1軸支円盤561が駆動軸43回りに回転することにより、各第1遊星歯車551は、歯車支持軸57回りに自転するとともに、第1太陽歯車541回りに公転し、これによる第1太陽歯車541の回転で当該第1太陽歯車541と一体の太陽軸53が軸心回りに回転することになる。
前記第2太陽歯車542は、第3軸支円盤563および第4軸支円盤564に挟持された状態で、太陽軸53の図4における右端部に一体回転可能に軸支されている。かかる第2太陽歯車542には、周方向に同一ピッチで4個の第2遊星歯車552が噛合しているとともに、各第2遊星歯車552は内歯歯車52の内歯521に噛合している。このような第2遊星歯車552は、第3軸支円盤563および第4軸支円盤564間に架設された4本の歯車支持軸57回りに回転自在に軸支されている。
また、前記第4軸支円盤564は、太陽軸53と同心で図4における右方の駆動モータ40へ向けて延びた、第4軸支円盤564の回転を駆動軸43に中継する中継軸58に一体回転可能に軸支されている。したがって、太陽軸53の軸心回りの回転によって第2太陽歯車542が太陽軸53と一体回転すると、第2遊星歯車552が歯車支持軸57回りに自転しながら第2太陽歯車542回りに公転し、これによる第4軸支円盤564の太陽軸53回りの回転が中継軸58に伝達され、当該中継軸58が駆動軸43の回転に対して減速状態で回転することになる。
前記円形蓋体59は、遊星歯車減速装置51の図4における右面開口を閉止するものであり、外径寸法が内歯歯車52のそれらと等しく設定され、その中心位置にベアリングBが装着されている。前記駆動軸43は、その左端部がこのベアリングBの内輪に嵌入され内歯歯車52内で中継軸58と一体回転可能に接続されている。
前記一方向クラッチ60は、図2に示すように、前記中心軸80と同心の円柱クラッチ部材61と、この円柱クラッチ部材61に外嵌される筒状クラッチ部材65とが前記端部閉止筒体22に内装されることによって形成されている。
前記円柱クラッチ部材61は、円柱体62と、この円柱体62の図2における左端部に同心で形成されたフランジ63と、このフランジ63から駆動プーリ70に向けて同心で突設された円形突起64とを備えて構成されている。前記円柱体62は、ベアリングBを介して端部閉止筒体22に嵌め込まれ、これによって軸心回りに円滑に回転し得るようになっている。前記フランジ63は、外径寸法が端部閉止筒体22の内径寸法より僅かに小さく設定され、これによって摺接状態で端部閉止筒体22に内嵌された状態になっている。また、前記円形突起64は、外径寸法が駆動プーリ70の内径寸法より僅かに小さく設定され、これによって駆動プーリ70に嵌入しえるようになっている。
また、前記フランジ63には、駆動プーリ70に向って貫設された複数本のビスNを有し、これらのビスNが駆動プーリ70の図2における右端面に螺設されたねじ孔に螺着されることにより、円柱クラッチ部材61が駆動プーリ70と軸心回りに一体回転し得るようになっている。
そして、前記円柱体62の長手方向の中央位置には、全周に亘って複数のラック621が形成されている。このラック621は、図2における頂部の時計方向側が径方向に向かうように面設定された絶壁面622と、頂部から反時計方向側に向かって周方向に対し先下がりに傾斜した傾斜面623とを備えている。かかる円柱体62の図2における右端面には、減速装置50に向って同心で突設された連結角柱624が突設されている一方、前記遊星歯車減速装置51の第1軸支円盤561には、連結角柱624と対向した角孔561aが設けられ、この角孔561aが連結角柱624に外嵌されることによって、第1軸支円盤561の回転が円柱クラッチ部材61に伝達されるようになっている。
前記筒状クラッチ部材65は、円柱クラッチ部材61の円柱体62に外嵌される円筒体66と、この円筒体66の図2における右端部に同心で形成されたフランジ67と、前記円筒体66の内周面に沿って筒心方向に延びた状態で周方向に並設された複数本のクラッチローラ68とを備えて構成されている。クラッチローラ68は、前記ラック621と同数設けられている。
前記円筒体66は、外径寸法が前記端部閉止筒体22の内径寸法より僅かに小さく設定されているとともに、内径寸法が円柱クラッチ部材61の外径寸法より若干大きめに設定され、これによって端部閉止筒体22に内嵌された状態で円柱体62に外嵌されるようになっている。そして、前記各クラッチローラ68は、円筒体66が円柱体62に外嵌された状態で前記ラック621間に位置するよう配置設定されている。
前記フランジ67は、外径寸法が前記端部閉止筒体22の外径寸法と同一に設定されている。かかるフランジ67には、所定位置に複数のビスNが貫設されている一方、端部閉止筒体22には、図2における右端面に前記ビスNに対向した位置にねじ孔が螺設され、ビスNをこのねじ孔に螺着して締結することにより、筒状クラッチ部材65が端部閉止筒体22に一体に固定されるようになっている。
そして、前記各クラッチローラ68は、ばね等の図略の付勢部材によって筒心方向に向けて付勢されている。したがって、筒状クラッチ部材65が円柱クラッチ部材61に外嵌された状態では、各クラッチローラ68が一のラック621の絶壁面622と隣接した他のラック621の傾斜面623との間に嵌り込み、これによって、円柱体62の反時計方向へ向う回転はクラッチローラ68を介して筒状クラッチ部材65に伝達される一方、筒状クラッチ部材65の反時計方向へ向う回転は、クラッチローラ68が前記付勢部材の付勢力に抗してラック621の傾斜面623を滑り上がることにより、円柱体62には伝達されないようになっている。
このことは、駆動モータ40の駆動による第1軸支円盤561の時計方向に向かう回転は、筒状クラッチ部材65および端部閉止筒体22を介して駆動ドラム21に伝達され、これによって駆動ドラム21は中心軸80回りに反時計方向に向けて回転するのに対し、外力よって駆動ドラム21が反時計方向へ回転したときには、この回転は円柱クラッチ部材61には伝達されず、したがって駆動ドラム21は駆動モータ40とは縁切り状態で反時計方向へ回転するということを示している。
前記駆動プーリ70は、本実施形態においては、大径プーリ71と、この大径プーリ71の外側に同心で形成された小径プーリ72とを備えている。小径プーリ72の外側端面には円形端壁73が形成されているとともに、この円形端壁73の中心位置には、前記第1中心軸81の大径円柱部813が摺接状態で嵌挿される貫通孔731が穿設されているとともに、この貫通孔731の内側には、ベアリングBを装着するとともに、前記円柱クラッチ部材61の円形突起64を嵌挿するための装着空間74が形成されている。
また、前記円柱クラッチ部材61のフランジ63には、駆動プーリ70へ向けて周方向等ピッチで突設された複数のビスNが貫設されている一方、駆動プーリ70の端面には、フランジ63のビスNに対向したねじ孔が螺設され、各ビスNをねじ孔に螺着して締結することにより、駆動プーリ70が円柱クラッチ部材61と一体に固定されるようになっている。したがって、駆動モータ40の駆動による円柱クラッチ部材61の駆動回転は、円柱クラッチ部材61を介して駆動プーリ70に伝達されることになる。
このように構成されたモータローラ12によれば、駆動モータ40が駆動されることによる駆動軸43の駆動回転は、減速装置50によって減速され、第1軸支円盤561を介して一方向クラッチ60の円柱クラッチ部材61の伝達される。これによる円柱クラッチ部材61の反時計方向に向かう回転は、円柱クラッチ部材61のフランジ63を介して駆動プーリ70に直接伝達されるとともに、円柱体62のラック621を介して筒状クラッチ部材65のクラッチローラ68に伝達され、これによって駆動ドラム21と駆動プーリ70とが一体回転することになる。
これに対し、駆動モータ40の駆動による駆動ドラム21の回転速度より速い回転速度になるような外力が駆動ドラム21に加わった場合には、当該駆動ドラム21は、前述すいた一方向クラッチ60の作用によって駆動回転より速い回転速度で自由に回転することになる。
図5は、フリーローラ13の一実施形態を示す断面図である。図5に示すように、フリーローラ13は、図5に示すように、従動ドラム部材201と、この従動ドラム部材201の一方(図5では左方)の端部に同心で装着される従動プーリ(連結部)700と、従動ドラム部材201の各端部から同心で外方に向って突設された中心軸800と、駆動ドラム部材20に設けられたものと同一構成の一方向クラッチ60とを備えて構成されている。
前記従動ドラム部材201は、前記駆動ドラム21と同一径寸法の従動ドラム(搬送ドラム)202と、この従動ドラム202の図5における左端開口を閉止する前記駆動ドラム部材20のものと同一構成の端部閉止筒体22と、同右端開口を閉止する端部閉止部材230とからなっている。端部閉止筒体22については先に詳細に説明しているため、ここでの説明は省略する。
前記端部閉止部材230は、外径寸法が従動ドラム202の内径寸法より若干小さい筒状体236と、この筒状体236の一方(図5の右方)の端部に形成されたフランジ部237とを備えている。前記フランジ部237には、外面側に円形の端壁237aが設けられ、この端壁237aの中心位置に第2中心軸820の円柱部821が貫通される貫通孔が穿設されている。そして、第2中心軸820の円柱部821が、端壁237aに当接するように筒状体236に内嵌されたベアリングBおよび筒状体236の入口側(図5の左方)に内嵌されたベアリングBの各内輪にそれぞれ内嵌されることにより、端部閉止部材230が第2中心軸820回りに円滑に回転し得るようになっている。
そして、第2中心軸820の円柱部821の略中央部には、軸側環状溝823が凹設されている一方、端部閉止部材230の筒状体236の開口端側(図5の左側)の内周面には、筒状体側環状溝が凹設され、これらの各環状溝にはCリングXが装着されている。筒状体側環状溝に装着されたCリングXは、筒状体236の開口側のベアリングBの図5における左面に当接されている一方、軸側環状溝に装着されたCリングXは、筒状体236の奥部側のベアリングBの図5における左面に当接されている。
かかる状態で一対のベアリングBに支持された第2中心軸820の円柱部821には、筒状体236の入口側のベアリングBと、筒状体236の奥側のCリングXとの間に圧縮状態でコイルスプリング83が外嵌されている。したがって、第2中心軸820は、このコイルスプリング83の付勢力によって端部閉止部材230から抜け出る方向に付勢されているとともに、端部閉止部材230内に向けて押圧されることによりコイルスプリング83の付勢力に抗して端部閉止部材230内に没入し、これによってフリーローラ13を所定の架台19に装着するときの第1および第2中心軸81,820間の距離を調節し得るようになっている。
前記従動プーリ700は、図5に示す例では、モータローラ12に隣設されるフリーローラ13のものを示している。かかる従動プーリ700は、小径プーリ72をモータローラ12の大径プーリ71(図4)と対向させるために、当該小径プーリ72が内側に形成されている点がモータローラ12の駆動プーリ70と相違しているが、その他の構成は、モータローラ12のものと同様である。因みに、モータローラ12から1つおいて隣に設けられるフリーローラ13にあっては、モータローラ12のものと全く同一の駆動プーリ70が採用されている。
そして、図1に示すように、Vベルト16がモータローラ12の大径プーリ71と、このモータローラ12に隣設されたフリーローラ13の小径プーリ72との間に張設されるとともに、このフリーローラ13の大径プーリ71と最下流側のフリーローラ13の小径プーリ72との間にVベルト16が張設されることにより、モータローラ12の駆動モータ40の駆動回転が、各Vベルト16を介して各フリーローラ13に順次増速状態で伝達されるようになっている。これによって、上流側のフリーローラ13の従動ドラム202は、モータローラ12の駆動ドラム21より速い速度で回転するとともに、下流側のフリーローラ13の従動ドラム202は、上流側の従動ドラム202より速い速度で回転することになる。
図6は、本発明の作用を説明するための説明図であり、(イ)は、被搬送物品Gがモータローラ12の駆動ドラム21に支持された状態、(ロ)は、被搬送物品Gがモータローラ12の駆動ドラム21および上流側のフリーローラ13の従動ドラム202に支持された状態、(ハ)は、被搬送物品Gがモータローラ12の駆動ドラム21並びに上流側および下流側の従動ドラム202のフリーローラ13の従動ドラム202に支持された状態をそれぞれ示している。なお、図6においては、駆動ドラム21および従動ドラム202の回転速度を矢印の長さによって表示している。
まず、図6の(イ)に示すように、被搬送物品Gが駆動ドラム21にのみ支持された状態では、駆動ドラム21は、矢印aで示す速度で回転しているのに対し、上流側の従動ドラム202は、Vベルト16がモータローラ12の大径プーリ71とフリーローラ13の小径プーリ72との間に張設されていることによって、矢印aより速い速度の矢印bで回転し、さらに下流側のフリーローラ13の従動ドラム202は、同様に矢印cで示す上流側の従動ドラム202より速い速度で回転した状態になっている。したがって、駆動ドラム21に載置された被搬送物品Gは、上流側の従動ドラム202に到達するまで矢印aで示す回転速度の周速度で搬送されることになる。
ついで、図6の(ロ)に示すように、被搬送物品Gが上流側の従動ドラム202に到達すると、当該被搬送物品Gは、従動ドラム202の矢印bで示す回転速度に対応した周速度で搬送されることになる。そうすると、被搬送物品Gが載置されている駆動ドラム21は、被搬送物品Gの搬送速度に誘導されて本来の矢印aで示す回転速度ではなく、上流側の従動ドラム202の矢印bで示す回転速度で回転することが強制されるが、先に詳述した一方向クラッチ60の作用で無理なく矢印bで示す速度で回転する。
ついで、図6の(ハ)に示すように、被搬送物品Gが下流側の従動ドラム202に到達すると、上流側の従動ドラム202および駆動ドラム21は、最も速い回転速度である下流側の従動ドラム202の矢印cで示す回転速度に合わされて回転するが、上流側のフリーローラ13にも一方向クラッチ60が設けられているため、全てのドラムは、矢印cで示す最速で回転することができる。
このように、最上流側の搬送ローラ11から下流側の搬送ローラ11に向って、順次ドラムの回転速度を速く設定した場合において、搬送ローラ11内に一方向クラッチ60を設けることにより、被搬送物品Gが載置されている各ドラムの回転速度を常に最速の搬送ローラ11のドラムの回転速度に追随させることができるため、従来のように、複数のドラムの速度差によって被搬送物品Gとドラムとの間にスリップ現象が発生し、これによって被搬送物品Gに悪影響を与えるような不都合を確実に防止することができる。
以上詳述したように、本発明にかかるローラコンベヤ10は、駆動モータ40の駆動により軸(上記の実施形態では円柱体62)回りに一体回転する駆動ドラム(搬送ドラム)21を備えたモータローラ(搬送ローラ11)12と、このモータローラ12に駆動力伝達部材を介して軸回りに一体回転可能に連結される従動ドラム(搬送ドラム)202を備えたフリーローラ(搬送ローラ11)13とが所定の架台19に物品搬送方向に向けて並設されてなるものであり、回転速度が遅い方の搬送ドラム(上記の実施形態では上流側の従動ドラム202)とこの従動ドラム202に係る前記軸との間には、該軸の回転を搬送ドラムに伝達する一方、外力による搬送ドラムの回転を前記軸に伝達しない一方向クラッチ60が介設されているため、モータローラ12の搬送ドラムは、モータローラ12に設けられた駆動モータ40の駆動により駆動回転し、この駆動回転は、駆動力伝達部材を介してフリーローラ13の駆動ドラム21に伝達され、これによって駆動ドラム21は従動回転する。したがって、モータローラ12を駆動させたることにより、各搬送ドラムが回転することになるため、この状態で各搬送ドラムの上に物品を載置すれば、載置された物品は、各ローラの回転に誘導されて搬送されることになる。
そして、回転速度が遅い方の搬送ドラムとこの搬送ドラムに係る軸との間には、該軸の回転を搬送ドラムに伝達する一方、外力による駆動ドラムの回転を軸に伝達しない一方向クラッチ60が介設されているため、物品は、モータローラ12用およびフリーローラ13用の搬送ドラムの内の回転速度が速い方の搬送ドラムによる搬送速度で搬送されることになるが、他の搬送ドラムも、一方向クラッチ60の作用により最速のドラムの回転速度と同一の回転速度で従動する。したがって、従来のように、物品が回転速度の異なる搬送ドラムによって搬送されることにより生じるスリップ現象が生じなくなり、これによって安定した物品の搬送が実現するとともに、スリップによって生じる搬送ドラムの損傷や物品の損傷をなくすことができる。
また、駆動力伝達部材として、各搬送ドラムにおいて各搬送ドラムに同心で一体回転可能に設けられたプーリ間(駆動プーリ70と従動プーリ700との間、あるいは隣設された従動プーリ700間)に張設されるVベルト16を採用すれば、各プーリの径寸法を適正に設定することによりプーリ間に張設されたVベルト16の周回で各搬送ドラムの回転速度を適正に設定することができる。そして、駆動力伝達部材としてVベルト16を採用することにより当該駆動力伝達部材の構造を簡単なものにすることができる。
さらに、駆動軸43と一方向クラッチ60との間には、駆動軸43の回転速度を減速して一方向クラッチ60に伝達する減速装置50が介設されているため、駆動モータ40の駆動回転が減速装置50により減速された状態で一方向クラッチ60を介して搬送ドラムに伝達されるため、搬送ドラムを物品の搬送に適した大きな回転力で回転させることができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
(1)上記の実施形態においては、ローラコンベヤ10は、架台19に上流側からモータローラ12、上流側のフリーローラ13および下流側のフリーローラ13がこの順番で設けられることによって形成されているが、本発明は、搬送ローラ11の数や、モータローラ12の配置が上記の実施形態のように設定されることに限定されるものではなく、各種の対応が可能である。
図7は、搬送ローラ11を3本とした場合のモータローラ12および搬送ローラ11の配置の他の実施形態を示す説明図であり、(イ)は、モータローラ12が中央部に配置されるとともに、上流側および下流側のフリーローラ13に対して増速状態でモータローラ12の駆動回転が伝達される実施形態、(ロ)は、モータローラ12が中央部に配置されるとともに、上流側のフリーローラ13に対して減速状態、下流側のフリーローラ13に対して増速状態でモータローラ12の駆動回転が伝達される実施形態、(ハ)は、モータローラ12が最下流側に設けられるとともに、モータローラ12の駆動回転が2本のフリーローラ13に順次伝達される実施形態をそれぞれ示している。
まず、図7の(イ)に示す搬送ローラ11の配置形態においては、3本の搬送ローラ11の内のモータローラ12が2本のフリーローラ13の間に配設されているとともに、モータローラ12の大径プーリ71と各フリーローラ13の小径プーリ72とにVベルト16が掛け回されることによって大径プーリ71の駆動回転が小径プーリ72に伝達されるようになっている。したがって、各搬送ローラ11上に被搬送物品Gが載せられていない状態では、各フリーローラ13の回転速度は、モータローラ12の回転速度より速くなっているが、被搬送物品Gが各搬送ローラ11上に載せられた状態では、モータローラ12は、被搬送物品Gの搬送に誘導されつつ一方向クラッチ60(図2)の作用で空回りし、フリーローラ13と同一の回転速度で回転することになる。
かかる搬送ローラ11の配置は、複数台が直列に並設されるユニット化されたローラコンベヤ10(図1)の内で、上流端および下流端をのぞく搬送装置100の中間位置に配設されるのが好適である。その理由は、上流側のフリーローラ13は、当初から送り込まれた被搬送物品Gの搬送速度に対応した回転速度で回転しているため、より円滑に被搬送物品Gを受け入れることができるからである。
ついで、図7の(ロ)および(ハ)に示す搬送ローラ11の配置形態は、モータローラ12の配置位置が上記の図6に示す配置と相違しているだけであり、Vベルト16の張設状態は図6に示すものと同様である。したがって、上流側から下流側に向うに従い搬送ローラ11の回転速度が漸増することも図6に示すものと同様である。
図6に示すもを含めてこのような搬送ローラ11の配置は、搬送装置100において、上流端に使用されるローラコンベヤ10として好適である。その理由は、搬送装置100の上流端では、系外からの被搬送物品Gがまず上流端の搬送ローラ11に載せられるが、このとき被搬送物品Gが急に高速で搬送されていくより可能な限り低速で搬送される方が、物品受け渡しのハンドリング上好ましいからである。
(2)上記の実施形態においては、回転速度が最速の最下流側のフリーローラ13にも一方向クラッチ60が採用されているが、本発明は、最下流側の搬送ローラ11に一方向クラッチ60を採用することに限定されるものではない。その理由は、最下流側の搬送ローラ11は、最速で回転しているため、これより速い速度で空回りする必要がないためである。但し、回転速度が最速の搬送ローラ11に一方向クラッチ60を設けておけば、搬送ローラ11が同一仕様になるため、搬送ローラ11の配置の自由度が向上する。
(3)上記の実施形態においては、ローラコンベヤ10として3本の搬送ローラ11が架台19に並設されたものでユニット化され、このユニット化されたローラコンベヤ10をさらに並設することにより搬送装置100を形成しているが、ユニット化しないで当初から長尺の架台を用意し、この架台に3本以上の搬送ローラ11を装着するようにしてもよい。
逆にローラコンベヤ10として1本のモータローラ12と1本のフリーローラ13とからなるものを採用してもよい。
(4)上記の実施形態においては、一方向クラッチ60としてラック621を備えた円柱体62を有する円柱クラッチ部材61と、前記円柱体62に外嵌されるクラッチローラ68を備えた筒状クラッチ部材65とからなるものが採用されているが、本発明は、一方向クラッチ60がこのように構成されたものであることに限定されるものではなく、各種の市販の一方向クラッチを採用することができる。
(5)上記の実施形態においては、駆動力伝達部材としてVベルト16が採用されているが、本発明は、駆動力伝達部材がVベルト16であることに限定されるものではなく、各種のギヤを組み合わせたギヤ機構を採用してもよい。
本発明に係るローラコンベヤの一実施形態を示す斜視図である。 モータローラの一実施形態を示す分解斜視図である。 図2に示すモータローラの組立て斜視図である。 図3のA−A線断面図である。 フリーローラの一実施形態を示す断面図である。 本発明の作用を説明するための説明図であり、(イ)は、被搬送物品がモータローラの駆動ドラムに支持された状態、(ロ)は、被搬送物品がモータローラの駆動ドラムおよび上流側のフリーローラの従動ドラムに支持された状態、(ハ)は、被搬送物品がモータローラの駆動ドラム並びに上流側および下流側の従動ドラムのフリーローラの従動ドラムに支持された状態をそれぞれ示している。 搬送ローラを3本とした場合のモータローラおよび搬送ローラの配置の他の実施形態を示す説明図であり、(イ)は、モータローラが中央部に配置されるとともに、上流側および下流側のフリーローラに対して増速状態でモータローラの駆動回転が伝達される実施形態、(ロ)は、モータローラが中央部に配置されるとともに、上流側のフリーローラに対して減速状態、下流側のフリーローラに対して増速状態でモータローラの駆動回転が伝達される実施形態、(ハ)は、モータローラが最下流側に設けられるとともに、モータローラの駆動回転が2本のフリーローラに順次伝達される実施形態をそれぞれ示している。
符号の説明
100 搬送装置 10 ローラコンベヤ
11 搬送ローラ 12 モータローラ
13 フリーローラ 16 Vベルト(無端ベルト)
19 架台 191 支柱
192 横フレーム 193 幅フレーム
20 駆動ドラム部材 201 従動ドラム部材
202 従動ドラム(搬送ドラム)
21 駆動ドラム(搬送ドラム)
211,212 貫通孔 22 端部閉止筒体
221 筒体本体 222 フランジ
223 環状堰部 23 端部閉止円板
230 端部閉止部材 231 円板本体
232 フランジ 233 貫通孔
234 端壁 235 ねじ孔
236 筒状体 237 フランジ部
237a 端壁 30 筒状ケーシング
31 ケーシング本体 32 閉止円板
321 環状突起 322 外嵌筒
323 閉止円板側挿通孔 33 モーター収容室
40 駆動モータ 41 ステーター
42 ローター 43 駆動軸
50 減速装置 51 遊星歯車減速装置(減速ギヤ機構)
52 内歯歯車 53 太陽軸
54 太陽歯車 541 第1太陽歯車
542 第2太陽歯車 55 遊星歯車
551 第1遊星歯車 552 第2遊星歯車
56 軸支円盤 561〜564 第1〜第4軸支円盤
57 歯車支持軸 58 中継軸
59 円形蓋体 60 一方向クラッチ
61 円柱クラッチ部材 62 円柱体
621 ラック 622 絶壁面
623 傾斜面 624 連結角柱
63 フランジ 64 円形突起
65 筒状クラッチ部材 66 円筒体
67 フランジ 68 クラッチローラ
70 駆動プーリ(連結部) 700 従動プーリ(連結部)
71 大径プーリ 72 小径プーリ
73 円形端壁 731 貫通孔
74 装着空間 80 中心軸
81 第1中心軸 811 円柱部
812 角柱部 813 大径円柱部
82,820 第2中心軸第 821 円柱部
822 角柱部 823 中心孔
83 コイルスプリング B ベアリング
N ビス X Cリング

Claims (3)

  1. 所定の架台に搬送方向に並設され、それぞれ搬送方向に対して順方向となる方向に軸回りに回転可能な搬送ドラムを有する第1および第2のローラの内の一方のローラの搬送ドラムが駆動モータにより回転されるとともに、第1および第2のローラの連結に供される各連結部間を駆動力伝達部材で連結してなるローラコンベヤにおいて、
    前記第1および第2のローラの連結部は、回転比が異なる構造を有しており、
    前記回転比が小さい連結部を有するローラは、該ローラの搬送ドラムと連結部との間に介設された、該連結部に対して前記順方向に相対速度を備えて搬送ドラムを回転自在とする一方向クラッチを有していることを特徴とするローラコンベヤ。
  2. 所定の架台に搬送方向に並設され、それぞれ搬送方向に対して順方向となる方向に軸回りに回転可能な搬送ドラムを有する複数のローラの内の一のローラの搬送ドラムが駆動モータにより回転されるとともに、複数のローラの隣設されたもの同士の連結に供される各連結部間を駆動力伝達部材で連結してなるローラコンベヤにおいて、
    前記各連結部は、回転比が異なる構造を有しており、
    前記回転比が最も大きい連結部を有するローラを除く各ローラは、該ローラの搬送ドラムと連結部との間に介設された、該連結部に対して前記順方向に相対速度を備えて搬送ドラムを回転自在とする一方向クラッチを有していることを特徴とするローラコンベヤ。
  3. 前記連結部は、前記軸と同心のプーリであり、前記駆動力伝達部材は、隣設する前記各搬送ドラムにおいて各搬送ドラムに同心で一体回転可能に設けられたプーリ間に張設される無端ベルトであることを特徴とする請求項1または2記載のローラコンベヤ。
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